|
標的(ターゲット)は飛来骨? |
原作少年サンデー2006年11月8日(498号)第481話「骨」 ☆ ☆ ☆ 「標的」と書いて「ターゲット」と読ませる、再び転用、しつこいな、自分(笑)。 このいかにも「犬夜叉」らしからぬタイトルのつけ方、今思えばアニメ「犬夜叉」の、いえ月7よみうりアニメの「醍醐味」だったな。 今でも忘れられないインパクト。 今週はまず表紙がいい。 いかにも新展開らしくさっぱりした顔で旅を再開する犬夜叉たち。 神楽や桔梗の時と違って犬夜叉たちの思い入れ度も希薄な感じの終わり方だったので、この表情も違和感はない。 しかもタイトルは「骨」、すわ七人隊復活か、第二段か、んなわけないか。 最終回が500回と決まったわけではないが、ひとつひとつのエピソードに主要キャラや本筋と大きく関わる展開がくっついてくるのは、やはり寂しい予感を感じさせる。 今回は弥勒か。 けれど今週は顔こそ見えないが美しっぽいお姫様のグロテスクな行動がメイン、久々に問答無用のおもしろさが蘇った。 体から骨を根こそぎ抜き取られた人間の残骸、その不気味さはこれまでの「犬夜叉」の中でも見られなかったほど。 特に腕のぐにゃぐにゃ具合は夢に見そうだ。 とある家に立ち寄り、話を聞く犬夜叉たち。 いかにも人の良さそうな、でも強くなさそうな村人や命からがら逃げ帰った者は好みのタイプの骨の持ち主ではなさそうだ。 その妖怪が「この世のものとも思われぬ、美しい女の姿」であることを聞いてる時の犬夜叉の顔に爆笑した、どちら様ですか? かごめと珊瑚はまだ「ふ〜ん」って感じで聞いてるが、犬夜叉の中にはある種の予感か。 退治するのではなく「会ってまいりましょう。」宣言の弥勒に「やっぱりな。」と犬夜叉のつぶやき(きっと)。 にらむ珊瑚にその珊瑚を見ている?かごめ。 三種三様の表情もいい。 なんか久しぶりに肩の力を抜いて描かれているのかなあ、高橋先生って嬉しくなった。 神無戦の後の鉄砕牙の状態を確かめたかった犬夜叉だが、残念ながら今宵は朔の日。 犬夜叉はかごめや七宝と共に留守番に回されてしまう。 ここで弥勒の体調を気遣う犬夜叉にへぇ〜っとちょっぴり見直してみたり。 恋愛に関しては鈍感な犬夜叉も、共に戦う仲間に対する気遣いはなかなか細やからしい。 一方珊瑚も思っていてもなかなか問えなかった想いを弥勒にぶつける。 本当のことが言えない弥勒はいつもの調子でごまかすが、ふざけながらも心はシリアスって展開は珍しく、ここもちょっと切なかった。 そんなムードに水を差したのが弥勒言うところの「妖怪骨抜き女」、まんまだけどすごいネーミングだ。 荷車にはたくさんの骸骨、引いているのは牛の骸骨? なんか犬夜叉の母君を思わせる雰囲気も怖い。 妖怪は弥勒たちの目の前で妖狼、じゃなかった普通の狼の骨を丸ごと抜き取る。 そこに放つは珊瑚の飛来骨。 なんか後頭部にぶつかるとことかよろけ具合がギャグみたい。 逃げ出した妖怪は飛来骨に目をつける。 たしかに飛来骨は退治屋の里で退治屋たちが妖怪の骨を使って丹精込めて仕上げたもの。 あれ?アニメオリジナルの「スズナとセリナ」の印象が強すぎて、飛来骨の説明って原作でされていたっけ? 飛来「骨」から導き出しただけなのかな? 次回は連載10周年記念の巻頭カラーで衝撃の急展開。 最後から2ページ目の犬夜叉、かごめ、七宝のカラー?カットが可愛くてすごく楽しみ。 しかも「犬夜叉ベストシーン複製原画10点セットのプレゼント告知、何名様? 高橋先生自身が選ばれたとのこと、ちらっと見える3枚は神楽の死を見守る殺生丸(38巻「風」)、木にもたれて眠る桔梗を見つけるかごめ(8巻「桔梗の結界」)、そして朔犬から半妖に戻る瞬間の犬夜叉(17巻蘇る鉄砕牙」より犬夜叉)。 キャラをまんべんなく選ぶにしてもちょっと意外?かも。 ちなみに私が好きな原画を10枚もらえるのなら 1、38巻「風」より104ページ、殺生丸が奈落ではなく神楽を追って来たことを告げた時(「おまえだとわかっていた。」)の神楽のはっとした表情。 2、8巻「死魂」より95ページ、小夜が見ていることにも気づかず、元結を解いて死魂虫と戯れる桔梗。 3、12巻「浄化」より43ページ、表紙のかごめのアップ。この時期のかごめの表情が柔らかくて好き。 珊瑚が鉄砕牙を奪った後の奈落の城での対決や地念児編などは全部欲しいくらいです。 4、28巻「暗闇の中」より17ページ、白心上人を「救う」奈落。 偽りであれなんであれ、無限の闇から奈落が白心上人を救い出したのは事実。 奈落がいなければ、白心上人が桔梗に癒されることもなかった。 その矛盾と悪の中にも幾ばくかの優しさが垣間見える奈落の表情が好き。 5、27巻「黒い光」より58ページの表紙、睡骨。 1枚もらえるならこれ希望します。 6、18巻「出会った場所」より129ページ、犬夜叉への想いに気づくかごめ。 7、39巻「奪鬼」より113ページ、表紙の犬夜叉。 犬夜叉の顔って朔犬も含め素敵なカットがあり過ぎてむしろ印象的な1枚がないです。 戦闘モードに入ってる時より呆けた表情の方が好きかも。 8、30巻「特別なおなご」より71ページ、弥勒のプロポーズと涙する珊瑚。 9、45巻「対峙」より41ページの表紙の鋼牙。 鋼牙に限っては原作よりアニメに好きなカットが多いです。 アニメでは笑顔、原作では犬夜叉たちとぎゃんぎゃん騒いでいる時よりも、敵や知らない相手と対峙している時の静かな凄みが好き。 「対峙」の時など薄ら笑いを浮かべてるような・・・。 10、8巻「やさしい匂い」より185ページの犬夜叉とかごめの仲直り。 ざっと思いつくところでこんなかな? それにしても犬夜叉たちの前に現れた「美しき謎の女=骨抜き女」、敵か味方か今さら問うところがすごい。 味方の可能性もあるわけだ(笑)。 今週はやはり「ハヤテのごとく」がおもしろかった。 最後にマリアさんがどんな服を着せられたのかがすごく気になったり。 あと「犬夜叉」最終ページの隣り、ヤングサンデーの広告で「クロサギ」の絵がすごく気になった。 好きな絵かも。 (2006年11月8日の日記)
