犬夜叉サンデー感想(第431話〜第440話)
深読み大好き
原作少年サンデー2005年10月26日(48号)第431話「修行」

     ☆     ☆     ☆

やはり全ては妖霊大聖の与えた「修行」だった。
と言っても読者にとっては謎と言うものでもなかったから、問題はこれまでの犬夜叉のレベルアップとどこがどう違うか、新たな修行として認められるか、だろう。
ところが次回の妖狼族の「灰(かい)」登場編も読んじゃってるから、思考が別の方に流れてしまった。

先に11月2日の「ひとりごと」からサンデー鋼牙とコミック42巻の感想を抜き出してみたい。

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でも今週のサンデーとちょうど届いたコミック42巻を斜め読み。

鋼牙ですよ鋼牙!
考察日記のタイトルは「忘れた頃に鋼牙」で決まりです。
表紙で「よっ!」と言ってるに違いない、中で「ああ!? さっき休んだばかりだろーが!」「やってみろ ガキ!」松野さんですよ、頭の中に響いてきますよ。

驚いたのが妖狼族がまだ残ってたこと。
私は妖狼族は3人だけだと思ってたから。
戦国時代の梁山泊?

この狼編が終わったらアニメオリジナル菖蒲編と比べてみるのも一興。
鋼牙だけはかごめ一筋貫き通すために「男の子」にしたのではないかと睨んでます(笑)。

他の漫画も新たな章に入っておもしろかったです。
限くん蘇るんじゃないかな、とかエレオノールちょっとだけど良かったな、とか。

コミックはおもしろかったです。
サンデー派からコミック派に転向した方が楽しめるかもしれないな、「犬夜叉」。
夢幻の白夜が懐かしい。

そして冥道残月破を会得した殺生丸の最終ページ。
鉛筆でそっと書き込みました。
「神楽の死がきっかけとなり、武器として覚醒した天生牙。
それを祝福するかの如く一陣の風が舞う・・・」

あと邪見に突っ込み。
天生牙はあの世とこの世をつなぐ刀」の刀々斎発言に「へ〜」と驚くりん、「っておまえが蘇り第一号だろーがっ!」。
蘇り第一号は邪見、あなたです(笑)。

殺生丸とりんと邪見に刀々斎まで加わっての漫才カルテット、堪能させていただきました。

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鋼牙鋼牙は今回どうでもよくて(笑)、問題は新たな妖狼族を小さな男の子にしたことによって、アニメ菖蒲編を思い出してしまったこと。
同様に今回の妖霊大聖の修行には、やはりアニメオリジナル「刀々斎の珍妙な試練」を思い出してしまった。

なぜ刀々斎自身の与えた修行ではなかったか、もちろん新たなゲスト妖怪を出すことでマンネリを防ぐ意味もあるだろうが、刀々斎にやらせることで読者があのオリジナルを思い出してしまうことを恐れる気持ちが先生にあるのではないかと思ってみたり。

高橋先生の強さ、読者に対する耐久性?についてはこれまで何度か読んだことがある。
同時に高橋先生は漫画と結婚されたというまあ、ファンの言い分だろうが、それもあちこちで見かけた。
けれど私は先生の性格や目指しているもの、作品を通して何をどう描くつもりでおられるのか全く見当がつかない。

これが新参者の寂しいところで、「うる星やつら」の頃からの筋金入りのファンのように、「高橋先生を」語ることができないのが悔しい。
アニメに対して全く気にしてないようなことを書かれていたが、こうしてアニメオリジナルと同じようなシチュエーションで描かれた時に、やはり意識されているのではないかと思う時がある。
気にしないようにすることでかえって意識する、そんな感じ。

まあ犬夜叉vs刀々斎の関係はともかく、鋼牙の恋物語に関しては、その後の視聴者の反応を見てもやはり原作をかけ離れた物、あるいは原作をが描いていないことを先取りするのは辛いな、と思った。
それとも大ベテランの先生、すでにそんな時期は通り過ぎて、どんなことにも動じない鉄の心臓をお持ちかな?とも思う。
その方が高橋先生らしい気がする。

翠子と犬夜叉と雲母の関係がオリジナルで描かれた部分、もしも原作で何らかの解説が得られて、アニメが続いていたら、アニメの製作側はどうするつもりだったのだろうとある意味興味があったのだが、残念ながらアニメが終わって久しい。

もうひとつおもしろかったのが、妖怪に変化したように見える人間たちが普通に歩いている姿。
携帯のCMだったか、街の中を羊がぞろぞろ歩いているCM(迷える羊はもういないだっけ?)。
人間のように立って歩いていて、しかもどう見ても人間の手だ(笑)。

ところが見慣れた羊なのに、こうして街の中をぞろぞろ歩いているのを見る違和感が、村を普通に歩いているたくさんの妖怪たちにつながっておもしろかった。

ちょうどコミック42巻も揃ってまとめ読みしたために、殺生丸と刀々斎の冥道残月破@りんと邪見と合わせて4人の漫才カルテット付き、と犬夜叉とその仲間たちの妖霊大聖竜鱗の鉄砕牙修行の読み比べが楽しめた。
笑えたのは何と言っても邪見が最高で殺生丸チームの勝ち。

感動は神楽を想う「無駄死にかどうかは私が決めることだ」の名台詞で殺生丸の勝ち。
犬夜叉と殺生丸、どちらが好きというわけでもないが、出番が少ないせいか、殺生丸登場編の方が新鮮に感じるせいか。
それに個人的にはくどいのよりもシンプルな方が好きなのかも。

今週のメインの犬夜叉、蘇った?妖霊大聖がその手順を語る。
まずは真の妖気を見つける力。
犬夜叉は行き当たりばったりのところがあるので、町中妖怪だらけなように術を施し、惑わされず妖怪を探し出せるかどうか試す、苦しみながらも犬夜叉合格。

次に犬夜叉自身が本物の妖気を体で感じる必要があったため、犬夜叉に妖気を浴びせ続ける、犬夜叉、鉄砕牙に助けられて合格。
そして最後の段階が竜鱗の鉄砕牙の「真の使い方」を学ぶこと。
これまで通り竜鱗の鉄砕牙で妖気を吸おうとせず、斬ることをしたのは鉄砕牙にヒビが入っていたため、犬夜叉合格。

こうして見ると、犬夜叉は己の鼻!と人としての優しさとその能力と努力と、それだけではなく鉄砕牙と共存して成長していっていることがわかる。
鉄砕牙は犬夜叉が無理な使い方をしようとすると警告を発する、それは壊れることを防ぐためではなく、あくまでも犬夜叉を守るため。

