犬夜叉サンデー感想(第421話〜第430話)
赤子絶体絶命?
原作少年サンデー2005年8月10日(37・38合併号)第421話「同化」

     ☆     ☆     ☆

そう来たか、と思った。
最初に金禍銀禍の仲悪兄弟が出てきた時に、正直言ってその惨めな死に様が、犬兄弟への教訓となるのではないかと思っていた。
ところが禍(わざわい)兄弟が案外いい奴らで、犬夜叉も最初の妖怪退治はどこへやら、金禍と銀禍を魍魎丸の魔の手から救うために全力を尽くす。
意外なほど盛り上がりの展開で、もしかしたら金禍も銀禍も種族の運命をも乗り越えて、生き抜くのではないかと期待していたが、残念、まずは銀禍が取り込まれ、そして今週号が始まる。

魍魎丸の触手の1本でも使って2体の妖怪になれないかなあなどとはかない期待もあったが、金禍銀禍は読者にも大体好意的に受け止められているようなのが興味深かった。
これまで登場したゲスト妖怪で、死んで欲しくないと一番要望が出たのは、当然のことながら七人隊、特に蛇骨と蛮骨、次が神楽。
それ以外に普通に出てきて普通に去ってゆく妖怪で生きてて欲しいというコメントはあまり見たことがない。
むしろ出てきて当然去って当然と受け止められていたように思えるが、金禍銀禍に対しては、しみじみと死なないで欲しいというコメントをあちこちで見かけた。

人を襲う妖怪ではないということだけではなく、どこか善を感じさせるその雰囲気か。
そして魍魎丸に取り込まれて死んだかに見えた銀禍が犬夜叉に「どいて・・・いろ・・・」と呟く、銀禍はまだ生きていた。
なるほど、犬夜叉を巻き込まないないように気遣うか、好感度さらにアップ。
銀禍の放った雷に金禍が炎の攻撃を追加する。

金禍と銀禍を兄弟の枠で捉える必要はないように思える。
犬兄弟に関わりがあるのだろうという先入観で、まずは兄弟を意識したが、禍「兄弟」なのはたまたまで、この際重要ではないような。
生れ落ちてからこの方、互いを殺すためだけに生きてきた金禍と銀禍。
生存のために必要不可欠な殺戮とはいえ、恨み憎しみがないわけではないだろう、兄弟であろうがなかろうが。

しかし、どちらかの死により、それまでの全ての恨みは消え失せる。
死んだ者は生き残った者と一体化し、2人で1人の人生を生きる。
そこにこれまでの恨みや憎しみの入る余地はない。
と書いてきて、これは最初に意識した犬夜叉と殺生丸の「兄弟」の絆と共に、かごめと桔梗の「二人で一人」の絆にも繋がるものではないかと思うのは穿ちすぎか。

互いが互いを殺すのはいい、他者が殺すのは許さない。
魍魎丸が銀禍を殺したのなら、金禍が銀禍の敵をとる、この流れは私の中では納得できる。

さて銀禍からは雷の内部攻撃、金禍からは炎の外部攻撃を受けて、さしもの魍魎丸も苦しむが、今度こそ金剛の槍が金禍を貫いた。
銀禍も完全に取り込まれてしまう。
話を盛り上げるためとはいえ、この兄弟の耐性の物凄さは、むしろ小気味良い。

もう鉄砕牙は通用しないかもしれない。
それでも犬夜叉は金禍銀禍のために戦う。
犬夜叉の想いは金禍に通じ、金禍は鉄砕牙に一体化した。
ここが犬夜叉の主役たる由縁だろう。

魍魎丸の「人の餌を盗み喰い」発言には笑ったが、遂に犬夜叉の鉄砕牙が魍魎丸に届いた。
金禍の炎と死んだはずの銀禍の雷が共鳴し、赤子の結界に到達、縦じわの3,4本も書き足したくなるような赤子の顔にも笑った。
笑ってる場合じゃない気持ちのいい盛り上がりを見せた金禍銀禍編だが、あまりのおもしろさ、小気味よさに嬉しくて、読んでて笑いが止まらない。

ここで結界が壊れたら奈落も一気に死に、あっという間の最終回になりかねないが、さすがにそれはないだろう。
もしかしたら白童子、神楽のように、赤子の死は奈落にもはや何の影響を与えないのではないか、という気もする。
もしくは結界が壊れても赤子は無事とか。
魍魎丸が死んで、その体はそのまま赤子の物になるとか。

久々に待ち遠しい二週間が始まった。
きのうの「ひとりごと」にも書いたが、これまでのサンデー他作品のように、連載物はアニメのように予告なく「次週感動の最終回」と突然終わるのだろうか。
それだったら怖いな。
やはりある程度の猶予期間を置いて、心の準備をさせて欲しい。

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サンデーP107にもあるが、「犬夜叉夏祭りキャンペーン」の途中経過が「WEBサンデー」に掲載されている。
「犬夜叉の火鼠の衣半纏」と「殺生丸さま等身大抱き枕」の激しいトップ争いにちょっと離れて「犬夜叉夏祭り'05キャンペーン特製納涼セット」。
がんばれ「八衛門狸の置物」!
(2005年8月10日の日記)  
期待が大きく膨らみすぎて
原作少年サンデー2005年8月24日(39号)第422話「鉄砕牙の炎」

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話があれだけ盛り上がって、おまけに2週間も待たされてチューインガムのように大きく膨らんだ期待が、あれっ? ぱちんとはじける間もなくしぼんでしまった。
もちろん細かく読めばこれまでとの相違(赤子に辿り着く、奈落に力を与えられていることに犬夜叉が気づく)などはあるが、クライマックスだと楽しみにしていたら、クライマックスは前回だったと気づかされるみたいな。