|
祝!連載10周年 |
原作少年サンデー2006年11月15日(50号)第482話「狙われた飛来骨」 ☆ ☆ ☆ 祝!連載10周年。 高橋先生が選ばれたベストシーン10枚の複製原画プレゼントがおもしろい。 1、犬夜叉とかごめの出会い(封印された少年) 2、かごめと桔梗の出会い(桔梗の結界) 3、かごめに心を開く犬夜叉(居場所) 4、灰刃坊戦で朔犬から戻る瞬間(蘇る鉄砕牙) 5、血玉珊瑚を斬り、赤い鉄砕牙が誕生(赤い刃) 6、犬夜叉vs蛮骨最終決戦(回廊の底) 7、弥勒のプロポーズ(特別なおなご) 8、神楽の死を見守る殺生丸(風) 9、鋼牙五雷指披露(五雷指の威力) 10、桔梗の最後、くちづけ(光) 前回私も「欲しい複製原画ベスト10を選んでみたけど、同じシーンは1枚(特別なおなご)しかなかった。 たぶん全ての犬夜叉ファンがそれぞれ選べば、全て違ったベスト10になるんだろうな、なんだか楽しい。 それから寄せられた先生のコメントには 1、戌年(2006年、つまり今年)年頭までは続けようと思っていたこと。 2、コメディー色がうすい作品は初めてで当初はてさぐりだったこと。 3、物語は大詰めだけれど、まだ解決すべき問題は山積みであること。 などが述べられ、最後に「もうしばらく、ご声援よろしくお願いいたします。」と結ばれている。 まだ終わらないんだ、素直に嬉しい。 今週の物語自体はどことなく山犬妖怪や阿毘姫や尼寺の化け猫妖怪などを思い出させる展開で目新しいものでもない。 今回「毒を吸わせることで弥勒が風穴の危機に陥る」がテーマであれば、必ずしもこのような相手じゃなくてもいいはずだが、あえてこの妖怪親子(美姫もどきと骨抜き骨妖怪の父親、似た者親子のつもりらしい、笑)にした意味が気になる。 相手が美女で弥勒の手の平返しはそんなにおもしろいとは思わなかったが、 「われらは親子・・・ 見てのとおり父上は病にふせっておる。」と 「見てのとおりと言われても・・・」の会話と弥勒、珊瑚の表情には爆笑してしまった。 別人入ってる? この妖怪親子の狙いはおいしくて?いい薬になる飛来骨。 噛み砕かれた飛来骨だが、弥勒の命には代えられない。 と思いきや、珊瑚は何が何でも手放したくはないらしい。 たしかに飛来骨は珊瑚の分身、その重要さは犬夜叉の鉄砕牙に匹敵するものがあるだろう。 退治屋としての誇りであり大事な商売道具であり、何よりも数々の想い出が詰まっている飛来骨。 後でスズナとセリナのオリジナルのように、珊瑚が退治屋の里に戻って修理する場面が見たい。 それとも刀々斎があっさり直してくれるかな? だが弥勒は父親妖怪が放った毒を風穴で吸い込んでしまった。 敵の狙いは飛来骨と弥勒と珊瑚。 必死で逃げようとするも、外には出られないらしい。 唯一の救いは犬夜叉たちに助けを求めに行った雲母か。 ただ雲母もどこか怪しい感じ? 操られてるように見えないこともないのだが・・・。 サンデー表紙のカラーも話の表紙のカラーもいいけど、一番好きなのは104ページの懐かしカット。 47巻は17日頃発売予定。 そして明日は無双エンパの発売日。 他におもしろかったのは「史上最強の弟子 ケンイチ」と「あいこら」。 どっちも最終ページにときめいた。 私やっぱり報われない恋に燃えるキャラが好きだわ。 鋼牙や良牙や叶翔や。 出ると話が面白くなるから? (2006年11月15日の日記)
|
雲母大活躍 |
原作少年サンデー2006年11月22日(51号)第483話「骨の檻」 ☆ ☆ ☆ 先週来の弥勒と珊瑚の大ピンチに続き、助けに来た朔犬と破魔の矢で気を吐いたかごめも危ない状態に陥る中、健気にがんばるのは雲母、活躍が期待できそうなのは七宝(狐火か?)。 万が一弥勒か珊瑚に最後が訪れるとしても、骨ごと喰われる終わり方はないだろうが、最早破魔の札も効かない弥勒の弱り方が気になる。 犬夜叉が元気で弥勒がここまで弱っていなければさほど怖れる相手ではないだろうが。 骨喰い妖怪の娘の方、またもや普通の人間を装って犬夜叉たちを騙そうとするなど、緊迫の中にどことなく間抜けな雰囲気も先週と同じ。 父親もなんか以前に見たことあるような・・・。 どうも敵妖怪に大物感がないので危機の雰囲気も高まらないが、すでに限界を超えている弥勒、むしろこの妖怪親子との戦いの後が問題だろう。 弥勒が吸い込んだ毒はかごめの霊力で浄化できないのか、とか一刻も早く奈落を倒さねば、となると話も一気に進むだろうが、そもそもこの後風穴の呪いを解けたところで弥勒は助かるのか、疑問かも。 仮に奈落を倒して風穴を消したところで、手遅れのようなニュアンスを桔梗の言葉に感じたが。 意外と殺生丸の天生牙で蘇る弥勒とか、四魂のかけらで蘇る弥勒があってもいいような気がする。 四魂の玉を完成させると言う究極の目的が最近曖昧なので、琥珀や弥勒を生かし続けるためなら、かけらとして存在してもいいのではないだろうか。 たとえば翠子が成仏するためにどうしても玉の感性が必要といった設定が今後出てくるなら話は別だが。 奈落もそもそも犬夜叉や桔梗に嫉妬する弱い心を捨て去りたくて四魂の玉を使って完全なる妖怪になることを目指していた。 けれど弱い心は捨て去り、対象となる桔梗も死に、犬夜叉たちはむしろ奈落がこれから生きていくための障害でしかない。 「半妖」という設定が物語の中で現在どれだけの重要性を持っているかも微妙なところだ。 (このテーマは後で改めて取り上げたい。) 一番大きな感想は自分のカルシウムが足りないような気がする・・・ってことで立ち読みした後サンデーと一緒に牛乳買いたくなったこと。 あとずいぶん飛来骨に固執してるなってこと。 これまでもよりどりみどり妖怪や人間を餌にしてきただろうに、そこに何かの意味があるのだろうか。 飛来骨を守るために弥勒が襲われたら救われないが、さすがにそれはないだろう。 (2006年11月22日の日記)
|
その身に代えても守りたかったのは |
