原作アニメ比較 15

神泉最高 炎蹄最高
アニメ第141回放送2004年2月9日
「解き放たれた妖馬炎蹄」

原作少年サンデー2002年12月18日(3号)第293話「分断」
原作少年サンデー2002年12月25日(4,5合併号)第294話「炎蹄」

     ☆     ☆     ☆

次回は原作と思うとやっぱり嬉しい。
もうコミック何回も読み直して1週間前からスタンバイ。

今回は30巻だからと30巻を読んで、おもしろいから31巻、32巻、最後まで読んだらまた1巻♪
気づいてみたら30巻まで一回り(笑)。
原作前のいつもの私。

神泉だの煉獄鬼だのわけのわからん名前が気になるが、実はこの赤子に命を取られるも、果敢に戦う和尚さんが好き。
晴海、無双(鬼蜘蛛じゃない方)etc.徳の高い僧でありながら、「犬夜叉」に関わったばかりにあえない最後を遂げるキャラがいるが、彼らの中でも特に好き。

神泉と名づけられたこの和尚、なんとなく西前忠久さんかなあと思っていたら永田博丈(ひろたけ)さん。
写真を見たら、凄みのある、圧倒されるような存在感、ちょっと怖いほど。

煉獄鬼は猪九戒っぽくない方、三つ首の竜みたいな妖怪かな?
今回はどこまでだろう。
馬が大好き(ペガサスや・・・笑)な私、炎蹄も実は大好き。
あっけない最期を遂げるのが残念なキャラの筆頭。
小生意気なお坊ちゃま、白童子も実は好き(笑)、出てくれるかな?
とここまでは見る前の期待感。

神楽の赤子の片割れスーパー袋持ちバージョンも早く見たい。

     ☆     ☆     ☆

なんといってもアニメは冒頭部分が大事。
「こばらすき」発言から始まるこの俗っぽさ、「あーあ」と思って見ていたが、原作モードに入った瞬間から引き込まれてしまった。

まずは声が誰なのかもわからぬ神主さん殺害事件。
煉獄鬼ではなかった三つ首竜のような妖怪をあっさり倒した犬夜叉、西前名主さんが台詞も多く、お顔も素敵で何だかとってもいい感じ。

おもしろかったのが話を聞いてる珊瑚の後の飛来骨がいやにでかい、しかも次の瞬間、弥勒の錫杖共々瞬時にして消える。(笑)
さらに次の瞬間再び現れる。
ナチュラル睡骨鍵爪瞬間取り出し装着芸以上の早業だった。

犬夜叉達が名主さんから話を聞いている頃、万願寺では神泉和尚が煉獄鬼(完全オリジナル?猪九戒のパワーアップバージョン?)と炎蹄の記憶を辿る。
貫禄あるのに「はぁーっ!!」がとってもお茶目(笑)。
同時に炎蹄がらみのオリジナルも素晴らしかった。

炎蹄の迫力、久々神楽の悪女ぶりと楽しんでいったが、もうひとつ良かったこと。
かつて炎蹄を封印したほどの法力を持ちながら、今回あっけなくやられたのは、「年を取ったことによる衰え」と「弟子をかばうために無理をした」ためと原作を膨らませた。
ここでも独鈷が登場する。

とにかく神泉と炎蹄が迫力満点で素晴らしかったが、最後の最後、竜骨精と化したような口から電撃?はやり過ぎだろう。
あれでは助かるわけがない。
以前の奈落戦でもあったけど。

適当な所で逃げてくれたらかっこ良かったのにと思うととても残念。
神楽の半童子つまみ持ちも堪能したが、やっぱり声が・・・。
予告によると、白童子になってもこの声のままらしい。
蛇骨と同じような違和感がぬぐえないのが辛いところ。

次回本格的に登場する煉獄鬼 巻島直樹さんは「名探偵コナン」でもお名前を見かけた方。
弟子の野島裕史(ひろふみ)さんは、「羅刹の勘助」野島昭生さんの息子さんで、陸遜くんの野島健児のお兄さん。
もう1人は久保田隆さん。
前述の通り、名主役で西前忠久さんも登場する。

最後に「史上最強の弟子」だっけ?のCM良かった。
サンデー漫画はほとんど読まないが、これと「からくりサーカス」は意外に好きだったりする。
アニメ化してくれないかなあ・・・。

前にもちょっと書いた記憶があるが、犬夜叉ゲーム、普通のアニメバージョンの方がいい。
わざわざ立体的にしなくても・・・。
ついでにオリジナルの女の子を見るたびに景麒なみのため息をついてしまう私・・・。
なーんかこの女の子世代以外は弾かれてしまいそうで、引いてしまいそう。

     ☆     ☆     ☆

きのうフジテレビの「EZ!TV」をつけっ放しにしていたら、いきなり「世界中を魅了する日本アニメの舞台裏」なる特集?が始まり、外国のファンの目の前にいくつかのDVD?コミック?がバババババンと飛び出した、その最後になんと「犬夜叉」!
「えっ、いいのか?フジテレビ!」と思って思わず見入ってしまった。

もっとも話は「犬夜叉」には関わりなく、杉並区に集中するアニメ製作会社の紹介でサンライズがちょっと紹介されただけ。
内容はむしろこれからのアニメ業界の危機感を訴えるものだつた。
制約が厳しく、予算も少ないために、中国、韓国などの(絵を描く)スタッフが非常に多い。
アニメ全体のおよそ80%が海外発注されているのだそうだ。
初めて知った。

動画を描くことはアニメ製作の基本中の基本。
それをやる若手がいないから技術的に育たない。
今の世界に名だたる製作者の次世代を継ぐ技術を持った者がいなくなってしまうという。

これにはびっくりした。
同時に若手を育てるためのさまざまな試みや、修行中の2人の女性も紹介される。
アニメのこういった面を見ると、やはりプロとしての努力には頭が下がる。
ちなみにここで紹介されていたのは「テニスの王子様」。
 (2004年2月9日の日記) 
暴走してるのは炎蹄? それとも・・・
アニメ第142回放送2004年2月16日
「暴走炎蹄と戦慄の白童子」

原作少年サンデー2003年1月7日(6号)第295話「白童子」

     ☆     ☆     ☆

最初にものすごい恥ずかしい話。
先週のアニメを見るまで「白童子」を「はくどうじ」と読んでた私。
ついでに後々まで「犬夜叉」を「犬夜又」と書くと信じてた、「いぬやまた」。

それはともかく今週はついに白童子登場、しかも暗がりにセミヌード披露。
好きだよなあ、こういうの・・・、誰の好みだろう。
今回の主役はもしかして煉獄鬼かと思うほど煉獄鬼を持ち上げまくっていたが、猪九戒もどきの性格といい、炎蹄とのアイ(愛?)コンタクトといい爆笑もの。

