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今月は27日が朔の日 |
原作少年サンデー2001年1月24日(8号)第201話「奈落の匂い」 ☆ ☆ ☆ 七宝の切ない初恋の後は本筋に戻って鋼牙と神楽が登場する。 シリアス犬夜叉+疾走する鋼牙の横顔が並ぶ素敵な表紙、ページをめくっても鋼牙、次のページも鋼牙と鋼牙好きにはたまらないエピソード。 無闇に走り回っているかのように見える鋼牙の次は、地面に這いつくばって匂いをかいでる犬夜叉、これも笑える。 犬夜叉の鼻が効かないのは今日が朔の日だから、犬夜叉が人間に戻る日。 普通なら犬夜叉が弱体化する日はどこかに隠れてやり過ごすような気がするのだが、犬夜叉の場合関係なく出歩いているようである。 まあ隠れろといえば余計意地になりそうな犬夜叉だが、それだけ仲間の強さに対する信頼感もあるのだろう。 かごめや桔梗に出会う前の孤独だった犬夜叉なら朔の日はおとなしくしていたような気がする。 そこへ鋼牙がやって来た。 今回はかごめの匂いを嗅ぎつけたわけじゃなく、奈落の匂いを追う途上にかごめがいたことになるらしい、間違ってはいなかったね、犬夜叉(笑)。 鋼牙に踏みつけられて激怒する犬夜叉だが、話を進めるために「おすわり」発動、かわいそう。 今回奈落の匂いがもれてきているのは、奈落の罠かと思っていたが、そうではなく実は奈落にも「朔の日」にあたる瞬間があることが後に明らかにされる。 先に書いてしまえば、奈落は犬夜叉のように新月という一定の時期に「人間」に戻るわけではなく、自分で時期を決め、「眠ったり」「体を組み替えたり」しているのだが、それはな縫いを意味するのだろうか。 その時期になると奈落の体がバラバラに分解してしまうのが奈落にとっての「朔の日」なのかもしれない、好むと好まざるとに関わらず。 一方奈落の城。 奈落が張り巡らす結界の毒気に当てられた人間の家臣の白骨が転がる城にはさすがの神楽も居心地が悪そう。 そんな神楽に鋼牙が近づいてきたことを知らせるのは神無。 これは奈落の命令ではないらしい、奈落が神楽の心を試しているように見えないこともないが。 退屈しのぎに?鋼牙の前に舞い降りる神楽。 鋼牙にとっては憎い仇だが、どうも鋼牙は神楽にかなわないように見えてしまうのが辛いところ。 たしかに鋼牙の速さを封じるには足を傷つけることであり、傷つけるには神楽の風の刃が効果的だろう。 鋼牙の攻撃は白骨化した死体が防ぐ。 しかし今回はまだ戦闘は始まらず、鋼牙がやる気満々で向かっていくところまで。 この鋼牙vs神楽対決編の直後、神楽は殺生丸に特別な関心を持つようになるのだが、それまではほんとこの2人、いいカップルになると思っていた。 神楽がそれなりに奈落の束縛を嫌うようなそぶりがあったから、いつかは鋼牙と和解、みたいな。 ビジュアル的にも合うような気がしたのだが、その後の神楽を見る限り、神楽にはやっぱり頼もしい落ち着いた男性(殺生丸)か。 今ちょうどファンディスク見終わったが、ハイブリッドムービー、PS2「犬夜叉 奥義乱舞」と同じものだということはすぐわかったが、新作だけに犬夜叉とかごめ以外の声も入るのでは?と期待していたが、まんまでがっかり。 松野さんの鋼牙や大神さんと成田さんの「風」は聞きたかったな。 まあ夢幻の白夜や刀秋も出てくるので、仕方がないけど。 余談だがアメリカ版「犬夜叉」カレンダーでは「NEW MOON」と毎月の朔の日を教えてくれる。 書き込み型のカレンダーで、朔の日にはちゃんと黒髪の犬夜叉の立ち姿も描かれている。 その日が来るたびに、今日も犬夜叉苦労してるかなあなどと思ってしまう。 満月なら団子でもススキでも(笑)、供えようあるけど、新月ではねえ・・・。 せいぜい朔犬初登場蜘蛛頭編か朔犬がんばる桃果人編引っ張り出して読むくらい? 私にとって朔犬が印象的なのはこの2編だけ、かも。 (2006年4月8日の日記)
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途切れぬ因縁 |