金禍と銀禍が戦い合う運命に生まれついたことも含め、一過性の雑魚妖怪と一緒にはならないだろうと思っていたが、銀禍、悲惨すぎ。
「やっぱり瘴気、やっぱり逃げた。」とため息のひとつもついてみたくなる。
でもここで赤子撃破、魍魎丸撃破ということになれば後は奈落しかいないわけだから(夢幻の白夜と神無もいるけど)、最終回に一気に近づく、それもやだ。

ここまで期待しなければ、いつもどおりの通り道で納得しているのだが、期待が大きかったんだよなあ、今回は。
私みたいに過大な期待かけた人、きっといるはず。

そのおもしろさとは別の部分で気になること。

犬夜叉が気づいたように、鉄砕牙を強化する奈落の真意。
とっとと逃げた(はず)の神無の役目はこれでおしまい?
地道に(人里近くで)天生牙修行の殺生丸。
魍魎丸の今後。
(体組み換え+奈落に仕返しor犬夜叉にりべんジもしくは再び強化目指して旅を続ける?)。

そういえば犬夜叉キャラがトレーニングしてるとこって原作ではあまり描かれない。
アニメで犬夜叉が風の傷を雲母相手にトレーニングしてたが、原作ではむしろ実戦=トレーニングである。
登場時にすでに完成していた弥勒や珊瑚と違って、かごめの練習場面がないのがおかしいという意見を以前見かけたが、いつの間にかうまくなっているから、知らない所で練習しているはず(笑)。

それはともかく、ここで殺生丸が出てきてくれて、新展開への期待げ感じられたことは嬉しい。
今回登場は一つ目二つ目鬼たちのみだが、次回は奈落?魍魎丸?琥珀と桔梗?、いえ鋼牙登場に期待したい。

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ちょっと小ネタ。
読売新聞」によると、今年は「ルパン生誕100年」なのだそうだ。
ルパンというと、今はどうしてもアニメの「ルパン三世」を思い出してしまうが、子供の頃はルパンもホームズも読み漁った。
気障なルパンよりも堅実なホームズの方が好きで、ルパンのドラマはほとんど見た記憶がない。
特にルブランの書いた「ホームズvsルパン」でホームズがしてやられるのを読んでこれは是非ドイルも書くべきだった、ホームズが勝つバージョンも作るべきだったと子供らしい怒りを爆発させていたのも思い出すと懐かしい。

ちなみにドイルは厳重な抗議をして名前を変えさせたらしいが、私が読んだ本はまんま「ルパン対ホームズ」だった。
懐かしい、久しぶりにホームズを読み返そう。

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今衛星でポアロを見ています。
ポアロはデビット・スーシェ、ホームズはジェレミー・ブレッドじゃなきゃ嫌っ!て人ですが、「ファンページ」を見て びっくりしました・・・。
「ホロー荘の殺人」に出てくる女優さんは、みんな綺麗です。

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今日のフジテレビのニュースで、杉並区の映画館で「電車男」でオタク割引サービス実施中。
BGMで使われた「セーラームーン」と「サクラ大戦」をフルで謳える私は立派なオタクです。
でも窓口でオタクを名乗る勇気はない・・・。
(松野太紀さんが出てるので見てただけなんですけどね。)
 (2005年8月26日の日記) 
ゲスト妖怪がおもしろければ
原作少年サンデー2005年8月31日(40号)第423話「沼渡」

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殺生丸の後を追う形の犬夜叉一行、殺生丸が冥道残月破の練習台にした鬼たちの遺骸を見つける。
闘鬼神亡き後、天生牙が武器として使えるようになったことを知らない犬夜叉、興味ないと言いながらふんふんにおいを嗅ぎ始める、這いつくばって(笑)。
久しぶりに声を出して笑った。

でもなんで犬夜叉は殺生丸を追いかけようとするんだろ?
久々にお兄様に会いたくなった?
斬れる刀の意味を確かめるため?おもしろい。

一方風下にいた?殺生丸は犬夜叉の匂いを感じ取る。
ちょうどそこは「沼渡」の住む沼だった。

「沼を渡り
 沼を喰い尽くし
 沼になりかわる・・・」

水の妖怪沼渡。 この名前を見た時、久々に「日本武尊(やまとたけるのみこと)」という言葉が脳裏に蘇った。
西征の帰り道、渡り神により、海の上を進めなくなってしまう。
その時に妻(名前失念)が犠牲となって身を投げて渡りの神の怒りを静め、おかげで日本武尊は進むことができたという話。

水を操り、水に住む。
水つながりか、でも方や神様方や妖怪、先生の念頭になかったと思ったほうが正解だろう。

殺生丸は沼を素通りしたらしい、これも笑えた。
りん(や邪見)が沼に落ちて沼渡につかまっていたら、一刀両断(できるかどうか)で退治しようとしただろうが、関係なければ無視。
いかにも殺生丸らしい。
でもこういった形があるようでないような妖怪こそ、冥道残月破ですべてからめ取るる格好の相手のような気もするが。

沼渡の相手は犬夜叉ではなく殺生丸になるかも。
結局犬夜叉が沼渡と対決することになるが、ここで興味深い言葉が出てきた。
沼渡の

「愚か者・・・
 風で水が斬れるか・・・」

ゲームでよく出てくる「属性」が作品に影響を与えることは滅多にないだけに、妙に新鮮だった。
おかしなことだけど、奈落またまた展開(現れる、戦う、逃げる)が続いた後のごくごく普通の対妖治物がこれも新鮮。
(殺生丸がらみの変化が少しあるけれど)。

