4月14日 「浦沢直樹の漫勉neo」感想 |
3月9日に放映された「浦沢直樹の漫勉neo」の青池保子先生登場回を見ました。 青池先生には申し訳ないのですが、私は少佐ファンなので、最初に読んだ「イブの息子たち」と 大人買いした「エロイカより愛をこめて」以外はほとんど読んでいません。 なので、「ケルン市警オド」はこんな話なんだあと思いながら楽しく見てました。 最初に笑っちゃったのが「匂いをかいでる」ように見えたところ。 誰でもそう思っちゃいますよね。 でも細かいこだわりがさすがプロ。 私が初めてイブを読んだ頃は、登場人物が実在のアーティストだなんて知らなかったし、そういう 漫画だとそのまま受け入れていたので、青池作品がそこまで異端だなんて思ってもみませんでした。 そこで少佐の登場です。 前から何度も書いてますが、少佐はまさしく私の初恋の人。 最初にどの話まで読んだかは覚えていませんが、大人しいのんびり屋だった私が、ある日突然 せっかちで融通の利かない性格に豹変したのですから、当時は家族や友達に驚かれたものです(笑) でも本を借りた知り合いのお姉さんがそれ以降買っていなかったので、私の初恋もそこで終了。 再会するのは、今はもうありませんが、青池保子ファンクラブの存在を知ってお邪魔した時でした。 懐かしいなあ・・・。 あとね、浦沢先生のコメントが的確で、さすがこちらもプロの漫画家。 技術的なことを質問したりして、なるほど〜と唸りっぱなしでした。 カラー原稿を見ても、私なんて「奇麗だなあ」ってため息をつくことしかできませんから。 絵を描くことがストレスで、美術の時間が一番嫌いだったなんて、青池先生には理解できないだろうなあ。 あの頃は本当に無邪気に少佐や伯爵やミーシャのドタバタを楽しんでいて、こんな状況になるとは 夢にも思っていませんでした。 「Z」は青池先生が完結宣言をしたので、仕方がないですが、エロイカはいつかまた読みたいなあ、 出たらいいなあと思っていました。 でも今はこんなに悲しい状況です。 続編が出ないことが悲しいのではなく、こんな状況であることが悲しいのです。 たぶん青池先生がコメントされたのは、侵攻以前だと思います。 だから御自身もまた描きたいと、笑顔で語っていました。 一日も早く、そんな日が来ることを願わずにはいられません。 (2022年4月14日の日記)
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12月18日 「ダ・ヴィンチ」の「エロイカより愛をこめて」特集感想 |
だいぶ遅くなってしまいましたが、10月に発売された 「ダ・ヴィンチ」11月号「エロイカより愛をこめて」特集の感想です。 全34ページですか、これは豪華!と思ったものの、この企画でファン座談会とか小説家による短編はいらないなあと思いました。 私が読みたいのはやはり青池さんの言葉であり、資料です。 特にこのネット時代、ファンの熱い思いはネットで読もうと思えばいくらでも読める(私も読んでます)。 でも青池さんの言葉だけは個人ではどうにもならないものだから、こんな時こそ青池さんの言葉を紡いでほしい。 その青池さんのロングインタビュー、仕事部屋のカラー写真は嬉しいですね。 画材に関してはわかりませんが、「あっ、私と同じレポート用紙使ってる!」とか「あっ、クリネックス、今度これ買おう!」とか そんな発見がとっても嬉しい(笑)。 他にも書棚が似てるとか椅子が似てるとか我ながら他愛ないもんです。 内容に関しては、「あ、読んだことある」って部分が多かったな。 新参者の私でも、「『エロイカより愛をこめて』の創りかた」他、青池さんの特集本はそれなりに揃えているので。 でも「エロイカより愛をこめて」自体が35年の連載物(休載期間含め)なので、すぐに新作描くわけでもないこの時期に、新しく 語ることはもうないのかも。 これまでの総決算という意味ではおもしろく読みました。 改めて思うのは、青池さんはいい時期にいい人に会っていたなということ。 私がエロイカ読み始めたのはだいぶ後になってからですが、その時でさえ「イブの息子たち」とセットで読んで、「よくこんな世界」描けたなって 驚きましたもん。 イブの耽美な世界にエロイカのハードな世界。 私が持っていた「少女漫画」のイメージにこれほど合わない作品はなかったです(笑)。 でもフリーになって出会った「月刊プリンセス」の編集者さん、よくぞ青池さんを支えてくださいました! 常識に凝り固まった編集者だったら「エロイカより愛をこめて」は生まれなかったかもしれません。 さらにファンにも恵まれてた青池さん。 感想や意見だけでなく、資料や情報を送ってくれた軍事マニアとか(笑)。 そういえば実際にNATOに入った読者もいましたよね、すごいです。 私?私は性格変わりました(笑)。 おっとり型から猪突猛進型へ。 少佐みたいに有能じゃない猪突猛進型なのでいつも失敗ばかりだけど(ちょっと落ち込み)。 でも当時社会現象になったとの少佐のこと、たくさんの読者に影響を与え続けて来たんでしょうね。 最初に決めた結末だけは死守するスリリングな力技、すさまじいまでの努力です。 個性的なキャラと豊富な知識、とにかく頭が下がります。 今エロイカを描くのはとても難しいという言葉にはとても説得力がありました。 世界情勢の変化の加速化、それに本からそのまま引用すると 「イスラム国や移民問題、ウクライナ情勢、EU圏の経済問題など、世界の様相は一層混迷の度合いを含め、さらなる時代の転換すら 予感させる。」 これは青池さんの言葉じゃないですが、さらに付け加えると、さらに深刻度を深め、もはや日本にとっても他人ごとではないことが 大きいのではないかと思います。 それでも新作は描きたいと答えているので、期待したいです。 が、「公式サイト」によると、「ケルン市警オド」が 新シリーズとしてスタートだそうです、少佐が遠のいた・・・(涙)。 申し訳ないですが、現在のところ読む予定はないです・・・。 資料の部分は忘れていることも多かったので、改めて読んで「ああそうだっけ、懐かしいなあ」などとしみじみ思いました。 読者アンケート企画はおもしろかったです。 余談ですが、先日クローゼットを整理していたら、「エロイカより愛をこめて 複製原画スペシャルパック」が出てきました。 わあ懐かしい!と原画やグッズを出して眺めていたのですが、ネスカフェゴールドブレンドは固まって焦げたような色に、ボトルに入った バスオイル(ボールタイプ)が全部くっついて出て来ない! そいういえばコーヒーとバスオイルは早めにご使用くださいって書いてたよなあ・・・。 このまましまうべきか、ボトルが濡れないように中身を出すべきか・・・。 悩ましい今日この頃です・・・。 (2014年12月18日の日記)
