犬夜叉サンデー感想(第391話〜第400話)
奪鬼は考えた
原作少年サンデー2004年1月5日(6号)第391話「一心同体」

     ☆     ☆     ☆

奪鬼は刀秋の持ち物ではなく、独立した存在、意思を持つ妖刀であった。
鉄砕牙と犬夜叉の最後の一振りで折れそうになった奪鬼はその攻撃を刀秋の生身の体に受けさせ、自らを守ろうとする。
それでも自身にひびが入ると、今度は鉄砕牙に全ての妖力を移す。

こうして見ていると、犬夜叉と鉄砕牙が戦っていた相手は、決して刀秋でも奪鬼でもなく、全ての妖力、鉄砕牙自身に含まれていた妖力も含めた、であることがわかる。
奪鬼が鉄砕牙を選んだのではなく、妖力が鉄砕牙を選んだ。
この流れが鉄砕牙のレベルアップのマンネリ感を払拭したのではないだろうか。

そしてもうひとつ感じたことが、これまで何度も書いてきた犬夜叉の正義。
人間を殺すことを厭い、女の死を嫌う犬夜叉の逆髪の結羅、黒巫女椿、阿毘、そして刀秋との死闘。
桔梗を直接手を下さなかったにしろ殺してしまったこと、それらの全てが複雑に絡み合って「犬夜叉なりの正義」を形作る。

晴海を殺した桔梗、人間や妖狼族を殺した神楽や殺生丸。
邪見でさえも初期は大量殺戮をしてのける。
総体的に見た正義と個人の正義は違う。

完全なる正義ではない、各キャラのいかにも個人的な正義感が複雑に絡み合うところに「犬夜叉」の世界観があるのだと思った。
私はどうしても漫画、特にヒーロー物というと勧善懲悪をイメージしてしまうので、そのイメージと犬夜叉たちの行動や言葉がかみ合わなかったが、最近やっとそれが「犬夜叉」なのだと思えるようになった。

ところで刀秋、結局は奈落も魍魎丸(赤子)も関係なかったらしい。
赤子もそろそろ白童子くらいには成長したろうか。
親子の断絶?があれば奈落が名づけるわけはないだろうから、そろそろ自分で自分に命名する頃だろうか。
黒童子じゃあまりに安易か。

灰刃坊もどき、竜骨精もどきの体験を今犬夜叉にさせる理由、残念ながらよくわからない。
特に今回の場合は、犬夜叉が求めて得たものではないから。
もちろん犬夜叉も鉄砕牙も強くなるにこしたことはないが。

むしろ一段落した次、次回の展開がとても気になる。
(2005年1月5日の日記)  
犬夜叉の気持ち
原作少年サンデー2004年1月12日(7号)第392話「平和な食卓」

     ☆     ☆     ☆

「むしろ一段落した次、次回の展開がとても気になる。」

1週間前にこう書いた。
まさかこうくるとは思ってもいなかった。

単品として読めばすごくおもしろい。
かごめ大好きの犬夜叉、かごめの乙女心、薪割り珊瑚にダブル弥勒。
七宝節も炸裂で、何が不満?と聞かれるかもしれない、それほどおもしろい。

ではこの違和感はなんだろう。
「休息」は盛り上がり度100%だった私が、「小さな幸せ」で50%、「平和な食卓」ではわずか25%まで盛り下がってしまった。
アニメオリジナルで見られたようなシーンの連続、それは別に気にならない。
現代物になると、微妙に絵が変わってくるのも気にならない。

もしも私が犬夜叉かかごめだったら?考えてみた。
やはり奈落のこと、桔梗のこと、琥珀のこと、鋼牙のこと、常に心のどこかにあると思う。
彼らのことを考えて怒ったりあせったりするのはその場限り、そこが気になる。
桔梗が存在せず、犬夜叉とかごめが完全なカップルだったらすごく微笑ましいと思うが。

以前人の生き死にに関して非常に彼らが感情が希薄であると書いた、同じ気持ちを今は感じている。
犬夜叉ってほんとかごめといる時は桔梗のこと100%忘れてるし、桔梗といる時はかごめのこと100%忘れてる。
それが犬夜叉の魅力だった時期はもう過ぎた。

かごめの元でやすらぎたい犬夜叉の気持ち、犬夜叉と一緒にささやかな一日を夢見るかごめの気持ち、すごくわかるし、束の間の休息を楽しんで欲しいという気持ちはもちろんある。
ただ、あまりにキャラの、割りきりが良すぎて馴染めない。
たまには桔梗を想って孤独に浸る犬夜叉の姿も見せて欲しい。
今ではほとんどなくなってしまったが。

でもそこまで深く考えたら、今回のギャグテイストのおもしろさ、サイドストーリーとしての楽しさは消えてしまうんだろうな、とも思う。
奈落はともかく、桔梗に関してはそろそろ決着をつけて欲しい。
客観的に読んでいると、今の犬夜叉を支えているのはかごめ、安らがせているのもかごめ、守っているのもかごめであるように見える。
なぜかと言うと、いつも犬夜叉のそばにいるから。

消えた桔梗と琥珀、それも奈落最後との決着に挑んだ彼らを追う気持ちのない犬夜叉、ちょっと辛いかも。
私はどうしても犬夜叉世代より上なので厳しく受け止めてしまうのかもしれない。
「もうおもしろくておもしろくて、気持ちが暖かくなって。」
その気持ち半分、
「あまりに割り切りすぎなんじゃない?」
その気持ち半分、複雑な感想になってしまった。

          ☆          ☆          ☆

と書きつつお気に入りのカットもたくさん。
クサヤの干物で犬夜叉に対抗するじいちゃん。
(奈落が知ったら狂喜しそう?)

