原作アニメ比較 16

昔のあやまち
アニメ第161回放送2004年8月2日
「弥勒法師 昔のあやまち」

原作少年サンデー2004年1月6日(6号)第343話「許嫁」
原作少年サンデー2004年1月14日(7号)第34話「昔のあやまち」
原作少年サンデー2004年1月21日(8号)第35話「記憶の糸」

     ☆     ☆     ☆

原作で「小さな幸せ」の後は、七宝が可愛いサイドストーリー的な「宿り蛹」が入る。
ところがこれ、岳山人、魍魎丸、御霊丸へと続く壮大なストーリーのエピローグ。
魍魎丸が御霊丸を取り込み、その体を赤子が自分の物としたその体は未だに滅びてはいず、従って「許婚」に繋がるまでの十話がカットされた?後回しにされた?意味は大きい。

それはともかく「昔のあやまち」全三話(笑)、ミロサンファンなら泣いて喜ぶツボの台詞も飛び出してゲストの志麻もいい感じ。
「犬夜叉」のゲストキャラ女の子編では、一番身近に感じるのは小春だが、好きなのはなずな、露姫、そして志麻。

弥勒の引き立て役、兼、実はちょっぴり可哀想な主(ぬし)=大ナマズは怪奇透明妖怪以来の茶風林さん。
コナンの目暮警部や、サイボーグ009の006(料理上手な中国人)他、何気なく見ているアニメで「あれっ?」と思うことが多い方。
志麻は桑谷夏子さん、志麻のお父さん(旦那)は狸が変化?の中嶋聡彦さん、妻は一木美名子さん、なぜかかごめのクラスメート由香改め由加のみ登場。
村人役は望月健一さんと井田国男さん。
井田さんは「殺生丸を愛した女」では魑魅魍魎役で出演されていた。

          ☆          ☆          ☆

岳山人にもらった「妖気の結晶」を奪われたことが、仕方がなかったこととはいえ「スリに財布を」になっていたことで、最初思い切り脱力したが、それ以外は前半は驚くほど原作どおり。
違いを強いて上げるなら、ナマズ妖怪が原作より魅力アップしてたこと。
どぎついピンクのハートを派手に飛ばすところなど爆笑してしまった。

アニメに作りやすい原作なのかな?と思う。
弥勒と珊瑚だからとそれほど気負っている感じもないし、それでいてキャラの行動が浮かず、自然な感じに仕上がっているし、こんな風な描き方は大好き。
珊瑚の飛来骨叩きが3回ほど多くないって突っ込んだくらいか。
志麻の声はもっとおとなしやかな声だと思っていたら、いきなり素っ頓狂でびっくり、おでこも広いな。
相変わらず人のことには鋭い反面無神経な犬夜叉、気を揉むかごめと続き、後半の戦闘場面で引き伸ばし。

ナマズ妖怪が珊瑚を捕らえているのに風穴開く弥勒にもびっくりしたが、戦闘での弥勒の声は別人かと思うほどで、辻谷さんのこんな声を聞くのは初めて、我知らずときめいてしまった。
(この頃ときめいてばかりいるな、笑)
原作でも笑ったが、「この女(ひと)もあなたのでしたか。」、茶風林さんのしゃべり方といい、あまりにぴったり。

驚いたのは七宝の「(心が)ある意味かごめより広い」発言、これは原作そのまま。
珊瑚の場合はなんだかんだ言っても弥勒は珊瑚一筋が前提なので許しやすいということもあるだろうが、いつも言う「かごめの心は広い」という言葉は、心底思っているというより、かごめの我慢を慮っているものなのだろうか。
そんな風に考えさせられる台詞だった。

そんな七宝の(実は)鋭さ、珊瑚の首に変化など、七宝もなにげに大活躍。
弥勒と珊瑚の関係に関しては、白霊山やプロポーズの時ほどの感動はなかったが、突っ込みどころもなく素直に楽しめたエピソードだった。
予告「殺生丸様と永遠に一緒」に殺生丸やりんも登場。
これは邪見の話かと思ったらメインはりんか。
正直言って、今回は弥勒と珊瑚をまとめ、次回は殺生丸一行のオリジナルで七宝のために「宿り蛹」、そのうち鋼牙も魄がらみでそのまま完結、犬夜叉、かごめに桔梗を最後に取っといてもひとつ映画?とひとつひとつ終わっていくのかと思っていたが、改めてOPを見て、魍魎丸編を読んでいると、どうしても「終われない」感が強くなってくる。
噂されている期日までまとめきれないのは明白だろう。
 (2004年8月2日の日記) 
単純に楽しむはずが・・・
アニメ第162回放送2004年8月9日
「殺生丸様と永遠に一緒」

     ☆     ☆     ☆

最初にこのタイトルだけ読んだ時、邪見ものだろうと思ったのは私だけではないはず(笑)。
殺生丸とりんの関係については、現在原作ではあまり絞り込んでいないようだが、アニメでは映画の例を上げるまでもなく、非常に力を入れているように見える。
私は殺生丸とりんの関係は恋でもなく親子愛でもなく(笑)、ある程度出来上がってしまっていると思っているのであまり突きつめて考えたことはないが。
むしろ素直になれない?殺生丸と神楽の橋渡し役としての存在感がすごく好き。

その後公式サイトであらすじを見たり予告を見たりしたが、なにやら殺生丸とりんの別れの予感?を暗示させるシリアス物らしい。
ここで状況が変化する(りんが死んだりいなくなったりする)ことはないとわかりきってもいるからさほど心配することもないだろう。
スワッチのアニメ日記」では「犬夜叉」に関する質問に丁寧に答えておられる。
それはそれでおもしろいけれど、おそらく一番たくさんの人が寄せる疑問に答えてくださるのはいつの日のことだろう・・・。