ここはいっそ奈落物にせず、恋愛要素も組み込まず、以前に近いごくごく普通の妖怪物で話を続けた方がいいように思う。
そういえばコナンも黒の組織がどうたらこうたらという話はほとんどやらず(アニメしか見ていないが)、ほとんどは全然関係ない事件をコナンが解決することで話を伸ばし、ある程度の成功を収めていると聞いている。
少なくともまだアニメが続いていることが成功の証だろう。

奈落が逃げない日はもう終わり、恋愛に決着がつく日はもう終わりだから、終わらせないためには、あまり本筋に絡まない話を続けた方がいいような。
あとはゲスト妖怪がそれなりにおもしろかったり魅力的だったりすれば、それで私は続くと思う。
実際今週号はおもしろかった。

今週は舞台の「モーツァルト」見に行かれたとか、タフだなあ。
甲子園や映画館で、気づいたら隣に高橋先生が!ってなることが私の夢(笑)。
そんな所で会ったらとても声はかけられないけど。

今週は他の読んでる話も相対的におもしろくて大収穫。
本屋さんでレジで待ってたら、「王家の紋章」50巻が出てた、びっくり。
エジプト物ということで一度読んだことあるけど、絵が苦手で駄目だった本、まだ続いてるんだ、懐かしい・・・。
おお、陰陽師12巻も!

そういえば最近本屋さんでじっくり本見てないなあと反省。
暑い+疲れた〜とか言って素通りして帰ってた、駄目じゃん。

もひとつおまけにマガジンの表紙が金田一くんだったので迷わず購入。
懐かしのオペラ座館にまた行く話。
でも金田一少年は完全なるアニメ派の私、を改めて確認した。

実は数ある漫画ヒロインの中で、一番好きなのが金田一くんの幼なじみ七瀬美雪。
アニメでは「犬夜叉」草太の中川亜紀子さんが声を担当されているけどすごく可愛い。
可愛すぎず、気も強すぎず、さらっとしていて健気で、もし私が男の子だったら、こんな女の子がいいなあって思うくらい好き。

読み終えたら、なんと限定BOX第一弾?1万円?
文庫でよかった、DVDだったら買ってたよ・・・(怖)。
「真・三国無双4 猛将伝」はトレジャーボックスで、戦国BASARAのCDドラマも買いってだんだん家計簿の「趣味・娯楽」欄ばかりが増えていく・・・。
 (2005年8月31日の日記) 
アニメをイメージしながら
原作少年サンデー2005年9月7日(41号)第424話「変化する水」

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今週の「犬夜叉」、犬夜叉がひたすら戦うだけでおしまい。
かごめ達もそこそこ行動するが、まるっきり印象に残らない。
沼渡が妖気だけじゃなく、邪気もあることを確認したくらい。

ただ私は、原作のアクションには期待していない。
アニメを見てからそうなった。
キャラが動いて素晴らしい音楽があって、山口勝平さんの声があるアニメ。

もう何十回も見てるので、原作だけでもアニメをイメージして読むことができる。
勝平さんの声

「やかましい!
 何度でもぶっ飛ばしてやるぜ!

                爆流破!」

もちろん頭の中には「犬夜叉のテーマ」が鳴り響く。
戦闘シーンにおいて、犬夜叉の台詞ってあまり変わり映えのしないことが多いので、一番勝平さんの声で読みやすい。
弥勒も風穴開いて邪気に押されるパターンが多いのでイメージしやすい。

珊瑚はけっこう声の印象が強くないので難しい。
ぱっと出てくるのは「法師さまっ!」くらいかな?
いろんなニュアンスで(笑)。

七宝が一番突っ込み台詞が多いので、声に特徴があっても難しい。
しかも沼渡の声は、西前忠久さんの声に聞こえてくる。
単純な戦闘だけの原作は、読んでいておもしろさはないが、声優さんに心の中でアテレコしてもらう楽しみがある。

そしてアクセントをつけるためか、殺生丸が登場。
苦戦する犬夜叉に

「犬夜叉
 きさま・・・

 道を見失ったな・・・」

の台詞がかっこいい。

成田さんは、殺生丸の声にあまり抑揚をつけないのでイメージしやすい。
ついでに実際に劇伴かければ最高のシチュエーション。

「道を見失う」の意味がよくわからない。
私は犬夜叉が「自分を見失って」いるように見えた。
優れた物になりすぎた鉄砕牙に翻弄されているような。
殺生丸の次の言葉に期待したい。

それにしても殺生丸、どこに隠れて犬夜叉を見守ってたんだろ?
それともいったん素通りした沼に犬夜叉が引っかかるだろうと見越して戻ってきたか?
相変わらず謎の多いお兄さま。

ここで殺生丸が出てきたことで、次回への期待がうんと膨らんだ。
久しぶりの兄弟タッグで沼渡を倒すか。
それぞれの刀に水をまとうか。
ここで「竜鱗の鉄砕牙」や「冥道残月破」のような綺麗なネーミングが浮かばないのが情けない。

「淋漓(りんり)水斬破」とか「名鏡の鉄砕牙」とか(笑)。
ちなみに「淋漓」とは水の滴るさま、「名鏡」は「鏡の中の夢幻城」に登場したように、澄み切った水。
だから意味は合っているのだけれど。

          ☆          ☆          ☆

最近のお気に入り。
「焼きたて!!ジャぱん」の黒柳さん。
漫画は読んでないけれど、黒柳さんの台詞だけ読んで笑ってます。
たしかアニメやってたよなあと思って検索したら、こんなの見つけました。

焼きたて!!ジャぱんアフレコ&完成披露試写会。」
「子安武人さんだあ」とまたまた爆笑。
最近子安さんの声を機会が多くて嬉しいです。

「犬夜叉」の蛾天丸、「十二国記」の景麒の他に、「新・北斗の拳」のケンシロウ、「戦国BASARA」の猿飛佐助、そして「焼きたてジャぱん!!」の黒柳亮。
普通に見てたらかっこいいのに、どこか変!っていうのが魅力かな?

