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奈落と犬夜叉が救った?殺生丸 |
原作少年サンデー2001年6月20日(29号)第221話「結界を斬る」 ☆ ☆ ☆ 犬夜叉の赤い刃(やいば)は奈落の結界を傷つけ、もはや神楽も敵とならない。 相手が弱いからと言って敵を斬らない犬夜叉ではないはずだが、そこは朔の秘密に口をつぐんだ神楽にいくらか好意を抱き始めているのだろうか。 少なくとも弥勒の推理(神楽も奈落から逃れたがっている)に共感ゆえの甘さだろう。 神楽も最猛勝が見張っているから一応は戦いを挑んでみせるが、殺気のなさを犬夜叉に見抜かれる。 もしも奈落が普通の状態だったら、この馴れ合い戦闘に気づかぬはずはないのだが、殺生丸戦で手一杯の奈落、神楽の失敗?に慌てているのがおもしろい。 あれだけ脅かしたのだから、神楽も最早裏切ることはないだろうと、全力で戦うだろうと信じているのがなんだか可愛い。 結界を斬ってまでやって来るのが犬夜叉だと思わぬところが犬夜叉に失礼(笑)。 犬夜叉に結界は斬れない→結界を斬ったのは犬夜叉以外の誰か→誰?えっ?犬夜叉?奈落びっくりの図。 犬夜叉も神楽にしたみたく「奈落、もうおまえの結界はおれの相手にゃ力不足だ。」とふんふん威張ればいいのに、ここはストレートに真っ向勝負。 ところがこの瞬間、実は兄が大ピンチだった? 奈落のお肉に包まれて、妖力を吸収されてる最中で威張ってる暇はなかったらしい。 結果的に犬夜叉は殺生丸が吸収されるのを止めたわけだし、奈落は自らのお肉で犬夜叉の鉄砕牙から殺生丸を守ったことになる、おおいなる皮肉。 ところがこの包まれてるのがアニメでは長かった、無闇に長かった。 助けた時には骨と皮ばかりになった殺生丸が見られるのではないかと楽しみにしていたくらい長かった。 どっくんどっくん吸われていたし。 あれは初登場時のくるくる回る独楽妖怪と化した時と並んでアニメ殺生丸のベストシーンだろう(他にもあるが)。 もちろん殺生丸が犬夜叉の気配を察知して自ら包まれたのだろうが、アニメ版では早く来い来い弟よ、と案外あせっていただろう。 今回おいしいとこ取りはもちろん犬夜叉だが、ベスト台詞は 「来客か 奈落・・・ その者は気の毒だな。 せっかく尋ねてきたというのに・・・ 生きたきさまに会うことはかなわん!」 すかした人です(by蛇骨)。 さてきのう「ひとりごと」にも書いた疑問。 翠子の魂はいつ桔梗と同化したか。 桔梗がある時期から憑き物が落ちたように恋愛に関して感情を示さず、いくら私怨を捨てて奈落を倒す決意をしたとしても、人としてでき過ぎだろうと思わせるキャラになったことは確かだろう。 もちろん追い詰められた時、傷ついた時は犬夜叉に寄せる想いを垣間見せることはあったが、一人でいるときでさえほとんど犬夜叉やかごめに対する恋愛としての関心を見せないことを不思議に思っていた。 私はそれをかごめと桔梗、両側のヤキモチ合戦になったら話がややこしくなりすぎるためと解釈していたが、それにしても度が過ぎるような気がしていた。 それをもし翠子の影響だと考えたらどうだろう。 鋼牙や琥珀を見捨てるのも奈落を倒し、四魂の玉を封印?するためには少々の犠牲は厭えない」翠子とできることなら救いたい桔梗、犬夜叉に関心のない翠子と想わずにいられない桔梗、無表情な仮面の下にいつから翠子が入り込んだのか、考えてみるとおもしろい。 ある程度奈落の元に四魂のかけらが集まり、奈落の妖力が増してからかと思ったが、意外と幻影殺の直後、桔梗が奈落に四魂のかけらを渡したあたりから始まっていたのかもしれない。 これまでも四魂の玉を悪用した者はいただろうが、奈落の桁外れの妖力と邪悪さ、そして翠子の木乃伊と共に眠り続ける男との因縁があってだったりしたらおもしろい。 翠子は四魂の玉で妖怪と戦い続けながら、外の世界も見張っていたわけだ、おそるべし。 もちろん先生がそんな設定をしておられたかどうかはわからないが、やはり描かれていることから世界を膨らませていくのはおもしろい。 (2006年5月19日の日記)
