お気に入り資料室(十二国記関連)

「十二国記」(小野不由美・講談社文庫)

古代中国をイメージした十二の国の壮大なファンタジー。山田章博氏の素晴らしい絵が入った講談社X文庫―ホワイトハート版もありますが、できれば絵なしの講談社文庫版から読んで頂きたいと思います。どんなに想像を膨らませても追いつかないストーリー、風景描写、そしてキャラの魅力があふれています。それから山田氏の挿絵を見ると、今度はその美しさに堪能できます。登場人物の弱さ、醜さには自分を顧みていたたまれなくなることもありますが、そこを我慢して乗り越えれば、成長した陽子や祥瓊、鈴に同化してしまうこと間違いなしです。特に好きなのは「黄昏の岸 暁の天」と「図南の翼」。
「yom yom (ヨムヨム) 2008年 3月号」(新潮社)

6年半ぶりの「十二国記」シリーズ最新作「丕緒(ひしょ)の鳥」が掲載されている新潮社発行の文芸誌です。
今まで語られなかった歴史、今まで語られなかった人物、今まで語られなかった事柄について今回新たに語られます。
初登場が多いだけに、説明にかなりページ数が費やされますが、大きなクライマックスをあえて持たせず、すっきりした余韻と共に読み終えることができました。
景王陽子は彼の心を知らず、けれど王として、人として彼の心を捉えます。
同時に心ある者には心ある者の想いは伝わるんだなあとしみじみ思いました。

特に最後の2ページ、淡々とした描写の中に、胸にじわりと迫るものを感じることができました、見事です。
久しぶりのせいか、登場人物に過去の登場人物との共通性が感じられたところも興味深かったです。
この国でこの時期のエピソードをさらに追加?と最初は驚いたのですが、「十二国記」という物語はいつの時代、誰の話でも無限にエピソードを追加できるんだなあと思いました。
「十二国記」(小野不由美・ホワイトハート文庫)

絵がない方の「十二国記」シリーズを読み終えたら、次に楽しんで欲しいのが山田章博さんの美しい表紙と挿絵がついたホワイトハート文庫版。
まだアニメに登場しない頑丘や廉王も登場、尚隆や驍宗もアニメとはまた違った柔らかい雰囲気です。
山田さんは汕子が好きなのか、限られた挿絵数の中の汕子の登場回数の多さには驚きました。
「アニメ十二国記」(小野不由美・ポニーキャニオン)

杉本の「主役は私!」な展開に度肝を抜かれることから始まる壮大なアニメ。
脚本集を読み合わせながら、かなりの忍耐を強いられながら見ていくうちに、いつの間にか「アニメはアニメでこれでいいや。」状態になります。
文章だけではなかなか想像できない十二の国の風景や生活様式などもとても勉強になりました。
なぜか1人2役3役の使い回し声優さんが多いのも特徴か?
探してみるのも楽しいです(達姐と碧霞玄君とか芥瑚と李斎とか)。
DVDのジャケットに山田さんの原画が使われているのも嬉しい仕様、特に「十二国記 風の万里 黎明の空」3巻の桓魋と祥瓊は鳥肌ものでした(笑)。
「山海経―中国古代の神話世界」(高馬三良・平凡社)

「十二国記」に登場する使令や妖魔の原形を見ることができます。騶虞などアニメのかっこいい騶虞を見慣れた目には、とても可愛く見えたり(笑)。その性質なども「十二国記」においてうまく生かされており、今後どんな使令や妖魔が出るかなあと自分で選んでみるのも楽しいです。(「山海経」に見る「十二国記用語」参照)。
「三星堆・中国古代文明の謎―史実としての『山海経』」(徐 朝龍 ・大修館書店)

