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あの頃の鋼牙 |
原作少年サンデー1999年7月28日(35号)第131話「少女の命」 ☆ ☆ ☆ 気づいてみたら過去の原作分の感想、鋼牙登場編「狼」からほとんど1ヶ月お休みしてしまった。 おかげで今週のサンデーの鋼牙編とうまくリンクすることになったのだから、アレルギーにも肺炎にも感謝したくなってくる不思議(笑)。 今回はタイトルどおり、りんが狼に殺される話。 そして殺生丸が、りんを天生牙で救う話。 天生牙使用の第一号はりんを取り巻くあの世からの使いだった。 時の流れを感じる。 でも何より嬉しかったのは、今週号で、灰を追ってきた鋼牙が夢幻の白夜と相対した時。 「ザ」という効果音と共に白夜の前で急ブレーキ。 「ははあ、本人ごと持ってきたってことか。」の冷血白夜のとぼけた台詞の上のカット。 (「ザ」と絵無しで効果音だけ書くと、なんだか間抜け。) そして今日の「少女の命」には、狼を退治した犬夜叉たちの前に、やはり風と共に現れる。 効果音は「ザン」だが、同時に左右対称、鋼牙の向きが違う。 それがどうしたと言われればそれまでだが、このあの日とこの日の鋼牙がリンクするだけでも嬉しい、鋼牙ファンだから(笑)。 ちなみに犬夜叉や鋼牙によく出てくる「ザワ」という効果音は、毛の逆立つ音だろうか。 けれども狼を殺された時の鋼牙と灰を追ってきた時の表情があまりに違い過ぎて、以前の鋼牙があまりにも幼くて今週の鋼牙がとても切ない。 146ページからの灰を追う鋼牙のほんのかけらもギャグのない展開を久々に堪能した。 なんだか今週の感想の続きみたいになってきたけど、もし手元にサンデーとコミック14巻がある方は是非見比べて頂きたい。 サンデーは147ページ、15巻は57ページ、ファンでなくても鋼牙の成長を感じることができるはず。 なーんて鋼牙ファンとして答えてみた(笑)。 鋼牙ファンは、こんなどーでもいいことがたまらなく嬉しい。 だってあっちこっちで「鋼牙ファンなら嬉しいだろうな。」とか、「鋼牙ファンにはかっこ良く見えるだろうな。」とか書かれてるんだもん。 今回は人喰い妖怪鋼牙が犬夜叉たちと出会うところまで。 しばらくの間はかごめも「こいつ」と意識し、恐れる状態が続く、とても新鮮。 ☆ ☆ ☆ 私は「一陣の風」というタイトル名にもあるように、とにかく風、水、空、海といった自然をイメージする一語の感じが好き。 子供の頃から空を飛んでみたいなあと思っていた。 飛行機とか、ジェットコースターで一瞬無重力を感じる瞬間じゃなくて、自分ひとりの力で、好きなように飛んでみたい。 そんな私が「おおっ!」と思ったのが、サンデー50号「史上最強の弟子 ケンイチ」124ページの美羽と、木の高みまで共に飛び上がっている、誰だ?の少年。 妖怪半妖ならともかく、人間には絶対無理だという前提で、漫画などで拳でビルを壊したり?空の彼方まで飛び上がる跳躍力に嘘っぽさ(もちろんおもしろいけど)を感じてるけど、このページは、とても綺麗だった。 へえ松江先生って、こんなにしなやかな体の動きを描く先生なんだって腹筋ぼこぼこ少年を見て感激。 腹筋ぼこぼこ少年じゃ失礼だから、ちゃんと読んでみたら、「叶翔」だそうです、美羽の敵にあたる人らしいけど、美羽に一目惚れ、そりゃそうだ、綺麗だもん。 美羽さんは元々動きが綺麗だけど、男の子キャラで体型の綺麗な子は今までいなかったので(ケンイチ含め)、この子と美羽さんのダイナミックな戦いを描いて欲しいです。 私はは格闘技が好きなので(特にプロレス)、どうしても体の動きを見てしまう。 ブルース・リーだってこんなに高く飛べないだろうけど、いつの日か自由に空を飛びまわれる日が来るんだろうな。 ☆ ☆ ☆ 私はコミックが出ると、その分が掲載されている分のサンデーはまとめて捨てるけど、心に残るエピソードや、お気に入りのカットがある時は、そのまま保存してます。 置き場がないので、書棚のてっぺんに積み上げてあるんですが、今朝の6時の地震でみんな落ちてきました。 まだ寝てたので、頭の周りに落ちた本が本気で怖かったです。 開いて落ちて、折れてしまったのもありましたが、鋼牙(犬夜叉)部分とこの美羽さんのところは無事でした、ほっ。 ☆ ☆ ☆ 今日は出かけてみましたが、風が強くて早々に退散、家でトンカツ食べて、「弟切草」見てました。 映画館で見たら暗い画面と酔いそうな細かなカット割りと、台詞が聞き取りづらいので、なんだかストレスたまったけど、原作を知らないので話が飲み込めませんでした。 最後に逃げ出したのは奈美?直美? 「弟切草」とこの家族のつながりは? 奈美が着てた白い服や、中途半端な二人の関係(原作にはないに違いない)、よくもまああれだけ怖い思いして一人っきりでシャワー浴びれるなあとか。 双子であった奈美と直美の関係はとてもおもしろかった。 でも最後の実は全てがゲームだったというオチと、地面から出てくる顔の部分で脱力。 昔々のB級ホラー(でもおもしろかった)の定番を今頃されても、と。 でも考えてみたら、私は「弟切草」の原作読んでたんだ。 そのことが思い出せないほど様変わりしていた映画でした。 (2005年11月12日の日記)
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妖狼族の若頭 |
