犬夜叉サンデー感想(第351話〜第360話)
神楽の恋
原作少年サンデー2004年3月3日(14号)第351話「羅漢像」

     ☆     ☆     ☆

弥勒と珊瑚の次は神楽と殺生丸のラブストーリーの幕開く?
桔梗と犬夜叉とかごめの恋は、物語の進行に大きく影響するせいもあるだろうがなかなか変化しない。
周りでこれだけ素敵な恋が展開されると、なんともこちらが切なくなってくる。
同時にときめかせてくれる展開がないということは、輝けないから主役としては辛いところ。

それほど素敵だった今回の神楽と殺生丸。
雛祭りにもふさわしい?
しかも謎に包まれていたはずの御霊丸の正体が一転明らかになる。
胸を「ぶち抜かれる」瞬間妖気の結晶から妖気が消え、神楽は寺に不妖璧があることを確信する。
殺生丸に背を向けながら、なにげに振り返る神楽、顔は横向き目は神楽、の殺生丸。

これは絶対見えてるはず。
そして崩れた髪形でうなじを見せる神楽の色っぽさ。
早く大神さんの声で聞きたい最高の場面。
なぜ自分が生き続けているのかわからぬままに、神楽は一行に別れを告げる。

そこでりんが、なんとも素敵な一言。
「行っちゃうの?
殺生丸様に助けてもらいたくて来たんじゃないの?」
今まであまり印象になかったこの子が、ここから突然大好きになった。(笑)

その言葉に驚いたように目を見張り、伏目がちに寂しげな表情で「そんなんじゃねえよ。」と答える神楽。
「ただ・・・」
心の中で神楽は続ける。
「くたばる前にもう一度だけ・・・
そう思っただけだ。」

「もう一度だけ」の続きは「会いたかった」なのか。
飛び去る神楽を見上げる殺生丸の柔らかい、少し寂しげな表情もあまり素敵でドキドキしてしまった。
私は神楽が奈落の分身である以上、奈落の死は「奈落からの開放」ではなく、「分身である神楽もまた死ぬ」ことだと思っていた。

でも生きて欲しいと思う、生き続けて欲しい。
神楽も(桔梗も)悲劇のヒロインにはなって欲しくない。
それほど愛しく愛らしく、優しい表情の2人だった。
「だって神楽、妖怪だし、問題ないじゃん。」(笑)。

殺生丸の母は、神楽とは違うが、やはり激しい気性の妖怪だったのではないかと思うことがある。
殺生丸の気性から考えて。
もちろんこの母が生きてるうちに、父が犬夜叉の母に恋したわけではあるまいが。
その辺のけじめはきちんとした人のようなので、殺母の死→犬母との出会いがあったのだろうと思っている。
神楽の激しさは、殺生丸の母の激しさに通じるものはないだろうか。いえ勝手にそう思いたい私。(笑)

いつの間にやら蝶々柄の着物にお召しかえの神楽。
これだって洗濯物からこっそり盗んできたわけではあるまい。
もしかしたら人を殺して奪ったのかもしれないが、弥勒と共に憎めない。
でもこれ、すごく問題あることのような気がするけれど・・・。

一方、殺生丸に比べてあまりに地道に捜索を続ける犬夜叉一行。
今回弥勒も「仏教の悟りを開いた修行者」と解説する羅漢像が全ての妖気の原点。
そして同じ妖気を寺の裏山からも感じる弥勒。

とある洞窟を見つけ、その中には妖怪の残骸と羅漢像の山。
妖怪の残骸の中には岳山人の匂いも混じると今度は犬夜叉が鼻で推理。
岳山人を初めとした妖怪の残骸を集め、術を施して羅漢像に仕上げる。
それをしたのは御霊丸のはず、と犬夜叉は言う。

そして神楽は白童子に再会。
何事もなかったかのように白童子は神楽を伴い、御霊丸の元へ。
犬夜叉たちが山を探すのに気づいたらしい御霊丸だったが、その表情には何の変化もない。
そこへ来た白童子が薙刀で薙ぎ払い、御霊丸ののどから血が噴き出す。
そして「雑魚どもはおまえが片付けろ。」
表情も変えずに命じる白童子に驚く神楽。

