原作アニメ比較 9

なぜか笑える奈殺対決
アニメ第81回放送2002年8月5日
「断ち切れる奈落の行方」

原作少年サンデー2001年6月27日(30号)第222話「琥珀への暗示」
原作少年サンデー2001年7月4日(31号)第223話「残された城」

          ☆          ☆          ☆

今回も原作どおりで余計な添え物は一切ないのに、なぜか妙に笑えるエピソードだっ た。
いつにも増して気取りっ子の奈落vsかっこつけの殺生丸、好意的な笑いではあるが、 とにかくおかしい。
乱れ髪(ぬれてはりついた感じ)の奈落がセクシーならば、お肉の中からなかなか出てこない殺生丸はなにやら吸われているし・・・。
犬夜叉の出現で「誤算だった」とあせる奈落、本当はこの時点で殺生丸も脱出しているはずなのに。

だらだら続く戦いといい、いっそ犬夜叉が邪魔なほどのねっとり感がアニメの2人には似合っている。
危なかったくせに強気の殺生丸、戦う気満々の奈落、時々顔が崩れるわ瞬間転移するわでもうはちゃめちゃ。
それをおかしいと思うのはアニメ版殺生丸のかっこよさ、奈落の邪悪さに期待していないからだろう。
申し訳ないが、私の中で彼らはお笑いキャラに近いものがある。

もちろんいつもこんなに好意的なわけではないし、殺生丸ファンからはお叱りを受けそうな感じだが。
さて奈落、犬兄弟のダブル攻撃を受けて再び撤退。
この後、七人隊編まで行方不明となる。

この後かごめに対し、ちゃんと振り向いて答える殺生丸(原作、アニメ共に)には好感が持てた。
何気ないシーンだが、殺生丸の人間に対する意識の変化がさりげなく表現されていると思う。

そして珊瑚と琥珀、奈落と神楽、殺生丸と犬夜叉、奈落と琥珀、神楽と琥珀などの関係に微妙な変化を生じさせつつ、本筋は一時途切れ、原作でも「休息」「鬼の首城」「三猿」とサイドストーリー的なエピソードが挿入される。
(もちろん奈落がらみ、奈落探しの旅であるが)
忘れちゃいけない生ゴミくんも。(毛むくじゃらの妖怪などと名前がつけられていたが、絶対生ゴミくんの方がいいと思う)
ちなみにこの生ゴミくん、奈落のいらなくなった部分ということで、当時は無双のなれの果てを想像していたのだが、声は家中さんではなく、西前忠久さん。

現在原作では「人間の心=鬼蜘蛛無双の心?」が白童子ではない方の赤子の中にあるとされているが、無双は消滅してしまったのだろうか。
アニメでの印象が強かっただけに、再登場して欲しいと思うし、何よりも奈落の「出てくるのが早すぎた」の言葉が気にかかる。

話が大きくそれたが、アニメの方は、これから怒濤のオリジナル攻勢に入る。
ある意味、もっとも難しい考察日記になりそうである。
(2003年9月5日の日記)
休息
アニメ第82回放送2002年8月12日
「現代と戦国のはざま」

原作少年サンデー2001年7月11日(32号)第224話「休息」

          ☆          ☆          ☆

「休息」は原作ベスト3を選ぶとしたら必ず入れたい大好きなエピソード。
それだけにものすごいこだわりがある。
今回は、それぞれのシーンごとに分けて感想を書いてみたい。
まずは冒頭、かごめによるあらすじ説明。
奈落戦も一段落したところで、これまでの流れを回想シーンと共に振り返る。
タイミングとしては最高だろう。

犬夜叉が原作に比べ、テンションが高いのはいつものことだが、楓と七宝、珊瑚と弥勒は嬉しくなるほど原作どおり。
雲母の可愛さと、弥勒のまじめボイスとセクシー?ボイスの対比も素敵。
ずーっと飛ばして最後の犬夜叉がかごめの邪魔→お風呂→カレー→眠るまでのシーンも素晴らしかった。
特にドライヤーで髪を乾かしてもらっている表情、眠っている時の寝息など、アニメならでの現実感が感じられた。
つまり原作に沿って作られた部分に関してはパーフェクトの満足感、いえそれ以上に堪能した。

さて、オリジナルの部分。
もはや日暮家の一員、犬夜叉の自然な存在感とママのかけ合いはいつ見ても楽しい。
帽子で犬耳隠したくらいで目立たなくなったつもり?の犬夜叉も思いっきり楽しい。
空飛んでるし、地面かぎまわってるし、それでもそこそこ「変な人」に見られてる程度だし。

泥棒を捕まえたり、火事場で女の子を助けたりといった大活躍を見せるが、これはとても上手に作られているので違和感は感じなかった。
これがもし「肉づきの面」オリジナルと同じ出来だったら、きゃんきゃんうるさかっただろうと思う、私が。
火事の場面で神楽のテーマが使われたのも、おかしいらや嬉しいやらで大 満足、合ってたし。

