犬夜叉サンデー感想(第91話〜第100話)
奈落とかけら
原作少年サンデー1998年9月30日(44号)第91話「疑惑」

     ☆     ☆     ☆

かけらを埋め込み、犬夜叉と戦う珊瑚だが、おもしろいことにその間にも血は流れ続け、珊瑚の体力を奪う。
最初に読んだ時、奈落の力がまだ未熟で珊瑚の生命力を完全な形にできないのかと思っていたが(七人隊の蘇りのような)、奈落自身人見の若殿になりすますなどその力はすでにかなりのものだった。
最初から中途半端な妖力を珊瑚に使っていたのだろうか。

珊瑚が完全体だとしても犬夜叉は気性からして苦戦すること間違いなしだったろうが。
何度も書いている通り、奈落と桔梗の、それぞれ妖力と霊力の上限がないというか、最初から凄すぎるというかなぜこんなことできるの?という部分が多い。

あとおもしろいのが、珊瑚が邪気や妖気を感じること。
弥勒やかごめはともかく、普通の人の邪気や妖気は目に見えないものだと思っていたから。
瘴気は毒の霧?のような感じで見えるだろうとは思っていたが。

今回は犬夜叉vs珊瑚の他に弥勒の雲母乗りもとても好き。
雲母は珊瑚の命令に従い、奈落を追うが、弥勒を乗せたのは自分の判断。
珊瑚の「敵(犬夜叉)」についている弥勒にもかかわらず、弥勒を助ける。
数ある雲母の名シーンの中で一番好きかも。
(他の名シーンはミロサン対決におろおろするところ。)

アニメでは七宝とセットで可愛い系キャラにされてしまったが、あれはまあ仕方がないだろう。
弥勒が奈落と犬夜叉抜きでがしがし戦う(しかも苦戦)でいろんな表情がアップで見れたのは嬉しかった。
最近は戦うのはもっぱら犬夜叉で、弥勒のアップも解説時に1カットが多いので。

          ☆          ☆          ☆

今日の「ブラックジャック」、ジャンヌダルクの「月光花」でなくなったことがすごくショック。
曲も大好きだったし、海の中でのブラックジャックの画面の美しさに憧れていたから。
「犬夜叉」がいったん終了して「ブラックジャック」が始まった時、「見るもんか」とまでは思っていなかったが、とりあえず見てみようくらいだった。
でもOPの曲と美しさに欠かさず見るようになった私、残念。
こんなことなら録画しておけばよかった・・・。
さすがにDVD買う気にはなれないし。

原作に比べ、どこまでもきれいに作るブラックジャックだが、OPでキリコが出てたのが興味深かった。
キリコはアニメとして取り扱うのがとても難しそうなキャラなので、おそらく出ないだろうと思っていたから。
ならばピノコ誕生編も是非お願いしたい。

今日は「この声っ!」と思ったのが、ヒロインの永湖ソノ。
もちろんナウシカ&めぞんの響子さんの島本須美さんだった。
しかも秘書?はアニメ「十二国記」尚隆の相沢正輝さん。
「十二国記」以外ではひさしぶり。

ソノのお父さん(栄枯盛衰ではなく永湖清水、笑)は蜘蛛頭の麦人さん。
エキストラでかごめのママの百々麻子さんもご出演。

ところがその後のコナンには山口勝平さんが。
いいなあ勝平さんファンは。
犬夜叉が終わっても工藤新一がいるんだから。
いいもん、私には無双凌統(松野太紀さん)がいるもん!といじけてしまった。

サンデーCM劇場は「結界師」。
話がある程度まとまったら、是非アニメ化してほしい作品の筆頭だが、良守の声はできたら別の声優さんでお願いしたいかも。
ただ「結界師」にしろ他作品にしろ、キャラが一気に増えた時がひとつの山じゃないかなと思う。

「クロザクロ」などもそうだったが、「○○の○○会」みたいなのが出てくると、面白みが一気に消える危険性があるような。
いえこれはいつも小説で思っていることですが。
 (2005年5月30日の日記) 
奈落の美学
原作少年サンデー1998年10月7日(45号)第92話「謀略」

     ☆     ☆     ☆

犬夜叉が珊瑚をおんぶという珍しいカットで始まる今回のエピソード。
かごめ以外は珊瑚となずなくらいかな?うらやましい。
しかもかごめとまとめて二人おんぶ。
うらやましいというか、大変そうというか、そこまでできるんだというか。

珊瑚は奈落の謀略、真実を知り、怒り狂って奈落に襲いかかるが、その瞬間四魂のかけらが体から飛び出し、激痛に崩れこむ。
どんなに基礎体力があっても人見の城といい、今回といい、後の奈落の城といい2,3ヶ月では治らなそうな重傷を負ってしまうが、嘘っぽさを感じないのは、先生がやり過ぎを承知で描き込まれたからだと思っている。
そうでなければ弥勒が珊瑚に初助平をするまでにもう半年たってたとか。
この点かごめの学校生活における進学問題が書かれなくなったのは、「時間経過をうやむやにする」上でとても効果的だったと思う。

さて珊瑚の体から落ちたかけら、誰も拾った形跡がないのがおもしろい。
奈落も奪わず、かごめも拾わない。
もちろん奈落が奪ったのだが、最初に読んだ時、鵜の目鷹の目(笑)でかけらのその後を探した記憶がある。

「奥義皆伝」では珊瑚のかけらは奈落が奪い、奈落がかごめから奪ったかけら(固まり)はかごめが取り返したことになる、不思議。
全て取り戻すわけでもなく、1個だけキープ、不思議。

ところでこのかけら、私は108個に別れたのだと何となく思っていた。
人間の心に潜む煩悩の数。
四魂そのものが人間の魂であるならば、その全ては108個?とか(笑)。
ところが七人隊の時点でまだ20個。

その後はさほど集めているシーンは見られないので、屍舞烏編で見た限りでは随分たくさんあったように見えたかけらも実は少ない?
半端な分は全て奈落が集めたというのは都合が良すぎるかもしれないけれど。
ちなみに次回の若殿奈落のそばには、かけらが3個(珊瑚から取り返したものも含め)と米粒みたいなのがひとつ。
どこから見つけてきたんだろ、あんなちっちゃいの(笑)。

本編では犬夜叉側のかけら探しの旅がメインだが、サイドストーリーとして奈落のかけら探し&謀略日記も読んでみたい。
弥勒に珊瑚に桔梗に犬夜叉と美形揃い。
(かごめと七宝は実は登場に奈落は直接関係ない。)
悟心鬼以外の分身も美形揃いでそこでも美学(魍魎丸は微妙・・・)。

