犬夜叉考察 28
5月1日きみはNo.1
令和を迎えて最初の更新は、久々の「犬夜叉考察日記など」にて。
「ビックコミックオリジナル」2019年5月5日号「高橋留美子劇場」。

このとんがった社会において、このテーマを取り上げて、ここまでほのぼの描ける作者は本当に稀有なんじゃないかと思います。
一番心地良いのが、主人公がこの仕事において、ほとんど影響を受けていないように描かれている点。
本当はそうじゃないんだろうし、そこに斬り込む作品は多々あれど、高橋さんは癒しの場にして「くれました」。
「犬夜叉」に夢中になってた頃は、「高橋留美子劇場」にはそれほど興味はなかったのですが(今頃告白)、このシリーズの良さは、年齢を重ねるごとに馴染んでいくのかもしれません。

それでいて全くの悪人もおらず、テーマをすり抜けてはいない、ちゃんと見据えて描いている。
1人でも多くの人に読んで欲しい作品です。
ただおもしろいなあと笑うだけでいいから、でもいつか身に染みるであろう話でもあります。

実は私の周りにも北川さんそっくりの人がいます(ビジュアルが)。
それほど親しいわけではありませんが緊張せずに話ができる、数少ない知り合いの1人。
もちろんその人の内面なご窺い知れるものではありませんが、少なくともこんなビジュアルは私は好きです(笑)。
昔から痩せてかっこいい人よりも、恰幅のいい人が好きでした。

神経質な性格なので、一緒にいて安心できる人がいいんですよね・・・。
と、話がそれたところで「高橋留美子劇場」単行本は今夏発売予定とか。
Wikipediaによると、単行本未収録は

・やましい出来事(2012年)
・私のスカイ(2013年)
・魔女とディナー(2014年)
・(秘) ルネッサンス(2015年)
・こんなはずでは(2016年)
・不定形ファミリー(2017年)
・ふたりの家(2018年)
・きみはNo.1(2019年)

6作ごとに収録されるそうなので、「不定形ファミリー」まででしょうか。
7年越しです(笑)。
もちろん掲載雑誌はとってありますが、「私のスカイ」以外はあらすじが思い出せないです。
早く読みたいなあ。

しばらく忙しくてほとんど更新できていませんでしたが、高橋さんの新連載も始まる事だし、気合を入れてがんばろうかな。
今後ともよろしくお願いします。

(2019年5月1日の日記)
9月19日 高橋留美子×野田サトルスペシャル対談(サンデー編)
高橋さんの対談はこれまでにも何度か読みました。
小池一夫さんには弟子として、また相手によって憧れの存在として、また対等の立場で等々。
でも今回は完全に高橋さんがファン側に立っての憧れ対談ですね。
高橋さんがいろいろ質問し、野田さんが答え、進行さんが必死で高橋さんに話を振るって感じが 微笑ましくておもしろかったです。
萩尾望都さんとの対談もこんな感じだったなあ・・・。

さて、申し訳ないのですが私は「ゴールデンカムイ」を読んだことがありません。
なのであくまでも高橋さん側の感想とさせて頂きます。
前半は「ゴールデンカムイ」の話がメインで、後半「MAO」の話が始まります。

高橋さんが「MAO」の舞台を大正時代に選んだ理由は、「サンデー編集長が大正時代が好きで勧めて来たから!」って チコちゃんが喋ってるみたいなことになってますが(笑)、編集長って「十勝ひとりぼっち農園」に出て来る人?
ここ笑うところじゃないのに、なぜか笑っちゃった。
大正時代が好きなんだ、あの編集長。
漫画だと顔もこわもて態度も怖い感じだけど、はいからさんとか読んでるのかな?

たしかに「MAO」は舞台が戦国でも明治でも江戸でも、いつの時代でも使える話だと思います。
まあ平成はりんねだったし、昭和は高橋さんの作品イメージそのものが昭和だからなあ。
早すぎるけど、次の作品は江戸か明治、幕末などで読んでみたい。

あと「調べたことを一度全部忘れて連載を!」は潔いなあ、びっくりしました。
まずキャラから入るってのもあるのかな?
摩緒と菜花、乙弥が決まる、そこに時代の知識と情報で肉付けしていく、そんな感じ?