ここで子供を殺してしまえば神楽も傷つくか。
わからぬままに以下次号は「鮮烈カラー」(笑)。
原作で最近ここまで燃えたのは久しぶり。
来週がもう待ち遠しくて仕方ない。
(2004年3月3日の日記)  
先週あまりにときめき過ぎて・・・
原作少年サンデー2004年3月8日(15号)第352話「御霊丸の死」

     ☆     ☆     ☆

今週は御霊丸が殺され、奈落の赤子の片割れ心臓入り?が犬夜叉たちの前に姿を現すのだけれど、先週の余韻の名残のかけらもないのながっかりで、何度読んでも頭の中でまとまらない(苦笑)。
弥勒と珊瑚がらみは、それぞれの段階で一応決着するのでそれなりに納得できるが、なんかこれじゃあ生殺し?
殺生丸も全く関心ないわけじゃなさそうだったし。

せっかくのセンターカラー、犬夜叉を殺生丸に、白童子を神楽@恋心に頭の中ですり替えてる状態。
御霊丸はあまりにあっけなく殺され、白童子は「御霊丸は・・・ なにも知らなかった・・・」と謎の一言を残して消える。
しかし羅漢、そもそも修行によって悟りを開いた人なのにこの妖気、あまりにそっくりだった魍魎丸と御霊丸、結局答えは出されぬままに犬夜叉たちはこの寺を離れる(はず)。
宝仙鬼の時のように、この話が今後の重要な伏線になるのではないだろうか。

一方、弥勒にまで奈落の裏切りを見透かされた神楽は、赤子を抱いた神無を追い巨大な鬼の形をした岩の口の中で2人を見つける。
なにげに流し目の赤子がなんとも悪そうで、神楽の命が気になる。
気になるけれど、キャラ的に死なないんではないかと・・・、希望であるが。
 (2004年3月8日の日記) 
奈落のお仕事
原作少年サンデー2004年3月17日(16号)第353話「鬼の岩」

     ☆     ☆     ☆

ガッシュに続いていきなり2話目に「犬夜叉」登場でかえってびっくり。
いつもはもっと後が定番位置なので。
ずっとこうだといいのにな。

なんとな〜く犬夜叉たちの後を追いかけ回している感じの殺生丸。
羅漢寺でかいだ新しい匂いとは御霊丸?
同時に埋められていた何かが掘り出された後もある。

一方危うし神楽は犬夜叉たちを神無たちが入った鬼の岩にさりげなく案内するが、実 はそれも白童子(奈落)の意図したところ。
神楽の後でほくそえむ白童子、神楽最大のピンチか?
実は犬夜叉たちもピンチなのだが、一応主役×5だから、ここで死ぬとは考えられな い。
だからわりに安心して読んでいられるけれど、神楽はほんとの大ピンチ。
逆にここでの神楽を殺生丸が救うパターンがあったらいいなとまたまたドキドキ。

そして王道犬夜叉一行。
鬼の口から入って食道通ってまたまた胃の中。(笑)
そして胃の中で再会したのはまたまた奈落。
奈落の攻撃またまた胃酸。
犬夜叉たちも大ピンチ。

今回ちょっと思ったこと。
アニメの引き伸ばしは犬夜叉かごめ、桔梗に鋼牙に殺生丸とたくさんのキャラが担当 しているが、原作の引き伸ばしはほとんど奈落にお任せ状態。
おかげで奈落は子供は産むわ、もとい子供を作るわ他人を口説くわ考えてみると実に 涙ぐましい努力をしている。
実は「犬夜叉」影の立役者。

さすがに策も尽きたのか、今週は胃酸攻撃再開。
何もかもが再開尽くしでいまいち緊迫感がわかないかな?犬夜叉一行。
とりあえずは次回に期待。
 (2004年3月17日の日記) 
犬夜叉と四魂の玉
原作少年サンデー2004年3月24日(17号)第354話「破れぬ壁」

     ☆     ☆     ☆

前回の胃酸攻撃(白霊山)と違って今度は抜け出せない犬夜叉たち。
ちょうど朔の日の犬夜叉が桃果人のおなかの中で苦しんだのと同じ状態に陥ってい る。
せっかく学んだ金剛槍破も役には立たず、かごめの破魔の矢ももはや奈落を貫くこと はできない。
どうやら奈落は瞬間移動(テレポーテーション)の超能力をも身につけたらしい。