今回のサブタイトルは「謀略」だが、私が最初に鬼蜘蛛を見た時には、粗暴ではあるが、さほど知的な人には見えなかった。
原作の無双もアニメの無双も同じ解釈だったと思う。
この回りくどいねちっこい、奈落なりの悪の美学は、その知恵は、妖力は一体どこから来たのだろうか。
粗暴な男と雑魚妖怪だけで奈落が生まれた不思議、いずれ解明されるのだろうか。

退治屋の里での妖怪vs退治屋たちの戦闘で、錬骨ばりの火薬筒?が出たのも興味深かった。
戦国時代の武蔵の国でどのような兵器、武器が使われていたのか、私は時代小説で読んだ程度にしか知らないが、アニメでの蛇骨の「種子島」発言などを参考に、調べてみたらおもしろいかもしれない。
 (2005年5月31日の日記) 
四魂
原作少年サンデー1998年10月14日(46号)第93話「傀儡」

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本題に入る前にきのうの感想の追記。
「何が言いたいかわからないよ、やっぱり犬桔派でしょ?」と友達からメール。
えっ?と思って読み返してみたら、たしかに犬桔派に見えても当然といった内容ではある。
そこでもう一度まとめてみると・・・。

かごめと桔梗の幸せ度を比べた場合

1、かごめはいつも犬夜叉と一緒にいられるけど、桔梗は常に犬夜叉から離れている。
2、犬夜叉が桔梗といれば、かごめはヤキモチなどで犬夜叉の気持ちを自分に向けることができるが、桔梗はできない。
3、かごめは犬夜叉と「平和な食卓」のような安らいだり楽しんだりという経験ができるが、桔梗は常に孤独。

これがかごめが犬夜叉の恋人(両思い)で、桔梗の片思いだったらどうこうは思わない。
また、いつも犬夜叉と一緒にいるキャラがかごめではなく桔梗だったら、私は逆にかごめがいつも可哀そう過ぎると書くだろう。
つまり、犬桔派だから書くのではなく、犬夜叉が同じように想いを寄せているはずの二人の少女があまりにも違い過ぎるからなのだと思う。

前にも出たテーマだな、これ。
その時HNさんとメールで話したこと。

桔梗が犬夜叉に一緒にいて欲しいと言わないからいいんじゃないかな?って言われた。
もちろん桔梗がもう犬夜叉のこと、何とも思ってなくてかごめといようがどうしようが関係ないならそれもいいだろうが、桔梗はやはり犬夜叉を思っているだろうと思う。
かごめにやきもち焼いたり、一緒にいたいとごねないのはこれ以上恋愛問題がどろどろになったら困るという先生の判断だと思っている。
だからかごめは可愛く見え、桔梗は凛々しく見えるのだろう。

そしたら言われた(笑)。
「犬夜叉も一週間ごとにかごめと桔梗の間を行き来したらいいのにね。」
そんな愛人じゃあるまいし、でもいいアイデアかもしれない?

余談だが「やさしい彼」と書いて「ひと」と読ませているが、私は犬夜叉は「ひと」ではなく「かれ」だと思う、まだ。
先生にクレームつけるわけではないが。

「平和な食卓」からの流れで犬かご派、犬桔派、その他派の感想探しで久々にサイトめぐりをしたが、寂しいほど反応が少ない。
もちろんきのうのうち書けない人もたくさんだろうが、それ以前に閉鎖サイト様、犬夜叉コンテンツ消失サイト様が一気に増えたような気がする。
アニメ終了が大きかったのかなあ、いつもお邪魔する交流サイト様も書き込みが激減していた、寂しい・・・。
それでも素直に犬かごの現代話が嬉しい人や優しい視線の感想をいくつか読むことができて嬉しかった。

さて本題。
アニメに見られた不思議なオリジナルや翠子が桔梗の村に生まれた?などの考察はもう書いたので、今回はかごめの気になる一言。
首を斬られたはずの奈落の胴体が戻り始めた時、かごめが「かけらが溶け込んでない!」と驚く。
記憶にある限り、四魂のかけらが溶け込んだのは蜘蛛頭くらいではなかっただろうか。

鋼牙や琥珀のように、長期間かけらを身につけている者でさえ、かけらは体内に固体として存在する。
むしろ蜘蛛頭の体内で溶けた方が不思議だが、あれは複数のかけらが体内の同じ場所に一度に入ったから呼び合って?1個になっただけで、蜘蛛頭の体に溶け込んだわけではないと思う。

最初に桔梗が犬夜叉に話した「人間になるために四魂の玉を使う」作業。
これも犬夜叉が体に埋め込んだだけでは人間なり妖怪なりになることはできないだろう。
強くなったり速くなったり(笑)はするかもしれないが、「半妖ではないもの」になるためには、やはり「霊力」、それも桔梗クラスの、が必要だったのかもしれない。

今回は着物姿で犬夜叉におんぶの珊瑚が見られる。
あと「珊瑚さん」と珊瑚を呼ぶかごめが新鮮。
もうひとつは一緒に行こうと誘うかごめに「一緒に行ってやってもいいよ。」の珊瑚発言。
「一緒に行くよ」ではなく「行ってやってもいいよ」。

強烈な人間不信に陥り、助けてくれたかごめ達にすら心を開けないある意味傲慢にすら感じる珊瑚の台詞。
この時の珊瑚の心の状態を表現する名台詞だと思った。
この状態は奈落の城で奈落対決をする時まで続く、珊瑚の強さが辛い時期。

          ☆          ☆          ☆

今朝テレビを見ていたら、いきなり名探偵コナンの声優さんの高山みなみさんと漫画を手がける青山剛昌先生の結婚の話題が。
びっくりしてコーヒーを吹き出しそうになった。
どちらもお顔を見るのも初めて、特にその声の若々しさから、高山さんは20代だと思っていたし(笑)。
日刊スポーツ買おうと思ったら売り切れだった、残念。
末永くお幸せに♪
 (2005年6月2日の日記) 
「犬夜叉」の謎
原作少年サンデー1998年10月21日(47号)第94話「玉の誕生」

     ☆     ☆     ☆

最新で第411話、そこまで続いても明かされない謎がたくさんある。
もしくは答えが明らかになったことにより、新たな謎が生まれたり。
「玉の誕生」では四魂の玉の誕生の秘密が珊瑚により明かされるが、四魂の玉ひとつとっても謎は多い。