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11月7日 青池保子 華麗なる原画の世界 |
アマゾンから届いた「青池保子 華麗なる原画の世界」を手にして、正直愕然とした。 え?この大きさと薄さでこの値段? でも開いて納得、読み物ほとんどなしの99%オールカラーと言って良い。 あと今回は、見せ方がおもしろい。 1ページ丸ごと原画じゃなくて、数枚の原画を配置し、全部ではないが、全てのイラストに青池さんのコメントが添えられている。 色使いや技術的に見るべきポイント、さらに忙しくてこうなったとか(笑)、当時の裏話も多く、忙しさの中でこれほどの完成度で 描いたのか、当時の若さで、と驚くこともしばしばだった。 コミック全巻揃えて入るけれど、特に思い入れがあるのは8ページから43ページまで(少佐登場〜第七の封印) と初期Zの76ページから83ページ(Zシリーズ)まで。 申し訳ない、その他の作品は一通り読んだだけで、「修道士ファルコ」は読んでいない。 そんな私でもこの原画集は楽しめた。 あとコミックのカラーページじゃないけど数ページ掲載し、台詞を貼りつけた原稿?もいくつか。 それなら下書きやコメントも残ってるもっと下地が出てる原稿にしてくれればいいのにな。 原画展ではよくあるけれど、原画集だと見にくいかな? あれは青池さんの息づかいまで聞こえて来そうな見事な物で、私はむしろ原画より好き。 原画を見て行くと、確かに色や衣装、背景がやたら派手派手しかった伯爵が、少しずつ落ち着いて行く経緯がわかっておもしろい。 さらに当時は少佐もZも普通にくわえ煙草してるけど、「こんな風にタバコをおおっぴらに喫う少佐はもう扉絵では描けません」の コメントが印象的、そうだよなあ・・・。 いつもおちゃらけてると思ってた伯爵も一人きりだとシリアスに決めてるのが多いとか、地図を描くのがとても好きとか。 地図は今でも手描きなんだろうか? 自分が疲れてると、描いたキャラも疲れた顔してるとか、なるほどなあと思うコメントばかり。 Zも時間がないから雪に埋もれさせたとか(笑)。 付録やカレンダー、見開きピンナップなどの単語が飛び交い、当時は豊かな?時代だったなあとうらやましくもなった。 以前の公式サイトで少佐グッズの話で盛り上がり、その時代を知らない私はほんと寂しかったし。 社会的現象にまでなったという鉄のクラウス人気、見たかったなあ・・・。 そういえば、「こちら」によると、 京都国際マンガミュージアムにて開催されている大規模原画展では、オリジナルポストカード、クリアファイル、クリーナークロス、 トートバッグ、ランチョンマット、手ぬぐいといったオリジナルグッズも登場するとか。 通販で売ってくれないかなあ。 余談だが、公式サイトにこの本が「雁垂れ表紙」とあって、何のこと?と思ったら、「くるみ表紙のうち、表紙の小口だけを中身より 大きくしておき、その部分を内側に折りまげた様式」だそう。 よくわからないが、本自体はカバーがなく、表表紙、裏表紙共に中身よりも厚い紙を二つ折りにしたものになっており、表表紙の裏側には ファルコを描いている青池さんの手、裏表紙の裏側にはお仕事中の青池さんのカラー写真が載っている。 京都国際ミュージアムの展示に関しては「こちら」 (2014年11月7日の日記)
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4月7日 魔弾の射手 |
「エロイカより愛をこめて」で一番好きなエピソードは?と聞かれたら、迷わず「魔弾の射手」と答える。 何度も書いているが、もしもこの作品の主役が少佐だったら、と考えることが多々ある。 まあほとんど主役は少佐みたいなものだが、「エロイカ=伯爵」が登場しない作品だったら、という意味である。 「エロイカより愛をこめて」は好きだが、もしも本編も「魔弾の射手」やZシリーズのような、シリアスな作品だったら、 私はもっともっと好きだったに違いない。 でも、エロイカの登場しない作品だったら、ここまでの長期シリーズとはなっていなかっただろうことは断言できる。 青池さんのコメントにもあったが、伯爵やジェイムズ君の存在が、時には作者にとって、息抜きにもなっていたのではないかと思える部分があるからだ。 シリアスと書いたが、Zも魔弾も、笑える部分はちゃんとある。 不思議なことに、これらの番外編で笑える空気を醸し出しているのが、少佐自身なのだ。 あまりにも生真面目で、あまりにも律儀なその性格が時に笑いを誘う。 Z物には部下Bも出て来るが、キャラは本編と変わってないのに、なぜか普通、不思議だ。 あと、この頃の絵が好きなことも理由の一つだ。 コミック2巻から登場する少佐。 初めの頃は、まだ顔や性格に甘さが見られるが、私は「ハレルヤ・エキスプレス」から「第七の封印」のあたりの少佐が一番好き。 でももし、「あなたの好きな原画を一枚あげます」なんて懸賞に当たったら(あり得ないだろうけど、笑)、迷わず「魔弾の射手」の表紙を選ぶ。 (ちなみに「二枚あげます」と言われたら、Z完全版の表紙も選ぶ) スピンオフにも掲載されていて、あの表紙もいいが、私はやはりハードカバーの表紙が好き。 もちろん絵だけではないストーリーもいい。 少佐自身はぶれてないが、本編ではいじられキャラの側面も多く、それが面白みのひとつでもあるが、魔弾ではそんな甘さは一切ない。 敵も味方も、少佐と同じ世界の人間ばかり。 それだけに、下手な小説よりもスリリングなスパイの世界がまるで実写の映画のように目の前で繰り広げられる。 「人を殺してそううれしがるな ばか者!」は少佐最高と名台詞だと未だに思う。 それから「魔弾の射手」と言えば思い出すのが、ずっと前に閉店してしまったけど、有楽町のガード下にあった「アルテリーベ」というドイツレストラン。 レストランというより酒場って感じかな? そこでビールを飲んで、がんがん食べて、リクエストするとドイツの歌を歌ってくれる。 最後にはみんなで踊りまわれるとことん楽しいお店だった。 今は新橋にあるそうだけど、こちらは落ち着いたレストランという感じで、一度も行ったことがない。 あのはっちゃけた時間は、ちょっとだけ少佐に近づけてたかなあと思う。 「Zの幸運」でのディナー風景を見るに、それほど羽目を外すことはないだろうけど、完全に非番の時は、どんな飲み方をするんだろうか。 緊張感漂うクラス会や、仔熊のミーシャとの無茶な飲み比べは別として、少佐の自然な日常も時々読んでみたい。 余談だが、銀座のやはりドイツレストラン「ケテル」もかなり前に閉店したそうだ。 あの池波正太郎も愛したお店、私も一度だけお邪魔したことがあるが、とても素敵な思い出として残っている。 寂しい。 (2014年4月7日の日記)
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8月14日 最新刊に追いついた〜「聖ヨハネの帰還」感想6 |
「聖ヨハネの帰還」最終話は39巻、そしてこれが現在発売中のコミックの最新刊。 とは言っても、本編は1冊の4分の1くらいで、残りは番外編2編が占めている。 この番外編がまたおもしろかった。 と先走るのはやめて、まずは本編から。 長い長い連載ながら、見事に話はおさまるべきところにおさまり、一件落着。 とはいえ元気老人×2の乱闘のせいで、聖ヨハネのモザイク画が無残に完璧に、破壊されたのには度肝を抜かれた。 まあ終わってみれば、一番「らしい」結末と言えるのかもしれないが。 あと、「いつもの」ギャグではない部分の掛け合いにおもしろい場面が多かった。 少佐に「わしは青二才だ」と言う仔熊のミーシャや、ピョートルの「・・・実は空港から強いストレスを抱えていたんだ 理解不能な変人が一緒で」の打ち明け話など(笑)。 ピョートルはおもしろいキャラだし、今後また出て来てくれないかな。 でも彼の立場だと、関わる話を作るのが大変そう。 一番かっこ良かったのは、やはり水上バイクで突っ込むシーン。 なんだかんだで息がぴったりの少佐と伯爵はいいコンビ。 いまさら言っても詮無きことだけど、冷戦が終わって少佐とミーシャも一応協力体勢の立場に立たされたのは、「エロイカより愛をこめて」を作り上げる上で、かなりの制約になったのではないかと思う。 昔の作品を読むと、時には殺し合いを始めるほどの敵対していた少佐とミーシャが、憎み合いながらも協力しなければならなくなって、そこにギャグを入れると読むのが辛い時がある。 以前スリリングな関係だったからこそ成立するギャグというか、そんなものが感じられなくなってちょっと寂しい。 それでも書いてくれるだけでいい、描いてくれる だけでいい。 青池先生、新作もよろしくお願いします。 一転して番外編、特に「お茶会攻防戦」はおなか抱えて笑った。 まずい、私、どんどんボロボロンテが好きになって行く(笑)。 以前の公式サイトで投票部屋があった頃は何とも思わず、むしろ彼のディープな暑苦しさに辟易していたのに、何?この変わりよう。 なにげにZの成長も見られて万々歳。 お茶会中に警察に乗り込まれて、「その道のプロ=少佐、伯爵とボーナム君、ボロボロンテと部下たち」が手際よくお茶会セットを地下道に運び込むところで一番笑った。 最後にちょっぴり出て来たロレンス君、出番はこれだけ?と思ったら次の番外編「コッツウォルズの手稿本」でおおっとなった。 こちらはジェイムズ君とロレンスが大活躍?なのだが、伯爵のプロの凄味と、ちょっと切ない歴史の物語。 おちゃらけキャラではあっても伯爵は敵に回してはいけない人だと再認識。 いえ敵に回す前に相手にすらされないだろうけど(笑)。 第2の妄想マダムには親近感大! 今回の伯爵の変装、さりげなくて私は一番好きかも。 さて今回で「少佐に関するレポート」は40巻が発売されるまではお休みします。 次回からは「Zに関するレポート」開始します。 (2013年8月14日の日記)
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8月1日 みんなに好かれるボーナム君〜「聖ヨハネの帰還」感想5 |
アマゾンのカスタマーレビューを読んで知ったのだが、この「聖ヨハネの帰還」は2年越しの長期連載で、しかもこの時青池先生は35周年。 コミック派ということもあり、こんなに長い連載とは全く知らなかった。 しかも38巻時点でもまだ終わっていない。 それだけにストーリーがかなり難解というか、何度も遡って読み返さないと何が何だかわからなくなる。 そんな中、今回も大人気なのがボーナム君だった。 少佐に評価され、ミーシャに認められ、もちろん伯爵にも重宝される。 部下Aともメル友で、今回は出て来ないが、少佐の執事さんとも仲が良い。 今回コミック134ページの「いきなり何のご指名で?」には爆笑した。 そんなボーナム君が伯爵は別格として敬愛するのが今回も登場ラヴェンナの古書店主ニコリーニさん。 170ページの「うるうるの花を(飛行機の)機内に持ち込むんじゃないよ!」にはあまり笑って涙出た。 