一方の殺生丸。
天生牙も確かに殺生丸に使い時を教えたり殺生丸を守ったりしているが、基本的に殺生丸は天生牙の主(あるじ)として天生牙を使いこなす。
ここが完成形の殺生丸と、常に発展途上でしかし終わりのない犬夜叉との違いだろう。
これは実は桔梗とかごめにもいえるような気がする。

私が犬かご派ではなくてもかごめといる方が犬夜叉が自然に見えるのは、性格的に似た者同士なところがあるからなのかも。
だからと言って殺生丸と桔梗をくっつけたいと思う気持ちもないが、桔梗も感情はともかく雰囲気的には奈落、睡骨、殺生丸と相対する時がむしろ自然に見えたのが不思議。

話がそれたが、妖霊大聖編を読み終えて、一番の謎は「妖穴」の存在。
犬夜叉は今回修行する上で妖穴を見つけることが最大の課題だった。
では今後、犬夜叉が妖怪と戦う時は、常に妖穴が出てくるのだろうか。

これまで犬夜叉が戦う時、主に風の傷、つまりほとんど匂いで犬夜叉は妖気の裂け目を見つけてきた。
これからは戦闘のたびに妖穴が出るとしたら、絵的にどうかな?とも思う。
次回は鋼牙がメインで、いずれ犬夜叉と絡むにしてもしばらく妖穴の出番はなさそうだ。
これまで倒されてきた飛天満天雷獣兄弟や屍舞烏など初期の妖怪にも立派な妖穴あったのかな?

けっこう妖怪のレベルに左右されているような気もするが。

          ☆          ☆          ☆

「結界師」
やっぱり限は死んでしまったのか、なんとなく死なないような気がしてたから辛いなあ。
神楽やコロンビーヌのように自然じゃなく、物語の展開の中で無理があるように思えて仕方がない。

「道士郎でござる」
最強のヒロインはマリエサンですか、爆笑でした。

「からくりサーカス」
エレオノールがなぜ鳴海や人々にあんなに憎まれるのか話がわからないから可哀そう。
ミンシアがこれまでかっこいいお姉さんだったのに、別人みたいでわからない。
フェイスレスって何?状態なので、大人買い衝動にかられている今日この頃・・・。
(2005年11月7日の日記)  
明日まで待っていられない!
★というわけで、今日は先週と今週の「犬夜叉」同時アップという、掟破りの感想です。
                          なにせ鋼牙ですから(^^♪。


原作少年サンデー2005年11月2日(49号)第432話「灰」
原作少年サンデー2005年11月9日(50号)第433話「日没」

     ☆     ☆     ☆

鋼牙♪鋼牙♪と浮かれ騒いでは見たものの、話は実はとてもシリアス。

妖狼族には、鋼牙と仲間の2人の他に生き残りがいた。
「東の洞穴(あな)」にいたのは鋼牙たちだったが、彼らを残して全滅。
北の洞穴も全滅、しかも初登場の神楽に殺され、屍舞で操られるという悲惨な最期。
南の洞穴に住んでいた若い「連中」も全滅したらしい。
そして他の洞穴の者たちも皆、巣を捨てたという。

普通に考えると、それは西の洞穴となり、灰たちが住んでいた中央の洞穴を囲んで守っていたのだろう。

とここまで読んで洞穴のとこ読みたくなって、15巻を引っ張り出した。
神楽がまだ可愛いのに、根っからの悪女で、相変わらず鋼牙がぼろぼろで。

鋼牙を巡る犬夜叉とかごめの葛藤、今は懐かし北条くん、緊迫した戦闘とほんわかした現代。
全てが新鮮で全てがおもしろい、今読んでも。
ここで16巻を出したら止まらなくなるので、じっと我慢。
初期から中期の「犬夜叉」はおもしろい、本当におもしろい。
何度読んでも飽きることがない。

さて、中央の洞穴には、闘えなくなった年寄りや、親のいない子供たちの寄り集まり。

彼らは灰と弟(芯太)、他の子供たちを連れ、逃げようとする。
何から?と思っていたら、出てきたのは「なんだ?こいつ」と鋼牙でなくても言いたくなる何妖怪?
豚にも見える、カメレオンの舌を持っているようにも見える、カメレオンは戦国時代に日本にはいなかったろうが。

見た目はいかにも小物妖怪で、首狩りしていた白童子の獲物の中で見かけたような、犬夜叉や鋼牙にまともに当たったら一撃で倒されてしまいそうな妖怪、頭も悪そう(ぎゅぎゅぎゅぎゅ・・・)。
しかし、これが奈落の罠なら、賢い妖怪を選ぶ必要はない、獰猛であればさえいい。
犬夜叉がかつて珊瑚を相手に戦うことができなかったように、鋼牙も灰を仕留めることができるはずがない。
琥珀の時より続く「倒せる百より倒せぬ一」作戦は鋼牙や犬夜叉のような相手には極めて有効。

この妖怪に灰と芯太以外皆殺される。
妖怪は芯太を人質に取り、鋼牙から四魂のかけらを奪うようにとの奈落の言葉を伝えたのだろう。
書かれていないが、奈落は灰が四魂のかけらを奪ってきたら、それをこの妖怪にやろうとでも言ったのかもしれない、いつもの奈落の騙しの手口。

こうして読んでくると、おもしろく感じることがある。
それは初期犬夜叉の相手は、奈落に関係なくそれぞれが奪ったか拾ったか、していたから相手もバラエティに富んでいた。
屍舞烏はかけらを使って死人を操り、九十九の蝦蟇はかけらを使って殿様に乗り移っていた。
今はほとんどが奈落の手に渡っているため、逆に奈落が阿毘姫や七人隊のようにかけらを使って妖怪(や死人)を操るしかない。

これがパターンの一定化につながり、マンネリにつながった。
そこで奈落はずっと昔に使っていた方法を思い出す。
大切なものを奪い、命の代償に戦いを強いる。
それが今妖狼族となったことが意外だったが。

そして鋼牙の立場から見た場合、「四魂のかけらを取り込んだ」鋼牙を「同じ速さで」追いかけてくる存在、しかも凶悪な武器を放つ。
瞬時に戦闘態勢に入る鋼牙だが、相手は妖狼族の子供、まだ鎧もつけていない(戦闘士として認められていない)灰。
灰には四魂のかけらが取り込まれているんだろう。
血にまみれてはいるが、まさか琥珀のように、かけらで命をつないでいるわけではあるまいが。