そもそもなぜ珊瑚が四魂の玉誕生の秘密を知っているのか。
桔梗はおそらく退治屋に玉を渡された時に由来を聞いただろうが、それ以前に知っていたのではないか。
奈落がいてもいなくても存在する四魂の玉、500年の時を経て桔梗の時代に登場する・・・のではなく500年もの間、幾多の人間や妖怪の間をうろうろしていたらしい。

その間に奈落クラス、犬夜叉の父君クラスの手に落ちたことはなかったのだろうか。
父君は今でこそ妖怪を越えたものすごい能力の持ち主にされているが、元々は竜骨精と対等に戦っていたくらいのレベルの持ち主。
(父君、桔梗、奈落の天井知らずレベルアップは物語を面白くする上で必要不可欠のものと思うので、基本的には歓迎。
いきなり消えたりしないし、笑。)

その誰もが四魂の玉を自分の物にできなかったということは、四魂の玉とは「元々あるべき場所にあるべき物」であるからではないかと思う。
もちろん翠子のミイラの胸の中。

犬夜叉物語は、ある意味四魂の玉の帰還への物語といえると思う。
その意味でも私は「犬夜叉」の主人公、四魂の玉といつも言っているのだが。
「主人公」という言葉が「人や妖怪、命あるもの」であるという前提があると成り立たないのが辛いかも。

話がそれたが、以前書いたように翠子が現在の退治屋の里で死んだのならば、翠子に仕える退治屋や法師のような存在がそばにいたのだろう。
翠子の死後、その者たちが翠子のミイラを守り、その周りに小さな里を作り、愛し合って子供を作り、退治屋としての技術を高めていった、その間約500年。
もしかしたら珊瑚の遠い先祖は、やはり弥勒と珊瑚のような立場のものだったかもしれない。
弥勒のような存在が助平だったかどうかはわからないが(笑)。
高橋先生がそこまで「犬夜叉」という物語を設定していたかどうかはわからないが、翠子一人からこうして「犬夜叉」を離れた「自分の」物語を深めていける、それが私にとって一番の面白さだと私は思う。

私が全ての高橋作品の中で「犬夜叉」が一番好き、というより他作品に「犬夜叉」ほどの関心を持てないのはここにあるのかも。
またまた話がそれた。
明示されてはいないが、桔梗や楓の言葉、裏陶編、かごめの中にあった桔梗や四魂の玉などから考えるにつけ、桔梗は翠子の生まれ変わりであり、かごめは桔梗の生まれ変わりであることはまず間違いないと思う。

その中で、同様に生まれ変わりと思えてしまうような男たちが登場する。
翠子に恋しただけで妖怪のつなぎになってしまった男、アニメで無視された男、哀れなその男は報われない恋に苦しむ。
桔梗の時代にはそれこそ鬼蜘蛛である。
今でこそ人の心を捨てた悪になってしまったが、中期の人の心に苦しむ奈落の人間臭さがとても好きだった。

ではかごめは?完全無欠の北条くん?
これは冗談としてもそこに犬夜叉のいる意味は何だろう。
四魂の因果を断ち切るために、天(高橋先生)から使わされたスーパーヒーローでないところがおもしろい。
いずれにしろ、「犬夜叉」が終わる時は、全ての謎が解けるだろうが、やはり読者の想像を超えた、同時に誰もが納得する終わり方であって欲しい。

          ☆          ☆          ☆

きのうの考察日記で作品の面白さに関してメールを下さった五月雨(さみだれ)さんからまたまたメールを頂いた。
何度かのメールのやり取りで、「もしも」の話題が出たので紹介してみたい。
ファンの「飽き」が取り沙汰されているが、では「犬夜叉」がもっと早く終わっていたらどうだったろう。

大きなターニングポイントは、ひとつに白霊山、ふたつに鬼の岩の腹の中だったと思う。
その時点まで、琥珀なり恋愛なりの問題を決着つけての但し書き付き、だが。

もし白霊山で終わっていたら、おそらく全ての読者が惜しむだろうと思う。
七人隊が大きなクライマックスで、蛮蛇人気が大爆発、白霊山に鋼牙も桔梗も殺生丸も奈落ファミリーも合流しての大団円。
(そしたら「風」や「冥道残月破」が読めなかった・・・、終わらないでよかった・・・。)

鬼の腹で終わっていたら、80%くらい?って話で一致した。
早く終われば終わるほど、惜しまれるのに描き続ける意味、それでも作品を愛するファンのためなのか、それともご自分が納得していない漫画家としての業なのか、先生に聞いてみたいと思うが、もしも目の前にいらしたら、とても聞けないだろうな、そんな失礼なこと。
 (2005年6月11日の日記) 
メールのお返事
原作少年サンデー1998年10月28日(48号)第95話「水神」

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水神編は、原作の面白さもアニメの真面目さも大好きなエピソード。
珊瑚の顔が、まだまだきつく、犬夜叉たちに完全には心を開いていない様子がうかがえる。
そんな珊瑚だが、水神編を通して少し犬夜叉たちと絆ができる。
最終的には鉄砕牙を奪って行った、奈落の城での決戦が珊瑚と仲間の絆を確かなものにするが、その前段階としては素晴らしいエピソードだと思う。

アニメ比較では蛇つながりで金蛇水神社を紹介したが、今日水神編を読み返しながらニュースを見ていたら厳島神社の修復作業が映っていた。
水中に建てられていることや、厳島神社のホームページで見ることのできる見取り図などから厳島神社も先生の念頭にあったのかなあなどと考えるのも楽しい。

太郎丸と末吉の友情や、犬夜叉たちの活躍もおもしろいが、実はこの話、ギャグテイストでありながらすごく残酷。
残酷でありながらギャグテイストにくるんでそつなく仕上げる。
初期の「犬夜叉」、高橋先生絶頂期直前の佳作だったと思う。

もうひとつおもしろいのは人間たちのトラブルに真っ先に声をかける犬夜叉。
最初の頃はあまり人間社会に関わりたくない様子を露骨に見せていたが、この辺ではすっかり正義の味方と化したなあと思った、この時期の犬夜叉はとても好もしい。
今回は妖怪たちも現れず、水神編のプロローグなのでここまでにしておきたい。

          ☆          ☆          ☆

最近の「犬夜叉愛」と「気持ちのずれ」の間で悶々としている状態に対して、たくさんのメールを頂いています、本当にありがとうございます。
お返事が間に合わないので、先にこちらでお返事を。

一番多いのは、私の気持ちが冷めてきているのでは?と心配してくださってるもの。
冷めてはいないんですよ(笑)。
ストーリーがループ状態になっていることは、最終回に向けて、話を進めるわけにはいかないのならエンドレスに続くことはかまわないです。
ただ昔に比べ、「歴史を調べる面白さ」がなくなってきていること、「過去のサンデー感想」ではアニメ比較でほとんど感想を書ききっていること、さらに環境が変わって、昔のように5時に帰って即更新というわけにはいかなくなったことが大きいでしょうね。

