犬夜叉サンデー感想(第441話〜第450話)
新年早々おもしろい
原作少年サンデー2005年1月18日(7号)第441話「対峙」

     ☆     ☆     ☆

鋼牙と桔梗のスリリングな展開が新鮮でおもしろい。
表紙も桔梗のアップをバックに鋼牙の全身図、うん新鮮。
その週のサンデーの中で「犬夜叉」が一番おもしろいと感じることは最近あまりなかったので、これはとても嬉しい限り。

「(四魂のかけらを)この場で私に渡しなさい。」
四魂の玉に関わる登場人物の中で、全く他人扱いの鋼牙(実際そうだが)。
この上から見おろした言い方に鋼牙が素直に頷くわけがない。
猫目になって「はあ!?」、相手が犬夜叉じゃない時は、意外に敵とみなした相手に対しても冷静な鋼牙。
アニメオリジナル「鋼牙と殺生丸の危険な遭遇」も今思い返すと、対犬夜叉以外の鋼牙の雰囲気をきちんと捉えていたと思う。

もうひとつ、犬夜叉とかごめ、桔梗の三角関係を知ってた鋼牙と桔梗の出会いも読んでみたかったなと思う。
鋼牙も余計なことは言わないだろうが、対犬夜叉、対かごめの反応は十分見てきてるので、鋼牙の大人の部分も見てみたい。
まあ鋼牙は琥珀と違ってかけらを抜かれても死ぬわけではないが、人間の女に言われて素直にかけらを差し出すなんて、鋼牙の矜持が許さない。
桔梗、素直にかけらを渡さない鋼牙に対して矢を放つ、これが無性におもしろかった。

なぜかというと、鋼牙に逃げられて?から

「ひとりでも―
 闘いの犠牲者を減らしたかったが・・・」

思い出すのは犬夜叉が風の傷を会得した頃。
神楽を相手に苦戦する犬夜叉がかごめに向かって、「俺を矢でうて!!」と叫ぶ。
かごめは「あたしの矢が当たったらいくら犬夜叉でも・・・」と心に思うのだが、私はこの続きを「浄化されてしまう」、あるいは「死んでしまう」と補足した。
普通の矢でも射抜かれたら痛いだろうし(笑)、かごめや桔梗の破魔の矢ならば相手が好きな犬夜叉だろうが嫌いな奈落だろうが特殊な力を発揮するだろうと。

対妖怪用の霊力や法力(封印など)は彼らにとっていい妖怪でも悪い妖怪でも相手を区別しないだろうから。
そう考えると、桔梗はここで鋼牙を殺す気満々だったことになる。
そこに「ひとりでも―」の台詞である。
桔梗の破魔の矢が当たったら、鋼牙はなんともなくて、四魂のかけらだけ飛び出してくるとか、そんなことができるのだろうか。

私の疑問と、どうやら鋼牙も同様のものを感じたらしい。
かけらのせいで足が動かなくなったことすら知る桔梗、桔梗は珍しく雄弁に鋼牙に語る。

「翠子は妖怪を・・・
 奈落を倒すために、この私と魂をひとつにした。」

この発言も興味深い。
私は桔梗は生まれた時点で四魂の因果にまつわる翠子の生まれ変わりと思っていた。
そしてその魂を持ってさらに生まれ変わったのがかごめだと。
ところが翠子と桔梗は魂など同じにせず、これまで登場した幾多の人間や妖怪をすっぱり無視、奈落という大物が登場するまで翠子は眠り続けていたことになる。

(四魂の玉の中で戦っているという状態は置いといて、現在の四魂の玉に対する翠子の意志という意味。)
奈落のあまりの非道に翠子の魂が桔梗とひとつになった、そういうことなのだろうか。
そう考えると、ほとんど感情を出さなくなった、犬夜叉への激しい想いを封じ込めたかのような今の桔梗も納得できる。

そうなるとかごめの存在は桔梗の生まれ変わりであるかもしれないが、翠子とは全く関係がないということになる。
かごめの、時には桔梗をも上回る霊力は翠子の力ではないことになる。

新たな謎が出てきたことは、同時に話の結末に近づくことになる。
今回の鋼牙を狙った桔梗の破魔の矢にはどんな意味があったのだろうか。
ここは是非鋼牙に残ってもらって大喧嘩しながら奈落の元にたどり着いて欲しかった。
間に入っておろおろする琥珀とか。

「おまえ(琥珀)の命を使って奈落を倒そうとしている私が―」、桔梗に呼びかける琥珀に振り向く桔梗、どう続けたかったのか。
「あの男(鋼牙)の命を救おうとするとはな。」とでも言いたかったのだろうか、「すまない、琥珀。」と。
同時に桔梗は鋼牙の想いも知る。
仲間を殺され、死骸は神楽によって冒涜された。

もしも鋼牙が四魂のかけらを持っていなかったら、灰に言われるまでもなく鋼牙は痛感していたことだろう。
犬夜叉との恋のさや当て、奈落に向かう先陣争いばかりが目立つ最近の鋼牙だが、抱える物はやはりあることを改めて認識した。
それにしても仲間もおらず、狼たちも引き連れていない鋼牙、どこか孤独な気がするのは愛のベールがかかっているせい?
「じゃあな、桔梗。」の再会を約した?最後の台詞と去ってく姿が可愛い、芯太みたい(笑)。