いよいよ描く時に、「描くべきものはあの本にあったみたいな感じで進めています。」ってかっこいいなあ。
もう知識として高橋さんの脳内に整理されてる。
私だったら、まずその情報が載ってる本をさがす所から始めなきゃ、そして挫折が目に見える。

そして高橋さんの描くキャラクターにモデルはなく、あえて言うなら自分が今まで読んだ漫画の中のキャラクター、 憧れたりしたキャラクターを参考にしているのだそうです。
でもインタビューなどで高橋さんが語る作品は私が知らないものばかりなので、そういう意味で浮かんで来ないのが悔しいです。

「MAO」に関しては、菜花がどういう人かよくわからず、第1話のネームを4回くらい描き直して、ようやく青汁を飲むシーンが 浮かび、やっとこの子はこういう人だって感じたのだそうです。
それから「境界のRINNE」がお笑いなのでそう長くやらないつもりだったのに、結果的に40巻まで続いたというのが意外でした。
私としてはもっと続いても良かったんですけどね(笑)。

その後は高橋先生が好きな「ゴールデンカムイ」の鯉登(こいと)の話で盛り上がっていました。
後半は「週刊ヤングジャンプ」42号にて。
対談の全文を「サンデーうぇぶり」にて 18日から掲載されたようですよ。
未読の方は是非どうぞ。

あときのうの「ひとりごと」にも 書きましたが、BSNHKプレミアムで高橋さんの大特集が放映されます。

・「歴史秘話 るーみっくアニメヒストリア」
10月14日(月) [BSプレミアム] 午後4時10分〜午後5時00分

・「発表!全るーみっくアニメ大投票」
11月16日(土) [BSプレミアム] 午後6時30分〜午後10時00分

投票は「こちら」です。
(2019年9月19日の日記)
9月27日 高橋留美子×野田サトルスペシャル対談(ヤングジャンプ編)
スペシャル対談後半は「ゴールデンカムイ」連載中の「週刊ヤングジャンプ」にて。
漠然とした印象ですが、後半は高橋作品に関する話が多いような。
サンデーでは「ゴールデンカムイ」の、ヤングジャンプでは「MAO」の宣伝をするように配慮したのかもしれません。

私は高橋作品のギャグとシリアスのバランスが絶妙だと昔から思ってますが、後半はまずこの部分から始まります。
「ゴールデンカムイ」も同様のようで、緊迫場面から突然の悪ふざけに入る場面のおもしろさ。
それも整合性がとれていないと外してしまうので意外と難しいんかもしれません。
高橋さんはカチッと決めるとやりづらいので、「モヤっと考えてた方がいいんで そうすると意外と予定にないことを思いついたりして。」と語っています。

スランプはない、というより「諦めずにがんばる」のだそうです。
つまらないネームを描いたら原稿段階で手が止まってしまう。
それがわかってるから、とりあえずネームでがんばって、原稿段階でもっと面白いことを思いついたらそっちへ変更する。
「もう二度と読みたくないものを描くって、すごく辛いじゃないですか。」という言葉がとても印象に残りました。

あとシリアスな漫画を描く時はボケないようにしていて、「MAO」もかなり抑えているそうです。
昔、「らんま1/2」ですごく悲しいシーンを描いているつもりだったのに、大笑いされた話はおもしろかったです。
良牙とムースを連れて旅をしていて、お湯に入っても戻れない話。
実は私、覚えてないのですが・・・。

「MAO」に関しては、大雑把なことは決まっていますが、その場の思い付きを大切にしているようです。
乙弥もネームの段階で思いついたキャラだそうですが、私はまだ摩緒と菜花のキャラ像がちゃんとつかめてなくて、今の時点では 乙弥が一番好きなのでこれは嬉しい発言でした。