原作少年サンデー1999年8月4日(36,7合併号)第132話「鋼牙」 ☆ ☆ ☆ 妖狼族登場3話目にしてタイトルに「鋼牙」と出た。 1話目「狼」の時点で、四魂のかけらを盗んだ妖狼族の男に名前を呼ばれているが、この辺が奥床しい、はずもなく人型でありながら人にとって恐ろしい存在として鋼牙が登場する。 現在のサンデーでは「灰と芯太」兄弟と老齢の妖狼族が出てきたことに驚いたが、もうひとつ、鋼牙から四魂のかけらを盗める男にも驚いた。 鋼牙の腕や足に手を突っ込んで奪い取ったか、それは考えにくいので、鋼牙が四魂のかけらをどっかから持ってきて、まだ体に埋め込んでいない状態だったろうと推測できる。 実はこれ、考えにくい。 鋼牙も四魂のかけらを取ったら即埋め込むだろうから、この設定が当時どのようなものだったか知りたい。 もしかしたら高橋先生の鋼牙登場の理由付け、犬夜叉との出会いのためのきっかけにすぎなかったのかもしれない。 もうひとつ興味深いのは、鋼牙たち妖狼族がりんを殺すが、りんに絡むのが殺生丸であること。 しかし鋼牙と対決するのは結局は犬夜叉で、今に至るまで原作において鋼牙が殺生丸やりんと直接対決する場面はない。 なぜ鋼牙の一族がりんを殺し、殺生丸がりんを救う結果となったのだろうか。 当時読んでても気づかなかったことが、今読み返すと見えてくる。 もしかしたら、これは先生のその場の思いつきで、深い意味などなかったのかもしれない。 アニメオリジナル「鋼牙と殺生丸 危険な遭遇」で鋼牙と殺生丸が出会う話があったが、鋼牙自身がりんに手をかけたわけではなく、そもそも殺生丸が狼と鋼牙のつながりをどこまで知っていたのか疑問が残る。 原作にない設定を作り上げたことの是非はともかく、殺生丸に銀太と白角(アニメ名)を絡めた苦肉の策は評価できる。 その結果、肝心の鋼牙と殺生丸の出会いが、ただの危険な「アイツ」と危険な「アイツ」が出会っただけというパターンになってしまったが。 もうひとつ、今妖狼族の生き残りが登場したことで、「妖狼族の若頭」としての鋼牙の責任が浮上する。 私は妖狼族の生き残りは、鋼牙と2人の仲間と狼たちのみだと思っていた。 だから仲間の仇をとるために、鋼牙が単独で(仲間がついてきてはいるが)走り回っているのだと思っていた。 やはりアニメで七人隊の凶骨登場編、鋼牙が助けるのはただの老狼だったのが、妖狼族の長老になっていた。 当時は菖蒲を出すための無意味な変更と思っていたが、今にして思えば、製作側の別の想いがあったのかもしれない。 たしかに東の洞穴(あな)があって北の洞穴(あな)があるなら南も西もあるだろうし、年寄りや子供、もしかしたら女の妖狼族、戦闘向けではない仲間が守られる中央(なか)の洞穴があってもおかしくない。 つまり「妖狼族の若頭」を名乗りつつ颯爽と登場した鋼牙だが、実はとても無責任。 原作で若くない頭、つまり長老は登場しないが、それでも鋼牙には残った仲間を束ね、守る義務がある。 今回灰が鋼牙を信じ切れなかった中にはそういった部分もあるだろう。 と言いたいわけではない。 こんな所に先生の漫画の描き方、ではなく書き方が見えてくるような気がする。 よく「プロット」という言い方をするが、作家や漫画家の方が作品を仕上げるために、あらかじめ描いておく構想、あらすじ、そんな意味を持つ。 ミステリー作家の内田康夫氏が「私はプロットは作らない。」(書かないだっけ?)と豪語された話は有名だが、同時に内田氏は、綿密にプロットを練り上げる作家のことも書いておられた、誰だったかは忘れたけど。 高橋先生もちょこちょこ漫画の描き方について書かれていたけど、こうして作品から推察するのもおもしろい。 もちろん犬夜叉の恋や、四魂のかけらの結末など、大きな部分はある程度決まっているだろうが、それ以外は、基本となるストーリー(幹)にその都度肉付けし、枝葉をつけていかれるタイプではないだろうか。 緻密にプロットを練るタイプと違って、何が飛び出すかわからないおもしろさはあるが、上記のように矛盾も生じやすい。 そして、先生はこういった細かい矛盾は承知の上で、過去の部分を無視し、壊しまくり、その上に強引に新しい話を乗っけておられるように見える。 もちろん作品を大事にしないという意味ではなく、それだけ勢いを大切にするということ。 私は元来こういったタイプの作家が好きだが、それだけに勢いを失った時の怖さもある。 私の推察大はずれで、実は綿密にプロットを練り上げ、一部の隙もないタイプだったら、私、大恥じ(笑)、でもおもしろい。 (2005年11月19日の日記)
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「犬夜叉」の魅力 犬夜叉の魅力 |
原作少年サンデー1999年8月18日(38号)第133話「生け捕り」 ☆ ☆ ☆ 前回の続きで延々と「32巻は琥珀が記憶を取り戻したんだよなあ。」、「33巻はあの世とこの世の境に殺生丸まで来たんだっけ。」などと、療養中にはいい気晴らしになったが、もちろんそれぞれの巻の中でも印象的なエピソードがぽんと頭に浮かぶ。 そうしているうちに、ふと気がついた。 「犬夜叉」という作品タイトル通り主役の犬夜叉が、私の中で主役になったことがない。 これは犬夜叉が好きキャラであるとかないとか、そんなことは関係なく、いつもきゃんきゃん騒ぐ(笑)鋼牙でさえも主役じゃない。 私にとっての「犬夜叉」の魅力を並べてみると 第一期、もちろん戦国もののけタイムスリップ。 第二期、タタリモッケや「出会った場所」につながるかごめの、桔梗を凌ぐ霊力を持つにふさわしい心の豊かさ。 第三期、桔梗と奈落の人としての苦悩、綺麗事にすまないその生々しさ。 第四期、七人隊の睡骨や白心上人の、光と闇の二面性。 第五期、記憶を取り戻し、姉より一足先に自立した琥珀の潔さ。 