原作アニメ比較 6

朴仙翁と蛾天丸
アニメ第51回放送2001年11月19日
「心を喰われた犬夜叉」

原作少年サンデー2000年9月6日(41号)第183話「変化(へんげ)の秘密」
原作少年サンデー2000年9月13日(42号)第184話「毒の繭」

          ☆          ☆          ☆

琥珀編がひとまず終わり、前回アニメでカットされた部分(毒にやられた弥勒を珊瑚が看病するシーン)を冒頭部分に回想と共に挿入。
お約束の回想シーンも、これなら無理なく観る事ができた。
犬夜叉がかごめのケガを心配する部分も入っていたが、こちらはアニメ恒例どたばた喜劇。
この時の犬夜叉の顔の赤らめ具合は、原作より明らかに数段上。
青木監督、そろそろ「正統犬夜叉二股路線」に修正を始めたのか?と興味深くは観たが。

殺生丸は、朴仙翁に会いに行く。
樹齢2000年の朴の木、鉄砕牙と天生牙の鞘も、この木から削られたという妖木。
殺生丸は朴仙翁に犬夜叉の妖犬化について聞くが、朴仙翁は次のように答えている。
追いつめられた犬夜叉は、身を守るために妖怪に変化する。
しかし、父から受け継いだ大妖怪の血は半妖の身には強過ぎ、変化を繰り返すうちに心を喰われるのだと。
妖怪の血を封じ込めるために、父が与えた守り刀が鉄砕牙。

この話、後で犬夜叉も知ることになるのだが、ここで考えたこと。
もしもあったら、の話であるが、もしも殺生丸にかすかにでも鉄砕牙に対する未練があったとしたら、おそらくこの時点で殺生丸は、鉄砕牙の獲得をあきらめていただろう。

そしてもうひとつ、もしも犬夜叉がまだ四魂の玉を使って本物の妖怪になる気持ちが残っていたとしたら、このことで犬夜叉の気持ちはどう変わっていくのだろうか。
正気を取り戻した犬夜叉は「おれがなりたかった妖怪は、(中略) こんなのじゃねえ!!」と心に叫ぶ。
先に書いてしまえば、この後犬夜叉は竜骨精との戦いから、妖怪の血を押さえることを学ぶのだが、妖怪になることに対する気持ちには原作でも触れていない。

心をコントロールした上で妖怪になることを望むのか、全てが終わったら半妖として誇りを持って生きていくのか、もしかしたら人間として生きる道を選ぶのか、未だに答えは出ていない。
というより、永遠に答えの出ない謎であって欲しい。
答えが出る時は、「犬夜叉」が終わる時だから。

話がそれたが、犬夜叉達は妖怪蛾天丸の前に大苦戦。
私ももともと蝶や蛾のたぐいが苦手で、まだ蛾天丸が人間の姿のうちから、毒粉やら毒繭やらに鳥肌を立てていた。
特にアニメで、犬夜叉の頬が毒によって泡立っているシーン、下手な殺戮シーンよりずっと怖かった。
今回のエピソードだけは、できれば2度と観たくない。
今夢中になっているアドバンスでも、「毒粉」というアイテムがあり、「珊瑚、蛾天丸が使える」となっている。
それを見るたびに鳥肌を立てている私である。

今回は野盗や村人が多数出演、ということでお約束の西前、田中、中嶋トリオも久々に登場。
どんな悪党を演じても、どこかに人の良さがにじみ出てしまう八衛門狸(中嶋さん)がほほえましい。
逆に好みの問題だが、朴仙翁と蛾天丸には違和感を感じた。

朴仙翁は鈴木奏明さん、さっき調べたらなんと「アルプスの少女ハイジ」のゼーゼマンさんだった。
クララのおとうさんである。
アニメではいきなりアップで登場し、大笑いしたが(原作ではわりに控えめである)、声ももっと枯れた仙人のような雰囲気を想像していたので、その辺のおじいちゃんって感じで出て来られると、ちょっとがっかり。

蛾天丸は、最近何かと噂の子安武人さん。
話し方がこっちもなんだか普通の人だった。
七人隊の声優は、正式発表されたのだろうか。
蛾天丸のエピソードは次回に続き、犬夜叉が再び変化する。
(2003年2月2日の日記)
兄弟愛
アニメ第52回放送2001年11月26日
「止められない!妖怪の本性」

原作少年サンデー2000年9月20日(43号)第185話「蹂躙」
原作少年サンデー2000年9月27日(44号)第186話「失われた心」
原作少年サンデー2000年10月4日(45号)第187話「しみついた血」