原作少年サンデー2006年11月29日(52号)第484話「溶毒」 ☆ ☆ ☆ 必死の思いで風穴を開き、骨団子からは開放されたものの、壊れた父妖怪の顔は骨で補充され、元通りの姿に。 さらに毒を吸い込んでしまった弥勒を助けるために、珊瑚は取引を申し出る。 飛来骨と自分の命と引きかえに弥勒の命は助けて欲しいと。 甘いなあと思いながら切なくなった。 この期におよんで妖怪に何を期待してるんだろ。 逆の立場で骨の娘の妖怪に懇願されたら、珊瑚は骨の父妖怪だけ助けるようなことをするだろうか。 仮に敵が珊瑚の頼みを聞き入れたとして、一人生き残った弥勒はその事実をどう受け止めるだろうか。 全てわかっているのだろう。 わかっていても弥勒のために頼まずはいられない、珊瑚の悲痛な想い。 その頃、2人を追ってきた犬夜叉たちも骨に襲われ、七宝ががんばってかごめを助けるが、犬夜叉はまだ朔の日の姿のまま@頭の上でコマ回し中。 まだ朔犬姿なのにがっかりするかごめと七宝がこんな時でもおかしい。 にべもない拒絶に心を決めた珊瑚は、左ひじの入れ物から出した飛来骨すら溶かす「溶毒」を飛来骨に塗りつける。 ここでふと影郎丸、獣郎丸戦を思い出した。 この時も珊瑚は貝の入れ物に入れた毒を使っていた。 この時は左肩から取り出していたが、白霊山では右肩から縄を出していた。 とすると右のひじには防毒面? あと両膝の入れ物も残っているけれど、最後までに明かされるのかな? などとコミックを見始めたらおもしろくてもう止まらない。 神楽登場、鋼牙登場、弥勒登場、珊瑚登場、朔犬登場蜘蛛頭まで読み戻ってしまった。 さらに進んで七人隊白霊山まで、で止まる。 以前のコミックは台詞を暗記するほど何度も読み返しているが、白霊山以降はコミック買った時に一度読むだけで、その後読み返すことはほとんどない。 ちょうど奈落が「人の心」を捨て、桔梗を瘴気の底に突き落とすあたり、私の「犬夜叉」はある意味そこで終わっている。 「犬夜叉」の私なりのテーマはいろいろあるけれど、もしかしたら一番大きなテーマは「奈落の葛藤」であり、それを捨てた時点で本質的な興味も消えてしまったのかもしれない。 もちろん他にも四魂の玉や各キャラの結末などへの関心はあるので読み続けてはいるけれど。 さらに部分部分で思い返して読む時もあるけれど(「風」とか妖狼の兄弟のあたりとか)。 話がそれたが、さしもの父妖怪も溶毒にはかなわず、飛来骨と共に溶けてしまう。 止めを刺したのは半妖に戻った犬夜叉。 娘妖怪も日の光を浴びて灰になってしまう。 逆にこの妖怪親子にしてみれば、犬夜叉たちが憎い仇となるんだろうな。 珊瑚の弥勒への想いが妖怪に打ち勝ち、珊瑚は悲しみと共に飛来骨に別れを告げる。 いつもは弥勒が珊瑚を守って戦うことが多いだけに、今回の珊瑚の健気さとがんばりにはじんわりした。 だがこの二人、一番大切なことに気づいていない。 二人は二人で生きなきゃ幸せにはなれないってこと。 珊瑚を守るために弥勒が死んでも、弥勒を守るために珊瑚が死んでも残った一人は幸せになれない。 互いのためにも無謀は避けて生き抜いて欲しいと思う、特に弥勒。 ただ物語として言えば、今回なぜ飛来骨が出てきたのかがわからない。 いえ骨を喰う妖怪だから飛来骨を狙ったのだとして、その骨喰い妖怪を出した意味と言うか。 珊瑚がいくら飛来骨を大切にしているとはいえ、弥勒の命に代わるものではないのだから、そこはむしろ珊瑚自身の命と引きかえに、とストレートに打ち出した方が珊瑚の辛さ、健気さが伝わるのではないだろうか。 飛来骨に関する話はまた別エピソードに仕立てるとか。 それとも飛来骨消失が今後のエピソードの伏線となるのだろうか。 予想されるのは弥勒の体と第二の飛来骨、または飛来骨に代わる武器探しだが、次号より新展開だそうだ。 弥勒の体は心配だが、何事もなかったようにケロッとして出てこられても困る。 それにしても次号から飛来骨を背負ってない珊瑚が描かれるわけだ、見慣れるまで時間がかかりそう。 蛇骨は別格として蜘蛛頭に桃果人、今回の骨親子など、たまたま朔の日に当たったが、そうでなければあっという間に退治されていたであろう妖怪。 朔の日だからこそ犬夜叉たちも苦戦し、読者にも強い印象を残す。 結局は倒される運命にしろ、この妖怪たちにとって犬夜叉に出会ったのが朔の日だったのは幸せだったのだろうか、それとも不幸だったのだろうか。 「骨」に関してあちこちでレイ・ブラッドベリの「骨」と比較する感想が見られた。 実は私、子供の頃に「黒い観覧車」を読んで受け付けず、それ以来ブラッドベリは読んでいないのだが、これを機会にまた読んでみようかと思った。 高橋先生のブラッドベリに対するオマージュだったらおもしろい。 友達サイトさんでも京極夏彦氏の著書との関連を取り上げておられ、おもしろく読んだ。 今週は他に「ハヤテのごとく!」「結界師」「クロスゲーム」「あいこら」がおもしろかった。 今日は久々にコンビニでサンデー買ったら、袋に入って立ち読みできないようになっていた。 買う側には嬉しいが、「犬夜叉」が終わったら立ち読み派に転向しようと思ってた私(だってハヤテ読みたいし)、できなくなるのか?買うしかないのか? 最後の言葉は「見てしまった見てはいけないもの」、高橋先生は「体重計」、う〜ん、同感。 先生って意外とこの最後の質問にぶっきらぼうというか、阪神絡み以外は丁寧に答えてくださってない感じがするけれど、今回はもの凄く心がこもってたように思う(笑)。 (2006年11月29日の日記)
|
微妙に微妙 |