今年は花粉症からこの時期梅雨入りに馴染むまで、ずっと体調崩していたので、余計お休みが多かったわけで(^_^;)。
以前からの更新が頻繁すぎて、ほどほど更新になるとご心配かけるようです、すみません。
たしかに[から元気]でもなんでも、わずかに残った感想を掻き立てて無理矢理書く日もありますが。 

私が思うキャラ設定と描かれるそれとがずれてることをもう少し具体的に説明しては?とのご意見も頂きました。
そこで「かごめといてさえ桔梗を想う犬夜叉」を探そうと、コミックを引っ張り出して唖然、「ない!」。
(もちろんかごめも恋の対象になってからの話です。)
狼夜干戦の後、木の上で考え込むカットが一瞬ありますが、その時でさえ、帰ろうとするかごめに気持ちがあっさり切り替わってます。

でも私の頭の中には、闇の中、犬夜叉の木の上でひとり桔梗に想いを馳せる犬夜叉の姿がくっきり浮かぶのです。
あれってアニメだったのかな。
もしくは私が勝手にイメージつけただけで、犬夜叉は元々切り替えの早い奴だったのかもしれません。
けれど、それでもなお私の中では犬夜叉は優しい男の子、桔梗のことを忘れきれない男の子という印象があります。

だからそれを見せて欲しい、描いて欲しいといった願望が「犬夜叉はかごめといてさえ桔梗を想うはず」と決め付けてしまったのでしょうか。
これは大きなテーマです。
もう一度原作とアニメを見直して調べてみたいと思います。

「相変わらず難しい問題ですね」
頂いた一言にもうんうん頷いてしまいました。
わかってくれてありがとうございます。

それから「白霊山終了説」「鬼の腹終了説」についてですが、それは問題(琥珀、四魂、恋愛など)が解決しないうちに打ち切るということではなく、その段階で解決しての終了です。
だから上記の時期に終わっていたら、神楽の恋は描かれず、中途半端な悪役で終わっていたかもしれないし、殺生丸の天生牙も別の形で成長していたかもしれない、けれど納得させて終わることはできます、原作だから。

最近サンデーで打ち切りとしか思えないような非情な終わり方をした作品がありましたが、それでなければとりあえずは完結できます。
早期終了説、輝いているうちに終わって欲しい説は、やはり「惜しまれて欲しい、飽きられないで欲しい」という気持ちが根底になると思います。
五月雨さんの説を冷たいと感じた方もいらっしゃいますが、私はいつまでも続いて欲しいと願う優しさとは別の、確かな優しさだと思います。

私はもちろん「いつまでも続いて欲しい」説ですが、それは続いているからこそ見られる素晴らしいエピソードがあるからです。
前に終わっていれば、神楽の恋も、琥珀の成長もカットされていたかもしれない、そう思うとやはり続いて欲しいですね。

最後に一番難しいのが中立派として、やはりかごめ派、桔梗派の方々の感想とはどうしても相容れない部分です。
かごめ派の方が犬夜叉が桔梗よりかごめを選んで欲しいと願うのは当然だし、桔梗派の方が犬夜叉がかごめより桔梗を選んで欲しいと願うのも当然だと思います。
けれども前にも書いたとおり、相手の意見を否定して自分の意見を押し付けるものではないし、相手に合わせて自分の意見を変えなければならないものでもありません。

もし私の文章が押し付けに思えるようでしたら、是非指摘して頂きたいと思います。
けれども私が犬夜叉とかごめを応援しないのはおかしいというご意見には残念ながら賛同できません。
かごめがどんなに素敵な女の子かも、桔梗がどんなに素晴らしい女性かも、もちろんわかります。
わかりますが、中立派があってもいいと、私は思います。
また、それが当サイトのポリシーです。

犬かご応援サイトさん、犬桔サイトさんがたくさんあるのだから、中立派だってあっていいと思いません?
もちろん犬かご派の方、犬桔派の方々のご意見も受け入れる中立サイトです。
自分の意見は大切に、他人の意見は受け入れて、これからも考察日記を書いていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

それから定期的に(別々の人から)頂くのが「たかが漫画にどうしてそこまで」といった内容のご意見です。
私も全ての作品にそこまでのめり込むわけではなくて、たまたま「犬夜叉」が私の感性や好みにぴったり合いすぎたのだと思いますが、では「たかが漫画」と書かれる人は、その「たかが漫画」を描かれる高橋先生を始めとした漫画家という職業の人をも「たかが漫画家」と思っておられるのでしょうか。

おそらくそれはないと思います(笑)。
子供向きの絵本でも、少年向きの漫画でも、大人向けの小説でも、書く側はやはり切磋琢磨、試行錯誤を繰り返して苦労して書かれていると思います。
と言いつつ、どうしても人前で漫画は読めない私ですが(^_^;)、これまで書いてきたような課題は、実は「犬夜叉」のみならず、全ての作品、本でも映画や音楽でも、に共通するテーマなのではないでしょうか。

作品を公表することにより、感動を与えることができる、賞賛される、(お金も入る)、だけど厳しい批判にもさらされる。
長く続けばマンネリで、質が落ちれば飽きられる。
今テレビでプロ野球見てますけど、どんなに素晴らしい選手でも、毎回必ずホームランとか、毎試合全て完封はできないんですよね。
全てがそうだと思います、特にプロの肩書きがついて、お金が関わる仕事の人は。
私はたまたま「犬夜叉」を取り上げていますけれども、漫画だからどうこうではなく、作品として、それを打ち出される高橋先生の考察サイトでありたいと思います。
その限りではマンネリや飽きは、おそらくないと思いますが、いかがでしょうか。

もちろん個々のメールのお返事を書くつもりですけども、かなり遅れると思うので、主なテーマのお返事をまとめてみました。

          ☆          ☆          ☆

ガッシャー氏の「日々のかけら」にて「紅蓮の蓬莱島」DVD情報が。
ガッシャー氏の「予想通り」エピローグは未収録とのこと。
エピローグはセルDVDまで待つことになるらしい。

商業戦略の一環かな?と思ったが、レンタルDVDが先に出るのはなぜだろう。
「犬夜叉」はともかく私は先に借りて観てしまった映画は、まず買わない。
先にレンタル版が出る意味ってなんだろう。