          ☆          ☆          ☆

妖犬化した犬夜叉vs妖蛾化した蛾天丸対決。
冒頭前回のあらすじが解説なしで少し入ったが、こういう見せ方はしつこくなくてうまい演出。
蛾天丸が村娘の精気を吸い取るシーンや、妖犬夜叉が野盗を殺すシーンなど、観ている方が心配になるほど原作に忠実。
特に蛾天丸、原作よりパワーアップして、画面から燐粉が飛び散ってきそうな演出には悶絶してしまった。
犬夜叉アニメ、さんざん批判してきたことに対する強烈なしっぺ返しをくらった気分。
現にこの日記を書いている今現在も、鳥肌を立てている状態である。

唯一の救いは原作では殺されていた老人が助かったこと、野盗たちも殺される前に殺生丸が来てくれたことだろうか。
後者はともかく、老人は本当にいい味出していたので良かったと思う。
だがこの蛾天丸の毒繭、破魔の矢は効かないのだろうか。
こんな時に限ってかごめも持っていないようだが・・・。

邪見の1人芝居も山口さんの犬芝居も良かったが、今回の主役はなんといっても殺生丸。
いろいろ言い訳はしているようだが、はたから見ているとできの悪い弟の危機を心配して駆けつけた優しい?兄のようにしか見えない。
もしもこの時、犬夜叉が心をコントロールできる本物の妖怪になっていたら、妖怪に昇格した弟を、暖かく迎え入れてくれただろうか。
「妖怪になったのなら、おまえもわが一族の一員として認めてやろう。」と言ったりして。

とりあえず犬夜叉の暴走を止める殺生丸。
闘鬼神をなぎ払われた時に見上げる顔の美しさは絶品。
今回観ていて気がついたのだが、殺生丸は闘鬼神を抜き身で持って歩いているようである(原作も)。
せっかちな殺生丸のこと、さっそく刀々斎にでも鞘を作らせるかと思えばそうでもないらしい。
本人は良くても邪見やりんには危なくて仕様がないだろう、余計なお世話だが。

アニメでは殺生丸が邪見達の元に帰った時、りんに対して「おとなしくしていたか。」などと言わせているが、殺生丸自身の言葉を借りれば「笑止!」である。
たしかに殺生丸はりんを受け入れているが、ホームドラマは邪見とりんだけでいい。

最後の犬夜叉とかごめのシーンは、原作どおりで嬉しかった。
先日届いたCDドラマを何度も聞いているが、対談の雪乃さんの声、とても素敵だと思った。
かごめの声もこのように自然に演じてくれればいいのに、と私は思う。
アニメのかごめは、作りすぎのような気がしてならない。
(2003年2月3日の日記)
竜骨精
アニメ第53回放送2001年12月3日
「父の宿敵 竜骨精」

原作少年サンデー2000年10月11日(46号)第188話「爪の封印」
原作少年サンデー2000年10月18日(47号)第189話「竜骨精」

          ☆          ☆          ☆

妖犬化により自分を見失うことを恐れた犬夜叉は、刀々斎に会いに行く。
今回も冒頭のあらすじは少なく、回想シーンの入れ方も上手、これは青木監督の特徴だろうか。
だとしたらありがたい。
もうひとつ、怠惰の極地にいた奈落を引っ張り出してきて、2ヶ所もオリジナルシーンを挿入。
なかなか硬派の監督のようである。
奈落もぶつくさ言っただろうが、監督の意向には逆らえまい。

最初にかごめと珊瑚の髪のなびき具合がおもしろくて、というより変で何度も見返した。
アニメが原作通りに進むと、こだわりどころがないので、こんなどうでもいいようなところが気になってくる。
鉄砕牙を使いこなす=父を越えることと知らされた犬夜叉は竜骨精の元に向かう。
竜骨精は井上和彦さん、クレジットを見るまで気づかなかったが「サイボーグ009」の島村ジョーである。
人が良さげで私の好きな声優さんの一人でもある。

ところが今回に限って言えば、なんだか優しい声が裏目に出たような気がした。
もっと深みのあるドスのきいた声を想像していたので、ちょっとがっかり。
文句をつけているのではないが、これまでずっと犬夜叉のキャラの声は私のイメージにぴったり合っていた。
影郎丸、朴仙翁、蛾天丸、そして今回の竜骨精と微妙にイメージがずれてきたのはなぜだろう。

目覚めた竜骨精は原作では描ききれなかった迫力で良かったが、動き始めたらなんだかかわいい。
しかも原作の台詞を忠実になぞっているために、間合いがあき過ぎ、モタモタした印象。
長物?系で水神(蛇)や「鏡の中の夢幻城」の竜との対決と比べてみるとよくわかる。
心理的に大切なエピソードだけに台詞のカットもしにくかったのだろうが、この辺がアニメのジレンマではないかと思う。