恐るべし四魂の玉。
以前アニメの黒巫女椿、桔梗が椿の目の前で幽霊のように消え失せる場面があって、 どんなに霊力高くても一応実体なんだから、と批判した記憶があるが、前言撤回、奈 落と桔梗に関してはまさに何でもありが基本形。(笑)
神楽もピンチ(裏切りが、ばれたような気配)、最猛勝を吸い込んだ弥勒もピンチ、 と山場に入るが、それよりも気になったのが犬夜叉が四魂のかけらを使おうとする展 開。

四魂のかけら、四魂の玉の能力に関しては以前から疑問が多い。
琥珀の命を繋ぎ止めながらも満天の髪の毛を生やすことはできず(笑)、鋼牙の足は 速くはなったが、飛天が犬夜叉に勝つことはできなかった。

蜘蛛頭偏で見られたように「体の中に妖力を取り込んで一体となる」はずが、飛天や 鋼牙の例を見てもかけらを取り出せばおしまい、といった状態。
最初、私はかけらを体に埋め込み、一定期間がたつと、それが血肉となって能力や体 力が半永久的に得られるというものだと思っていた。
ところが、いくら四魂の玉を手に入れても取り出されたら即おしまいなのらしい。

四魂の妖力を得たところで、玉をキープし続ける力を持てない者にとっては所詮縁の ない物なのだろう。
これが「玉」となったらどうなのか、完全に取り込んで「半妖」が「人間」に永遠に 変わるほどの力を持つものなのか。
もしくは仮に玉を使って人間になった犬夜叉から玉を取り出したら、犬夜叉はもとの 半妖に戻ってしまうのか。
しかし桔梗は、犬夜叉が人間になった時点で玉は消えるだろうと言っている。

完全なる四魂の玉は、それなりの力を持った(桔梗、奈落など)者だけが扱える代物 として設定されているのだろうか。
なぜ急にこんなことを書き出したかというと、ずっと犬夜叉にとっての四魂の玉の持 つ意味がよくわからなかったからである。
初期の犬夜叉は「玉を使って妖怪になりたい」という目的を明確にしており、それが 桔梗の言葉で「玉を使って人間になる」気持ちに落ち着く。

蘇ってからは、桃果人にいたるまで「妖怪になりたい」気持ちのままでいることがわ かる、それなりの迷いはあるが。
それが一応妖犬化を経て、妖怪になることの意味を知り、もっと本質的な強さを求め るようになっている。
ところがその中間がない。

言霊の念珠を使ってまでもかごめにかけらを持たせていたのは、犬夜叉が悪用?しな いための用心だろう。
しかしその後、たとえば苦戦続きの中でも犬夜叉は一時的にしろかけらを使って強く なろうなどという考えは持っていない。
どこまでも自分の力と鉄砕牙で勝負する。
それが犬夜叉の魅力であることも確かなのだが、ある意味不思議。

鋼牙のように気楽に?かけらを埋め込んで今よりちょっと強くなる、そんなキャラ だったらある意味大変。(笑)
でもあまりにその部分に言及しないのはどうかという気持ちがあった。
それだけに今週のサンデー犬夜叉が四魂のかけらを使おうとする意図がとても気にな る。
気になるけれど、以下次号。

ところで上記の桔梗の「犬夜叉を四魂の玉を使って人間にする」、この言葉に私は桔 梗とかごめの大きな相違点を見た。
当時の差別意識、桔梗の巫女としての立場などからして、桔梗は犬夜叉への想いをひ たかくしにしていたであろうことは容易に想像できる。
楓でさえはっきりとは知らなかったらしいことが示唆されている。
おそらく犬夜叉は人間になって初めて桔梗と共に生きることができ、人間社会に受け 入れられるはずだった。

そして今かごめ、もちろん時代の違いはあるだろうが、かごめには人間だからどう の、半妖だからどうのといった意識が初めからない。
最初に封印されている犬夜叉を見つけたかごめがその犬耳に恐怖や嫌悪を覚えるどこ ろか近づいていって触ってみる、もし現実ならちょっと考えられないことではないだ ろうか。