雲涯の小村哲生さんは「るろうに剣心」や「こちら葛飾区亀有公園前派出所」に出ていらっしゃる方らしい。
爆竜大佐というのがよくわからないけれど。
煉獄鬼の親戚?音獄鬼は石住昭彦さん、外画作品の吹き替えの多い方。
僧で久々最強トリオも揃い踏みが嬉しいような、まさかほんとに終わりじゃないよね、確かめてみたいような・・・。

子供の小林ゆうさんは、「高橋留美子劇場」「人魚の森」にシリーズにもご出演。
同じく子供は加藤奈々絵さんと上岡志輔子さん。

          ☆          ☆          ☆

今回のエピソード、殺生丸とりんの心のつながりとは違う部分で気になる部分が多かった。
まず冒頭、「村を襲った野盗」だから手にかける殺生丸。
初期の殺生丸は、居合わせた人間が邪魔だから殺すような残酷な所業を見せる。
人間への蔑み、嫌悪、犬夜叉の母に父を奪われたということだけではすまされない複雑なものが感じられた。

それを「悪党だから手にかけた」ことが、犬夜叉たちやりんとのつながりの中で生まれた殺生丸の善性というのなら、それは違うと私は思う。
殺生丸も偉大な妖怪の子、その父が選んだ殺生丸の母(妖怪)も意味なく人間を蔑視するような性格とは思えない。
殺生丸の本性は、犬夜叉親子によってゆがめられていたとはいえ、もともとは善だと思う。

そしてこれに関わってくるのが、「人間を嫌うりん」。
妖怪に喰われる事を恐れ、泣き怯える子供たちに対する「野盗の方が怖い。」というりんの台詞。
人間が嫌いだから怖いからりんは殺生丸や邪見と一緒にいるのだろうか。
アニメでも実際「鋼牙と殺生丸 危険な遭遇」で、りんが妖狼族の恐怖を殺生丸によって癒される様子が描かれていた。

りんはすでに殺生丸たちによって癒されているし、現在見られる素直な明るさ優しさ、あけっぴろげな邪見とのやり取りは、未だに人間に対する恐怖を抱く少女のすることではないだろう。
私はりんは親を殺された野盗に関する心の傷はあるが、人間そのものに対する恐怖はなく、殺生丸たちとは「一緒にいたいからいる」だけだと解釈している。

逆に興味深かったのが何百年単位で生きる妖怪に比べ、生存期間のあまりに短い人間の悲しみ。
これまで何度も書いてきたが、かごめ、弥勒、珊瑚、そしてりんは殺生丸、犬夜叉、七宝、雲母らにとってはあまりにはかない存在。
もちろん「気持ち」は別だが、これが人間と妖怪の社会的な差別とは、また別の意味での障害となる。
生きていてすらかごめやりんは、犬夜叉や殺生丸の目の前でどんどん老いていくその残酷さ。

この部分が「犬夜叉」で明示されるのはおそらく初めてではないだろうか。
かつて桔梗が犬夜叉に人間になることを求めた時、「犬夜叉が人間社会で生きていくため」という意味合いももちろんあっただろうが、「共に年老い、死んでいける」幸せも得ることができるはずだった。
皮肉なことに、死人(しびと)となった桔梗はむしろ犬夜叉より長く生き、その老いも死も見届けることのできる存在になった。

もうひとつ興味深いのは雲涯のあまりにストレートな妖怪嫌悪。
殺生丸に太刀打ちできるほどの法力を持ち、人間的にも優れた人物のように見える。
そんな雲涯ですら全ての妖怪を敵とみなし、退治しようとする。
人間の側から見た「妖怪退治」、その傲慢さは相手を選ぶ退治屋珊瑚と比較してみるとおもしろい。

実際には雲涯こそが人間社会における多数派だろうが。
「所詮はもののけ」この言葉は醜くもあるが、この時代の常識であったのかもしれない。
もっとも雲涯と法師たち(最強トリオ)の可愛らしさはまさにツボ、キャラ的には大好きだ(笑)。
犬夜叉たちレギュラーキャラも、なんだか事件の周りをぐるぐる回っている感じ。
鋼牙や奈落、桔梗や殺生丸なら用がなければ出てこなくていいが、犬夜叉たちは出ないわけには行かないし台詞がないと困るから、とりあえずつけとけみたいな。
月黄泉編や沙羅編でもあったが、作る側の苦労が忍ばれる。
邪見の可愛さも楽しんだが、もっと単純に楽しめると思っていたのが、とんでもなく悩む内容になってしまった。
それはなぜか。

今回無理矢理朔犬が登場し、妖犬(殺生丸)が登場したように見える。
話自体も殺生丸一行の総集編的な意味あいが強い。
前回は原作物だが弥勒と珊瑚のまとめっぽくて、次回は珊瑚と琥珀?
この後七宝の「宿り蛹」があって犬夜叉と桔梗は映画でまとめたら、あれ?なんとなく1組ずつある意味完結してない?
肝心の奈落は置いといて、これで鋼牙、犬夜叉とかごめで最後に締めればパーフェクトみたいな。
「これからもがんばるぜ! ―完」。
「あたしたちの旅はこれからも続く。―完」。

もちろんここで一度まとめて、またアニメの新たなる旅立ちがあることを希望するが、最近のアニメの「まとめ」に近い展開は非常に気になる。
それにしてもいくら修行を積んだとはいえ、人間の雲涯が、殺生丸と対等に戦っているのを見て驚いたが、たしかに白霊山の結界のような「気」なら太刀打ちできるだろう。
ここはいいなあと感心してしまった。