原作少年サンデー2006年12月6日(1号)第485話「薬老毒仙」 ☆ ☆ ☆ 新展開。 おもしろかった&嬉しかったとこ。 ・久々の刀々斎&猛々登場、しかも迎えに行ったのが犬夜叉!とその2人乗り。 ・弥勒が(一応)元気、回復したらしい。 ・珊瑚がまだ飛来骨を持っている、つまりあきらめてないってこと。 ・飛来骨を直せる可能性が出てきたこと。 ・薬老毒仙が可愛い&おもしろい。 ・飛来骨を直すために、珊瑚が一人で挑む。 ・もしかしたら弥勒の毒も?とまで願うのは甘いか・・・。 ・アニメでは惚れられるのはかごめがメインだったが、原作では珊瑚の魅力もしっかりと意識されている。 そうではなかったとこ。 ・弥勒の危機→結局は回復のくり返しにより、緊迫感が薄れつつある。 ・壊れる→試練で直すが鉄砕牙などで見たような・・・。 ・飛来骨が直るのなら、この時期にこのエピソードを入れることが「引き伸ばし感」につながりやすい。 ・薬老毒仙が妖霊大聖などと似ていてマンネリ感が強い。 で、相殺されて感想の結論はタイトル通りの「微妙に微妙」。 単品のエピソードとしては、ぐいぐい引き込まれるおもしろさではないものの、おもしろいと思った。 ただこの時期に組み入れられる必要性に、どうしても首を傾げてしまう。 これがついでに弥勒の毒も消してくれたら、ストーリーにしっかり絡んで来るのだろうが、それでは都合が良すぎるだろう。 弥勒も甕に入れて、いえふざけちゃいけないな、この問題は。 下手すりゃ弥勒&珊瑚もリタイアか、くらいの危機感があった前回に比べると、新展開ではあるものの・・・、やっぱり微妙。 ただこれは、鋼牙や神無の時から思ってたことだけど、鋼牙や弥勒&珊瑚が犬夜叉に全てを託してリタイアしたとしても、それって全てはこっちの都合。 もはや四魂のかけらを持たない鋼牙には興味はない、働けない神無に用はない、だから奈落の攻撃対象からはずれるってことはあるのだろうか。 奈落の性格からすると、鋼牙だって本来ならばまだ奈落のチェックがしっかり入ってるような気がするのだけれど。 あとは先生がそこまで描く気があるのかないのかって問題で、鋼牙が今後奈落に関わることなく生きていけるとすれば、それは奈落の思惑というよりは先生の思惑となるだろう。 話がそれたが、これまた久々登場の冥加が連れて行ってくれたのは、なんてうらやましい、養老の滝!ならぬ日本酒の滝! 犬夜叉たちも、アニメで酒慣れしたのか、酔う気配なし。 ぎっしりと並べられた甕に満たされたのも酒、そのひとつに入っていたのが薬老毒仙。 なんかアニメでもやたらこんなキャラ出てきたせいかな、マンネリ感が強いのは。 弥勒の師、無心と妖霊大聖を足して2で割ったようなおじいさん妖怪だが、すけべなところは弥勒似で、さすがと思わせる部分があるのは刀々斎か。 薬毒、よく「○○は用い方次第で毒にも薬にもなる」といった言い方をするが、中でも「酒」はその例にたとえられることが多い。 今回は別の使い方で、酒で満たした甕のひとつに飛来骨を入れ、もうひとつには珊瑚が入る。 珊瑚は中で酔うこともなく、ちょうど山椒魚妖怪編やナマズ妖怪編のように、湖の中で戦う状態になり、相手はそこに群がるたくさんの妖怪。 ちなみに珊瑚はその中でも普通に呼吸ができるのだが、珊瑚がこの妖怪たちを見事退治できれば酒は薬となって飛来骨の毒を消す。 逆に退治できなければ、飛来骨は毒のまま溶けてしまう。 数は多いが、いつも出てくるような雑魚妖怪、珊瑚の手に余るとは思えないところが狙いか。 むしろ犬夜叉やかごめの花皇戦のような心理的な戦いを強いられるのだろうか。 飛来骨に対する想い、は十分だと思うし、薬老毒仙もそれはわかっているようだ。 あと、この試練をクリアするためには、足腰の強さが必要で?こやつは珊瑚のお尻を撫で回し、珊瑚はその顔面に蹴りを入れ、目上の者には敬意を払う弥勒までもが錫杖でごりごりと(笑)。 酒の中では動きにくいってだけじゃないだろうし、何が珊瑚に求められるのかはわからない。 ただ今回のお笑いに徹した犬夜叉、ひたすら弱気の弥勒、ギャラリー組のかごめと七宝に比べ、ひとり気を吐く退治屋珊瑚の凛々しさがとても好もしかった。 この5人は本当にバランスがいい。 アニメでは5人の個性を押し出そうとするあまり、ともすればくどく感じることが多かったが、さすが原作では時には誰かの存在感が消えることがあってもストーリーを壊さない。 最近ではむしろそこにアニメ作りの(作者でない人たちによる別媒体の作品作り)の難しさを感じるようになった。 今回は微妙な感想だったが、今後の展開には期待大。 それにしても高橋先生って取材その他の理由で休載することのない先生だなってちょっと感動。 サンデー自体が休むならともかく、サンデーはあるのに作品が載っていないって実はとても寂しい。 少なくとも私がサンデーを買うようになってから、「犬夜叉」が休載したことはない。 それだけでもすごいなあと私などは思ってしまう。 もちろんお休みされる先生方も事情や体調があってのことだから、それをどうこう言うつもりはない。 それを越えてすごいなあと思ってしまうということ。 「職人気質」という言葉がとても似合う方のような気がする。 少なくとも私は「犬夜叉」が休載なら、その週のサンデーは買わない。 私一人が買うか買わないかなんて微々たる影響だろうけれど、その責任は先生の肩にしっかりと乗っている。 それが2人3人、人気があって読者の多い作品であるほどその影響は大きいだろう。 今週は他に「ワイルドライフ」「結界師」「ハヤテのごとく」「あいこら」「クロスゲーム」がおもしろかった。 「結界師」は最近私の中で停滞してたけど、またおもしろくなってきた。 アニメは・・・微妙・・・。 (2006年12月6日の日記)
|
弥勒の賭け |