何よりあまりにチャチ妖怪。
たくさんの妖怪を一人で倒したからといって「天下を取る」とは叢雲牙が聞いたら腹を抱えて笑うだろう。
そんな煉獄鬼を選んだ炎蹄もかなり格下妖怪と化してしまった。
先週やりすぎとはいえ迫力の大暴走を見せてくれた炎蹄、好きだったんだけどな。
煉獄鬼のわけのわからん言葉に頷く炎蹄、素直に逃げる炎蹄、言い訳する煉獄鬼を見つめる炎蹄・・・。

炎蹄の背に乗った煉獄鬼は神楽に出会い、「嫁取り宣言」。
ここでの神楽は意外に好き。
炎蹄には神楽を選んで欲しいくらい。

今日の犬夜叉はかっこ良かった。
犬夜叉というキャラは戦闘シーンにおいてはわりとワンパターンなので、いつもはぼ〜っと見ているのだが、戦いが終わった後でかごめと「さっ。」「うん。」と背負うシーン、あまり見ることないので新鮮だった。
でも「馬の分際で」がなかったよ(涙)。

で、かごめの今日の一言、「おしかったのに〜。」
前半はとにかく合いの手オンリーなのでできればあまり喋らないで欲しいな、この子は。
CM後は原作っぽいかごめだったが、逃げる時必ず転ぶお約束はどうにかして欲しいと思った。
でも鋼牙を思い出してくれてありがとう。

なぜか歩いて登場の白童子が今度は炎蹄と「愛コンタクト」。
「目と目が合ったらmiracle♪」なんて歌なかったっけ?そんな感じ。
煉獄鬼との戦いは、軽技力技北斗の拳でフィニッシュ、あーあ。

白童子の声はたしかに抑揚がないが、一本調子ではないような気がするのは私だけだろうか。
途中で宋矢樹頼さんの和尚その3、最後にプレステの風天大人をサービスしておしまい。
次回予告の甘太はカワウソというより子豚か狸に見えたが・・・。
タイトルは「父を訪ねて三千里」ですか、1万2千キロ。

こういうのって「大人世代に懐かしい〜って涙して欲しいのかしら?」って思ってしまう。
殺生丸も予告に出てたが、天生牙に絡む大事な話。
オリジナルだか何だかわからないようなタイトルはちょっと・・・である。

 (2004年2月16日の日記) 
甘太と七宝、天生牙
アニメ第143回放送2004年2月23日
「父を訪ねて三千里」

原作少年サンデー2003年1月15日(7号)第296話「首のない妖怪」
原作少年サンデー2003年1月22日(8号)第297話「あの世とこの世の境」

     ☆     ☆     ☆

よみうりサイトによると、原作どおりに?猪九戒も登場するらしい。
村人の中嶋聡彦さん、田中一成さん、猪九戒のお供の河童の西前忠久さん、こざるの幸田夏穂さんも揃い踏み。
今回はカワウソ妖怪甘太と七宝、甘太の父妖怪との心暖まる交流が切ない佳作。
一応物語の進行に沿ったエピソードなのに、「石の花」を髣髴させる素敵なサイドストーリーとして私は捉えている。

父妖怪は山口太郎さん、そして甘太はならはしみきさん、クレヨンしんちゃん=琥珀のママ(みさえ)だったりする。

とにかく楽しみ楽しみ♪

タイトルと導入の弥勒の部分で「いつまでやってるんだろ・・・。」と気が滅入ったが、本編に入ってからはもう夢中で見入ってしまった。
カワウソ親子の語らい、意外なことに猪九戒と炎蹄の語らい?も楽しめ、猪九戒が原作のように首切りされなくてほんとに良かった。

妖怪の首と戯れる?白童子と見守る神楽、邪見とりんの会話、もちろんメインの犬夜叉一行。
あまりに普通に素晴らしくて、ちょっと気取りっ子の殺生丸だけが目立ってたけど。
一瞬の飛天登場も嬉しいプレゼント。

甘太と七宝の心の交流にも泣けた。
甘太も七宝も愛しくて、七宝がカワウソの父妖怪に自分の父を重ね合わせる場面は、つい自分も思い出してしまう。
でも七宝の父は、生きてる時は人間の形をしていて、死んで初めて狐型に戻ったのかと思っていたが、生きてる時から狐型だったんだ・・・。
鋼牙や七宝はどうなんだろう。

今回もうひとつ大切なのは天生牙。
犬夜叉の「殺生丸にゃ使えねえ代物だぜ。」の言葉で、「何を、見ておれ!」などと刀を振るっていたら大笑いだが、さすがにそこは大人の殺生丸。

しかしこの地へ殺生丸を呼び出したのも天生牙ならば、カワウソの父妖怪の命を助けよと促したのも天生牙。
結果的に殺生丸は父妖怪の命を救い、父君の墓について思い出す。
四魂のかけらがあるかもしれないその場所。

犬夜叉たちは次回宝仙鬼と会うことになるが、この人のいいばかりの飄々とした息子の父親とは、とんでもない形で会うことになる。
しばらく父君の墓がらみの話が続くのは嬉しい。

それはともかくアニメ特有の作品自体のテンションが抑えられ、じっくり見せてくれる素晴らしい作品だったと思う。
いつもこうだといいなと思う、ほんとに思う。
無理にアニメを楽しもうとしながら見ることは辛いから、ほんとに辛いから。

来週いよいよ登場の宝仙鬼ジュニア。
冥加、刀々斎、そしてこの二代目宝仙鬼と飄々キャラが揃い踏み。
ついでに映画の鞘も出てくれないかな。

          ☆          ☆          ☆          ☆

今日届いたスカパーガイドの3月号に、アニマックスで放送開始の「犬夜叉」にちなんだ高橋先生のインタビューが掲載されていた。
これが非常におもしろい。

「犬夜叉」誕生のきっかけは「戦国時代や、ファンタジーっぽいものが描きたくて、戦と刀の世界がおもしろそう。」
また、アニメが独自の展開を見せていることに対しては「原作は忠実に、オリジナルはハメを外したものもあるが、原作ではできないことなのでそれはそれでおもしろい。」と答えておられる。

もちろん宣伝的な意味合いもあるインタビューであり、仮に不満があったとしてもおっしゃることはないだろうが、アニメに対して、
「アニメのクオリティーは保証付き。サンライズの絵も、音楽も素晴らしいし、声優さんもベストのキャスティング。
絶対に見て損のない作品。」て断言しておられる。

全部載せるわけにはいかないのが辛いところだが、うる星やつらのテンちゃんと七宝の比較などもおもしろい。

これから「犬夜叉」を知る人たちが、原作とアニメの設定やキャラの違いへのこだわりとは無縁の、白紙の状態で飛び込んで、アニメのおもしろさを堪能してくれるように、犬夜叉人気が再爆発してくれるように、心から祈りたい。
ついでに、スカパーでも犬夜叉放映開始を記念して、プレゼントが出ていたが、3月に出るゲームの他に「犬用の緋鼠の衣」があった。
これには爆笑。
1名様だけど、応募してみようかしら?
 (2004年2月23日の日記) 
オリジナルがたくさん
アニメ第144回放送2004年3月1日
「宝仙鬼と最後のかけら」

原作少年サンデー2003年1月29日(9号)第298話「宝仙鬼」

     ☆     ☆     ☆

前回のカワウソ妖怪親子との心暖まる交流に続いて登場するのは、宝仙鬼(正確には宝仙鬼ジュニア、笑)。
原作物だが、新しい妖怪が登場する1話物は、この時期とても新鮮に感じる。
特に今回は甘太に続き、名も良しキャラも良しのすっとぼけ妖怪。
いえ本人はいたってまじめなのだが、人間の尺度に合わせるとあまりにのんきで、犬夜叉とかごめのリアクションにも大笑いさせられる。

珊瑚の「妖怪ってのは気が長いもんだね。」の台詞もなにげにツボ。
「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」にも出演されていたという(役名はわからず)斎藤志郎さんは、どんな宝仙鬼を見せて下さるのだろうか?