私としては今週の感想はこれで終わってもいいくらい堪能したが、話は後半に続く。
溶命樹を取り込んで去っていった奈落を追う犬夜叉一行。
桔梗と鋼牙を無視してやって来た魍魎丸と奈落が対峙する場面に遭遇する。
今回のタイトル「対峙」は鋼牙と桔梗、奈落と魍魎丸、そして奈落と魍魎丸の心臓対決に対峙する犬夜叉一行。

大げさなほどの邪気を巻き起こしながら問答開始。
魍魎丸の壊れかけた体が元通り、さらにかっこよくなって登場したのは灰から取り上げた四魂のかけらのおかげ。
でも鋼牙も昔、四魂のかけらと信じて瘴気のかけらを埋め込まれたことあったな・・・、などと今週はいろいろ回想する部分が多い。
奈落がわざと四魂のかけらを奪わせたのは明らかだが、次回魍魎丸に何が起きるのか、鎧が溶けるかな?などと個人的には思っているのだが。

彼ら自身の言うとおり、奈落は心臓が中にある魍魎丸を殺せないし、魍魎丸は奈落を壊しても壊しても心臓がないから奈落は死なない。
互角といえば互角だが、お色気奈落のニヤリが気になる、以下次号。
今回ギャラリーに徹した犬夜叉一行、殺生丸がいないだけで今週はほぼ勢揃いした「犬夜叉」だが、奈落と魍魎丸が勝負のつかない勝負をしている間に、鋼牙と桔梗、琥珀も追いついて欲しい。

匂いを感じた殺生丸も飛んでくれば最高なのだが。
最後に問題。

「これ以上ごたごたぬかすと、女だろうが容赦しねえぞ!」
どうする鋼牙、死人であっても人は人、果たして桔梗を殺せるか、かごめに似た女、桔梗。
気が荒いとされる妖狼族のことだから、喰わなきゃいいくらいの気持ちで桔梗を本気で殺しにかかるだろうか。
まあこれは単なる脅かしだろう、本当に矢を放った桔梗に驚くところがまだまだ甘い。
(2006年1月18日の日記)  
奈落はまだまだ戦闘中
原作少年サンデー2005年1月25日(8号)第442話「吸収」

     ☆     ☆     ☆

表紙絵の奈落の麗しさを堪能した後(髪を下ろした睡骨でもあった、こんな表情の表紙)、珍しい場面が続く。
犬夜叉とかごめまで作品を離れ、私たちと一緒に雑誌かテレビの奈落vs魍魎丸対決を見ているような感じ。
遠景で描かれる親子の?戦いと瘴気の渦が、ダイナミックだが、この距離で全く影響を受けていない犬夜叉たちってどうよと思うが。
赤子の裏切りも計算どおりと嘯く奈落に、赤子の百面相が楽しめる。

「よくぞここまで肥え太ってくれた。」
美貌の奈落にここまで言われるなんて辛いなあ。
ここだけ切り取って壁に貼ったらダイエットの強い味方になりそうだ。
犬夜叉や鋼牙に言われたところでなんとも思わないが、奈落や殺生丸だに醜いの肥えたの言われたら、心の脂肪が一気に削がれてしまいそう。

「犬夜叉たち」、つまり犬夜叉と鋼牙に与えられたダメージの大きさにたまりかねたか、魍魎丸が向かった先には奈落。
それすら計算のうちだったと言う。
奈落の変化もお世辞にもかっこいいとは言えないが、顔がいいだけ許してしまおう。
これが奈落の完成形か。

獲物(魍魎丸)を太らせてから喰らいにかかった奈落だが、魍魎丸の身体を包み込み、瘴気で溶かそうとするも、奈落の方が打ち砕かれ、かつての殺生丸のように肉片で吸収しようとしても、かなわない。
あまりに弱すぎる奈落。
「喰いつくしてやった・・・」勝ち誇る魍魎丸。

攻撃されている時の奈落の苦しげな顔が興味深い。
しかし、犬夜叉の「勝算がなければ闘わない」犬夜叉の一言が気になるし、自分を喰わせることによって魍魎丸の内部に入り込むという手段もあるだろう。
万が一、ここで桔梗を想う心を失ったままただの悪として死んでしまう奈落なら、これまでの物語は一体なんだったってことになる、あり得まい。
桔梗も気づいた2人の瘴気。

奈落が滅びるのは桔梗の前で出なくてはならない。
できることなら、奈落に引導を渡すのは桔梗であって欲しい。
主役が「犬夜叉」である以上、鉄砕牙の出番も必要だろうし、犬夜叉と桔梗が揃ったらかごめも出ないわけにはいかないだろう。
結局殺生丸の天生牙と鋼牙の五雷指まで加わっての大団円・・・は見たくないな(笑)。

タイトル、主役扱いの「犬夜叉」という常識を通り越して、桔梗による消滅を願う。
奈落と四魂の玉と、そして桔梗自身の消滅。
同時にかごめの帰還。
犬夜叉が失う物のことを考えると、私の望む結末は犬夜叉に酷かもしれないが、それでも物語の流れでそうなるべきだと思う。

とにかく今回のエピソードは、奈落vs魍魎丸戦の「過程」に過ぎない。
次回、奈落のどんな逆襲が始まるのか、想像通り魍魎丸の中から赤子を突っつくのか、それともこのまま死んでしまったのか、体が消滅することで赤子と同化も考えられる。
奈落と魍魎丸の四魂のかけらがひとつになろうとしているのなら、当然鋼牙のかけらも必要だろう。
鋼牙もまた引寄せられようとしているのか、気になる。

やはり話が動き始めるとおもしろい、次回に期待。
 (2006年1月25日の日記) 
四魂のかけらが集う時
原作少年サンデー2005年2月1日(9号)第443話「奈落消滅」