          ☆          ☆          ☆

今週の「ブラックジャック」にまたまたかごめのママの百々麻子さんが看護士として登場。
今では「ブラックジャック」の番組レギュラーなのかなあと思うとちょっと寂しい。
もちろんBJやコナンで元気に活躍されている姿を見るのは嬉しいけれど。

あと桃果人の堀秀行さんも手塚医師でちょくちょく登場されている。
ちなみに来週は「うる星やつら」の竜之介こと田中真弓さんと馬頭&煉獄鬼の巻島直樹さんが登場予定。
田中さんは他に「サクラ大戦」で見たことあるが、声の質変わった?なんて思ったりして。
未だにアニメの余韻を引きずって、月曜日は焦り気味、なんとなくテレビ&パソの前に座ってしまい、なんとなく見てしまう(苦笑)。

ところがフジだったかテレ朝だったか忘れたが、5時からのニュースでも堀秀行さんがナレーションを担当されていた。
回転寿司の特集コーナー。
コナンには悟心鬼&左慈の佐藤正治さんが出演された。
 (2005年6月13日の日記) 
三種の神器
原作少年サンデー1998年11月4日(49号)第96話「神器」

     ☆     ☆     ☆

恥ずかしながら、私はずっと「神器」を「じんき」と読んでいた。
漢字を出そうとしたら変換できなかったので、えっ?と思ってコミックを見直してみたら「じんぎ」だった。
何回読んだかわからないほど読み返したのにこれまで気づかなかったとは・・・。

ニセ水神は「雩(あまこい)の鉾」を神器として扱うが、最初にアニメで見た時、私の中で本来の三種の神器と雩の鉾がすり替えられてしまった(笑)。
三種の神器、難しいような気がするが、ひとつは草薙(くさなぎ)の剣。
「草を薙ぎ払う」などといった使い方をするが、有名なのはヤマタノオロチ退治をした素盞嗚尊(スサノオノミコト)。
8つの頭を持つ大蛇に酒を飲ませて眠らせて退治したところ、その体内から出てきたのが草薙の剣。

「らんま」でも蛮骨&獣羅の草尾毅さんが真之介役で登場する「蘇る記憶」でモチーフにしていたので、ご覧になった方も多いのではないだろうか。

          ☆          ☆          ☆

ワニに皮を剥がれてしまった白兎を助ける「因幡の白兎」伝説でも有名だが、初めてこの伝説を読んだ時、「日本にワニがいるんだぁ。」と妙に感心したことを覚えている。
ところが後に、ワニではなくワニザメであったことが判明(笑)、あの本は間違っていたわけ。

注;「因幡の白兎」に登場するのは素盞嗚尊ではなく、その息子の大国主命でした。
申し訳ありませんが、すでに読まれた方もいらっしゃると思いますので、直すことなく付け足させていただきました。


          ☆          ☆          ☆

長くなったが、伝説というより昔話で有名な素盞嗚尊の草薙の剣(つるぎ)がひとつめの神器。
後に熱田神社に奉納されたとされるが、壇ノ浦の戦いで平家一族と共に海の底に沈んだという記述もある。
源頼朝の日暮神社がらみで源氏にも興味を持つようになったが、元々は栄枯盛衰を地でいく平家の物語に興味あり。

ふたつめは八咫鏡(やたのかがみ)。
これも言葉は難しいが、天照大神が上でも出てきた素盞嗚尊の乱暴なのに腹を立て、天岩戸に隠れた時に、天照大神を引っ張り出すために作られたのがこの鏡。
どのような使われ方をしたのかは寡聞にして知らないが、この鏡が2面あることが、犬映画「鏡の中の夢幻城」の神無の鏡と対を成す鏡の元ネタなのかなあと思ってみたり。

そして3つめが八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)なのだが、それをてっきり雩の鉾だと信じてしまったのだ(笑)。
コミック(原作)で読むまでずっと信じていたのがおかしいが、「八尺」はサイズにして一尺30センチとして270センチ!?
「瓊」は十二国記に登場する美貌の「祥瓊」と同じ「瓊」、「美しい玉、赤い玉」の意味。
この場合は「たま」というより「ぎょく」と読む。

「勾玉」は犬夜叉の言霊の念珠を作っている細長くてカーブになっているもの。
装身具の一部だそうだが、これらを合わせると3メートル近くの巨大勾玉?ちょっと想像つかない・・・。
剣や鏡ならともかく、こんなでかい物、どうやって作ったんだろ・・・。

でも「雩の鉾」もなんか立派そうな名前じゃない?
「雨乞い」でもなく「雨請い」でもなく「矛」でもなく「鉾」。
どこかの神社でもしかしたらいわれがあったりしたら嬉しいかも。

感想としては、隠れようとする太郎丸と、あっさり出て行く犬夜叉、やっつけられると沢蟹や鯉に戻る化身がおもしろかった。
けれど、妖怪が神器を持ったことで神の領域に入ったのか、珊瑚や弥勒が勘違いしただけなのか、ニセ水神の立場がおもしろい。
「眷属」という言葉、「身内」と解釈すると曲がりなりにも神様だし、「家来」とするとただの蛇。
後の犬夜叉たちを助ける金魚?たちとの会話によると、どうやら後者のような気もするが。

          ☆          ☆          ☆

今日買ったコンビニ「めぞん」、裏表紙はあさって発売の犬夜叉ゲーム「奥義乱舞」の宣伝広告。
原画とアニメ絵の差か、大人のラブストーリー(一応)と少年漫画の差か、別の漫画家の作品みたいだった。
今回予約はしていないので、当日買いにいけるかなあ・・・。
 (2005年6月14日の日記) 
三種の品と犬神家
原作少年サンデー1998年11月11日(50号)第97話「神の正体」

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「眷属」という言葉、「身内」と解釈すると曲がりなりにも神様だし、「家来」とするとただの蛇。 後の犬夜叉たちを助ける金魚?たちとの会話によると、どうやら後者のような気もするが。

と書いたが、それは今日の結論を引っ張り出すためで、私はニセ水神も一応は水神の身内と思っている。
理由は、雩の鉾を使いこなしているからで、たとえば犬夜叉たちを助けた金魚?の眷属などは、おそらく持っても使えないのではないだろうかと思うから。

そう考えると、「原作アニメ比較」で書いたとおり、本物の水神様もまた蛇の化身であったかもしれない。
これも実在する金蛇水神社のいわれと合致することになるので、私としてはそうであって欲しいのだが(笑)。
ちなみに「原作アニメ比較」では