ただやはり話のややこしさに付いて行けず、こうしたお笑い系に逃げてしまう私がいる、情けない・・・。 自分の事を棚に上げて書くのも何だが、昔に比べて複雑化してるのは確かだと思う。 社会情勢、国際情勢が煩雑になっているのもあるだろうし、そこに伯爵を絡ませるために芸術面での薀蓄も語らなければならない。 さらにいつもの?ドタバタコメディ、ギャグも懇切丁寧に描き込むから、読むのにもかなり気合がいる。 私の頭も固くなった?のもあるかもしれないが、以前はさまざまな要素ももっとわかりやすく描かれていたように思う。 こう感じるのはなぜだろう。 あまりにも詳細にこだわり過ぎるように思えるのは。 内容的には素晴らしいが、おもしろさという部分では十分に味わえない気がする。 伯爵も女装はもういいかな?おなかいっぱいです。 それだけに久々の少佐への変装は新鮮だった。 でも少佐じゃないとばれてしまうところに歴史を感じる。 下っ端も大物も、長い長い年月を経てお互いに馴染み過ぎたか。 見た目は老けたけど、実は少佐たちはサザエさん。 作品内で年は取っていない、うらやましい。 ところで少佐って何歳設定だっけ? なんとなく30代〜40代と思ってたけど、もしかして私、少佐と並んだ?少佐を越えた? そういえば公式サイトをのぞいてみたら、7月24日が青池先生のお誕生日でした。 おめでとうございます! お体に気をつけて、これからも素敵な作品を描き続けて下さいね。 (2013年8月1日の日記)
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6月24日 ほのぼのしている?37巻 〜「聖ヨハネの帰還」感想4 |
別にストーリーがほのぼのしているわけではないが、ボーナム君視線で始まるせいか、37巻は少佐、伯爵、仔熊のミーシャ以外の脇役キャラが生き生きして見える。 特にボーナム君、ボロボロンテと部長、執事さん、部長秘書、中国人ハッカー、そしてストーカーの無名の端役の皆さん(笑)。 部下Aのキレ芸にも笑った。 でも一番笑ったのは「暗黙のわけありオーラ」かな? しかもこの偶然の出会いが少佐へのヒントへとつながるのだから、相変わらずうまく伯爵を絡ませてるなあと思う。 逆にスリリングなストーリー展開、緊張感という意味では薄さの目立つ巻でもあったが、エロイカ自体難解な本なので、時にはこういうのもいいんじゃないかと思う。 青池先生が狙っての事かどうかはわからないが。 笑いの中にもぞわっと来たのが伯爵たちのありとあらゆる変装をイメージした写真を貼りまくっている部屋。 よく海外ドラマでストーカー殺人の犯人が、部屋をターゲットの盗撮写真で埋め尽くすシーンがあるが、それを思い出した。 私が初めて「Z」を読んだ時、Zが操作するコンピューターが紙テープ?を引っぱり過ぎたビニールテープみたいにどんどんたまってるカットを見て「なんだこりゃ?」と思ったが、そんな時代からスマホやらツイッターやらで人を追いかける時代へ。 「エロイカより愛をこめて」という作品の長さ、偉大さを改めて感じる。 正直、青池先生にとってはぎりぎりいっぱいに情報と知識のアンテナを伸ばしきっていなければ辛い時代ではないだろうかと思うのだが、それをやってのけるところが凄い。 失礼な言い方で申し訳ないが、今のスマホ世代の漫画家だったらもっとあっさり簡単に作品の中で使いこなせるところ、いかにも「がんばって」使ってる感が強い。 でもそれが新鮮さは失っても、なお「エロイカより愛をこめて」が支持される理由ではないかと思う。 公式サイトの青池先生の日記を読むまでもなく、漫画の中からこの作品を描くことの大変さが伝わってくる。 作品によっては、それが読者にとっても重荷になることが多いが、「エロイカより愛をこめて」は、連載当時からの読者に比べれば新参者ながら、作品と共に生きて来た共感、親近感、いい意味での「慣れ」というものが追加されて、いつまでもついて行こうという気持ちにしてくれる。 逆に言うと、新しいファンを掴むのが難しい作品かもしれない。 唯一残念だったのが、伯爵がプリンセス・シシーに化けるのは無理としても、執事さんが素直に彼女から花をもらったと喜んで、その喜びっぷりに伯爵が良心が痛んで、みたいな展開を想像してたのにそうじゃなかったこと。 あり得ない幸運に踊り狂うには、執事さんは有能過ぎた(笑)。 きっとどこかの国の陰謀か?と思ったの違いない、残念・・・。 あと伯爵が彼女を見て「健康的でかわいらしいシシーだ」と好感を持って見ている場面が好きだ。 「エロイカより愛をこめて」には正直魅力的な女性が少なくて、伯爵なども女性に対してはクールというよりあまりいい感じを持ってない(発言や変装など)場合が多いだけに。 シャーロック・ホームズに出てくるアイリーン・アドラーのような知勇兼備で、少佐や伯爵や仔熊のミーシャをも唸らせる、凄腕を出せないものか。 別に恋愛ものじゃなくていいから、それが日本人だったらさらにいい。 それだけが心残り・・・。 (2013年6月24日の日記)
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6月8日てんやわんやの大騒ぎ 〜「聖ヨハネの帰還」感想 3 |