それにしても奈落を倒してから築く「殺生丸帝国」見てみたい。
ハメルンの笛吹き日本版みたいな音獄鬼も良かったし、素直に殺生丸とりんの心のつながりに感動できない自分がちょっと哀しい。
それでも「秘密の花園」に心が慰められた、違った意味で(笑)。
珊瑚と琥珀の秘密の花園、当然シリアス物だろうが、シリアスに受け止められない自分も哀しい(笑)。

名主や野盗、村人など出演者は多いが、紹介されたのは8人だけ、残念。
1人複数役だったのかな?
それにしても小村哲生さん、雲涯というキャラもいいけど声や演技がとても素晴らしかった。
わりに無表情なキャラだが、その分声の感情表現が素敵でまたもやときめき。

独鈷使いキャラ、アニメはすごく上手で大満足。
同時に久々揃い踏み最強トリオもとい法師トリオの西前さん、中嶋さん、田中さんも締めないで欲しい・・・。

来週はアニメがお休み、寂しい2週間。
1週間のお休みもこんなに寂しいのにね。
よみうりテレビのランキングで2位キープは嬉しいけれど・・・。
 (2004年8月9日の日記) 
雲母の視点
アニメ第163回放送2004年8月23日
「琥珀珊瑚雲母 秘密の花園」

     ☆     ☆     ☆

今更言っても詮無いことではあるけれど、今までのオリジナルの中にこんな静かなしっとりと落ち着いたエピソードがせめて2編か3編入っていたら、アニメ全体の流れもだいぶ違っていたのではないかという気がする。
こんな素晴らしい作品が作られるのもアクセスランキングで1位になるのも終了するからという前提がつくのはあまりに寂しい。

公式サイトの次回予告を読んだ時から気になっていたのだが、今回特筆すべきは雲母の視点で描いていること。
原作との兼ね合いもあるだろうが、珊瑚と琥珀が会わずに終わるのがたまらなく良かった。
もちろん珊瑚にとっては辛いことではあるけれど。

冒頭の不思議な音楽、七人隊と神無のサービス(一瞬翠子まで出るかと思った、笑)はあるものの、半端に浮つくことなく何よりも回想シーンの美しさ、桑島さんと矢島さんの演技の素晴らしさに圧倒された。
残念だったのは、退治屋仲間と珊瑚と琥珀の父(お頭)の田中正彦さんにも声で出て欲しかったなということ。
けっこう出番があったのに笑顔だけとは・・・。

そういえばアニメが終わるということは、最強トリオ(西前さん、中嶋さん、田中さん)ともお別れということ。
もちろん他の作品でお名前を見たり声を聞いたりすることはあるだろうけれど、やはり妖怪になったり野武士になったり村人なったりといった変幻自在の最強トリオとのお別れは心底寂しい。

神楽のいい人度も急速にアップし、終結に向けて一気に加速した感じがせつないが、雲母の背に飛び乗る琥珀のシーンも、最近多い静止画像も素敵で忘れられない一作となったような気がする。
最後、犬夜叉一行、白童子たちの声を聞かせないのが、作品をいっそう静かな雰囲気に作り上げていて、これもいいなあと思った。

原作においても神楽と犬夜叉一行の和解は丁寧に描かれているが、この時ふと思い出したのが鋼牙のこと。
アニメ最終回までに登場するかどうか、そんなことではなくて(笑)、これまで何度も書いている「一緒にいる」ことの意味。
原作のサンデー、神楽の今の姿を見て鋼牙はどう思うだろうか。
犬夜叉たちは神楽との戦いや関わりの中で、神楽の辛い立場を知り、思いやる気持ちを持つが、鋼牙にとっては相変わらず仲間を殺した憎い敵のはず。

大好きなかごめと一緒にいないことの意味、経験や感動の共有の有無、犬夜叉と鋼牙、その違いは大きい。
桔梗は比較的犬夜叉と気持ちの重なる部分が多いが、そういう意味で鋼牙も悲劇のキャラだなあと思った。
そんなところも好きなのだが(笑)。

余談だがきのうジョイポリスに行って「激走〜ワイルドジャングル〜」にも挑戦した。
これは車に乗ってだが山の上空を飛び回ったり吊り橋が壊れて谷底に落ちたりするアトラクション。
ジェットコースター物よりスリルはなかったが酔った。

鋼牙に連れ去られるかごめとか、裏陶に襲われて吊り橋から落ちる楓とかこんな感じ?
やっぱり私、妖怪戦国には向いてない(笑)、へろへろになってしまった。

それはさておき今日の感想、私はアニメ終了を前提として書いている。

けれどもきのう、日高さんのラジオ番組「アニメスクランブル」 でゲストの諏訪道彦氏(アニメ「犬夜叉」プロデューサー、「スワッチのアニメ日記」でもおなじみの方)がアニメ「犬夜叉」第一部の終了を宣言しておられた。

なんとなく「第一部」の言葉が素直に嬉しいというより「ほんとなの?」という気持ちの方が先走ってしまって落ち着かない。
原作がある程度たまったら第二部開始なのか、ファンの反応次第で再開なのか、まさか映画が第二部ではないでしょうね?
かえって私などは振り回されてしまうので、はっきりした説明が欲しい。

アニメ「十二国記」で州師兵士や役人、虎嘯の仲間などでおなじみの園部好徳さんが妖怪役で登場。
西前さんが熊、小川一樹さんが妖怪でどこかで見かけたような妖怪を演じておられる。
 (2004年8月23日の日記) 
宿り蛹 〜アニメ犬夜叉最強トリオ
アニメ第164回放送2004年8月30日
「最強の敵 宿り蛹七宝」