灰の鋼牙に対する想いは複雑。
「鋼牙のせいで」、灰は鋼牙を責める。
ちょうど現在の「からくりサーカス」では、エレオノールが話はよくわからないが、本人にはどうしようもないことで回りに恐れられ、憎まれている。
そもそも鋼牙が四魂のかけらを手に入れなかったら、と鋼牙を責めるのは酷だろう、筋違いな気もする。
そもそも灰がそこまで事情を理解していたとも思えない。

鋼牙が奈落と関わっているから妖狼族は殺された、芯太を奪われた、灰はそう信じる。

鋼牙はまだ事情を知らず、もちろん灰を殺す気もないだろうが、こういった筋違いの恨みって恨む方も恨まれる方も同じくらい辛いな、そう思った。
鋼牙は東の洞穴の妖狼族の頭であって、仲間を殺された怒りに燃えて奈落を追うが、仮に鋼牙が呼ばれているように、全体の「妖狼族の若頭」であったならば、鋼牙の責任は仲間を守る方に向けられ、物語の展開も自ずから変わっていただろう。

先生の描かれる「犬夜叉」はすでにできあがっているから、もしもの展開、アナザーストーリーを考えてもどうなるものでもないけれど、おもしろいことはおもしろい。

灰がはぎゅぎゅぎゅ妖怪から渡された巨大鉄手裏剣のような物を使いこなしているのも凄い。
灰は、これで目がつり上がっていて髪が黒けりゃ、まさに鋼牙の幼き日、といった風の非常に責任感の強い子のように見える。
弟芯太の可愛らしさは、これまでの「犬夜叉」にはなかったもので、是非助かって欲しい。

この鋼牙を追う灰の後を、おそらく犬夜叉たちが追うだろう。
私は今回が鋼牙の五雷指の使い時ではないかなあと思うのだが、できれば五雷指vs新生鉄砕牙の激突を堪能したい。
でも相手があのぎゅぎゅぎゅじゃなあ。
奈落が現れて、また逃げられても嫌なので、ここは是非魍魎丸と赤子ペアに登場して欲しい。

魍魎丸を倒してみたら、どっこい心臓はもう別の所に移してあったとか。

          ☆          ☆          ☆

ここから今週「日没」の感想。

当然のごとく鋼牙は灰を殺さず、その後を追う。
待っていたのは妖怪と夢幻の白夜だった。
これにはちょっと驚いた。

たしかに新たな奈落の手下として白夜がいたけど、迎えるのは奈落だと思っていたから。
なぜそう思ったかは後で書く。

最近鋼牙はラブコメ要員として存在し、戦闘においても犬夜叉と似通っているせいかどこか中途半端な印象を受けていた。
正直言って何のために残っているのかわからない感じ。
最終決戦に絡むにしろ絡まないにしろ、このまま終わって欲しくはないな、と。

全てを読んだ鋼牙は犬夜叉を拒否する。
かつて同様に仲間を殺された時、鋼牙の怒りの先には神楽がいた。
後に神楽は、自由を求める心と殺生丸への想いによって変わり、風になった。
今鋼牙の目の前には、あの時の神楽と同じ、人の心を持たぬ者、夢幻の白夜が待ち受ける。

鋼牙にとって、状況はあの時と何も変わらない。
神楽の変化も死も知らず、その怒りと憎しみはなお生々しく息づき、その矛先は、今白夜に向けられる。

最近生ぬるくなっていた鋼牙と物語に渾身の一撃。

しかし同時にこの初期の鋼牙に戻ったことで、これは鋼牙のグランドフィナーレになるのではないかという気持ちがどうしても拭えない。
私がさっき、なぜ奈落がいると思ったか、あるいはこの後出てくると思ったか、その理由がここにある。
この妖怪が鋼牙のラスボスとなるのは、あまりにも鋼牙に失礼だが、ここに犬夜叉たちも来たことで、もしかしたら・・・と。

さらに五雷指を使うのはここではないだろうか。
最終決戦で、もし犬夜叉たちの他に、桔梗、殺生丸がいたとしても、その中で鋼牙の五雷指は使いにくい。
鋼牙はもちろん対奈落戦のために五雷指を得たのだろうが、妖狼族に伝わる武器なら、妖狼族(灰と芯太)を守るために使うことこそふさわしい。
いつものパターンで倒れた鋼牙の後を犬夜叉が継ぐのではなく、少なくとも妖狼族の戦いは、鋼牙の手できっちり片をつけて欲しい。

「妖狼族」の鋼牙の怒りは、灰の誤解も解いたようだ。
灰も傷つけられていたが、かけらを取られても死ぬことはないだろうし、なんとなく芯太も生きているような気がする。
灰が鋼牙から何かを学び、芯太と共に鋼牙の仲間になったらいいなあと思う。
犬夜叉の七宝、殺生丸のりん、桔梗の式神?、奈落の神無?に続く鋼牙のマスコット、芯太。
だって本当に可愛いんだもん(笑)。

これまで何度か書いたように、一番かっこいいと思った顔は、善人顔の殺人鬼であった睡骨。
一番可愛いと思ったことは、実はないのだが、これで芯太に決まり。
本当にあの目ってこれまでなかったように思う。

それはさておき、脇に回った犬夜叉が、どんなドラマの目撃者になるのか、来週はコンビニの前で夜中から入荷を待っていたい気持ち、こんなことは久しぶり。

          ☆          ☆          ☆

「犬夜叉」もだが、最近サンデーには最終に向けたクライマックスを感じさせる作品が多い。
おもしろかったのが「史上最強の弟子ケンイチ」。
最近読み始めたのだけれど、「道士郎」といい、こういったタイプの男の子(本当はすごいんだけど、なんとなく・・・のタイプ)が流行りなのかな?