少佐が動き出すといつも大騒ぎで、今回(36巻)が特別なわけではないのだが、なぜこんなタイトルにしたかというと、36巻を買った日、うちにはお客さんが泊まっていて、私が36巻を読む時間が電車内の8分しかなかったから。 家に帰ればそれこそ大騒ぎで当分新刊を読める時間なんて取れそうにない。 だから8分で読み切った(笑)。 元々本を読むのは早い方だが、「エロイカより愛をこめて」は大笑いのギャグ漫画でありながら、実はストーリーは難解で、歴史や国際情勢など調べながら丁寧に読み合わせないと理解するのは難しい。 もちろんそんな時間ないから、ひたすら絵を見て台詞を追った、その間8分。 だから36巻というと話よりも少佐も大騒ぎ、私も大騒ぎの印象しか残っていない。 ちなみに私が人前で?漫画を読んだのは後にも先にもこの時限り、懐かしい。 ただ今回感想を書く仔熊のミーシャ登場(56ページ)からは実際に話はそれほど進まない。 少佐、伯爵、ミーシャの三つ巴の追跡劇が周りの人たちを巻き込んで延々と続くだけなので、あながち私の印象は間違っていないのかも。 今回気に入ったのは伯爵のひげのおじさんの変装。 女装も嫌いじゃないけれど、こっちの方が自然でいい。 あとボーナムさんと敬愛するニコリーニさん、少佐の部下Nとミーシャの猫大好きっぷり、出番は少ないけどニコリーニさんの雇った用心棒など細かい所に細かいおもしろさが散りばめられている。 少佐が猫に襲われてたように見えるけど、あれはミーシャが投げたんだろうか? ロマーニの愛人のモデルはパリス・ヒルトンかな? でも最大の見どころは少佐のゴンドラ八艘跳び! 義経ばりに身軽にゴンドラを飛び回る。 飛ばれた方は大変だけど、なんだか楽しそう(笑)。 満足して働かないジェイムス君には心がほんわか。 めったにないこと、なごめるジェイムズ君、きれいなジェイムズ君、満ち足りた笑顔のジェイムズ君♪ (2013年4月19日の日記)
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4月19日 鉄のクラウス原画展とスピンオフ感想 |
夕闇迫る秋葉原の街を颯爽と?いえよたよたと駆け抜けて行って来ましたよ、原画展。
(書泉の)公式サイト、微妙にミスってるわけではないでしょうが、秋葉原にあるのはブックタワーで神保町がブックマートですね、どちらも書泉であることに変わりはないですが。 どちらも普通に書店というにはマニアックすぎるお店、狭い店内エスカレーターに乗って上って行くと両側に貼られた無数のポスターに圧倒されるのは相変わらず。 おおっ!「十二国記」の陽子のほぼ等身大のポスターが!これ欲しいっ! 引っ越す前はかなり通った場所です。 秋葉原から池波正太郎氏が愛した昔ながらの街並みが残る小川町、淡路町界隈を抜けて竹むら(甘味)、ぼたん(鳥鍋)、伊勢源(あんこう)、まつや(蕎麦)の通りに寄り道して。 先日全焼してしまった神田藪蕎麦、囲いの隙間からまだ解体されていないお店の名残りが見えます、それと火事の匂い。 一度だけお邪魔したことあるけど、なんとなく緊張して入った気持ちが吹き飛ぶような、活気のある親しみやすいお店でした。 一日も早い復活を祈りつつ頭を下げて靖国通りに戻り、両方の書泉を回りました。 まず秋葉原ブックタワーは ・ブラックジャック「指輪物語」のカラー表紙 ・煙草をくわえ、右手で銃を出そうとするかなり若い少佐(スピンオフ5ページイラスト) ・「魔弾の射手」9ページ目ののカラーで西ドイツ大使館付きのフリーデルと会う場面 ・「グッド・カンパニー」で部下Gを追ってきたバージルと眼力対決するモノクロページ(SO41ページ) ・BJ編(SO213ページと214ページ)でジェイムズ君のあのシーンの直前のところの計6枚 「魔弾の射手」と「イブの息子たち」と「ブラックジャック」が仲良く並んでる様はかなりシュールです。 こちらの原稿には鉛筆で台詞を手書きした上に印刷した台詞を貼りつけているのがわかります。 さらにBJ原稿の下にスピンオフやZ本が並んでると、その美しさに息を呑みます。 神保町ブックマートは4枚ですが、 ・「魔弾の射手」の表紙(手袋に手をかけてるイラスト)と目次の次のページ(SOの表紙) ・イブの3人と少佐と伯爵、ティリアンが記念写真みたいに並んでるイラスト ・「魔弾の射手」で少佐がオレグを射殺し、去って行く場面(SO179ページ)、「おれをハメた男の登場だー」の場面(180ページ)の2枚 枚数は少ないですが、統一感があって私は神保町をじっくり見ました。 両方見に行く余裕がなくて、「魔弾の射手」好きな方は神保町にどうぞ。 神保町店、特筆すべきはポップです。 ライフルを撃った瞬間のサングラス少佐の有名なカットを背景に、「春だ!少佐祭りだ!エロイカフェアだ!!」に始まり、「(見に行かないと)アラスカ送りにされちゃうかも!」だったかな?の煽り文! イラストの選び方といい宣伝文句といい、少佐好きじゃないと作れないポップですね。 店員さんに少佐好きがいると見た。 そしてスピンオフですが、イブ関係の2作品は1度か2度しか読んだことないのでとても新鮮。 部下Gがあーなのは少佐のせいじゃない、とかバージルがあーなったのも少佐のせいじゃないとかいちいち突っ込みいれながら読むのが楽しい。 私は青池先生ファンといえども「エロイカより愛をこめて」しか持っていない少佐オンリーファンなので、イブの少佐は良かったです。 逆にBJは発売当時、ジェイムズ君のあまりの暴走に「青池保子」を知らない「手塚治虫あるいはBJファン」が読んだらドン引きするんじゃと心配した記憶が蘇り、しかも「魔弾の射手」の次に掲載の流れにかなり複雑。 申し訳ないですが、絵の激変もかなり気になる人なので。 嬉しかったのは「魔弾の射手」発表時に掲載された予告の数々。 少佐の全盛期を知らない私には初めて見るものばかりで、青池先生の自画像?も若々しくて可愛いし。 「魔弾の射手」に登場しない伯爵とZのコメントにも笑いました。 あと私はインタビューが載ると勘違いしてたのですが、あったのは少佐や作品に関する解説2ページのみ、ちょっと残念。 (2013年4月19日の日記)
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3月29日 少佐、「あの刑事」と再会?〜「聖ヨハネの帰還」感想 2 |