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頭脳派 犬夜叉 |
原作少年サンデー2001年6月27日(30号)第222話「琥珀への暗示」 ☆ ☆ ☆ 犬夜叉と殺生丸がいかにも兄弟な活躍を見せるエピソード。 表紙からして美しき犬兄弟の口元の曲がり具合がそっくりだし。 乱入してきた犬夜叉に、さすがの奈落も冷や汗状態。 しかも「こやつは私の獲物だ。」と奈落の首取り先陣争い。 瘴気をぶちまけられての逃げ具合まで同じだったりする。 犬兄弟の唯一の違いは兄が空を飛べること。 りんを追う殺生丸は変化こそしなかったけど、弟を置いてけぼりにして飛んでってしまう。 飛ぶというよりふわりと浮かんでそのまま移動していくという感じだが。 置いていかれた犬夜叉、と邪見は仲良く?おしゃべり。 この後の犬夜叉の推理が凄い。 殺生丸にとってりんが人質に取られているように、犬夜叉たちには琥珀が人質に取られている状態であることに気づく犬夜叉。 琥珀がりんを殺すのが早いか殺生丸が琥珀を殺すのが早いか、どちらにしても皆が傷つく。 結局奈落の謀略に乗るほど殺生丸は馬鹿ではないということで、りんも琥珀も無事なまま話は続くのだが、今回は正気を失う琥珀がりんを襲い、そこに殺生丸が来たところまで。 犬夜叉の切れ者ぶりが光るし、この頃の絵が犬夜叉は可愛く殺生丸は麗しくいい感じ。 邪見が絡むと誰もがおかしいのもいい。 他に興味深いのは、琥珀に襲われた後のりん。 かつて両親を殺され、声も出なくなり、村人にも優しくしてもらえず、辛い日々を送っていたりん。 ただそれでりんがアニメの解釈にあるような、人間不信に陥っていたとは私は思わないのだが、その辛い思い出を少しだけ琥珀に打ち明けたことは琥珀の心に残っているのだろうか。 りんは辛い記憶に人間不信に陥るよりは、もう少し強い少女だ。 今回琥珀に裏切られても琥珀を嫌ったり恐れたりせず、その裏側にあるものを読み取ろうとする強さもある。 大人になったりんを見たい気がする。 琥珀と共に生き抜くか、殺生丸に追いつくか、その恋が「犬夜叉」の中で描かれることはないだろうが、登場キャラの中で一番可能性を膨らませることのできるキャラだと思う。 一方邪見にりんのことを聞いた犬夜叉、こんな時だからシリアスなまま話は一気に進むが、もっとのんきな時に聞いてたらどうだったろう。 「あの」殺生丸が「人間の」少女を救い、連れ歩くその意外性。 目が点になり口はぽかんと開き、そうなってただろうな、見たかったな。 「話せば長いことながら・・・」 「短く話せ。」 がベスト会話だった。 (2006年5月20日の日記)
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琥珀とリクとディーヴァと結羅と |
原作少年サンデー2001年7月4日(31号)第223話「残された城」 ☆ ☆ ☆ 殺生丸にとらわれた琥珀。 しかし殺生丸は、死を目前にした琥珀の無表情に奈落の思惑を見抜く。 実際問題として殺生丸は琥珀を殺せただろうか。 殺生丸が琥珀を生かしている四魂のかけらに気づいた描写はないが、気づいたとしてもわざわざかけらを抜くようなことはしないと思う。 ではこのまま首を絞めたとして琥珀は死ぬだろうか。 琥珀の命をつなぐかけらの力が曖昧なので、かけらがある限り琥珀は死なないのか、今留められている生命力以上の打撃を受ければやはり死ぬのか。 