     ☆     ☆     ☆

「奈落、敗れる・・・」の表紙から始まった今週の「犬夜叉」。
吸収されたまま出て来ない奈落だが、かごめと桔梗が見るのは奈落と魍魎丸の四魂のかけらがひとつになる瞬間。
逆に言えば、奈落はこれを狙ってわざわざ自分を吸収させたとも思える。

普通に考えればここで奈落が倒されて新ボス魍魎丸登場のストーリーもあるかもしれないが、それではこれまで鬼蜘蛛の心、桔梗を愛する心に苦しみ、それをついに捨て去った奈落のこれまでが全て消え去ってしまう。
物語自体が薄っぺらなものに豹変してしまう危険性があるから、それはまずないだろう。
鋼牙と琥珀の四魂のかけらを奪って、中から心臓(赤子)を掴み取り、今度は魍魎丸の鎧に守られた新生奈落として登場するのではないだろうか。

ここでかっこいいのは鋼牙の登場。
魍魎丸の瘴気の槍が突き刺さった先にすっくと立った妖狼族の若頭。
しかし五雷指もパワーアップした魍魎丸の槍には歯が立たない。
それならと飛び出したのは犬夜叉。

鋼牙と犬夜叉の連携が炸裂する。
自分が追いつけるように走れと仕切る犬夜叉には笑ってしまった。
こんな時まで「痩せ狼」呼ばわりよりは、「鋼牙!」「犬夜叉!」と呼び合って欲しい、こんな時こそ。

しかし竜鱗の鉄砕牙で「たたっ斬る」はずの魍魎丸の妖穴が見当たらず、犬夜叉は愕然とする。
早くしないと琥珀のかけらも奪われてしまう、あせる珊瑚。
奈落が現れぬまま緊迫した戦闘シーンが続くが、少なくとも琥珀のかけらは取られることなく、奈落は魍魎丸の体を自分の心臓を手にして逃げ去るのではないかと思う。
琥珀がどうあれ、四魂の玉が完成してしまったら、一気に最終回に近づくような気がし、そういう意味でもどきどきさせられた。

逆に本気で動悸がしたのが「からくりサーカス」。
どうしてこんなに切ない話をたたみかけるように描かれてしまうのだろう。
本当に話がわからないのに、コロンビーヌが、ギイが、ヴィルマが死んでいくたびに哀しくて切ない。
そして今週はアルレッキーノとパンタローネが笑いながら、そして本当に嬉しそうに死んでいこうとしている。

この生々しさは、残念ながら「犬夜叉」にはないもので、「犬夜叉」がどこまでも漫画の世界を超えきれないのに比べ、どこか現実世界のようなリアリティを感じさせる。
(逆に言うと、高橋先生はどこまでも少年漫画という世界を超えないようにされていると思う。)
私が高橋作品で一番好きなのは「優しい描写」の部分だが、「からくりサーカス」の主人公?の勝が全く目立たず、脇役(と書くと語弊があるが)ばかりがそれぞれの人生を抱えこんで死に向かう、その美しさに圧倒されてしまった。

リョーコに感謝され、笑顔でお礼を言われたことが忘れられず、もう一度その感覚を味わうために木彫りの鳥を隠していたアルレッキーノ。
自分は歌も歌えるんだ、誇らしげに言うパンタローネ。
彼らは「フランシーヌ様」に認められたことがもう嬉しくて嬉しくてたまらない。
その喜びのまま、彼女を守って死に向かう。

「からくりサーカス」を欠かさず読むようになったのは、その「古臭さ」に惹かれたから。
派手な絵の古風な感性がどこか懐かしく、「犬夜叉」との比較を楽しむがいい。
来週また泣くんだろうな、私・・・。
 (2006年2月1日の日記) 
桔梗の花道
原作少年サンデー2005年2月8日(10号)第444話「苦戦」

     ☆     ☆     ☆

魍魎丸の余裕の前には、さすがの犬夜叉&鋼牙も歯が立たない。
鋼牙を囮にして魍魎丸の妖穴を狙ったものの、妖穴は見当たらず、鋼牙の五雷指も効き目なし。
これが結局奈落の与えた四魂のかけらの威力が追加されたせいというから皮肉な話。

そして再び鋼牙のかけらが鋼牙の動きを止める。
絡め取られた鋼牙、犬夜叉にはまだ打つ手はありそうだが、と今週の戦闘場面はこれくらい。

気になるのは桔梗とかごめの対決。
琥珀のかけらを使って決着をつけようとやって来た桔梗と琥珀を珊瑚とかごめが止める。

桔梗は犬夜叉にはできないと言った。
琥珀の命と自分の命、それと引き換えに奈落を倒すと決意した。

ところがここでかごめは犬夜叉を信じ、犬夜叉を助けようと犬夜叉の元に向かう。
桔梗は巫女だから正しいやり方を知る。
しかし、かごめは今それを超越しようとしている。

かつて桔梗を凌ぐ霊力を見せたかごめ、桔梗より大きな魂を持つかごめがいた。
かごめが勝つとか桔梗が負けるとか言うのではないが、ここでの犬夜叉への想いの強さの違いに物語が大きくひとつ進んだ気がする。
霊力の違いとか、犬夜叉の想いがどっちにあるからとかいう前に、かごめの犬夜叉を信じる想いの強さは桔梗のそれをはるかに凌ぐ。