それから高橋さんのかっこいい男子の理想像は、ジャッキー・チェンの「酔拳」。
実は私、ジャッキーのアクションはちょっと苦手で、ブルース・リーや林正英(ラム・チェンイン)のシリアスなアクションが好きなのでここは残念。
あの「目くらまし」の凄さは承知しているんですけどね。
「あしたのジョー」や「どろろ」も読んだことも見たこともないです、ごめんなさい。

この後国友やすゆきさんの話になって、「ネームの割方」に移ります。
素人の私には全くわからない話ですが、高橋さんはネームの3日かけ、6ページ単位で担当さんに見せたり、そこを転換点とするのだとか。
これから「MAO」を読む時は、6ページ単位で読んでみよう(笑)。

ネームをやる時の決まりごとは、「魚を食べること!」。
それからテレビをつけっぱなしにすること。
音が必要なのと、情報を得るためなんですね。
私は音楽ぐらいならいいですが、言葉が入ると気になって集中できないので、テレビもラジオもつけません。
って漫画家でもなんでもないですけどね。
意外と神経質な方です。

読み終えての感想は、「とにかく高橋さんは『ゴールデンカムイ』が好きなんだ!」って事でした(笑)。
「MAO」に関しては、おもしろく読みながらも正直まだ馴染んでいません。
私の場合、初めて出会った「犬夜叉」のインパクトが強過ぎて、おそらくこれからも「犬夜叉」以上に馴染む作品はないと思います。
それでも「高橋留美子作品」は読まずにいられない、そんな魅力に満ちています。
高橋さんに出会えたのは本当に良かったと思います。
(2019年9月27日の日記)
10月1日 魔女とディナー(コミック)
高橋留美子傑作集「魔女とディナー」には表題作を始め、6作品が掲載されています。
一番古い「私のスカイ」は2013年(平成25年)初出なので、今から6年前です。
でも「私のスカイ」は好きだったなあ。
今でも掲載本持ってるし。

第1話「魔女とディナー」
うらやましい!と思いながら読みましたが、被害者?の方はメタボとか病気とかいろんな リスクが出て来るんですよね(現実的に読んでしまう)。
肉交換じゃなくて、肉消化の魔法だったら良かったのに・・・。

第2話「やましい出来事」
こんな話で漫画が描けるって、高橋さんはやっぱりすごい。
彩花が突き抜けすぎていて気持ち良く読めました。

第3話「死ねばいいのに」
現実にありそうでなさそうな、怖くて哀れな話。
でも終わってみれば、「そうだよね。」と一人頷く。
作品内での感情の起伏ほどに心は揺さぶられないけど、その緩さがまたいいのかな。

第4話「不定形ファミリー」
高橋留美子劇場には意外な生々しさを感じる作品。
でも主人公は相変わらずだし、主人公を振り回す立ち位置の女性も相変わらず。
最後に奥さんが戻って来ないほろ苦いハッピーエンドがいかにもるーみっく。

第5話「(マル秘)ルネッサンス」
正確には「秘」という字を丸で囲んで「まるひ」と読ませるのですが、文字化けしそうなので変えました。
この話は出たの知らなかったらしく、買わず読まずで今回が初読。
2015年(平成27年)に発表されましたが、これは高橋さんがファンだという「髯男爵」に絡めているのかな?

第6話「私のスカイ」
コミックの中で一番好き、というより唯一好きな作品です。
私は基本的に「高橋留美子劇場(大人向け)」よりも、「犬夜叉」から入った人なので、男性女性の 中年の機微や、哀愁、たくましさなどを高橋作品には求めていない気がします。

たとえば宮部みゆきさんに現代物より時代物を求めるように、高橋さんには大人向けより大人でも読める 少年物を求めてしまう。
ここはもう好みの問題なんでしょうね。
「私のスカイ」もストーリーより、スカ井さんの可愛さと別れの描写にやられた部分が大きいです。
(2019年10月1日の日記)
11月18日 全るーみっくアニメ大投票
私はアニメ「犬夜叉」がるーみっくとの出会い。
「犬夜叉」の影響でサイトを立ち上げた。
あの頃の熱さが一気に蘇って来た気がしました。