導入から声の柔らかいかごめにまず感動。
犬夜叉の夢もものすごくかっこよくて、シリアスで良かったけれど、もしかして犬夜叉、「父君の墓壊す気満々?」(笑)
野外での犬夜叉の寝方は、原作どおりの「もたれ系」。
オリジナルでの「大の字いびき系」はわかってやってるんだなあと思った。

懐かしの名シーンがこのところが多いが、たまたまにしろアニマックス再放送の宣伝になっているようで嬉しい。
ところで「父君の墓」へ犬夜叉たちを導いた「黒真珠」。
アニメでは犬夜叉の目に戻っていた。
よってオリジナルで「犬夜叉の瞳と一体化して妖力が消えた」ことになる。
これに関しては原作よりも説得力があるような気がする。

それにしても今回の話、オリジナルの挿入が多い。
必死に山登りする犬夜叉、仲間の危険も顧みず、岩を砕く犬夜叉、白童子との無意味な遭遇、しかも気づかぬかごめたち。
赤子を抱いた琥珀と神無に空中浮遊の奈落、殺生丸一行まで。
これで桔梗と楓と鋼牙は出てこないの?とかえって聞きたくなるほどの豪華メンバー。

宝仙鬼だけで1話作るのは難しかったのかもしれないが、ちょっと辛い。
「宝仙沼」なる名前がつけられた沼での宝仙鬼登場シーンはなかなか迫力があって楽しめた。
宝仙鬼ジュニアの声は、もうちょっとすっとぼけた感じのイメージだったが、案外まとも。
せっかくの名場面(犬夜叉とかごめがこてっとひっくり返るところ)?も、過剰な演出で素直に笑えなかったのが残念。

犬夜叉と白童子の会話で、「(宝仙鬼のとこまで)ついてこいよ。」と言ったのか、「(その薙刀で突いてこいよ。」と言ったのかわからなかったが、犬夜叉唸りを聞くとどうしても笑ってしまう。
でもこれはすごく好評らしい。

犬夜叉たちは「火の国(現熊本県)のあの世とこの世の境の門」の存在を知る。
詳しいことは来週書くが、この門は阿蘇山にあたるらしい。
ただし、この門は妖怪専門。
人間と妖怪ではあの世とやらが別場所。
犬夜叉の父と母、地念児、紫織の父と母は、同じ場所にはいけないのか、犬夜叉は?などと考えてしまった。
妖怪と結ばれる人間は少ないようだが、差別意識もさることながら、そんな辛さがあるのだろうか。

来週はいよいよ麗しの牛頭馬頭が登場と思ったら、予告であまりに石像色の牛頭馬頭にびっくり。
そっか、こんな色なんだ。
カラーで見たことがないので、もっと人肌っぽい色かと思ってた。(笑)
この牛頭馬頭の足元には、たくさんの石になった妖怪が敷き詰められているが、この妖怪たちは、なんのためにわざわざ門を開けようとしたのだろう。
そしてもうすぐ阿毘登場。

この2体と1人の声が楽しみ♪
 (2004年3月1日の日記) 
初心に帰った?最高のアニメ
アニメ第145回放送2004年3月8日
「あの世との境に異様な門番」

原作少年サンデー2003年2月5日(10号)第299話「門の番人」
原作少年サンデー2003年2月12日(11号)第300話「開かれた門」
原作少年サンデー2003年2月19日(12号)第301話「門のむこう」

     ☆     ☆     ☆

ものすごく説明的だが、いつも以上に不思議なタイトル。
もう少し耳障りのいいタイトルを考えたらいいのに、と思いながら公式サイトへ。
まず原作で犬夜叉たちを火の国(現熊本県)まで運んでくれる八衛門狸の名前がない。
ということは、出てはくるけど台詞はないの?中嶋さん。

今回は大好きな麗しの牛頭馬頭登場、あれっ・・・?声優さん男性 だよ・・・。
牛頭馬頭は紅達偏では、いかにも地獄の鬼そのものの姿で一瞬現れるが、今回登場するのはどう見ても「女性型」。

牛頭(ごず)は牛の角か耳に見えるようにリボン?を結び、牛の横顔の形の胸当てをしている。
馬頭(めず)はその名の通りのポニーテール(馬の尻尾!)、胸当ては馬の横顔形。
体はでかいが見目麗しく、犬夜叉に門を通るための死を迫る。
カラーで見たことなかったので、もっと人肌に近い色を想像していたら、予告ではまさに石像色(濃い灰色)。

ちなみに牛頭は千葉進歩(すすむ)さん、馬頭は煉獄鬼だった巻島直樹さん。
なんだかあやしい牛頭馬頭になりそうだが、まずは見てのお楽しみ。

ところで犬夜叉たちが向かうことになる「あの世とこの世の境」、門の扉があるのは「火の国」阿蘇山と思われる。
阿蘇山とは単独の山ではなく、中岳を初めとした五岳からなる山々を総称して阿蘇山と呼ぶのだそうだ。
「犬夜叉」に出てくる、私たちにもおなじみのあの大噴火口は、中岳のもの。

          ☆          ☆           ☆

今日のアニメ、凄かった。
「動く原作」を読んでるような気がしてオリジナルも素晴らしく、余計なものは一切入れず、渾身の力作だったと思う。
こんなに感動したのは久しぶり。
初めてアニメ犬夜叉に出会った時のドキドキ感を思い出した。

けっこう間の取りにくいタイトルが多いと思うが、さすがの山口さんはうまくまとめる。
オープニング、アニマックスの再放送開始に合わせたかのような回想シーンとかごめの独白。
懐かしの五十嵐麗さんの百足上臈も登場し、犬夜叉の散魂鉄爪縦斬りの餌食に。

でも特筆すべきはかごめの話し方、意識して変えられたのではないだろうか。
最近いいなあと思うことが多い、とても嬉しい。

八衛門、いたけどやっぱり台詞がなくて残念。
犬夜叉のアップが多く、しかもその顔も初期の顔にものすごく近い。
それもあってさらに好感度アップ!