これなら桔梗は心静かに去っていくことができるのではないかと思った。
もちろん対奈落、対四魂の玉の決着は必要だろうが、消え行く桔梗が犬夜叉をかごめに託して消えていける、そんな心境になるのではないだろうか。
そういう展開になるのではないだろうかと思う。

かごめに犬夜叉を取られたと悔しい気持ちのまま消滅するのは悔しいだろう。
かごめなら、そんな境地になって欲しい、桔梗には。
それこそが私の望むハッピーエンドだ。

ただやはりかわいそうに思うのは、誰も琥珀と同様、桔梗もまた死を迎える運命だということを、誰も気づいてあげれてないこと。
犬夜叉自身が語らないことにも原因はあろうが、桔梗は琥珀の命と共に自分の命もかけて、奈落と戦おうとしている。
琥珀のことしか見えない珊瑚、それは無理もないことだけど、神楽が死ぬ前に見せた彼らの優しさを、最後には桔梗にも見せて欲しいと思う。

次回は犬夜叉と鋼牙の連携にかごめの破魔の矢が爆発するのか、魍魎丸は浄化され、抜け殻となった鎧甲に奈落+心臓が残る、のかな?
なんにしろ500回まで続くためには、奈落が倒されることはまずないだろう。
危ないのは魍魎丸、鋼牙、琥珀、そして桔梗。
できることなら誰も死なずに終わって欲しいと思う、奈落は無理か。

私の中ではどうしても桔梗は消滅、かごめは帰還、犬夜叉は一人取り残される結末しか想像できないのだが、それはやはり作品の根底を流れる暗さゆえか。
その時犬夜叉は人間になること、妖怪になること、半妖として生き続けること、どの道を選ぶのだろうか。 今となっては大きな問題ではないのだけれど。
 (2006年2月8日の日記) 
奈落復活
原作少年サンデー2005年2月15日(11号)第445話「赤子の誤算」

     ☆     ☆     ☆

今週の「犬夜叉」はセンターカラー、ぱらりと開いて「だいぶ絵が変わっているような・・・。」と思ったら、別の作品のセンターカラーだった。
仕切り直して今度こそ「犬夜叉」。

戦国時代に送ったチョコが届く前に鋼牙大ピ〜ンチ!
犬夜叉の奇策は、鋼牙の五雷指で自分を撃たせ、その妖力を鉄砕牙で吸い取る。
2人の妖力が融合すれば、その力は何倍にもなり、魍魎丸を撃破する・・・はず。

すぐそばで爆発する力を横目で見ている赤子が可愛い(笑)とかそんなことじゃなくて、その力もどうやら魍魎丸には通用しないようだ。
妖穴が見えないのは、四魂の玉が不妖璧にも力を与えて妖穴を消していると弥勒は推理。
しかし妖穴はなくとも、鋼牙を飲み込もうとして開く口が、そのまま鎧甲の切れ目、弱点となっていることを犬夜叉は見抜いた。

以前神楽と戦った時も犬夜叉はかごめに自分に矢を放たせ、その霊力を利用したが、今回は鋼牙の妖気を使ったか。
しかし魍魎丸は瘴気で反撃、動けないまま窒息寸前の鋼牙。
魍魎丸は鋼牙は喰う気満々だが、半妖である犬夜叉は口に合わないらしい。
犬夜叉の方が力が付きそうだが、などと失礼なことは置いといて、瘴気を消したのはかごめの矢。

久々に凛々しきかごめが登場する。
たとえば雲母に乗って来た桔梗が破魔の矢を放ってもいいし、雲母に乗って来た珊瑚が飛来骨を放ってもいいのだが、そこはやはり究極のヒロインの出番か。
私は鬼の岩(腹)編のような、犬夜叉がかごめを頼るというシチュエーションはあまり好きではない、らしくないような気がするせいだろうか。
むしろ今回のように必死で戦う犬夜叉に、勝利の女神のように登場して欲しい、かごめには。

そしてできることなら、この部分をカラーにして欲しかったと思う。
犬夜叉とかごめが並んでるだけのカラーはたくさんあるので(もちろん表情や位置は違うが)、むしろ2ページ目のように表紙もストーリ−でカラー化希望。
もっともサンデー開いてみたら「犬夜叉」の途中だったというのも問題あるが。

さて鋼牙を捕まえたまま逃げ出す魍魎丸だが、かごめは魍魎丸が四魂の玉を吸収していないことに気づく。
魍魎丸の内臓?の中からザワ・・・と顔を出す奈落が不気味。

「きさまの魍魎丸は・・・
 四魂の玉の力など使っていない・・・」

「きさま」の横に点を打ち、強調することによって、魍魎丸はもはや赤子のものではないことを暗示する奈落。
囚われたままの鋼牙も気になるし、雲母に犬夜叉+かごめの二人乗りも新鮮だが、なんといっても赤子の百面相がおもしろかったといっては「それどころじゃない!」とか赤子に叱られそうだが。
一方取り残された桔梗と琥珀と珊瑚はどうしているのだろうか。

「決戦もいよいよ大詰め!」
表紙の台詞も気になる。

今回は他に「ハヤテのごとく!」がおもしろく、「からくりサーカス」が切なかった。
こんなにこんなに仲間が死んで、最後に誰が残るのか。
マリアさんはすごく可愛い。
ハヤテとマリアさんの恋物語を希望したい。
 (2006年2月15日の日記) 
新生奈落
原作少年サンデー2005年2月22日(12号)第446話「侵蝕」