そんな私なので、基準は「犬夜叉」。
「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」は古き良き時代を遡るようなロマンを感じます。
「境界のRINNE」は今でも「新しいるーみっく」です。

でも私は作品もキャラも「うる星やつら」と「めぞん一刻」が競り合うだろうと予想してました。
個人の好みは好みとして、同様に予想してた方は多かったんじゃないかな。
「犬夜叉」1位には驚きました。

そういえばネットで高橋作品の情報や感想をひたすら探してたあの頃、うる星、めぞん、らんまはほとんど過去形で語られていました。
犬夜叉がネットでリアルタイムで語られた最初の作品ではなかったでしょうか?
それもあって今回の1位だったと思います。

ずっと見ていて涙ぐんだりにんまりしたり、声優さんの生アフレコが素晴らしい。
声優とは「声が優れる」と書きます。
業界の方々にもるーみっくファンは多いはず。
今一度映画の吹き替えやアニメの声の役選びを、人気や話題性に捉われず、「声が優れた」人を選んで下さるようにお願いしたい。
未だ第一線の声優さんを観ていて本当にそう思いました。

声優さんの裏話もおもしろかったし、島本さんの「女体話」も凄かったし、ただ生放送である必要あったのかな?とは思いました。
Twitterでリアルタイムの反応を取り上げていく楽しさがあった反面、時間に押されて進行が気になる場面も多かったです。
声優さんにも好きなだけトークをしてもらって、アフレコもたっぷりやってもらって、きっちり編集してゆったり見るのとどちらがいいのか、悩ましいところでした。
それにしても昔、アニメを見ては「作画が〜」「オリジナルが〜」なんて熱く語っていた頃が懐かしいですね。
(2019年11月18日の日記)
12月6日 高橋留美子本-1
先日テレビで「全るーみっくアニメ大投票」で「犬夜叉」が1位に選ばれました。
私も一番好きな作品は「犬夜叉」だけど、もしも「高橋留美子さんの代表作は?」というテーマでアンケートを取ったら、やっぱり「うる星やつら」がダントツだろうなあと思いながら、手に取りました。
どの作品を、どのキャラを表紙にするより「うる星やつら」のラムが売れる、売る側も買う側もそんな確信があるんじゃないかな?

カラーページは仕事場潜入。
漫画家を目指す人、絵心がある人はわかるんでしょうが、私はわからないのでひたすらアイテム探し。
団子とかスコップ?とかかつ丼?とか招き猫とか。
と本棚にクリスティーのハヤカワ・ミステリ文庫が並んでいるのが嬉しい。
表紙イラストは真鍋博さんに違いないと私は思うのですよ。

そして真っ先に読むのはやっぱり御本人のロングインタビュー。
読み応えたっぷりで面白かったけど、どうしても気になったのが間に挟まれるトリビュート・イラストレーション。
るーみっく愛に溢れた素晴らしいイラストばかりでそれはいいのですが、夢中でインタビューを読んでいる時に突然別の方のイラストが入ると、気が削がれます。
別のコーナーにまとめて掲載するなりして欲しかったです。

それからタイトルの「4万字」。
書面で答えたわけでもないのになんかおかしなタイトルです。

5回に分けたインタビューの1つ目は、劇画塾を経て「勝手なやつら」でデビューするまで。
子どもの頃の思い出やサンデーとの出会い、好きな作品などが語られます。

私は「犬夜叉」から入ってので、高橋さんが挙げる手塚治虫、藤子不二雄、赤塚不二夫、池上遼一、ちばてつや、永井豪、楳図かずおといった錚々たる顔ぶれの中で読んだことがあるのは 「ブラックジャック」だけかな?
もちろん「あしたのジョー」や「デビルマン」など有名ですから話は知ってるし、「ドラえもん」は子供の頃アニメで見た記憶はありますが。