原作には動きがない分、台詞が邪魔にならない。
アニメでは台詞が戦闘のスピード感の妨げになりやすい。
難しいところである。
今回は、竜骨精の攻撃に犬夜叉が鉄砕牙を手放すところまで。
相変わらずの刀々斎がいい味出してた、アニメ向きのキャラではある。

ところで作画監督の好みなのかもしれないが、時々出てくるあの目の「うるうる」は何なのだろうか。
私としては苦手だが・・・。
これまで観てきて青木監督は、比較的原作に忠実な監督のように思える。
これもありがたいことである。

          ☆          ☆          ☆

考察日記が待ちきれないので、きのうのアニメ(2月3日)の感想を少し。

きのうのアニメでは、今までタブーとされていた?課題が一気に噴出してきたようである。
妖狼族の人喰い問題、妖狼族とりんの関係、どうでもいいが付け加えると殺生丸とりんとの関係。
アニメスタッフがファンの声をよく勉強されている気がした。
(だからと言ってキャラの扱いは、また別問題ではあるが)

アニメの内容についてはここでは触れない。
問題は「原作でやるべきこと」を、あるいは「原作ではもうやり得ないこと」をアニメでやってしまったということである。
りんのトラウマに関して、自分を「殺した」者に再び出会うという恐怖を簡単にとらえすぎているきらいはあるが、「今は殺生丸(と邪見)がいるから。」とそつなくまとめているのは、アニメならではで良かったと思う。

ちょっと前に「高橋先生は理想の原作者」というアニメスタッフの方だったかの言葉を見た記憶がある。
キャラが変わろうが話が変わろうが、アニメは別物と割り切って一切口を出さないという意味だと私は解釈した。
特に妖狼族とりんの再会について、もしかして高橋先生の頭の中に何らかのシナリオがあったとしても、アニメでこういう形で描かれた以上、原作で語られることはもうないのではないかと思う。

殺生丸と鋼牙の対決シーンはお笑いだったが、「無意味な戦いはしない」という設定は良かったと思う。
殺生丸は気の毒だが、アニメではどんどん格が下がっていっているようである。
アニメの鋼牙はたしかに成長している。
犬夜叉も成長しているはずなのだ、実際は。
前にも書いた、アニメでは犬夜叉の成長は描かれていない。

犬夜叉が落ち着いてしまったら笑いどころが少なくなるから、「おすわり」が使いづらくなるから(と思っている)。
これでは犬夜叉がかわいそうである。
いつもより顔が怖い鋼牙を見ながら、だんだんドスがきいてきた松野さんの声を聞きながら思った。
鋼牙はつくづく幸せなキャラである。

最後に、前に鋼牙と狼たちの会話はどのようにしているのだろうか、と書いた記憶があるが、今回白角と銀太がそれをやってくれた。
鋼牙まで吠え始めたらどうしようとドキドキしたが、鋼牙はパス、良かった・・・。
 (2003年2月3日の日記)
爆流破
アニメ第54回放送2001年12月10日
「鉄砕牙の奥義 爆流破」

原作少年サンデー2000年10月25日(48号)第190話「爪と刀」
原作少年サンデー2000年11月1日(49号)第191話「新生鉄砕牙」
原作少年サンデー2000年11月8日(50号)第192話「爆流破」

   2001年12月10日、江戸家猫八さんが80歳で死去される。
私にとっては、池波正太郎原作「鬼平犯科帳」の「相模の彦十」としてあまりにも懐かしい方。
今さらながら、ご冥福をお祈りしたい。

  ☆          ☆          ☆

今回は妖犬化した犬夜叉の中で、人間としての心が妖怪の血に打ち勝ち、爆流破を会得するまでの大切なエピソード。
さらに犬夜叉は、偉大な妖怪であった父に対する半妖の息子としてのコンプレックスにも打ち勝とうとする。
そのため(前回にも書いたが)原作でも、犬夜叉や竜骨精の台詞、刀々斎の解説などが随所に挟み込まれ、重々しい展開となっている。
アニメとしても、難しいが作り応えのあるエピソードだったのではないかと思う。

まず、犬夜叉以外のギャラリーが最小限にしか動かず、紙芝居のような場面が多い。
台詞を言うときだけいきなり動き出すような、ぎくしゃくした展開が続く。
これは一体なんだろう?首をかしげてしまった。

原作でも後半3話分みっちり戦闘場面を描いているが、アニメではそこに飛天まで登場させ、鉄砕牙の鞘で防いでみたり弥勒の風穴まで使っている。
鞘はともかく、風穴は余計だろう。
あの場面、風穴がなければ犬夜叉は間違いなく死んでいた。
ここは、どこまでも犬夜叉1人の戦いに絞り込むべきだったと思う。