     ☆     ☆     ☆

最初に柱の「なんと魍魎丸に吸収され消滅したはずの奈落が生きていた!」の「なんと」にちょっと笑ってしまった。
何を今更って感じ?
ここで奈落が本当に消滅したと感じた人はいるだろうか、いやいたかもしれないと思うと納得できるが・・・。

ぬっと出た奈落の顔にびっくり仰天の赤子、反撃開始で奈落の顔に触手がズブズブ突き刺さるのがぞぞぞとさせる。
でも奈落は全然平気、赤子の結界に手をかけるが阻まれる、と思いきや結界は溶け始めた。
なるほどここで溶命樹の出番か、なるほどと心の中でぽんと手を叩いた。
奈落が取り込んだ溶命樹は結界を溶かし、妖怪を喰らう。

ここで喰われるくらいならと赤子は自ら魍魎丸の外に飛び出そうとする。
奈落を道連れにするつもりだったが、赤子を守ったのは奈落。
なんか奈落なんだか阿毘母鉄鶏だかわからなくなってきたが(笑)、ついに魍魎丸の顔の皮が破け、中から奈落の顔が飛び出した。
奈落の顔に魍魎丸の体なのだが、奈落の体がシンプルで人間形にむしろ近いのが気に入った。

溶命樹の触手?で飛び出した赤子(心臓)と鋼牙を包み込む姿は羽のようにも見える。
赤子の目の焦点が合っていないような気もするが、これは意思を失ったただの心臓に戻ってしまったせいだろうか。
一方鋼牙、魍魎丸にとらわれつつも反撃を試みるが、まだ足が動かない状態では正気をまともに受けるだけ。

今日届いたコミック44巻の灰と芯太編でも芯太を助けようとする、いわゆる鋼牙が正義側なのにもかかわらず、翠子の意思は鋼牙の足を止めた。
奈落に四魂の玉を完成させることばかりに執着する翠子の意思は見境がなくなり、かつて翠子が殺されたとき以上の悪を生み出そうとしているのだが、翠子にはわかっていないのだろうか。

それとも灰も芯太も鋼牙も、そして琥珀を犠牲にしてでも奈落に四魂の玉を完成させ、その瞬間奈落を殺して四魂の玉を消滅させるという意味で桔梗と共鳴しているのだろうか。
どっちにしてもここまで話が動けば新生奈落がまた逃げ去っても不満はないような気がする。
私は究極の悪ほどシンプルでいて欲しい人なので、奈落が鎧だのとげとげなの捨て去って見た目だけでも人間の形に戻って欲しいと思っているのだがどうだろう。

ところで先週は鋼牙のピンチを救ってのけたかごめだが、今回はさしたる活躍はなし。
まさかこれだけでは終わらないだろうとは思うが。
と読みながら書いてきて隣ページでまたまたぞくぞく。
「焼きたて!!ジャぱん」のばらばらに分解した黒柳さんの顔が怖い、怖すぎる。
この黒柳さんの声は子安武人さんなので、アニメをも見てみたいと思いつついつも見るのを忘れてしまう(笑)。

子安さんと言えば「キングダムハーツ2」にもSEIFER役で登場している。
最初にいきなり出てくるのだが、凄いなあと思うのはやはり声に抑揚があること。
同じ時に出てくる他のキャラがわりと一本調子なので余計目立つかも、かっこいいです。

ちなみに「キングダムハーツ2」にはドナルドその他で良牙&湧太の山寺宏一さん、昇紘&BASARA家康の大平透さん、ブラックジャック&犬父の大塚明夫さん、生姜&楓ペアの麻生美代子さんと京田尚子さん、十二国記(以下十二と略す)桓魋と刹那猛丸の松本保典さん、睡骨の平田広明さん、武田蔵乃介の宮本充さん、大獄丸の槐柳ニさん、BASARA信玄玄田哲章さん、新旧009の櫻井孝宏さんと井上和彦さん。
井上和彦さんは竜骨精も担当された。

さらに奈落の森川智之さんと菖蒲のかかずゆみさん、無双夏候惇&BASARA政宗の中井和哉さん、十二驍宗藤原啓治さん、十二楽俊鈴村健一さん、BASARA信長若本規夫さんらが登場、らんまで御馴染みの永井一郎さんや「犬夜叉」でお馴染み園部好徳さんも登場している。
なににびっくりしたって藤岡弘さんや市村正親さんが出ていらっしゃったこと。
最初同姓同名の声優さんがいるのかと思ってしまった。

主人公SORAは入野自由さん、「千と千尋の神隠し」のハクだった声優さんだったりする。
などと書きながらトリビア見てたらすっかり手が止まってしまった、おもしろかった「北斗の拳」ネタ。
 (2006年2月15日の日記) 
報われたね、鋼牙
原作少年サンデー2006年3月1日(13号)第447話「加護」

     ☆     ☆     ☆

先週のサンデー、どこに行っても奈落の裸体に爆笑だった。
私は蠱毒の術の時に十分笑ったのでそうでもないかと思っていたのだが、今週号、意識して見るととにかくおかしい。
金剛の槍もこんな使い方をされるとは、羽の王子様ならぬ裸の王様奈落。
でもやっぱり気持ちは鋼牙に向いたかな?