かごめが窓の外に犬夜叉を見つける部分、そこも爆笑。
あまりにも犬っぽい犬夜叉。
実はワンダースワンで、かごめが犬夜叉のトイレシーンを見てしまう場面がある。
あまりの犬っぽさにかごめはびっくり、犬夜叉は大慌て、だったが他にももらった食べ物を穴を掘って埋めたりと犬っぽさを強調していた。

原作では犬の部分はわりに少ないのではないか。
地面をかぎまわるところ、水浴びの後のブルブル、くらいしか思いつかないのだが。
半妖といえども人間に比べれば異形の者、あまり生々しさを伴わないようにしている のかな?と思ってはいるが。
まあアニメでは可愛く作り上げているので、これはこれでいいと思うが。

さらに素敵な北条くん。
献立票は私も欲しい、イモリの黒焼きも私に下さい。
こんなボーイフレンドいたら、私もこの不健康生活から抜け出すことができるのかしら?
この北条くんが傲濫(十二国記、伝説の妖魔)なんだよなあ。
声優さんって本当に凄い・・・。

クラスメート3人娘の中では、出たり入ったりのあゆみが好き。
優等生っぽいのに天然ボケで嫌味がなく、可愛い。
で、残ってしまったのが、かごめのオリジナルシーン。
「かごめのノートブン取り大作戦」。
いかにもアニメ版かごめならではで、どこか悲しい。
原作がなければ普通の女の子っぽくて、微笑ましいシーンなのかもしれないが、やはり「こんなことはしないだろう」という想いが強すぎる。 

先日「百年目の恋」を見たが、ここでのかごめこと雪野さん、本当に素敵だった。
そんなに多くの作品を見ているわけではないが、かごめ以外の雪野さんは好きである。
私がアニメ版かごめ苦手=雪野さん嫌いと思われている方がいらっしゃったので、一応ここで強調しておく。

今回先生や犬夜叉に助けられた女の子、アナウンサーに関してのキャスト紹介がなかった。
先生は西前さんではないかと思っているが。
こういったことは、細かい部分までちゃんとして欲しいなあと思う。
次回はいよいよ「ジェラシー度120%」、菖蒲登場である。
(2003年9月6日の日記)
ジェラシー度120%
アニメ第83回放送2002年8月19日
「女妖狼族と月虹の約束」

原作少年サンデー2001年7月18日(33号)第225話「城跡の化け物」

          ☆          ☆          ☆

このエピソードの日、私は帰省から戻ってくるところだったが天気が悪くて総武線が遅れ、しかも録画に失敗して当日見ることができなかった。
結局数日後、電車を乗り継いで片道1時間かけて知り合いの所に見に行った。
映画を見るより高くついたエピソードということでも記憶に残る作品となった。

さて今回のエピソード、鋼牙の自称許婚妖狼族の菖蒲が登場する。
タイトルどおり、もうそれだけでジェラシー度120%に跳ね上がってしまった(笑)。

まあジェラシー気分に目をつぶると、菖蒲というキャラもストーリーも、とても良くできているのではないかと思う。

まず例によっての回想シーンに鋼牙のテーマを使用、今回の主役は鋼牙であることをさりげなく打ち出す。
楓の見送りなど好もしいシーンも入っていい感じ。
菖蒲も可愛くて(眉毛がちょっとおもしろいが)、投票関連では未だに上位に健在の人気キャラのようである。
私は基本的に原作は原作、オリジナルはオリジナルで完全に分けて作って欲しいと思っている。
黒巫女椿のように絡めるのは好きではない。
しかし今回のは絡め方も上手で無理なく見ることができた。

鋼牙も金田一モード全開、鋼牙も素敵、松野さんも素敵。
結婚の約束、何年前のことかは知らないが、菖蒲の成長ぶりに比べて鋼牙の見た目に変化がないのも興味深い。
「妖怪は身を守るために小さい時は成長が早く、大人になるにつれ、成長の速度が遅くなる。」という私の考え方と同じ考えなのかな、と思い嬉しくなった。

ただどうしてもここで出てくるのが妖狼族の人喰い問題。
菖蒲の目に初めて映った時のかごめは、単なる「餌」。
「許婚」の言葉以上に、鋼牙のかごめに対する扱いに驚いたはず。
ここのあたりの処理、アニメでは何事もなかったかのように避けて通っていたようだ。
まあこれはもう、忘れるしかないのだろう。

生ゴミくんこと西前さんの毛むくじゃらの妖怪も、昔懐かし極楽鳥も、犬鋼漫才も良かったが、やっぱり悲しいかごめキャラ。
どうしてこんなにドス効かすのだろう?
これで菖蒲に鋼牙をのし付けて差し上げたくなってしまったのは私だけだろうか。
この話、一度原作で取り上げて欲しいなと思ったことを覚えている(ありえないことではあるけれど)。
かごめの描き方ひとつで、もっと素晴らしいエピソードになるのではないかと思ったから。