原作少年サンデー2001年1月31日(9号)第202話「骨の渦」 ☆ ☆ ☆ 今回のメインは鋼牙vs神楽。 と言っても一方的に攻撃しているのは神楽で、鋼牙は神楽を傷つけるどころか触れることさえできない。 現在犬夜叉たちと行動を共にしている鋼牙だが、おそらく神楽に関する話題が出ることはないのだろう。 本来なら奈落と共に憎い仇である神楽、鋼牙が名前を出すのが当然だろうし、その結果神楽の葛藤や自由への強い意思、そしてその死など話を聞いたはず。 その結果鋼牙の神楽に対する気持ちがどう変わったか、それとも鋼牙だけが消えぬ恨みに囚われ続けるのか、とても興味のある部分だが、物語を煩雑にしないとなるとカットされるであろう部分。 それはともかく今回は神楽にいいようにあしらわれ、両足の四魂のかけらを奪われてしまった鋼牙、神楽言うところの「ただの妖怪」に戻ってしまう。 鋼牙を助けることもできない2人の仲間が駆けつけたのは犬夜叉のところ。 けれど今日の犬夜叉は朔犬状態、姿を見せずに話を聞いているのだが、おもしろいのはその後でさっさと着替えている珊瑚。 一緒に潜んでいるのが弥勒だったらあり得ないだろうな、そんなこと(笑)。 でも神楽(奈落)も気になるが、なんだかんだで鋼牙も心配そうな犬夜叉、2人に朔の秘密を守ることを(無理矢理?)誓わせる。 この辺のスピード感がおもしろい。 鋼牙のかけらを奪った神楽だが、犬夜叉が駆けつけたことでトドメを刺さずに引き上げる。 やられっぱなしで悔しい鋼牙、それにしても弱い。 鋼牙が四魂のかけらに速さばかりを願ったのがいけなかったのか、それともかけらと仕込む者の相性によって上がる能力が変わるのか。 桔梗や奈落クラスの者が扱うのなら人間になったり妖怪になったりという多少の無茶もできるけど、普通の人間や妖怪ならばそれほど自由にコントロールできないのかもしれない。 満天もあれだけ願っても髪は生えなかったし、鋼牙は四魂のかけらを2個使っても菖蒲が追いつける速さだった(アニメオリジナルだったけど)。 琥珀の命をつないだり、骨だけ残っていた七人隊を蘇らせることができるのならば、桔梗だって復活できそうなものだが、犬夜叉は思い至らないのか桔梗が望まないことを知っているのか口にしたことはない。 四魂の玉を丸ごと奪ったら琥珀だって完全体の人間に戻れそうだ。 こういった部分や、珊瑚が天生牙の存在を知りながら琥珀に使うように望まない部分などはもう少し説明が欲しいところだろうか。 けれど今回魅力的なのはやはり犬夜叉。 表紙のシリアス顔もかっこ良かったし、とことんお人よし名部分、それで損をしたり奈落に利用されることもあるが、この基本的な善性がかごめや桔梗に愛される由縁だろう。 奈落(鬼蜘蛛)にはこれがなかったからこそ鬼蜘蛛は不幸で憎まれるのだろう。 以前は奈落の消滅と鬼蜘蛛や人見蔭刀の救いが桔梗によって行われるのではないかと思っていたが、最近の展開では奈落は悪として倒されるべき存在、ちょっと寂しい。 それにしても元気な神楽を見ていて思うこと。 奈落は神楽の最後を知っているのだろうか。 奈落は神楽や琥珀に対して、他にもいろいろな謀略を凝らしているが、その結果を見ているのだろうか。 幸せに死んだ神楽の最後や魂が救われつつある琥珀に当然がっかりしたり悔しがったりする場面はないが、神楽に「自由」を与えて放り出してそれで関心を失ったのだろうか。 どこまでもねちっこく神楽が死ぬ瞬間まで見届けそうなキャラだが、これも煩雑カットなのかな? (2006年4月13日の日記)
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束の間の自由 |