鳩と錦鯉の食料調達。
めぞんの響子さんヘアのかごめエプロン姿。
ゲームやアニメのかごめの料理描写は違うだろ〜って思ってたのでとても嬉しい。
明日はうちもハンバーグとサラダとシチューにしようかな?

サラダにはレタスとミニトマトとアスパラとギザギザのゆで卵、ポテトサラダにはグリーンピースかコーン?を入れて。
シチューはきっとクリームシチュー。
サラダにはマヨネーズをかけて、ハンバーグはぺったんこ。
なんだか楽しくなってきた。

犬夜叉は辛いものはだめだけど、熱いものは平気なんだ・・・。
 (2005年1月12日の日記) 
通して読んだらおもしろい
原作少年サンデー2004年1月19日(8号)第393話「尼寺」

     ☆     ☆     ☆

今回は、刀秋編、「平和な食卓」編をざっと読んでそれから「尼寺」読んでみた。
なんか普通におもしろい。
形としてはいつもの妖怪退治に戻ったが、奈落が絡むとどうしても引き伸ばし感が強くなるので、今回のような本筋に関係のない話はとても嬉しい。
不思議なことに、「平和な食卓」もすんなり溶け込んでいた。

各1話ごとに気合いを入れて読むと、どうでもいいようなことが気になってしまうのが私の欠点。
コミックのように通して読むと、感想も素直になってくるのが我ながらおもしろい。
「平和な食卓」に関しては、メールでいくつかのご意見や感想を頂いているので、そのうちに改めて取り上げてみたいと思っている。

今回はなにげにハマるミロサン話。
かごめと珊瑚の相合傘も新鮮だが、妖怪のくせに妖怪が怖い七宝、「屋根の下で妖怪退治がいい人。」の弥勒案に「はい。」と素直に手を上げるかごめに珊瑚に犬夜叉がいい。
怪しき美貌の尼さんが今回のキーパーソン。
怪しいけれど人間であることで、弥勒の目がキラリと光る、珊瑚がジロリと睨む(笑)。

尼さん役に、早速名前と声の一致する数少ない声優さんをイメージ。
色っぽい系がいい。
若き日の峰不二子、増山江威子さんには是非犬アニメに出て欲しい、と心密かに希望中。
合うんじゃないかな。

さて、美貌の尼さんは人間だったが、犬夜叉たちは化け猫尼さん軍団に襲われる。
猫つながりだが、雲母は平然、おもしろい。
いつものことだが怪異に気づくと瞬時に飛び起き、戦闘態勢に入る犬夜叉、弥勒と珊瑚のかっこよさ。
犬夜叉と弥勒が床下の化け猫の骸探し中のけしからぬ(笑)会話も女性陣には筒抜け。

かごめ達があきれ果てた次のシーンで急展開。
骸はあったが、神楽の屍舞のごとく動き始め、同時に尼僧にも怪しい変化が、今日はここまで。
犬夜叉と弥勒、珊瑚とかごめに別れると、犬夜叉と珊瑚は体力系、弥勒とかごめは法力(霊力)系でバランス取れてていい感じ。
かごめのそばに弓矢は見えないが、あるんだろうな、そばに、きっと。

ただ、以前のゲームや山椒魚妖怪編のように、男性女性に分かれると、女の子側がピンチに陥ることが多いので、要注意。
次号に期待。

今週は他にワールドホビーフェア情報。
犬夜叉のカードゲームがなくなってしまってから、とんとご無沙汰だが、今回は釘宮理恵さん、櫻井孝宏さん、くまいもとこさんがいらっしゃるのは興味津々。
いえガッシュやMAJOR関係なのだが、私にとってはちび泰麒だし、島村ジョーだし太郎丸だし(笑)。
それにしても見事なほど犬夜叉関係ないなあ。

映画も終わってしまうしアニメもないし仕方がないけど、アニメが作られていないってことはこういう寂しさもあるんだと改めて実感。
もちろんグッズはちゃんとあって、貯金箱やカンペンケースは欲しいかも。
犬夜叉コナンのゲームも遊べそうだし、コナンの映画の前売り券買えるし、甥っ子誘って行こうかな?と思ったが、残念2日連続の誕生日のお祝い日だった・・・。
 (2005年1月19日の日記) 
齢三百年
原作少年サンデー2004年1月26日(9号)第394話「化け猫」

     ☆     ☆     ☆

妖怪(化け猫)に取り憑かれたらしき尼僧、以前の山犬妖怪を思い出させるが、相対するのがかごめであるだけに深刻度も段違い。
犬夜叉の鉄砕牙や珊瑚の飛来骨では太刀打ちできない怨霊系は、弥勒の法力かごめの霊力が大活躍する。
この2つのタイプを設定したことは、「犬夜叉」成功の、やはり要因のひとつだと思う。
床や畳から「十二国記」の使令の如く現れ出でる尼僧軍団の不気味さで、どこまで新鮮味を持たせるか。
山犬妖怪の二番煎じにはならないことに期待している。

今回おもしろかったのが、齢三百年の化け猫に太刀打ちできず、子猫に戻る雲母。
これまで巨大鼠(アニメ)も暴走鼠にも反応しなかった雲母、初めて猫らしさを見せる(笑)。
それはともかくこの化け猫、齢三百年と威張っている。

でも、それを言うなら犬夜叉なんてほとんど齢五百年なんだよな。
もちろん平安〜戦国の年度が特定できるわけでないので、50年くらいは前後するかもしれないが。
九十九の蝦蟇も齢三百年と言ってたけど。