いえやっぱりこれはかごめの特性なのだと思う。
その特性が後に桔梗を死から救う迷いのない選択につながっていく。
桔梗と共に生きる犬夜叉はもっと大人になっただろう。
かごめと生きる犬夜叉はむしろ開けっぴろげに自分らしさを出している。

どちらが好きとか、どちらと結ばれて欲しいといった気持ちはないが、どちらかとい うとかごめの方が自然にふるまえるのではないかという気がする。
同時に顔立ちも同じ、魂も同じの2人の個性がこれほど違うことにある意味興味を覚 える。
2人に共通するのは、「犬夜叉への想い」、ただそれだけなのだろうか。

このテーマに関してはいずれ書いてみたいと思っている。
 (2004年3月24日の日記) 
テーマは2つ
原作少年サンデー2004年3月31日(18号)第355話「かけらを使う」

     ☆     ☆     ☆

犬夜叉がなぜ今まで四魂のかけらを使わなかったのか。
鋼牙のように気軽に腕や鉄砕牙に埋め込んで、部分的に、あるいは全ての能力をほど ほどに強化することはできるだろうとずっと思っていた。
もちろんそんなに簡単に強くなれる犬夜叉では感動もなく、あえて今まで使わせな かったのであろうことはわかる。

ただそれならそれなりに「なぜ使おうとしないのか」説明する、あるいは描いてみせ ることは必要だろう。
そんな疑問に答えてくれたのが今回のサンデーだった。
復活後の犬夜叉は妖怪としての強さももちろんだが、「傷つかぬ心の強さ」を求めて 四魂の力を得ようとする。
しかしかごめとの絆を強めていきながら戦い続ける犬夜叉は、四魂の力に頼ろうとし ない。

今回初めて四魂のかけらを使おうとする。
かけらを自らに埋め込むことはせず、鉄砕牙に埋め込む。
しかし、鬼の腹の邪気の中、かろうじてかごめが浄化していた四魂のかけらは、かご めの手から離れたことで、たちどころに邪気を帯びる。
そしてその邪気に耐えられない犬夜叉は、妖犬化し、かごめたちを殺そうとする。

それこそが奈落の狙っていた筋書きだった。
自分も半妖なのに、「か弱き人間と邪な妖怪の血を持つきさまにはなー」とほくそえ む奈落。
邪な妖怪って犬夜叉の父君のことだろうが、ほんとは自分でしょ、とまずは突っ込 み。(笑)

人間の頃から邪気の塊のような存在だった奈落は、今更四魂のかけらに理性を奪われ ることはないらしい。
ただ、竜骨精との闘いを経て己の心をコントロールする強さを得た犬夜叉の血が、未 だにそれほど弱いのか、鬼の岩(動くけど)の腹の中がそれほどまでに強いのか、い まいちよくわからない。

この鬼は奈落が作った物なのだろうか?
ならば閉ざされた空間(胃の中?)で邪気が凝縮されるのもわからないではないが・ ・・。
その辺はこれから解き明かされていくのだろうか?

今日のタイトル「テーマは2つ」の2つめは「リアリティ」の問題。
もちろん虚構の話である以上、原作であっても現実にはありえないような設定がなさ れることは理解している。
簡単なところをあげてみると、かごめが3日も行方不明になっているのに捜索願いも 出さない家族、これだけ長期の欠席が続いているのに家庭訪問もなければお見舞いも (「小さな幸せ」まで)ない学校や友達。

肉づきの面事件で家を壊されても大きな話題にならない社会に、どんな怪我をしても 鼠にかじられても傷跡も残らない(笑)かごめや珊瑚に弥勒。
それでもなお「おかしいじゃない?」とは言わせないのが原作のすごいところで、そ れは虚構の中にもリアリティを感じさせる高橋先生の力だろう。

今回あえて胃酸?の中に飛び込むかごめのところを読んで「風の谷のナウシカ」を突 然思い出した。
王蟲の子供を守ろうと、必死で酸の中に足を突っ込んでしまうナウシカ。
ここでナウシカは悲鳴を上げて地面に倒れ付す。
こちらでは霊力あっても生身の人間のかごめが足が焼け爛れながらも耐え抜き、犬夜 叉の心を救う。