今回も自然背景や石像の質感がすごく良くて、楽しみながら見てた。

冥加に敬意を表して?ちょっと台詞が増えたり、台詞を言うキャラが変わったりしてたがこれも全然不満にならない。
あの世とこの世の境への扉を開くためには、犬夜叉自身が死者とならなければならない。
犬夜叉は牛頭馬頭を倒そうとするが、牛頭馬頭はこの世の刀では切れぬ者。
苦戦する犬夜叉は冥加の忠告を受けて、門を封じる鎖に風の傷を打ち込む。

門が開き、真っ先に飛び込んだのは神楽、しかし不思議な光により危うく石にされそうになる。
間一髪で助かるが「バカヤロー」の言葉が恐怖というよりやたら強気でむしろ笑えた。
神楽が門を通ることを拒否、扉は閉まり、牛頭馬頭は元の石像に戻る。
怒りの神楽は白童子を切り裂くが、逆にどこかにある自分の心臓を握りつぶされそうになり、屈せざるを得ない。

そんな神楽の葛藤が殺生丸への恋心へとつながっていくことを思えば、やっぱり神楽を応援したくなる。
そして次回はいよいよ大好きな「阿鼻叫喚の阿毘地獄(炎の責め苦)」の阿毘姫登場。

         ☆          ☆           ☆

御霊丸の怪しい寺、たくさんの羅漢像があり、裏山があって洞窟があってその中にも 羅漢像・・・。 怪しくはないが、モデルかな?と思われるお寺が九州大分県にあった。 その名もずばり「羅漢寺(らかんじ)」。 山を背にして立ち、建物の感じもよく似てる。 たくさんの洞窟もあり、中には何千体もの石仏が納められているが、有名なのは「無漏洞(むろどう)」の五百羅漢。 もちろん勝手な想像だが、高橋先生が火の国関連で九州を調べている時に、このお寺を知り、いつか使おうなどと思われたのだったら楽しいな・・・。
 (2004年3月8日の日記) 
阿毘姫登場
アニメ第146回放送2004年3月15日
「気性荒い鳥使い阿毘姫」

原作少年サンデー2003年2月26日(13号)第302話「阿毘姫」
原作少年サンデー2003年3月5日(14号)第303話「三叉戟(さんさげき)」

     ☆     ☆     ☆

逆髪の結羅に続く大好きセクシーキャラの登場に朝からドキドキ。
演じるのは「うる星やつら」のしのぶ&「らんま」の久能小太刀こと島津冴子さん。
「めぞん」にも人形遣いの?黒木小夜子役で出演されていた。
だから何度も声を聞いているのだが、思い出そうとすると小太刀のあの笑い声ばかりが頭の中に鳴り響いて想像つかない(笑)。

ちなみにその母鉄鶏は麻志那恂子さん。
詳しいことはわからないが、舞台「赤毛のアン」でマリラを演じた方らしい。
村長役で宮田浩徳(ひろのり)さん。
「ハリケンジャー」に出てらした?覚えてない・・・。
かぶりものらしいので、松野さんみたいに声だけの出演だったのかな?

今回の阿毘の被害者組は悪者系は久々の?西前さん(頭目)と中嶋さん、田中さん(野盗)の最強トリオ。
村人はたくさん出てくるはずだけど、村長さんしかクレジットに名前がないのでこちらにも顔を、声を?出されるのかな?

          ☆          ☆           ☆

まずは絵の美しさと戦闘シーンの迫力を堪能した。
初登場阿毘&久々登場奈落を初めとしたキャラの美しさ、原作ではわりにスカスカしていていた鳥の大群もすごい迫力、うるささ倍増(笑)。
炎蹄と白童子のお昼寝なごみの風景もいいなあと目がはあと♪

話もだれず、無駄のないオリジナルシーンも最高で、あとは何?肝心の阿毘の胸の大きさと声だけがものすごい違和感。
たしかに阿毘はくせの悪そうな妖艶美女だが、まだ小娘の雰囲気だと思っていたので、妙なテンションの高さと共にがっかりしてしまった。
ストレートなキャラなのに、声が華やか過ぎる感じ?
特に妖怪化した時は、歌舞伎で見得を切るような仰々しさを感じてしまう。
普通はまずキャラがあって、それに声(声優さん)を合わせるのだろうが、今回に限って言えばまず島津さんありきだったのだろうか。

阿毘の母鉄鶏は震えの残るすごい声、あちこちで大活躍の最強トリオと共に楽しめた。
犬夜叉のうなり声、私のまわりでは「可愛い♪」と大評判ですっかり定着した様子。
山口さんのアドリブ?アイデア?から始まったらしいが、披露のたびに笑っているのは私ぐらいのものだろう。

人間に対し「1匹残らず」とこれからも阿毘「姫」のプライドの高さ=傲慢とも言う、は各所で現れることになるが、期待度激減。
それでもその美しさは絵の成長で、逆髪の結羅とは比べ物にならない色っぽさ。
相も変わらぬ恍惚奈落と共に楽しみたい。
さらに一番好印象だったのが、七宝&犬夜叉を戒めるかごめ、「おすわり」を思いとどまるかごめのシーン。
少しずつ視聴者の声が届いているのかな?
もちろん一切なくす必要はないし、ほどほどならば大歓迎。

でもって来週は犬映画第1弾ですか。(涙)
私はもう20回くらい見てるので、ちょっと飽きてるかも。 でも見ます!
 (2004年3月15日の日記) 
アニメが目指すもの
アニメ第147回放送2004年4月19日
「めぐり会う前の運命(さだめ)恋歌」

     ☆     ☆     ☆

視聴率低迷にあえぐアニメ「犬夜叉」が放った起死回生のスペシャル、言いたいことはいろいろあるが、一言で言うなら「見事」に尽きる。
映像の美しさ、迫力もさることながら「作りたかったもの」を渾身の力を振り絞って作った作品、そんな押し寄せる感動があった。

完全なオリジナルである。
犬夜叉と桔梗の関係が原作でもこうだったとはとても思えない。
しかしいい意味で「アニメは別物」が腑に落ちた。
映画を作るなら新手のオリジナル妖怪など作らずに、こんな作品にしてくれたらいいのに、とつくづく思う。

さて内容。
今回のスペシャルで製作側が意図したこと、それは私には「原点に帰る」こ と、「アニメが目指すものを、視聴者に知って欲しい」ことと思えた。

楓が思い出を語る形で始まるが、いきなりの桔梗と椿の退治合戦はちょっと笑った。
しゃべり方といい、小さな女の子(楓)を引き連れているところといい、まさに「女殺生丸」。
日高さんも楽しんで気取りっ子を演じておられる節があるが、やりすぎのような気も少々。
いえ日高さんが、ではなく作る方が。

山口さんのいかにもブルーな「めぐり会う前の運命(さだめ)恋歌」にもひと笑い。
自分がテンション上がっているせいか、やたらと笑える。

冒頭噂の滝沢秀明さんがシャコで登場。
顔がないと驚くほどの老け声(失礼!)で違和感ないのがかえって不思議。
見事なまでの一本調子もご愛嬌で、台詞も少なくあっさり退場。