さらに奈落だけがかけらを使って琥珀を生かしておけるのか。 奈落は七人隊をも骨と墓土で蘇らせていたが、それくらいのこと桔梗にもできそうな気がするし、奈落ができるなら殺生丸もできそうだ。 他にも「犬夜叉」の「if(イフ)」、もしもりんが琥珀の手にかかっていたらとか考え始めるときりがない。 アニメで琥珀を演じられたのは矢島晶子さん、逆髪の結羅に続いて2度目の登場だった。 ただ結羅が出た頃は、声優さん自体にそれほど興味がなかったのでEDのクレジットもほとんど見てはいなかった。 鋼牙が出てからいろいろ調べ始め、琥珀が結羅でありクレヨンしんちゃんであり仰天した記憶がある(笑)。 小悪魔的な鬼娘と気弱な少年と。 少年の声を大人の女性が演じるのもとても不思議に感じていた。 それからず〜っと時間がたって先週の土曜日、アニメ「BLOOD+」でディーヴァがリクを殺した。 ディーヴァは人ではないが、見た目は十代の美少女。 ひとかけらの心(人を慈しんだり思いやったり)も持たず、殺戮をとことん楽しむ。 奈落や初期殺生丸でさえも可愛く見えるほど100%邪悪な美少女。 リクはヒロイン小夜の義理の弟。 気弱だが優しくてひたむきで、いるだけで相手を癒してしまうような、そんな少年。 理由があって小夜を無条件で慕い、小夜のためには命がけで戦おうとするが、生来の気の弱さのためになかなかできず、苦悩する。 驚いたのは殺したディーヴァも殺されたリクも矢島さんであったこと。 声優さんの一人二役は何度か見たことがあったが、リクの恐怖と絶望を楽しみながらその血を吸うディーヴァ、なすすべもなく死の淵に沈むリクの息づかいに鳥肌が立った。 すごいなあ声優さん、すごいなあすごいなあ、どんな風に収録したんだろうってほんとドキドキしてしまった。 もう一人驚かされた声優さん。 「十二国記」のヒロイン陽子の久川綾さん。 たしかに原作でも最初はもろく弱くどうしようもない役柄だが、アニメになるとさらに泣きわめいたりおろおろしたりキャンキャンうるさい。 原作の陽子にはそれでも自分の弱さも重ね合わせて共感する部分もあったが、アニメ陽子にはいらいらするばかり。 これで大丈夫なの?って心配になるほどだったが、後に武勇の王(男前とも言われる、笑)に少しずつ近づくにつれ声にどんどん強さが加わりトーンが下がり貫禄が出てきた。 最初からぽんと主役で出てきて主役のまま終わるキャラより、私はこういったキャラが好きだ。 声優さんも変幻自在でおもしろみがある。 声優さんに興味を持つようになってアニメや吹き替えの洋画も見るようになったし、「えっ?あの声優さんがこんな役を?」ってびっくりするのも楽しい。 「BLOOD+」にも犬夜叉や無双でお馴染みの声優さんが勢ぞろいで作品のおもしろさと共に声優さんチェックが止まらない(笑)。 余談だがこの琥珀とディーヴァの二役により、私はリクが何らかの形で復活することを信じている。 生前のリクの姿ではないかもしれないけど、ってこんな風に考えるのも琥珀の影響かも。 予告に出てた顔の見えない青年、カイじゃなくて新しいリクの姿だったりして。 でも他サイトさんやブログを回って感想読んでも、こんな考え持ってるのは私だけだったりする。 それにしても岡村と真央、どうなっちゃうんだろ。 もう出てこないとすれば、これまで何のために出てきたのかわからないキャラだし、新たな組織の一員になると考えるのも無理もある。 話がそれたが今日のテーマは矢島さんはすごいってことだった。 (2006年5月22日の日記)
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束の間の・・・ |