しかし犬夜叉は推定年齢15歳どおりの見た目に性格。
蝦蟇や猫はいかにも三百年生きてきたという老成した雰囲気を漂わせている。
この差は何か。

これは「犬夜叉」に限ったことではないが、そもそも妖怪が「人によって作られたもの」であることが大きな原因ではないかと思う。
人型妖怪(犬夜叉、鋼牙、殺生丸など)は、基本的に妖術、幻術などは使わず、むしろ体力、怪力、飛翔力といったスーパー人間、超人間的な雰囲気がある。
動物型妖怪(この場合の蝦蟇や化け猫など)の方が物の怪らしいというか、術を使ってみたり変化してみたりと異質な雰囲気だったりする。
もちろん全てがそうだと言っているわけではなくて、私が漠然と思っているだけなのだが。

同時に、動物型妖怪の方が一気に年をとって老成してからが長いのだろうか?ということも気になる。
最初に早く、成長してからゆっくり年をとる人型妖怪と、早く成長し、年をとってから円熟?していく動物型妖怪。
そう考えると、犬夜叉の方が長く生きているのに小僧扱いの意味もわかる、実際そうだし。

これは私だけの考え方だと思うが、犬夜叉は2,30年もたてば、見た目殺生丸より年上になるんじゃないかと思っている。
もちろん鋼牙よりも。
以前も書いたが、今から100年後人間かごめが100歳なら半妖犬夜叉見た目75歳くらい、妖怪鋼牙は50歳くらいとかね。
「老けたな、犬夜叉。」

な〜んて殺生丸に言われて怒り狂う犬夜叉の姿がぽんと浮かんだりして(笑)。

          ☆          ☆          ☆

ずっと前に「日暮神社」を見に静岡県伊東市まで行ったが、意外な所、身近な所に日暮の名前を発見した。
東京の小石川後楽園には「蓬莱島」があるとの情報を頂いて先日見物に行った。
たまたまいらした博識の紳士がいろいろと説明して下さり、何気なく出てきたのが「日暮」という言葉。
「えっ?」と思って聞き返したら、なんと「日暮里」の語源?となっていると説明してくださったのだ、これにはびっくり。

江戸城築城で有名な太田道灌にちなんだ道灌山から見下ろす現日暮里付近の景色があまりに素晴らしく、日暮らし(一日中)眺めてなお飽きなかったことから「日暮の里」と呼ばれ、そこから「日暮里」になったのだとのこと。
実は「十二国記」にハマる前に江戸開府400年がらみで道灌に興味を持ち、調べようと思ったが、「十二国記」や「真・三国無双(三国志ゲーム)」に気合いが入って道灌はどこかに行ってしまった。

非常におもしろい人物のようなので、これを機に調べてみようかと思っている。
今、私の頭の中は古代中国でいっぱいなので。

ここまで書いてふと思い出したこと。
「日暮の門」という言葉に遠い記憶がある。
たぶん「犬夜叉」に興味を持つ前、まだ「日暮」という言葉に全く反応しなかった遠い昔の記憶。
思い出そうとこのところ苦吟していたが、以前の旅行で日光に行った時の写真を見て思い出した。

日光東照宮の陽明門、別名「日暮の門」だった。
名前の由来は日暮里と同じ日暮らし眺めて飽きない美しさから。
眠り猫とか三猿とか、そっちの方にばかり目が行ってすっかり忘れていた。
もう一度行ってみたい場所である。

さらに話は飛んで、日光と言えば明智光秀隠れ墓があると言われている。
「時空警察」「世界ふしぎ発見」などで取り上げられたことがあるが、光秀は三日天下で死んだのではなく、身代わりを立てて自分は生き延び、天海僧正になったとか。
こういう話は信じるとか信じないとかといったことではなく、楽しむ話題。
公開されていないという光秀の隠れ墓、探しに行くのもいいんじゃないかと思う。
 (2005年1月26日の日記) 
竜鱗
原作少年サンデー2004年2月2日(10号)第395話「竜鱗の鉄砕牙」

     ☆     ☆     ☆

尼僧は人間でありながら人間でない存在。
かごめを喰おうとしながら救いを求めて涙を流す。
いざという時は頼りになる七宝の狐火で逃げようとするが、部屋には結界が張ってあってかごめにも弥勒にも破ることができない。
結界こそこの2人の出番と思えるが、さすがに齢300年では生半可な霊力法力では歯が立たないのか。

弥勒が錫杖で戸をドンドン叩いているのがあまりに普通の人間っぽくておかしい。
ここでの主役は昔懐かし紫織の血玉珊瑚からゲットした結界破りの赤い鉄砕牙。
鉄砕牙はその時々で赤くなったり金剛石なったり鱗になったりと変化するのらしい。
犬夜叉が助けに来てくれて、こんなに喜んでいるのに心配してもらっていない七宝哀れ。

床下の骨猫は弥勒の風穴に吸われたが、尼僧は人間、弥勒も吸い込むわけにはいかない。
そして尼僧の自己紹介?が始まる。
今回特徴的なのは、尼僧が温情でこの猫を供養したこと。
そのことが化け猫の魂を呼び起こす結果となり、化け猫は封印を破って蘇った。

邪な心を乗っ取られることは多々あるが、これは珍しい展開のような気がする。
「わらわは救いなど求めておらなんだ。」の言葉にふと奈落を思い出した。
奈落は救いを求めているのだろうか。