若い頃?は一段と顔の怖かった百足上臈が大活躍だが、四魂の玉が遠くにあっても上半身だけで飛び回る不思議。
上半身は骨喰いの井戸に捨てられるが、下半身は退治屋の里にあるはず、なのにかごめの四魂の玉に反応しただけで全身蘇る不思議(笑)。
ただアニメで当時見ていた時はあまり印象のなかった百足上臈、かごめを連れてくる妖怪なだけにやたらと回想シーンで登場していたが、今回もインパクト強くてなんだか好きになってきた。

そして犬夜叉と桔梗が出会う。
「歩き巫女」と呼ばれる妖怪退治の旅。
修行でもあり、依頼を受けて出かけることもあるようだが、ここで白巫女の頃から黒巫女姿の椿に呪いを受ける。
人を愛するな、男に心を奪われるな、恋を知り、感情が乱れると霊力が薄れ、「非業の死を遂げる。」

忠告の形を取った椿の呪い。
桔梗は椿の呪いと気づいており、意に介さぬ様子だが、結果的に椿の言ったとおりの死を遂げる。
霊力が薄れていた頃でさえ、「呪い返し」で椿に癒えぬ傷を与えた桔梗、こちらの呪いを返せなかったはずはない。
今日始めて「犬夜叉」を見た人くらいだろう、「椿のせいで桔梗が死んだ」と思うのは。

50分程度の内容だと思うが、犬夜叉桔梗の本題に40分、残り10分何かを入れないと・・・、椿にしよう、そんな感じ?
原作とは別物とは言え、今まで放映された分の隙間を上手に埋めて作っていただけに、ここの部分は惜しかった。
惜しかったというよりいらなかった。
アニメの椿はずいぶん大物に設定されていて、かえって驚いたほど。

犬夜叉の「ダブル散魂鉄爪」初披露にもびっくりした後、ついに犬夜叉と桔梗が出会う。
雨の中打ち伏す桔梗、人の姿に戻った犬夜叉。
劇的で、あまりに劇的で、会話も含め(好きかどうかは置いといて)アニメ「犬夜叉」の真骨頂。
その後も木に縫いとめられつつシリアスな会話が続き、水浴び桔梗と覗く犬夜叉と続き、いつの間にやらラブラブに。

ここで犬夜叉映画第4弾の特報かな?も入る。
私は犬夜叉と桔梗の関係は、当時の村社会において、隠すべきものであったはずと解釈しているが、アニメではけっこう開けっぴろげな交際の様子を垣間見せる。

言霊の念珠を作る桔梗のシーンは秀逸。
楓が作るわけもなく、作ったところで「かごめの」言霊にそれほど反応するわけもなし。
犬夜叉が(乾きもせずに残っていた)貝紅を桔梗に渡し、桔梗が夜更けにつけるシーンも、予告で見た時はどうかと思ったが、話の流れで見る限りでは良かったのではないかと思う。

これもいかにもアニメ的ではあるが美しかったし。
ただしこれだけは言いたい。
このシーンは、今後本編では絶対に使わないで欲しい。

今回のアニメは「犬夜叉」であって「犬夜叉」ではない。
ある意味「いい夢を見せてもらった」と思っている。
ちょうど「犬夜叉」だけど、本筋とは全然関係ない映画のように。
犬夜叉とかごめが何度キスしようが、桔梗の存在が記憶の彼方に忘れられようが映画が終わり、アニメが始まると、「全てなかった」ことにして旅は続く。

今回のアニメはこれと同じ。
犬夜叉桔梗のくちづけシーンも、桔梗の紅さしシーンもこれっきり封印してくれたら素晴らしい記憶として残ると思う。
好評に気を良くしたのか小舟のシーンは回想で何度も何度も出てくるが、今後このくちづけシーンまでセットで繰り返されたら一気に興ざめしそうな気がする。

私は基本的に、犬夜叉はかごめといる方が、自然に振る舞っているように思っていた。
同時に桔梗と一緒にいる犬夜叉は背伸びしているように見えていたのだが、今回アニメで「ああこんな感じなんだ。」と納得できたような気がする。
なんとなく姉と弟のような風情がないでもなかったけど(笑)。

鬼蜘蛛奈落のぶっとい声にもびっくりしたけど、久々登場の家中さんは嬉しかった。
スペシャル前半部分は椿の部分を除けばパーフェクトの出来だったと思う、感動した。

後半に入り、鬼蜘蛛の存在を知れば犬夜叉が「ヤキモチを焼く」という桔梗の自信あふれた台詞にまず首を傾げ、他国の妖怪退治に犬夜叉に助太刀を頼む桔梗に目が点。
これが「番犬犬夜叉」につながるわけだ・・・。
一体なんなんだ、この安定感は。
なにも犬夜叉を人間にしなくても、十分に退治屋夫婦として元気にやってけるじゃない。

犬夜叉は隠れながら(バレバレだが)桔梗の姿を追い続け、気づきながらも桔梗は気づかぬふりを続け、そっと嬉しさをかみしめる、そんな2人だと思う。
楓は裏陶偏で、「あの頃、おぬし(犬夜叉)本当はおねえさまを慕っていたのではないか?」と聞いているが、これでは聞くまでもない。
いくら楓が幼くても、噂にもなっただろうし、ここがやはりアニメは違う。

もうひとつの違和感は、鬼蜘蛛奈落。
ここでは三ツ目蜘蛛なる妖怪の誘いに乗って体を食らわせ、奈落となって蘇る。
おそらく人間の力だけで奈落になるのは無理と判断したのだろう。
しかしこれではあまりに軽い。

「殺生丸を愛した女」の沙羅とほとんど同じレベルになってしまった。
羅刹の勘助編でも、生きていた頃の鬼蜘蛛のキャラがあまりに薄っぺらで驚いたが今回も同じ感想。
妖怪の誘いなど必要ない、それほど凄まじい鬼蜘蛛の妄執であり、桔梗への想いである。
だからこその「奈落」なのである。

たとえば原作でも山犬に取り憑かれた姫が登場するが、妖怪に取り憑かれても、言い方は悪いがあの程度。
沙羅ももし原作で登場していたら、それほどの力は持たぬ者だったと思う。
奈落クラスの取り憑かれ人間がボロボロ出てきては困るのである。
その意味でも仲介役の妖怪などいらない、鬼蜘蛛1人の執念と描いて欲しかった。

月曜7時のアニメだからという言葉は今回は通用しない。
家中さんの桔梗への想いほとばしる渾身の演技、それに比べて大好きな西前さんとは言え、かえすがえすも残念だった。

いいオリジナルと思ったのが、原作でも描かれていない楓の目。
犬夜叉がやったにしては再会当時、犬夜叉を恨んだ様子のない楓だったが、これは高橋先生にリサーチしたのではないかと思う。
もっとも目を傷つけたのが犬夜叉でなかったとしても、桔梗を殺したのは犬夜叉となっているはずなので、楓の様子は不思議な部分がある。

