第8話 最後の夜


決戦控えた最後の夜(よ)
風澄み渡り さえざえと
静謐のみが支配する

焚き火のそばに寄り添いて
笛吹く娘の愛らしさ
若き法師は笑み隠す

邪(よこしま)見抜く力ゆえ
あまりに辛い業背負い
孤独に闘い抜く運命(さだめ)

殺生さえも厭えずに
疲れ果てた闇の旅路で
終(つい)に出会えた愛しき娘

若き法師の眼差しに
娘は頬染め優しく微笑む
高雅な笛の音闇夜に響く

苦楽を共に生き抜くか、
峻烈なる死を遂げるのか
わからぬままに目を閉じる

とうとう最後の夜は明けて
猛々しき眼の退治屋が
昇竜の如き意思持ちて
朝日の中に蘇る

法師の胸で蘇る




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「最後の夜」は日参していたさえさんの「楽杏庵」7000HHITのお祝いに贈らせていただいたものです。

前にさえさんが描かれた「笛」の絵が印象に残っていて書き始めたんですが、ちょっとだけ遊んでみました。
さえさんの好きなキャラ「邪見、刀々斎、猛々、尚隆(十二国記)、楽俊(十二国記)、殺生丸(丸なしですが・・・)、さえ」の言葉に、ずうずうしくも「えむ、鋼牙」を組み入れて作ったんです。
字が違っていたり、離れたりしていますけど、おわかりでしょうか?(笑)

奈落との最終決戦を控えた最後の夜を2人だけで過ごす弥勒と珊瑚です。
明日は生きるか死ぬかわからない、そんな刹那的な想いとそんな時だからこそあえて笛を奏でる心境を表現してみました。

さえさんより承諾をいただいて、さえさんの描かれた絵も一緒にUPすることができました。
雰囲気のある本当に素敵な絵です。
ご堪能ください。

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