さらに犬夜叉が正気にかえり、鉄砕牙が軽くなり、竜骨精の心臓を突き刺し、と重々しくと言うよりは重量感はありながらモタモタと、話が進む。
竜骨精はそれでは倒せず、さらなる戦いを挑む犬夜叉、風の匂いを感じ取り、ついに爆流破を会得、竜骨精を倒す。

実際、ここまでの間、息詰まるような緊張感にとらわれながら観ていたと思う。
あれっ?と思ったのが、「鉄砕牙の妖気の渦がー」の台詞、かごめが言うのか?と思った。
原作では、この時一番言いそうな刀々斎は口をつぐんでおり、口を開けているのはかごめ、七宝、珊瑚に弥勒である。
ならば弥勒か珊瑚ではないかと思うのだが。

戦いが終わり、またひとつ成長し、強くなった犬夜叉。
調子に乗って風の傷を披露するのは原作も同じだが、残念なことにここでアニメ製作側まで調子に乗って犬夜叉は風の傷を連発。
何のために?もちろんお約束の「おすわり」のためにである。
この一瞬で今までの死闘の重みは消え去ったに等しい。
哀れ犬夜叉、怒りもしないところがいっそう哀れを誘う。

          ☆          ☆          ☆

今週のサンデーになんと「牛頭」と「馬頭」が登場。
牛頭馬頭に関しては、「12月1日 地獄絵師 紅達」で

「ところで、弥勒が最初に出会う墨絵の妖怪(実は鬼)を「ごず」「めず」と呼んでいる。
これは「牛頭(ごず)」「馬頭(めず)」のことで、地獄で亡者を裁く閻魔大王のそばに鉄杖を持って控えている鬼を言う。
その名の通り牛頭は牛頭人身、馬頭は馬頭人身で、人が死ぬと火の車に乗って迎えに来るとされる。

弥勒が「絵でしか見たことがない。」と言っているのは当然で、いつもこんな連中を相手にしているのだから、人助けも大変である。
画面には一瞬しか出てこないが、そう言えば牛、馬らしい顔をしている。」と書いた。

アニメオリジナル部分ですでに登場しているのだが、原作版の牛頭馬頭は美しい女性型?をしている。
髪型がポニーテール(馬の尻尾)とリボンの結び方が牛の耳か角に見えることと、胸当てが牛と馬の横顔に見えることぐらいだろうか。
さすがは高橋先生、と拍手喝采を送りたくなる。
こんな美しい地獄の番人になら、殺されても本望、などと言ってはいけない。

生ける者は通ることのできない地獄の門、通るためには死ぬしかない。
ここは桔梗の出番、とは誰も思わないだろうが、私は思ってしまった。
しかし桔梗は行方不明、では一度犬夜叉が死んで天生牙の出番、しかし殺生丸も居所不明。

あの時、あえて天生牙の力を犬夜叉達に見せた意味はどこにあるのか、原作がどんどん加速し始めた。
とても考察日記を待ってはいられない状態である。
(2003年2月7日の日記)
石の花
アニメ第55回放送2001年12月17日
「石の花と七宝の初恋」

原作少年サンデー2001年1月10日(6号)第199話「石の花」
原作少年サンデー2001年1月17日(7号)第200話「砕かれた夢」

          ☆          ☆          ☆

高橋先生が渡辺久美子さん演じる「七宝」をイメージされて書き上げたという、有名なエピソード。
原作の順番からすればここで「黒巫女椿」が入るが、この話は後に回される。
アニメスタッフや渡辺さんの喜びが溢れ出てくるような、素直な作品に仕上がっている。
七宝の初恋の相手サツキは市原由美さん、兄は太田真一郎さん、優しい名主は麻生智久さん、額の弥勒札の跡もおしゃれな?イモリ妖怪はふみおきさん。

ここまで素直に丁寧に作ってもらえると、正直楽しいばかりで書くことがない。
後味も甘く切ない佳作である。

          ☆          ☆          ☆

七人隊の声優がいよいよ正式発表。
あちこちでその話題で持ちきりである。

そこで、ここでも少し感想と期待を・・・。
何と言っても気になる「蛇骨」。
なんと女性で折笠愛さん。
これは「やられた!」と思った。

子供向けにはちょっと微妙なニュアンスのキャラなので、女性が演じることで、ある意味「まっとう」な関係になるとも言えるが・・・。(笑)
受けても大きいはずしても大きい、大きな賭けとなるだろうと思う。
折笠さんは「サクラ大戦」の藤枝あやめ役しかしか知らないが、わりに大人っぽい声の方。
どんな蛇骨が登場するか、期待と不安が半々と言ったところか。