原作少年サンデー2001年7月11日(32号)第224話「休息」 ☆ ☆ ☆ 前話「残された城」で琥珀のことばかり書いてしまったが、琥珀を連れ去る時の神楽の想い、そして「奈落の気配が消えた」ことを感じる桔梗の姿という大切な場面がある。 この後死んだ神楽と生き続けている琥珀、2人の運命を読んでしまっていると、寂しげな神楽の横顔が胸に痛い。 逆に奈落がどこにいても奈落の結界の気配を感じていた桔梗、凄まじい。 憎い敵、犬夜叉を憎ませた敵である奈落、普通なら嫌な記憶、思い出したくもない気配だろうが、桔梗は常に奈落の存在を意識し、追い続ける。 追う奈落がいつの間にか追われる奈落になっている。 戦士としての桔梗が凄い。 結局奈落もなんだかんだと小細工を弄しつつも白霊山に身を隠さずにはいられない、それも凄い。 そして物語は「休息」に入る。 私はかごめに厳しすぎるとよく言われるけれど、もちろん最初からそうだったわけじゃない、と書くと言い訳だと思われちゃうかな? むしろこの「休息」は「犬夜叉」の中でも大好きなエピソードのひとつ。 この時点での犬夜叉とかごめはとても微笑ましく、そうだよね〜、ゆっくり休んでねえ〜なんてニコニコしながら?読んでいたくらい。 その後物語がどんどん進み、どんどんシリアスになってくるが、その中で変わらないから首をかしげる。 先日こんなメールを頂いた。 かごめだって桔梗に悪いなあ、犬夜叉だっていつも私(かごめ)とばっかりで、本当は桔梗と一緒にいたいんじゃないかなあって思ってる。 また嫉妬しておすわりやって、犬夜叉に悪いことしちゃったなあと思ってる。 桔梗だって本当は嫉妬しているのに犬夜叉の前では見せないようにしている、ただ高橋先生が書かないだけなんです、といった内容。 確かに高橋先生は不必要と判断した部分は無頓着ともいえるほど潔く削ぎ落とすタイプだとは思うが、このメールで書いてあるかごめの部分を描いてくれたら、かごめは私にとって理想となるんだけどなあ。 ヤキモチやく部分だけ描いて、自分を省みたり犬夜叉や桔梗を思いやる部分が描かれないから首をかしげる、かごめにとってむしろマイナスでは?と思う。 かごめがそんな子と思ってるんじゃなくて、そんな風に描く先生に首をかしげると言えばいいだろうか。 桔梗の場合は、一人でいる場面は多く描かれるが、その中で幻影殺後の桔梗が一人嫉妬に苦しんだりする場面がないのが気にかかる。 苦しみを表に出さないのではなく、そんな感情に、もはやとらわれていないように見える。 でも今のかごめに同調する人もいるだろうし、自然な姿と捉える人もいるだろう。 依然書いたように健気と思う人もいらっしゃる。 でも考えてみると、初期のかごめは可愛いといった表面的な部分はともかく、桔梗ほどその内面について取り上げられることがなかったような気がする。 今こうしてかごめの内面が話題になることが多いということは、それだけかごめが「人」に近くなっていることなのかもしれないなあと思う。 その意味で明日発売のサンデーには興味津々。 どんなかごめが飛び出すか。 以前サイトめぐりをしていてよく「高橋先生は恋する女性(少女)のヤキモチを可愛く描ける漫画家」といった文章を見かけた。 そういえば「ラム→音無響子→天道あかね」につながるヒロインを語るにヤキモチは欠かせないキーワードだなあと思う。 日暮かごめもその延長線上にいるとすれば、今の姿も高橋作品王道ヒロインとして自然の姿なのかもしれない。 あとはそのキャラや性格との相性、なのかな? 仮に桔梗が復活しなかったらどうだろう。 犬夜叉とかごめのカップルが小さな喧嘩はあるものの、かごめはあくまでも「汚れのない心」のまま犬夜叉に寄り添い続けただろう。 桔梗がいない「犬夜叉」は考えられないが、桔梗のいない「犬夜叉」も読んでみたい。 (2006年5月23日の日記)
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鋼牙大活躍 |