あとコナンもおもしろかったです。
高木くんと佐藤さんの恋がらみ、園子や蘭と絡むと見ます読みます(笑)。
甥っ子に付き合って、なんだかんだとコナン映画全作見てるのが自慢?
あと「クロザクロ」と「結界師」が盛り上がり、「からくりサーカス」は意味深発言、最終回じゃないよね?

でも一番笑ったのは「道士郎でござる」。
最終ページで携帯電話に対抗して?ノロシを出すところが最高に笑えました。
なんだかんだ言って、サンデーに染まってる私です。
「ハヤテのごとく」はあまりキャラ増やさない方がいいような。
ハヤテくんとマリアさんとお嬢様だけで濃密コメディ路線突っ走ってほしいです。

          ☆          ☆          ☆

今日のブラックジャック、すごいおいしい?声優さんが勢ぞろいでした。
「犬夜叉」の灰刃坊ですよ、いえいえそれより「霊幻道士」、キョンシーシリーズの「林英正(ラム・チェンイン)」さんですよ、また見たくなりました。
そして家中宏さん、奈落&鬼蜘蛛であり朱衡の家中さん、出番は少なめですが相変わらずセクシーボイス。
もう一人は中博史さん、地念児編の村人や、妖狼族の長老(鋼牙のお仲間)でおなじみですね、嬉しかったです。
 (2005年9月11日の日記) 
なんて優しいお兄さま
原作少年サンデー2005年9月14日(42号)第425話「刀の成長」

     ☆     ☆     ☆

最近犬夜叉と殺生丸が相対する場面を見ると、この兄弟は今どちらが魅力的だろうと思う。
犬夜叉と同世代にはかっこいい犬夜叉? 年上からはその無茶苦茶さが可愛い犬夜叉?
その不器用な優しさにときめく人、迷える恋の行方にやきもきする人、さまざまだろう。

殺生丸はどうだろう。
美形&クール、ウェットな犬夜叉に比べ、その冷たさと陰に垣間見えるさりげない優しさ、それに尽きそう。

どっちが好きかはともかくとして、殺生丸の魅力はわかりやすい。
犬夜叉はその危うさが、時には好きだけど、時にはついていけない感じがするなど、非常にアンバランスな気がする。
常に出ずっぱりの犬夜叉に比べ、たまにしか出てこない殺生丸には新鮮な魅力もあるだろう。

私はどちらの方が好きということは特にないが、今週に限って言えば、殺生丸を数段魅力的に感じた。
実はこの話、まんまあの世とこの世の堺での「宝仙鬼」編を思い出す。
顔の周りに水が流れる?沼渡、宝仙鬼とそっくりだし、苦戦中の犬夜叉にかっこよく登場する殺生丸、静かな「下衆」呼ばわり。

何が言いたいかというと、犬夜叉の魅力の低下は、そのまま作品の魅力の低下、マンネリにつながっているということ。
殺生丸が出てくればおもしろい、鋼牙が出れば勢いづく(?)、ここで七人隊が再復活したりしたら、一気に部数が増えるだろう。
日常の作品を引っ張る犬夜叉一行の魅力が下がりつつある現在、今週号のような展開は「理屈抜きにおもしろい」。

殺生丸は何のために戻ってきたのか。

1、犬夜叉の身を案じて。
2、鉄砕牙にこれまでとは違う気配を感じて。
3、犬夜叉に冥道残月破を見せたかった?

りんや邪見が沼渡に囚われたのならともかく、そのまま素通りしていた殺生丸が戻ってきたのだ、1と2が妥当だろう。
殺生丸の、これまで見えなかった優しさを引きずり出したのはりん、愛する心を知らしめたのは神楽。
優しさを得た殺生丸は、今犬夜叉を救いに来る、かっこいい殺生丸。

あれだけ大物妖怪に見えた沼渡があっけなく冥道残月破の餌食となり、気を呑まれる間もなく去っていく殺生丸。
しかし殺生丸は犬夜叉に謎の言葉を残す。

「犬夜叉
 きさまは・・・

 鉄砕牙という刀をまるでわかっていない。」

強さを求め、力を求めてあがいてきたこれまでの犬夜叉を否定するかのような言葉。
同時にあれだけ欲しがっていた刀の迷える状態を惜しむ言葉でもあるのだろう。
でもそれは殺生丸の優しさであることを弥勒たちは知っている。
おもしろい、本当におもしろい。
魅力が低下すると突然現れ、犬夜叉を叱咤激励して去っていく殺生丸。
もちろん犬夜叉がおとなしくなるわけではないから犬夜叉はがんばり、作品は引き締まる。

今回は本当に名台詞、笑わせどころもきっちり押さえ、無条件で楽しめた。
ただしストーリー的にどうこう思う部分もなく、あっさり過ぎたと言えるかもしれない。
刀々斎&猛々登場も嬉しかった。

「鉄砕牙を妙な力で飾り立てたあげく」by殺生丸。
「うるさい、下衆が・・・」沼渡に向けた殺生丸のセクシー目線。
「殺生丸さまはまず、三日月自体を大きくすることを選ばれたのか・・・」
                   殺生丸の試し切りを見切る邪見(実はすごいこと)。
「まだまだだな・・・」成果に満足しない殺生丸(殊勝・・・)。