感動しなければ、と思いつつ感動できなかったのは、ここに「リアリティ」がなかっ たから。
いや酸の濃さが違うのかもしれないが(笑)、たとえば酸の中に飛び込んで悲鳴を上 げて飛びのいたかごめが、それでも必死に犬夜叉に呼びかけるような描き方だったな ら、かごめの一途な想いに涙しただろう、私が。

「ありえない」感が強すぎて現実味を伴っていたこれまでの「犬夜叉」から突然「虚 構の漫画」に戻ってしまった気がする。
同時に形はともあれ、これほどまでに強い絆で結ばれた犬夜叉とかごめの間に桔梗の 想いの入る隙間はあるのだろうか。
最終ページで、奈落の赤子を抱いた神無と遭遇する桔梗のシーンが描かれるが、その 表情の厳しさは奈落との最終決戦に向けた厳しさであると共に、桔梗を待ち受ける運 命に向けた厳しさに思えたのは私だけだろうか。
 (2004年4月5日の日記) 
かごめの立場、桔梗の立場
原作少年サンデー2004年4月7日(19号)第356話「邪な気配」

     ☆     ☆     ☆

そっか〜、こんなことだったんだ、と今週のサンデー読んで1人納得。
前回かごめが酸に耐えちゃう様子に、「リアリティがない」と書いてしまったが、奈落はもともと一行を酸で溶かして殺すつもりはなかったんだ。
妖犬化して理性を失った犬夜叉に、かごめたちを殺させるつもりの奈落、酸でかごめたちがやられちゃったらおもしろくないはず。

きっと酸1に対して水10くらいに薄めた酸性溶液だったんだ。
うん、それならわかる。
かごめの足もきっときれいに治るでしょう・・・。
これは別に皮肉ってるわけではない、ほんとに思ったこと。

さて今週、神無に会った(仕向けられた?)桔梗は予想通り逃がしてしまうが、ここで魍魎丸が登場する。
後で死骸となった御霊丸も登場し、一応2人は別々の人間?であることが明かされる。
それすらも「今のところは」の但し書き付きだが。
どうやら魍魎丸の気配で桔梗をおびき寄せたかに見える展開だが、桔梗の孤独な戦いはいったん終了。

一方かごめ。
楓の煎じた薬湯で手当てを受けるが、何より驚いたのは、「鬼の酸の痛みならこれでやわらぐ。」という楓の台詞。
そんな、鬼の酸限定の薬草を知っているっているってことは、鬼の酸で傷を負うのはよくあることなの?
あまりに凄すぎ、もう尊敬。(これも皮肉ではない、念のため。)

毒にやられた弥勒と看病する珊瑚をちらっと見せて、七宝のなにげな突っ込みで笑わせる。
そして身を挺して犬夜叉を守ったかごめに謝る犬夜叉、支えることができて嬉しかったと告げるかごめ、寄り添う2人、素敵な場面。
でもその前、に1人戦う桔梗を見てからこのシーンはちょっと切ない。

そろそろ犬夜叉の想いの変化(かごめへの想い、桔梗への想い)を描き分ける時期に来たのだろうか。
犬夜叉の表情、台詞にはかごめへの想いがあふれている。
この瞬間、2人の間に桔梗の入る隙間はない。
犬かご派にしろ、犬桔派にしろ、今週のサンデー読んだら誰もが「犬夜叉の気持ちはかごめにある」と思われたのではないだろうか。

だが、桔梗への思い入れが深い私にとってはある意味辛い。
鋼牙や桔梗、彼らはなぜかごめと、あるいは犬夜叉と一緒にいたいと言わないのだろうか。
恋敵に「あえて」預かっているような形になっている。
本当ならば、鋼牙はかごめと、桔梗は犬夜叉と一緒にいたいと願って当然なのではないだろうか。