人気度No.1、リーダー「蛮骨」は草尾毅さん。
「SLAM DUNK」の桜木花道役で有名な方らしいが、残念ながら私は聞いたことがない(と思う)。
蛮骨はキャラ的にもクセがなく、正統派のキャラなので正統派で元気な声の声優さんなら、ある意味どなたでも可、と思っている。

私が好きな「睡骨」は、平田広明さん 。
なんと「ER」のカーター役、ノア・ワイリーの吹き替えをしている方。
吹き替え版は観たことがないが、「ER」は大好きでもちろん第1話から観ている。
それだけにカーターの成長や挫折に一喜一憂してきた。
あのカーター役なら、期待は大。
睡骨はカーターより、もう少し大人の感じかも。
二重人格のキャラなので、演じがいもあるだろう。

「煉骨」は杉田智和さん。
以前新生?鬼蜘蛛に顔を奪われる僧「無双」で出演済み。
申し訳ないがあまり印象にない。
策を弄して自滅してゆく煉骨、出番も多いのでどんなキャラとして描かれていくか楽しみでならない。

「霧骨」の稲田徹(てつ)さん、雷獣兄弟の満天、と聞いただけで笑いがこみ上げてくる。
残忍なのにお笑い系、かごめと絡み殺生丸に殺される、ある意味幸せなキャラではある。(笑)

「銀骨」は最近地念児で再登場したばかりの江川央生さん。
銀骨って「ぎしっ。」以外にしゃべるっけ?と思って原作を読み返してみたら、戦車になる前は一応話もしているようだ。
イメージ的には、もうちょっと金属のこすれる音のような声だったが・・・。

一番存在感ある顔なのに(笑)、最初に出てきて鋼牙にすぐにやられた悲運の?キャラ、「凶骨」は、郷里(ごうり)大輔さん。
なんと「キン肉マン」のロビンマスクである。
これは意外な感じがする。

まあ役によって声色を変えるのが仕事の声優さんたち、いずれも期待に応える大活躍をしてくれるものと期待している。
個人的には鋼牙も出ずっぱりの大活躍なので、期待度もパワーアップ!
内容的にいろいろ難しい部分もあるだろうが、七人隊でアニメも大きく盛り上がって欲しい。
(2003年2月9日の日記)
珊瑚と弥勒
アニメ第56回放送2002年1月14日
「霧の奥に美女の誘惑」

原作少年サンデー2001年2月28日(13号)第206話「山の中の姫」
原作少年サンデー2001年3月7日(14号)第207話「乙女心」

          ☆          ☆          ☆

「石の花」の後は鋼牙、神楽がらみのエピソードだが、後回しにされて今回の主役は珊瑚と弥勒。
次回が「桃果人」前後編となる。
桃果人は珊瑚が仲間に入っていないため、今回山犬妖怪をパワーアップさせて、飛来骨を少し壊した、うまい演出だと思う。
これにより珊瑚は修理のために1人退治屋の里に戻り、桃果人は4人で闘うことができるようになる。

弥勒というキャラは本当に面白い。
珊瑚に初めて出会った時に有名な台詞「私の子をー」を言っていないこと、珊瑚はそれが不満のようだが、弥勒にしてみればそれこそが「本命の証」だっただろう、
少なくとも原作ではそう設定されていると思う。
本気だからこそ気軽に言えない、ましてや毎日が死へのカウントダウンの身にしてみれば、初期の弥勒に素直に恋をする余裕などなかっただろう。
しかしこのエピソードで、珊瑚と弥勒はひとつ近づく。

そして今、原作で弥勒は死への恐怖を超えた生きる目的を見出す。
奈落を倒し、風穴が消え、珊瑚と生きる、珊瑚とならかなう夢。
珊瑚と弥勒の恋は、アニメでも(オーバーに、ではあるが)大切に描かれていると思う。

それにしても弥勒、もし珊瑚が来なかったらどんな方法で姫を救い出すつもりだったのだろう。
どうせならアニメオリジナルとして七宝あたりに突っ込んで欲しかった。

珊瑚が出会う老人?たち、「めぞん一刻」の二又さんや、地念児役の江川さんもいらしたと思ったが、別の声優さんたちだった。
声がそっくりで笑ってしまった。
もちろん西前さんも元気なおじいさんで健在だった。

          ☆          ☆          ☆

きのう(2月10日)のアニメについて少し書きたい。
オリジナルが続き、アニメスタッフの葛藤もすごかったのではないかと思っている。
(まだ1作残ってはいるが)最後の最後、先週の「鋼牙と殺生丸 危険な遭遇」と今週の「悪夢の真実 嘆きの森の戦い」、タイトルや内容はともかくとして、今までのアニメオリジナルとは明らかに勢いが違う。