「からくりサーカス」、しろがねに少しだけ幸せの予感。
 (2005年11月9日の日記) 
五雷指
原作少年サンデー2005年11月16日(51号)第434話「五雷指の威力」

     ☆     ☆     ☆

先週あれほど盛り上がっておいて、今週ここまで盛り下がるとは、自分でも驚いてしまうほど。
原作に関しては、ある程度の感情起伏ラインがあって、その時々でいくらかの上下はあるものの、さほど変化がない状態だった、ずっと。
しかし最近はアニメオリジナル多発期なみに「今日は最高!」と盛り上がったり、倦怠のどん底に落ちてみたり。

鋼牙がかごめにちょっかい出したことにやきもち焼いてるわけじゃなくて(笑)、犬夜叉にしろ弥勒にしろ、シリアスに入るギャグが最近どうしても馴染めない。
りん邪漫才に大受けしたのは、彼らが当事者じゃないからであって、ここは是非先週からの緊迫感をぐいぐい盛り上げたまま、怒涛の次週になだれ込んで欲しかった。
今週も鋼牙の危機で終わるのだが、先週ほどの緊迫感がなく、読者としては損な気分。

これまではむしろおもしろがっていた私だから、やはり心のどこかに「飽き」が巣食い始めているのだろうか。

言い訳半分で書いてみると、今過去のサンデーの感想は鋼牙登場編で停滞している。
灰編にめどがついたら「妖狼族の若頭」である鋼牙の責任について書いてみたいと思っていたが、灰編もまだしばらく続きそうだ。

さてここで鋼牙の五雷指が初お目見えする。
もぎゅもぎゅ妖怪じゃなかったぎゅぎゅぎゅ妖怪があえなく轟沈。
五雷指使わなくても倒せそうな相手だが、ここは犬夜叉やかごめに強いとこ見せたかったのか。
叫びまくっておらず、喋り方にめりはりがある部分、鋼牙の怒りを強調していて好き、ここは是非アニメ化希望。

犬夜叉の鉄砕牙と比較してみてもおもしろい。
元々は父君の牙だった鉄砕牙。
風の傷、爆流破は元々鉄砕牙の技、犬夜叉のレベルアップはその会得。
そして百鬼蝙蝠の血玉珊瑚初め犬夜叉自身が望んで、あるいは望まなくとも与えられた技がある。

シンプルなのは鋼牙の五雷指。
「妖狼族の魂」の威力が鉄砕牙に比較してどれほどのものか、あるいは「魂」がこもっているだけに、むしろ桔梗やかごめの霊力に近いものがあるのか。
このぎゅぎゅぎゅ妖怪が相手では、その真価を図ることもできないが。

可愛い芯太がまだ生きていた、嬉しい。
生きているだろうとは思っていたけど、夢幻の白夜のために、死ぬより怖い想いを強いられる。
その芯太は、蛾の妖怪の繭の中に閉じ込められ(鳥肌)、そして蛾の妖怪に連れ去られてしまう。
振り返った?この蛾妖怪、横に裂けているのは、目か口か、じっくり見れないのでわからない、どっちだろ。

一難去ってまた一難、芯太の行き着く先は、魍魎丸の元だった。
もちろんここでも鋼牙の出番。
しかし四魂のかけらの完成を願う?翠子の意思が鋼牙の足を止める。
翠子の求める物は、いわゆる「正義」ではなく、ひたすら玉の完成なのか。

考えてみれば、翠子の意思が目覚めて犬夜叉たちvs奈落の対決の構図を見ているわけでもなし、その使命はただ四魂の玉の完成ならば、鋼牙は排除される運命にある。
けれど、ここで唐突なギャグ以外に緊迫感を感じない理由は、「妖狼族の魂の加護を受けている」鋼牙が、一度だけだが「鋼牙の足の四魂のかけらを支配する力・・・そのこの世ならぬ意思から鋼牙を守る」ことを知っているから。
とりあえず今回は大丈夫。

じゃあなんで先週はドキドキしてしまったかというと、やはり鋼牙と灰と芯太の兄弟(と、ぎゅぎゅぎゅ妖怪)の怯えや怒りや想いが息もつかせぬスピードで畳みかけられたからだろう。
ホップ、ステップ、ジャンプの三段跳びからホップ、一休み、ステップのような、ずれたリズムが本当に惜しい。
ただし、この「ギャグinシリアス」こそ高橋作品の醍醐味、ここでかごめにちょっかい出さなきゃ鋼牙じゃないっておっしゃる方もきっといるはず、いたら嬉しい。

次回の考察日記「妖狼族の若頭」では、鋼牙の責任について触れてみたい。
 (2005年11月17日の日記) 
鋼牙の立場
原作少年サンデー2005年11月22日(52号)第435話「翠子の意思」

     ☆     ☆     ☆

薬が強くて、朦朧として寝ている間、視線の先にあるのは本棚の「犬夜叉」コミックその他。
犬夜叉かごめ、犬夜叉かごめと順番に並んでいるコミックを眺めながら、「1巻かぁ、ムカデとカラスと鬼娘だよねえ。」
「2巻の無女はおもしろかったなあ。」などとぼんやりと思い出していたら、突然2回分の考察日記が頭に浮かんだ(笑)。
しかもタイトルまで頭に浮かんだ、「鋼牙の立場」と「『犬夜叉』の魅力と犬夜叉の魅力」。
今日は「鋼牙の立場」で。

私が犬夜叉たちの妖怪退治を読んでて、最初に驚いたこと。
犬夜叉たちが人間型妖怪(飛天、逆髪の結羅など)も妖怪型妖怪?(九十九の蝦蟇、屍舞烏など)もどちらも同様に殺すことだった。
結羅のような女でも、桃果人のような、一応は人間でも迷いなく殺すこと。
仮に私が妖怪退治をするならば、相手が人間に近ければ近いほど、ためらうような気がしたので。

「犬夜叉」とは、犬夜叉側の正義からなる問答無用の妖怪退治物語であることに納得した頃、妖狼族の鋼牙が登場した。
人喰いであり、四魂のかけらを「悪用(犬夜叉から見て)」する悪である鋼牙、しかし鋼牙は殺されなかった。
たとえば雷獣兄弟の飛天とどこが違うだろう。
飛天も鋼牙も人型であり、人喰いである、違うのはかごめに惚れた、ただその一点。

こうして生かされた鋼牙、性格的にも三角関係の上でも、犬夜叉の表裏一体であり、ライバルでもある。
ずっとそう思っていた。
七人隊や、影郎丸と獣郎丸と協力し合いながら、時には喧嘩しながら、時にはギャグってみながら闘う2人の場面が好きだったし、犬夜叉を踏んづけて(笑)、かごめに迫る鋼牙も好きだった。

ただ物語が進むにつれ、少しずつ苛立ちが募ってきたのは隠しようもない。
鋼牙の絡む物語を思い出していただきたい。

妖狼族を離れた鋼牙が戦う場面は多いが、鋼牙一人で戦ったことはあるだろうか。
もちろんある、凶骨や魄の妖怪(五雷指入手もなるが、あれは妖狼族でなければ参加できない特殊な例だろう)など。
でも鋼牙の戦いのほとんどは、犬夜叉が駆けつけ、犬夜叉の見せ場となる。
犬夜叉が来なければ、鋼牙が死んでる場合がほとんど。