原作少年サンデー2006年12月13日(2,3号)第486話「甕の中」 ☆ ☆ ☆ まずは表紙の犬夜叉、久々にかっこいいなって思った。 かっこいいと言えば、先日久々に読んだ初期の「犬夜叉」で肉づきの面編、草太に呼ばれてかごめを助けに来た犬夜叉、かっこ良かった。 当時はかごめばかり見ていたが、今読み返すと犬夜叉とかごめが2人だけ、まだ恋も始まらず、喧嘩ばかりの時期がすごく新鮮で懐かしかった。 今の「犬夜叉」に倦怠感を感じている人も、もう一度1巻から読み返してみるといいかもしれない。 まるっきり別物語である、おもしろい。 同時に今の「犬夜叉」に時の流れを感じ、物語の深さを感じる、最後までとことん付き合っていこうという気持ちになる。 さて本題。 薬老毒仙に命じられて甕の中に飛び込んだ珊瑚、甕の中は広く、たくさんの妖怪が蠢いていた。 珊瑚の仕事は「妖怪退治」、でも続く指示は「中のやつをおとなしくさせる」こと、前回のこの言葉が大きな伏線となっていた。 珊瑚に向かっては来るものの攻撃はしない妖怪たち。 彼らに珊瑚は怒りを感じる、珊瑚に対する怒り。 妖怪たちの正体は、飛来骨に使われた妖怪たちの魂だった。 これまでの流れから、珊瑚は自らが退治した妖怪の残骸を使っていたろう。 当然殺された妖怪には珊瑚に対する恨みがあるだろう。 でも今珊瑚が感じる怒りは違う。 まるで妖怪たちの魂が飛来骨となり、珊瑚と共に戦ううちに恨みは消え、珊瑚の分身となって一体化したかのような親密感。 奈落の結界に阻まれれば、痛がりながらも「大丈夫かあ?」と珊瑚の身を心配したかのような。 弥勒を叩けば「またやってるよ、こいつら。」と世慣れぬ娘を苦笑しながら見守っているような。 しかし珊瑚は自らの分身に毒を盛る、まるで妖怪たちは珊瑚に「裏切られた」と感じているようだ。 珊瑚の役目は彼らを殺すことではない、彼らの魂を鎮めることだった。 薬老毒仙も 「おれはこうも言ったぜ。 やつらをおとなしくさせろと。」 などと言ってるが、その前にしっかり「妖怪退治」をしてもらうと言っているのが、紛らわしい。 甕の中の珊瑚も気づき、呆然としているが、今週はここまで。 珊瑚も退治ではなく、鎮めるべきことと気づくだろう、飛来骨は蘇るだろう。 単なる引き伸ばしにしか思えなかった飛来骨崩壊&復活編も、さすがの手法で面白味を引き出す。 試されるのは珊瑚の心、基本的には鉄砕牙のパワーアップと同じだが、読ませ方としてはおもしろいと思う。 ところが、次に脱力したのが瘴気の傷が治りそうな弥勒。 嬉しくないのではない、このままでは奈落を倒し、風穴が消滅しても、瘴気に蝕まれた弥勒は死ぬしかない。 珊瑚のためにも弥勒のためにも、弥勒には生延びて欲しいのだけれど、いざその場面が目の前で展開されると引いてしまう。 「命の重み」だろうか、私が望むのは。 神楽は死に、桔梗も死んだ。 りんは蘇り、琥珀はまだわからない。 バランス的に弥勒が生きててもいいと思う。 けど最終決戦で奈落を倒し、ぎりぎり命の瀬戸際で弥勒が復活するとか、そういう必死感が欲しい(弥勒の苦しみは長引くだろうけれど)。 ここで弥勒が瘴気を消し、風穴以外は普通の体になったとしたら「命の軽さ」が強調されてしまうような気がする。 弥勒を救うのは高橋先生の優しさだろう。 普通に考えてもレギュラーの「犬夜叉、かごめ、弥勒、珊瑚、七宝」は死ぬわけにはいかないだろうし。 弥勒復活も確定ではなく大きな賭けだ。 薬老毒仙のよこした酒は、飛来骨同様弥勒にとって薬であり、毒でもある。 ここで弥勒が毒をあおって・・・、ということも「絶対」ないから弥勒復活は当然の予想。 あとは先生の見せ方次第か、ただそれが現段階でどこまで通用するかちょっと心配。 アニメオリジナルの無心編の時も思ったけど、お酒飲んでる犬夜叉や七宝、いいのか?ってこちらも心配。 実際は未成年じゃないからいいのか? 人間じゃないからいいのか? 戦国時代だからいいのか?たぶん。 今回かごめは飲んでないし、弥勒が飲むのは薬だし。 一応少年誌だけにそんなとこは厳しいんじゃないかと思ったけど大丈夫なのか。 まあ酒甕に浸かってる犬夜叉は可愛かったし、かごめと犬夜叉、弥勒と薬老毒仙の時にはシリアス、時にはおちゃらけなやり取りも良かった。 アニメの酔っ払いかごめに対する原作かごめの「酔っ払い返し」に見えないこともない。 茶碗酒に浸かってる冥加は、ちょっと小さな目玉の親父? 今週は「ハヤテのごとく!」「史上最強の弟子 ケンイチ」「クロスゲーム」「ワイルドライフ」「あいこら」「結界師」皆おもしろかった。 ハヤテのコナンサンタ、でかすぎ怖すぎ(笑)。 あと新連載の「イフリート〜断罪の炎人〜」がおもしろかった。 イフリートって「デビル・メイ・クライ」シリーズのダンテの武器にもなってる言葉、意味があるんだろうかと思って検索かけたらWikipediaで「アラブ世界全般に広まっている、様々な魔術を扱う炎の魔人、または精霊」と出た、なるほど。 これからの展開が楽しみかも。 でも来週はサンデーお休み、寂しい。 (2006年12月13日の日記)
|
勘違い |
原作少年サンデー2006年12月27日(4,5号)第487話「生き方」 ☆ ☆ ☆ 前回のエピソードを読んで勘違いしていたことに気がついた。 「薬であり、同時に強い毒でもある」を、弥勒が飲んだら瘴気に穢された体が「完治するか、死ぬかどちらかになる」という意味と思っていたのだが、そうではなかった。 わかりやすく言えば「痛み止め?麻酔薬?」的な薬で、それを飲むと痛みや苦痛を感じなくなる。 苦痛を感じる感覚を麻痺させる成分が「薬」なのだろう。 では「毒」は? この液体を飲んでも飲まなくても、弥勒が闘うたびに瘴気の傷は広がり、死に至る。 それでも苦痛や苦しさがあれば、自分の体のことを考えてセーブすることもできるだろう、それがなくなる。 飲むことで自分で自分に制限をかけることができなくなり、死期が近づく、そういう意味か。 鋼牙が去り、桔梗が死んで、花皇編を経てなるほど、もはや犬夜叉とかごめの恋を妨げるものはなくなった。 いくつかの紆余曲折はあるかもしれないが、今後どちらかが死んだり、新たな恋敵が現れることはないだろう。 あとはいつ、いかにして2人の恋が成就するかしか課題は残っていない(仮に最後に別れがあったとしても、その前に)。 そうなると、今描くテーマがどうしても弥勒と珊瑚に絞られてくる。 甕の中では珊瑚が飛来骨を形作ってきた妖怪たちの魂と対峙し、甕の外では弥勒がその「薬」を飲もうとする。 ひとつのエピソードとして捉えると、その緊迫感は素晴らしいし、互いの想い合う心、それが更なる悲劇につながりかねない危うさにハラハラさせられる。 