原作少年サンデー2001年2月7日(10号)第203話「逃亡」 ☆ ☆ ☆ 表紙は黒髪の鋼牙を背景に黒髪の犬夜叉。 鋼牙の人相が悪くて犬夜叉を狙う悪役みたい(笑)。 でも結局鋼牙はやられっぱなしで両足の四魂のかけらを取られて、神楽にまんまと逃げられる。 一人になった神楽はどうして鋼牙や犬夜叉たちが奈落の城にたどり着けたのかを考える。 それは奈落の結界がゆるんでいるから、「奈落がいないから」。 しかし弥勒の考えは違う。 朔の日の犬夜叉の姿を見ている分、「半妖」奈落にも犬夜叉の朔の日にあたる、妖力の衰える瞬間があるのではないか、それが今ではないかと推理する。 結果的には弥勒の推理が正解。 ではその時奈落はどうなるのか、犬夜叉のように元は人間とはいえ今の奈落を形作っているのは妖怪の集合体。 私がここを読んだ時は、鬼蜘蛛の火傷前の元の顔か、あるいは焼け爛れた顔に戻るのかと思った。 けれど鬼蜘蛛の体は喰われてもうないから、正直想像がつかなかった、ただ普通の人間並みに弱くなるだろうと思ったくらい? それがああなっているとは・・・。 さて奈落の匂いを嗅ぎつけてやってきたのは鋼牙、犬夜叉の他にもう一人いた、殺生丸。 邪見の中では「確か」以前殺生丸に無礼をはたらいたくわせ者くらいでさして意識していたように見えないが、殺生丸にとってはその事件が大きなしこりとなって残っていることが伺える。 しかし殺生丸の前に現れたのは、奈落ではなく神楽だった。 後に殺生丸はちゃんと奈落と神楽の匂いをかぎ分けるが、この時はまだごっちゃにしているのがおもしろい。 私は神楽も奈落も香でも焚き染めているような感じで、それもそれぞれが違う香の匂いを放っているような気がするが。 神楽の狙いは殺生丸を倒すことではなく、鋼牙の四魂のかけらと引き換えに殺生丸に奈落を倒させることだった。 なるほど神楽が裏切ったことを知らないうちに奈落が死んでしまえば神楽は助かる、のか? 奈落が死んだ時、神楽や神無はどうなるのだろう。 映画「鏡の中の夢幻城」では、心臓が2人の中に戻り、奈落が死んでも生き続けるという解釈が見られた。 もちろん神楽もそう信じているから殺生丸を唆すのだろう。 私は逆に奈落が死んだ瞬間、心臓が神楽や神無の中にない限り2人は奈落と共に死ぬ設定なのではないかと思っているのだが。 心臓を得た状態ではきちんとした1個の存在だが、心臓が奈落にある限り、神楽も神無も仮の存在、その生死は奈落と共にあると。 神楽が死んだ今、その答えが出るとは実は考えにくい。 特に神無や夢幻の白夜が今後奈落を裏切ることは考えにくく、奈落の死はそのまま2人の死にも繋がるだろうし。 「犬夜叉」の中にはこのようにその場限りの謎、おそらく答えが出ることはないだろうと思われる謎が結構多くて(もちろん作品が終わるまではわからないが)、それが歯がゆくもあり考察のしどころともなる。 しかし殺生丸はあっさり断る。 「ひとりでやる覚悟がないのなら、裏切りなど考えんことだな。」の言葉が見事。 一応かつては四魂のかけらを使ってみたりしたこともあるんだけどね(笑)。 ただその中で四魂の玉の持つ危険性、四魂の玉に頼ることの危うさなどに気づいていったのだろう。 誰もが四魂の玉に振り回される中でその因果に囚われない殺生丸の姿はいっそ潔い。 けれどだからといって神楽を気にかけないわけではなく、ここでもちゃんと見送っている。 また神楽もかけらにつられてホイホイ言う事聞くような殺生丸ではないことにさらに惹かれていくのだろう。 当時は神楽の恋心に全然気づいていなかった私だが、今読み返すと少しずつ少しずつ近づいていく2人の心に我知らずときめいてしまう。 しかし神楽の裏切りは奈落が承知のことだった。 なんとまあ妖怪の体をばらばらに分解して、生首状態でぶら下がっている奈落がその全てを見通して笑んでいる、怖い姿だが妙なセクシーさがあって好きだったりする。 (2006年4月13日の日記)
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朔の日の姿 |