原作少年サンデー2003年10月15日(46号)第333話「宿り蛹」
原作少年サンデー2003年10月22日(47号)第334話「宿主」

     ☆     ☆     ☆

アニメも残すところあと3話。
殺生丸一行と琥珀と珊瑚の心の絆にアニメなりの決着をつけた後は、原作に戻って「宿り蛹」。
バンダナ犬くんが可愛かった「小さな幸せ」に続くエピソードとなる。
最初に読んだ時は「石の花」のような完全に独立した(四魂のかけらや奈落と関係のない)サイドストーリーだと思っていたら、あら不思議。
この集団発生した宿り蛹こそが御霊丸&魍魎丸に続き、白童子&神楽の死に至る壮大な物語の幕開けだった。

原作でも桔梗も出てきて岳山人の存在を暗示する部分はあるが、アニメでは岳山人に奈落まで登場するらしい。
なんとなくアニメでは「犬夜叉と七宝の心の絆」でまとめるだろうと思っていたので正直意外。
原作で奈落が出てくるのはかなり後。

その前に神楽と琥珀の虫退治、謎めく台詞を吐く白童子、神無に赤子に飛鳥と胡蝶まで出てきてその中に岳山人や不妖璧、妖気の結晶が関わってくる。
そして奈落が愛しの桔梗をあばら骨で抱きしめるというなんとも無粋な展開となるのだ(腕で抱きしめなさい 腕で!)。
「宿り蛹」はタケコプターで?空飛ぶ犬夜叉など、バンダナ姿に続く必見カットもあり、アニメでたっぷり見せて欲しいお話。

アニメ的にも作りやすいだろうからと、100%宿り蛹を想像していた。
実際問題として最終回「かけらを使え」までにこの問題を描き抜くのは無理だろうから(18話分)、ここで岳山人に奈落を絡めて妖気の結晶や不妖璧を見せていくのだろうか。

この大幅に短縮されるだろう18話分の中に、先週の神楽の死につながる殺生丸と神楽の心の綾も微妙に描かれているし、魄に関わる鋼牙の部分もあるのですごく寂しい。
まあ次回1話で全てを3倍速で見せられるのも困るから仕方がないか・・・。
ここでOPの謎(殺生丸と神楽、桔梗と奈落)が出てくるわけだが、まさかOPで見せたからこれでおしまいってことはないだろう。

話がそれたが今回の「宿り蛹」はほんとにるーみっくギャグ炸裂のなんともおかしく笑えて心暖まる話。
久々に犬夜叉一行が大活躍の巻、期待は大きい。
あちこちで出てくる「アニメなりの結末」は「アニメなりのまとめ」と解釈した方がいいような気がする。
奈落なり四魂の玉なりにアニメなりのやり方で決着をつけることは以前のゲームを見てもあまりに危険だろう。

岳山人は側見(そばみ)民雄さん。
ずっと俳優として活躍されていたらしいが、「中年過ぎて声優進出(笑)」とのこと。
いたずら七宝に困らせられる村人でおなじみ最強トリオの他に大里雅史さんが出演される。

西前忠久さん、中嶋聡彦さん、田中一成さん、いわゆる「番組レギュラー」と呼ばれる声優さんのことを知ったのも辻谷さんのサイトでだった。
「アニメ犬夜叉最強トリオ」を作り始めた時に、「犬夜叉鋼牙殺生丸」か「犬夜叉奈落殺生丸」だと思われた人がほとんどで。
でも「犬夜叉」における妖怪戦国において、人間として妖怪に殺されても蘇り、妖怪として犬夜叉たちに殺されても蘇る、ある意味不死身のこの3人の声優さんが演じられるさまざまなエキストラ、いつも大好きだった。
出演されないと寂しくて。

特に中嶋さんは八衛門狸が可愛くて、アニメでもはずしたことがない数少ないキャラになり得たのは中嶋さんゆえだと思っている。
アニメの犬夜叉や鋼牙とのお別れももちろん寂しいけれど、最強トリオとのお別れがとても寂しい。
先日も書いたが、西前さんや中嶋さん、田中さんの声を他の作品で聞く機会はもちろんあるだろうが、やはりこのロングシリーズの中で見掛け倒しの妖怪や(笑)、人のいい庄屋、小悪党の野盗や暖かい村人、たくさんのキャラを見られなくなるのは寂しい。

もしかしてアニメが終わったら一番恋しくなるのは和田先生の音楽と最強トリオかもしれない。
あと2回の放映の中で3人揃って出演することがあるかどうかわからないので、今日は大事に見たいと思う。

          ☆          ☆          ☆

そういえば「小さな幸せ」の前、本来の奈落探しの旅は厨子鼠から続いてきてるんだ。
奈落どころか殺生丸に白童子、琥珀までも声付きで御出演の大迫力の回想シーンにまずときめいた。
テレビのEDではこの3人の声優さんもちゃんとクレジットされてて好印象。
音楽もいいし、嬉しい限りだが、白童子のシーンでいきなり出てきた神楽に胸が疼いた。

そうかこっちではまだ生きてるんだ神楽・・・。
アニメで神楽の死を見ることなく終わるのはもしかしたら良かったのかもしれない。
嬉しくも懐かしくもない巨大ナメクジまで出てきたのにはまいったが(苦笑)。

冒頭の回想シーンって前は嫌いだったけど、最近はいいなあと思うことが多い。
慣れたのかな?とも思ったが、やはり以前に比べて話の繋ぎ方、音楽のつけ方、ナレーションの入れ方が全然違う。
これからの回想シーンなら楽しみに待てるのになあ、と見るもの全てが「残念」という言葉に続いてしまう。