犬夜叉はかごめの制止を振り切って普通の鉄砕牙で斬りかかる。
尼僧の胸から猫の手が現れる。
これが化け猫の本体。
しかしこの手と尼僧は一体化しており、犬夜叉には斬ることができないはず。

そこで犬夜叉が繰り出したのは竜鱗の鉄砕牙。
猫の妖力を奪い取り、化け猫は消滅、尼僧は救われた。
それにしても都合良く竜鱗専用妖怪が現れたものだと思う。
初期の犬夜叉がいきなり出会っていたらとても太刀打ちできなかっただろう。

犬夜叉の成長に合わせてそのレベルに合った妖怪が出てきてくれるってことは犬夜叉にとってはありがたいことだろう。
逆に今頃結羅や飛天などと出会っていたら、3秒くらいでけりがつきそう。
もちろん現実ではありえない事だろうが。登場妖怪のレベルが非常に綿密に計算されているように思える。

しかし妖力を奪い取ることで妖怪を退治することができるのなら、弥勒の風穴と犬夜叉の竜鱗鉄砕牙で全妖怪が片付きそう。
万々歳のはずの犬夜叉だが、不安なことがひとうある。
鉄砕牙に残る違和感、鉄砕牙は発熱したらしい。
私などは逆にいいことだと思ったりしてるけど。

パワーアップして発熱する鉄砕牙、かっこいいじゃないか。
飛天みたい、って映画の影響か最近飛天がやたら思い出されたりする。
それにしても「竜鱗」、かっこいい言葉だ・・・。

ところで最近キャラの顔がきつくなったというか線が厳しくなったように思えるのは私だけだろうか。
「平和な食卓」のようなほのぼの系ではそうでもないが、緊迫した画面になると顔つきまで厳しくなってきたような気がする。
私はやはり18巻「出会った場所」の頃から七人隊後期の頃の絵の変遷が一番好きかも。
それから尼僧軍団につかまった時のかごめのスカートの翻り具合にどきんとしたが、アメリカ版犬夜叉カレンダーの2月分、雲母に横座りしているかごめのスカートもきわどい感じで照らし合わせて笑ってしまった。

アメリカ版カレンダー、サイズこそ小さいけれど、1ヶ月ごとに絵が変わるし(日本版は2ヵ月ごと)、朔の日(NEW MOON)には黒髪の犬夜叉がちゃんと描かれてるし、見た目にも楽 しい。
「FULL MOON」もある。
「Easter Monday」とか「 St. Patrick's Day 」とか行事はしっかりアメリカ&カナダ仕様なのがなんともおかしい。
 (2005年2月2日の日記) 
大蛇と蛟
原作少年サンデー2004年2月9日(11号)第396話「毒蛟」

     ☆     ☆     ☆

今週号を読み始めてすぐに「やったーっ!」と思わず手を叩いた。
タイトルが「毒蛟(みずち)」。
それがどうしたと言われそうだが、今を遡ること数年前、PS犬夜叉第1弾が出た。
何度も引き合いに出しているように犬夜叉たちが奈落の城に乗り込んで、桔梗の助けも借りながら奈落をやっつけるRPG。

私は「呪詛の仮面」よりこっちが好きだが、犬夜叉や十二国記、三国志などといった歴史や伝説などを題材にした小説、アニメ、映画、ゲームともに名前のつけ方がとても気になる。
もちろんつける側もその歴史や伝承にのっとった用語をキャラの名前やタイトル、エピソードなどを考えるのは当然だろう。
このゲームの時も、雑魚妖怪にまで丁寧に妖怪名をつけてくれていたので、厳しくチェックした(笑)。

たとえば「六条鬼姫」ならば「源氏物語」で光源氏恋しさに鬼となった六条御息所を意識したのかな?それとも陰陽師の舞台、京都の六条からとったのかな?とか。
「迅雷風伯」、犬夜叉たちが十分に育ってないと竜巻攻撃1回で全員戦闘不能ゲームオーバーになるほど苦しめられた、雑魚なのに雑魚とは言えない強さの妖怪。
「迅雷」はまさに「素早く走る雷?」スピード感を表す言葉。
ちなみに十二国記にも迅雷という名前のキャラが出てくるが、なんとも情けない気弱な?男だった(笑)。

その中で気になったのが「大蛇(おろち)」と「蛟」。
見た目は大きな長い蛇で、色が違うだけ、いわゆる大蛇(だいじゃ)。
どこが違うんだろうと思って当時調べた。

すると大蛇は蛇、蛟は龍の仲間なのだそうだ。
「本草綱目」なる本を参考にしろと書いてあった、「山海経」のようなやはり古代中国より伝わる、こっちは草がメインのような本らしい。
早速図書館に走る、走る、ほんとに走る。

大蛇はまんま大きな蛇でスサノオノミコトに退治された「ヤマタノオロチ」ももちろん仲間。
犬夜叉でも大蛇丸なる鋼牙似、父君似の人型妖怪が出てきて悲惨な最期を遂げていた。

おもしろいのは蛟。
龍のような角を持ち、体の鱗は全て逆立っている。
口から吐く気が風雨を呼び、幻の風景を見せる。

蛟のことを「蜃(しん)」とも言い、いわゆる蜃気楼は蛟(蜃)が吐いた気によって作られたと言われている。
おもしろいじゃない、なんだかすごくおもしろいじゃない、と当時一人で騒いだ記憶がある(笑)。
その蛟が登場してくれただけでもう天にも昇る心持ち。
ゲームや地念児で見たことあるんでないかい?みたいな突っ込みもどこかへ吹き飛んでしまった。