最初に青池先生公式サイト「LAND HAUS」からエロイカフェアの情報を。 4月16日(火)〜5月15日(水)まで、「鉄のクラウス〜スピンオフ〜」発売を記念して、エロイカ関連本フェアが神保町・書泉ブックマート2階/秋葉原・書泉ブックマート7階で開催されます。 内容は関連書籍フェア・複製原画の展示・お試し読みなどです。 同じ物を順番にやるのか、同時開催なのか詳細はまだわかりませんが、期間が長いのでこれは行けそう、楽しみです。 スピンオフ、「魔弾の射手」の表紙がカバーに使われてるのが最高に嬉しいです。 さて、前回宝石を盗むために、とある宝石店に入ったエロイカ女装3人組が他の女装強盗と遭遇したところまで(一人は男性)。 伯爵たちと絡むところに陰謀の気配を感じたが、実際は軽くて間抜けな3人組だった。 ジェイムズ君の宝石(ではないのだが)を取り上げたばかりに追い回される羽目になり、宝石はぶちまけ、結局捕まるお笑い展開。 ただし彼らが持っていた小銃が少佐につながる気配が・・・。 「・・・あの銃安全装置がかかってます」 「深追いはやめるんだ小間使い!」 「(銃を取り上げて)危ない物は片づけましょうね」 「強盗が持っていた小銃はロシア製のAK47でしたよ」 伯爵とジェイムズ君の派手さに隠れているけれど、ボーナム君もかっこいい。 そして宝石店の監視カメラにより、部下GとZが伯爵たちが騒ぎを起こしたことを知る。 「まだこの段階で少佐を煩わせる必要はないと思います」成長したねえ、Z(感涙)。 「(自分と伯爵の女装がばれないのは)本物の輝きよ あたしたち格が違うの」Gのどこから来るのかこ自信(笑)。 まだ本筋に入らないせいか、キャラが生き生き、個性が際立っていて楽しい。 この事件のおかげで見つかった1万丁のロシア製小銃のニュースは当然ボンの少佐に知らされる。 少佐たちの任務はNATO加盟国の東欧からの武器流出ルートを突き止め、元締めである旧ソ連軍上がりの武器商人を捕らえること。 伯爵の存在に気づいていないだけに、シリアス少佐が大爆発、いいなあ。 ここで思ったんだけど、万が一「エロイカより愛をこめて」が映画化舞台化したら少佐役の人は台詞覚えるの大変そうだ。 少佐は懐かしの棺桶刑事フランコ・ジュリアーニの左遷を確認してから出発。 でも絶対出くわすに違と思ったら早速・・・。 映画や本で「天使と悪魔」に燃えたけど、ちょうど舞台がイタリアローマ、青池先生の「聖テレサの法悦」は、大きく描いて着色してイラスト集に掲載して欲しい。 少佐のイタリア到着で当然伯爵のことがばれたと思ったら今度はミーシャ、どれだけ集まるんだあ!でも嬉しい♪ 感想はここまでにして、先日コンクラーベがまた行われたことについて。 前回ヨハネ・パウロ2世が亡くなってベネディクト16世がコンクラーベにより第265代教皇に選出された時、初めて「コンクラーベ」という言葉を知った。 青池先生は日記に一連の流れと感動を記していたし、前回は大きなニュースとなったので私もかなり関心を持って見ていたように思う。 恥ずかしながら、その選出の仕方があまりに大変そうで、「根比べだなあ」と思っていたところ、何かのニュースで解説者が「日本語の根比べはここから来たんですよ」と言ったのを信じてしまった記憶がある。 すぐに「冗談ですよ。」と言っていたが、それにしてもおもしろい、偶然なんだろうなあ。 2005年(平成17年)か、もう6年になるのか。 でもローマ教皇関連の記事を見るたびに「エロイカー」を思い出し、今回もジュリアーニ刑事に「あの事件」を懐かしく?思い出した。 (2013年3月29日の日記)
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3月4日 少佐こわもてに戻る〜「聖ヨハネの帰還」感想 1 |
今回は「聖ヨハネの帰還」か、と思いつつ読み始めて驚いた。 「聖ヨハネの帰還」はコミック35巻の途中から始まり、39巻まで続く、そう最新刊。 感想がコミックに追いついたんだ・・・。 そう思うと感慨深い。 しかも今回の話は難しい政治絡みが少なく、読みやすいしおもしろいので感想もはかどりそう。 (政治絡みの話も勉強になるしおもしろいが、まず背景を理解するところから始めなければならないので、単純に楽しむことが難しい。) 会話に「CHANGE!」が出てくるあたり、あの頃に描かれたエピソードかと懐かしく思ったり、意外とねちっこいA君の愚痴や、目を開けたまま卒倒しそうになる少佐や、ゴミに指示できる(笑)ジェイムズ君とゴミの絆に感動したり。 B君の解説がわかりやすいことにも感動。 B君は感性で生きるタイプ?で理屈っぽくないから。 でもそばにいたらどうだろ・・・、う〜ん・・・。 さて、今回メインになるのはタイトル通り聖ヨハネのモザイク絵画。 闇のネットオークションなるものでそれを見つけた伯爵が興味を示すところから話が始まる。 伯爵が「デイシス」と言っているが、トルコの「アヤソフィア」に伯爵が見ている「デイシス(ーやはりどの「デイシス」を見てもの所)」があったが、残念ながらサイトには掲載されていなかった。 画像検索でいくつか見つけたが、やはり生で見なければその美しさはわからないだろうな。 そのモザイク絵画の聖ヨハネが美青年でしかも一般的な物と反対向きなことが気になる伯爵は、その道の権威に聞きに行く。 あっさりかわされ(美術愛好家を引き寄せるために左右反転に加工したと言われる)、愕然とする伯爵。 ただこの辺はちょっと苦しい。 左右反転した物だとしても、元の絵、しかも伯爵の目に留まるほど素晴らしい物があるはず。 伯爵ともあろう人が、それに気づかないのはおかしいと思う。 結果的に伯爵の失敗のおかげで怪しい2人が動き出し、なんやかんやと少佐も巻き込まれて行くのだが、今回のスペシャルゲスト?がここで登場。 愛すべきボロボロンテ。 昔の青池先生の公式サイトで人気投票があった頃は、ボロボロンテ及びボロボロンテ部屋の皆さんのあまりの濃さ熱さについて行けず、むしろ苦手なキャラだったが、今は大好き。 年取ってボロボロンテの良さがわかって来たのか(笑)。 怖い人だけど、義と友情に厚いし、何よりも人を見る目がある。 少佐に邪険にされても動じないところなど、実は大物なんだと思わせる。 実際いたら怖いけど、と私はジェイムズ君の心境です。 ところが「いつもの」女装をして盗みに入ろうとした宝石店で、他の女装強盗に遭遇してしまい、というところで35巻は終了。 この女装強盗が普通の強盗なのか、もしくはヨハネ絡みで出て来たのか、もしくは・・・。 ここで終わった時はジタバタしながら36巻待ち続けた思い出が。 なんせ月刊だからコミック出るまでが長かった・・・。 (2013年3月4日の日記)