中国四川省の三星堆村からの出土品から、これまで架空の産物と見られていた「山海経」の世界を史実として明らかにしていく本。おもしろいのは「饕餮文(紋)」なんて言葉が飛び出してくること。秋田県の秋田魁新報からこの「饕餮文(紋)」に関する資料を見つけることができました。他にも「アツ窳、祝融、西王母、崑崙」などという言葉がイラストと共にぽんぽん出てきます。この本によると、劉備の蜀(成都)のそばに三星堆村があり、そこから「山海経」に関する出土品が出てきたことになっていることから、「崑崙山」の場所まで位置づけています。「十二国記」から「山海経」に流れてきた人は楽しめることうけあいです。。
「死者の棲む楽園―古代中国の死生観」(伊藤清司・角川書店)

「十二国記」だけではなく、犬夜叉映画「紅蓮の蓬莱島」や「竹取物語」、ゲーム「三國志IX」や「監獄島のわらべ唄」にまで広がる不老不死、蓬莱思想、西王母などのテーマを取り上げ、中国古代思想の流れを綴ってある本。これらの思想がいかにして日本に渡り、どのように日本文化に溶け込んでいったか、考えるのもおもしろいです。なんか難しそうですけど、あまりにも自分に身近なテーマなので驚くほどです。泰麒がらみで「蒿里」の歌詞までついています(笑)。同じ挽歌でも、「蒿里」は下級役人や庶民の野辺送りの時に柩をひく者たちに歌わせた歌、王侯貴族の場合は「薤露(かいろ)」だったそうです。これも漢の武帝の時代に定められたとか、親しみを感じてしまう人ですねえ。
「十二国記 赫々たる王道 紅緑の羽化」(コナミ)

「十二国記」ゲーム第2弾。「風の万里 黎明の空」をモチーフにしたストーリーになっています。陽子が王としてどう苦しんだか、原作ではあまり具体的に描写されていませんでしたが、ゲームではオリジナルや原作に沿った課題を陽子がひとつひとつ解決していきます。常世から迷い込んできた飛行機を始末したり、カップラーメンを拾ったりと原作ではありえない設定も楽しいです。攻略ガイドは出ていませんが、「公式サイト 」に迷路のマップがついています。これがないと迷って大変です。資料的な価値も高く、特典のポスター(公式サイトトップページの絵)や楽俊ストラップが最高です(笑)。ちなみに第1弾「月の影 影の海」をモチーフにした「紅蓮の標 黄塵の路」はおもしろさの点で私的にはいまいちでした。
「十二国記アニメ脚本集」(会川昇・講談社)

脚本を担当された会川氏の説明とも言い訳ともとれる本。けれども厳しいファンの目と、アニメとしての制限の狭間で苦悩しながら、あるいは楽しみながら作品に取り組む姿勢と裏側を知ることができたという上で評価は高いです。これがなければオリジナルキャラの浅野と杉本は受け入れ難いものがあったのではないでしょうか。アニメにいろいろ不満はありましたが、梁邦彦氏、有坂美香さんの素晴らしい音楽に出会えただけでも満足です。是非続編もアニメ化して欲しいです。願わくば「犬夜叉」も宣伝やグッズばかりでなく、こういった資料をもっと出して欲しかったなあ。

「十二国記カレンダー」
「十二国記カレンダー」(山田章博・講談社)

漫画やアニメ系のカレンダーは、部屋に飾っておくのが恥ずかしい絵が多いのですが、「十二国記」はインテリアとしても完璧です。飾る分と保存用と必ず2つ買います。上が輪っかになっていて(笑)、切り取らずにすむのも嬉しいです。
「大漢和辞典」
「大漢和辞典」(諸橋轍次・東洋学術研究所)

「十二国記」用語の意味を知るのに最適な辞典。桓魋、班渠、嘉祥華朶他調べれば調べるほど深い意味が込められたネーミングに感心させられます。「山海経」の妖魔関係と同様、今度どんな名前が出てくるかなあ、女性名はこれがいいなあ、廉麟の字(あざな)はこれがぴったりとか、読み始めると半日があっという間に過ぎます。(お昼ご飯はさすがに食べたい、笑)。(漢和辞典に見る「十二国記」用語参照)


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