原作少年サンデー2001年2月14日(11号)第204話「夜明け」 ☆ ☆ ☆ 前回に引き続き朔犬と鋼牙の雲母二人乗りを堪能したが、殺生丸の元から戻ってきた神楽の匂いを嗅ぎつけ、鋼牙は飛び降り、犬夜叉は落とされる。 鋼牙と神楽の再戦が始まるが、殺生丸に振られた?神楽の八つ当たりの前に轟沈する鋼牙、やっぱり弱い(涙)。 見ていられず飛び出す犬夜叉、同時に夜明けが始まる。 犬夜叉の朔の日の姿を見てしまった神楽。 ただ神楽が自由になりたがっているという前提がなかったとしても、神楽が奈落に朔の日の秘密を語ることはなかったような気がする。 どこか奈落に頼ることを潔しとしない自立した雰囲気を感じるせいかな? 今回は鋼牙の代わりに犬夜叉が神楽に立ち向かうところまでだが、結局鋼牙も神楽も犬夜叉の秘密は守ることになる。 神楽は奈落を倒す犬兄弟に希望を託すが、鋼牙に関しては口止めを頼む必要もなかったように思う。 強がり同士の犬夜叉と鋼牙の友情。 四魂のかけらにかこつけて鋼牙を助けに向かう犬夜叉が可愛い。 さて鋼牙をかばって神楽の前に飛び出した犬夜叉だが、神楽は呆然。 一体どれだけの妖怪が半妖にある朔の日を知っているのか、その前に半妖が一体それだけいるのか考えてみるとおもしろい。 犬夜叉が半妖とされたことは物語に深みを与える意味で素晴らしい設定だったと今更ながらに思う。 他におもしろいのが自分で四魂のかけらを使ってみようとする神楽と、神楽を守ろうとするかのように登場した奈落が飼っている妖怪たち。 妖怪たちは神楽の裏切りを知ってもなお神楽にはまだ利用価値があるとした奈落の行動だったが、もしも神楽が四魂のかけらを2個使っていたらどうなっていただろう。 普通に龍蛇の舞がパワーアップするのだったらいいが、百足上臈とか屍舞烏みたいになったら嫌だな、いえ奈落を形作っていた妖怪の部分がにょきにょき出てきたらもっと嫌だな、とかいろいろ考えたことも懐かしい。 今回も表紙には鋼牙が登場。 前回とは逆に犬夜叉が背景として大きく描かれ、鋼牙が主役の位置につく。 21巻はコミックの表紙にも鋼牙が登場しており、この時鋼牙と神楽は目の色が違うだけで瞳のないという部分で双子のようによく似ていることに気がついた。 でも焦点はきちっと定まっており、しっかりと描かれた犬夜叉やかごめの目よりも好きだったりする。 前回素敵な姿を披露した奈落は今回は登場せず気を持たせる。 神楽にはやられっぱなしの鋼牙、その仇を打つ時は栄久に来ないのだが鋼牙の恨みは奈落に向かって爆発することになるだろう。 奈落の最終決戦の場に果たして鋼牙はいるだろうかとずっと心配していたが、どうやらこのまま犬夜叉と共に行動してくれそうだ。 もう五雷指の加護のない鋼牙、神楽にやられっぱなしの鋼牙がどこまで奈落に太刀打ちできるか、心配なんだよなあ。 無事に奈落を倒したとしても、らんまのように永遠のドタバタコメディで終わらせるわけにはいかないだろうし、犬夜叉と桔梗とかごめ、犬夜叉と鋼牙とかごめの恋はしっかり決着がつくだろう、その日が怖いけど楽しみでもある。 次回は神楽裏切り気分編の最終回、神楽が大変なことになる。 この部分はアニメでかなり変更されるだろうと思っていたら、全く原作通りで、変えて欲しくないところは変えて、大丈夫?と心配なところは絶対変えないアニメ体質にハラハラドキドキさせられた記憶がある(笑)。 それでもアニマックスなどで見直すアニメは素直に楽しめることが多く、時間のベールが原作とアニメの亀裂を何気なく隠してくれているなあと思うことが多い。 (2006年4月15日の日記)
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囚われた神楽 |
原作少年サンデー2001年2月21日(12号)第205話「半妖の秘密」 ☆ ☆ ☆ 表紙の目がいっちゃってる奈落の色っぽさにまずドキッとした後、犬夜叉と神楽の闘いが始まる。 鋼牙を助けるために人間の姿を見られることを覚悟して神楽の前に飛び出した犬夜叉に、鋼牙も思うところがあるようだ。 神楽もわざわざ「朔の日に妖力を失うってことか。」と確認までしてみせる。 鋼牙と神楽、犬夜叉の2人の敵(一応)に知られてしまった朔の日の秘密。 それがどうしたと、どこまでも強気の犬夜叉が風の傷を放つ。 数々の苦しい戦いで鍛えられた犬夜叉の鉄砕牙、犬夜叉の風の傷にもはや神楽はかなわない。 しかしあわやという時に神楽を救ったのは奈落の妖怪たち。 犬夜叉たちにしてみれば奈落が神楽を救うのは当然だが、神楽はむしろ不安だろう。 鋼牙が四魂のかけらを取り戻して去った後、城に戻った神楽は神無に引寄せられるかのように地下牢に行く。 