しかしこうした場面が、これまであまりに多すぎた。 初登場の弥勒が、犬夜叉とかごめを相手に語り合うシーンが収録されてるのは6巻の第6話(呪われた手)。 奈落を倒さねば、風穴は数年のうちに自分を飲み込むだろうと淡々と語る弥勒。 その後の無心編を経て、弥勒が抱いている恐怖を否応なしに感じさせられたのだが、その後弥勒の風穴カウントダウンはほとんど消滅してしまう。 (時折小春編などで思い出したように語られるが。) それが後期に入り、これでもかというような弥勒と珊瑚の集中掲載で、今回も「結果はどうあれ弥勒は生き続けるだろう、珊瑚の飛来骨も復活するだろう」の意識ばかりが先行してしまう。 それは最初からわかりきったこどで、むしろそのプロセスを楽しむのが「犬夜叉」の読み方なのだが。 今回私はむしろ、珊瑚に飛来骨を選べないのなら毅然として別れを告げて欲しいと思う。 珊瑚の気持ちはよくわかるし、ひとつひとつのエピソードにハッピーエンドを望む気持ちはもちろんある。 でも読んでいて辛い、読むのが辛い。 潔さが感じられないというかすっきりしない。 最近あちこちのサイトさんで感想を読み漁っているけれど、今回はミロサンサイトさんの感想がすごく読みたい、純粋な感動が読みたい。 ストーリーとは別の部分で子ども時代の珊瑚、犬夜叉と弥勒の「男の会話」、何よりもありし日の「退治屋の里」の風景がとても良かった。 それにしても珊瑚が失いかねないものばかりが増えていく。 弥勒、琥珀に飛来骨。 ここはすっきり弥勒も完治、飛来骨も完治、琥珀も完治で仕切り直してベストの状態で奈落戦になだれ込むってのもありかも。 「犬夜叉」のリセット、うん、いいかもしれない。 鬱々とした内容ではなく、恋愛や宿命からも一時離れ、すっきりさっぱりさわやかに。 今思えばそれが初期「犬夜叉」の魅力だった。 終結に向かいつつあるからと言って暗い部分、辛い部分だけが怒涛のように押し寄せる必要はないだろう。 一度あの頃に戻ってもいいのではないだろうか。 今週は他に「結界師」がおもしろかった。 「結界師」は時音が元気だとおもしろい。 「勝手にすれば?」の表情と次ページの樹里亜の妄想に呆然としてる顔とのギャップに爆笑。 アニメの時音ももっと勝気を感じさせる声だといいな。 なお今週は先生方による年賀状のプレゼント付き。 コナンやハヤテの年賀状もおもしろかったけど、応募するのはもちろん「犬夜叉」。 犬夜叉にもかぶせて欲しかった猪の毛皮、そこに猪と間違えて噛み付いてる鋼牙、とか(笑)。 後ページはWHF情報。 最近行ってないけど「サイン色紙大公開」は興味あり。 しかも畑先生のサイン会なら行くのもあり?って思ったら残念名古屋大会だった。 高橋先生ってやったことあるのかなあ・・・。 次週はまたまたお休みで、今日で今年のサンデー終了、1月10日が次号の発売となる。 (2006年12月27日の日記)
|
一段落 |
原作少年サンデー2007年1月10日(6号)第488話「答え」 ☆ ☆ ☆ 飛来骨は復活した。 弥勒の体も持ち直した(今だけ、形だけだが)。 これで一段落したわけだが、どうもわかりにくい。 飛来骨になった妖怪たちの魂が最終的に求めたものは、珊瑚ではなく弥勒にあった。 妖怪たちを説得したのは珊瑚なのか弥勒なのか。 珊瑚が弥勒のために命をかけ、弥勒が珊瑚のために命を捨てたから(とは言っていないが)、妖怪たちの怒りは静まり、飛来骨は蘇った。 けれど妖怪たちの結論は弥勒だけにあった。 最近の展開に気持ち良く感動できないのは、どこかマンネリ化を避けるための細工が多いせいのような気がする。 弥勒と珊瑚の絆が確固たるものであることは疑いもないし、弥勒自身、珊瑚自身も互いを信じ合い、互いの気持ちを理解し合っている。 そう思ってない読者はいないだろう。 そこからさらに新鮮な感動を引き出そうとするのなら、それはどちらかの死か奈落戦の完全勝利の瞬間か、もしくは2人が結婚する瞬間、だろう。 私がこれまで弥勒と珊瑚に関し、最高に感動したエピソードと言えば、山椒魚妖怪編の弥勒のプロポーズだった。 そこに至るまでの2人の出会いに始まり、小春編、山犬妖怪編、「愛しいおなご」断言編などのエピソードを経てプロポーズが感動のクライマックス。 極端な言い方をすれば、後は下がるしかない。 それを避けるために手を変え品を変えてのエピソード作りで、確かに飛来骨を絡めたり弥勒の苦痛を和らげることでむしろ危険を増す展開にしたり、その手法は素晴らしいと思う。 思うけれど、残念ながらそれがストレートな感動にはつながらない。 ここはむしろ感動を自分に強いず、淡々と読むのが正解のような気もする。 サンデーでは他作品もいくつか読んでるが、淡々と読んでるからおもしろければとても嬉しいし、そうではなくてもそれでいい。 アマゾンの書評で読んだように、コミックになってから通して読んだ方がストーリーがつながっておもしろさが伝わるような気もする。 おもしろかった?と聞かれればおもしろかったと答えるけれど、正直言えば「イフリート」「あいこら」「結界師」「史上最強の弟子 ケンイチ」「クロスゲーム」なんかの方が単純におもしろかった。 弥勒と珊瑚の恋を再確認するエピソードではあったけれど、必要不可欠なエピソードではなかったな、というのが結論か。 むしろこれから犬夜叉に課せられたものが気になる。 当然弥勒は戦おうとするだろう、それをさせずに弥勒を守り、仲間を守る。 いえ弥勒や珊瑚と分かれなければ、とりあえず弥勒はギャラリーに徹することが多いから、弥勒と珊瑚だけで様子を見に行くとか、犬夜叉が猪突猛進しなければ当分は大丈夫? 一方まだ駄目だったの?別の意味で「衝撃」だったのが天生牙。 殺生丸登場が嬉しい半分、必要不可欠なエピソードなのか怪しむ気持ちが半分。 ある意味「衝撃」だったりん復活の前回を越えるものになることに期待したい、がんばれ邪見。 前回珊瑚の子ども時代が描かれ、珊瑚の父が飛来骨について「邪気を清め、恨みを鎮めた骨たち」と語る場面がある。 