そして水神、ニセ水神の物語。
モデルかどうかはわからないが、宮城県に金蛇水神社というのがある。
平安時代中期頃、京都の刀鍛冶が、天皇の刀を作るための水を求めて、全国を渡り歩 いていた。
そして、この場の水神宮の水の清らかさに感動し、その水を使って刀を作ることができた。

刀鍛冶は感謝を込めて、「雌雄一体の巳(ヘビ)の姿を献納してから京都に帰ったと いう。
以来、これを御神体とし、名前も「金蛇水神社」と改めたというのである。
「犬夜叉」のニセ水神は、一応水神の眷属(血筋の繋がった一族、あるいは家来の 意)ではあるが、男性女性という風に考えると、まさに雌雄一体、ここからヒントを 得たのかもしれない。

ニセ水神は、後で蛇の姿に変わっているが、もしかしたら、本物の水神も、本体は 蛇かもしれない。
だとしたら、知らずに去った弥勒は幸せ者である。

ただし、実在の神社は、湖にあるわけではなく、水神の着物も全く違うので、確定は できない。

とまとめている。
高橋先生が本物の水神さまの正体まで設定されていたかどうかはもちろんわからないが、そうだったらいいのにな。

水神編はともかくおもしろい。
最初に読んだ頃よりおもしろく感じるのはなぜだろう。

ひとつには犬夜叉の戦い方の変化にあるのかもしれないと思う。
以前も書いたが、犬夜叉は「風の傷」会得以降、あまり動かなくなった。
好みだろうが、私は初期の散魂鉄爪や飛刃血爪で戦う犬夜叉が好きだった。
当然攻撃範囲が狭いので、飛び回って跳ね回って(時には殴って)、とにかく動きがあった。

それだけかごめたちもよく動いた。
風の傷や爆流破に、かごめたちは見事なほど巻き込まれないが、最近はギャラリーのことが多いので、その意味でもそれぞれが必死で戦う水神編はお気に入り。
それにしてもコミック10巻154ページ、流される犬夜叉と岩がぶつかる寸前の犬夜叉、ちいさな犬夜叉、可愛すぎっ!(笑)

さて「神器」という言葉にぽんと頭に浮かんだのが横溝正史著「犬神家の一族」。
こちらは神器ではないが、「斧(よき)琴菊」の3つの家宝が関わるおどろおどろしい殺人事件。
見立て殺人の名手は多いだろうが、私が好きなのは海外ではクリスティー、そして日本では横溝正史。

ところでこの事件の舞台は信州(長野県)設定だが、「那須神社」が登場する。
那須神社の名前は知っていたので、そこがモデルだろうと思っていたら、那須神社は栃木県だった。
なぜ知っていたかというと殺生石の近くにあるから。

近いと言っても地図の上なので、実際どれくらいの距離かはわからないが、殺生石は中国よりやってきた九尾の狐が「玉藻前」となって悪行の限りを尽くす。
殺されてもなお殺生石となって毒を放つが、玄翁和尚により破壊される。
かなづちのことを玄翁というのはここから来ていると言う。

玉藻稲荷神社という神社があるそうなので、是非行ってみたいのだが。

実在の那須神社といえば「那須与一」が有名。
義経の命を受け、扇を射落とす弓の名手。
なぜそんなことをしたかというと、平家との海での戦で平家が美しい女性に扇を持たせて漕ぎ出させるという挑戦をしてきたため。
風は強いし波は揺れる。
その中で見事射落とせるかという「義経」への挑戦だったというが、嘘かまことか義経は小柄で弓が苦手。
それで那須与一にお鉢が回ってきたらしい。

美しい女性が出てくるところ、見事扇を射落とすところ、その美しさとどこか雅な戦には一時期とても憧れた。
那須神社というからには那須与一を祀っているのだろうと思っていたが、そうではなく、那須与一が成功するように祈願したといわれる神社、与一の生誕地にあたるらしい。

神社自体もずっと古く、では「那須」の苗字は元々「那須」生まれの「与一」という意味なのだろうか。
調べてみたらおもしろいかもって「調べてみたら」「後で書く」と書いてほったらかしになっているテーマがいくつあることか(涙)。

話がそれた。
「大嶽丸」「酒呑童子」と共に三大妖怪と恐れられた玉藻前だが、七宝始め数々の伝説や物語が生まれる原動力となった印象に残る妖怪の一人。
詳しくは「犬夜叉考察2」の「パラレルワールド 〜妖怪の分類」でも書いたが、こういった伝承を調べるのは本当におもしろい。
上記大嶽丸は、名前を変えて「犬夜叉」にも登場していたりして?(大獄丸)、それもおもしろい。

私が「犬夜叉」にハマるわけ。
話のおもしろさもさることながら「戦国」と「物の怪」があることは前にも書いた。
そのきっかけは池波正太郎著「真田太平記(戦国)」と柳田國男著「遠野物語(物の怪)」。
この2冊を読んでなかったら、おそらく「犬夜叉」も普通の漫画で終わっていたかもしれない。

最後にもうひとつ、「犬神」とは「狼」の別名でもあるらしい。
鋼牙が喜びそうだ、犬夜叉が怒りそうだ、私はもちろん鋼牙の味方(笑)。
是非犬夜叉には鋼牙を敬い奉って欲しいものである。
 (2005年6月16日の日記) 
二枯仙とニセ水神
原作少年サンデー1998年11月18日(51号)第98話「本物の水神」

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ニセ水神の「眷属」に関してちょっと補足を。
犬夜叉たちを助けてくれた金魚?たちはニセ水神も「自分たちと同じ精霊」発言をしているが、ではこの金魚たちが神器を得たら神器を使いこなせるかといえば、使いこなせないだろうというのが私の解釈。
「精霊」「眷属」といった言葉にこだわり過ぎたが、私が思っているだけだということは書いておきたい。

そのニセ水神がかごめ達の隠れている小部屋への現れ方(コミック10巻170ページ)が、今週号のサンデー、川岸の穴(朔犬たちが隠れている)への二枯仙の現れ方(サンデー29号224ページ)と瓜二つで、ちょうど水神編の感想を書いている時だけに大うけしてしまった。
ただその時々のかごめの表情のあまりの違いが興味深い。

どちらも命に関わる土壇場なのに、ニセ水神ではまるでギャグ。
転じて二枯仙編では超シリアス。

水神編を描いている頃の高橋先生、楽しくて楽しくてたまらなかったのかなあと思うことがある。
最近でもギャグの入ったシリアス戦闘はよく見かけるが、この頃のようには笑えないのは、「狎れ」か「飽き」か「マンネリ」か。
もっともこのように感じるのは、初期の「犬夜叉」と今の「犬夜叉」を読み比べているかもしれないなあと思う。