「は? 
 わしはなにも言っておりません(きっぱり)。」
「なんでそんな嘘つくの、邪見さま?」
散々喋らせておいて「黙れ邪険。」とのたまう殺生丸へのりん邪漫才。

愛のグーパンチで殴った後で、
「犬夜叉、きさまは・・・
 鉄砕牙という刀をまるでわかっていない。(私にもよくわからないけど)。」

ここでかごめに驚いた。
「殺生丸は知っているの・・・?
   どうすれば竜鱗の鉄砕牙を使いこなせるかを・・・」

そういう意味だったの?殺生丸の言葉・・・。
そして弥勒の一言にはもう爆笑。

そして刀々斎に会いに行った犬夜叉。
犬夜叉が怠けた?
自分自身を鍛えていない?
そうなの?ってとても不思議だった。

じゃあこれまで犬夜叉がしてきたことは何だったのか。
ふんぞり返る?犬夜叉に刀々斎は言う。
「妖霊大聖似合いに行け。」
妖霊大聖、名前からして期待。

作品中、唯一修行の様子を見せる殺生丸がとても新鮮。
がんばれ犬夜叉、サンデーが燃え上がるようなおもしろさに期待する。

今日は「エロイカより愛をこめて」32巻の発売日。
買いに行ったらレジ横に「結界師」と「道士郎でござる」の新刊も並んでいた、欲しかった(笑)。

          ☆          ☆          ☆

またまたドキドキは「からくりサーカス」。
「長期にわたるご声援ありがとう!!」
最終回じゃなかったのが嬉しい。

          ☆          ☆          ☆

「えむさんは、どうして「犬夜叉」のCDドラマやキャラソンは買わないのに、ゲームのは買うんですか?
 犬夜叉がかわいそうだと思います。」とのメールを頂いた。
ご本人とメールをやり取り、掲載の許可を頂いたので記しておきたいが、私は「犬夜叉」のCDドラマもキャラソンもすべて買っています。
応援の意味で買っていますが、聞いてはいないだけです。

どうしてかというと、私は「犬夜叉」の世界観をとてもシリアスなものだと捉えているからで、全く異なったテイストで作られた作品は、その私のイメージとあまりにもかけ離れているためにむしろ聞きたくない、そんな気持ちです。
それだけ「原作の犬夜叉」に固執する自分がいいかどうかはわかりませんが、聞いて楽しめればそれも良し、聞きたくなければそれで良し、でも1枚でも売れたほうが言いに決まっているから買っている、そんなところでしょうか。

ゲームはもちろん「三国志(真・三国無双)」や日本の戦国時代の作品(戦国BASARA)がベースになっているわけですが、ゲーム自体が原作ではないというか、ゲームが原作みたいなものなので、CDドラマも全然こだわりありません。
「犬夜叉」の世界観がそれだけ私にとって大切だということをわかっていただけたのではないかと思います。
 (2005年9月15日の日記) 
怪奇透明妖怪の珍妙ではない試練?
原作少年サンデー2005年9月21日(43号)第426話「妖霊大聖」

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最初に情報。
コミックス42巻10月18日発売及びオールキャラ図書カードプレゼントサンデーにて実施。
懐かしの名場面特集とやらで、「犬夜叉」はコミック1巻の表紙絵100名様に。

今回はセンターカラー、表紙の犬夜叉一行の他に2ページめに殺生丸。
下段の猛々レンタル犬夜叉とかごめはすごく可愛いけれど、私はどちらかというとカラーじゃない方が好き。

犬夜叉の目的は「竜鱗の鉄砕牙を使いこなすために、妖霊大聖のところで修行すること」。
しかし一行が向かった先は、ごくごく普通の人里だった。
しかし川にかかる橋の下、小さな小屋があって助けを呼ぶ声、簾を捲ってみればそこは桃源郷だった、ではないがまさに仙人の住む世界。
大きな蓮、険しい山、そして仙人の住まいらしき建物。

しかしその蓮の茎に絡まって助けを求めていたのは、一反木綿じゃなくて妖霊大聖だった。
刀々斎みたいな痩せ枯れた老人で、でも一枚の紙に描いた絵ののようにひらひらしている。
修行というから竜骨精か宝仙鬼のような相手をイメージしていたが、話は一転ギャグ路線?
しかも修行を断られ、雑巾絞りに絞る犬夜叉におすわり食らわすかごめ。

久々「犬夜叉の暴走を抑える」おすわり復活。
この妖怪は妖怪に襲われ、肝を抜き取られてこんなに薄っぺらになったらしい。
ここまで読んで、アニメオリジナルの怪奇透明妖怪と「刀々斎の珍妙な試練」を思い出した。
どちらもいかにもアニメという話で、あまり好きではなかったが、先生が「あらわるあらわる」透明妖怪を気に入られたのか?顔を変えて再登場(笑)。

ただ今回「これはアニメの方がいいな」と思ったのは、犬夜叉がアニメでは一人で修行に臨んだ部分。
いつも5人一組ではなく、たまには昔のとんがったところも見せて欲しい。
もうひとつ不思議だったのが、「飾り立てた(殺生丸談)」鉄砕牙、余計な部分を削ぎ落とすのではなく、竜鱗の部分を使いこなす方に回ったかということ。
金禍銀禍の兄弟から得た炎の能力ならばともかく、竜鱗の部分はむしろ要らない方に回るだろうと思っていたので。

さて話はここから急展開。
妖気を感じて飛び出すと、川を渡る舟には妖怪と鬼火、橋を渡るは鬼と妖怪。
一条戻橋の下に式神を隠したという安倍晴明の話をモチーフにしたかのような、犬夜叉たちは京都まで飛んできたの?と思わせられるようなにやりとさせられる展開。
早速退治にかかる犬夜叉だが、実はこの妖怪共は普通の里人、人間だった。