神楽が後をつけたはずの神無が、新たな部屋を見つけた神楽の後にいることが怖い。 そして神楽は遂に奈落の分解された姿を見ることになる。 神楽の裏切りを見通している奈落。 殺生丸を頼ったことまで気づいているのかそこまではわからないが、まるで神楽を苦しませ、自分がその葛藤を楽しむためにこんな性格に仕立てたかのように見える。 奈落が望めば夢幻の白夜のように裏切りなど考えない悪女にすることも可能だったはず。 自由を求める風に作られたことが神楽の悲劇だった。 分解された奈落の肉塊に囚われ、奈落に相対する神楽。 さすが気丈な神楽もただ謝るしかない。 でも逆にこの奈落の脅かしが神楽の口を噤ませる結果となった。 殺生丸が駄目なら犬夜叉がいる。 その身で犬夜叉の成長を感じ取った神楽は犬夜叉に奈落を倒す望みを託す。 この後神楽の犬夜叉たちに対する態度が少しずつ変わり(本気で殺しにかかることもあるが)、犬夜叉たちも神楽をどこか憎みきれなくなっていく。 犬夜叉たちの甘さとも優しさとも言えるだろうが、そこがまた犬夜叉たちの魅力なのかも。 最終ページ、犬夜叉がなんだかんだ言っても仲間に心を開くようになってきたことを見抜くかごめ。 共に戦い、共に旅を続ける存在だからこそ共に重ねられる経験や共感がある。 かごめと旅を続ける犬夜叉は、離れて生きる桔梗とどれだけ想いを重ねてこれているのだろうか。 (2006年4月16日の日記)
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山犬妖怪 |
原作少年サンデー2001年2月28日(13号)第206話「山の中の姫」 ☆ ☆ ☆ 原作では神楽の裏切り編から続く弥勒と珊瑚の山犬妖怪だが、アニメではもっと前、竜骨精編、七宝の初恋石の花に続いて放映された。 この後に珊瑚がまだいなかった頃の桃果人が控えていたからで、山犬妖怪との戦いで珊瑚は飛来骨を傷つけ、修理のために退治屋の里に戻るために桃果人にはいないことになっている。 さらに里帰りの間にスズナとセリナに会うという初めてのオリジナルが入る展開だった。 ついでにその後黒巫女椿という桃果人に続くアニメとしては大作が入り、おまけで生姜のオリジナルが入って神楽の裏切りが入る。 ストーリーに大きな影響を与えることのない変更だが、第一弾映画「時代を越える想い」と重ねて考えると当時の製作側の気合いが感じられておもしろい。 とある村で男たちが行方不明になる事件が起きていることを知り、妖怪退治を引き受ける弥勒。 「良いことをする時はいつも怒る(照れの意味)」犬夜叉は嫌そうだが(笑)、相手が絶世の美女であることを知った弥勒の態度が豹変。 水玉模様の「ふっ」と飛ばしながら「私ひとりでまいりましょう。」 しかし気がつくと退治屋衣装に着替えた珊瑚が。 「仕方なく」珊瑚と共に行くことになった弥勒。 落ち武者の中にいた姫が皆死に絶えた中で自分も死に、その怨念が妖怪化したのかと2人は話し合う。 そこで見つけた結界は「入るのはたやすいが、出るのは難しそう。」 しかしそれは男性にとっての話で、女性にとっては「入るの難しく出るのはどうだかわからない」結界。 弥勒にもらった数珠をつけるも結界に阻まれてなかなか入れない珊瑚は弥勒とはぐれる。 と言うことは、やはり結界に阻まれて入れなかった雲母は雌? いえ入れても珊瑚を待つか(笑)。 はぐれた弥勒が出会ったのは美しい姫、珊瑚が出会ったのは多数の老人。 ただしどう見ても老人の男たちは実は若く、姫妖怪に若さと精気を吸い取られたのだった。 弥勒の心が姫の虜になっても困るが弥勒が老人化しても困る、慌てた珊瑚が弥勒を探し回るが、当の弥勒はすっかり「姫の虜」? いえそうは見えないところが弥勒の弥勒らしいところか。 でもぎりぎりまでは虜になっておくのも弥勒の弥勒たる由縁か。 一方今回は控えに回った犬夜叉とかごめ、弥勒と珊瑚の恋議論に花を咲かせる。 犬夜叉より遥かに世慣れた感じの七宝がおかしい。 犬夜叉も人の恋路に鈍いわりに鋭い部分もあったりするので、かごめにしてみれば余計突っ込みたくもなるのだろう。 次回は弥勒の「危機」に間に合った珊瑚の役割は?とでも煽るところだろうか。 (2006年4月21日の日記)