原作の台詞と菖蒲に対するオリジナルの台詞がうまくつながっていない部分は気になったが、今回のアニメは総体的に楽しめた。
菖蒲というキャラを生み出したことで、製作側が嬉しくて楽しくて張り切って作った雰囲気が感じられた。
鋼牙の「結婚の約束」に関して、「鋼牙らしくない」という意見を当時、あちこちの掲示板で見かけたが、これは大人が子どもに対して軽い気持ちで言った言葉であり、嘘つきとか誠意がないとか決め付ける筋合いのものではないだろう。
別に鋼牙ファンだから言うのではない。

むしろ真剣に受け止め、辛い修行の励みにしていた菖蒲を微笑ましく捉えるべきだろうと思う。
菖蒲役はかかずゆみさん、狼の長老は地念児の回でも村人役で登場した中博史さん、先ほども書いたが生ゴミくんこと毛むくじゃらの妖怪は西前忠久さんである。

(2003年9月7日の日記)
表情豊かな生ゴミくん♪
アニメ第84回放送2002年8月26日
「超速の花嫁候補」

原作少年サンデー2001年7月25日(34号)第226話「奈落の行方」
原作少年サンデー2001年8月1日(35号)第227話「消えた気配」

          ☆          ☆          ☆

9月7日に書いた「女妖狼族と月虹の約束」感想からずっとジェラシーモード持続中、なわけもなく菖蒲編も後半に移る。
さっそくだが北と東の妖狼族はもうそんなに残ってないだろうと言うのが私の持論。
むしろ鋼牙と銀太、白角に狼達ぐらいと考えるのが普通ではないかと思うのだが。

まあそんな小さいことは気にならないくらい鋼牙を堪能させてもらった。
あの緊迫した状態(生ゴミくんとの戦闘)の中で、かごめをはさんだ三角関係を的確に見抜く菖蒲もすごい。
と言うより誰が見てもわかる状態なんだろうな。(笑)

予想以上の可愛さはタイトル通り、表情豊かな生ゴミくん♪
どったんばったん移動の様子もかわいければ、枝に引っかかった髪の毛が犬夜叉達に襲いかかるオリジナルも何だか楽しい。

製作側が得意とするオリジナルは菖蒲、炎珠といったアイドル系と蒼天などのお子さま系。
それ以外は苦手なのだろうと思っていたが、今回の正式名称「毛むくじゃらの化け物」は西前さんの迫力も相まって最高のできばえとなった。
菖蒲のオリジナル以外は原作どおりにすんなり進んだこともあって、鋼牙と化け物以外、申し訳ないがほとんど記憶に残っていない。

ただ菖蒲の気持ちを知っていながら、かごめにいつものように接する鋼牙、これも原作どおりなのだがちょっと違和感。
わざとそんな姿を見せて、あきらめさせようとする意図があったのかとも思えるが、再見してみると製作側がそこまで考えていたようには思えない。
話がつながるからそれでいいやと、そのまま作っただけという感じがする。

もちろん鋼牙が「夜の虹」を思い出してからの態度は別である。
絶対無理だと言うことを承知で菖蒲は四魂の玉を見切る力がないからダメだという鋼牙、それなら修行する、と言い張る菖蒲。
別に弥勒だって修行を重ねて見ることができていたし、満天、屍舞烏など見切る力を持つ妖怪はいくらでもいる。
頑張れ、菖蒲!

まあこれで菖蒲も「第三の小春」としてアニメの舞台から退場する(後に七人隊編で再登場)。
ちなみに「第二の小春」は武田蔵乃介。

ところで「夜の虹」、先日見た「世界ふしぎ発見!」に登場していた。
アメリカ西海岸カリフォルニア州にある「ヨセミテ国立公園」で6,7月限定で時おり見られることがあるらしい。
滝と月、虹の対比が美しく、私が鋼牙だったら遠吠えしたくなるのではないかと思う。(笑)
夜の虹、月の虹だけに名前は「Moonbow」。

それからアニメでは「菖蒲(しょうぶ)」と書いて「あやめ」と読ませているが、もちろん全然別の花である。
菖蒲はサトイモ科、あやめはアヤメ科で、お風呂などに入れて薬効があるのは菖蒲の方。
アニメで菖蒲が花の霊力で化け物をひるませるシーンがあるが、精油成分を含んでいて芳香があるため、昔から邪気を払い、厄難を除くと言われてきた。
実際は効力があるのは根の部分だけなので、アニメで化け物がひるんでいたのは茎を突き刺されて痛かっただけなのかも。

話が大きくそれたが今回のエピソード、鋼牙のかっこ良さ(ちょっとまぬけなやられっぷりも含めて)と生ゴミくんの愛らしさを存分に楽しめたのが一番の収穫だったと思う。
(2003年9月27日の日記)  
鬼の首城の秘密
アニメ第85回放送2002年9月2日
「邪気が満ちる鬼の首城」