妖霊大聖のあまりの妖気に消化不良を起こした妖怪が隠れるために人間を妖怪の姿に変え、紛れ込んでいるという。
その妖怪を探し出して退治することがすなわち修行となるが、鉄砕牙は封印される。
誰かれかまわず斬らぬようにとのことだったが、犬夜叉は知らない、夜明けまで終わらなければ封印は永遠に解けない事を。

犬夜叉の戦い、ワンパターンになりがちなところ、手を変え品を変えさまざまな試練に形作るが、ここで安倍晴明が出てきたらおもしろいけど時代が違うか(笑)。

          ☆          ☆          ☆

例によって読んでる漫画はみんなおもしろかった、中でも「からくりサーカス」ドリルをほどいたコロンビーヌの顔がとても素敵だった。
実は私、「からくり―」の絵は綺麗だけど気持ち悪いなあと思っていたので、今回のこの絵で始めて普通に綺麗だと思った。
生きてて欲しいな、コロンビーヌ。

          ☆          ☆          ☆

今今日発売の「戦国BASARA」のCDドラマを聴きながら書いてます。
とにかく幸村がうるさい(笑)。
この人、炎属性じゃなくて犬属性だよ、もちろん犬夜叉型じゃなくて忠犬型。
でも幸村の父、昌幸の名前が出てきて嬉しかったです。

実際は幸村が7歳の時に信玄が死んでいるので、「戦国BASARA」はむしろ父昌幸のイメージなんでしょうね。
 (2005年9月21日の日記) 
百鬼夜行と陰陽師
原作少年サンデー2005年9月28日(44号)第427話「封印の鎖」

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表紙絵が素敵、百鬼夜行みたい、そう思った。
百鬼夜行から平安時代に連想が移った。
そういえば妖霊大聖、どこかで見たことがあるような気がする、ずっと思っていた。
巨大な蛇の体を持つ美しい奥方で思い出した、「陰陽師」(夢枕獏著)であった。

「陰陽師 竜笛の巻」のタイトルは「飛仙」。
修行を積んで不老不死は無理でもせめて空を飛べるようになりたいと「天足丸」を作り、浮いて漂うことだけはできるようになった老人。
しかし地上近くを漂っていると子供たちがおもしろがって竹竿を持ち出してきては下から老人を打つ、「竹打ち仙人」などとも呼ばれた。
飄々と安倍晴明と源博雅に語る老人、この飛仙が天足丸を落としたことから話が始まる。

儚く寂しく、でもそこそこ楽しい。
わずかの酒を喜んだ飛仙のイメージが、そのまま妖霊大聖に繋がった。
では蛇の体を持つ女は?
病んでるところから思い出したのが「陰陽師 飛天の巻」より「源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと」。

博雅は晴明に導かれて出産を迎える「百年ほど前に、唐からこの倭国に渡ってきた、蛟精(みずちせい)の白蛇(はくだ)。」と説明される。
博雅の名笛「葉二(はふたつ)」は難産に苦しむ白蛇の精の苦痛を和らげ、無事出産を終えることができる。
どうです?今回出てきた蛇女の体はきっと白いと思えてきませんか(笑)。

位置が変わったり顔の大きさや表情が変わるだけの表紙絵より、こういったイメージを膨らまさせてくれる絵のほうがずっと楽しい、「犬夜叉」久々のヒット。
ちなみにこれだけ書く間にも「飛仙(十二国記用語)」「仙丹(真・三国無双用語)」などがどんどん出てくる、たまらなく楽しい。
表紙絵も「何かをしている」絵にして欲しい。

          ☆          ☆          ☆

表紙が楽しいと中身も無条件に楽しくなってくる。
どこまでも腕力に頼る犬夜叉の鉄砕牙の封印はどんどん厳しくなり、しかし犬夜叉はそれがなぜかを考えない。
封印の鎖は幾重にも巻きつき、犬夜叉を封じる。

彼らを助けたのは、「私の屋敷」に住み、母を「母上」と呼ぶいいとこのおぼっちゃん。
しかし白霊山の新太郎を思い出させる心根の優しい少年らしい、どう関わってくるのか。
弦之介が妖怪に変化していないだけでも、蛇妖怪が犬夜叉たちを誘い寄せたのがわかる。

この蛇妖怪こそ妖霊大聖の肝を奪い喰った張本人だった。
しかし鉄砕牙は抜けず、代わりに戦おうとする弥勒と珊瑚は弾き飛ばされる。
飄々としてて意外にやる、この薄っぺら妖怪。
弥勒と珊瑚が意識的に締め出されるのも珍しいことなのですごく新鮮。

鉄砕牙を引き抜こうとする犬夜叉を「力ずくで鎖引きちぎるしか」と妖霊大聖は言うが、求められるのはより強い力ではない、そんな気がする。
ムキになって抜こうつする犬夜叉を鉄砕牙は拒否、犬夜叉の手は焼けただれる、「竜鱗の鉄砕牙」事件の時のように。
おそらく求められるのは直情的な力を超えたもの、そうでなくては話がおかしい。
猪突猛進が犬夜叉の魅力だが、少しは押しては引き、引いては押す「融通」も身につける時期だろう、女満天みたいな変化した蛇女の顔を見ながら思った。
久々にシリアスに炸裂するギャグも笑えた。