「犬夜叉」にハマって高橋さんが好きだったコミックを何冊か読んでみましたが、やっぱり時代が違うのかな。
実は同様の感想を「うる星やつら」にも感じました、ごめんなさい。
リアルタイムで「うる星やつら」が出た時のインパクトを共有できた読者が本当にうらやましいです。

そして大学2年生で小池一夫「劇画村塾」へ。
その頃にはもう才能を認められ、特別研修生になった後、「勝手なやつら」でデビューします。
「未熟なところばかりですが、それでもあの当時の自分の全てを込めた」原点と言える作品。
もう絵がるーみっくなんだけど、ちょっとだけ手塚テイストが入っているのが微笑ましいです。
(2019年12月6日の日記)
12月11日 高橋留美子本-2
インタビュー2つ目は「うる星やつら」と「めぞん一刻」という初めての長編連載。
ただ私は「うる星やつら」は一通り読んで、一通り見ただけなので、この作品に関しては語る言葉を持ちません。
もちろん好きなエピソードはたくさんあるんですけどね。
「うる星やつら」に関しては、他の方々が書いた感想や考察を楽しませてもらってますので。
キャラのイラストも当時よりも今の顔が好きです。

「犬夜叉」から遡って「うる星やつら」の次に読んだのが「めぞん一刻」でした。
これはコミックを揃えました。
「うる星やつら」よりもキャラ年齢が高かったのと、少女漫画をほとんど読むことのなかった私にとっては初めての「恋愛漫画」という意味で好きでした。
だからギャグの部分より恋愛部分、いろんなキャラが五代君と響子さんに絡んできますが、そこは流して2人の部分だけちゃんと読んでいたような(笑)。
だから前半よりも、五代君が地に足ついて来る後半ばかり読んでましたね。
めぞん読者としては邪道でした。

でもお墓の前で、「あなたもひっくるめて、響子さんをもらいます。」と語る五代君と聞いてしまう響子さんの場面は何度読んでも泣いてしまいますね。
ここだけ抜き出して読んでも涙出て来る。
あの頃の純粋な私は一体どこに・・・。

でも今読み返すと、インタビューにもあるように、人情物としてもギャグ物としても素晴らしい作品です。
最初はサンデーで連載された作品と思ってて、ずいぶん雰囲気が変わったなあなどと思っていたのもいい思い出(笑)。

響子さんが「聖女」のイメージが出て来たのは作品の中でも後半で、最初はむしろヤキモチ焼きの部分が目立っていたような気がします。
これってたぶん、女性読者の方が強く意識するのかも。
ほとんどの人には聖女のように接することができるけど、肝心の1人、好意を持ってる相手には素直になれない。

今好きな人ができても、以前大切だった人のことを忘れられない、その優柔不断。
好きな人は好きだけど、自分を好きでいてくれる人にも無下にできない。
私の中で響子さんは、「聖女」というよりも、良くも悪くも限りなく「女性」のイメージです、等身大の女性。

そんな響子さんが恋に素直になることによって、どんどん可愛く見えて来る。
初めて読んだ時、私より年下の響子さんがとても大人に見えました。
それがだんだん年相応に見え、最後は年下の可愛い女性に見える、これも女性読者ならではの読み方かと思いました。

インタビューにもありますが、一ノ瀬さんの「あんたはいつまでもぬるま湯みたいな三角関係を続けたいんだろうけど」という台詞は衝撃的でした。
私は三角関係って現実でも架空でも苦手な世界なんですが、「ふたりがくっついたら漫画が終わっちゃいますしね。」の高橋さんの言葉には笑っちゃいました。
人情物で始まり、ギャグやドタバタを含めて素敵な恋愛物で終わった「めぞん一刻」、もう一度読み返してみようと思います。
(2019年12月11日の日記)
12月13日 高橋留美子本-3
3回目は恋と格闘を描いた「らんま1/2」と「1ポンドの福音」。
らんまは、原作よりもアニメを楽しんで見ていたかな。
ただ絵がとんでもなく変なことが多かったのと、「犬夜叉」、「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」と立て続けに読んで見たので、 女性キャラのヤキモチ攻勢に少々食傷気味でした。