桔梗は最初の死の間際、「犬夜叉にやられた」とは言わなかったのだろうか。
何者かに傷つけられた桔梗が帰って来たら、村が犬夜叉に襲撃されていた。
だから桔梗は犬夜叉を殺さず封印した、そういうことなのだろうか(原作でも)。

そして問題の?くちづけシーン、いらなかったな、これは。
紅さしシーンは素晴らしかったけど。
これではやっぱり後の「かごめの声と桔梗のくちづけ」で

「生きているときに、こうしたかった。」
「しただろうが、生きてるうちに。忘れたのか?」
「あ・・・」
「けっ、忘れたのかよ!」

木に縛り付けられたかごめの前で、取っ組みあいの喧嘩になりかねない。
その意味もあって、このシーンは封印して欲しい。
映画では犬夜叉とかごめがキスしたし、今回は犬夜叉と桔梗がくちづけをした。
オリジナルのラブシーンはもう十分だろう。

奈落が犬夜叉に、桔梗に瞬間変化して飛び出すシーンは凄かった。
あの奈落の口調は、前に見せた家中さんと山口さん、家中さんと日高さんでハモって欲しかったが。

正直言って最後の楓の部分で止めて欲しかったという気持ちはある。
現代のかごめの部分、すっぱり断ち切ったら、もっと引き締まっていたような気がする。
しかし見事なEDにつながる導入部分としては、入れないわけにはいかなかったのだろう。

長々と書いてきたが、今日のスペシャルは、おもしろかった、感動した、勢いがあった、とにかく素晴らしかった。
家中のテレビつけて視聴率アップに協力したい(意味ないが、笑)気分になった。
こんな満足感はほんと久しぶり。

この勢いを持続して、アニメ「犬夜叉」の更なる飛躍を願わずにはいられない。

ゲスト出演は、滝沢秀明さんが珊瑚の祖父、(祖父と言っても壮年か?)シャコ役で登場が話題、漢字を当てると蝦蛄かな?
他に初登場は、子供役で阪田佳代さんと天瀬まゆさん、村人役で中嶋聡彦さんの他に吉田浩二さんと久保田隆さん。
懐かし組は百足上臈五十嵐麗さん、黒巫女椿の山田美穂さん、小さい楓の伊藤実華さん、何といっても鬼蜘蛛奈落の家中宏さん。
西前さんは三ツ目蜘蛛、田中さんは一ツ目黒鬼でご出演。

久しぶりにサイトめぐりをしておおむね好評なのを見て喜んでいたが、言霊の念珠に関して見逃したことがあったのを見つけた。
「言霊の念珠を作る桔梗のシーンは秀逸。」と書いたのだが、桔梗は「愛しい」を「魂鎮めの言霊」にしたらしい。
そういえばちょうどその瞬間立て続けにくしゃみが出て(笑)、言葉が聞こえてこなかったっけ。
それっきり忘れていたが、あわてて再見。

「言霊の念珠」、そもそも桔梗が犬夜叉の暴走を抑える目的で作った物と思われ る。
なぜか、桔梗が犬夜叉を殺したくなかったから。
止めを刺さずに犬夜叉を追い払うのに矢がもったいなかったから?なはずはなく、犬 夜叉の善性を見抜いていたから。

そしておそらく桔梗(かごめ)以外の者が言霊を放っても効果はないだろう。
楓が最初に自分ではなく、桔梗の生まれ変わりと信じたかごめに言わせたのが、何よ りの証拠(だと思う)。
それは霊力の高さのためか、それとも犬夜叉との魂の絆ゆえか、私は後者と思いた い。

しかし原作において、桔梗は犬夜叉に惹かれてはいたが、まだ「力による拘束」を考えていた頃に作ったと思われる。
だから犬夜叉と対等に想い合うようになって、念珠を使わずに終わる。
ややこしいがそう考えると、桔梗やかごめが犬夜叉を言霊によってコントロールできるのは、霊力のためが正解だろう。

だがアニメでは桔梗はすでに犬夜叉への想いを明確にしている。
愛しいから「愛しい」を言霊としたのだろう、それはわかる。
しかし自分が恋した男を、力によって一方的に押さえ込むことになり、なにかがおかしい。

犬に首輪をつけて飼うのとは違う、対等な関係なはずなのに。
私はこの場面を見て桔梗の「愛しい」に反応して、磁石に引かれる鉄釘のように、ピキーンと飛んできて桔梗にピタンとくっつく犬夜叉を連想してしまった。
「愛しい」でかごめの「おすわり」のように地面に叩きつけられることはないだろ うから。(笑)

アニメの解釈では言霊の念珠は犬夜叉を自分に縛り付けておくための道具であり、「愛しい」は「魂鎮めの言霊」ではなく、「魂引き寄せの言霊」になってしまうような気がする。
そう思ってもなおあの場面の美しさには感動したし、桔梗の想いには感動した。

 (2004年4月19日の日記) 
炎蹄がんばる またまたがんばる
アニメ第149回放送2004年4月26日
「波乱を呼ぶ一本の矢」

原作少年サンデー2003年3月12日(15号)第304話「聖さまの里」
原作少年サンデー2003年3月19日(16号)第305話「残された矢」

     ☆     ☆     ☆

感動のアニメスペシャルの後、気負いなくさらりとした感じで進む今週のアニメ。
絵が時々微妙だが、逆に犬夜叉がものすごく可愛く見えることもある。
炎蹄に乗ってる白童子ってこんなに小さかったっけ?と思ったり、りんの歌「(邪見は)どうして緑なの〜♪」になんとなく笑う。

相変わらず阿毘の声だけが華やか過ぎて私には聞きづらい。
わがままかもしれないが、もっと小娘っぽい鋭い声であって欲しかったなと思う。
逆に白童子の声が少しずつ耳に馴染んできた。
アニメのキャラの声に関しては、声優さんの実力に関係なく、どうしても好みが入ってしまうので、申し訳ないがどうしようもない。

神楽の大神さんも少し感じが変わってきたような気がする。
逆に同じ声をずっとキープし続ける方が難しいんだろうなと思う。
子供や村人がたくさん出てくるがクレジットにはほとんどお名前なし、ちょっと寂しい。

でも殺生丸をはるばる訪ねてきた神楽の女心?がちょっと切なく可愛い。
殺生丸がいたとしていきなり神楽の首が飛ぶわけはなかろうが、いても良かったな殺生丸、どんな会話になるんだろと思うとちょっと残念。
なにしろ神楽自身が何しに来たのか自分でもわからない状態らしい、そこが可愛い。

さて内容。
阿毘との戦いと平行して新たなるキャラ(と言えるかどうか)として、「聖さま」なる人物が登場する。
顔を隠し、霊力はないものの1本で妖怪鳥の大群も消し飛ぶほどの威力を持つ矢を放つ 。