それでふと思い出したのが、アニメ初めてのオリジナル「スズナとセリナ編(美少女姉妹の弟子入り志願)」。 スズナとセリナが盗み出した武器の材料(妖怪たちの残骸)の妖気を除いてないものは妖怪を呼ぶという設定。 つまりいつもは妖気を除いてから武器にするわけで、意外なところでアニメが先取りしていたのがおもしろかった。 あと「犬夜叉」ドラマCDがまた発売されるらしい。 私も買ったはいいが、聞いてないのがドラマCD。 またささやかな応援のつもりで買うことにはなるんだろうな。 必ずしもお笑いバージョンにしなくても、シリアスストーリーのドラマCDがあってもいいと思うんだけど。 「ハヤテのごとく」はキャラ投票結果が本編中で発表。 ダントツでマリアが1位と思ってたのにそうではなかった、ちょっとがっかり。 あと「結界師」のジュリアと「クロスゲーム」のマネージャーは消えて欲しくないな・・・。 (2007年1月10日の日記)
|
戦国時代にオペラ座の? |
原作少年サンデー2007年1月17日(7号)第489話「完全な冥道」 ☆ ☆ ☆ 「オペラ座の怪人」といえば原作は読んだことはないが、映画も舞台も印象深い作品。 そのせいか「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」でも「こんぴら座(和風オペラ座の怪人?)」や「オペラ座館(ファントム登場)」などモチーフにした作品が出て面白く見た。 今回の死神鬼(ししんき)も先生が意図されたとは思わないが、ちょっとオペラ座の怪人(もしくは犬神佐清?)ぽいビジュアルで、それだけでもうおもしろく感じるから私も単純。 ところでこの「オペラ座の怪人」、原作は「黄色い部屋の秘密」のガストン・ルルーだそうな、初めて知った、今度読んでみよう。 さて本編。 母君に続いて父君登場を予感させる展開にこちらも好感度大。 といっても父君はとっくの昔に亡くなっているし、映画とはいえ父君のキャラクターデザインは高橋先生によるもので見たことあると言えばあるのかも。 でも死神鬼との回想戦闘シーンあたりで原画の父君の、犬姿でもなく骸姿でもない、人間姿を見てみたい。 前回の後半で出てきた目が冥道残月破の童子自体はさほど興味がなかったが、ここにきて死神鬼登場。 驚いたのは犬夜叉たちまでもやって来ること。 武蔵の国をうろうろしていて、あれだけ鼻の効く犬夜叉、殺生丸、(鋼牙や桔梗)でもニアミスすることはほとんどなかったのに、何かが起こると突然鼻が効いたりかけらの気配に気づいたりする犬夜叉一行。 意外と普段の桔梗や殺生丸は犬夜叉たちを避けながら旅をしているのかもしれない。 でもこうしてアクシデントが起こると、匂いの方向にまで気を配らなくなるから犬夜叉たちも気づくとか。 いずれにしろ今回も母君の時のように殺生丸だけ独立して起こる事件だと思っていたのだが。 今「天下覇道の剣」のパンフレットを見ながら書いているが、高橋先生のメッセージに 「父親のことを覚えていない犬夜叉と、父親の思い出にこだわっている殺生丸。 ふたりの父親への思いがどうぶつかっていくのか」楽しんで欲しいと書いておられるが、その言葉がそのまま今回のエピソードにも当てはまるのかも。 童子の後を懲りもせずにりんや琥珀を引き連れてついていく殺生丸。 前回の後悔の後では、邪見はともかくりん、琥珀は置いていくのが妥当と思うが、わざわざ連れて行く理由は琥珀と珊瑚の絡みか。 琥珀は奈落に狙われていると思えば残しては行けないか。 奈落が琥珀のことをほったらかしておいてくれるから大丈夫そうなのだけど。 付いて行った先でいきなり襲ってきたのが死神鬼、一番危なかったのは邪見だった(笑)。 相手は激しく若づくり(ざっと500年ほど)を邪見に突っ込まれるが、父君と、天生牙と戦ったことがあることを明かす。 今の天生牙の形ではなかったと言うことは、犬姿の父君の牙であった頃の天生牙と言うことか? 顔半分がないということはかじり取られたようにも見えるが、巨大な犬の姿じゃあんなものではすまなそうだ。 冥道残月破で掠め取られたにしてはぎざぎざな切り口が気になる、などと文章にするとかなりスプラッターだが、実際はその部分を仮面で隠していてかなり美形。 こないだ「1ポンドの福音」に出てきた紅流星に蛮骨の性格くっつけた感じ? さすがの年の功で殺生丸も手もなくあしらわれる。 殺生丸ほど大きくはないけれど、完全な円形であることが微妙にいい。 逆に言うと殺生丸が冥道を完成させたら大きさから死神鬼より優れたものになるわけで。 それにしても、こういった敵の全体攻撃に仲間が巻き込まれることを全く警戒しない犬夜叉や殺生丸の自信、一体どこから来てるのだろうか。 阿吽や雲母にかわせる攻撃、所詮奈落も死神鬼もこの程度なのか。 それとも意外に騎士道精神のある奴で殺生丸以外を相手にする気はないとか。 とりあえず殺生丸と死神鬼の戦いが始まったところに駆けつけつつある犬夜叉たちの図、で今週はおしまい。 もうひとつ今「不老不死(人魚シリーズ)」に関していろいろ読んだり考えたりしているが、ふと思い立って「逆髪の結羅」編も先日読んだ。 結羅は不老不死でもなんでもないが、そこで考えたことと、死神鬼ともしかしたら人魚シリーズの感想でリンクすることもあるかもしれない。 おおまかなストーリーの他に気になったのは珊瑚の飛来骨。 薬老毒仙の毒や薬をくぐった飛来骨は元通りにはならないと言う。 どう変化したのかは、闘ってみるまで薬老毒仙にもわからないらしい。 くにゃくにゃ柔らかくなったり形が変化する飛来骨、とかその日の気分で戦うのを嫌がる飛来骨とかだったらやだな。 弥勒と珊瑚が2人きりになると耳が出てくる飛来骨とか酒好きな飛来骨とか。 むしろパワーアップする、飛来骨(妖怪たちの魂)が鉄砕牙のように自らの判断で動く、つまり意思を持った武器となる、とかまあいろいろ考えられるが、それは読む時のお楽しみ。 とはいえ試す相手が死神鬼ではちと荷が重いか。 