塙王
(月の影 影の海)
巧国塙王は「十二国記」において、悪役ではあるけれど、本当の悪者ではない。
人間なら誰しも持っている醜い部分の体現者。
その言葉、その末路はあまりに哀れである。
「巧の民は運がなかったのだ。
儂が死ねば、次に賢帝が立つやもしれん。
そのほうが長い目で見れば民のためかもしれんぞ」
こちらの世界では、人間は人の腹から生まれることを引き合いに出し、露骨な嫌悪感を見せる。
しかし、全ては上の台詞に集約される。
自分を愚王と知り、滅びるものと認める姿。
塙王に関しては、哀れみしか感じない。
同時に陽子は塙王のおかげで女王としての修行の場を得たことも事実である。
同じ苦労を味わいながら、陽子は高みに登りつめ、塙王は地獄に落ちた。
この書き分けが初期の「十二国記」を読む上で非常に興味深い。
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