原作少年サンデー2001年8月8日(36,37合併号)第228話「鬼の首城」
原作少年サンデー2001年8月22日(38号)第229話「首塚の鬼」

          ☆          ☆          ☆

「鬼の首」城の話、私は大好きな話のひとつだが、アニメでも前後編の2話形式。
特別印象の強いエピソードがあるわけでもなし、正直見るまで期待はなかった。
ところが「オリジナルおすわり」と、あまりにひどい予告を除け ば拍子抜けするほど原作通りの丁寧な作り。
鬼の幻?が鉄砕牙の一撃に溶けては戻るシーンも凝った作りで楽しめた。

結論を先に書いたが「鬼の首」と言えばしょっちゅう旅番組や歴史番組に登場するのが、岐阜県和良(わら)村にある念興寺。
瓢ヶ岳(ふくべがたけ)で鬼退治したのは藤原高光。
950年ごろの話とされる。

なぜか鰻が高光を案内してくれたからこの辺の川では鰻を取らないとか、途中で虚空蔵菩薩がお粥を振舞って励ましてくれた川を「粥川」と呼ぶとか名残も多い。
何よりも有名なのが念興寺の「鬼の首」。
頭に2本の角がある茶色く変色した骸骨の写真、見れば「ああこれ。」と思う方も多いのではないだろうか。

もっともその姿は牛に似ていて声も牛、顔は猿、体は虎、尻尾は大蛇だったと言うから、鶴姫ならぬ鬼姫(鶴ひろみさんが演じておられる)とは似ても似つかぬ代物ではあるが。
ところで退治した方の藤原高光、さぞかし勇猛果敢な武将と思いきや、柿本人麻呂、紀貫之などと並んで三十六歌仙の一人。
これは意外だった

それはさておき本題「犬夜叉」。
この時期はOPに「終わりない夢」が使われていたが、何度見ても気になるのが、弥勒が珊瑚に「おさわり」して平手打ちを喰らうシーン。
あの体勢でどうやって触ることができたのだろう?

珍しく犬夜叉のあらすじ説明で幕を開ける、これが新鮮。
「嫉妬なんかしてらんねえ。」の台詞は何度聞いても爆笑。
昔弥勒が退治したイタチ妖怪らしき妖怪が再び登場、あやつの仲間か?とも思ったが、あまりに雑魚過ぎて弥勒も覚えていないらしい。(笑)

相対するはお祓いお婆(クレジットはお祓い屋)、演じるのは藤田淑子さん。
一休さんや「パタリロ」のマライヒなどで有名な方。
そう言えば、ちょっと前に見たアニメ特集でこのつながりで「パタリロ」に一休さんが特別出演しているシーンを紹介していた。
パタリロの国に来て「この橋を渡るな」という貼り紙を見た一休さん、「真ん中ならいいんだな」とばかりに橋を渡り始め、壊れた橋から落ちてしまう、そんなオチがついていたのではなかったか?

やはりこういったベテランの声優さんに対する敬意の表れだろうか、お祓いお婆も原作に負けないいい味出してた。
裏陶しかり、楓しかり、やはり作る側の気持ちと言うものはキャラの描き方に必ず出てくる。
その点「老婆」の作り方、今まではずしたことがないというのも何だか笑える。

台詞にも少々敬意を払って「よぼよぼの婆あ」が「ばあさん」、「老いぼれ」が「引退した」に変更。
このお婆、邪気が効かないだけでなく実はしたたか。
弥勒や珊瑚の気持ちをよく読んで鋭い一言、「ほうびがたんまり」にあっさりついてくし、弥勒。(笑)
案外弥勒が年とったらこんなキャラになるかもしれないなあと思うと微笑ましい。

一方お城。
覗き見していた侍女が殺されるシーンが入るが、「何も見ておりません!」は、大体見た時の言い訳。
ところがこの侍女、アニメでは7人目の被害者(原作では10人目)。
一応ひとケタにしたのは気を使ったつもり?

あまりにも都合よく弓矢を持たずに来たかごめなども原作どおりで(笑)、(鶴)姫登場。
アニメでは最初からどこか怪しげ。
鶴ひろみさんは「アンパンマン」のドキンちゃんや、「らんま」の右京、「めぞん」の九条明日菜など、高橋作品でもお馴染みの方。

灰塩をぶっかけられるのも、アニメでは増えて雲母も被害者。
こういった小さな変更も全く無理がなく、かえって楽しい。
唯一変なの、と思ったのは変化した姫の顔がいやに青いことくらい?
おかしな話だが特別なエピソードでもなく、気合いも入ってないからかえって見やすい。
いつもこのように作ってくれたらいいのになあ。

今回は登場人物が多く(城が関わると、とたんに増える。当然だが)、アニメでいきなり喋り始めた城主は室園丈裕さん。
殺生丸初登場回で猪の首をもぎ取り、次に殺生丸に首をもぎ取られてしまった侍大将でご出演済み。
首つながりでお気の毒。

老家臣は小関一さん。
「高橋留美子劇場」第1話にも出演していらした。
老侍女は岡本嘉子さん。
「名探偵コナン」でよくお名前を見かける方である。
城主に殺される悲運の侍女は橘ひかりさん。
「ときめきメモリアル」などにご出演。