それにしても珊瑚の台詞、
「普通の毒蛟は妖毒を吐いて木を枯らしたり土を汚したりする程度」ってそれで十分すごいと思うが。
最近のサンデーも昔のサンデーも考察日記に苦吟しているのは血沸き肉踊る(笑)感動がないから。
怒りであれなんであれ溢れるエネルギーを与えてくれたアニメが懐かしい。

でも今週は蛟のおかげで久しぶりに気持ちが盛り上がった、ありがとう、蛟。
さて内容だが、新キャラ?も登場し、なかなかおもしろいものに仕上がっている。
とても丹念に描かれた蛟も魅力的だし、蛟退治の侍や村人に最強トリオを思い出す。
西前さん、中嶋さん、田中さんの武士声、村人声は頭の中に叩き込んであるので、台詞が変わってもイメージできる不思議。

そして蛇骨復活?かと一瞬思わせる美少年。
もうちょっと上品にした感じの色っぽさだが、目玉(血管&視神経付き)を飛ばすあたりが気持ち悪い。
奈落の赤子、一気にここまで成長したかとも思ったりして。
というのは、この少年が魍魎丸の肉片をばら撒いて犬夜叉たちをおびき寄せたように見えるから。

もちろん魍魎丸は殺されたわけではないだろう。
以前大蛇丸を腕だけが襲ったように、細切れにしてばら撒いておるのかも。
ただこの少年、喋り方がいまいち赤子っぽくなくて、それこそ蛇骨のようなな喋り方。
自分のことを「わし」と言ったりするようには見えない。

それにしても高橋キャラの神楽、蛇骨、阿毘やこの少年、色っぽい系は特に横顔が素敵。
唇がとても綺麗で。
今回は目玉が抜けてるけど。

一方犬夜叉はこの蛟の対決するが、妖毒に風の傷は効かず再び竜鱗の鉄砕牙披露。
妖毒は吸い取るものの、再び熱くなる→変化を解くのパターン。
鉄砕牙が熱くなることがなぜいけないのか、犬夜叉だけがわかっているようだ。

この蛟は昔の妖怪図鑑からそのまま取ったかのようにとてもオーソドックスでお気に入りだが、特に水底から肉片を見上げている姿が可愛かった。
なんとなく女妖怪だと思っていたら、「わし」と言っているので男妖怪らしい。
最後に突っ込み。
人が浴びればたちまち骸骨の妖毒、飛来骨だけでかわせるのってあまりじゃない?

でも久々に勢いづいた今週号。
蛟と魍魎丸、謎の美少年と犬夜叉たちの今後の展開に期待したい。
そうそう今回は表紙も良かった、結界師。
最近では犬かごマフラーに次ぐヒット。

私はサンデー買うのもようやく慣れたが、未だに表紙がアイドルのサンデーは恥ずかしくて買うのに苦労する。
できれば表紙は漫画絵にして欲しい、どこが違うの?って言われそうだが・・・。
ちょっと前の青池保子版「ブラックジャック」が掲載されているヤングチャンピオンを買うためにどれだけ苦労したことか・・・。

ところでからくりサーカスと間違えそうな漫画も始まったけど、なんだろあれ?
今週はからくりサーカスと結界師とコナンがおもしろかった。
 (2005年2月9日の日記) 
夢幻の白夜と無限の蛟
原作少年サンデー1998年2月16日(12号)第397話「夢幻の白夜」

     ☆     ☆     ☆

な、なんてかっこいい名前といきなり目がはあと(笑)。
「おれは白夜。
 夢幻の白夜。」

蛇骨と神楽を足して2で割ったような妖艶美形。
犬夜叉は白夜から奈落の匂いを嗅ぎ取るが、黒髪赤子には思い至らないらしい。
成長するには早すぎ?かもしれないが、新たな分身と捉えているのか。

手には蓮、背には剣(と瓢箪)。
炎の模様をあしらったような着物、笹の葉?を飛ばして夢幻の霧を湧き起こす。
飄々とした口調に素早い身のこなし、分身の術?も使う。
しかし魍魎丸の肉さえ食べれば斬っても斬っても元通りって四魂のかけらいらないじゃん。

白夜は何が何でも犬夜叉に竜鱗の鉄砕牙を使わせたいらしく、蛟の手伝い、犬夜叉挑発。
新たな分身と捉えるととても魅力的だが葉を飛ばす場面、羽を操る神楽を想って思わず胸キュン。
そういえばテレビのコマーシャルで、風になった神楽が残したひとひらの羽(舞い散る雪のイメージだったのであえてひとひら)をイメージさせる素敵なのがある。
実はマンションの宣伝で興醒めだが、毎日朝食タイムに流れるので、見るたびに胸がちょっぴり疼いてしまう・・・。

犬夜叉をかばった弥勒も毒を吸い込み(それでも助かるだろう)、追いつめられる犬夜叉で緊迫のエピソードとなったが、白夜と同じくらい魅力的なのが「無限の蛟」。
いえ「わが妖毒は無限・・・」と言ってたから無限の蛟(笑)。
白夜に使い捨てされそうな雑魚キャラだが、とにかく可愛くておもしろい。
幻術で4匹に増えるところなど、らんまのヤマタノオロチだっけ?草尾蛮骨毅さんが出演されてたスペシャルらんま。
あかねが草尾さんキャラを助けるために苔を取りに行くやつ、あれを思い出して吹き出したり。

神楽亡き後、使いっ走りが欲しくて作ったにしては自立した感じの白夜、謎は深まる。
それにしても桔梗は一体どうなった、琥珀は一体どうなった。
ほんのちょっとでいいからあせる犬夜叉とか気にかける犬夜叉とか描いて欲しいなあ。