かごめが「破魔の矢」とアニメでは言っているが、いいのだろうか。
たしかに弥勒は「桔梗さまほどの霊力はなかった」と言っている。
桔梗ほどの霊力はないがいくらかはあると言うことで「破魔の矢」にしたのだろうか?ちょっと複雑。

また一応「聖様」ではなく「聖さま」だし、とどうでもいいようなことにこだわってしまう。
高橋先生は「様」という書き方はせず、いつも「さま」なんだけどなあ。
この聖さまは飛鳥と胡蝶という名の2人の童子を従えている。

サンデー感想で書いたように、高橋先生の名づけ方は歴史上の地名、用語などから取られたものが多い。

珍しく先生により命名された飛鳥と胡蝶のうち、胡蝶は髪を1つにまとめて結わえている方、飛鳥は2箇所結わえている方、ヘアバンドのかごめの友達、絵里こと増田ゆきさんが胡蝶の声を担当されている。
村人の安元洋貴さんは「無男」高田べんさんなどと一緒に舞台に立たれる方らしい。
老婆の玉井碧さんはウルトラシリーズの俳優さん?奥方の小林けいさんは海外ドラマの吹き替えなどをされる方、じいやの田村勝彦さんはミス・マープル「動く指」などの吹き替えをされた。

最強トリオは西前さんだけ親父でご出演。
飛鳥は今回は台詞がないということで声優さんは来週のお楽しみ。

この聖さまが桔梗か否かで犬夜叉、かごめの心が揺れる。
しかし白童子の結界を破ったこの矢、桔梗の匂いはしない。
犬夜叉の赤く染まった鉄砕牙でさえ破れなかった結界をあっさり貫くその威力。
この辺は原作でもいろいろ気を回し、答えを知った時は「やられた!」とものすごく気持ちが良かった部分。

しかしこの頃の犬夜叉一行の心理描写では、読者の間でかごめ達擁護派と批判派に分かれて大論争が起こった記憶があるが、この問題に関しては(たぶん)放送回に書きたい。
ただ原作でもこなしきれなかったかごめ達の微妙な心理、アニメでどう料理してくれるかどうか不安と言えば不安だが、先週の桔梗の見事な心理描写を描いてくれた犬アニ、無理にでも期待したい。

スタッフさんの中に炎蹄大好きな方がいるのかどうかは知らないが、今回も炎蹄やたらとがんばる。
最初に「さらりとした感じ」と書いたが、阿毘と炎蹄だけが気をはいて圧倒されるうちに終わってしまった。
そしてエンディングが最初の主題歌を担当したV6に替わった。

追記
次回の予告が公式サイトに登場した。
飛鳥はやはりかごめの友達で、ショートカットの由香こと清水香里さん。
それから「聖者を導く不思議な光」の「聖者」って誰?
この場合、どう考えても聖者=聖さまだと思うのだが、光に実際に導かれる聖者と光を放つ聖者。
どういうことだろう。


          ☆          ☆          ☆

これで終わっては自分でもつまらないので、ゲームの感想ちょっとだけ。
着ぐるみ状態の犬キャラに慣れると、これがおもしろいです。
ゲームとしての操作性にはちょっと問題あり、ですがとにかく絵が可愛い、会話がおもしろい。
犬夜叉や弥勒と2人きりでデートができる(笑)。

特に山口ボイスの犬夜叉がかっこいいです。
時々弥勒がおじさん声になったりかごめの声がひっくり返ったりしますが、プレステ2を持ってないという理由だけで遊んでいない方、特に勝平さんファンの方、もったいないです。

 (2004年4月26日の日記) 
土の結界
アニメ第150回放送2004年5月3日
「聖者を導く不思議な光」

原作少年サンデー2003年3月26日(17号)第306話「里の結界」
原作少年サンデー2003年4月2日(18号)第307話「禁域の山」
原作少年サンデー2003年4月9日(19号)第308話「滝壺」

     ☆     ☆     ☆

今回のアニメ、見る前から非常に気になっていることがある。
タイトル通りの「土の結界」。
土の結界とは、奈落が鬼蜘蛛として動けずにいた洞穴の土。
この土には鬼蜘蛛の桔梗への妄執が染み込んでおり、桔梗が身につけることによって 奈落の襲撃から身を守ることができる。

つまり鬼蜘蛛の、邪ながらも純粋な桔梗への想いが桔梗の周りに、というより奈落の襲撃の矛先に結界となってまとわりつく。
本来ならば奈落はこの結界により、土を身につけた桔梗に触れることすらできないはずだった。

原作において(コミック18巻第6話「土の結界」)、桔梗がこの土を身につけて奈落に会いに行く場面がある。
自ら桔梗を殺すことのできない奈落が巨大死魂虫を放ち、桔梗の死魂を奪って行く。
巨大死魂虫を殺し、桔梗を救ったのは犬夜叉。
桔梗は犬夜叉の腕の中で奈落の、そして自分の想いを吐露し、犬夜叉を愛しむ。

「犬夜叉、おまえがいてくれた・・・ 嬉しかった・・・」
「おまえ以外の男には髪の毛一筋も触れさせはしない。」
美しく女らしくたおやかに犬夜叉を抱き返す桔梗。
そして犬夜叉と別れた桔梗は「土の結界」を身につけ、鬼蜘蛛に会いに行く。

奈落はその様子を神無の鏡の中に見ていた。
奈落の背中に浮き出す鬼蜘蛛の痣は、耐え難い嫉妬の心となって奈落を苛む。
刀を手に自分で背中の皮を切り取る奈落、しかしどんなに奈落が鬼蜘蛛の心を忌もうとその痣は蘇り、断ち難い桔梗への想いを主張し続ける。

そこに桔梗登場である。
犬夜叉の腕の中とは一転、
「この私がわざわざきさまを訪ねてきてやったのだからな。」と言い放つ。
この時の桔梗の言葉、表情、凛々しさ美しさはやはり素晴らしく、同時にこの時の奈落の苦悩も凄まじい。

奈落は新たに生み出した妖怪に桔梗を襲わせるが、この妖怪、桔梗に触れた途端、土の結界の餌食となる。
「鬼蜘蛛は私の死など望んではいなかった。
その心が私の身を守る。」
「土の結界に触れたら最後、鬼蜘蛛の心が流れこみ、奈落、きさまの妖力を奪い去る。」

コミック18巻は、ともすれば犬夜叉とかごめの心の絆に目を奪われがちだが、桔梗 と犬夜叉、桔梗と奈落の愛憎劇もまた、犬夜叉とかごめの場面に負けないほどの迫力と美しさを持って迫ってくる。

特に最近はあまり見られない奈落の苦悩は、その人間味が単なる悪役にならない深みを感じさせる。

ところがアニメでは「出会った場所に帰りたい」のエピソードだけがク ローズアップされ、一般的にこの頃の桔梗の印象はあまり良いものではない。
なぜか、ここにあの有名な?「懐剣事件」が入るから。