こんな時こそ忘れちゃならない最強トリオは、西前さんと田中さんが家臣役。
中嶋さんはお休みだった。
次回は弥勒の最大のピンチ。
大蟷螂のときといい、女性問題?で痛い目にあっても懲りない弥勒、今度こそ悪癖直るか、直るまい。(笑)

私はさっき「あまりにも都合よく弓矢を持たずに来たかごめなども原作どおりで」と書いたが、次回はこれでやっちゃうアニメのかごめ。
今回も原作共々どこから出してきたのか救急箱持ってきてたが。
(実はリュックも持ってきてない)
もっとも今回は前述した「オリジナルおすわり」以外は自然体で良かった。
かごめは疲れて元気がないくらいの方が好感を持って聞ける気がする。
 (2003年9月29日の日記) 
依り代の姫
アニメ第86回放送2002年9月9日
「依り代の姫の秘密」

原作少年サンデー2001年8月31日(39号)第230話「依り代の姫」
原作少年サンデー2001年9月5日(40号)第231話「巨大な邪気」

          ☆          ☆          ☆

鬼の首城の話後半は「弥勒のテーマ」に乗って弥勒のあらすじ説明で幕を開ける、意外に新鮮でいい感じ。
しかも実際にがんばってるのはほとんど犬夜叉だし(笑)。

前後編だけあって犬夜叉と鬼、弥勒と鬼姫、珊瑚とお婆、かごめと七宝の部分も丹念に描かれる。
原作での犬夜叉の城主には「鬼っ。」、首だけになった鬼姫には「鬼の首!」、呼びかけがそのまんまでいかにも笑えた部分、アニメでも忠実に再現してあり、それは嬉しかったが、間合いが長すぎ。

お婆と珊瑚の会話もいかにも受け狙いだし、かえって上半身が直立不動の珊瑚の走り方の方がよっぽど笑えた。
前にも書いたが原作の会話に無駄がないために、アニメで台詞を付け足そうとすると、会話のリズム感が崩れてしまうような気がする。
七宝が犬夜叉の助けが遅いと突っかかる場面はなんだかなあと思い、極めつけはかごめのスプレー攻撃。
かごめにも何かさせたいという製作側の思いは理解できるのだが、視聴者が求めているのは、もっとさりげない活躍だと思う。
少なくとも私はそうだ。

他にも鬼姫がかごめのかけらを見切るところ(原作も)、何より怖い「殿の死骸」などが印象に残った。
最初に気になった部分を書いてしまったが、全体的には丁寧な作りでおもしろかったと思う。
丁寧と言うのは作画の部分ではなく、あくまでも話の部分だが。

戦闘後の城の虚脱した雰囲気、謝礼を受け取るお婆のほくほくした表情など、意外なところに素敵なオリジナルが入った後、いよいよ次回は羅刹の勘助登場。
原作での脇役扱いからいきなりオリジナルの主役に抜擢、しかも全ては奈落の陰謀だったと言う爆笑もののオチがつく。
こちらも桔梗の予告で日高さんも楽しみながらも気取りっ子。

ところでアニメの「彷徨える哲学者」こと桔梗の名?台詞「因果は巡る糸車」だったか「巡る因果は糸車」だったか忘れたが、これに関しておもしろいことを見つけた。
このことに関してはいずれまた。
 (2003年10月12日の日記) 
幸せ者は 羅刹の勘助
アニメ第87回放送2002年9月16日
「めぐる桔梗の孤独な旅路」

原作少年サンデー2001年8月1日(35号)第227話「消えた気配」

     ☆     ☆     ☆

原作においては「鬼の首城」より前、殺生丸が奈落のお肉に包まれたり生ゴミくんが飛び出て?きたり、琥珀がりんを誘拐したりした後の出来事である。
アニメでは鬼の首城を出してから、オリジナルに練り上げてシリアス物に仕立ててみせた。
そして何よりおもしろいのは、アニメでは桔梗と勘助の出会いが奈落により仕組まれたとされていること。

もちろん放映当時は知らないこと、DVDが出た2003年11月現在、桔梗が奈落を殺す?(例の挿入歌のあれである、笑)エピソードで明かされたばかり、失礼ながら爆笑してしまった。
まあこれは後で書くことにして、今回から「四の章」に入り、まずは「主要キャラ紹介」。

これもまた初期の犬夜叉一行や奈落、桔梗が登場するが今しみじみ思うのは初めて声を聞いた時、違和感を感じたのは珊瑚役の桑島さんだった(すぐになじんだ、今では大好き)。
かごめは「こんな声の女の子なんだ。」と何の抵抗もなく受け入れていたような気がする。
それがどうしてここまで苦手になったのか・・・。

アニメで笑えるのが奈落、桔梗と殺生丸、なんか似ている。
性格ではなく、勿体つけた描き方。

     ☆     ☆     ☆

ここまで書きながらテレビ朝日の「恐怖温泉」つけてたのだが、犬夜叉劇伴かけまくり。(笑)

     ☆     ☆     ☆

とりあえず桔梗の回想シーンから入り、蛇から亀になったような妖怪が沼の中から登場する。
邪気を感じながら、矢が甲羅に当たるとはね返り、桔梗は踵を返す。
妖怪退治を頼まれながら、奈落でないなら退治の必要なし?
改めて襲いかかられて初めて退治。

「羅刹と呼ばれた男」睡骨の存在を知りながら「羅刹の勘助」と名前をつけたネーミングセンスもどうかと思うが(アニメオリジナル)、ここで爆笑したのは「調べてみたらどうだ?」の大の字桔梗。
本当に調べられていたらどうするんだ?さわりまくり、OK?