先日テレビで「エロイカより愛をこめて」の青池保子先生、「ガラスの仮面」の美内すずえ先生、「生徒諸君!」の庄司 陽子先生がインタビューに答えて漫画の裏話を語っておられた が、今度は是非高橋先生にもお願いしたい。
今週他におもしろかったのは「からくりサーカス」、なんか感動・・・。
とにかく話が全然見えなくてジョージが何者なのか、オートマークがなんなの、かしろがねがなんなのかさっぱりわからないが、それでも感動。

それにしても考察日記が一週間ぶり、めげる・・・。
それでも寝込んでいる間、お気に入りの犬アニメをじっくり楽しむことができたのは大きな収穫かも。
私はアニメももうなん十回となく見ているが、当然のことながら飽きるエピソード、納得できなくてもう見なくていいやと思ってしまうエピソードも出てくる。
そうして絞り込んでいったら残り10本にはどのエピソードが残るか楽しみ楽しみ。
 (2005年2月16日の日記) 
飽和状態
原作少年サンデー1998年2月23日(13号)第398話「鉄砕牙の暴発」

     ☆     ☆     ☆

何がすごいって毒蛟のやられっぷり。
これがアニメだったら脳みそとか体液とか内臓の代わりにピカーッとまぶしく光るんだろな、なんて思わず頭の中にイメージしてしまった。

それ以外は読んでいて苦しい。
犬夜叉を守るはずの鉄砕牙が会得する限界を超え、犬夜叉を傷つける。
犬夜叉が鉄砕牙をレベルアップさせる過程はこれまでおもしろく読んでいたが、今回はどうにも苦しい。
犬夜叉と鉄砕牙の飽和状態が、もしかしたら作者である高橋先生の状態を投影しているのではないかと思えるほど。

物語が続く以上、何かをしなければならない。
奈落も限界、恋も限界(最終話に突入してしまう)となると、まだまだ犬夜叉に苦しんでもらわないといけないんだろうな。
夢幻の白夜の正体、鉄砕牙の謎など予想のつかない展開はさすがと思うが、やはりおもしろくなければ読んでいて苦しい、楽しめない。
これも後でコミックで読んだら一つ一つが腑に落ちて、ああそうだったのかと納得し、おもしろさを感じるかもしれない、今はそれに期待したい。

もちろんつまらないと言うわけではない。
おもしろくないという言葉の意味は、紙面の後から先生の葛藤が感じられるというか、そういう意味。
これだけ長い連載を続けるということは大変なんだなあと思う、思うけどもちろん私にはその大変さがわかるはずもない。
もしかしたら今の先生はノリノリで描いていらっしゃるのかもしれないが、少なくとも今週の紙面からは、竜鱗の鉄砕牙と夢幻の白夜に関する気持ちの盛り上がりというか、そんなオーラが感じられなかった。

これまでずっと読み続けてきて、たしかに山あり谷ありの「犬夜叉」だったが、今後の展開に期待したい。
とにかく縦斬り蛟の迫力にはまいってしまった、まだまだいける、高橋先生。

「犬夜叉」が今週助走段階なのに比べ、今回感動のクライマックス(の1つ)を迎えたのが「からくりサーカス」。
相変わらず話もわからず、言葉の意味もわからず、なぜジョージに「パキ」とひびが入るのか、こんな死に方をするのかわからず、ただ悲しかった。
キャラ的に、不器用な人が好き、とても魅かれる。
やっとやりたいことを見つけた、生きる意味を知ったその瞬間の死、悲しかった。

小説でも映画でも、話を盛り上げるための死が技法としてよく使われるが、やはりそれなりに描きこまれたものでなければ読んでいても見ていてもしらけてしまう。
その意味で「犬夜叉」の神楽の死、「からくりサーカス」のジョージの死はいつまでも心に残りそう。

余談だが、今週の?コナンかブラックジャックのサンデーCM劇場で「結界師」が再登場した。
もしかしてアニメ化の企画あるのかな?と嬉しかったが、前のアニメと主役キャラ2人の声が違う・・・?
前の方が良かったなあ・・・。

もひとつおまけ。
私が時々遊ぶ「三國志IX」、無双と違って槍振り回して突撃!といったアクションゲームじゃなくて、自分が内政、政策などを行って中国統一を図るシュミレーションゲーム。
そのナレーターがなんと凶骨&ロビンマスクの郷里大輔さんであることに先日気づいた。
いい声だなあ、聞き覚えあるなあと思っていたが、どうやら首も治ったらしい、声が出る凶骨(笑)。

無双と違ってこっちのゲームはナレーション以外しゃべらないので他にはリンクしている声優さんはいらっしゃらないが、こういう発見ってとても嬉しい。
 (2005年2月23日の日記) 
笑って笑っておなかが痛い
原作少年サンデー1998年3月2日(14号)第399話「最強の刀」

     ☆     ☆     ☆

先週は何となくどよ〜んとしていたのだが、今週号のおもしろかったこと、またまた気持ちが盛り上がってきた。
何ていうのかな、最近「途中経過」にはさほどのおもしろさを見出せてなかったような気がする。
慣れすぎたせいかなあ、とちょっと悲しく思っていたが、今日はもうおもしろくておもしろくて。
おもしろいのは、おかしいって部分もあるけど一つ一つに目が覚めるというかそんな感じ。