第六期、神楽と殺生丸の、儚く確かな心のつながり。 多少前後したりずれたりする部分はあるが、この6つに尽きる。 ここで気づくことは、四魂の玉の輪廻転生や、奈落の最後などストーリー的な部分には、私はあまり興味がないということ。 そもそもなぜ犬夜叉が主役なのか、考えてみると一番の理由は先ほどあげたとおり、タイトルが「犬夜叉」だからだろう。 けれど「犬夜叉」の主役はかごめ、もしかしたら翠子でもありえるような気もする。 漫画のタイトルとして「かごめ」連載開始、とかアニメ「翠子」なんてなったら読者に与えるインパクト、読んでみたいと思う気持ちが一気に引くだろうからタイトルが「犬夜叉」になったような気がする。 犬夜叉も主役の一人であり、かごめも翠子も主役の一人、桔梗と奈落、もしかしたら殺生丸までは主役の中に入るだろう。 個人的には鋼牙も入れたい気がするが、残念ながらきのう書いた理由で、鋼牙は準主役に落ち着きたい。 そして一人しかいないはずの「主なる役」が、「犬夜叉」という作品にはたくさんいる理由、それは犬夜叉を初め、翠子を除く全ての主要キャラが、「四魂の玉」に支配されている故だろう。 殺生丸一行は関係ない部分もあるが、犬夜叉のアドバイザーの位置にいることから、翠子もそもそも四魂の玉を作った存在だが、鋼牙に関わるまで物語に翠子の意思は関わらなかったから、この時点では翠子もまた、四魂の玉の下に位置づけたい。 そうなると作品の中で、私が犬夜叉だけが主役であり得ぬと、四魂の玉の存在が主役であると(人ではないけど)考える理由もお分かりいただけるのではないかと思う。 決して犬夜叉というキャラに魅力を感じないわけではなく、しかし作品の中で唯一無二の存在であるとも考えられない原因はここにある。 私は「犬夜叉」という作品に登場するキャラの心理状態、心理の動きに一番関心があることは、これまでも何度か書いた。 その意味でも犬夜叉に、もう少し戦いの中だけではない心理の魅力というものを求めたい。 もちろん犬夜叉の魅力を知り尽くし、犬夜叉の世界を理解し尽しておられる方もいらっしゃる、うらやましいなと思う。 ☆ ☆ ☆ さて本題。 まだまだ退治されるべき存在である鋼牙は、かごめに四魂のかけらを見抜く能力があることに気づき、かごめをさらう手はずを整える。 実はこれ、鋼牙のただひとつの頭を使った作戦(笑)。 後になると、匂いを求めてひたすら走り回るだけ(もっともこれは殺生丸も同じだけれど)で、がちんこ勝負の性格に突然変わるところがおもしろい。 初期の鋼牙の設定が微妙なところも、鋼牙が先生の強い意思で生まれたキャラとは思えない原因のひとつ。 かごめを「女」と呼ぶ鋼牙もまだ新鮮で。 もうひとつ、鋼牙は妖怪としての能力の他に、野性の本能、危険をとっさに察知する獣の本能もあることが表される。 後に影郎丸と獣郎丸戦でも見られた。 それから前回の話だが、りんを助けるだけでなく抱き上げる殺生丸に新鮮さを感じた。 天生牙の試し斬りなら邪見のように斬っただけでほっておけばいい。 当時は犬夜叉に敵対する存在に描かれていた殺生丸だが、ファン受けする要素は当時から十分あったことがうかがえる。 それにしてもこの時期、極楽鳥、逆髪の結羅、雷獣兄弟、九十九の蝦蟇他、どうやって手に入れたのやらかけらを持っている妖怪が続々登場する。 ここで犬夜叉に退治されなかったら、いずれ奈落にかけらを取るために殺されていたであろうキャラ。 その意味でも、四魂の玉に関わった者の不幸が目に見える。 本当に疑問、彼らがどうやって四魂のかけらを手に入れたのか、鋼牙も含め。 かごめや桔梗、弥勒の能力がなくても四魂のかけらが簡単に手に入るのなら、当時この能力のことを力説する必要はなかったろう。 この設定には何の意味もなかったのだろうか。 (2005年11月24日の日記)
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きのう寝る前に思ったこと |
原作少年サンデー1999年8月25日(39号)第134話「狼の洞窟」 ☆ ☆ ☆ きのう寝ようとして横になった瞬間、ふと思い出したことがある。 先日ゲーム&メール友達になったFさんと、メールでこんな話をした。 たまたま「真・三国無双」シリーズと「戦国BASARA」の話になって、「真・三国無双」シリーズでは趙雲、「戦国BASARA」では真田幸村が好きな私に対し、Fさんは無双では陸遜、BASARAでは伊達政宗が好きなのだそうだ。 そのまま飛び起きて、Fさんにサイトで公開してもいいですか?って問い合わせたら、今朝メールが届いて許可を頂いたので紹介したい。 (公開することを意識してない私的なおしゃべりなので、キャラに対して勝手なこと言ってますが、その点はご了承ください。) ☆ ☆ ☆ 「陸遜は頭良さそうだけど、なんだか可愛すぎて・・・。」 「その可愛いところがいいんですよ。」 「う〜ん、私は苦手です。」 「趙雲は問答無用に素敵でしょ?」 「ああゆう優等生タイプはちょっと・・・。」 「政宗もちろん嫌いじゃないけど、私は幸村の赤がいいな、青より赤。」 「幸村ちょっとうるさい(笑)。」 ☆ ☆ ☆ メールで話していても、性格や好みや、そういった基本的な部分がとても似ているFさんだが、2つのゲームに関しては、好きなタイプがこれほど違う。 何が言いたいかというと、きのうの考察日記で、犬夜叉の魅力について書いてみたが、好みの問題で、犬夜叉の魅力が「私には見えていない」のかなあと思ったのだ。 落ち着いて考えてみれば、これは当然のことで、一人一人好みや好きなタイプが違うからこそ、人は好きな人と付き合ったり結婚したりできる(笑)。 