その後奈落がオリジナルで登場し、不妖璧を手にすると共に深みのある岳山人の声。
「いいぞいいぞ」と心の中で大拍手。
「犬夜叉のつぼ八」連載が続いていたら、辻谷さんが側見さんに関する小ネタや収録の裏話を教えてくださるのになあ。
「四魂の玉」との違いをはっきりさせるためか、綺麗な青色の不妖璧、これが後に重要な意味を持ってくる。

ところが冒頭、七宝の吊るし上げに「なにこれ?」気持ちが一気に冷めた。
後に出てくる「犬夜叉にばかりきつい術」、当然だと思ってしまう、思わせるのが狙いなのかもしれないが。
ここで早速匂い玉も使用でなんだかこちゃこちゃオリジナルが入る。
宿り蛹ってセミの抜け殻のような雰囲気を予想していたらすごくカラフルかつ硬そう。

それにしても弥勒っていつから布団で寝るようになったっけ。
アニメの「珊瑚目指して―」のイメージが強すぎて思い出せない(笑)。
かごめのパジャマの柄がイルカだったのは新発見。

ここからは原作どおりの七宝の悪戯ショーかと思いきや、原作より遥かにエスカレート。
笑ったりここまでやっていいのかと心配したりとハラハラ続き。
かごめまで巻き込んでの大騒ぎだが、犬夜叉が替え玉七宝に気づくのは心の絆?それとも匂い?

登場キャラも多く、最強トリオもがんばった。
最後のカップラーメンは原作どおり。
やっぱり戦国時代に来てまでカレー作ったりシチュー作ったりされるよりは素直に見れると心の声。

宿り蛹の謎に気づく珊瑚の顔の凛々しさにうっとりした後、映画のような顔の桔梗にびっくり。
さらに嬉しい再び奈落、でも一番嬉しかったのは「おすわり」のないかごめだったりする。
最近かごめにくせがなくなってきて見やすいと思えるのは私だけだろうか。
それにしてもあと2話の話、寂しい。

次回はホネホネ奈落に岳山人に魍魎丸?らしき影。
鋼牙&魄は無理なのかな?
一応準レギュラーとしてこちらも1話の「まとめの話」が欲しかった。
とは言っても振られるわけもなくあきらめるわけもなく、「鋼牙の旅もまだまだ続く」で終わりそうだが。
早く次回予告をアップして欲しい。

と書いてるうちにアップされた。
鋼牙は出なくてレギュラー陣以外は飛鳥と胡蝶と西前さんの妖怪でした。
 (2004年8月30日の日記) 
原作通りに作るとこうなる
アニメ第165回放送2004年9月6日
「奈落を倒す最大の手がかり」

原作少年サンデー2003年10月29日(48号)第335話「消えた山」
原作少年サンデー2003年11月5日(49号)第336話「岳山人」
原作少年サンデー2003年11月12日(50・51合併号)第337話「不妖壁」
原作少年サンデー2003年11月26日(52号)第338話「魄(はく)」
原作少年サンデー2003年12月3日(53号)第339話「試作」
原作少年サンデー2003年12月10日(2号)第340話「魍魎丸(もうりょうまる)」
原作少年サンデー2003年12月17日(3号)第341話「残骸」
原作少年サンデー2003年12月24日(4号)第342話「奪われたもの」
原作少年サンデー2004年1月28日(9号)第346話「行者」
原作少年サンデー2004年2月4日(10号)第347話「御霊丸」
原作少年サンデー2004年2月10日(11号)第348話「異形(いぎょう)の腕」
原作少年サンデー2004年2月18日(12号)第349話「屍の群れ」
原作少年サンデー2004年2月25日(13号)第350話「神楽の命」
原作少年サンデー2004年3月3日(14号)第351話「羅漢像」
原作少年サンデー2004年3月10日(15号)第352話「御霊丸の死」
原作少年サンデー2004年3月17日(16号)第353話「鬼の岩」
原作少年サンデー2004年3月24日(17号)第354話「破れぬ壁」
原作少年サンデー2004年3月31日(18号)第355話「かけらを使う」
原作少年サンデー2004年4月7日(19号)第356話「邪な気配」

          ☆          ☆          ☆

あと2回、13日はスペシャルなので1時間半というより75分くらい分の原作は以上の通り。
途中抜けてるのはすでに放映された「昔のあやまち」の部分。
なんにしろ膨大な量である。

こうしてリストアップして見ると、ちょうどアニメ終了が現実味のある情報として表面化した、ちょうどその頃の原作がまるでアニメ最終回用に作られているかのように見えてくる。
もちろん個人的な意見だが。

私は最終回までのサブタイトルが決まってから原作を「消えた山」以降読むのをやめた。
これはたぶん初めてのことで、いつもは原作とアニメを照らし合わせて見ている。

この膨大なリストを見ていると、どうしても「詰め込みすぎ」という言葉が頭の中に浮かんでくるのでむしろ原作と関係なく、アニメなりの結末を見てみたいと思った。
今日の時点で鋼牙は出てこないが、たしかに「魄」の部分は切り取っても話は通じる。
殺生丸一行のまとめ、弥勒と珊瑚のまとめ、七宝のまとめ、犬夜叉かごめのまとめ(最終回)、犬夜叉桔梗のまとめ?(映画)とあって、鋼牙はないのかい、などと心の中では怒ってしまうが、ここは冷静に(笑)。