(実は私、「らんま」の乱馬より良牙の方が好きだが、こういった苛立ちを感じないのは、「命」が関わっていないからだろう。)
つまり鋼牙は、ラブコメ要員&犬夜叉の引き立て役としてのみ存在する。
それもある程度は仕方がないのだが、だからこそ灰と芯太が登場した時、やっと鋼牙の出番がやってきたと思った、だから燃えた(笑)。
たとえこれが鋼牙のグランドフィナーレであったとしても、鋼牙の物語がやっと始まったと思った。

その勢いが、鋼牙の「子供好き」発言でけちょんとしぼんでしまった。
今週になっても犬夜叉が主役、鋼牙も危険なままだけど、もう好きにして、といった気分。
「漢(おとこ)だなあ、鋼牙。」から「漢(おとこ)だったなあ、鋼牙。」

私自身の感覚として、鋼牙や桔梗が自分の「恋人」を恋敵にあえて預けるというのが元々わからない。
鋼牙は犬夜叉にかごめを取られないという「自信」があるという設定なのだろう。
桔梗はもしかしたら、犬夜叉の気持ちがすでにかごめにあると気づいているのかもしれない。
けれど、一緒に重ねる経験、思い出、恐怖や哀しみや喜びや、それは一緒にいなければ得られないもの。

鋼牙にとって桔梗は未だに「おっかねえ巫女」だし、神楽は「許せない敵」だろう。
所詮鋼牙は蚊帳の外、そんな鋼牙だからこそ私は好きなのだが。

ただし今週はかごめと二人で表紙を飾る至福のひと時。
残念ながら、このかごめの顔のタッチはあまり好きではないのだが、この頃多い。
「以前かごめが言っていた・・・」のかごめの顔もちょっと微妙。
反して芯太の可愛さにはもうぞっこんで(笑)。
珊瑚に救われ、しがみつくシーンは、珊瑚の中でも名場面。

今週は鋼牙のかけらが翠子の支配から逃れたようだが、それが五雷指のせいとは思えないところが謎。
普通に考えたら、対奈落の最終決戦用の最終技のように思えるが。
この辺からも、鋼牙にはまだまだ希望が残る。

もうひとつ謎なのが、灰にも四魂のかけらが仕込んであったのだが 、それは翠子の影響を受けなかったこと。
翠子の意思とは何か。
幼い子供を人質にとり、残虐に罪のない人や妖怪を殺す奈落や魍魎丸であっても、結局は四魂のかけらを「多く」持っている方に味方するのか、では犬夜叉が四魂の玉の完成に近い物を持っていたなら、翠子の意思は犬夜叉に味方するのか。

では桔梗が四魂のかけらを奈落に渡したことは、結果的に犬夜叉の足を引っ張ったことになる。
ここはむしろ、翠子の意思=桔梗の意思とみなすべきだろう。
奈落に四魂の玉を完成させ、その瞬間に四魂の玉を封印するか浄化するか。
でもそれだと犬夜叉や鋼牙の出番がなくなるし。

そう考えてもどう考えても、鋼牙が捨石になりかねないところが辛い。
などと考えてるうちに、なにやら興奮してきて、結局はこの日も眠れなかったりしたのだった、鋼牙ばんざい。
それから「犬夜叉」十周年おめでとうございます。
なんだかんだ言ってもやっぱり嬉しいし、やっぱりいつまでも続いて欲しい。
 (2005年11月23日の日記) 
映画だアニメだスペシャルだ!
原作少年サンデー2005年11月30日(53号)第436話「破壊」

     ☆     ☆     ☆

さて今週は表紙と巻頭カラーの豪華版。
犬夜叉と鋼牙の牙牙コンビはどこまでもかっこよく、かごめと芯太はどこまでも可愛く、魍魎丸はどこまでも気持ち悪く、と華々しく見せてくれるが、残念表紙と本編の間に長々とゲームの宣伝が続く。
話がぷつんと途切れてしまうので、ここは巻頭じゃなくてもいいから一気に話を進めて欲しかったな。

鋼牙と犬夜叉の連係プレーといえば、私の中では対影郎丸、獣郎丸戦が上げられる。
あのスピード感と犬夜叉鋼牙のやり取りは、本当におもしろかった。
それに比べると、今回はこれで話を引き伸ばそうとしているのか、少しもたついた印象を受ける。

でもいいんだ、鋼牙が出たよ、鋼牙が出たよ、カラーだよ。
魍魎丸戦に結果が出たら、ここはお願いアニメでお願い映画でお願いスペシャルお願い。
魍魎丸がらみで作るなら、アニメで半端だった御霊丸からつなげて灰と芯太まで、そして魍魎丸の最後まで、関係ない部分は切り取っての集中短期シリーズで作れそうな気がする。
魍魎丸が滅びても、なんだかんだで赤子は助かりそうに思うし、奈落の中に戻ったり。

犬夜叉が妖穴を壊し、鋼牙が五雷指で攻撃すれば、ダメージ倍増、魍魎丸もこたえるようだが、ここはやはりアニメで見たい。
せっかくの妖穴も、原作の白黒絵だと回るお皿のようで。
ただ奈落の狙いは、魍魎丸、つまり赤子の鎧を壊そうとするだけで、ここに奈落本人が出てくることはなさそうだし、予想できるのは、魍魎丸を倒して残った赤子が奈落の元に緊急避難、かな?