前にも書いたが、先週は「妖狼族の人喰い問題」を初めとしたいくつかの課題にアニメなりの決着をつけた。
そして今週、おそらく製作側の元にも届いているであろう「おすわり多発」批判に対し、犬夜叉の迷台詞で答えている。

「誰がなんと言おうと、これがアニメ犬夜叉だ!」という、ある意味開き直りのようなものを感じて笑うしかなかった。
アニメが始まる前に、毎週犬夜叉、かごめ、七宝の短いやり取りが入る。
今年から七宝が桔梗に化け、ドキッとする犬夜叉、かごめがすかさず「おすわり」をくらわせるバージョンに変わった。

考えてみれば犬夜叉がかわいそう、理不尽な話である。
しかしここまで「アニメ専用キャラ作り宣言」をされてしまうと、ある意味清々しい。
スタッフの方々も「迷いの森」から抜け出したのかもしれない。

今週のアニメ、話自体は「幻影殺」の二番煎じ。
それだけに、より悲惨な夢になってしまった。
きのうの「ひとりごと」にも書いたが、珊瑚が琥珀を殺すシーン、殺された父を見た七宝の絶叫、もはやアニメの域を超えている、辛すぎた。

アニメだから夢が終われば、珊瑚も七宝も何事もなかったように旅を続けるだろう。
だが「りんと妖狼族の再会」の時もそうだったが、アニメだからといって「心を傷つけること」をあまり気軽に考えないで欲しいと思う。
(2003年2月11日の日記)
満を持しての桃果人
アニメ第57回放送2002年1月21日
「全ては桃源郷の夜に 前編」

原作少年サンデー1998年7月1日(31号)第79話「人面果」
原作少年サンデー1998年7月8日(32号)第80話「箱庭」
原作少年サンデー1998年7月15日(33号)第81話「腹中の光」

          ☆          ☆          ☆

前回飛来骨を傷つけた珊瑚が修理のために里に戻り、桃果人のエピソードが始まる。
桃果人は見た目もグロテスクだが、人間を食べたり人間の首がそのまま木の実になったりと残虐なシーンが多い。
そのために後回しにされたのだと思うが、それだけにストーリーもよく練り上げられており、アニメとしての質も高い物になったと思う。

まず人間の首が川を流れてきたり、桃果人が逃げ出した男を食べる姿はすっぱりカット。
川を流れてきたのは人間の顔のような模様?のある桃のような果物、人面果である。
また桃果人も人間を瓢箪に吸い込むことによって消化する。
しかもその養分を摂取するのは桃果人自身ではなく、不老長寿の実がなる人面果の木。

この話は「桃花源記」「西遊記」がモチーフになっていると思われる。
「桃源郷」は中国の昔、1人の漁夫が道に迷って桃の木がたくさんある村里に入り込む。
そこは秦の乱を避けた者達の子孫が、世俗を離れて幸せに暮らしている理想郷だった。
漁夫も楽しい毎日を過ごし、やがて帰る時になって口止めされるがつい他人にも話してしまう。
もう一度訪れた時は、もう見つけることができなかったと言う。

さらに食べると不老長寿になるという桃の実のいわれ、「西遊記」で天に雇われた孫悟空が、蟠桃園(ばんとうえん)の管理人になる。
ここになっている桃の実というのが、いわゆる不老長寿の実。

実は原作には「桃源郷」という言葉は登場しない。
「仙人の住むこの世の極楽」と紹介されているだけである。
そこを「桃つながり」で、「桃源郷」という言葉を引用した。

さらに「西遊記つながり」で、「瓢箪」まで出してきた。
三蔵法師を狙う金角銀角の持ち物、「紅瓢箪」の口を相手に向け、名前を呼ぶ。
相手が返事をすると、相手は瓢箪の中に吸い込まれてしまう。
そこへ太上老君のお札を貼りつければ、瓢箪の中で溶けてしまうという物である。

このように今回のアニメ化には、さまざまな工夫がなされている。
特に面白かったのが、瓢箪の中での犬夜叉の刀を手放したのに変化しないのは、妖力がなくなってきているせいか、という台詞。

たしかに原作では、妖犬化のはるか前の話なので、こんな台詞は必要ない。
それから原作もそうだが、犬夜叉の妖力がなくなってくるにつれ、火鼠の衣も妖力を失ってきていることである。
さらに、妖力がないと痛みを感じるという言葉も気になる。
半妖状態の犬夜叉は痛みの感覚が鈍いのだろうか。

今回アニメとしての完成度が高い分、桃果人のグロステクな部分、ある意味魅力?が消えてしまった感があるのは否めないが、これは仕方がないだろう。
桃果人は、カルトな人気のあるキャラで、視聴率も高かった。