あと「からくりサーカス」「結界師」「クロザクロ」、架橋に入ってる感じでおもしろかった。

          ☆          ☆          ☆

参考図書です。

     
 (2005年9月28日の日記) 
感動のありか
原作少年サンデー2005年10月5日(45号)第438話「妖穴」

     ☆     ☆     ☆

今週ばかりは気持ちが「からくりサーカス」の方に走ってしまって、これまで初めてサンデー読み終わって「犬夜叉」の話覚えていなかった。
でも仕方ないよな、今回はからくりクライマックスだったから。
「犬夜叉」の神楽、「十二国記」の蘭玉、清秀、それなりに思い入れがあって死なないだろうと思っている登場人物が死ぬとやっぱりショックは大きい。
逆に言うと、日々のエキストラ(村人、兵士など)の死には感情が入り込めない部分は、犬夜叉たちを批判出来ないなあと思う。

さて「犬夜叉」、犬夜叉は蛇妖怪を辛うじて倒すが、実はこの蛇妖怪も、息子弦之介も全て香炉により、つまり妖霊大聖に操られているのではないかという疑問が出てきた。
七宝と一緒に飛ばされていく妖霊大聖ではあるけれど(笑)。
もっともその前に弥、勒と珊瑚をお札で吹き飛ばしている(参戦させないために)妖霊大聖、姿を消すのも計算のうちか。
なんだか妖霊大聖が愛しくて、このまま刀々斎と一緒にちょくちょく出てきて欲しいと思うのだけれど、どうだろう?

かごめが「妖霊大聖さん」と呼んでいるのも、久々にかごめが現代人であることを思い出させてくれて新鮮。
香炉といえば今は亡き煉骨を思い出すが、なにか昔の伝承か物語で、香炉で人を操る話があったような・・・、安倍晴明・・・?
煉骨の頃から悩んでいるけど、未だに思い出せない、どなたかご存知ありませんか?

最近「犬夜叉」もおもしろいと感じるのは、金禍銀禍兄弟と妖霊大聖の力によると私は思うので、ここで是非妖霊大聖には踏ん張って欲しいところ。
蛇妖怪を操っていた妖怪を倒したら、その後には妖霊大聖がいた、とか。
これまでの竜骨精や宝仙鬼のようなシリアスな戦いではなく、大笑いのレベルアップ。

ところでこの妖霊大聖、どこかで見たことがあるとずっと思っていたが、某サイトの管理人さんのブログを読んで爆笑。
「ちびまる子ちゃん」のまる子のおじいちゃん、友蔵だ!
ずっと喉の奥につっかえていた物が一気に消えた気分です。
後でお礼のメール書かねば、似てるでしょ?(笑)。

          ☆          ☆          ☆

「犬夜叉」が戦国時代だから好きっておっしゃる方は、全ファンの中でどれくらいなんだろう、ふと思った。
「戦国BASARA」の戦国武将について犬感想と一緒に書いても興味持ってくれるかな?とかいろいろ考えてますが、これだけは「犬夜叉」に関係があるので書いておきますね。
BASARAの武田軍に、甘利虎泰が一般武将で登場します。
そうです、アニメオリジナルですが、九十九の蝦蟇の信長のご先祖様です。

なんとなく犬版信長のような飄々とした人かと思っていたら、武田二十四将の一人で、名を聞いてだけで敵が撤退したという剛の者。
信長くんは誰に似たのかなあなどと全然関係ないことを考えてしまいます。
この虎泰は、対村上戦で信玄を守って討ち死にします。
ここで「えっ? 村上?」と思った方は「十二国記」ファン。

延王尚隆がまだ日本で小松三郎尚隆を名乗っていた頃、この小松家を滅ぼしたのが、村上水軍で有名な村上氏。
ただし村上違いで武田と戦った村上氏は信濃の国(現長野県)を統治、尚隆と戦った村上は瀬戸内海。
このようにひとつのキーワードから次々に本や資料を広げていくのが、私の「犬夜叉」始めとした本の読み方。

時々「どうしたら楽しく読書できますか?」とこれまで何人かの自称本嫌いさんから質問を頂いている。
後日私なりの本の読み方を紹介してみたい。
ただし私も雑読だけど、好みは非常に偏っていて、決して良い読み方ではないことだけは念を押しておかなくては(笑)。
 (2005年10月6日の日記) 
まとめ読み
原作少年サンデー2005年10月12日(46号)第429話「本当の敵」

     ☆     ☆     ☆

ずっと病気で寝ていたために、今日「犬夜叉」429話から431話までを一気に読んだ。
私としては失敗だったことに429話と430話の他サイトさんでの感想も読んでしまった。

今週号431話で妖霊大聖編は完結するが、おそらく一話ごとに毎週読んでいたら高橋先生の意図するところがさっぱりわからなかったに違いない。
429話で「へっ?」と思い、430話で「ふ〜ん」と頷き、今週号で「なるほど!」と手を叩いた(叩いてないけど)。
同時に「やっぱりね。」とも思った。

犬夜叉の敵、その戦い全てが妖霊大聖の差し金、それこそが修行であったことが読者ならばわかる。
先生御自身も隠してはいない、むしろ被害者のはずの妖霊大聖に読者が疑問の目を向けるように描かれている。

さて429話だが、犬夜叉が蛇女を倒したところから話が始まる。
蛇女を倒しても街の人たちの妖術は解けないまま、鉄砕牙の封印も解けない。
蛇女の所にあった香炉の匂いを辿る犬夜叉たちは妖霊大聖の住処へと戻る。
そこで見たものは妖霊大聖の「死骸」。

ここで本当に妖霊大聖が殺されたと思う読者はおそらくいないだろう。
実はここでこれこそ修行と犬夜叉たちが気づかないのがむしろ不思議。
犬夜叉はともかく弥勒や珊瑚、妖怪退治のプロフェッショナルの彼らが気づいてもおかしくないパターンのような気がする。
これまでも犬夜叉は匂いと勢いで突っ走り、事件の裏を読む弥勒や珊瑚の姿が描かれたことは多い。

妖霊大聖がそれを警戒して2人を吹き飛ばした?と読めないこともない。
しかも「妖霊大聖が鉄砕牙を封印した」ことまで気づいている牛妖怪?