ここでかごめと桔梗の間で、「どっちが犬夜叉と一緒にいるか」でもめたりしたら、本筋と関係のないところで話がややこしくなるだろう。
それを避けるためにか、鋼牙と桔梗は非常に「都合のいいキャラ」にされてしまったような気がする。
それが悪いと言っているのではないが、いつも犬夜叉に寄り添い、守られる喜びと守る嬉しさを感じることのできるかごめに比べ、桔梗の立場のあまりの辛さに今週はちょっと素直にうなずけないものがある。

仮にここでまた桔梗が「壊された」ら、犬夜叉はまた自分を責め、苦しむだろう。
そんな犬夜叉を見て、かごめもまた苦しむだろう。
だがそこで桔梗が蘇れば、犬夜叉はまたかごめと旅を続けることになる。
桔梗は自分に強いた孤独な戦いを続けることになる。

おそらく話が終盤にさしかかり、初期の頃にあった小さな小さな亀裂が、見ないふりするわけにはいかないほど目立ってきたのではないだろうか。
終末に向けて、おそらくかごめと桔梗の和解が見られることになるだろうが、その前に少し修正をお願いしたいような気がする。
それともあくまでも桔梗は悲劇のヒロインとしての運命を全うすることになるのだろうか。

そして最後、裏切りがばれそうになった(すでにばれてるが、笑)神楽は、御霊丸の死骸の守りを命じられる。
「命を懸けてな」という奈落の言葉に、つい悪鬼となって蘇る御霊丸=魍魎丸と同化を想像してしまった。

ところで今回、絵が微妙にいつもと違うように感じた。
楓がかわいいがちょっとふけたような感じ?
かごめや桔梗のアップはそうでもないような気がするが・・・。

          ☆          ☆          ☆

きのうの「ひとりごと」に「バイオハザード4にレオンが再登場!」のニュースを書いて、他の好きキャラについて書きましたが、「アッシュと武藤って誰?」という質問をいただきました。
ありがとうございます。

鋼牙とナチュラル睡骨は言わずもがな、ですが、他のキャラについてちょっと説明を・・・。
尚隆は「十二国記」に登場する王様です。(笑)
「十二国記を語る部屋」と「犬狼猫豚羊同盟」の住人さんでもあります。

少佐はクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハという名前のNATOの凄腕。
「エロイカより愛をこめて」の登場キャラです。
またの名を「鉄のクラウス」、そうです。一陣支局の支局長であり、「犬狼猫豚羊同盟」の住人でもあります。

趙雲は「三国志」でもともと好きな人物でしたが、無双ゲームにハマってさらに好きになりました。
「ちょっとだけ三国志」と「犬狼猫豚羊同盟」にちょくちょく顔を出しています。

サイト上に滅多に出てこないのが他の3人ですね。
ダンテは「デビル・メイ・クライ」(ゲーム)、アッシュは「BANANA FISH(吉田秋生著)」、武藤(ムトー)は「OZ(樹なつみ著)」のメインキャラです。

そうですね、並べてみるとみんなワイルド系ですね。(笑)
それでいて正統派かも。
でももともと主役よりは二番手キャラが好きだったかも。
犬夜叉より鋼牙、乱馬より良牙とかね。

「BANANA FISH」、「OZ」は「エロイカー」と同じで少女漫画ですが、むしろ少年漫画に近い雰囲気が好きです。
現実社会では、こんなにたくさんの人を好きにったりしませんが、虚構世界の中ではとことんミーハーなんですよ。
鋼牙、睡骨、尚隆、趙雲、ダンテ、レオンは声も大好きです。
こんなんでよろしいでしょうか・・・?
 (2004年4月7日の日記) 
猪九戒と最後の宴?
原作少年サンデー2004年4月14日(20号)第357話「薬売り」

     ☆     ☆     ☆

先週までの、犬夜叉かごめに比べた桔梗の立場が心のどこかに引っかかり、素直に楽 しめないまま読み始めた今週号。
冒頭は(まだ?)死んでおらず、奈落により幽閉された御霊丸と神楽の危機がシリア スに描かれるが、犬夜叉側に変わると一転、先生独自の軽妙な語り口とテンポで話は いきなりわくわくモード。