恋愛に関してそれほど執着するタイプでもなかったし、好きなのに素直になれない、そんな微妙な感情に今ほど寛容になれなかった(笑)。
何より私はジャッキー・チェンよりブルース・リー派だったので、やはり格闘技は漫画であってもシリアスであって欲しいなんて当時は思ってました。
でも好きなエピソードはたくさんあるし、らんまが雪だるまをなでてる絵とか可愛かったなあ。

あと良牙が好きでした!
ビジュアルや声、Pちゃんも良かったですが何よりあの方向音痴!
共感の塊でしたね。

もうインタビュアーの島田一志さんが凄くて、御自身の考察を質問の形で高橋さんにぶつけるので、高橋さんもいつものありきたりな返答より 一歩踏み込んで答えて下さって読み応えありました。
拳法、男女の性の取りかえ、ぶつかり合う恋愛、恥ずかしがらないらんまなど私が全然意識せずに見たり読んだりしてたことに踏み込んでくれて、 「ああそうだったのか。」と思うことがたくさんありました。

私にとっては「うる星やつら」や「らんま1/2」は「考察する漫画」ではなかったから。
単純に楽しむ漫画だったから、お恥ずかしい限りです。
うん、勉強になりました。

そして申し訳ない、「1ポンドの福音」は読んだし見たけど、ほとんど印象に残っていません。
ただ「減量に苦しむボクサーの姿は何人もの漫画家さんがこれまで書いてきていますし、私は隙間産業というか、むしろそこをギャグに転じられないかと考えたんです。」の 言葉に、当時から続く高橋さんの漫画家としての立ち位置を見たように思いました。
(2019年12月13日の日記)
12月18日 高橋留美子本-4
4回目のインタビューはいよいよ伝奇ロマンの傑作「犬夜叉」が伝える少年漫画の愛と絆。

何度も書いているように、私は「犬夜叉」が高橋作品との出会いだったので、衝撃は大きかったです。
でも私にとって「犬夜叉」は「愛と絆」より「戦国と妖怪」だったな、今思えば(笑)。

それと私が「少年漫画」という枠に捉われ過ぎていたのかもしれませんが、「犬夜叉」の世界は「愛」よりも「恋」でした。
もちろん好きな人のために命を投げ出す彼らの想いを軽く見るつもりはないけれど、私が「愛」を感じたのは桔梗と奈落。
自らを穢し、妄執に捉われる、時には薄汚くさえ見える「愛」の部分に強烈に惹かれました。

ただ、桔梗は途中から初期の嫉妬や妄執を見せない聖女のような女性に変化したことで、「愛」の部分が消失し、最後の場面で 「最高に美しい愛と死」に昇華されていたように思います。
高橋さんが「かごめにはああいう一歩引いたというか、達観したようなキャラクターになったもらいました。」と語っていますが、 かごめ以上に後期の桔梗が達観したキャラに見えました。
犬夜叉とかごめ、桔梗の恋愛模様が大事な要素ではあってもメインではない、そういう気持の上での設定だったんですね。

奈落も可哀そうではあったけど、割り切った最後でした。
私はそこに作者の優しさを感じましたが、インタビューでも「あの場面だけは、作者として彼に同情しながら描きました。」と語っています。
まあ桔梗としても、奈落に同じ所まで付いてこられたら迷惑極まりないでしょうが(笑)。

妖怪のデザインの話は楽しかったです。
当時この妖怪のモデルはこれかなあとかいろいろ考察したことが思い出されます。
神楽と殺生丸に触れてくれたことも嬉しかった。
鋼牙について語ってくれたことも嬉しかった!