原作少年サンデー2001年7月18日(33号)第225話「城跡の化け物」 ☆ ☆ ☆ ゆっくり休んで再び合流した犬夜叉一行だけど、大活躍?するのは鋼牙。 表紙からの登場となる。 久しぶりに読んで、あれ?って小さな違和感を覚えた。 菖蒲がいない、っているはずないか、アニメのオリジナルキャラだ。 けれどストーリーの中でいてもおかしくない馴染んでいたキャラだから、原作にも出ているような錯覚を起こしてしまった。 私としては珍しい。 コミック23巻と今週のサンデー、並べて置いてあるが絵が実写的になってきているのかな?だいぶ違う。 「城跡の―」の表紙、鋼牙の流し目?かごめの笑顔、鋼牙が気になって仕方がない犬夜叉のふてくされたように見える顔が好き。 鋼牙もまた奈落の結界から漏れた匂いを嗅ぎつけてやって来るが、時すでに遅し、全ては終わった後だった。 話を聞くために犬夜叉を探しに出かける鋼牙だが、誰もいないはずの城では何かが生まれ出ようとしている。 再び無双復活か、と実は期待していたのだが、出てきたのは愛嬌たっぷり生ゴミくんだったのはまだ内緒。 犬夜叉を追う鋼牙の後を追っかけてきた毛むくじゃら妖怪は奈落の残骸が集まってできた物。 狙っているのは鋼牙の四魂のかけらだが、元々四魂のかけらに反応して蘇ったのかもしれない。 不思議な台詞が鋼牙の 「どうしておれはこいつのにおいに気づかなかった!!」 奈落の城は奈落の残骸が残っていたのだが、地下牢だったため鋼牙に匂いが届かなかったとは考えにくい。 残骸の匂いはしていたろうが、毛むくじゃらはその寄せ集めだから匂いは同じって解釈でいいのかな? 鋼牙にわざわざ言わせるほどのことでもないだろう。 かごめをさらう王子様、でも誰もが犬夜叉のそばにいるより鋼牙のといる方がかごめが危ないと思ったはず、私も思った(笑)。 案の定かけらを狙う妖怪は犬夜叉たちを無視して鋼牙を追う。 次回も鋼牙は大活躍の予感。 (2006年5月24日の日記)
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いらなくなった分身 |
原作少年サンデー2001年7月25日(34号)第226話「奈落の行方」 ☆ ☆ ☆ 鋼牙びいきの私でも、かごめを安心して鋼牙に任せることのできない危なっかしさを感じてしまうのはなぜ? 追いついた毛むくじゃらの妖怪に大苦戦するところに犬夜叉が間に合う。 犬夜叉と鋼牙がぎくしゃくしながら助け合うのがおもしろい。 妖怪は奈落の残骸でありながら四魂のかけらに反応して蘇る。 これは弥勒の推理だが、妖怪は奈落と共にいる間にけっこういろんなことを見聞きしていたらしい。 尋問係は鋼牙だが、鋼牙の一撃に七宝の反応がおもしろかった。 たしかに七宝と出会ってからの犬夜叉はほとんど鉄砕牙だが、鋼牙は素手(蹴ったり殴ったり)。 ビジュアルとしては犬夜叉より凄まじいかも。 妖怪は意味深な言葉を吐く。 「奈落はもう・・・ 何人も手出しできぬ場所に逃げ込んだ・・・。」 「できぬ場所」なんていらなくなった分身の割りに(見かけの割りに)高尚な言葉遣いをする。 分身を残してしまったのは奈落の誤算か計算か。 しかし妖怪の言葉は大きなヒントとなりつつも、物語は少し回り道をすることになる。 その回り道がまたこの言葉に引っかかるというおもしろさ。 現在サンデーでも鋼牙が犬夜叉一行と共にいるが、今の一行に馴染みきった状態に比べ、当時のどこか一人浮いてる感じがおかしい。 鋼牙もまた、つかず離れず犬夜叉と培ってきたものがあるんだなあと感じた。 今回のベスト台詞。 七宝の「確かに・・・ いらない感じじゃな。」 さりげないリアクションに爆笑だった。 (2006年5月25日の日記)