一方かごめ、弥勒、七宝は桃果人の箱庭に入り込む。
囚われた人間たちは原作では無気力な人間にされていたが、アニメでは仙人になるための修行に打ち込む。
仙人になった人間こそが、人面果の養分になり得るという設定である。

説明役として八衛門の中嶋さんが落ち武者として登場。
クレジットにはなかったが、西前さんはおそらくかごめの夢の中で先生に逆戻り。
桃果人&人面果は堀秀行さん、之紀さん兄弟が演じておられる。

ところで西遊記といえば、犬夜叉の言霊の念珠、孫悟空の 緊箍呪がヒントだったのだろうか。
孫悟空が三蔵法師の呪文により、頭が猛烈に痛むというあの金の輪である。
今まで意識しなかったが、今回「西遊記」を読み返していてふと思った。 このエピソード、後編が楽しみになってきた。
(2003年2月16日の日記)
中途半端な桃果人
アニメ第58回放送2002年1月28日
「全ては桃源郷の夜に 後編」

原作少年サンデー1998年7月22日(34号)第82話「桃果人の厨房」
原作少年サンデー1998年7月29日(35号)第83話「仙人の薬」
原作少年サンデー1998年8月5日(36・37合併号)第84話「変化(へんげ)の弓」
原作少年サンデー1998年8月19日(38号)第85話「犬夜叉の心」

          ☆          ☆          ☆

前編で岩のような体になって犬夜叉を押し潰したはずの桃果人、なぜかまた人間の体に戻っている。
後編への期待を高めるための工夫だったかもしれないが、そんな器用なことはできるはずがない。
こういった演出はどうも気がそがれてしまう。

かごめ達がガスボンベで爆発を起こし、壁に穴をあける部分は、アニメオリジナル。
あけたはいいが、外に出る前にかごめは桃果人につかまってしまう。
前半部分は多少の変更はあるにせよ、話もテンポ良く進み、見ごたえがある。

犬夜叉達が仙人に会ったのは人面果の木の下。
そこで桃果人に追いつめられる。
ここで思ったこと。
原作では桃果人が人間を喰い、人間を不老長寿の薬の材料として使う。
アニメではその「悪と残虐」の部分は全て人面果に押し付けられている。
桃果人は人面果の召使でしかない。

主役が桃果人と人面果の2人(1人と1本?)になったことで、桃果人の魅力も話の面白さも、すべてオブラート10枚くらいで包み込まれて出されたような、中途半端なものになってしまった。
残念でたまらない。

もちろんアニメとしての完成度とは、また別の話である。
大人向けの桃果人編を番外編として作っていただきたいとお願いしたいような気分になる。
今回のエピソード、主役は間違いなく「人間犬夜叉」であろう。
人間の弱い部分と、妖怪の強い部分を併せ持つ半妖。
その苦しみを抱えながら、それでも意識しないままに人間の心を持ち続ける犬夜叉の強さが遺憾なく発揮されていた。(アニメにおいても)

それだけに原作最後の部分、弥勒と犬夜叉が犬夜叉の気持ちについて語り合うシーンのカットは残念だった。
以前に放送されてしまったから仕方がないのだが、アニメでは実際に犬夜叉が心を失った妖怪と化し、その弱さを克服してからのエピソードである。
「今の」犬夜叉が語る言葉はなかったのだろうか。
それこそ本当のアニメオリジナルで描いて欲しい部分なのだが。

今回から今までの「かごめの熱血予告」に変わって、主要キャラが週ごとに予告を担当することになった。
正直言ってこれは嬉しい。
(2003年2月19日の日記)
初めてのオリジナル 〜珊瑚
アニメ第59回放送2002年2月4日
「 美少女姉妹の弟子入り志願」

         ☆          ☆          ☆

犬夜叉達が桃果人と戦いを繰り広げている間、里帰りしていた珊瑚のエピソードということで、初めての完全オリジナル。
この話も桃果人同様構想を練り上げる時間はたっぷりあったはずで、話もキャラも可もなく不可もなく、といったこじんまりとまとまった作品に仕上がった。
現在のオリジナルに比べれば、ずいぶん慎重に注意深く作ったという印象を受ける。
別に忍びの者であることを隠さなくても、正直に話した方が鍛えてもらえたろうに、
最初から武器を盗むのが目的、という設定にはちょっと首を傾げたが・・・。

姉セリナは田口宏子さん。
妹スズナは山崎和桂奈さん、「名探偵コナン」の毛利蘭。
ちなみにスズナとは、春の七草のひとつで「蕪(カブ)」のこと。
セリナは「芹(セリ)」だろうか?
「蜘蛛頭」に出てきた「なずな」も春の七草のひとつで、ぺんぺん草のことらしい。
そこから取った名前かどうかはわからないが。