これが全ての人が、キムタク以外の人とは付き合えない、とか、ヨン様以外の人とは結婚できないなんて言い始めたら、キムタクやヨン様に何千万人奥さんがいても始まらない。 一夫多々多々多々妻制の世の中になってしまうかも。 キムタクは好きだけど、結婚するのはこの人、キムタクほどかっこよくないけど、「私だけに優しい」とかね、そんな「妥協(笑)」と「常識」と「曖昧さ」があるから人間はおもしろい。 ここでいちいち考察するほどのことでもないけど、深読みしすぎると、時々こうなる。 なんにしろ、片意地張りすぎるのは良くない良くない。 ☆ ☆ ☆ ストーリーが随分進んでいるのだが、鋼牙の「かごめ生け捕り大作戦」は大成功。 今となっては懐かしい横抱き走法で、滝の裏の洞窟にかごめ(と七宝)を連れて行く。 かごめが叫びまくって鋼牙に怒られる?でも負けてないやり取りが最高におもしろくて、今読み返しても爆笑してしまう。 いつだったかジョイポリスだったか、絶叫系としてはたいしたことないけど、ジャングルや断崖絶壁の上を飛び回るアトラクションがあったけど、あの胃が口まで上がってくる感じ、体が浮き上がってしまいそうな一瞬の無重力、これって絶対かごめの気分だよな、叫ばずにはいられないよな、と思った記憶がある。 今ではお笑い&ギャラリー担当のアニメ名「銀太と白角」だが、この時期は顔も怖くて、「うまそうな女じゃねえかっ。」などと言っている。 妖狼族の中でも、比較的気弱に見える2人でさえそうなのだから、彼らがいかに人間を単なる餌としてしか見ていなかったかがよくわかる。 ああ書き忘れた。 かごめと鋼牙が途中で出会うのが極楽鳥。 鋼牙と極楽兄弟は、互いに互いのかけらを狙っているのか、しかも巣も近いしってさらに笑える。 やっと「狼の洞窟」に追いついた。 「東の洞穴(あな)」に住んでる鋼牙なのに、ここでは「洞窟」とはこれいかに。 人間の基準では「洞窟」でも、妖狼族にとってはただの穴?と余計な突っ込みをした後、いよいよ鋼牙のプロポーズ。 何度ときめいたことか(笑)。 残念ながら、アニメの鋼牙は少々打算的な印象を受けるので、ここはやはり原作の「かごめに(素直に)惚れたあいつ」を重視したい。 そういえば「炎の川に消えたアイツ」もいたなあ、あいつは鋼牙でアイツは犬夜叉なわけだ、アニメでは、なるほど。 ただし鋼牙がどうしてもかごめに振り向いてもらえないわけがある。 かごめが犬夜叉に惹かれているから以前の問題。 確かにかごめは四魂の気配を見抜く霊力があるが、犬夜叉はかごめをあえて戦闘に巻き込もうとはしない。 かごめは戦闘要員ではない普通の女の子だし、犬夜叉はかごめを守る意識が強い。 それに比べて、鋼牙は戦闘にかごめを巻き込み、恐怖感を与えてしまう。 かごめの気の強さに対する大きな誤解で、たとえばアニメオリキャラの菖蒲のように、自分から鋼牙と共に戦いに臨む覚悟もない。 負けてたな、鋼牙、この点で(笑)。 もし犬夜叉より鋼牙に先に会っていたら、考えるとおもしろい。 「犬夜叉」という作品なのだから、考えること自体無駄なのだが、先に鋼牙に会っていたらかごめも鋼牙に惹かれ、もしかしたら今のかごめより、もっと戦闘的な少女になっていたかもしれない(桔梗生まれ変わり説は置いといて)。 (2005年11月25日の日記)
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奈落の結末 |
原作少年サンデー1999年9月1日(40号)第135話「極楽鳥」 ☆ ☆ ☆ 久々にビールが飲めるので、大騒ぎで焼肉だ、釜飯だ、と飲みまくり食べまくってふんわりした気分で眠りについたら、不思議な夢を見た。 お寺で私と弥勒が正座して禅問答みたいなことをしているのだけれど、内容はもちろんアニメの話。 「映画やアニメの吹き替えなどで、声優さん以外の人が登場して、しかもその人ばかりが注目される現状がとても気になります。」 私が常々思っていることを訴えてみたわけ。 対する弥勒は、当然辻谷さんの声で、 「タレントさんのファンの中に、一人でも声優の仕事に気づいてくれればいいと思ってます。」 とおっしゃった、弥勒が。 私の希望する答えではあるけれど、本当のところそうなんじゃないかなあと思ってしまった。 ☆ ☆ ☆ ところが病気がぶり返し、2日間寝込んでいたけど、今日はブラックジャックが好きなエピソードなので見てみた。 そしたらその後の「名探偵コナン」に感動! 峰不二子の増山江威子さんと次元大介の小林清志さんがコンビで登場、しかも田中と二又のダブル「一成」さんが揃い踏みとあっては感動しないわけはない。 物語も、推理物ととしてはどうかわかりませんが、心暖まる、綺麗な絵の佳作でした。 これは保存しておこうと思います。 ☆ ☆ ☆ ぼんやりと本棚に並んだコミックを眺めていて、またまた頭に浮かんだことがひとつ。 私が作品中残念なことの中に、桔梗と奈落の変化があることはこれまで何度も書いてきた。 奈落が人の心、迷える心を捨てて完全なる悪の権化、ラスボスになったことは特に残念だったのだが、最近の流れによれば、これも仕方のないことなのかなと思う。 ゲームPSのRPG「犬夜叉」では、奈落を倒すのは、というより霊力によって消滅させるのは桔梗(もちろん犬夜叉の鉄砕牙も使うが)。 これはなぜだったろう。 奈落の中に鬼蜘蛛の心があったから。 桔梗を慕い、半妖であることに苦しみ、犬夜叉に嫉妬する心を鉄砕牙で断ち切ることはできない。 かごめの霊力、桔梗の霊力、むしろそちらの出番だろう。 しかし、最終的には犬夜叉の鉄砕牙の出番がなくては、これまでの犬夜叉のレベルアップ、鉄砕牙と心のレベルアップの意味がなくなる。 