お気に入り資料室(三国志編)

秘本三国志 (2) (文春文庫 (150‐7))
「秘本三国志」(陳 舜臣)

これまで読んだ「三国志」の中で一番人物が等身大と言うかその辺にいそうな感じに書かれています。
現代でもいますよね、普通な中で凄い人。
決して聖人君子でも極悪ばかりの人ではなく、みんなが俗っぽく、でもどこかがきらめいているような。
五斗米道など他ではあまり取り上げられなかった視点から見渡しているので客観的なところも好感が持てます。
これも王道三国志を読んでから読むのがお勧めです。
三国志」(吉川英治・講談社)

「三国志」の王道。蜀びいきの「三国志演義」を基にしながらも魏や呉に対しても公平な見方をしているところがとても好感が持てます。豊熟なワインではなく葡萄酒というような古風な表現がとても似合う本。劉備、曹操、孫堅、関羽、張飛、趙雲、諸葛亮、悪役でさえも魅力的で、スケールの大きな中国古代絵巻です。漢字が多くて苦手だなあと思う方は横山光輝版の漫画から入るのもお勧めです。
三国志」(宮城谷昌光・文藝春秋)

ハードカバーでありながら、2巻の100ページを過ぎてやっと曹操や劉備、孫堅が出てきます。「三国志」以前の中国をここまで丁寧に描いてくれると資料的にも物語としても本当に楽しめます。まだ3巻までしか出ていませんが、続刊が待ち遠しいです。これだけ読み応えがあるとすごい長丁場になりそうではありますが。
三国志」(北方謙三・角川春樹事務所)

正史を基にした北方版三国志。歯切れのよい文体で全ての登場人物が男くさい魅力にあふれています。特に趙雲好きにはたまりません。ハードボイルド作家の描く「三国志」は硬質な歴史小説。ただし初めて読む三国志小説としては、桃園の誓いも貂蝉も出てこないので、戸惑うかも。まずは吉川版など演義を基にした「三国志」を読んでからの方が比較の楽しみが味わえます。
興亡三国志」(三好徹・集英社文庫)

さらりと乾いて構えたところのない文章、そのくせ心の奥底には熱いものを秘め、そんな三好版「三国志」は非常にに読みやすいです。初めて「三国志」を読む方で、作家にこだわりがなければ一番とっつきやすい「三国志」だと思います。たくさんの作家が書いたそれぞれの「三国志」、読み比べてみると、その特徴の全てが凝縮していると言わざるをえません。そこが「三国志」読み比べのおもしろさです。吉川版があまりに有名なために目立たない部分もありますが、とりあえず1冊読むならこれかもです。
英雄三国志」(柴田錬三郎・集英社)

柴田錬三郎は大好きな作家ですが、「英雄三国志」も四の五の言わず、素直に読める本。吉川版や池波版(真田幸村)と比べて馥郁たる、といった感じはありませんが、それだけすんなり読めます。時代小説を書くために生まれてきたような、との賞賛の言葉が最も似合う作家の一人ではないでしょうか。
完訳 三国志」(小川環樹・岩波書店)

個人的には「演義」を最もストレートに訳した本だと思います。古風な文章、岩波文庫といういかにも固そうな?見栄え、それでいておもしろい。小説というよりは歴史の教科書を読んでいるような、それもとてもおもしろくてわかりやすい教科書を読んでいるような気持ちになります。
呉・三国志 長江燃ゆ」(伴野朗・集英社文庫)

作家自身が表面に出過ぎるきらいはありますが、それを気にしなければとてもおもしろい本。「三国志」でありながら、オリジナルの登場人物、オリジナルのストーリーを加えて呉独自の全く別の物語に仕上がっています。特に孫堅、孫策親子の豪快な魅力と周瑜の才知が全開。ともすれば諸葛亮の引き立て役になってしまう周瑜ですが、本当はこんな素敵な人なんだと瞠目。オリジナルキャラも地に足がついていて浮いてないのがいいです。呉ファンでなくてもお勧めですが、「三国志」を読もうとする方にはこのオリジナル要素は邪魔かも。やはり直訳に近いものを読んでから読み比べるのがいいと思います。
呉書 三国志」(斉藤洋・講談社)

子供向けの「三国志(呉)」ですが、ストーリーを忠実に捉え、戦いの場面、死の場面にも目を背けません。無数の漢字や難解な文章に惑わされずにストーリーを把握するにはちょうどいい本。子供用だと思って馬鹿にしてはいけません。わずか170ページ足らず×3冊の中に孫堅・孫策・孫権の全てが詰まっています。特筆すべきは挿絵が「ルパン三世」などで御馴染みのモンキー・パンチ氏。子供ルパンみたいな孫策や、子供五右衛門みたいな周瑜が可愛いです。他にも銭形警部もどきの人などいろいろ出てきます(笑)。残念ながらアマゾンでは全て在庫切れなので、図書館などで探してみたらいいかも。

週刊ビジュアル三国志
週刊ビジュアル三国志」(世界文化社)

「三国志」を知り尽くした人には物足りないかもしれませんが、初心者には三国志に登場する場所や建物の美しい写真、取材者が実際に中国の地を歩いてみての印象や感想、当時の時代考証、わかりやすい解説などとてもありがたかったです。ただ漫画はいらなかった気もします。
「真・三国無双」シリーズ(コーエー)

「三国志」を基にした爽快アクションゲーム。これにハマって「三国志」を読み返すことになったという意味でも無双に感謝。キャラのビジュアルとしての美しさ、高度なゲーム性にまずは驚き、かっこ良すぎの趙雲に惚れ込みました。3では史実と関係ないフリーモードがとてもおもしろいです。全武将が全てのイベントに参加できるので、長坂で阿斗を助ける曹操、黄忠をからかう黄忠、趙雲に一騎打ちを迫る趙雲など雑多なイベントが楽しめます。話のおもしろさなら3、ゲームとしての爽快感なら4がお勧め。3の「Empires」では全ての武将が中国統一に挑めます。エンディングでパラパラ踊るむさくるしい者共が笑えます。公式サイトはこちら
「三國志」シリーズ(コーエー)

こちらは歴史シュミレーションゲーム。実際に自分が劉備や曹操、呂布などになって内政を行い、攻め込まれれば戦い、赤字に頭を抱え(笑)、中国統一を目指します。私が遊んでいるのはIXだけですが、それでも600人余りの武将が全て顔も性格も史実に忠実に作られ、100人作れるオリジナル武将も多種多様です。意外に歴史の勉強になったりします、言い訳?公式サイトはこちら。ただし現在は第10シリーズまで出ているようです。
「蒼天航路」(王欣太・講談社)

これまでの「三国志」のイメージをぶち壊してくれた快心作。これまで悪とされてきた曹操の視点から「三国志」を捉え、善や悪に囚われないスケールの大きな歴史絵巻となっています。曹操以外のキャラも個性的で他作品ではあまり目立たなかった人物も生き生きと描かれています。 ただ私にとって不思議なことは主役である曹操よりも曹操以外の全てのキャラに魅力を感じること。 曹操はあまりに完璧過ぎて共感や思い入れといった感情が持てないのかもしれません。

「資料室」へもどる

「戦国&三国志」へもどる

「日暮の森」へもどる

ホームへもどる