この時点では、対妖霊大聖がこれまでの竜骨精や宝仙鬼や、そういった妖怪との戦闘とどこが違うのかがわからなかった。
「修行」というからには妖霊大聖から与えられたもの、というイメージがあるが、妖霊大聖が犬夜叉に何を求めているのか、今週中はわからないことになるだろう。
先に書いてしまえば10月26日発売のサンデー48号では実にすっきり説明がされている。
ここまで読んで初めて妖霊大聖&高橋先生の意図するところが理解できる。

最近の「犬夜叉」は本当に難しい。
おもしろいというより難しい。

このことが「犬夜叉」読者層にどのような影響を与えているか調べてみたいような気がするが 、無理だろう。
もしかしたらファンの現象に繋がっているのではないかと心配だったりもする。
鋼牙も忘れられ?夢幻の白夜も無限の彼方に消えた今、ここは是非気分爽快な敵ゲスト妖怪の登場を求む。
七人隊の再現みたいな豪華な敵を相手に3ヶ月くらい引っ張って欲しいものだが・・・。

巻末高橋先生は宮古島に行かれたとのこと。
いいなあ、映画を見てたら隣に高橋先生、温泉に入ってたら向かいに高橋先生なんてことないかなあ。
 (2005年10月26日の日記) 
サンデーまとめ
原作少年サンデー2005年10月19日(47号)第430話「妖穴の匂い」

     ☆     ☆     ☆

扉絵でこれだけ笑ったのは久しぶり。
妖霊大聖の「死骸」を抱いてるかごめのシリアストップだが、こちとら妖霊大聖が亡くなっているとは思ってないから映画「スティング」ばりのどんでん返しを期待している。
そうなるとこの妖霊大聖の表情さえも笑えてくる。
「胸騒ぎの予感」もなんとなく変。
前回も書いたとおり、弥勒や珊瑚がそのからくりに気づいてないのがおかしいくらい。

これも久しぶりに期待満々で読み始めた(はっきり言って久しぶり)。
犬夜叉がレベルアップするきっかけは仲間を思う心だったり殺された者たちの敵討ちだったりするけれど、それより何よりその「鼻=嗅覚」であることがおもしろい。
もし猫夜叉だったり馬夜叉だったりしたらどうだったんだろう、やっぱり匂いなのかな?

さてさらにおもしろいのが妖霊大聖編で突然出てきた「妖穴」の言葉。
妖霊大聖が犬夜叉に敵妖怪の弱点として教えた言葉だが、ならばこれまで犬夜叉が戦ってきた妖怪たちには妖穴はなかったのだろうか。
それとも全ての妖怪(妖気を帯びた者)が妖穴を持っていたが、妖穴を探して斬らなければならないほどの強敵がいなかったと解釈すればいいのだろうか。
実は今考察日記を書いている時点で次週号「修行」まで読んでしまっているので、感想を書くのが難しい。

今週「妖穴の匂い」の時点では妖霊大聖による「まとめ」がないので謎だらけの犬夜叉。

妖霊大聖の「ヒント」によって妖穴を見つけることはできたが、竜鱗の鉄砕牙で牛鬼の妖力を「吸いつくそうと」する。
しかし鉄砕牙はそれを拒否、犬夜叉に警告を発する。

犬夜叉が惑わされたのは香炉のせい。
匂いに惑わされたことに気づく犬夜叉、同時に戻ってきた弥勒も妖気の源を知る。
先週弥勒が気づかないなんてと思ったが、さすがにそこはうまくまとめ、ドキッとしたらしい?妖霊大聖を描くことでなるほどと思わせる。

今回読者には謎と思わせず、読者は妖霊大聖の修行の意味を知りながら気づかぬ犬夜叉にハラハラする、これまであまり見なかった手法のような気がするが。

そしてついに犬夜叉の一撃が牛鬼、いえ妖霊大聖の抜け殻を斬る。
吸うのではなく斬ることに無意識のうちに気づいた犬夜叉、最終結果は次号となる。

          ☆          ☆          ☆

「名探偵コナン」、アニメは見るけどサンデーではほとんど読まない私だが、ぱらっと開いて園子が出てると必ずチェック(笑)。
いわゆるコナンと灰原の微妙な関係、あと恋愛系(新一と蘭の)も好きかな?

なんとなく読むのは「史上最強の弟子ケンイチ」、女の子キャラがみな凛々しくて好き。

かっこいいのにおかしな黒柳亮のリアクションが気になって最近読み始めたのが「焼きたて!!ジャぱん」。
アニメで声は景麒で佐助の子安武人さん?見ねば、見ねば!と思いつつ忘れてしまうけど。

「WILD LIFE」は動物が可愛くて時々読むし、陵刀司がいいって意外に面食い?

「ハヤテのごとく」は私の中ではちょっぴり停滞中だけど、ハヤテくんとマリアさんが好きだから必ず読む。

好きなのが「道士郎でござる」、小坂健助の普通っぽいのにがんばるところが好き。

「結界師」、志々尾限がが本当に死んだとは思えなくて辛い。

「クロザクロ」、おもしろいけど展開が読めない。

「からくりサーカス」も話がよくわからないけど最近感動することが多い。

気になるのが「あいこら」。
初めはこんな「部分的に好き」なことってあり?って思ってたけど。
私は女性だと髪が、男性だと背中が気になります、ハチベエくんほどじゃないけど(笑)。

そんな私のサンデー4年目ですが、これからもよろしくお願いします。

                           ―「BLOOD+」を見ながら。
 (2005年11月1日の日記) 

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