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地道タイプと感覚タイプ |
原作少年サンデー2001年8月1日(35号)第227話「消えた気配」 ☆ ☆ ☆ コミック23巻第9話「消えた気配」の表紙の犬夜叉がいい。 この時期の顔はほんと女の子は可愛く、男の子は凛々しくて好き。 せっかく前回 「奈落はもう・・・ 何人も手出しできぬ場所に逃げ込んだ・・・。」 なんてかっこいいことを言って気を持たせた分身もどきだが結局それ以外は何にも知らず、鋼牙の一撃で粉砕される。 鋼牙は肉塊をひとつ取り上げると仲間や狼たちに奈落の匂いを覚えさせた。 「なにを今さら」と犬夜叉は鼻で笑うが、弥勒は「鋼牙の数を頼んだやり方は有効かもしれんぞ。」と言う。 以前「犬夜叉」解説本で、鋼牙はプロの戦士と表現されているのを読んだことがある。 勇猛果敢で能力も高いが、かなわないとなると勝負に固執することなくことなくあっさり引く。 今回も、推理小説などによく出てくる足を棒にして聞き込みに回る実務家肌の刑事のような堅実さを感じさせる。 逆に犬夜叉は浅見光彦のような名探偵タイプ。 どっちがいいということではないが、ここはやはり戦闘経験において犬夜叉の方が奈落を知り尽くしていると言えるだろう。 でも妖狼族で鋼牙だけ知る奈落の匂い、おもしろい。 鋼牙だけが妖力で鼻が利くのか四魂のかけらの力か。 奈落の城にも一緒に行っているので仲間も狼たちも奈落の匂いは知っていると思っていたが。 さて鋼牙は去り、せっかくのひらめきもその後が続かない犬夜叉にひと笑いした後、場面は変わって桔梗が登場。 気配を消した奈落を探して邪気のある場所を捜し歩く桔梗だが、奈落の行方はつかめない。 そして桔梗は死にかけた男に出会う。 さんざん悪事を働いてきたその男は、自分のような悪党でも救われる場所があると言う。 たどり着けない男に遺髪を託され、桔梗が向かったのは白霊山だった。 実はこの白霊山についてSさんよりモデルとしてかなり詳しい説明と写真を頂いているのだが、今回使わせていただこうとあまりに大切にしまいこんで、どこにしまったかわからなくなってしまった(汗)。 Sさんが送ってくださった写真とメールは後日(探して)許可を頂いてからアップしたい。 他にまさに白霊山を意識して撮ったかのような写真を見つけた。 「みちのく福島の風景」様の「霊山(りょうぜ ん)の紅葉」より「こちら」。 ここは是非23巻の166ページと並べて見ていただきたい。 ちなみに霊山は福島県伊達市にあり、この伊達はもちろん伊達政宗の伊達から取ったもの。 市のマークが政宗の兜をモデルにしたみたいに可愛らしい。 現在は焼失したが、かの慈覚大師が開祖とされる霊山寺もあったなど白霊山のモデルとしてふさわしいように思う。 メールにはもっとおもしろいことがたくさん書かれていたのだけどまず探さねば。 私はメールや書き込みや、そんなの全部フロッピーやらCD-ROMやらが何百枚とあるのでとりあえずその中から探さねば(汗)。 ちなみにラベルには「HP関係(男性)」「HP関係(女性)」みたいにしか書いてないので1枚ずつチェックせねば(汗)。 (しかもダンボールにグッズなんかと一緒にごっちゃに入ってるし)。 でもいつか行ってみたい。 (2006年5月26日の日記)
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鬼の首城の名コンビ |