まず毒蛟を倒したものの、自らも大きなダメージを受けた犬夜叉。
夢幻の白夜が犬夜叉を倒そうと思えば倒せるが、そんな危機感が感じられず(もちろんかごめ達は警戒するが)、読んでる方も余裕綽々(笑)。
けれど、「おれの仕事は見る事だけだ。今んとこな。」の言葉を残し、白夜は去る、折鶴に乗って。
なぜかここで大笑いしてしまった。

別に笑う場面ではないのだが神楽そっくりの色っぽい美少年でいて、羽の柔らかさとは違う、カキカキした折鶴っていうのがすごくおかしい。
ちょこんと座るのではなく、首をつかんで立ってる場面もすごくおかしい、座り心地悪そうだからなあ。

そして意外なことに刀々斎登場(猛々付き)。
迎えに行ったのは雲母に乗った七宝、これもウケた。
いつもは犬夜叉が行くが、動けないとなると確かに七宝しかいないんだけど、なんかおかしい、笑える。

刀々斎によると、鉄砕牙は犬夜叉の「半妖の血」を越えた刀になってしまった。
刀を授けた父君は偉大なる妖怪、その牙から作られた鉄砕牙も天井知らずに妖力を吸うだけの器を持つ。
ところが半妖犬夜叉には、鉄砕牙が吸い取った敵の妖力をひきうけるだけの力がない。

つまり鉄砕牙は、半妖犬夜叉の手には負えない刀になってしまったということ。

予想もつかない展開だったのでびっくりしてしまった。
かつて自分の半妖の血に苦しんだ犬夜叉、妖怪化した自分を抑えきれずに暴走してしまった犬夜叉。
竜骨精との戦いの中で、自分の血に打ち勝った犬夜叉だった。
今後犬夜叉が妖怪になることを(まだ)目指し続けるのかという忘れられたテーマは置いておいて、また犬夜叉が自分の血に苦しめられるとは。

ここまでひごくなってくると、妖怪と人間の恋が許されるのか、という原点にまで戻ってくる。
いや恋愛は自由だとしても、ただの差別だけでなく、偉大な妖怪であるだけに、半妖であることにここまで苦しめられるであろう子供を作ること。
父君ともあろう存在が気づかなかったのか、いえ気づいていただろう、気づいていたから鉄砕牙を作らせたのだろう。
その鉄砕牙が犬夜叉を傷つける、ショックは大きい(犬夜叉にとって)。

ただ犬夜叉を守るために作られたのなら、殺生丸が狙うまで鉄砕牙が犬夜叉の手に渡らなかったのはそもそもおかしいのだし、むしろ母君の死と共に封印されたという解釈になってしまう。
前にも書いたが、犬夜叉が思春期?に入るか死の直前になるほどの強大な敵に会う前に鉄砕牙を誰かが犬夜叉に渡さなければならなかったのだから。
作品としてのおもしろさは別として、初登場時の冥加が持ってくるとか。

殺生丸と比較してみると、犬夜叉の辛さがよくわかる。
西国を統治していた偉大なる妖怪の息子でありながら、後を継ぐわけでもなく放浪の旅(奈落探しの旅)を続ける殺生丸。
これらはここまで先の設定が為されていなかったのだろうと私は思う。

「犬夜叉」はたぶん何年間の連載と決めて始まったものではないだろう。
鉄砕牙も殺生丸が登場し、犬夜叉との関係が明らかになり、かごめの性格が表れ、犬夜叉の「人を守ろうとする心」を爆発させる小道具として登場した。
そしてその後も犬夜叉の成長を具体的に見せるために技の会得が行われる、つまり鉄砕牙はその時々の小道具として存在していたような気がする。

作品のこういった部分に関する高橋先生のインタビューなどを読んだことはないが、作品全体の筋(幹)があって、連載を続けながら人気の度合い、アニメや映画の状況を見て枝をつけ葉をつけ花を咲かせ実をつける、そういった作業の中で「犬夜叉」に肉付けしていかれたように見える。
以前内田康夫氏のエッセイだったか作品のあとがきだったか忘れたが、こんな文章を読んだことがある。
作家にもいろんなタイプがあって、自分のようにある程度ストーリーを決めて、あとは見切り発車する人(ここでちょっと笑った雰囲気)、懇切丁寧にプロットを決めて(作って?)」一分の隙もなく仕上げていく人などさまざまなのだそうだ。
他にもあったが印象的なのはこの二つのタイプ。

もうひとつ、池波正太郎氏が書かれていたのは、とりあえず書き始めてみると、いつの間にか登場人物が勝手に動き始め、喋り始めるいうこと。
それまでの苦しさは凄まじいものだと語っておられたが、高橋先生の作品を読んでいると、このタイプの方に見える。
ああもちろん私が作品の中から感じ取っていることなので、全然違うかもしれないことは念を押しておく(笑)。

高橋作品の少々辻褄が合わないことがあっても押し切ってしまう無条件のおもしろさ、私はこれがとても好きだ。

え〜と、本題、どこまでいったっけ?
そうそう鉄砕牙、彼?は犬夜叉が大好きなので犬夜叉を守ろうとしていたと解釈した。

つまり以前熱を発していたのは、犬夜叉に対する警告だったと刀々斎は言う。

ここで場面はがらりと変わって夢幻の白夜、と奈落のツーショット。
やはり白夜が奈落の分身であることが改めて明らかになる。
1ページ分断して見つめあう奈落と白夜、究極の美(笑)。
奈落の顔が以前より優しい感じでとても素敵。

まあ白夜は犬夜叉にトドメさす気満々だったのだが、奈落に止められていたらしい、ありがとう奈落。
ここでもすぐには殺さず、より苦しめようとする奈落の美学が犬夜叉を救う、懲りない奈落。