人の心を捨てただの悪、完全なる悪、いわゆるラスボスになった奈落だから鉄砕牙で「たたっ切る」ことができる、犬夜叉の出番ができる。 そう考えると、奈落の変化、人から悪に変化することは当然の成り行きなのだろう。 私が悪の奈落に魅力を感じないのは仕方がないが、逆に奈落がまだ人の心を、桔梗がまだ心をさらけ出すことをしていたら、話はどうなっていただろう。 かごめと桔梗の間で悩む犬夜叉、桔梗への嫉妬で悩むかごめ、かごめへの嫉妬で悩む桔梗、犬夜叉への嫉妬と桔梗への愛憎の気持ちで悩む奈落、、犬夜叉への嫉妬に悩む鋼牙(も入れてみた)、さらに琥珀を心配する珊瑚、珊瑚を心配する魅力となれば、話はかなり暗いものになりそうだ(笑)。 アクション漫画としてのスピード感と、愛憎蠢くキャラの心理、「犬夜叉」が見た目はかっこいい男の子達と可愛い女の子達の物語でありながら、キャラのそれぞれが心の奥底に屈折した物を抱えこむ、その魅力が七人隊の頃まではあったように思う。 最初はまぶしいほどに輝いていたかごめもまた、犬夜叉を巡る桔梗との時には確執する、時には心を重ねる中で陰鬱な色も塗り込められていく。 これからキャラの心理がどのように変わるかはわからないが、上記のように考えると、少なくとも奈落の変化は納得できる。 同時にアニメの最終場面の犬夜叉のはりきりぶりも、それなりに納得できる物に変わったような気がする。 先生にとって、奈落が生まれたことは、悪となり、鉄砕牙に斬られて終わりというパターンが最初からあったのかもしれない。 主役にこだわらなければ、私など桔梗と共に滅びて欲しい(桔梗によって滅びて欲しい)と願っているのだが。 最近の桔梗、恋を超越した桔梗なら、もしかしたら巫女の責任として、同時に鬼蜘蛛を救うために、そして四魂の玉を今度こそ封印するために、奈落と共に滅びる道を選ぶかもしれないと思っている。 ただし、それには同時にかごめも自分の世界に戻らなければならないと思う。 奈落の結末は、そして「犬夜叉」の結末はどんな風になるのかな?これからも考えたい。 ☆ ☆ ☆ 次に「極楽鳥」。 この頃のかごめのタッチが女らしくて、でも色っぽくて好きなのだが、表紙絵がホラー映画のポスターのようで笑える。 妖狼族と極楽鳥の戦いを見て、「ひどい・・・ 殺し合いだわ。」がえっ?て感じでこれも笑える。 鋼牙が武器を持っているのも笑える。 後に腰の刀(アニメ名妖狼牙)や五雷指を使うが、それまではあえて武器に頼らないようなところがあったので。 まあ口を開けさせておくための武器というより道具だが。 かごめの矢の的中には笑えたというより驚いた。 鋼牙は闘う気満々だが、戦いにおいても、恋においても所詮かなわず、というのが鋼牙以外の全てに見えるところが哀しい(笑)。 (2005年11月27日の日記)
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四魂のかけらの入手法 |
原作少年サンデー1999年9月8日(41号)第136話「三つ巴の戦い」 ☆ ☆ ☆ 136話に目を通していて気づいたこと。 これまで私は四魂のかけらを妖怪たちがどうやって入手したのか不思議に思っていたのだが、そんな悩むほどのことではなかった。 ここに仲の悪いお隣さんがいる。 妖狼族と極楽鳥。 かごめが四魂の玉を打ち砕いた時、飛んでいったかけらは狼の巣に3個、鳥の巣に1個落ちていったのだろう。 妖狼族がさらわれたら、極楽鳥に喰われてしまうほど仲が悪い2つの種族、互いに全滅しないためにも微妙なバランスを保ってにらみ合ってきた。 それが四魂のかけらの奪い合いにより、戦闘再開。 2人で5個も手に入れた飛天満天雷獣兄弟は運が良かったのか縄張りが広かったのか。 まあ四魂の玉にまつわる噂くらいは広まるだろうし、そう考えると極楽鳥vs妖狼族の戦いの歴史という新たなサイドストーリーが浮かんでくる。 ほとんどの妖怪が人間と意思の疎通ができる(喋れる)世界だから、四魂のかけらの入手法、意外に簡単なことかもしれない。 四魂のかけらを3つも持っていながら極楽鳥に苦戦する鋼牙だが、不思議でもなんでもない。 1つしかかけらを持っていなかった灰と同等の速さなのだから。 14巻142ページの、岩に激突する極楽鳥とそれにくっついてる犬夜叉鋼牙に爆笑したが、それにしても犬夜叉の助けがなければ闘えない鋼牙、情けない。 その意味でも鋼牙が犬夜叉の助っ人に駆けつける郎丸兄弟戦が好き。 ところで「妖狼族の若頭」と名乗る鋼牙、私はこれまで若いから若頭ではなく、頭がいるからその下にいる若い鋼牙が若頭なのだとずっと思っていた。 しかし、原作において「頭」が出てきたことがなく、では鋼牙がただの「若い頭」というだけなのだろうか。 普通は頭が上にいてこそ出てくる「若頭」だと思うのだが。 うまく説明できないが、若頭が一番上にいることはないだろうと、社長がいるのに若社長(社長の息子など)が会社のトップになることがないように。 この点にはアニメの製作側も注目したらしく、七人隊登場編で、原作のただの年老いた狼が妖狼族の長老になったり、許婚編で菖蒲と一緒に出てきたりする。 つまり長老狼=妖狼族の頭となるわけで、鋼牙が「妖狼族の若頭」の立場にすんなり収まり、原作よりも納得できる。 犬兄弟、楓と桔梗、雷獣兄弟に金禍銀禍と兄弟姉妹関係が目立つ「犬夜叉」だが、ここでもなにげに兄弟愛(極楽鳥)。 他の兄弟に比べて哀れなほど印象が薄いが、それdも鋼牙に殺されたのが兄、残ったのが弟であることがわかる。 そしてとうとう嬉し恥ずかし鋼牙の爆弾発言とでも言おうか「かごめはもうおれの女」宣言。 