原作少年サンデー2001年8月8日(36,37合併号)第228話「鬼の首城」 ☆ ☆ ☆ 23巻最終話は「鬼の首城」に入る。 コミックはこれまで45冊出ているが、18巻に次いで好きなのが23巻、バラエティーに富んでいておもしろく、ゲストキャラもいい。 その筆頭が弥勒と名コンビのお祓いお婆。 邪気をも感じぬ最強キャラで、しかも怪しげな灰塩付き。 弥勒が年取ったらこんなキャラになるのかも。 イタチ妖怪もどきに襲われ、犬夜叉に助けられるも今度は犬夜叉に灰塩をぶっかける(笑)。 やることなすこと爆笑もののお婆だが、「最近急に妖怪が増えたために(自称)老いぼれのお祓い屋まで駆り出されてる」という説明は後の重要な伏線となる。 近くに「鬼の首城」と呼ばれる城があり、城主の先祖が退治した鬼の首を魔除けがわりに埋め、その上に城を建てたことからついた名前だという。 その鬼が息を吹きかえし、祟っているらしいがお祓いもことごとく失敗。 駆り出されたお婆は上手に?弥勒を操って犬夜叉一行を城へと導く。 城は邪気に満ちているのだが、お婆はけろり、これもまた後に役に立つ。 怪しげな灰塩すらも役に立つこととなる。 このエピソード、原作もおもしろかったけどアニメもとてもおもしろかった、お気に入りの一遍。 「さっさと退治してとっとと帰る」はずが、今度は美しき姫に惑わされる弥勒、怒る珊瑚。 全く誰と組んでも名コンビな弥勒(笑)。 やがて鬼の首が現れ、妖怪退治開始。 珊瑚の飛来骨も犬夜叉の「風の傷(懐かしい言葉だ・・・)」も突き抜けてしまう鬼の首。 ここで首の正体に気づきかけたのも弥勒。 こういった相手には、やはり武力の犬夜叉&珊瑚より法力タイプの弥勒や霊力タイプのかごめの出番だろう。 ところで鬼の首城事件を終えた犬夜叉たちは猿神に出会い、邪気が丑寅(北東)の方角に向かったことを告げられる。 「陰陽師」によると、陰陽道において丑寅は「鬼門」とされる。 ここで奈落が「丑寅」の方角に逃げ去り、途中で「鬼」と関わるのがおもしろい。 よく絵本や紙芝居で見る鬼は2本の角を生やし、虎の毛皮を腰に巻いているが、これは「牛(丑)」の角と「虎(寅)」を象徴しているのらしい。 そして逆の方角に位置するのが「犬(戌)」であり「猿(申)」であり「雉(酉)」である。 桃太郎の鬼退治はここに関係があるとされる。 「犬」が「丑寅(鬼門)」に向かって「鬼」に出会い、「猿(神様)」に助けてもらって雉まで出てきたらまんま桃太郎だがさすがに出なかったり(笑)。 以前「紅蓮の蓬莱島」に関して調べた時、桃太郎伝説に関してはうやむやにしてしまったが、桃太郎のモデルとされる吉備津彦が温羅(鬼=映画の四闘神の元となった)を退治したという伝説がある。 なぜ「桃」太郎かというと「十二国記=山海経=西王母」にまで広がってくるのだが、いずれまとめて書いてみたいと思う。 (2006年5月27日の日記)
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弥勒の危機 |
原作少年サンデー2001年8月22日(38合併号)第229話「首塚の鬼」 ☆ ☆ ☆ 24巻、表紙は凶骨の、次ページは鋼牙の、次は狒狒奈落、さらに犬夜叉と横顔勢ぞろいで始まる24巻。 七人隊のプロローグとも言える鬼の首城編、鬼の首が幻であることを見抜いたのは弥勒、法力により首は消滅する。 明日もまた出てくると話す弥勒だが、わかっていて逃げようとしない城の者たちがけなげ。 邪気もおさまってはおらず、鬼の本体が城の中にあることから犬夜叉たちは城主の様子を見に行く。 アニメでは七宝とおかずの取り合いで大騒ぎの犬夜叉、ここでは食べようとしないのがいい。 「鬼の祟りどころか―」の台詞を吐く口が妙にセクシーだったり(笑)。 しかし城主が人であることは弥勒が確認。 その頃ありがたい?灰塩をぶっかけられてる被害者はかごめと珊瑚と七宝。 アニメでは雲母も被害に合っていたことに思い出し笑い。 後で弥勒を助けることになる灰塩だが、灰塩をまとう珊瑚も鬼の力に動けなくなることから、灰塩は弥勒の法力を武器として使うための媒体でしかなかったのだろう。 