今回は西前さんが妖怪役で登場される、来週も鬼(しゃべらないけど)でも何でもいいから出ていただきたい。

          ☆          ☆          ☆

予想に反して驚くほどの原作通りで一気に8話分、びっくりしました。
カットされたのは鋼牙の部分とヤキモチ問答。
鋼牙が出ないことの寂しさはあるけれど、かえってすっきりして見やすくなったのではないかと思った、悔しいけれど。

これが理想のアニメだと思う、余計なものを一切入れず(鋼牙の部分はもちろん入れて)、コンパクトに作ること。
でもそしたらアニメはもっと早く原作に追いついて、もう半年早く終わってたな・・・。

まずは「生きてる神楽」に胸が痛んだ。
山岳人にはなぜかちょっぴり笑いがこみ上げ、妖気の結晶の綺麗な緑に驚いた。
そうか、「妖気」とは「邪気」でも「瘴気」でもないから綺麗でいいのか、もっと濁った色を想像してたので。

珊瑚の戦闘服の左胸の模様が「大入(満員)」に見えて悲しかったり、微妙に弥勒の言葉遣いが丁寧なのに突っ込んだりもしたけれど、一番気になったのは奈落の命令、「神楽を助けてこい」じゃなくて「神無を助けてこい」でしょ。
小林さんが間違ったのか脚本さんが間違ったのか、そこまでの会話の流れがおかしくなってしまった。
気づかれなかったのかな・・・。

奈落の首振り人形みたいな笑い方もちょっと変、弥勒や珊瑚が桔梗と話す珍しい場面は珊瑚の分がカット。
とにもかくにも大急ぎで、あらすじ紹介ダイジェスト版みたいになってしまったのは残念だったが、私の中では好印象だった。

犬夜叉たちが桔梗を助けてから、そのまま最後までみんなと話していれば、お互いに気まずい思いをしなくてすむのに、わざわざ離れて、しかも無難というか、ムードのない話(奈落の心臓)をするのはなぜか、原作でも引っかかった。
ここでもかごめのヤキモチを強調する必要があったのだろうか、ないだろうと思うのだが。

後の神楽の死につながる神楽と琥珀の微妙な心理の綾はこの時間でこのボリュームでは描き切れなかったか。
後で白タイツ姿の魍魎丸もついに登場(原作では微妙に隠してる・・・。)
不妖璧、妖気の結晶、魍魎丸に続いて来週は御霊丸が登場し、アニメも最後のクライマックスを迎える。
すでに次回予告がアップされているが、「犬夜叉 最終話」とあるばかりでストーリー説明はなし。

西前さんと田中さんだけが最後にも登場。
今日の試作品の妖怪たち(声は全て西前さん)がやたら愛しく感じてしまった。

おもしろさとは別の部分で、言いようのない寂しさを感じつつ、今日はここまで。
次回は上記のリストの後半部分全てを網羅!だが、ここまで割り切って残す所切り取るところを選べるならば、ものすごいクライマックスに気合を集中した素晴らしい作品になるのではないかと期待している。
テレビの次回予告も素晴らしかった。
 (2004年9月6日の日記) 
ヒマになっちゃう月曜日
アニメ第166・167回放送2004年9月13日
「二人の絆 四魂のかけらを使え!」

原作少年サンデー2004年1月28日(9号)第346話「行者」
原作少年サンデー2004年2月4日(10号)第347話「御霊丸」
原作少年サンデー2004年2月10日(11号)第348話「異形(いぎょう)の腕」
原作少年サンデー2004年2月18日(12号)第349話「屍の群れ」
原作少年サンデー2004年2月25日(13号)第350話「神楽の命」
原作少年サンデー2004年3月3日(14号)第351話「羅漢像」
原作少年サンデー2004年3月10日(15号)第352話「御霊丸の死」
原作少年サンデー2004年3月17日(16号)第353話「鬼の岩」
原作少年サンデー2004年3月24日(17号)第354話「破れぬ壁」
原作少年サンデー2004年3月31日(18号)第355話「かけらを使う」
原作少年サンデー2004年4月7日(19号)第356話「邪な気配」


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アニメ「犬夜叉」に夢中になったその日から、毎週月曜日は何が何でも早く帰る。
晩御飯は必ずカレーにサラダかフルーツヨーグルトかスープか野菜ジュース。
とにかくあらかじめ準備できて作る手間もいらず、後片付けも楽なメニュー。
できればお風呂も入ってしまって原作とメモ用紙を揃えてテレビの前にスタンバイ、心で正座。
そんな生活も今日でおしまい。

「殺生丸と神楽奈落の心臓白童子命令巨大鬼の腹最後の決闘」、よくもまあ最後の最後まで気合いあふれるわけのわからんタイトルありがとう。
この膨大な量を詰め込むことを考えると、心静かに最終回を迎えられないと言うか、最後の最後までハラハラさせてくれるところがいかにもアニ犬らしくて。
犬夜叉達のメッセージの分も時間は削られるんだし・・・。
最後まで一視聴者としての私の希望と、製作側が目指すものがかみ合わないまま終わってしまうことになりそうだ。

最終回スペシャル1時間の豪華版として、次回予告に名前のない弥勒も含め、鋼牙たち妖狼族以外のレギュラー陣は総登場(涙)、鋼牙はメッセージもないのね・・・。
最後に西前さん(村人)と田中さん(樵=きこり)は出て下さるけど中嶋さんは名前なし、寂しい・・・。
注目は御霊丸の寺杣(てらそま)昌紀さん、舞台俳優としての作品の多い方のように見受けられる。
名主は志村智幸さん、幼い子なりの幼稚な正義感のために山岳人を殺してしまう子供の行者に佐藤ゆう子さん、真田アサミさん、奥島和美さん、水城レナさん。