犬夜叉がそばにいるのにかごめが鋼牙のためだけに単身戦う、ほんと珍しい。
しかもおかげで鋼牙を守ろうとする妖狼族の先祖の霊(魂)が力を取り戻し、鋼牙を助ける。
鋼牙は開放されただけでなく、奈落に取り込まれた=体の内部にいた、ことが逆に幸いして赤子(心臓)を見つける。
すでに奈落の中に戻った赤子、表情は失われ、ただの心臓の入れ物と化したのか、それともまだ何かを狙っているのかわからないが、を鋼牙は襲う。

ここで成功すれば、「犬夜叉」最終勝者は鋼牙で決まりとなるところだったが、奈落は危険を感じ、再び赤子を外に出した。
奈落の瘴気が鋼牙に影響を与えることができないのは、まだ妖狼族の加護が効いているから、けれど一度きりのその効果はすでに薄れ始めている。
ここまで見えてしまう桔梗は果たして幸せなのだろうか。
犬夜叉やかごめのように、後先考えずに突っ込んでいくことができないのが桔梗の手堅い所であり、もしかしたら弱点なのかもしれない。

赤子と共に鋼牙、そして先祖の魂も外に飛び出す。
そして風穴を開く弥勒。
けれど弥勒が奈落を吸い込むことを許すわけにはいかないのは桔梗だろう。
すでに翠子の意思も働き始めている、仮に四魂ごと吸い込んで奈落を滅したとしても、四魂の玉は再び世に戻り、害をなすだろう。

桔梗が苦労しているのは、ここで四魂の因果も断ち切るため。
そして翠子の洞窟で犬夜叉が誓ったのも四魂の因果を断ち切ること。
その意味でも奈落は逃げ去るだろうが、その後どんな衣装になるのか気になる。
最終的にはあの羽も心臓と一緒に体の中に取り込むつもりなのかな?

ただかごめの活躍がどうも鉄砕牙を奪った珊瑚を助けに行った「奈落の城」編ほどのインパクトがないのはどういうわけだろう。
たとえば同じく今週の「私の大切な人のためにこの身を捧げられる!」と血だらけ傷だらけで言い放つエレオノーレの迫力に遠く及ばない。
狎れなのか絵のタッチのせいなのか、ちょっと哀しい。
とにかく今週は犬夜叉一行の他に鋼牙、桔梗と琥珀がいるが、その中の1人でも犠牲になることがないよう、そのためには逃げる奈落も許してあげよう。

今週は他に「ハヤテのごとく!」「史上最強の弟子 ケンイチ」「ワイルドライフ」「結界師」「あいこら」皆おもしろく、特に黒柳さんが主役となった「焼きたて!!ジャぱん」には爆笑だった。
これももちろんアニメになるんだろうな、これは見たい(笑)。

さてさて最終ページは「コンビニでついつい買ってしまうもの」。
高橋先生は食玩、私も結構好きです。
最近はハイジのボトルキャップを集めました。
あとレストランとかコンビニのシリーズも大好きで、無駄にお金を使ってしまいます。

ちなみに先日「情報更新履歴」で紹介した「デビル・メイ・クライ」のダンテや「真・三国無双」シリーズのフィギュアなんかも集めております。
もちろん犬夜叉関係も山ほど、次に狙うのは「戦国BASARA」ものです、などとおまけで書いてみました(笑)。
 (2006年3月1日の日記) 
弥勒の風穴がついに・・・
原作少年サンデー2006年3月8日(13号)第448話「瘴気の傷」

     ☆     ☆     ☆

桔梗と共に、弥勒にも死へのカウントダウンが始まってしまった。
こんな形がどうして予想できようか。
何と言っても印象が強かったのは、かごめの持ち込んだ現代の薬が効いた?時で、あれ以来何となくすぐ閉じれば大丈夫、切られなければ大丈夫、最猛勝も瘴気も一定期間吸い込んでも命には別状はない、苦しくなるがなんとか治るといった妙な安心感が出てきて、そのうち風穴自体戦闘シーンの引き伸ばし以外の何物でもなかったような気がする。

憂いに満ちた横顔の表紙から少女漫画タッチの風穴披露まではまださほどとは思っていなかった。
むしろ見開き一ページに犬夜叉、かごめ、弥勒、珊瑚、雲母はともかく鋼牙と桔梗と琥珀まで揃い踏みでどこか対奈落最終決戦の趣を備えている方が気になったほど。
犬兄殺生丸がこの場にいないから大丈夫だろうとは思っていたが。
(弥勒の足元にいる七宝はアングルの関係で描かれていない。)

さらに奈落の裸身の横から見たラインの女性的な美しさも天使さまみたいで気になったし。
しかし余裕綽々の奈落、奈落自身を吸い込む前に弥勒が死んでしまうと言う。
たとえ奈落を滅して琥珀を救っても、代わりに弥勒が死んだら珊瑚の不幸に変わりはないのだが、その緊迫感に一気に引き込まれた。
しかし弥勒の狙いは奈落自身ではなかった。

目から耳から口から血を噴き出しながら弥勒が吸い込むのは意識のない奈落の赤子、つまり心臓。
これなら自分が死ぬ前に奈落を滅することができるのだった。
しかし弥勒は限界に達し、犬夜叉が止める。
ここでおそらく大きなヒントになると思われる奈落の妖穴が登場する。

不妖璧がはじき出され、奈落にはもう隠す術がないのか、気づいていないのか、奈落。
普通に考えれば四魂のかけらが完成していない以上、ここで奈落を滅することは玉の輪廻をさらに繰り返すことになるのだが、玉の因果をも断ち切る余裕はすでにないということか。
しかし犬夜叉はまだあきらめていないと思うのだが、そこが犬夜叉というキャラの最大の見せ場となるかもしれない。

奈落が去り、弥勒に駆け寄る珊瑚、その姿に何かを感じたらしい琥珀。
どこか寂しげな表情が琥珀の覚悟がより強まったことを表しているような気がしてならないのだが。
立ち尽くすかごめは弥勒が、琥珀を救うことで珊瑚を救うために命を投げ出したことに衝撃を受ける。