虫の毒に苦しめられる弥勒のために、「万能の毒消し」を売り歩く薬売りを探しに出か ける犬夜叉一行。
なにやらゲームの展開みたいになってきたが、その薬売りは「いつ、どこに現れるか わからず、薬を売ったらすぐに姿を消すという」が、二日前に楓の村の隣村に現れた という楓の話が頼り。

弥勒を気遣う珊瑚の姿がいじらしいが、その薬売りは「見たこともないようないい男 で・・・(by隣村の娘)」、しかもその娘、なにやら至福のひと時を過ごしたよう。 (笑)
「いい男だって、珊瑚ちゃん。」となにげに反応するかごめと、「・・・・・・手が かりになるかなあ。」と動じぬ珊瑚。
その対比で笑わせて、似た者同志で敵対心を抱いた弥勒で笑わせる。

一人まじめな犬夜叉が薬売りの匂いをかぎつけるが、それは「いろんな薬草と妖怪の 匂い」、妖怪の薬なら効くかもしれないと喜ぶ珊瑚に感動するかごめ。
今回のかごめはいい意味でミーハーですごく可愛い。

ちょうどその頃、蛇にかまれた娘が謎の薬売りに助けられるが、万能の毒消しをも らった後で何かが起こったらしい。(笑)
犬夜叉たちに見つけられた「ぽー・・」っとしていた娘は「ぽわ〜ん」として余韻に 浸る?
だがその首筋にはかまれた?痕が、ドラキュラみたい。
そう言えばドラキュラも、見初められ、噛まれた女は心までもその虜となるらしい が。

ここまではまあよくある話。
ここでおもしろいと思ったのが、話が突然アニメの「猪九戒と略奪された花嫁」と 「弥勒の師匠 最後の宴」モードに入ったこと。

犬夜叉と珊瑚、弥勒とかごめに別れるのも珍しければ、お酒らしき匂いに酔って、蝶 ちょ追いかけ崖から飛んでってしまった犬夜叉(当然落ちる、笑)。
コナンの犯人もどきの怪しい眼差しの薬売りは「珊瑚を」見初める。
「美しい・・・ やっと出会えた。わが理想のおなごに・・・」

都合良くも「毒の」蔓に引っかかった珊瑚の前に、ついに薬売りが姿を現す。
珊瑚でさえ「ドキ・・・」とするほどの見目麗しさ、しかも「きらきら」と輝きなが ら登場する。
幻術使いなだけに目に特徴があり、黒く塗られていない。
小説ならば「不思議な色をした」とでも表現されているところ?

犬珊の珍しい組み合わせといい、酔っ払いといい、女を見初める妖怪といい・・・。
猪九戒の時、なんで囮が迷いなくかごめなの?珊瑚だってこんなに魅力的なのに、と 書いたりしたが、それだけに今回の珊瑚の選択には拍手喝采。

まさかアニメを真似してるとは言われまい、これだけ小気味良く弥勒と珊瑚の微妙な 心情や、かごめの良さを絡ませながら、同時に思いっきり笑わせながら進む薬売り 偏。
もう次回が楽しみで楽しみでたまらない。
 (2004年4月14日の日記) 
ちょっとがっかり
原作少年サンデー2004年4月21日(21号)第358話「幻術 」

     ☆     ☆     ☆

期待が大き過ぎたのか、読み終えてみればなんだか気抜け状態の今週のサンデー。

地念児パパもどきのきらきら妖怪、その正体が蚊だったのはいいとして、「とりあえ ずのミロサン物」的な意味合いがなんとなくつまらない。
以前から常に珊瑚がヤキモチ焼いたり落ち込んだり、そんな珊瑚が可哀想というコメ ントが投票所などでたくさん寄せられた。
アニメ「弥勒の師匠 最後の宴」は犬夜叉に迫る酔っ払い珊瑚、どぎまぎ弥勒で溜飲 を下げた人も多かったはず。(笑)

今回の原作もそのパターンだが、あれだけ気を持たせたきらきら男も「へっ、こんな もん?」というキャラだったし、何よりも今週のアニメを見た後では、特に感想もな く終わってしまう他愛なさ。
エキストラ?としては初登場の娘の亭主に突っ込む七宝が笑えたくらい。