この羅刹の勘助、非情な人殺しでありながら「犬夜叉」唯一の幸せ悪役。
さんざん悪事を働きながら死ぬ間際に桔梗に出会ったことで、救われる機会を得る。
しかもアニメでは名前まで与えられ、1話物のオリジナルに仕立ててもらい、奈落にまで目をかけてもらい、幸福な往生を遂げる。

原作におけるこの男、悪に染まりながら救われる存在であり、奈落=鬼蜘蛛と比較して非常に興味深い。
この微妙な存在をアニメでどう描くか楽しみにしていたが、アニメでは過去は過去、今はいい人扱いだった。
かけらを埋め込んでみたらもしかしたら病気も治るんじゃないかい?などと突っ込みを入れながら見ていたが、生前の鬼蜘蛛と絡めていたのはおもしろかった。

ただ鬼蜘蛛自体があまりにチャチで、後に奈落に変身するような大物感が感じられなかったのは残念。
声は家中宏さんが当てられていて、無双っぽい外見を持つものの顔は描かず。
ここで興味深かったのが、鬼蜘蛛の背中の痣。
大火傷を負って、一度は消えるも奈落の背中に再び浮き上がり、人間の心を主張し続けるという解釈、私はちょっと違うがおもしろい。

では奈落がこれだけ嫌っている鬼蜘蛛の姿を借りて謀略の象徴としている部分は、鬼蜘蛛としての意識の部分なのだろうか。
また勘助も鬼蜘蛛も桔梗に会ったことがあるわけで、火傷を負うまでは鬼蜘蛛は桔梗に恋心を抱いていなかったと言うのもアニメ流解釈?
もしくは桔梗の噂だけで顔は見たことがないのかもしれないが、その辺の設定はあいまいである。

ここで登場「番犬犬夜叉」、アニメスタッフの方々ににもう一度原作を読んで欲しい。
生前の桔梗と犬夜叉の関係、微妙で儚くて不器用でそれでも少なくとも対等である。
犬夜叉も桔梗を追いかけていたかもしれないが、もっと桔梗に気づかれないように、少なくともそのつもりで控えめだったに違いない。

あんな場面は「絶対に」なかったはず。
そこまでこなれた関係ではないし、桔梗にもあんな台詞は言わせないで欲しい。
奈落の底の会話や口の化け物に続く目玉の化け物(相変わらずの西前さん)の登場などはおもしろかった。

なんだかんだと書いてきたが、原作に絡めるオリジナルとしては、真剣に取り組まれたと言う気がして好感が持てるエピソードだった。
冒頭思いやりのない犬夜叉と相変わらずのかごめ、最後のいやに出来上がっている犬夜叉とかごめ、不思議な気持ちで見た。
ファンなら嬉しいシーンかもしれない。
ヒール覚悟で書かせてもらえば、犬夜叉かごめの仲良しシーンを安易に入れないで欲しい。

たしかに犬夜叉とかごめは惹かれあっているが、こんな100%かごめ好きの犬夜叉では、桔梗の立場がない。
原作においても2人が寄り添うシーンは多いが、想いはあっても描き方は常に控えめである。
だから「二股」ではあっても犬夜叉の真剣味が薄れない。
アニメの犬夜叉は正直、桔梗に合わせる顔がない。
逆に桔梗に会った瞬間、すっぱり切り替えられてもあまりにいい加減で困ってしまう。

だがアニメ「犬夜叉」は「犬夜叉とかごめの恋物語」である。
原作とは別物である。
頭ではわかっていても、いつまでも愚痴る自分が情けない。
それでも今回のエピソードはおもしろかった。

前述した通り、鬼蜘蛛は家中宏さん、目玉の化け物は西前忠久さん。
羅刹の勘助は「真・三国無双3」の陸遜こと野島健児さんのお父さんの野島昭生さん。
「ラスカル」「パタリロ」「るろうに剣心」などに出演されているが、そういえば先日見た「ラスカル」には楓の京田尚子さん、朴仙翁の鈴木泰明さんも出ていらして嬉しかった。

村人はおもしろいことに成さん、中大丈さん、世恵さんと「」つながり。(笑)
田中大丈(ひろふみ)さんは「真・三国無双3」の張遼役でわりに高い声の方、世田一恵(いっけい)さん=男性、で「金田一少年」や「コナン」で時々お見かけする名前である。