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2月5日 少佐と普通の日本人〜「古城販売作戦」感想 |
やっと「エロイカより愛をこめて」にも普通のアジア人、普通の日本人が出てくれた・・・と感慨深い。 ユニクロ大好きなイトーさん、実はマダムの押し付けにも負けない大和男子、凄くいい。 変に濃いキャラにするよりずっといい。 だって周りがひたすら濃いんだもの(笑)。 さて今回の番外編。 タイトル読んだ時は、少佐のお城が売りに出されて(少佐の知らないところで)、それをサバーハが買おうとし、それを阻止する少佐との死闘?が描かれるんだろうと勝手に想像した。 でもそれだと「古城販売阻止作戦」か。 驚きのミレーヌ夫人がまたまた登場。 先生に愛されてるなあ、女性なのに(笑)。 でも私も大好きだから、これは嬉しい。 出るたびに鼻の伸びるピノキオみたいなミレーヌ夫人。 少佐も顔は長くなったが性格は丸くなったなあとこういうエピソード読んでるとつくづく思う。 初期の少佐はもっとシリアスで、任務外で伯爵を利用しようとか絶対思わなかっただろう。 と思ったのは、先日ご飯食べに行ったレストランで「魔弾の射手」が流れていたから。 帰って来て早速エロイカ版「魔弾の射手」を読んだ。 トータルで言うなら私が一番好きなのはこの時期の少佐、この時期の物語。 イトーさんって誰かモデルがいるのかな?と思ってWikipediaで「いとう」の姓がつく画家を調べてみたけど、見つけることができなかった。 もしかしたら若手の現代画家でいるのかもしれないけど、なぜ「イトー」なのか、気になる気になる(笑)。 ネーム考えてる時ヨーカドーの前通ったとか・・・。 伯爵の評価は「お行儀のいい好青年」でストレート。 でも筆を加えて伯爵の絵を描くイトーさんの顔は精悍で好感度高い。 今後も極端にデフォルメしなくてもいいから、グローバルに活躍する日本人を出して、日本のエロイカファンを元気にしてほしい。 今回のベストカットはコミック35巻の76〜77ページ。 本筋には全然関係ないけど、執事さんとボーナム君のほのぼのティータイム。 おいしそうなケーキと薫り高い(と見える)紅茶。 「いつもすみませんね 執事さん」のボーナム君の台詞に激しくジェラシー(笑)。 でもボーナム君はその待遇に見合ったお仕事してるんだよなあ、城壁の手入れに家事のお手伝い。 万能君がうらやましい。 私も少佐家のメイドになれるような万能人間だったらいいのにな。 あっ、もうメイドは無理か、じゃあ家政婦で。 (2013年2月5日の日記)
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1月6日 少佐になりたい〜「聖夜の善き訪問者たち」感想 |
昔は少佐のような人と結婚したいと思っていたけれど、今は少佐になりたいと切実に思う(笑)。 「休暇中は屋敷の手入れをするチャンスだ」 「冬休み中はうちの大掃除をするチャンスだ) 「今夜は補修計画の工程表を作ろう〜♪」 (今夜は大掃除の計画表を作ろう) 「台所と浴室を磨き上げて居心地よくしよう〜?」 (何が何でも大掃除せねば・・・(涙) 「あの人は他人の家でも秩序の乱れが許せないんでしょうね(byボーナム君)」 (やらなきゃならないけど、やる前から嫌になってくる・・・(現実逃避・・・) 素晴らしいじゃないか、あっボーナム君でもいいな。 派手じゃないけど家事のプロ、少佐にさえ認められ、執事さんとほのぼのティータイム。 結局いやだいやだと思いつつ、なんとか最低限の掃除はしたけど、少佐みたいなルンルン気分にはとてもなれない。 こんなことしか書くことないほど、今回の話は単純におもしろい。 自分がまるでロレンスになった気分(笑)。 ロレンスってこれまでは少佐の障害物としか思ったことないけど、今回ばかりは同情したよ、心から。 謎のメリンダとミスター・Lと少佐のお父さんとの驚異の遭遇も見たかったけど、お父さんがミスター・Lをそれなりに認めてくれたのは嬉しかった。 ミスター・Lの方はそれどころじゃなさげだったけど、体格はともかくひとかどの人物ではあるのね。 この後伯爵の城まで大掃除してのけた少佐、うちにも来てくれないかなあ。 でも掃除以前に私の「宝物(アニメやゲームのグッズとか漫画とか・・・)全部捨てられそう・・・。 掃除の手を止めて「エロイカより愛をこめて」なんか読み始めたらおもしろいけど(笑)。 もう過ぎちゃったけどクリスマス。 教会には行かないけれど、とっても楽しいクリスマス。 少佐にも青池先生にも楽しいことがありますように。 (2013年1月6日の日記)
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12月15日 みんなで変装三昧 〜「ケルティック・スパイラル」感想4 |