ありがたいことにその場にいた桔梗は、風穴から弥勒の体に広がる瘴気の傷を目にする。
この傷が心臓に達していたら弥勒は死んでいた。
「助かるの!?」という珊瑚の問いには直接答えず「浄化しよう。」と言う桔梗。
形は違うがここで桔梗と同じ、弥勒にも破滅へのカウントダウンが始まってしまう。

お堂?の中には横たわる弥勒と桔梗、珊瑚と琥珀。
弥勒の傷の瘴気を自分に移してそれを浄化する桔梗。
自身が瘴気に蝕まれている状態では、この作業はおそらく桔梗の死を早めるだけだろうがあまりに桔梗への信頼感が強すぎるせいか気づいてやれない犬夜叉。
生前から完璧な巫女としての桔梗に与えられていた重圧の一環が垣間見える気がする。

自分の身をけずって弥勒を救う桔梗がどうして琥珀を犠牲にしようとするのかわからない、珊瑚の素直な心だろう。
厳しい見方をすれば、桔梗もまた死人(しびと)だからと言えるかもしれない。
生きている犬夜叉やかごめならば琥珀を犠牲にはできないだろう。
けれども「生きることを許されない」立場の桔梗だからこそ琥珀と共に滅びる道も選べる、とか。

けれど桔梗が何とかして琥珀を殺さずに奈落を滅しようと努力していたことは事実で、それだけに誰にも理解されない桔梗が哀れに思える。
琥珀は知っている、が、さすがにこの場で口にできることではないだろう。
場面転換、お堂の外の犬夜叉、鋼牙、かごめと七宝に視線が移る。

かごめに手当てをしてもらって幸せそうな鋼牙だが、さすがに犬夜叉にはそれを漫才に持っていく不謹慎さはない。
妖狼族の加護も使いきり、守ってくれるもののない鋼牙に犬夜叉はかけらを渡して仲間の元に帰れと言う。
鋼牙が戦闘力ではもはや奈落の相手にはならないと言っているのと同じだが、鋼牙の反応はおかしな所に行ってしまった。
桔梗と同じことを言う、昔つきあってただけあって考え方一緒だな。

いえ笑ってはいけないのだが笑ってしまった。
さすがに鋼牙に三角関係がばれるわけにはいかないのだろうが、かごめの立場がない。
でもこんな旅、今後も見たいかも(笑)、七宝がナイスです。

再び場面転換。
寄り添って眠る珊瑚と琥珀だが、明け方弥勒が目覚めた。
弥勒の瘴気は浄化したが、体内に刻み込まれた瘴気の傷は消せなかった、だから―、桔梗は続ける。
「あなたの風穴はもう・・・」

遮る弥勒だが桔梗はどう言おうとしていたのか。
「使えない」
「消えない」
「治らない」

もしくはこのまま弥勒の体を蝕み続け、やがては死を迎えるということなのか。
愛しいからこそ珊瑚を守ろうとした弥勒、桔梗はもう何も言えない。
作品中では珍しい大人のふたりの静かな時間がたまらなく好もしかった。

次回は桔梗と鋼牙が去るのだろうか?
珊瑚としては琥珀にもそばにいて欲しいところだろうが。
希望としてはここに殺生丸も合流した旅を当分続けて欲しい。
 (2006年3月8日の日記) 
鋼牙が最高!
原作少年サンデー2006年3月15日(15号)第449話「山嵐」

     ☆     ☆     ☆

久々に伝承系?妖怪山嵐登場、といっても動物のヤマアラシそののままの妖怪で、ただ奈落の瘴気に操られている死骸として登場。
神楽の屍舞の元祖とも言えるかも?

今回はいろんな意味で興味深かったが、一応弥勒の傷の謎、その答えが明かされる。
弥勒の傷の外面部分は浄化されたが、体内の傷は浄化し切れなかった。
その傷が心臓に達した時、弥勒は死ぬということなのだろう。
ならばこれ以上風穴を使わなければ、瘴気を吸い込まなければとりあえず弥勒は生き続けることができる。

もちろん風穴の方が広がる危険性は残されているが、瘴気の傷が広がる危険は減った。
と読者を安心させると同時に、相手はまさに風穴向けの妖怪山嵐。
奈落がそこまで意識して山嵐に金剛槍破の槍を残していったのかどうか、残していったのだろう。

だがここで弥勒が傷のことを犬夜叉たちに話していたらどうだろう。
確かに珊瑚は弥勒にそこまでさせてしまったことで苦しむかもしれないが、犬夜叉たちは弥勒に絶対風穴を使わせないだろう。
弥勒は珊瑚(琥珀)を助けるために自分の命を捨てることを厭わないが、それがさらに珊瑚を苦しめることには思い至らないのだろうか、そこが切ない。

最初に戻って奈落の瘴気の名残で、消えた森の噂をしていた一部隊が全滅したのが後半妖怪山嵐の伏線となる。
浄化を終えた桔梗は(なぜか)去る。
「弥勒の」心配をする犬夜叉に、弥勒の願いを聞き入れ、大丈夫と認める桔梗。
桔梗の心配はしないのか?犬夜叉。

前回も書いたが、これが生前から桔梗にのしかかっていた「無条件の信頼」という名の重圧なのだろう。
それを越えたところに犬夜叉が桔梗の恋人として存在していたような気がするのだが、今になってもにぶちんな犬夜叉だ。
これでは元々のふたりの恋が、孤独な魂が寄り添うというよりどうもやんちゃな犬夜叉が可愛くてほっとけないお姉さんに見えてくる。
そこが犬夜叉のいいところでもあるのだけれど。