死神鬼の相手は父君絡みで犬兄弟に任せたいし。 琥珀を追ってきた夢幻の白夜で試してみるとか。 余談だが「天下覇道の剣」のパンフレットの殺生丸紹介。 「邪見やりんをお供に旅をしているが、その理由は本人にもよくわかっていない。」って・・・。 奈落探しじゃ駄目なのか? これ書いた方に是非直接言い放っていただきたい、殺生丸に(笑)。 あと最後の方の投稿ページ、携帯使えない犬夜叉と結界につかまった邪見に笑った。 朔の日にしか携帯使えない犬夜叉、朔犬サービスとかあるんだろうな。 他には「あいこら」と「イフリート」おもしろかった。 「イフリート」はストーリーより主役の2人がなんかいい。 表紙絵の感じが好きなので読んでみたけど後悔したのが「己棲虫」。 見ちゃったよ、なんか細くて長いのが多量にうじうじと(涙)。 いえタイトルからしてやな予感あったんだけど、「蟲師」みたいな雰囲気かなあと思った私が甘かったです、はい。 おかげでその日、悪夢見た。 出かけたテーマパークがなぜかホラー三昧で、蝋人形が動き出して襲ってきたり、菊人形が死体だったり、案内係のお姉さん(なぜか山本麻衣子さん)が斧持って追っかけてきたり。 しかもやたらと広い迷路や薄暗い屋敷があったりしてとにかく逃げ回る夢。 「かまいたちの夜」とか横溝正史シリーズとかこれまで見たたくさんのホラー映画(あんなのやこんなのや)の名?場面が続々登場。 ホラーファンとしては嬉しいか?嬉しくない。 寝たことで寝る前より疲れたのって初めてだった。 岡田きじ先生が恨めしいってもしかして最高の賛辞になるのかも。 (2007年1月19日の日記)
|
琥珀の突っ込み |
原作少年サンデー2007年1月24日(8号)第490話「天生牙の秘密」 ☆ ☆ ☆ これまでサンデーやアニメの感想書く時、まず考察日記の見出しが頭に浮かんでた。 今週も「新たな試練」とか「衝撃に次ぐ衝撃」とか浮かんだんだけど、最後に残ったのはこれだった。 「琥珀の突っ込み」、あんな切ない別れの後の再会、淡々としてる琥珀、まではいいのだけれど。 全くこの漫才トリオは(笑)。 そういえば琥珀って蛮骨や神無とつるんでる時もなにげに漫才やってたような。 琥珀って本人はいたってまじめなんだけど、実は最強の突っ込みキャラだったりする? さて早くも到着した犬夜叉たちの目の前で、殺生丸にとっては試練どころか屈辱以外の何物でもない展開が始まる。 究極のサバ読み貴公子死神鬼vs孤高のプライド貴公子殺生丸の合わせ鏡対決。 ただ死神鬼の話がもったいつけてるというか回りくどいというか、今週だけでは言いたいことがよくわからない。 まず冥道残月破は亡き父君が死神鬼から奪った技であることは事実。 でもそれを殺生丸が譲り受けたことに問題はない。 そもそも奈落のゴミ(その名は悟心鬼)を拾って自分の刀(闘鬼神)に仕立て上げた殺生丸だし。 でも「不完全な天生牙」では「真円の冥道残月破」は無理だと言うなら話は別。 殺生丸の技量云々の問題ではなくなってくる。 つまり殺生丸の不完全な冥道残月破と、死神鬼の完全なる冥道残月破の差は技量ではなく武器の差。 なら殺生丸がどんなにがんばったところで冥道残月破の完成はあり得ない。 さらに死神鬼の意味深な発言は続く。 鉄砕牙こそ兄(長男)である殺生丸が譲り受けるべきものだと。 ここでなぜ死神鬼が鉄砕牙が天生牙より優れていると見なすのか疑問が出てくる。 普通に考えれば、どんなにパワーアップしても(今のところ)武器の域を出ない鉄砕牙より、生き物の命を蘇らせたりこの世ならぬものを生み出す天生牙の方がグレードが高いような気がするのだが。 ただ鉄砕牙がいわゆる王道の家宝、天生牙が亜流というイメージがどことなく漂うのは、初期殺生丸のナマクラ刀発言ゆえだろうか。 資質こそ違え、鉄砕牙も天生牙も他を慈しみ、守ろうとする心がなければ扱えぬ物であることはすでに記されている。 そもそも殺生丸が鉄砕牙に固執したのは、天生牙が斬れない刀である(と思ってた)ことから、横取りしようとしたせいだった。 闘鬼神は武器の代わりにしかならなかっただろうが、斬れる天生牙を得たことで殺生丸の気持ちも落ち着いたようだし、犬夜叉を鉄砕牙の使い手として認めているふしもある。 そんな殺生丸の、父君や犬夜叉に対する想いを逆なでするような死神鬼の言葉、特に最後の3ページがわかりにくい。 天生牙に鉄砕牙同様戦った相手の能力を奪い取る力があるのかと弥勒に聞かれて、なぜ冥加(なぜかここにいる)が「ぎく」っとするのか。 「きさまの天生牙がどうやって生まれたか(知ってるか?)。」死神鬼の問い。 死神鬼が父君と闘った時、天生牙は今のような形ではなかった、いえ存在すらしなかった。 「死神鬼は鉄砕牙と闘って負けた」ことを知り、殺生丸の表情が屈辱に歪む、と書きたいところだが、むしろ傷ついた、そんな顔をしている。 死神鬼の言葉の意味を察したようだ。 最近は神楽に琥珀にりんと優しさを振りまいて仏の殺生丸とでも名づけたいような状況だったが、一気に昔の拗ねてた頃の殺生丸に戻ったような。 この場面をあえて犬夜叉たちに見せる、惨さがある。 なぜわざわざここに犬夜叉たちを連れてきたのか、先生の意図がわからない。 なりふり構わぬ犬夜叉っていざという時強いが、殺生丸にはこのギャラリーの存在は苦手だろう。 逆に言うと、この屈辱を乗り越えてこそ殺生丸は父君の存在を越え、父君に対するコンプレックスを捨てて完全なる自立と完全なる冥道残月破を手にするのだろうが。 正直言って後付け設定の匂いがぷんぷんのこのエピソード、謎の難解さにもそれほど興味はないが、殺生丸の父越え、琥珀と珊瑚の再会の意味するところなど面白みが増してきたかな? しかし犬夜叉たちが来たのが珊瑚と琥珀のためだけだったとしたら・・・、いらなかったかも。 ここは殺生丸にじっくりと死神鬼に向き合って欲しかった。 犬夜叉が絡むとどうしてもうるさくなるので(笑)。 今週は他に「結界師」「ハヤテのごとく」「イフリート」がおもしろかった。 (2007年1月24の日記)
|