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乙女心 恋心 |
原作少年サンデー2001年3月7日(14号)第207話「乙女心」 ☆ ☆ ☆ ナマズ妖怪や山椒魚妖怪や山犬妖怪や。 弥勒と珊瑚のキューピットにはなぜか動物が関わることが多い。 このエピソードも純真な珊瑚と、その恋心を十分に理解しつつもあえて踏み込まない弥勒の立場を楽しむだけでいい。 最後の「おさわり」も、とぼけてみせるが、むしろ弥勒の計算だろう。 弥勒には待ち受ける悲惨な運命があり、それを克服しないことには珊瑚との恋に進むことはできない。 それが明らかにされるのもずっと後。 けれども誰が見ても弥勒と珊瑚は正統派両想いのカップルであり、「弥勒は実はかごめが好きだ」などと思う人はいないのではないだろうか(笑)。 三角関係に悩む犬夜叉やかごめとの対比がこの物語を面白い物にしている。 けれどやはり突っ込むべきはこの日の弥勒。 何を狙っていたのか、操られると見せかけていくとこまでいっちゃう気なのか、それとも山犬妖怪姫とくちづけることで「穏便に」済ませる手立てがあったのか。 いずれにしてもついて来た珊瑚にしてみればたまったものではないだろう。 その意味ではもしかしたら弥勒一人で対処しに来た方が良かったのかも。 などと無粋なことは言わず、けれどぶちきれた珊瑚の飛来骨は誰を狙っていたのか、山犬妖怪だとは思うが、案外弥勒だったりして?、怖いぞ珊瑚。 それはともかく珊瑚の存在に気づいた妖怪に対し、やむなく弥勒は法力で押さえ込む。 姫の魂は苦痛を感じてしまうが、弥勒は妖怪の中から姫を助け出し、「珊瑚に」妖怪を退治させる。 この時点で弥勒は錫杖を使っているし、珊瑚の言うとおり弥勒が退治するのも容易かっただろう。 落ち武者と共に山の中に逃れながら、ただ一人生き残ってしまった姫。 その孤独と恐怖が妖怪に付け入る隙を与えてしまった。 最初弥勒は「姫の怨念」という言い方をするが、もうこの時に孤独な姫の魂が妖怪に乗っ取られていたことを推測していたのだろう。 結局自分がついていく必要がなかったことに落ち込む珊瑚と慰める弥勒。 普段ないことだが、それはやはり珊瑚がヤキモチを無意識のうちに意識していた由縁だろう、可愛い珊瑚。 この後のふたりの会話は絵もとても綺麗で表情も柔らかくてとても好き。 そしてやはり自分を顧みることをせず、素直に喜ぶかごめがいい。 次回はいよいよどこに行っちゃったの?奈落の人の心、無双登場。 現在人の心を取り戻しながらも桔梗を傷つけることのできる奈落。 もしかしたら奈落は人の心全てではなく、人の心の中でも桔梗を想う部分はまだ白霊山に捨ててあるのかも。 白霊山にはそれこそ無双=桔梗を慕う人の心がまだ眠っているのかも。 でもああやって人の心が顔つきで出てくるんだったら、無双が人殺しまでして顔を捜す必要がないんじゃないかと思ってみたり。 でもあの僧無双の顔はもう残っていないんだろうな・・・。 奈落の中でももっとも好きな部分、桔梗を想う人の心。 いつかそこだけ独立して出てきて、桔梗を傷つける奈落と対立することになったらおもしろいかも。 (2006年4月24日の日記)
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無双 |
原作少年サンデー2001年3月14日(15号)第208話「顔のない男」 ☆ ☆ ☆ 21巻最終話から始まる顔のない男、無双編だがアニメでは蒼天&紅竜の敵討ち編に続くエピソード。 このチビ雷獣のパートナー紅竜役は「名探偵コナン」の光彦役の大谷育江さんだったが、現在体調不良で一時降板されている。 代役は犬夜叉蛇骨の折笠愛さん。 キャストを見るまで全然気がつかなかったが、他番組でも別の声優さんが代役をされているとのこと。 大谷さんの一日も早い回復をお祈り申し上げます。 さて現在サンデーでは奈落に人の心が戻っているが、平気で桔梗を傷つけている。 無双と比べると興味深い。 