これまで逆らってごめんなさい、守ってくださいみたいな感じで?
今回はギャラリーの合いの手もツボにはまって楽しめたが、どうせならページ数も増やして欲しかった。
内容的に満足するまでには至らなかったので、ページ数を増やしてボリュームがあった方がカラーより嬉しいかも。

ただ犬夜叉一人では心もとないから鋼牙にも、というかごめの考えはちょっと首を傾げてしまった。
かごめというキャラにとっては犬夜叉が全てだから仕方がないかもしれないが、それでは鋼牙の立場がないような気がする。
まあ鋼牙本人がそんな些細なことにはこだわらないだろうが(笑)。

映画にも買ったばかりで聴いてないCDアルバムにも登場しないかわいそうな鋼牙だが、演じる松野さんはゲーム「真・三国無双4」の凌統で絶好調。
プレイヤー(つまり私)が凌統の部下になって、ほめられたり叱られたりしながら闘っていく。
ツボの台詞が溢れんばかりで、これで寂しさも消えるかな?
スカパーでは金田一少年もやってるし。

それから情報、コミック43巻が12月15日発売だそうです。
他には「からくりサーカス」でギイとナルミの休戦に一安心。
「クロザクロ」は次回が最終回、いい終わり方になりそうだ。
「道士郎でござる」は怖すぎてついていきなくなってきたってとこです。
 (2005年11月30日の日記) 
壮絶なのは・・・
原作少年サンデー2005年12月7日(1号)第437話「見えない妖穴」

     ☆     ☆     ☆

奈落が最猛勝を放ってきたが、魍魎丸と赤子を守るわけではなく、魍魎丸最大のピンチが訪れる。
そこですごいと思ったのが次の展開。
魍魎丸は、犬夜叉が妖穴破壊に出たことを気づいたらしい、身体を組み替え、不妖璧の周りを金剛の槍と鎧を身体に巻きつけ、身を守ると共に、妖穴の気配を消す。
妖穴という言葉はつい最近出てきたのだが、犬夜叉はもちろん鋼牙や七宝、雲母にも妖穴を見ていることになるんだろうと思うとややこしい。

妖穴が消えたことに気づいた犬夜叉は困惑するが、そこに鋼牙の

「おう、なに固まってんだ!
 さっさと斬らねえか!」

どこまでもシリアスなギャグモードだが(笑)、犬夜叉は一言

「黙ってろ!」

この辺が戦闘の修羅場を踏んだ犬夜叉の方が大物。
獣としての格は、一般的には犬より狼の方が上のはず。
けれど犬夜叉の方が鼻が効くということは、やはり修行の差だろうか。

さて、今週は鋼牙の大ピンチ。
妖穴を犬夜叉が壊さなきゃ歯が立たないのに向かう無謀。
そしてあまりにタイミング良く足が動かなくなる不運。
翠子は鋼牙になんか恨みでも?と思うくらいのタイミング。

魍魎丸の触手は鋼牙の足を貫く。
四魂のかけらは取られなかったが、鋼牙はおそらく戦闘不能。
そして鋼牙のかけらを奪おうと触手を伸ばしたその先に、犬夜叉は妖穴を見つける。
ならば不妖璧を持った赤子の居場所は、妖気の一番薄い所、と見切る。

まさに怪我の功名だが、鋼牙はかなり痛々しい。
ここで犬夜叉の一振りが魍魎丸を倒す→赤子も死ぬ→奈落も死ぬ、とは簡単にはいかないだろう。
またしても魍魎丸は逃げ去るか(ここまできたら考えにくいが)、魍魎丸が死んでも赤子が生き残るか(奈落が魍魎丸の死の瞬間奪い返すとか)、もしかしたら赤子=心臓ではもうないのかもしれない。

実は突然出てきた「妖穴」の突拍子のなさに、しばらく馴染めないものを感じていたが、こうなるのなら、と納得できた。
ただ、一通りサンデーを読んで、「壮絶さ」という意味では「からくりサーカス」の方に軍配を上げそうになった自分に驚いた。
ギイが今、死に向かう最後の戦いが始まる「からくりサーカス」。
もちろん「からくりサーカス」も好きだけど、思い入れの部分では「犬夜叉」の方が数段上なのに、なぜ?と考え込んでしまった。

もしかしたら「絵」の部分かもしれない。
「犬夜叉」と「からくりサーカス」を見比べてみると(人それぞれだろうが)、私には「からくりサーカス」の方が、絵のタッチが人間が現実の人間に近く見える。
「犬夜叉」はどこまでも漫画絵のイメージが強く、しかもギャグのテイストを散りばめているために、鋼牙の危機にもあまりにも現実感が感じられない。

と、ここまで書いたところで「人魚」シリーズをパラパラとめくってみた。
また、神楽の死やかごめや桔梗の見せ場の部分を思い返すと、キャラが限りなくシリアスで人間に近い。
「犬夜叉」という作品は、シリアスなストーリーと、どろどろとした人間関係と、四魂にまつわる輪廻転生の他に、ギャグの部分も批准が大きい。
このシリアスとギャグとのスピーディーな切り替えと展開が、「犬夜叉」の魅力であることは確かだけれど、今週に限って言えば、次号へのドキドキ感は「からくりサーカス」の方が上だった。

とは言っても鋼牙には生きてて欲しいし、そのためにも犬夜叉にはがんばって欲しい。
今週はもう1号、「犬夜叉」朦朧頭も切り替えて、物語の推移を見守っていきたい。
それから最終ページの先生方からのコメントが、またまた質問の答え形式になっていた。
こんなところも新鮮。

高橋先生が会いたい「いっぱい」の、「テレビで見れるからいい」人たちって誰だろう。
私はやっぱり高橋先生に会いたいです。
あとは松野太紀さん(恥ずかしくて顔上げられないと思うけど、(^_^;))、サイトがらみで池波正太郎氏、趙雲と真田幸村でしょうか(笑)。
現実的に言うと小泉首相かも、です。
聞きたいことがたくさんあるです。

今週他には「史上最強の弟子 ケンイチ」に笑って「結界師」にしんみり。
「クロザクロ」は最終回、夏目義徳先生、ご苦労様でした。

          ☆          ☆          ☆

今、録画していたOVAの「ブラックジャック」を見ているが、絵も作り方もとてもおもしろい。
最近のアニメでは、「ポアロとマープル」と月曜7時の「ブラックジャック」を途中で見るのを止めた。
「BLOOD+」「雪の女王」はハマる予感。

「BLOOD+」は別として、やはり原作とアニメの変更の仕方、オリジナルの入れ方の好みだろう。
「雪の女王」は短い話だが、「アンデルセン童話」との取り混ぜ方が、素晴らしい。
「雪の女王」とOVAの「ブラックジャック」の絵がとても似ているように感じたけど、なにか関係あるのかな?
 (2005年12月7日の日記) 
心が、二度、揺れた・・・
原作少年サンデー2005年12月14日(21号)第438話「鋼牙の決意」