犬夜叉の氷漬けやヒロインが3人(かごめと生前の桔梗と蘇った桔梗)語りもおもしろかった。
戦いの後のかごめの3年間の高校生活は、作者からのプレゼントだったのでしょうね。
物語の中で必然性があったとは思えない展開だったからなあ。

私はずっと主人公を犬夜叉とかごめとするなら、テーマは「恋と絆」だと思っていました。
でもここで高橋さんが「愛と絆」とはっきり宣言されたので、ああそうだったのか、私の読み方違っていたなあと思い返しています。
「少年漫画で愛」、そうか、あるのか。
それにしても犬夜叉、何もかもが懐かしい・・・。
(2019年12月18日の日記)
12月19日 高橋留美子本-5
5回目のインタビューは死神の仕事と恋愛を描く「境界のRINNE」と伝説の「人魚シリーズ」です。
基準が「犬夜叉」の私には連載が終わり、「MAO」が始まっても、「境界のRINNE」は新作扱いなんだよなあ(笑)。

世間の評価は分かりませんが、りんねは私にとっては「スタイリッシュな漫画」でした。
高橋さんの絵の変遷に関してはいろいろ評価されていますが、私は犬夜叉から洗練された、というよりシンプルな絵に変わったなあと思いました。
特にコミックの表紙が、いろいろ濃かった犬夜叉に比べ、白っぽいりんねが印象的だったせいでしょうか。

相変わらず扱う世界は私好みの輪廻転生とか死神とか幽霊とか。
りんねと桜がわりとおとなしめな性格だったのも好きでした。
周りが超個性的なために、地味な主人公2人が逆に引き立つのはめぞんもそうだったかな。

ただ島田さんが「きちんと家族のことを描いている」と評価していましたが、そこを言うなら、なぜりんねのに限らずほとんどの主要キャラは両親が 揃っていないのか、亡くなっているのかどうか、それすらもあいまいにされないことがあるのかを聞いて欲しかったです。
あとりんねで私が好きなのは、高橋さんが「りんねは根が真面目な人」と答えたところです。
父鯖人の借金を押し付けられたのに、嫌々やるんではなく、「きちんと迷える魂を輪廻の輪に送ってやりたい」というりんねの優しさが桜にも通じ、 心を通わせ合う作品でした。

最後は人魚シリーズ。
初めて読んだ時あ本当に異色作!と思いました。
まだ「笑う標的」などのホラー短編は読んでいなかったので。

ただこれらのホラー短編や人魚は、犬夜叉から遡ると絵がまだ洗練されていなくて、逆に「横溝正史」風の雰囲気を、ストーリーだけではなく絵でも醸し出して いるなあと思ったことを覚えています。
そして好きな高橋作品ベスト3がその時点で「犬夜叉」「めぞん一刻」「人魚シリーズ」に決定しました。

不老不死を願う物語は多いけれど、その先に何がある?とずっと疑問に思っていました。
でも人魚シリーズの場合、ただ長生きしたいから湧太たちを狙うわけではない、そこが秀逸だったと思います。
そこが不老不死を求める物語にリアルさを与えた。
そして今後続編を書くつもりはないと言われたことももっともかと。
全5回のインタビューを読み終えて、人魚シリーズをまた読み返してみようと思いました。

(2019年12月19日の日記)
12月20日 高橋留美子本-6
ロングインタビューの他に、追加で現在連載中の「MAO」に関するインタビューもあります。
「境界のRINNE」の後、新作をダークファンタジーにしたいというのはずっと考えていて、なかなかかたちが見えてこなかったけれども、 「呪い」をテーマにということで、「MAO」になってようです。

摩緒はこれまでになかったクールな主人公で、たとえば初登場で菜花が襲われていても助けに行ったりはしない。
もちろん菜花の力を見抜いていてのことなのですが、たしかに乱馬でも犬夜叉でもりんねでも、ヒロインの強さはさておき、これまでは助けに飛び出す 感じした。