そして再び犬夜叉たちと刀々斎。
刀々斎は犬夜叉が鉄砕牙に慣れれば、相手を選び、使い方を学べば鉄砕牙を使いこなせると言う。
そして犬夜叉の手や顔の傷を治してやろうと言う。
驚く犬夜叉、嬉しいかごめ。

刀々斎、犬夜叉の顔なめた、なんてここで書いたところでおもしろさは伝わらないと思う。

その時のみんなの顔、すっとぼけた刀々斎、もうおなかが痛くなるほど笑った。
ここはもう「読んでください」というしかない、アニメで見たいなあ、八奈見乗児さんの声で聞きたいなあ、とにかくキュートです、このカット。
そして犬夜叉たちを見送る刀々斎、今度こそ犬夜叉を認めた台詞を吐く。
「犬夜叉なら・・・やっちまうかもしれねえな。」
なにを?

「犬夜叉が竜鱗の鉄砕牙を使いこなしたら・・・
鉄砕牙は奈落すら消し去る・・・
最強の刀になる。」

鉄砕牙最終奥義、竜鱗の鉄砕牙。
これから犬夜叉がどう成長していくか、やっぱり楽しみ。
最近の犬夜叉愛、波はあるけどやっぱり「犬夜叉」が一番好き!

あとおもしろかったのが「名探偵コナン」と「クロザクロ」と「ハヤテのごとく」。
コナンでは、佐藤さんと高木くんの恋物語が好き。
クロザクロは御形さんと九蓋さんのイメージ変わった。
「からくりサーカス」はやっと覚えたキャラがなんか大変なことになっている。
「ハヤテのごとく」は必ず読むようになりました(笑)。
 (2005年3月2日の日記) 
祝!「犬夜叉」連載400回!
原作少年サンデー1998年3月9日(15号)第400話「冥王獣」

     ☆     ☆     ☆

せっかくの「犬夜叉」連載400回記念日だったが、原因不明の頭痛と頭の重さに夜眠ることもできず、どよ〜んと気持ちが沈んで、何する気持ちにもなれなかった時期。
我慢できずに医者に行ったらなんと花粉症だった。
鼻も目も喉も何ともなかったので気づかなかったのだが、こんな症状もあるらしい。
それにしてもついに杉花粉に反応してしまうようになったとは・・・。

そして本日やっと復活、同時に喜びがこみ上げてきたから現金なものである。
何より嬉しい高橋留美子先生のコメントの中の「500回めざしてがんばります!」。
先生は私たちには「いつも楽しく描いてます!」と微笑む顔しか見せて下さらないが、おそらく山あり谷ありの怒涛の生活を送っておられるんだろうと思う。
そんなこんなもひっくるめた400回、嬉しい、本当に嬉しい。

そして記念特典第1弾は殺生丸一行麗しの久々登場。
冥王獣、名前がいい。
「指輪物語」映画「ロード・オブ・ザ・リング」から来たのかな?なんても思ったりして。
(先生観に行かれたんじゃなかったっけ?)
ちなみに「冥王星」は占いで言うなら「死と再生」を司る。

この亀妖怪、じゃなかった冥王獣がそれほどの大物妖怪とは残念ながら思えず、とりあえずは強い(硬い)だけ。
こやつも魍魎丸の肉片を喰らったことから復活したが、まずは奪われた甲羅の一つを取り返しに行く。
そこに居合わせたのが犬夜叉たち。
犬夜叉は「竜鱗の鉄砕牙」を使わず、「金剛槍破」で撃退する。

かつて冥王獣を退治したのは偉いお坊さん。
「犬夜叉」に登場する法師や僧侶は、残念ながら皆「人でないもの(無双、桔梗、白童子など)」に太刀打ちできずに倒されたが、他にもいたんだ、がんばっていた人が。
そして一度は退散した冥王獣の背から魍魎丸の唇らしきものが現れる(気持ち悪い)。
そして言う、「金剛槍破を受けて来い」と。

金剛槍破も取り込むつもりか魍魎丸、以下次号となる。
いろんなところでちょっかいかける夢幻の白夜、登場人物紹介にも堂道現れるが、これも大物の証か。
でもついでなら、レギュラーキャラの顔も最近のものに変えてほしかった。

邪見とりんのゴマすり合戦、弥勒が米売りに話を聞いているそばで子供にくいくいされてる?犬夜叉、「おれはかまわねーぜ。」の犬夜叉の顔のかっこよさなどおもしろどころも多い。
いったん城に行きながら門番二人に追い返されそうになるところはRPG「犬夜叉」第一弾(PS)のぱくりか(笑)。
冥王獣というのがデビルマンに出てくるなんだっけ?ジンメン?を髣髴させるところ、歌舞伎役者が見栄を切るような顔つきなどで、冥王獣もお気に入り。
次週って言ってももうすぐか、では犬夜叉さらなるピンチの予感。

他におもしろかったのが「クロザクロ」、「セリ ナズナ ゴギョウ ハコベラ ホトケノザ  スズナ スズシロ」勢ぞろい。
「白爪」なんて名前じゃなくて「春の七草」にしたらいいのに(笑)。
でも漢字でこう書くのかあなんて勉強にもなったし、私の中で御形は好感度高い。

あとはやっぱり「ハヤテのごとく」、無条件におもしろい、マリアさんが好き。
そして「からくりサーカス」、人や人形?ちょっと死に過ぎじゃないですか?
今週の2人も死んじゃうとしたら寂しい。
 (2005年3月13日の日記) 

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