奈落に戻った人の心は桔梗を慕う部分を除いた50%くらいなのだろうか。 無双の分の人の心はいまだ白霊山で眠っているのか、とは前にも書いた。 奈落がそっちの人の心に会いに行ったら、やれ俺も戻せとか、やれ桔梗を殺すなとかうるさそうだ。 そちらの人の心は同じ生首状態でも顔はないのだろう。 ただし今回は無双編のプロローグ。 犬夜叉や読者はその匂いや殺戮、奈落の言葉から無双が奈落の分身であることを知っているが、無双自身は鬼蜘蛛としての記憶が戻っていない。 おぞましい肉塊から生まれ、お気に入りの顔の皮が見つかるまで殺戮を続け、美形の僧から顔と名前を奪い、さらに「楽しいばかり」の殺戮を繰り返す。 その無双と犬夜叉が出会うまで、そしてそれを見ている奈落と一気に期待を盛り上げる。 後になって桔梗の記憶を蘇らせる無双だが、その邪ながらも悲壮な願いは聞き届けられることもなく、桔梗には会えぬままに奈落に取り込まれることになる。 「犬夜叉」敵ゲストキャラ?の中でも悲壮感を感じさせるという意味では、七人隊の睡骨と並ぶベストキャラ。 アニメの「四魂の玉を造る者」の出雲も入れて3人がお気に入り。 (もちろん奈落や桔梗といった主要悲壮キャラは別格)。 ただ残念ながらこれだけ盛り上げておいて中途半端に消えていったのもまた事実。 眠りについた?赤子のようにではなく、このキャラこの声この性格、で是非再登場して欲しいキャラの筆頭でもある無双。 最近の流れ(人の心 in 奈落)を読む限り、まだまだ気体は持てそうな予感がするが、さて・・・? (2006年4月25日の日記)
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お気に入りの表紙 |
原作少年サンデー2001年3月21日(16号)第209話「無双」 ☆ ☆ ☆ 今日から22巻、このカラー表紙がとても気に入っている。 上から順番に桔梗、犬夜叉、無双、ページをめくれば素肌に毛皮をまとった奈落、裏表紙は血玉珊瑚を抱えた紫織。 かごめや珊瑚のカラーは私にはちょっと色が強くてむしろ苦手なのだが、桔梗は顔に色味が少ないせいか。 (ただし「天下覇道の剣」のポスターのようなのは好き。) さらにページをめくると海辺で貝殻を拾っているかごめと七宝、これもすごくいい。 今サンデー先週号を並べているが、やはり絵が変わりつつあるなあとすごく寂しい。 でも美形ながら精悍だった僧無双に比べ、鬼蜘蛛無双はなんか軽薄な気がするのは私の気のせい? 銀骨を人間扱いしなかった兄に習ってこちらも「いったいだれなんだ!」ではなく「なんなんだ!」と無双に突っかかる犬夜叉。 最初は相手にしていなかった無双だが、だんだん犬夜叉に苛立ちを見せ始める。 このふたりの相性がいいわけないから当然か。 ただ無双はもうひとつ遠い記憶で犬夜叉が気に食わないように見える。 鬼蜘蛛は犬夜叉のことをどこまで知っていたのだろう。 最初は桔梗目当てでも四魂の玉目当てでもなく、たまたま桔梗に救われたらしい鬼蜘蛛。 洞穴に横たわっているだけで四魂の玉や犬夜叉の知識を得たとすれば楓や桔梗からとなるが、それは考えにくい。 すると鬼蜘蛛は桔梗、あるいは四魂の玉目当てに桔梗の村に来たところで何らかの原因で火傷を負い、桔梗に助けられたのだろうか。 奈落誕生の部分はとてもわかりにくくて、桔梗を殺す気はなかった鬼蜘蛛の体を乗っ取った奈落が四魂の玉を汚すために桔梗と犬夜叉を憎しみ合わせたことになっている。 だから奈落自身、鬼蜘蛛と合体する前の奈落が桔梗に恋をしていたという事実はない。 奈落の中で眠っていた鬼蜘蛛が犬夜叉に対してどれほどの知識を持っていたのか、どう思っていたのか、それはこの後明かされることになる。 しかし今回は、無双に関する謎がこれでもかと打ち出されるだけ。 犬夜叉に砕かれた無双の身体が最猛勝により復活する。 さらにその腕は伸縮自在に伸びて犬夜叉の喉を貫く。 そして飛び出したかごめに無双は「桔梗の」面影を見る。 この場は犬夜叉の風の傷がかごめを救うが、砕かれる瞬間の無双の「桔梗!」の絶叫はアニメの家中さんの声が脳内に焼きついている(笑)。 ばらばらになった無双は消えたが、犬夜叉たちの知らないところで再び復活していた、不死身の無双。 しかしもうひとつ後の話になるが、無双には鬼蜘蛛の痣と心臓と両方ある。 奈落の分身の証の痣に心臓、不死身ではない。 この時点で奈落は無双を本当に捨てたのであり、滅びる前に一仕事させようとするくらいにしか思っていないのだろう。 (2006年4月26日の日記)