「今の今まで」無事だったちびっ子3人、犬夜叉をバカ?って思う珊瑚、アニメほど台詞はないけど「きりっ」で助平心全開の弥勒、金魚の「しくしくしく」など、笑いも散りばめ、大真面目なのは犬夜叉だけだったり(笑)。
特に素敵なのが、奇麗なのに、これも笑える水神様。
原作の天然に比べ、アニメでは貫禄あったが、勝生真沙子さんの艶っぽい声は大好き。

声優さん単位ではなく、キャラ声として好みを言うと、私は女性は甲高い声より低めの深い柔らかい声、男性は低めの声と透明な声が好き。
「言い訳がましく」言い訳すると(笑)、雪野五月さんのかごめは苦手だけど「サイボーグ009」のフランソワーズの声は好き、とか嶋方淳子さんの大喬は好きだけど小喬出ると頭痛がするとか。

今日の金曜ロードショーはケビン・ベーコンの「インビジブル」、今一番好きな声なので、もちろん英語で見るつもり。
あっ、でも声優さんは誰かな?気になったり。
それにしても「戦慄の官能サスペンス」はないと半ば怒りがこみ上げてきている状態。
そうあおれば、視聴率上がると思っているのかなあ、なくはないけどそればかりじゃないよと恕(;一_一)状態。

ところでこの勝生真沙子さん、アニメ「犬夜叉」では水神様でしか出演されていないが、アニメ「十二国記」にて「驪媚&汕子」で究極の女性愛、女性像を見せてくれる。
外国映画の吹き替えでは、ジョディ・フォスター、デミ・ムーア、シャロン・ストーン、ジュリア・ロバーツに、ととにかくそうそうたる数の女優さんを担当。
他の主役級一定年代の女優さんの吹き替えは他にいないの?ってくらい幅広く網羅、すごい。

話を戻して犬夜叉は水が苦手?なのかなあ。
犬かきくらいはできるだろうけど(笑)、一度まともに泳いでるとこ見てみたい。
(アニメの鋼牙運びの後は泳ぐというより浮いてただけ。)
やはり犬かきだろうか(笑)。

これで10巻もようやく終了、にもかかわらずアニメは未だに27回め。
いかに最初飛ばしていたかがよくわかる。

そして10巻の宣伝ページに唖然とした。
「いつのまにか二人はお互いを好きになっていて、ある日かごめが犬夜叉に告白。
いつまでもそばにいると誓った二人の仲は、これでもう・・・
たぶん・・・大丈夫。」
こんな漫画なら話は早いのだが・・・。
 (2005年6月17日の日記) 
今日から11巻
原作少年サンデー1998年11月25日(52号)第99話「竜巻」

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高橋先生はカラー表紙などのサービス時でもほとんどオーソドックスな絵しか描かれないようだ。
犬夜叉一行勢ぞろいにその時々で殺生丸が加わったり鋼牙が加わったりするが、絵的におもしろいものが少ない。
できれば以前のケーキバージョンとかお茶席バージョンのような絵をがんがん描いて欲しいなあと思う。
アニメの方はカレンダーやマウスパッドなど使って、みんな現代勢ぞろいとかたくさんあるが、是非みんなでディズニーランドとか秋葉原アニメイトとか、繰り出した絵を原作絵で見たい。

ちなみに私が好きなカラー絵ベスト1は「天下覇道の剣」の犬夜叉かごめ2人のポスター。
青と白を基調にしたシンプルなもので、色付きの顔より好きかも。

水神編、私の中で主役は水神さま。
サンデーでどうだったかはわからないが、ただでさえ小さな水神さまが小さなコミックで点々点々、まるで手抜きみたいな描かれ方なのに寝てしまったり握りつぶされそうになったり、とにかく笑える(ぎゅるとか、笑)。
そんな展開の中でも水切りの法、雲切りの法などをしっかり見せてくれるが、ここを読むとなぜか「葛きり」が食べたくなる。

笑ってしまうのは読んでる方だけで、犬夜叉は水神さまがいなければあわやの場面、その水神さまもあわやの場面でかごめが助ける。
犬夜叉の底力を知らない珊瑚の「くたばりぞこない」発言が凄い。
基礎体力やパワーで圧倒的に劣るのに、犬夜叉と対等に張り合おうとする、退治屋の自身が凄い。
同時にまだ仲間意識が薄く、勝手に戦おうとするところが初期の珊瑚には興味深い。

結果的に珊瑚のスタンドプレーはニセ水神に隙を与え、危機一髪のところで犬夜叉に助けられることになる。
それでも犬夜叉の「オトリ」発言に「むかっ」とするあたり、実は犬夜叉珊瑚は似た者同士。
けれど、飛翔力で誤魔化してるけど、「飛べない」犬夜叉はこういった相手には不利なはず。
でも信じられないほどのジャンプ力で、これ以降長物相手、飛ぶ敵相手に困ることないのが可笑しい。
雲母に乗って戦う犬夜叉、じっくり見てみたい。

ところで犬夜叉珊瑚は似た者同士と書いたが、アニメでは珊瑚の柔らかさを最初から打ち出しているせいか、水神編ですでに仲直り、見事な連係プレーを披露してくれる。
なんて書きながら、つい水神編のDVDを引っ張り出してしまったが、初期のアニメ、たしかにカットしまくり、飛ばしまくりの感は否めない。
にもかかわらず、最終回まで見てまた最初に戻ると、最後にはできなかった気持ちのいい端折り方してるなあと思わずにはいられない。
意外に初期の方が思い切ったことしてるんじゃない?というかできてたような気がする。

原作物においての但し書き付きだが。
オリジナルに関しては、別の意味で思い切っててこれには思い切り引いた。
もう何十回も観ている犬アニメ、七人隊直前のオリジナル攻勢の中にはもう見ないと心に決めた作品が何本かある。
それだけインパクトあったことは確か(笑)。

水神編は原作もアニメもとにかくおもしろい、とまた言おう。
原作のギャグを散りばめた犬夜叉苦労の巻を読むのも楽しいが、アニメのまずは音楽、そして戦闘シーンの迫力は、映像作品としての醍醐味を満喫させてくれる。

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今感想を書きながら11巻をパラパラめくっていたら、95ページ第5話「蠱壺虫」の表紙絵に目が止まった。
ここに来ると必ず思い出すのが睡骨「黒い光」の表紙(コミック27巻59ページ第6話)、片や睡骨片や弥勒、しかも顔の左側を隠すようにそれぞれ犬夜叉と桔梗がいる。
犬夜叉の動と桔梗の静の違いはあるが、アップの弥勒と睡骨のつらそうな顔までそっくりで、これらが私の弥勒と睡骨のベストカット。
特にこの睡骨は、これまでの「犬夜叉」全カットの中でも一番好き。

やっぱり私は苦しげな顔&声が好きらしい、もちろんアブナイ性格ではない(笑)。
コミックが手元にある方で、興味があったら是非見比べて欲しい。
構図といい弥勒と睡骨の雰囲気といいそっくりだから。

今日の突っ込み。
11巻の後、


「死んだはずの珊瑚の弟 琥珀が生きていた・・・・・
卑劣な手段で犬夜叉たちを陥れようとする奈落。

 ・・・・許すまじ!!