私としては、最近表に出ることの少ない珊瑚のプロ意識がむしろ印象に残った。
「半端な技を身につけたらかえって危ない。」
妖怪退治屋の誇りと気概があふれる台詞、見事である。

飛来骨を刀のように扱うところ、(武器に残った)妖気が妖怪を呼ぶという設定はなんだか不思議だがおもしろかった。
弥勒と犬夜叉もアニメならではのかっこ良さ。
妖怪をわざわざ1匹残してかごめの出番を作るなど、この頃から(正確には琥珀編のあたりから)かごめをいっぱしの戦士として描きたかったんだな、と改めて確認。
初めてのオリジナルとしてはとてもよくできていたと思う。

ところで「悪夢の真実 嘆きの森の戦い」が過去最低の視聴率(9.9%)を記録したが、その次の「あれから七年目のなごり雪」が12.1%には恐れ入った。
内容はともかくアニメとしての質、勢いは前者の方が数倍上だったと思うのだが、
弥勒効果故だろうか・・・。

スズナとセリナのエピソードは、正確には覚えていないが、たしか16%台だったと記憶している。
この時期は、コンスタントに15%前後とっていた頃ではなかったか。
アニメ的にも比較的安定していた時期だったような気がする。
(2003年2月22日の日記)
黒巫女 椿
アニメ第60回放送2002年2月11日
「黒巫女 五十年の呪い」

原作少年サンデー2000年11月15日(51号)第193話「黒巫女 椿」
原作少年サンデー2000年11月22日(52号)第194話「呪詛」

          ☆          ☆          ☆

原作では竜骨精と戦った犬夜叉が、爆流破を会得した直後のエピソード。
冒頭の椿の呪詛シーンの挿入を初め、オリジナルシーンに無理がなく、神楽と椿も名?コンビ。
呪詛と言えば、陰陽師が式神を使って人を呪い殺したりするのが有名。
安倍晴明クラスになると、その呪詛を呪った本人に返す「呪い返し」の術を使い、敵陰陽師とおどろおどろしくも華麗な陰陽合戦を繰り広げる。

黒巫女椿は呪詛を専門に請け負う邪な巫女、50年前に四魂のかけらを狙って桔梗を襲う。
しかし犬夜叉に惹かれて霊力の衰えていた桔梗にさえ太刀打ちできず、呪い返しを受けて顔に醜い傷を負う。
椿にとっては自業自得とは言え、死よりも残酷な責め苦だったことだろう。

ところでこのエピソード、内容が映画第1作「時代を越える想い」と内容が酷似している。
いや映画がこのエピソードに似ている、と書くべきだろう。
心を奪われ、操られるかごめと犬夜叉の葛藤、それを乗り越えるかごめの「魂の強さ」、その迫力において映画は原作に遠く及ばない。
私が1作目を評価できないのもここに理由がある。

話がそれたが、椿編はオリジナルストーリーも入れて、5部作になっているため、今回は椿の説明や奈落、桔梗との関係が語られるだけで終わってしまう。
呪いを受けたかごめが犬夜叉に矢を射掛ける部分が最後に入るが、この部分、緊迫した場面なのにやたら長く、間延びした印象になってしまったのが残念だった。

黒巫女椿、老婆の時は有馬瑞香さん、若くなると山田美穂さん。
かごめの数学の先生兼担任らしき先生は西前さんだったが、英語の先生は八衛門狸こと中嶋さん。
西前先生は戦国時代に出張中で、式神役で御出演。

          ☆          ☆          ☆

初めてのアンケートに協力していただいてありがとうございました。
結果は、

 原作派     20人
 アニメ派     0人
 どちらも好き   4人
 あまり意識しない 1人でした。

何度も投票した方もいらしたようで、本当に嬉しいです。

理由としては、原作派は、やはりアニメのキャラやストーリー設定が、原作とは違いすぎるというのがほとんどでした。

 アニメはキャラが壊れてます
 犬夜叉が恋する過程がよくわかるから。
 別物ですが・・・
 アニメはちょっと・・・
 アニメがもう少し良ければいいと思う。
 絵がいい、キャラがいい、全ていい!

おもしろかったのが、「サンライズ昔から嫌いダス」という意見。(笑)
アクションシーンなどは素晴らしいと思うのですが、どんなところが嫌いなんでしょうね?

どちらも好きな方では、

 鋼牙がどっちも可愛いから・・・。
 比べない方が楽しめると思います。
 それぞれ違った魅力。一概には

確かに・・・。
鋼牙のこと書いたのは、私じゃありませんよ。(笑)
私は投票していないので・・・。

3月のアンケートにも協力していただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
(2003年3月1日の日記)

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