「おれがかごめに惚れた」だけで、なぜ「かごめはもうおれの女」に直行するのか理解に苦しむが(笑)、希望通り犬夜叉ヤキモチ第1弾。 たしかにこの時期のかごめ、鋼牙ならずとも惚れたくなる魅力に溢れている。 同時に鋼牙のストレートな恋心が作品内のどろどろ恋愛に豪快な清々しさを与える、しばらくの間。 桔梗、奈落も加わった長すぎる恋愛描写の中で、今では鋼牙の恋すら倦怠と言うか惰性と言うか、清々しくもなんともないものに変わってしまったし(鋼牙自身は変わってないのだが)、かごめにもかつての魅力は感じられない。 この頃のかごめが大好きだっただけに、今一度かつての生き生きとした魅力を取り戻して欲しい、犬夜叉もかごめも彼らの恋も。 七宝と弥勒、珊瑚やかごめと弥勒のやり取りも絶好調で、「死んで欲しくないな、鋼牙。生きてて欲しいな、鋼牙。」と真剣に祈ったことを覚えている(笑)。 声が松野太紀さんだったし。 後になってるーみっく通のメル友から、「鋼牙は死なないよ、高橋先生好みのつり目牙ありへたれキャラだから。」と妙な慰めをもらった。 その時は意味がわからなかったが、「らんま」を見るようになって理解した。 「つり目牙ありへたれキャラ」とはらんまで言えば、良牙のことで、良牙=鋼牙、良牙の立場=鋼牙ということだったのね。 じゃあ死なないや、ストーリーを引っかき回しにちょくちょく出てくるはず、と大満足が懐かしい。 もっとも鋼牙の現状、五雷指と翠子の意思と四魂のかけらと魍魎丸の間で振り回されっぱなし、でもがんばる鋼牙。 鋼牙退場の雰囲気は薄れてきたのでまだまだ鋼牙の魅力を満喫したい。 (2005年12月5日の日記)
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三角関係めでたく成立 |
原作少年サンデー1999年9月14日(42号)第137話「強い男」 ☆ ☆ ☆ 私にしては珍しく、原作のタイトルにちょっと笑った。 強い「男」。 犬夜叉たちより年齢が上のせいか、「男」と思える主要キャラは1人もいない。 「少年」か「青年」のイメージだったので、「強い男? 誰?」って感じ。 この時点では心の広いかごめ、心の狭い犬夜叉っていう感じで、ストレートに「求愛」する鋼牙にあたふたする犬夜叉が可愛い。 でも一番おもしろかったのは、口がひし形のかごめ。 さすがの可愛いヒロインも形無しだった(笑)。 私は犬夜叉と鋼牙がどちらが主役ということもなく、二又か否かも関係なく、声優さんも関係なくぽんと2人が出てきてもやっぱり鋼牙が好きだけど、それって「目」の影響もあるかもしれないなとおもった。 あとは色、紅白めでたい犬夜叉とアースカラーの鋼牙。 もうひとつ、私は男の人が髪を結わえるのが好き、見た目ね?あくまでも。 話がそれるが、ゲーム「真・三国無双」シリーズで、一番好きな趙雲が4になって長い髪を無造作に結わえた感じがいい。 そんなこんなで声高らかに鋼牙派を叫ぶ私だが、一番うらやましいのはこの性格かも。 うじうじ悩んだり自己嫌悪に陥ったりすることないんだろな、常に「当たって砕けろ!」モードなんだろうな。 私はとても小心者で落ち込みやすく、自己嫌悪も甚だしいので(苦笑)、鋼牙に限らずこんなストレートな性格にとても憧れる。 そして最終ページ、傷ついた鋼牙を抱えるかごめ。 かごめは鋼牙を異性として意識していないからこそできた行動だろうが、犬夜叉はショックを受ける。 ここは犬夜叉が可愛そうな気もする。 かごめの行動を読めない犬夜叉には、かごめが鋼牙を抱きしめているように映るんだろう。 その点では、その後もかごめの行動にヤキモチ焼く犬夜叉の気持ちもわかる。 鋼牙の求愛に最初に断ったことで、かごめの方にも免罪符というか、「もう断ったからいいんだ。」みたいな気持ちが生じ、鋼牙に対しても(異性に対するものではないが)好意を隠さない。 この辺の2人の幼さに、すでに通り過ぎた(笑)世代にははらはらさせられ、3人のために喜んだり悲しんだりしてしまう。 高橋先生は、他作品でも思ったことだが、素直になれない恋を描くことが本当に上手な方だと思う。 「めぞん一刻」の音無響子、「らんま1/2」の天道あかねなど、特に女性キャラにもしかしたら八方美人に見えそうなところ、どこまでも可愛く、愛らしく描いてくださる。 「犬夜叉」の場合も、今でこそ「飽き」を感じてしまうが、初期から中期にかけての恋の描写は素敵だった。 「犬夜叉」の三角関係、「かごめー犬夜叉ー桔梗=シリアス」「犬夜叉ー桔梗ー奈落=どろどろ」「犬夜叉ーかごめー鋼牙=ギャグ」など、それぞれの三角関係が全く違う色合いを持ち、時には重なり、時には壊れそうになりながらも、気持ちだけは動かない(動いているか?)。 「犬夜叉」の結末、一番気になるのは恋愛の結末だな、やっぱり。 ☆ ☆ ☆ 「ひとりごと」にも書きましたが、今日は帰りに神田明神に寄って、「犬夜叉のお守り」を買ってきました。 原作の絵だと思いますが、あまり犬夜叉に似てない・・・(ーー;)。 神田明神は甘酒も有名です。 私の大好きな神社です。 (2005年12月5日の日記)
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弥勒と珊瑚の恋の基準 |