注目すべきは御霊丸だろう。
基本的には正義の人だが、子供に特殊な力を与え、見境なく妖怪とあれば退治しようとする軍団を作り上げてしまう。
岳山人も犬夜叉も、人に害なす妖怪も一緒くたにしてしまう子供たちを責めることはできないが、御霊丸の存在自体がこの時点で矛盾をはらむ。

岳山人の死は例によって犬夜叉たちに何の感情も呼び起こさず、彼らはただこれが偶然か奈落の差し金かを知りたがる。
この御霊丸が後に魍魎丸、奈落の赤子と深い関わりを持つことになり、担当の声優さん含め見守っていきたかったが、アニメでは「殺されただけ」で終わるのか?
殺生丸が神楽を助けるシーン、これはカットするわけにはいかないだろうから入れるだろう。

膨大な量の物語を2話でまとめることの弊害。
見せればいいというものではないと思う。
今回入れないといけないから入れるんじゃなく、そのエピソードが作品の中で必要だから入れる、そんな姿勢が欲しかった。

逆に言うと、最終回は犬夜叉とかごめのクライマックスなのだから、それ以外のことは全部すっ飛ばしてこれを見ろ!くらいの勢いがあったら納得できるかもしれないが、おそらくそこまでは割り切れまい。
ストーリーは原作と同じだが、やはりここではアニメなりの結末となる。
それがどう描かれるか最後の最後までこちらも作品に挑んでいきたい。

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実はここまでをNHKのポアロとミス・マープルのアニメを見ながら書いている。
(というかテレビつけてたらアニメが始まった。)
クリスティーファンなら常識だが、生前クリスティーは2人を共演させて欲しいという読者の要望に対して「ポアロはマープルのような婦人に口を出されることを好まない」という理由ではっきり断っている。

それを承知で作られたのだと思うが、2人の間を取り持つメイベルという女の子とアヒル?のオリバーというオリジナルキャラが登場。
2,3回見たが気持ちがめげた。
アニメの後で「クリスティー紀行」という関連のある場所を紹介してくれるコーナーがあるので一応見てはいるが。

今度始まる「ブラックジャック」も「子供たちも楽しめるキャラクターを増やす」とのこと。
オリキャラ&大物タレント起用はアニメ業界のお約束なのだろうか。
ただ自身を振り返ってみれば、「アルプスの少女ハイジ」や「母を訪ねて」のヨーゼフやなんだっけ?あのオリキャラに違和感を覚えたことはない。

つまりはこういうことなのだろう。
所詮夜の7時から8時までは子供の時間。
もともと「犬夜叉」に限らず製作側の視線は子供を中心に捉えているのである。
子供はオリキャラだからどうの原作と違うからどうのとうるさいことは言わない。
可愛ければ、おもしろければそれでいいだろう。

事実あるお母さんファンから聞いた「犬夜叉は娘が怖いからと嫌がる。」という話には驚いてしまった。
たしかに今日の御霊丸のやられっぷりなどもいっそ無造作なほどだったが。
犬夜叉vs蛇骨戦の時など、見ている方が心配になるシーンは結構多い。
だがそういった年齢層もまた、アニメにとっては大事なお客様。
言われなければ私には夢にも出てこなかった感想だろう。
どこかのサイトで「(アニメの)かごめちゃんみたいに、おすわりいっぱいしたい」っていう映画感想読んだ時も愕然としたが。
その上で「犬夜叉」なり「BJ」なりの原作ファンにも受け入れられたらいいなあと。
そのように作らざるを得ないのだろうと思う。

最終回にしてやっと気づく自分もどうかと思うが、そこまで割り切って見ることができてたらずっと気持ちも楽だったに違いない。
でもそうしたらそもそもホームページなんて作ってもいなかっただろうが。
たぶん今回のアニメポアロも厳しく批判されてるだろうという気がする、ネット巡りはあえてしていないが。
「BJ」も始まる前から上記の一文だけでかなり厳しい視線にさらされているのではないだろうか。
私は今日のCMで思いっきり引いたが。

で、ポアロアニメ、クリスティーファンの私はどうかといえば、とりあえずは見る。
目くじら立てない代わりに感動もなく。
たぶん習慣で「BJ」も見ることになるんだろうな、やってれば。
最初は「犬夜叉」もただのアニメであり、ただのマンガ(漫画)だった。
それがいつの間にこんな大切な存在になったのか、私なりに培ってきたものがある。
それが私の考察日記だと思っていただけたらと思う。

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原作を1度分解してカットした部分の意味も伝わるようにもう一度作り直し、1本の映画に仕立て上げたような今日の「犬夜叉」だった。
特に御霊丸の問題など、アニメしか見ない低年齢層の視聴者にわかりやすかったかどうかは、残念ながらわからない。
私は原作を読み込んでいるから自分の中でどうしても補ったり余計なものを取り除いたりしてしまうから。
それでも先週の大急ぎ感が少なく、うまくまとめていたのではないかと思う。

絵が可愛く目が激しく揺れ動く第1部、映画っぽい第2部、劇画タッチの第3部と話がつながっていくが、正直言って40分くらいまでは最終回という意識も感じさせず、淡々と見ていた。
羅漢像の持つ意味や前述の御霊丸の存在の曖昧さの削除も時間制限で仕方がないとはいえ気になったが、御霊丸の声がちょっと老け過ぎ。
ついでに技の大盤振る舞い。

「御霊丸さまが、おまえらにも食わせろって・・・。」の台詞などは御霊丸の人間性を語る上で大切な一言だと思うのだが。
そして御霊丸がかごめのかけらに反応する部分など、アニメが今日で終わるならいらなかったのではないだろうか。
たしかにかけらのおかげで御霊丸は元気になるが、かごめを怯えさせる場面は後の魍魎丸や赤子との関わりへの重要な伏線。
仮に冬の映画がこの続きならば大切だが、今回でおしまいならこういった謎の部分を削除して、じっくり感をもっと出しても良かったのではないかと思う。