いやいや「原作読まずの犬くんファン」も先週と今週のサンデーは必読かも。
酔っ払って?言葉の出ない犬夜叉が、男に噛み付く、珊瑚の袖を噛んで引き止めようと する、前回の崖から飛び降りも含め、とにかく可愛い。
これぞ正当「番犬犬夜叉」!(ただし珊瑚の、笑)
そんな2人を見て汗かいてる雲母もなかなか。

だが、それより何より一番気になったのが、絵の変化。
特に珊瑚のアップが、微妙にどころじゃなく違う。
時間がなくて急がれたのか?魅力に乏しい絵だったのが一番残念だった。
 (2004年4月14日の日記) 
新たな展開? 父と子と
原作少年サンデー2004年4月28日(22,23号)第359話「飛頭根 」

     ☆     ☆     ☆

「ひとうこん」と読む。
ちょっと前に虫(宿り蛹)に取り憑かれた七宝がいろんな悪戯をしでかしたが、今回 の妖怪もその一種だろう。
ただし今回の飛頭根、獣や人に取り憑くこともあるが、もっと始末におえないのはエ サが「人の血」であること。
その姿もたしかに木の根の一部のよう、もちろん自分で動き回ることができる。

とある村で、山犬(妖怪?)退治を始める犬夜叉一行だが、同じ頃、やはり琥珀がこ の妖怪を追っていた。
「手強い妖怪を狩ってこい」という奈落の命令に従ったのだが、結果的に人助けを し、さらにある親子(父と子)に出会う。
一緒に食事し語り合い、同じ布団で眠る。
暖かい小屋の中、束の間の安らぎ、しかし・・・。

先週のサイドストーリー的なお笑いネタから一転、琥珀のさらなる悲劇を予感させる 展開。
神楽にしてもそうだが、真意を見抜かれて殺されるか助かるか、そこまで突き進むわ けにはいかないキャラ。
そこまで行くと決着がついてしまう。
そうしたくなければ、(琥珀がらみで)人が死ぬ、珊瑚が苦しむ、琥珀が去るのパ ターンを繰り返すしかないだろう。

珊瑚と琥珀のために辛いし、でも決着はついて欲しくないし(終結に近づくことだか ら)、読む方も複雑な気分。
前回の奈落の赤子を預けたお城の結末も無残だったが、仲の良い父と子にかつての自 分の姿を見る琥珀、せめて今回気持ちだけでも救われる形で終わって欲しいと思う今 回のエピソード。

父と子というと七宝も思い浮かぶが、父の仇を取り(飛天満天)、カワウソ甘太と心 温まる交流をする七宝に比べ、あまりに冷え切ったその生き様が辛い。
今琥珀が登場した意味は?
殺戮の繰り返しか救いの結末か、残念ながら次回は2週間後。
 (2004年4月28日の日記) 
かごめが気づいた琥珀の変化
原作少年サンデー2004年5月12日(24号)第360話「父の記憶」

     ☆     ☆     ☆

また奈落の赤子が育てられた城の悲劇再来かと思いきや、今回かごめが琥珀の変化に 気づく。
琥珀が絡むと、珊瑚は我を忘れてしまい、琥珀の微妙な変化に気づくことができない ようだが、戦闘場面があるにしろ、どことなく心暖まる気持ちがするのはそのせいだ ろう。

琥珀が出会った親子、その子供太一は飛頭根に取り憑かれるが、その頃琥珀の優しい 記憶が夢となって蘇る。
奈落に操られるも、最後まで失うことのなかった善性が、こんなところから培われた んだなと嬉しく思える場面。

かごめはおそらく琥珀が自分を取り戻していることを珊瑚に告げるだろうから、話と しては琥珀がさらなる危険に追い込まれるわけだが、何となく救いの結末が待ってい るような気がしてきたのは私だけだろうか?

それにしても飛頭根、奈落の意思ではないのだろう。
奈落の意思なら、ここで兄弟対決が深刻化する場面、太一が珊瑚の目の前で琥珀を襲 うことによって誤解が解ける。

飛頭根編の結末はこれからだが、陰鬱な終わり方だけは避けられそうでほっとしてい る次第。
原作はいつもさりげなくおもしろいので(笑)、感想もどうしても短くなってしまう ようである。
 (2004年5月12日の日記) 

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