現代と大正時代を設定したのは、大正時代の建物の雰囲気が好きだったことと、子供の頃によく観てた昼ドラで好きだったってどんなドラマでしょうね。
私が思い浮かんだのは「はいからさんが通る」ですが、あれはアニメだしね。
ただ大正時代を描く上で避けて通れないのが地震。
描く側も読む側も、ある意味不安を感じてしまうことは事実ですが、それでも真正面から取り組む高橋さんを応援したいと思います。

摩緒が陰陽師なのに刀を差しているのは「絵的におもしろかなと」って鋼牙を思い出しました。
犬夜叉でも鋼牙が刀を差してて、アニメでは妖狼牙だっけ、大層な名前つけてたけど、普通に人間からぶんどったとか、適当なこと言ってて笑った記憶があります。
猫鬼は蟲毒であるからラスボスではないだろうって、相変わらず自分の考察を高橋さんにぶつけているインタビュアーです(島田さん)。
物語を動かすのは摩緒で、菜花はそのバディ(相棒)というのは「へえ」と思いました。

語り手は摩緒、菜花と変わりますが、菜花はどちらかというと読者目線、摩緒も話を動かすというよりは巻き込まれ型に見えます。
別のインタビューでは、菜花がどういう人かよくわからず、第1話のネームを4回くらい描き直して、ようやく青汁を飲むシーンが 浮かび、 やっとこの子はこういう人だって感じたと語っていましたが。
今回のインタビューの時点では非常に描きやすいヒロインにまで進化したようです。

今のところ仲間を増やすより、敵を増やす方向で、最終的な落としどころはすでに見えているけれど、今回も結構長い物語になるかもってこれは嬉しいお言葉です。
(2019年12月20日の日記)
12月25日 高橋留美子本-7
★「なにもない部屋」と映画「ダーク・フェアリー」、小野不由美著ゴーストハント「鮮血の迷宮」に関してネタバレ含みます。

今回は「ビッグコミック」(小学館2018年3月10日号)収録の「なにもない部屋」感想です。
この話は出たの知らなくて読んでませんでした。
悔しい反面「今」読んだ事で嬉しさも感じています。
実は先月、映画「ダーク・フェアリー」を観たのです。

「ダーク・フェアリー」の感想はまた別の時に書きますが、この映画のラストシーン、こんなひどい魔物が 住んでいる家を、彼らはまた売りに出すのですよ。
次の獲物を待てって感じ?

小野不由美著ゴーストハント「鮮血の迷宮」では、全ての証拠を消滅し、後の憂いをなくすために屋敷を焼失させました。
この場合は悪い意味ではなく、人間の手には負えない悪霊を消滅、浄化させるための手段で、すっきりと終わらせることができました。
そして今回の「なにもない部屋」は、単なる事故物件、訳あり物件なんでしょうね。
また普通に貸し出されています。
いかにも日本らしい、現代らしい、そして作者の今風ホラーらしいリアルな結末です。

だから怖いかというと、怖いのはストーカーの怖さで、霊と隣人(人間)の立場が逆転(霊=いい子、隣人=悪い人みたいな)ところに工夫を感じます。
でもこの子、女の子、どうなったのかな。
あの部屋から逃げ出して救われて欲しいよね。
あとユミさんがいい味出してました。

ただ、私が高橋さんのホラーで好きなのは、今の洗練された絵での都会ホラーではなく、以前の絵での人魚シリーズのようなホラーだなと再確認。
岡山を舞台にした金田一耕助物を書き続けていた横溝正史の「白と黒」を初めて読んだ時の衝撃というか、違和感というか、それと同じものを感じてしまいます。
「白と黒」は都会の団地を舞台にしていて、単品で読むとそれはそれでおもしろいのですが、やはり犬神家や悪魔の手毬歌で金田一耕助にハマった身としては、 これじゃない感が強かったなあ。

そういう意味では、私には「なにもない部屋」よりも現在連載中の「MAO」の方がホラーとしてしっくりきます。
「高橋留美子本」、高橋さん以外にもたくさんの方々の感想や考察があって楽しく読みました。
(2019年12月25日の日記)

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