EDがDo As Infinityの「真実の詩」に変わったが、私は「深い森」が一番好き。
曲自体は素敵だが、アニメとイメージが違いすぎる気もした(大人っぽい、シリアスな歌詞という部分で)。
 (2003年12月8日の日記) 
こんなオリジナルを作って欲しい
アニメ第88回放送2002年10月14日
「猿神様の三精霊」

原作少年サンデー2001年9月12日(41号)第232話「猿神さま」
原作少年サンデー2001年9月19日(42号)第233話「ご神体の行方」

     ☆     ☆     ☆

地念児、石の花に続き今回も原作どおりに丁寧に作った佳作を見せてもらった。
こんなオリジナルを作って欲しいとつくづく思う。
基本的に人助けを嫌とは言わない犬夜叉達、今週の透明妖怪編と比べてどうだろう。

先日の五狐と比べても、三猿のしっかりした存在感など書き始めればきりがない。
こうしてオリジナルと原作どおりの作品と比べてみると、作る側が「犬夜叉」の基本設定をちゃんと把握しているような気がする。
把握していてなおアニメオリジナルは別にする、そんなスタンスを感じるのだ。
何でもかんでもアニメ的にしない、その姿勢は評価するがやはりほとんどのアニメの魅力のなさは問題だろう。

今日はこんなことを書きたいのではなかった、とにかく楽しかった、おもしろかったのほめ殺し(笑)のつもり。
精霊石、初期のRPG「犬夜叉」にも超レアアイテムとして登場していた。
体力全回復だったか。
あまりに貴重でもったいなくて、結局使わないままクリアするのが常と言うある意味無駄なアイテム。(笑)

オリジナルで七宝vs三猿の戦闘シーンが入るが、迫力といい新鮮さといい、下手なシリアス物よりずっと上。
蒼天戦の時もそうだったが、今回の七宝、本来の子供らしさ全開で可愛かった。
犬夜叉が現代で火事に遭遇するシーンでも使われていた「神楽のテーマ」、使いまわししすぎ、でもあまりにぴったりなので笑って許してしまう。

意外なところで殺生丸と鋼牙が入り、しかも笑える、これも好き。
かごめも原作らしさを感じさせるうまい作り、特に石にくっついたままの犬夜叉に寄り添うところ。
オリジナルだと赤面具合もくっつき具合も数倍上になるだろうが・・・。
ここで素直に作るあたり、製作側もわかっているのだと思う。
なのになぜ・・・、は今日は止めよう。(笑)

かごめの手の動き方はちょっと気になる。
可愛らしさを出そうとしてかえって変、もっと自然に描いて欲しい。
(後から見た走るシーンやお姫様だっこの○○っこモード)
「散魂岩爪」や小猿の親分になっている犬夜叉にも笑えたし、今回のアニメ、満足度100%。

今回は犬夜叉一行の他に殺生丸の成田さんと鋼牙の松野さんも友情出演?
猿神様は沢りつおさん。
先日の猪九戒であり、ラム(うる星やつら)のお父さんとしてもおなじみの方。
三猿はゴンがくまいもとこさん。
信長編の日吉丸であり水神編の太郎丸であり、「アメリカンゴシック」のルーカス少年が印象的。

ブンは小林由美子さん、ケンはかごめの友達由加&五狐しほうの清水香里さん。
村長の水内清光さんは先日「人魚の森」で楓こと京田さんと共演されていた。
「金田一少年の事件簿」でもお名前を見かけた方である。
気のいい村人役で西前さんと田中さんも登場、心暖まる作品に仕上がった。
 (2003年12月12日の日記) 
勝平さんファン絶賛アニメ!
アニメ第89回放送2002年10月21日
「アイツと彼のお見舞い対決」

     ☆     ☆     ☆

全国の勝平さんファンのハートをさらに直撃したに違いない今回のエピソード、私は淡々と見ていた。(笑)

本題に入る前にひとつ書いておきたいことがある。
今「好きなオリジナルアンケート」を行っているが、投票経過とコメントを読んでいると、非常に興味深いことがわかってくる。
ダントツの1位は「珊瑚目指してオンリーユー」だが、作品としての評価よりも、弥勒と珊瑚の心のつながりの部分だけを抜き出して好きな方が多いようである。
「鋼牙と殺生丸の危険な遭遇」はそのものズバリで鋼牙ファンと殺生丸ファンによる投票のようだし、「殺生丸を愛した女」では殺生丸と娑蘿、「弥勒の師匠 最後の宴」は弥勒と無心の師弟愛が評価されている。

逆に話のおもしろさはともかく、製作側の姿勢が評価されているのが「美少女姉妹の弟子入り志願」「四魂の玉を造る者」「復活した者たちの野望」「悪夢の真実 嘆きの森の戦い」など。
私の好みと非常に似ていて嬉しい限りだが、正直言って意外だった(もちろん嬉しい驚き)。

さて今回の「アイツと彼のお見舞い対決」はどうかと言うと、典型的な前者だろう。
タイトルでかなり損はしているが、比較的見やすいオリジナルだったのではないかと思っている。
いかにもアニメ的ではあるが、それなりにまとまっていた。
にもかかわらず意外に評価が低いのはなぜだろう?
放映当時も山口さんに対する絶賛はあちこちで見られたが、作品そのものに関してはほとんど評価されていないようだった。