爆笑したのは私だけ?誰の台詞だ(笑)、もちろん爆笑するところではない。
意外に笑える文章が多い(もちろん素敵な時もある)。
コミックが手元にある方で、興味があったら是非見読み比べて欲しい。
1巻からずっと裏表紙を読んでいくと、時々笑える。
先に絵があって、そこにかからないように考えるのも大変なんだろうな。

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きのう犬夜叉映画「天下覇道の剣」が7月16日以降スカパーにて放映と情報を載せましたが、penpenさんより情報を頂きました。

7月26日よりアニマックスにてアニメ「犬夜叉」がまた第1話から放映されます。
もちろん現在続いている再放送もそのまま続くので、「アニマックス」によると

27日は
第 1話 時代を越えた少女と封印された少年
第 2話 四魂の玉を狙う者たち
第67話 吹き荒れる裏切りの風

と3話、

28日は
第67話 吹き荒れる裏切りの風
第 2話 四魂の玉を狙う者たち
第 3話 骨喰いの井戸からただいまっ!

と豪華なラインナップ、ほとんど毎日見れるようになるのでしょうか。
これでまた新たなファンが急増&離れたファンが戻る現象が起こるといいですね。
penpenさん、ありがとうございました。
持ってても録画してしまう私、DVD&ビデオを買って待ちましょう。

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今朝、辛坊治郎さんの「ウェークアップ!ぷらす」で「キムチ・トンカス・犬夜叉、タ〜チュワヨ!(全部好き)韓国で日本ブーム?」という特集が放映されました。
韓国のケーブルテレビアニメ専門チャンネルの「トゥーニーバス」で放映されているということで、「名探偵コナン」と共に有名なようですね。
辛坊さんは秋葉原電気街のそばにお住いとか、お会いしたいわ♪

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先日掲載したアメリカ版犬夜叉カード(高橋先生のサイン入り)ですが、こちらで見ることができます。

 (2005年6月18日の日記) 
連載100回
原作少年サンデー1998年12月2日(1号)第100話「大蛇成敗」

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水神編最終話にて連載100話。
全国の犬夜叉ファンの中で、連載1回から読み始めた人はどれくらいいるだろう、うらやましいなと思う。
きっと巻頭カラーとかコメントとかプレゼントキャンペーンとか大々的に行われたんだろうな。

11巻の表紙の次のページ、大蟷螂の隣の白黒ページは弥勒と狸。
「八衛門」はアニメ名だが、この表紙もすごく好き。
ついでに第3話「風穴の傷」の木にもたれかかる弥勒も好き。
原作の弥勒は私は横顔の方が好きかもしれない、と忘れないうちに書いておく。

「雩の鉾」だが、私は最初「雨乞いの矛」だと思っていたことは前に書いたかな?
「雩」は母に聞いたら「雨乞いの儀式そのもの」を指すのらしい。
ただしこれはほんとかどうかはわからないが、「雩」は特殊漢字であり、昔の中国から伝わってきた「雨乞い」の原形と考えてみたらどうだろうか。
それから「鉾」だが、私は「三国志」の張飛の武器「蛇矛」のイメージから、「矛」は武器、「鉾」は神器なのかなあと思っていたら基本的には同じものらしい。

この「矛」といえば有名なのが「日本神話」、子供向けの絵本などにも出てくるのでご存知の方も多いのではないだろうか。
イザナギとイザナミという2人の神が矛で海をかき回したところ、日本の形が生まれたという「国産み」の話。
この場合が「矛」なのだが、高橋先生がどういう風に思考を働かせて「雩の鉾」という名前をつけられたのか、とても興味深い。
「雨乞いの矛」じゃあまりにも当たり前で、こんなところでも先生のセンスが光る。

ちなみに「三国志」によるとこの「矛」と「盾」で「矛盾」という言葉になるという。
どんな盾をも貫く矛売りと、どんな矛にも負けない盾売りが喧嘩したら?という話。
真・三国無双」では、前述の張飛とその娘星彩(ほとんどオリジナル)が矛を使う。

ところで上記のイザナギとイザナミ、覚えていらっしゃるだろうか、「原作アニメ比較 1」の「赤い櫛 〜結羅撃退」にも書いた「黄泉がえり」。
一緒に国を作った2人だが、イザナミが死んでしまい、嘆き悲しんだイザナギは黄泉の国までイザナミを迎えに行く、そして・・・という話。

さて本編は犬夜叉、太郎丸&水神さまの大活躍の巻。
かごめの応援と思ってみたら「鉾よこせ」発言にめげてみたり、肩をこきゅっが可愛い。
肩こるのか?犬夜叉、まあ500歳だし(笑)。

弥勒がせしめてきた宝の使い道も気になるし。
犬夜叉が怒っていたが、どうしたんだろ、結局。
どこかの貧しい村に寄付していったとか、弥勒の言葉どおり売り払ってどんちゃん騒ぎしたのかとても気になる。

けれども犬夜叉たちに会えたおかげで太郎丸は成長し、友情も失わずにすんだ。
本当ならば、息子の代わりに人の子を喰わせる名主は村人たちに恨まれるだろうし、何より末吉の親がいたらどうだろう。
太郎丸をも恨まない末吉はでき過ぎだし、残酷さにかけては作品中でもかなり上にある話、うまくまとめたものである。

最後の最後は弥勒の見せ場、そばに控える金魚たちも可愛らしくて、大満足のエピソードだった。

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今日は「ブラックジャック」にトリトンもどきで田中真弓さん、久々に聞くとずいぶんハスキーになったような。
煉獄鬼の巻島直樹さんが男でご出演。
「名探偵コナン」には神無&「十二国記」の蓉可のゆかなさんが登場、懐かしかった。

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違っていたらごめんなさい。
「m&m」のコマーシャル、山口勝平さんじゃないですか?
見るたびに気になります。
公式サイトがないのはこういう時に困りますね。
 (2005年6月20日の日記) 

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