その頃お堂の中では琥珀と珊瑚。
命を捨てたがっていたように見えていた琥珀が、皆が自分のために闘う姿を見て無駄には死なないと宣言する。
これは大きな進歩だろう。
同時に琥珀は、桔梗のそばにいると気持ちが楽になると心情を吐露する。

ここでの珊瑚の反応が興味深い。
自分が救えず桔梗が救うのか、ショックを受けているように見えなくないこともない。
父や仲間を手にかけた、あれほどの苦しみから救われることができるのか、珊瑚も望んでいただろうが、実際に救われるとは思っていなかったのか。
ただ珊瑚の反応が強いものではないことから、目の前で弥勒を浄化してくれた桔梗に対する信頼感が生まれたと言えるかもしれない。

桔梗になら琥珀を委ねることができる、弥勒をその手に委ねたように。
珊瑚というキャラは非常に気持ちが内に向きやすい、ともすれば琥珀と一緒に苦しむタイプ。
それだけに琥珀は桔梗と共に行く方が、互いに楽で、同時に何らかの方法によって生き延びる確率も高いような気がする。
もしかしたら珊瑚が後になってもっと辛かったり寂しかったりするかもしれないが、今回はわりとさらりと流す。

けれど、何と言っても良かったのは鋼牙だった。
犬夜叉と桔梗がふたりだけの世界を作っていてもずかずか入っていくし(笑)、七宝との絡みも最高。
七宝が泣くほど嫌なら?私が代わってあげたいくらい。
弥勒の「なでなで」も鋼牙にしてみりゃ新鮮らしく、でも動じないところも、らしくていい。

これなら琥珀と桔梗が加わったままでも、鋼牙の天然がクッションとなっていい旅できそうな気もする。
普通に仲間にいるのも嬉しい、桔梗が去ったら鋼牙もいなくなるのかなあと思っていたから。
今回は犬夜叉に当たることのないかごめにも好感度アップ。
キャラ的にも犬夜叉に当り散らすよりも落ち込む方がかごめらしくていい。
これも鋼牙がその空気を壊してくれたおかげで、鋼牙様々といったところか。

「なぜおらが鋼牙と・・・(しくしくしく)」
「ああ!?
 いやなら降りていいんだぜ。」

泣いてる七宝も可愛過ぎ。
でもなぜかこの声が鋼牙じゃなくて無双凌統の声で聞こえてきた(どっちも松野太紀さん、でも演じ方が違う)、これはまずいかも・・・。
他には「結界師」が切なかった。
 (2006年3月15日の日記) 
想い合うゆえに
原作少年サンデー2006年3月22日(16号)第450話「群れ」

     ☆     ☆     ☆

かつて弥勒が大蟷螂に風穴を傷つけられた時、傷が治るまでの間は風穴を開かないようにと無心に言われたことがある。
あの時は一定期間が過ぎれば風穴は直り、普通に風穴が使えるようになった。
けれども今回は、風穴がある限り弥勒は常に死の危険にさらされることになる。
にもかかわらず、弥勒は風穴に関して口をつぐんだ。

その弥勒に、まるであつらえたかのように山嵐妖怪が現れる。
(奈落が意識して置いて行ったのではないようだが)。
山嵐妖怪を退治するために風穴を開き、弥勒はまた一歩死に近づいた。

そして珊瑚。
「まだ」直らない風穴を使わせないために身を挺して飛来骨を取り返しに行く。
その無謀が瘴気の傷が再発した弥勒をさらに危険にさらす。

珊瑚に心配をかけたくない弥勒の想いがかえって珊瑚を追い込み、弥勒を想う珊瑚の行動がかえって弥勒を追い詰める。
弥勒が口をつぐんだことにより、想い合うふたりが負の方向に突き進む悲劇、しかしどこかやるせない。
これならむしろ、風穴を使うわけにはいかないことを正直に打ち明けた方がいいのではないだろうか。

珊瑚は元々非常に自分で自分を追い込みやすい性格。
もしもここで珊瑚をかばって弥勒が傷ついたらさらに自分を責めるだろうし、それは弥勒の望むところではあるまい。
逆にここまで追い詰めて、ほとんど主役だからと生き抜くにも嘘が出てくるように思う。

弥勒や珊瑚がそういうキャラだからと言ってしまえばそれまでだが、最近勢いづいてきた物語が、急にマンネリでもパワーダウンでもなく蛇行し始めたような居心地の悪さを禁じえない。
風穴を使えない弥勒でも戦闘要員として十分に勤まると思うし、同時に犬夜叉から離れず常に一緒に闘うことにより十分カバーできると思うし。
ここはもう少し様子見といったところだろうか。

むしろ他の人の感想を読みたい。
特に弥勒や珊瑚と同世代の方の感想。
後は話がもう何話か進むかむしろコミックになってからの方が感想が出そうだ。

他の部分ではどこまでも鋼牙にくっついてる七宝が可愛かった、代わりたいくらい?
犬夜叉の「頭ごなしに」会話している鋼牙とかごめもおもしろかった。
今週他におもしろかったのは「あいこら」、なんかほのぼの〜してて好きかも。
恋に目覚め始めた?ハチベエが可愛い(笑)。
あと「結界師」の藍緋と「からくりサーカス」のエレオノールのその後が気になってみたり・・・。
 (2006年3月22日の日記) 

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