例によって私はアニメキャラの濃さかな?と思っているが、よくわからない。
私はこの話、高橋先生に一度書いていただきたいと思っている。
茶目っ気出して書いてくれないかしら?(笑)

アニメキャラは良くも悪くも感情表現が非常に豊かである。
演出の影響だろうが、たとえば「砂糖たっぷりクリームたっぷりバターもたっぷり、チョコもかけてアーモンド乗せて、ついでにフルーツもたっぷり飾って、隠し味に胡椒とシナモンたっぷり入れて(隠し味に感じられないほどたっぷり)、もひとつおまけにブランデーかけて、ピンク色を出すために、食紅混ぜてみました。」みたいなケーキ味。

見た目は綺麗だし、「いろんな味が楽しめます。」と作った側は胸はるが、どの味もあまりに濃厚で結局何のケーキかわからない、私にとってほとんどのアニメはこんなニュアンス。
では原作は?と言うと「素材を生かした本物志向、なるべく薄味にして、その中に甘み、辛み、あるいはちょっとしょっぱい涙の味をその時々でぴりりと効かせます。」

お店でこんな2種類のケーキが並んでいたら、どっちを買うか、私は当然後者である。
もちろん好みの問題で、前者を極める人もいるだろう、どっちも好き派も当然いるはず。
そんないろんな人の好みを知る上で、本当にアンケートは興味深い。
(そのわりにコメントまとめ、遅れてます、ごめんなさい。涙)

さて今回かごめの描き方がおもしろかった。
「またかごめ?気にしすぎなんじゃない?」などと思うことなかれ。
今回は非情に好印象である。

原作かごめはあまり大きな怪我したり、風邪をひいたりするというイメージがない。
精神的にもだが身体的にも非常に現実感、人間としての生々しさがない。
アニメかごめは風邪ひいた。
このやはり精神的、身体的な生活感、現実感の比較がとてもおもしろい。

ただし「好きなオリジナルアンケート」の「アイツと彼のお見舞い対決」に投票するかと聞かれたら、残念ながらNOである。
私が1つ投票するとしたら、やはり出雲編(四魂の玉を造る者)だろう。
話のおもしろさはなかったが、テーマと姿勢が気に入っている。

楓の村となると必ず登場が利吉の中嶋狸さん、もとい中嶋聡彦さん(笑)。
好きキャラに登場しないのが残念な北条くんは今回あまりにまともなプレゼント。
かごめのクラスメートの中では、「犬 夜叉のツボ」に高橋先生がアニメに引っぱられたと噂の「あゆみ」が登場する。
(2003年12月14日の日記)  
犬夜叉と草太の心のつながり
アニメ第90回放送2002年10月28日
「思いきった草太の告白」

     ☆     ☆     ☆

前にも書いた「らんま1/2」と「犬夜叉」の違い。
人の生き死にが深く関わること、桔梗や奈落が絡んだ複雑な人間模様。
「らんま」を軽く見るつもりは毛頭ないが、やはりアニメ「犬夜叉」が第2の「らんま」になってはいけないと思う。
いつも気になるのはアニメにおいて、犬夜叉のかごめに対する気持ちがすでに100%になっているように描かれること。

ところが桔梗に会った途端、桔梗への想い100%に180度転換する。
これでは「完全なる二股」である。
原作において犬夜叉は心がどんなにかごめに魅かれようと、ほんのわずかでも桔梗への想いを残しているように描かれている。

この葛藤があるから二股も許せるし、犬夜叉の心、かごめの心、桔梗の心に共感できる。
「らんま」では最初から乱馬とあかねはお互いしか見ていない。
この違いをアニメでごっちゃにされると非常に薄っぺらな「犬夜叉」になってしまう。
製作側はこのことを気づいておられるのだろうか。

今回のアニメ、私としては犬夜叉と草太の交流が興味深かった。
私は元々かごめの家族は好きだが、特に草太は「金田一少年の事件簿」の七瀬美雪が好きだったので肩入れしてしまう。
鋼牙役の金田一君と絡む場面がないのが寂しいくらい(笑)。

素直で気弱な草太は犬夜叉に対し、兄のように甘える。
犬夜叉は「頑固一徹な(笑)」父のように接する。

アニメ特有のおおげさな演出ではあったけれど、好感を持って見ることができた。
冒頭部分、かごめが犬夜叉を買い物に誘うところもかごめの女心?が感じられて好まし かった。
ところが「任せておいて!」からいつもの俗っぽいかごめに戻ってしまってがっかり。 コナン仕様の服装もしらけて終わった。

今回のテーマ、「草太の告白」ではなく「犬夜叉と草太の心のつながり」にしたら、いいアニメになったと思う。
ところが例によってコナン好きの甥っ子にはバカ受けしたらしい。
どうやら私、アニメ「犬夜叉」を見るには「精神的に」年をとりすぎているらしい。
 


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