原作少年サンデー1999年9月22日(43号)第138話「逃した理由(わけ)」 ☆ ☆ ☆ 「逃した理由(わけ)」の表紙絵は、かごめがすごく可愛いのと、すねた感じの犬夜叉が可愛いのとですごく気に入っているが、読んでいくと犬夜叉が「可愛い」から「可哀そう」へと気持ちが変わっていく。 かごめは鋼牙に恋する気持ちが全くないから普通に接しているが、これまでの流れでヤキモチ大爆発の犬夜叉は一人ですねて、一人で落ち込む。 慰めに行ったかごめとも大喧嘩で、結局かごめはそのまま現代へと帰って行くのだが、私が気になるのは、タイトル通りの弥勒と珊瑚の恋の基準。 2人が直接関わる三角関係は、「かごめ―犬夜叉―桔梗」と「犬夜叉―かごめ―鋼牙」。 もうひとつ大事な三角関係「犬夜叉―桔梗―奈落」はあまり関係ない。 (2人にとってこの問題は「かごめ―犬夜叉―桔梗」関係に同化しているから)。 今回弥勒と珊瑚はかごめに犬夜叉を慰めるように言う。 2人とも冷静なので、かごめの立場や気持ちもわかり、犬夜叉の気持ちもわかる状態。 けれどもこの後は2人にとって鋼牙は、恋愛のかけらもないキャラになってしまう。 2人が鋼牙の恋に言及することもなく、鋼牙はあくまでも「仲間じゃないけど、敵でもない」関係。 そして気になるのが、「かごめ―犬夜叉―桔梗」の関係。 弥勒も珊瑚も、激しくかごめ寄りである。 有名な(笑)「かごめは心が広い」発言もあるし、かごめは彼らにとって大切な存在だから仕方がないとも言える。 ただ私としては、この弥勒に疑問が残る。 珊瑚は世間知らずの純情な娘なので、3人の関係を公平に見ることができないのは当然として、世慣れたはずの弥勒に違和感がある。 高橋先生が造られたキャラに違和感を感じると言うのもおかしいが、私の中でも弥勒ならこうするだろう、弥勒ならこうだろうというイメージはある。 恋愛問題以外で違和感が一番大きいのが、私にとっては弥勒だったりする。 具体的に書いてみると、弥勒がもてないわけがない(笑)。 こんなのはどうでもいいことだけど、でも法力があって、かっこ良い法師様。 誰にとっても理想の結婚相手では? 私はむしろ、小春の恋が普通のように見える。 弥勒自身も珊瑚たちに出会うまでは、もっとしたたかな人生を送っていたように思う。 不良法師は喧嘩っ早いことばかりではなく、据え膳食わぬは何とやらタイプの、しかも据え膳が次から次へとやってくるタイプのように思っていた。 珊瑚に会って、本物の助平法師は封印、ほのかな助平法師に方向転換したように思う。 ところが高橋先生の描く弥勒、もてない。 どうでもいいことだけど、私が作品から描く弥勒像とは異なってしまう。 何より山椒魚妖怪編で、行くとこまで行っちゃいそうな弥勒。 珊瑚の恋を意識していない頃ならともかく、これでは珊瑚が可哀そうだと思った。 山犬妖怪の時は、まだ作戦的なものが感じられたが、珊瑚の前で、据え膳食いまくりの弥勒は、やはり私の弥勒像に合わない。 そして最後がさっきも書いたかごめ寄りの態度。 こういう話題になると、欠かさず必要な前置きが、私は桔梗派でもかごめ派でもないということ。 いつも読んでくださる方は、「またか」と思われるかもしれないがこれは誤解されないためなので見逃していただきたい。 前述した弥勒なら、かごめの、犬夜叉の、桔梗の想いや立場や、そんなもろもろのことを全て見切っているように思う。 私はひたむきである意味周りが見えない、見ようとしない珊瑚には、そういった大人の感情を求めない。 けれど私の弥勒像、先生の作品から形作られた弥勒像が、作品中の弥勒とは違い過ぎて馴染めない。 それとも、私の描く弥勒像の方が間違っているのだろうか。 とシリアスに書いてきたが、実は次は犬夜叉とかごめの仲直り。 これも大好きなエピソードなので、感想を書くのが楽しみだったりする(笑)。 (2005年12月8日の日記)
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弥勒の祖父に、興味あり |
原作少年サンデー1999年9月29日(44号)第139話「ふたりの気持ち」 ☆ ☆ ☆ きょうから15巻。 表紙は犬夜叉と神楽、折り返しは神無、次のページは鋼牙と(狒狒奈落)、そして第1話の表紙絵は私服のかごめ、カラフルリュック付きと豪華に始まる15巻はお気に入りの1冊。 久々に登校したかごめに恋のライバル出現? 消えたアニメ名あゆみが変身したようなテニス部の一年生が北条くんと親しそう。 「2人」の友だちはかごめのために、気を揉むが、当のかごめはそれがどうした状態。 かごめはすでに犬夜叉への恋心100%で、北条くんは眼中になし。 哀れは鋼牙。 結局犬夜叉とかごめの恋のキューピットになってしまう。 そのうち天使の輪と翼が生えてくるんじゃないかと思ったり。 犬夜叉のヤキモチが、かごめへの恋に目覚めたと言うにはまだ幼い気がするのが微笑ましい。 犬夜叉の楓への「女以外の生物(せーぶつだ。)」にひと笑いした後、女たらしにあきれる珊瑚が新鮮。 こちらはヤキモチ度0%。 珊瑚が弥勒への恋に目覚めるのは小春が現れた時。 14〜15巻の鋼牙のおかげで犬夜叉がかごめに、小春のおかげで珊瑚が弥勒に恋を意識する展開は、恋愛創造家としての高橋先生のセンスが絶好調だった頃(北条くんも含め)。 一方素直になれない犬夜叉も、やっとのことでかごめの世界にやって来る。 ここで顔をつき合わせたら喧嘩の蒸し返しだったろうが、うまい具合にかごめは学校、草太と会う。 「ここ・・・ かごめのいい匂いで一杯だ・・・」 犬妖怪犬夜叉の究極の名台詞。 鋼牙は一応かごめの可愛さに惚れたけど、犬夜叉はかごめの匂いに惚れた、優しい匂い。 最後にかごめの入浴シーンのサービス。 私は前髪は下ろしてるほうが好きで、かごめの髪の乱れ具合が可愛くて好きだった。 かごめと犬夜叉の揺れる心がしばらくの間、丹念に描かれる。 かごめの心には桔梗が影を落とし、今の犬夜叉はかごめが全て。 