アニメ第1回放送2000年10月16日
「時代(とき)を越えた少女と封印された少年」
原作少年サンデー1996年11月13日(50号)「封印された少年」 原作少年サンデー1996年11月20日
(51号)「蘇る犬夜叉」
☆ ☆ ☆
「そっか。金田一くん終わったんだっけ・・・。」 日テレからNHKにチャンネルを変えようとした手が、V6の
「Change The World」にふと止まった。
2000年10月16日、前日オリンピック後の倦怠感と、長く変化のない県政に疲れ果てていた長野県民が県知事選
で作家の田中康夫氏を新知事として選び、日本中が騒ぎ立てた翌日のことである。
私と「犬夜叉」、そして高橋先生との出会いだった。
後になっていろいろな大物アーティストがオープニングやエンディングを歌っているが、私はこの曲こそが一番「犬夜
叉」にふさわしいと今でも思っている。
この頃はまだ原作を読んでいなかったので、素直にアニメに溶け込めた。
監督は池田成(まさし)氏。
監督が途中で変更になり、それによりアニメの方向性も大きく変わる事になるが、もちろんまだそんなことは知らない。
犬夜叉は当然蘇るにしても、桔梗が出てくることはもうないだろうと思っていた。
犬夜叉&桔梗は山口勝平さんと日高のり子さんの乱馬&あかねコンビ。
「らんま」を見るようになってからも、しばらく桔梗=あかねに気付かず、知った時にはひどく驚いたことを覚えている。
かごめ役の雪乃五月さんは、後に「サイボーグ009」の003役で再見。
草太役の中川亜紀子さんは金田一くんの幼なじみ、七瀬美雪役だった。
楓役の京田尚子さんだけは以前からポアロやマープル物の吹き替えでお名前を知っていたように思う。
さて、アニメではかごめの家の御神木が樹齢1000年として登場する。
原作では500年だが、たしかにこれはおかしい。
かごめの時代を連載時の1996年に仮定してみよう。
作品中で「尾張のうつけ」と呼ばれる織田信長が誕生したのが1534年。
「桶狭間で今川義元を破り、大ブレイク」するのが1560年だから、犬夜叉の時代はその26年の間と推定される。
1560年と設定してもかごめの時代との差は436年。
樹齢500年なら戦国時代はまだ苗木のはず、などと突っ込みを入れたのももちろん後のこと。
原作を比べてみると、最初だけに原作に忠実に作られていることがわかる。
私の印象では、かごめがずいぶん気の強い女の子に感じられたことくらいだろうか。
たとえば後になって読んだ「犬夜叉」の原点と言われる「炎トリッパ−」。
主人公の涼子も戦国時代にタイムスリップするが、こちらはパニックに陥り、怯え、閉じこもり、戦国時代で生きる一歩
を踏み出すことがなかなかできなかった。
むしろこちらの反応の方が自然だろう、自分に置き換えてみればすぐわかることである。
それでは物語が進まないので、このような性格に設定したのであろうが、最初は少し違和感を感じた。
百足上臈、かごめを戦国時代にいざなうだけの存在だったが、四魂の玉の匂いをかぎつけて現代にまでやって来る
ほどの妖力を持っていたにしてはあっけない最後だった。
ただし、巫法札合戦では体力こそ少ないものの、相手の後衛に攻撃できる特技を持つので、使いでのある御供に昇
格している。
そういえば七人隊に関連して赤間神宮を調べた時に発見したこと。
安徳天皇の入水後、女郎に身を落とした女官達が、天皇を偲んで行った参拝が、そのまま「上臈参拝」なる赤間神宮
の行事として、毎年5月3日に行われているそうである。
(2002年11月6日の日記)
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