     ☆     ☆     ☆

今週の「犬夜叉」、みんなかっこいい。
鋼牙、かっこいい。
犬夜叉、かっこいい。
灰、かっこいい。
鋼牙の2人の仲間、かっこいい。
そしてかごめ、かっこいい。

奈落の思惑は、犬夜叉が赤子の鎧甲を壊してくれることだった。
しかし、犬夜叉は鎧甲の中まで割り入って赤子を殺す寸前まで行く。
赤子が死ねば、もちろん奈落も死ぬ。

そこで奈落は灰からかけらを奪い取った。
すんでのところで赤子は灰のかけらを受け取り、息を吹き返す。

ここでおもしろいのは、奈落が灰のかけらを、灰に触れることなく奪ったこと。
以前、珊瑚などもそうだったが、奈落が自由に出し入れできるのなら、鋼牙のかけらもあっさり奪えるのでは?と思ったこともある。
しかし、これだけ奈落があくせくするところを見ると、奈落は自分が与えたかけらでないと自由に扱えないのだろう。

鋼牙はまだ動けず、魍魎丸の触手が鋼牙を狙うが、それを救ったのは灰。
魍魎丸の意識が灰に移ったことにより、鋼牙は助かるが、今度は灰に危険が。
その灰を珊瑚が救う。

四魂の玉を完成させるために、鋼牙の足を文字通りひっぱる翠子の意思は、奈落の非道を何とも思わないのだろうか。
意思は玉の完成のための意思だけで、一番多くかけらを持つ奈落の味方のように見えないこともない。
もうひとつ、鋼牙の足が動かなくなるのが翠子の意思なら、かごめにはそれをはねのける力があるような気もしたが。
一方鋼牙も、足が速くなるだけで、いざという時邪魔になるかけらなら、いっそ抜き取った方がいいような気もするし(笑)。

それはともかく赤子は退散。
傷ついた鋼牙は、仲間2人に灰と芯太を他の妖狼族の所に送り届けるように言う。
灰と芯太が鋼牙の仲間になる夢は消えた・・・、見ていたかったな、芯太。
可愛い芯太、後姿が特に可愛い芯太。

「心配すんな。
 痩せ狼ひとりで闘うわけじゃねえ。
 おれ達がいる。」

見返り犬夜叉が死ぬほどかっこいい。
喜ぶだろうな、Yさん(笑)。
鋼牙の方からお断りを喰らうかと思ったら、素直に合流するらしい。
毎週見れる、これは嬉しいが、三角関係ギャグでお茶を濁す危険性もある。
桔梗に出会い、鋼牙が女の子関係の三角関係に気づく危険性もある。

何よりも、鋼牙の死に場、犬夜叉とかごめの目の前での死に場ができたことが怖い。
鋼牙の場合、キャラ的に一人きりで死ぬ展開は想像できないが、それだけにかごめや犬夜叉に見守られて退場する可能性が出てきたような気もする。
るーみっくキャラ全員ハッピーエンディングに期待したい。

そして「からくりサーカス」。
本当に私はストーリーを知らないのだけれど、コロンビーヌといい、ギイといい、こんなに素晴らしい死の描写ができる先生なんだ、と心底感動した。
藤田和日郎先生が「うしおととら」という有名な作品の作者であることは知っていたが、サンデーミュージアムの1話分を読んだだけでは、残念ながら、その凄さはわからない。

これまでサンデーで読んできた、「犬夜叉」以外の死の描写で、こんなに感動してのは初めて。
大人買いの衝動がさらに加速の予感。

先生方のほしいクリスマスプレゼントは、の質問に、高橋先生の答えは「収納スペース」。
ホットプレートとかレースのシートだったら、サンデー編集部宛に送ったのにな、残念。

他におもしろかったのは「史上最強の弟子 ケンイチ」と「焼きたて!! ジャぱん」。
「ハヤテのごとく!」の畑先生は、御自身がハヤテみたい(笑)。
「道士郎でござる」は、道士郎が出てるとこしか安心して読めないのが辛い。
好きなんだけど苦手な悲劇。

さあさあ明日は、コミック43巻が発売(するはずの)日。
アマゾンではまだ画像も出てないが、買えるか買えないか。
それにしても今日の「犬夜叉」、後にあった。
「からくりサーカス」みたいに、常に最後から2番目という定位置ならまだ安心なのだが、号によってあっちに行ったりこっちに来たりでは、まるで視聴率を心配していた頃に戻ったみたいだった。
 (2005年12月14日の日記) 
鋼牙と別れて奈落と出会って
原作少年サンデー2005年12月21日(3・4合併号)第439話「溶命樹」

     ☆     ☆     ☆

なんだ、というのが前半の正直な感想。
鋼牙が犬夜叉一行に合流するのは、灰と芯太の兄弟と共に仲間2人を敵討ちに巻き込まないようにするための詭弁に過ぎなかったのか。
その詭弁にがっかりしたんじゃなくて、なんだ鋼牙に毎週会えると思ったら会えないんじゃないか、というがっかり(笑)。
先週の時点で気づいていても良さそうなものだ、我ながら。

2人っきりで鋼牙の傷の手当てするかごめ、乱入犬夜叉。
こんな場面が毎週あったらやるせない、確かに。
喜ばしいのは鋼牙の成長、そして犬夜叉の成長。

最初はかごめの手を握り、白霊山では肩を抱き、今回は抱きしめるエスカレートぶり。
鋼牙の方が先に戦国時代の思春期に入ったのかな?
そして犬夜叉の成長、かごめと鋼牙を2人っきりにできる度量の広さ(笑)。
久々かごめのヤキモチではない正当おすわりが清々しい。

けれど桔梗が作り、かごめが使うこの別名「犬夜叉上からコントロールアイテム」、いつまで登場し続けるのだろう。
おすわりが作品の売りではなく、もしも普通の恋物語なら、かごめと犬夜叉が恋を意識した時点でおすわりは封印するべきものだった。
事実桔梗は犬夜叉に使おうとはしなかった。
かごめが言霊の念珠を封印しない限り、私は2人の恋は対等ではないし本物ではないと思っている。

ただし、犬夜叉がなんだかんだ言いながら喜々として従っているところを見ると、これは2人の「じゃれ合いアイテム」に見えないこともない。
私が犬夜叉とかごめの恋をどうしても幼く見てしまうのも、こんな部分に原因があるだろう。
私としては、先生が言霊の念珠が必要と思われているというよりも、本を売る側の作品の売りポイントとして封印できないものだからではないかと思っているのだが。

話がそれたが、犬夜叉と鋼牙の別れの場面、死ぬほどかっこいい。
女には入り込めない世界を作ってる2人。
別れを告げる鋼牙も、心配の言葉をかける犬夜叉も、互いの想いが心の底でつながってるんだなあと、E さんは、いえ、えむさんは感涙してるのです(笑)。
「てめえひとりでくたばられちゃ、―」から「ああ・・・ わかってる。」の言葉のやり取り、素敵過ぎ。