奈落がなぜ桔梗を死魂虫で襲ったか、実は奈落、その前に桔梗に会いに行っている。
この時は別に殺す気はなく、ただ「好きだから会いたい、会うのは無理でも一目見たい。」そんな状態、純情奈落の真骨頂。
原作でここでは桔梗は桔梗を殺せぬ奈落の想いを指摘する。
「なぜ殺す気にならん?」
「(殺す気になれないのは)鬼蜘蛛の心だと?」と素の状態に戻る奈落がとても好 き。

ところがこの土の結界、アニメでは省略されている。
桔梗の結界に阻まれたこの妖怪は作り直され?さらに大きくなって琥珀を襲い、今度 は本当に殺される役目を担うのだが、アニメではいきなり琥珀の場面になる。

さらにこの部分は原作とは全く違った展開を見せる。
こっそり桔梗に会いに来た奈落を桔梗は憎々しげな高笑いと共に挑発、怒った奈落が 死魂虫を放つ。
犬夜叉が桔梗を助けるのはアニメを同じだが、犬夜叉の腕の中、桔梗は懐剣を取り出 し、犬夜叉を襲う。
原作を知らない視聴者がこれを見た場合、どう思うだろう。

どうしてこのように変えられたのかは未だにわからない。
わからないが、この時の桔梗に、この解釈に、この変更に好印象を持たれた方は、私 の知る限りではいなかった。
どなたか納得できる解説をしてくれないかと、かなりいろいろなサイトを回ったのだ が。
桔梗の描き方ははこの後もしばらく迷走を続けるが、幸いにも少しずつ修正され、最 近の「めぐり会う前の運命恋歌」で一気に好感度アップしたのではないかと安堵して いる。

話がそれるが、原作で桔梗は矛盾することを言っている。

「奈落は私を殺しきれない。
鬼蜘蛛の心が(中略)残っている限り・・・」

そして

「(前略)力尽きながら、ひとりで終わっていくのかと思った。」

では、もしも犬夜叉が現れなかったらどうなっていただろう。
死にかけた桔梗を救っていたのは、奈落だったのだろうか?

言いたいことは「アニメでは土の結界が描かれていない」ということだけだったの だが、なんだかいろいろ書いてしまった。
その土の結界が今回重要な役割を果たすが、それをどう辻褄合わせるか、それが一番 大切な課題。

          ☆          ☆          ☆

阿毘はたぶん10代の設定なのだと思うが、4、50才に聞こえてくるのは私だけ?
どうしても馴染めない。
キャラの顔も何パターンかあるように見えて気になったが、話自体は信じられないほ ど原作どおりの進め方。
次回に備えてかごめもテンションを押さえているように聞こえる。
シリアスな話であることはもちろんだが、ここはやはり雪野さんの演技力ではない か。

残念ながら、私はアニメのかごめに基本的に相容れないものがあって、今回にしろ 「心の闇」にしろ、かなり無理して受け入れようとしているところがある。
ところが実際に見てみると、いつもとは全く違うかごめが出てきて、どんな場面も原 作どおりにすんなり見てしまう。
もちろん雪野さんが監督をしたり脚本を書いたりしているわけではないから、普段演 じておられるかごめは「与えられた」かごめなのだと思う。

しかし、こういったシリアス物を見ていると、原作の日暮かごめの本質をきちんと把 握していらっしゃる人、という感じがする。
私はあえて「犬夜叉」声優さんのサイトはお邪魔していないが、もしかしたら雪野さ んには雪野さんなりの葛藤があるのではないかと思ってしまった、今回見てて。
他の声優さんに関しては、あまりそんなことを思ったりはしないが。
映画「天下覇道の剣」でのコメントを読んでも同じことを感じた。

ところで結界、たしかに「あの」場面がなくても何となく話は通じる。
ただアニメでは土の結界などなくても奈落は桔梗に触れることができなくなるの で、「きっかけがない」ということでおかしなことではある。
逆に原作を知らない方ならそのまま受け入れることも可能だろう。

私の中では「なくてはならない場面」という意識があるので、未だに納得してはいな いが。

しかし、なぜ今頃「土の結界」か?
原作に対しても疑問が残る。
桔梗が奈落に2度目に殺されかける場面、そう、あの唐突な挿入歌の入った場面、奈 落は桔梗に触れている。
なぜか、鬼蜘蛛の妄執を捨てたから。
当時は鬼蜘蛛の心=人の心は、心臓と共に赤子の片割れの中にあると考えていたが、 (桔梗の言葉より) 白霊山の底の無数の肉塊に捨てたと弥勒が言っており、矛盾が残る。

しかも白童子ではない方も、笑顔など見ると、人の心など持ち合わせていなそうだ し。(笑)
つまりは、奈落に瘴気の中に突き落とされた時、桔梗はたまたま「土の結界」を忘れ て身につけていなかったということ?
別におちゃらけているわけではない、聖さまの矢に塗られた土が、未だにそれほどの 威力を持ちうるものならば、である。
ところがこの後も奈落は桔梗を骨で囲って琥珀に殺させようとするし、その時も桔梗 が土を持っていなかったとは考えにくい。

この矛盾から考えると、先生が考えられた今回の「土の結界」は、その威力などでは なく、読者を惑わせる「どこかで嗅いだことはあるが、味方の匂いではない」、この 言葉のためだけにあるようなものである。
この「土の結界」と奈落の関係、原作でもまとまりをつけて欲しいと思う。

前回の予告の感想として書いたが、「聖者を導く不思議な光」というタイトル、どう 見ても「聖者」はかごめなのだが、そう受け止めた方は一体どれだけいるだろうか。
ほとんどの方が聖者=聖さま(桔梗)と思われたのではないだろうか。
実は楓も候補者の一人なのだが、さすがにそこまで誤解する人はいないだろう。 (笑)

今回のタイトルのわかりづらさ、それとも別の意図があってあえてこうされたのだろ うか。
できることなら脚本家?の方に聞いてみたいものである。

今回は最強トリオ(西前さん、中嶋さん、田中さん)が村人で揃い踏み。
他に奥田啓人(けいじ)さんと白心上人編で漁師をされていた寺井智之さんも村人役 で登場。
女性では、透明妖怪編で、弥勒に誘惑される?娘の一人だった大野ユリさんも村人役 で再登場。

次回は「洞窟の中には―」との比較も興味深い、かごめが桔梗を癒す物語。
こうした大事な話になると絵に癖がなく、綺麗な場合が多いので、原作派もアニメ に非常に共感しやすく、ありがたい。
予告で取ってつけたように「かごめが桔梗の内面世界をかいま見る。」とあるが、か ごめがかいま見る桔梗の内面世界が、「めぐり会う前の運命恋歌」ではないことを切 に祈りたい。(原作では単純に癒すだけ)

次回奥方は小林希唯さんとある。 前は小林けいさんだったが、唐突に改名されたのでもなさそうだから(別人)、放映 の順番どおりに作られていて、「めぐり会う―」を作っているうちに、小林けいさん のご都合が悪くなったのかな?などと想像するのもまた楽しい。
(2004年5月4日の日記) 

過去の日記目次へ

ホームへもどる