さて城の姫が弥勒を呼びつけ、嬉々として姫の元に向かう弥勒。 ゲーム「呪詛の仮面」にもあったな、美女におびき出される弥勒。 誰が見ても組みやすしと見えるか弥勒(笑)。 犬夜叉に誘いをかける美女、見たことない。 もちろん弥勒はそれなりに自信があって踏み込んでいるのだが、けっこう危ない目に合うことも。 大丈夫だからついでに据え膳、が山犬妖怪&山椒魚妖怪の時。 危なかったのが今回、これで懲りたか、懲りるまい。 城の地下にある鬼の首塚で姫(鬼)の邪気しばりで動けなくなる弥勒。 邪魔が入らないように、鬼姫は城主も鬼に変化させ、犬夜叉たちの足止めをする。 弥勒最大のピンチとなるが、話がとことんシリアスなのに笑ってしまうのが邪気の効かないお祓いお婆に、人の恋路には無神経な犬夜叉、そして意地っ張り珊瑚。 灰塩をかぶって狐目になってるかごめと珊瑚と七宝(狐だけど)も可愛い。 というわけで笑ったりハラハラしたりの場面が続き、最後は弥勒の危機だが、ピンチの弥勒の色っぽさにも我知らずときめいてしまった。 それにしても鬼首編で一度も出てこなかったかごめの弓矢、最初にお祓いお婆に出会った時点でもうないので、矢が尽きて矢筒はリュックの中だったのか。 弓矢さえあれば鬼姫を倒していたのはかごめだったかもしれない。 猿神編に入るとまた弓矢を背負っているので、お城で矢を調達してきたのだろうか。 かごめの弓矢に注目しながらコミックを読んでいると、なかなか都合よく出たり消えたりしていることがわかり、おもしろい。 (2006年5月30日の日記)
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依り代 |
原作少年サンデー2001年8月31日(39号)第230話「依り代の姫」 ☆ ☆ ☆ 「依り代の姫」、これまでなにげなく読んできたが、意味がわからないことに気がついた。 なんとなく「依り代にいる姫」、姫が横たわっている部屋のこと?などと考えていたが全然違った。 一言で言えば「取り憑かれた者(物)」。 妖怪よりもむしろ信仰上の言葉で、神々が降りてきた石や木などの媒介物を指す。 依り代は「物」を指し、人間の場合は依り代とはいわなかったそうだが、では人間は何と言うのかはわからなかった。 今度図書館に行った時にでも調べてみたい。 つまり依り代の姫とは、「妖怪に取り憑かれた姫=姫自身」を言う。 姫の遺骸を依り代として鬼は暴れ回っているわけだが、ついでに鬼はこれまで殺した巫女や僧の法力をためて置いたらしい。 霊力が弱ければ巫女と言えども餌食となってしまうわけだが、ここでかごめが襲われていたらどうだろう。 かごめの霊力で倒せない妖怪ってよっぽど硬いかすばしっこい妖怪だけのような気がするが。 さて地下に弥勒を探しに行く珊瑚とお婆だが、珊瑚も邪気しばりに捕らわれてしまう。 ここでもけろっとしていたのはお婆。 通じないんじゃなくて感じないのがいい。 なんだかんだ言って珊瑚の乙女心も見抜いていたし、けっこうしたたか。 「犬夜叉」に登場するゲストの中でも好きなキャラのひとりとなった。 ☆ ☆ ☆ ★ブログより 先日情報としてお伝えした麻生外務大臣の演説ですが、外務省のホームページで全文見ることができます。 「例えば「犬夜叉」という漫画、ご存知の方がおいででしょう。これにはポーランド語版というのがあります。 わたしも知らなかったのですがね。先日ポーランドの外務大臣が、わざわざ持ってきてくれ、わたしに下さったのです。日本の漫画、そのくらい普及していますよ、という話です。」→「こちら」 外務省に「犬夜叉」登場、驚きです。 (2006年5月31日の日記)
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