ストーリーテラーとしての先生の凄さが遺憾なく発揮された時期だったと、今にして思う。 ☆ ☆ ☆ きのう弥勒に関してちょっと書いたが、私は弥勒の祖父にもとても興味がある。 というより四魂の玉が蘇る前の奈落との戦闘に興味があると言った方がいいかも。 (映画に弥萢法師として登場するが、それは入れない)。 奈落として蘇り、桔梗を殺し、犬夜叉も封印させて逃げ出した鬼蜘蛛は、四魂の玉が蘇るまでの50年どうしていたのか。 以前「犬夜叉考察7 楓と奈落の50年」でも書いたが、四魂の玉もなく桔梗もいない、自分が半妖であることも知らない50年。 完全な妖怪になるという目的もなく、桔梗を殺す目的もない、生きてるだけの50年。 それは奈落にとって寂しいものだろうとずっと思っていた。 原作における、その頃の奈落を表す唯一のエピソードが弥勒の祖父との戦いと風穴誕生の部分。 元々奈落が何のために人間に化けていたかは置いておいて、無数の雑魚妖怪を喰らい、桔梗への邪恋によって蘇った「人間」に、それほどの能力があるかということも置いておいて。 弥勒の祖父と奈落は50年ほど前、つまり奈落が蘇ってから間もなく戦闘を開始する。 コミック6巻の101〜102ページにかけて初登場の弥勒が語っているが、奈落は「出会うたびに、違う人間の姿を借りていた」ということだった。 50年前だから戦国時代の話なのだが、奈落が化けた人間の中に、どう見ても平安時代の人間の姿があるように思う。 単なる私の勘違いか、高橋先生のミスか、そうでなければ鬼蜘蛛が翠子に懸想して共に木乃伊になった男の生まれ変わりに違いないという私の仮説の証拠のひとつになる。 鬼蜘蛛のセンスが当初は平安時代のままだったとか(笑)。 もうひとつ、この頃の奈落が人の身体を「借りていた」のが興味深い。 借りられた人の身体はどうなったのだろうか。 少なくとも人見蔭刀の魂がどこにあるのか、完結するまでに知りたいが、出てくることはないんだろうな。 (2005年12月9日の日記)
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天下無敵の北条くん |
原作少年サンデー1999年10月6日(45号)第140話「井戸の向こう」 ☆ ☆ ☆ 最近かごめが現代に戻ることが少ないので、私服姿を見ることもあまりなくなった。 でも初期「犬夜叉」はかごめのいろいろな私服姿を見ることができる。 今回も表紙絵は私服のかごめ。 四大高橋作品(と書いていいのか?)の中で、私服姿がしょっちゅう見られるのは「めぞん一刻」のみ。 「うる星やつら」「らんま1/2」そして「犬夜叉」とヒロインの服が決まっているのは、私は寂しい。 もちろんラムの虎縞ビキニのインパクトを否定するものではないけれど、いつも同じ服はちょっと寂しい。 描く方は楽でいいかもしれないなあなどと、余計なことを考えたこともある(笑)。 さて内容に入ると、かごめを巡る恋のライバル2人が登場、もちろん犬夜叉と北条くんである。 「犬夜叉」の主要キャラのほとんどが、恋愛や運命に関して人並以上に内にどろどろした物を抱えている中、一点の曇りもなく光り輝く北条くんには、いつもほっとさせられたものだった。 「犬夜叉」は全編に散りばめられているギャグテイストで誤魔化されているが、実はとても重い物語。 時々息が詰まる感じがすることがある。 その中で光り輝く北条くん(笑)、とても好きだった。 「ウィキペディア」によると、この読者に気を持たせる恋愛関係は、高橋先生の「簡単に愛情を表現させないイデオロギー」なのだそうだ。 その「イデオロギー」が全開すると、特に「犬夜叉」の場合、濃厚すぎる料理のように、胃に重たくのしかかってくるのだが、そこで登場登場くん。 天然ボケで、健康オタクで、かごめが大好きな北条くん。 濃厚すぎる料理の後にあわてて飲む胃腸薬とでも言おうか、すっきりさわやか清涼剤とでも言おうか。 作品内で一番好きなキャラに押されることはなかなかないだろうが、では北条くんが嫌いな人は?と言ったらそれもいないだろう。 癖のある登場キャラの中、ここまであっけらかんとした性格は本当に貴重。 恋が報われないのに気づけないところなど爆笑してしまった。 ところがかごめの「三股疑惑」を避けるために、原作では消えてしまった。 この哀れなところも北条くん。 アニメでむやみに登場して、結局「かごめの三股疑惑」が噴出してしまった原因となった北条くん。 やっぱり北条くんはいい。 話は進んで、七宝と犬夜叉、かごめと草太の会話も2人と読者の心をざわめかせ、現代に来てもかごめに相対することができない犬夜叉に胸がときめいて。 何よりもかごめの寝言に翻弄される犬夜叉がいい。 最後に目覚まし時計にかこつけて謝る犬夜叉がいい。 この時期はすでにかごめへの恋心110%、桔梗への恋心90%くらいだろうか。 意外にかごめ100%、桔梗100%の正々堂々の二股の時期ってなかったような気がする。 犬夜叉の中では、常にかごめか桔梗、その時々でどちらかに対するウエイトが高い。 こんなところが優柔不断のなせる業、犬夜叉のやさしさとも言える。 「そばにいてあげるわよ」 犬夜叉に寄り添うかごめ、二人だけの優しいひと時が流れる・・・。 ☆ ☆ ☆ アメリカ版カレンダー、12月の犬夜叉、殺生丸、弥勒の3人。 これまで見た中で一番かっこいいです、犬夜叉。 犬夜叉は斜め目線がかっこい。 11月の奈落が怖かった時は、トイレのそばに移動したカレンダー、今月は目の前です(笑)。 (2005年12月10日の日記)
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