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桔梗の記憶 |
原作少年サンデー2001年3月28日(17号)第210話「鬼蜘蛛の記憶」 ☆ ☆ ☆ 元の身体に戻った無双は最猛勝によって、かつて鬼蜘蛛として桔梗と過ごした洞穴へと導かれていく。 その頃奈落の城には鎖で縛られた神楽(しかも燃えてる!)がいた。 顔にも傷があって奈落に痛めつけられたことを暗示しているが、当時アニメでこのシーンも忠実に描かれていて度肝を抜かれたことを思い出した。 もちろんこれは神楽の裏切りへの制裁、もし四魂のかけらでパワーアップした殺生丸が奈落を襲いに来ていたら奈落もただでは済まなかったろうから、奈落としては当然の仕打ちだろう。 もう逃げたりしないと奈落に告げる神楽だが、本心でないことを奈落は見抜いている。 「・・・・・・」の沈黙は「本心でないことはわかっている」くらいの意味だろうが、とりあえず奈落のために身軽に動いてくれる分身は神楽しかいない。 奈落の分身、神楽の弟無双を追う役目を神楽に任せる。 そして無双の匂いをたどる犬夜叉もまた後を追っている。 犬夜叉の前に現れた神楽は、無双が洞穴に向かったことを告げるのだが、その意味はなんだろう。 無双と犬夜叉が出会えば当然戦闘が起こり、邪魔な恋敵犬夜叉か、もういらない桔梗を慕う人間の心無双かどちらかが排除されればいいくらいの気持ちだろうか。 わざわざ無双を、犬夜叉を洞穴に誘う理由はそれくらいしか考えつかない。 去ろうとした神楽をかごめが呼び止める。 犬夜叉の秘密、朔の日の秘密を奈落に伝えたか知りたいかごめ。 まだなら口止めを頼みたかったのだろう。 しかし神楽は「あたしは・・・なんにも見てねえよ。」と言い切る。 何かを見ているから出てくる台詞、たとえそれが神楽の打算であっても犬夜叉たちには救いになる。 この頃から犬夜叉たちの心には、神楽を憎みきれない何かが生まれていったのだろう。 むしろこれまで神無の鏡や最猛勝が朔犬の姿を捉えていなかった方が不思議なくらいで、そこがなかなか都合良くできている気がしないでもない。 そして無双。 「あの時」と同じように洞穴の土の上に横たわると蘇る桔梗の記憶。 「鬼蜘蛛」の目から見た桔梗は静かに美しく、優しく世話をしてくれるけど決して心を許そうとはしない巫女。 桔梗は鬼蜘蛛をどうするつもりだったのだろう。 命を繋ぎ止めることはできても、二度と動けず、洞穴から出ることもできず生き続ける。 桔梗への歪んだ妄執も十分に承知していたはずだから、結果的に桔梗の優しさが奈落を生み出したことになる。 ここでもう一人、洞穴に引寄せられた者がいた。 楓。 桔梗と共に生前の鬼蜘蛛を知る楓が今無双と相対する。 ここでまだ楓は無双を鬼蜘蛛と認識してはいないようだが、楓の「破魔の矢」は無双には通用しない。 楓のピンチに間に合う犬夜叉。 次回無双が何もかもを思い出す。 桔梗への邪恋と犬夜叉への憎しみと。 私はこの鬼蜘蛛奈落と桔梗の関係がたまらなく好きだ。 けれどきのうのサンデーの感想を某サイトさんで読んでちょっぴり反省。 恋敵の桔梗のためにがんばるかごめを健気に感じる感想だった。 そっか、そうなのかあ。 かごめにしては精一杯なのかもしれない。 止められないヤキモチも我慢できないおすわりやきつい言葉も。 18巻からずっと読んできてこうなるだろうと形作られたかごめのイメージと違うのは、こちらが本当のかごめだからなのかなあ。 もしもだけど高橋先生にお会いできたら、ここが一番聞いてみたい部分かも。 (2006年4月27日の日記)
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