今回神楽と殺生丸のエピソードを2つまとめてしまったが、これは仕方がないかもしれない。
どうせと言っては失礼だが、すでに読んでいる者には当時の感動に比べるとどうしても劣ってしまうし、逆に原作を知らなければ十二分に感動的だろう。

殺生丸を喋りすぎだと思い、喋りすぎの邪見は大歓迎なのは私の個人的な好み(笑)。
「ちゃんとべべ着ろーっ!」は実は原作読んでても思ってたので爆笑してしまった、悩殺神楽。
私は「早く」べべ着ろーっ!て思ったけど。

この時間帯でCMの合間に公式サイトを覗いたら「次回予告」がなくなっていた、寂しさがずどーんと胸に来る、終わるまで見なきゃ良かった・・・。
結局弥勒は最後まで公式サイトに名前が出ることはなかったが、EDにはちゃんと名前が出ていた。

犬夜叉の金剛槍破の見せ方がいつも気合いが入りすぎてて、角度がなぜか島村ジョー(サイボーグ009)を思い出させて、勝平さんの唸り声もがるる声も苦手な私だけれど、それも最後だと思うと・・・(以下略)。
犬夜叉とかごめの見せ方は素晴らしかったのではないかと思う。
感情移入できないのは、未だに「風」を引きずっているから。

同時に最後の最後、「犬夜叉のそばにいられてよかった・・・」大満足のかごめと、1人赤子を追う桔梗とのコントラストが強すぎて。
桔梗がかつて望んだこと、犬夜叉の側にいて犬夜叉を癒すこと、その中にはもちろん犬夜叉を守ることもあっただろう。
「犬夜叉が好きなのはかごめ」、あまりにも当たり前のことだけど、ここまでアニメで決め付けられると、桔梗のために限りなく寂しい。
私はかごめ派でも桔梗派でもないけれど、アニメは絶対かごめ派だ。
いつの間にやらかごめ派だ。

わかりやすいけど、あまりにあっけない。
つい今また犬夜叉はかごめのことすっかり忘れて桔梗のとこに飛んでったのよ、なんて皆さんに教えてしまいたくなる。
そうなればなったでかごめがかわいそうだし・・・。
でも今回(原作)ばかりはかごめもヤキモチどころの騒ぎではないが。

結局犬夜叉はかごめといる時はかごめが100%大好きだで桔梗のことは忘れてるし、桔梗といる時は桔梗のこと100%想っててかごめのことは眼中にないし。
犬夜叉もさまざまな形で成長を遂げてきたわけだけど、こればかりは変わってない、改めて認識した。

EDは初代EDの「My  will」。
鋼牙、八衛門と無心、日暮家の面々、かごめの友達など今回出番のなかった準レギュラー陣が総登場。
刀々斎と猛々が映し出された時、初めて涙がふっと湧いた。
コナンモードの草太とオリキャラひとみで一気に引っ込んだけど。
それと魍魎丸の後姿・・・。

最終回を総括すると、なまじっか決着をつけようとせずに(奈落を倒すなどの)、現在進行形でまとめたのは正解だったと思う。
続きが気にって原作読み始める人もいるだろうし(いて欲しいし、となにげに宣伝)。
実際私の犬友にも「アニメが終わったら原作読む(かも)」という人が最低2人?3人?いるので、ここで一気にコミックの売り上げ急上昇を希望する。

くれぐれも漫画喫茶には行かないように。
なるべくなら古本屋じゃなくてちゃんとした本屋さんで定価で買ってください、私からのお願いです。
録画のためのビデオ代とか、これからいらなくなるわけだから(涙)。

犬夜叉の金剛槍破で結局みんな助かったけど、鬼は痛そうだったな、西前さん。
他にもいろいろ書きたいことあった気がするけど・・・、おいおい付け足していこう。
最後のメッセージ、私は犬夜叉たちが普通に喋ってくれるのかと思ったら、アニメの中で流しただけなのね、ちょっと残念。
カーテンコールみたいにずらりと並んで1人ずつ挨拶して欲しかったな、「弥勒を演じる弥勒より一言」みたいな感じで。

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2000年10月16日(松野太紀さんの誕生日)に放映が始まったアニメ「犬夜叉」。
この日が私と「犬夜叉」との出会いであり、高橋先生との出会いでした。
第1話「時代を越えた少女と封印された少年」の考察日記を書いたのは、その2年後2002年11月6日です。
その頃まではただの「おもしろい漫画」であり「おもしろいアニメ」だったんですね。

信じられないかもしれませんが、最初はアニメ派で原作興味なかったし(笑)。
日付を見ていただければわかると思いますが、それ以来オンタイムの放映に追いつくまで、ほとんど毎日アニメの感想を書き続けてきました。

怒りもあったし哀しい時もあった、落ち込んでもうやめようと思ったこともあったけど、続けてこれたのは、やっぱりアニメも含めて「犬夜叉」が好きだったからだと、今は自信を持って言い切れます。
たぶん原作を読むだけだったら、どんなに好きでもサイトを立ち上げるまでにはいたらなかったと思う。
怒りにしろ何にしろ、アニメのパワーは、私にもサイト開設そして運営のパワーを与えてくれました。

「犬夜叉」を作り上げてくださった高橋留美子先生にもから感謝を込めて「原作アニメ比較」は終了させていただきます。
 (2004年9月13日の日記) 

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