そして場面は変わって溶命樹。
文字通り命を溶かす樹、まるで食虫植物のよう。
再封印しようとした僧は命を落とす。

かつて桔梗に殺された晴海や、奈落の人の心、無双の名の元となった僧のように、妖怪のいる世界では「中途半端な」力の持ち主。
弥勒や珊瑚、桔梗と彼らの違いはなんだったんだろう。
新展開の導入としての意味しか持たない彼らのような人間たちも、私たちの世界では超人的な力の持ち主となるんだろう。
生まれた時代、生まれた世界が悪かったのか、先生に生み出されたことが運が悪かったのか。

その溶命樹には奈落に与えられた四魂のかけらが仕込まれていた。
かごめだけが気づいたことがおもしろい。
そして退治しようとした犬夜叉の前に現れたのは、奈落。
なんだか若返ったみたいに可愛い奈落(201ページの絵)。

奈落は溶命樹を守ろうとしたらしいが、溶命樹は奈落を襲う。
もちろん奈落の溶命樹の力を取り込もうとする計算があるのだろう。
次々と新展開を生み出す高橋先生はやっぱりすごいなあと思いながら読んだ。
所詮奈落も高橋先生の分身に過ぎないということか(笑)。

他作品では「道士郎でござる」が次回で最終回。
え〜っ!?おもしろかったのに。
「クロザクロ」も終わったし、なんか知らない漫画が増えてきてる(涙)。
「犬夜叉」は是非最終回の半年前から宣言して欲しい、心の準備がないと大変過ぎる。

その前に終わらないで欲しいな、やっぱり。
「犬夜叉」が終わったら、サンデー購買者がひとり減ることは宣言しておこう。
先生の次作品にそこまで思い入れをもてるかどうかは自信がないし。
 (2005年12月21日の日記) 
鋼牙と桔梗の危険な遭遇
原作少年サンデー2005年1月4日(5・6合併号)第440話「溶命樹の力」

     ☆     ☆     ☆

奈落がわざわざ犬夜叉たちの前で溶命樹に身体を喰わせ、と見せかけて実は自分が吸収してしまったのが今週最大の謎なはずだが、こっちはそれどころじゃない。
鋼牙がもう出てきた、鋼牙が遂に出会った相手は桔梗。
実は最初、桔梗を見た鋼牙は「女―!?」と意識する。
これがたまらなく新鮮だった。

作品内では、桔梗は常に巫女として存在する。
常に巫女衣装なので仕方ないのだが、鋼牙の目には「(人間の)女」として目に映った。
あまりに珍しいことなので、ここから鋼牙と桔梗の新たな関係が始まるのでは?と期待してしまったほど。
(もちろん恋愛関係という意味ではない。)

同時に振り返って神楽と鋼牙がこのような形で再開しているエピソードも見たかったなあと、また思ってみたり。
奈落に囚われて苦しむ神楽、飛べない神楽を見た鋼牙の目に、かつて仲間を皆殺しにし、冒涜した神楽の姿が蘇った時、鋼牙はどんな行動に出てただろう。
神楽は死んだ、もう鋼牙と神楽が出会うことはない。
鋼牙の心にはこれからも憎い敵として神楽は残っていくのだろうか。

鋼牙が犬夜叉の三角関係(かごめと桔梗)を知っていたらこの出会いもかなりぐちゃぐちゃしたものになっただろうが、鋼牙の意識の中では、犬夜叉たちと時々関わる巫女に過ぎない。
それにしても七人隊戦で会ってたことは忘れてるのだろうか、お互いに。
桔梗は鋼牙に矢を向ける。
ここで殺しにかかることはないだろうと思った、四魂のかけらを取り返すために鋼牙を動けなくするとか、破魔の矢にかけらが飛び出してくるとか?

鋼牙と桔梗の出会い、シンプルで劇的で、同時に桔梗を気遣う琥珀の行動が好ましい。
同時に崖から落ちる桔梗を「餌」とは思わず(笑)助けに飛び出す鋼牙の好感度大。
間に合ってたら鋼牙の桔梗をお姫様だっこという貴重なカットが見られたのに。
いいかげんに考えれば、鋼牙と桔梗が結ばれれば犬夜叉とかごめもすんなりまとまっていい感じ?

でも違うだろう。
私はむしろ桔梗には奈落や殺生丸のような性格はともかく大人っぽい男性が合っていると思うので。
ってけっこう私も詮索好き。

今回は奈落に鋼牙に桔梗に琥珀に魍魎丸と、殺生丸以外の主要キャラが勢揃い、「500回まで描く」宣言」がなければ殺生丸も来て怒涛の最終回になだれ込むかというドキドキの回だった。
それからキャラの顔がきつめで、最近タッチがころころ変わると思っていたが、今回の桔梗の顔がリアルでどこか実写のような雰囲気を感じた、今回の桔梗の顔は好き。
前回若返った奈落は今回はあまりかっこよくなかったし、鋼牙の顔がとても大人っぽいのが気に入った(笑)。

次回はまた休みで、18日の発売、「鋼牙と桔梗の危険な遭遇」に心ときめかせながら待っていたい。
一瞬登場の魍魎丸は目に入らず、1回目はなんで桔梗と琥珀が落ちたのかわからないまま読み終わってしまった。

          ☆          ☆          ☆

「道士郎でござる」が最終回。
なんかかなり無理がありすぎで、読んでてえっ?えっ?
最後のどんでん返しは容易に登場できたし、なんか無理矢理詰め込みすぎた感じで、やはり突然の打ち切りだったのかなあと残念。
エリカの最後の嬉し涙も取ってつけたような感じだったが、これがなければ読む意味のない最終回。

途中で打ち切りじゃなく、途中で終わらせるにしてももう少し余裕を持って話をまとめるだけの余裕を先生方に差しあげるわけにはいかないのだろうか。
たとえばアニメ「犬夜叉」などのようにある程度前から製作側も視聴者側も知っていれば、作る方も落ち着いてまとめることができるだろうし、見るほうも心の準備ができるだろうに。
漫画に限らずだが厳しい世界というより非情に見えてちょっと辛い。
西森先生、本当にご苦労様でした。

他には「からくりサーカス」と「ハヤテのごとく!」と「あいこら」がおもしろかった(笑)。
お正月に会った妹に聞いたら、私は「猿顔フェチ」「声フェチ」「背中フェチ」なのだそうだ。
フェチってこういう使い方をするのか、初めて知った。
 (2006年1月4日の日記) 

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