勝手なまねをしたがる泥棒と一匹狼を追っ払わずに2人束ねて管理し始めた少佐。 「そこそこ有能な彼らを使わん手はない」の一言が、かっこいい。 少佐も大人になったなあなんてしみじみ感じたりして(笑)。 今回新鮮なのが、味方についたQの活躍。 ドタバタしてても、持ってる雰囲気が静かなので、34巻全体が物静かに展開するのがおかしい。 少佐と伯爵がいつもの掛け合いやってても、Qが加わると静かになるし。 それだけにQが退場したのは寂しい。 ところでケルトに関してはあまり関心がなく、当然知識もなかったので(たぶん少佐並み)、この「ケルティック・スパイラル」はとても勉強になった。 知識のない少佐を補う役が伯爵で、私も真剣に読んでると、肝心のシリウスが頭の中から消えてしまう。 少佐と伯爵とQが勢ぞろいした前では、やっぱりどうにも分が悪いというか、存在感が薄い。 シリウスももっと少佐並みに肉体労働で前面に押し出してくれればもっと目立ったのにと思うと残念。 「行方不明になった後 山中に埋められた」 「行方不明になった後 ライン川に沈められた」 「行方不明になった後 廃墟の古井戸に沈められた」 と噂の3コンボが一番おもしろかったという・・・。 精悍な顔つきで、Qにも負けないだけに本当にもったいなかった。 他に今回おもしろかったのは(ストーリー以外におもしろいとこ多かったな)、少佐(ごろつき)、伯爵(おばさん=いつものこと)、Q(うらぶれた中年?)と変装3人組。 普段のQよりこっちの方がずっとかっこいいように見えたのは私だけだろうか? そしておまけの番外編。 青池漫画に魅力的な女性って意外と少ないけど(決していないわけじゃないけど、エロイカには少ない)、この妄想マダム、だ〜い好き(笑)。 全読者の妄想を口に出してくれる妄想マダムに、彼女に仕えるプロ集団。 少佐と伯爵のケルト的?魅力を存分に引き出してくれた。 今回は少佐と執事のなにげないけどいい場面も多く、執事さん大好きな私としては嬉しかった。 (2012年12月15日の日記)
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11月2日 「エロイカより愛をこめて 35周年メモリアルブック」感想 |
私は「エロイカより愛をこめて」を知ったのが少佐人気も一段落した頃なので、プリンセスの表紙で「エロイカ〜」を見た記憶がない。 さらに現在に至るまでコミック派なので、冒頭の表紙&カラーページ特集は初めて見るものが多く、新鮮で嬉しかった。 これだけでも買った価値あり。 なぜコミック派かというと、エロイカはギャグコメディと見せかけて、実は少佐の任務の背景にある社会情勢が複雑で難しく、細切れに読んでいると全く話が理解できなかったから。 少佐の活躍だけ楽しむ分にはそれでもかまわなかったが、それではいかにも悔しいのでコミック一筋になった。 漫画はそれほど読む方ではないが(と思うが)、エロイカは私が読んでいる中でも岡野玲子著「陰陽師」と並んで「難しい漫画」の筆頭にあげられる。 こうして絵の変遷を見て行くと、「皇帝円舞曲」この大ブランクの間に絵が激変したのではなく、少しずつキャラの顔が変わっていく様があらためてわかって興味深い。 前にも書いた記憶があるが、私が一番好きな絵は「9月の7日間」前後、比較的初期の作品の絵が好き。 可愛すぎず、ごつすぎず、ちょっと若めの少佐がいい。 カラーページで特に好きな絵の1枚が30ページの飛行機をバックにサングラスの少佐が立っているイラスト。 「LAND HAUS」で知らされた、10月1日に亡くなったメカニック・アシスタントの黒葉鉄氏の手による飛行機の1枚なのだろうか。 エロイカにおける戦車や軍艦などの精密な絵は、少女漫画の域を超えて圧倒させられることが多かったから、とても残念に思う。 黒葉氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 次の作品紹介に続いて圧巻なのが、カードゲーム形式で紹介されるキャラ図。 カードにそれぞれ技や仕掛けを持たせているが、これはカードゲームが本当に出る布石かも? 出て欲しい、カラーで(笑)。 名前を書かなくてもすぐわかる「ラテン気質」「小姑気質」「乙女心」「永遠のぺーぺー」「おもらいさん」など説明不要!の特質でそれぞれのキャラを切り取っているのも楽しい。 これ、クイズにしてもおもしろいんじゃないかな? 「陰のハイテク担当」と言えば?答えは懐かしの「ジョン・ポール」みたいに。 次は他の漫画家がエロイカに寄せるトリビュートイラスト。 ほとんど知らない面々だったけど(すみません・・・)、エロイカキャラに似せる気のある人はあまりおらず、それぞれのタッチで描いているのが楽しくて、特に「金田一少年の事件簿」のさとうふみや先生が出てるのには驚いた。 あとのだめ化している少佐(二ノ宮知子先生)や魔夜峰央先生のパタベルバッハには絶句・・・。 そして最後のイラストは和田慎二先生。 「風の噂で、だんだんジェイムズ君に似てきたそうで、お会いする日が楽しみです」のメッセージに、「ボニータ」に掲載された青池先生の追悼イラストとメッセージが蘇る。 生前の和田先生と青池先生がお会いする機会はあったのだろうか。 と思ったら143ページに和田先生の漫画とトークが! 青池先生はジェイムズ君じゃなくて少佐に似ているらしい(笑)。 私もサイン会などで何度か青池先生に畏れ多くも近づいているが、少佐に似ているのは髪型だけだと思います(笑)。 漫画とセットのエッセイは、日々修羅の道を究める漫画家としての姿と、好きな対象に対する飽くなき好奇心、その対象のバラエティに溢れつつも格調高いことなどにひたすら驚く。 新人まんが賞募集用まんがに関しては、よくも青池先生にこんなことさせたな、と別の意味で絶句。 何にしても凝る性格なんでしょうねえ。 さらにグッズのオンパレードにも絶句。 私にとって少佐とはシールになったりペンになったりする存在ではないのだが、それにしても図書カードやカセットレーベルに時代を感じる。 復刻して売り出してくれれば半分は買いそうな自分が怖い。 最後のインタビューは、全てのコメントを暗記しておきたいほど読みごたえあり。 少佐が中佐になって終了する予定だった話などドキッとする部分もあったが、青池先生にはお身体を大切に、でも「エロイカより愛をこめて」は永遠に描き続けて頂きたいと思う。 (2012年11月2日の日記)
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