十二国記感想 4
つらつらと・・・
以前「十二国記」を読んでくれた人が、「漢字が多くて難しくて意味が全然わからない、投げ出しそうです。」とメールをくれました。
実は私も、未だに意味を把握していない言葉もたくさんあります。
難しくてつい読み飛ばしてしまうところもあります。
でもおもしろいと感じてます。

この方は一生懸命読んでくださったんでしょうね。
特に「十二国記」は中国物に近いので、理解しようとすると読むのが辛くなるかも。
私は読書好きと言えるかもしれませんが、読むもの全てをちゃんと理解しようと思ったことはないです。

読めない漢字は読み飛ばし、意味がわからない時は勝手な解釈をつけます。(笑)
わからなくてもいいからとりあえず最後まで読んでみる、いい本は、途中の意味などわからなくてもその勢い?エネルギーのようなもの?があって、けっこう読めるものです。

昔、英語の先生もおっしゃってました。
「洋書を読む時は、辞書を用意して1つづつ調べながら読んではいけない、わからないところは飛ばして読みなさい。」と。
いえ別に洋書読んだことはないですけど。
読書嫌いな人って意外とちゃんと読まなきゃ!って構えちゃうんじゃないかな、そう思います。

本のおもしろさって最後まで読まないとわからないような気がします。
興味を持ったらそれから調べてみればいいことで、いちいち立ち止まっていては作品としてのおもしろさを味わえないのでは?
おかしな言い方ですが、苦手な人は斜め読み、飛ばし読みも効果的かもしれませんね。

          ☆          ☆          ☆

何が入ってるかわからないビデオが出てきて、「消してもいいのかなあ・・・」ととりあえずつけてみたら、「らんまスペシャル よみがえる記憶」が入ってました。
見るつもりで録画してすっかり忘れていたんですね。
そしたらなんと草尾(蛮骨)毅さんが「真之介」なるめちゃくちゃかっこいいキャラで出演されているではありませんか!

うわっ、犬夜叉と桔梗としゃべってる〜!ってびっくりしてしまいました。
るーみっくファンなら何を今更って感じでしょうが、私は初めて見たので・・・。
これいつ頃の作品なのかな?草尾さんの声も蛮骨ほど太くないですね。
もちろん役に合わせて使い分けってこともあるのでしょうが、やっぱり経験を積むと深みのある声に変わるんでしょうか?

それにしても草尾さん、「バビル2世」や「魔法使いサリー」に出ていらっしゃるんですね。
かなりベテランの方なんでしょうか、それともリメイク・・・?

ちなみにごめんなさい!
今日この瞬間まで「草尾つよし」と読んでました。
「草尾たけし」さんなんですね。

このらんまには、怪しいヤマタノオロチが出てくるんですが、今私が見てる「世界ふしぎ発見!(録画)」にもヤマトタケルがらみでヤマタノオロチが出てきてます、偶然ですがおもしろい・・・。
(ヤマタノオロチの声は八衛門狸の中嶋聡彦さんでした。)
その前は「コナンスペシャル」見てました。(笑)

ファンの方に叱られそうですが、私には「らんま」の乱馬も「コナン」のキッドもみ〜んな犬夜叉に聞こえます。
いいなあ勝平ファンさんは、いつでも犬夜叉に会えるみたいで・・・。
私は鋼牙くんに会えないので良牙くんに♪
実際このスペシャルでも良牙が一番かっこ良かったと思います。

          ☆          ☆          ☆

きのうのゲーム日記読んでくれたプライベートな友達に、「連日連夜遊んでいるの?」と聞かれました。
ゲーム日記だけでも「真・三国無双」「犬夜叉」「十二国記」だしね、そう思われても仕方ないです。(笑)
でもきのうの日記分は正味15分くらいです。
ハマってるのは事実ですが、そんなに遊んでるヒマはないです。
仕事あるし更新あるし、主婦だしね。(笑)

今日はテーマが思いつかなかったのでつらつらと思ったことを書いてみました。
 (2004年4月16日の日記) 
「十二国記」ゲーム日記
今日は遊びに行く予定だったけど、いっちょまえに体調崩してキャンセル。
最近ドタキャン多いので信用失ってるな、私。(笑)
で、うちで何しようかなあと思ってたら、「そうだ、犬夜叉ゲームの攻略本出たんだ !」と突然気づいてよたよたと・・・。
ついでにビジュアル三国志と柴田錬三郎版「三国志」。

書店に行くのが怖い今日この頃。
あっという間にお札が飛んでく。
でも犬夜叉ゲームは何度かクリア、攻略本にもざっと目を通したところ、逃したイベ ントもないのでそのまま本棚に。
無双はちょっと辛いので、久々に十二国記ゲームに取り掛かり。

十二国記アニメの方は、どうも気持ちが落ち着かなくて(犬夜叉関係で)、「Xファ イル」と共にいまだに停滞中。
特に次回は祥瓊、陽子、鈴の決め台詞がものすごく楽しみなので、集中して見たい じゃない?(笑)

さて、ようやく雁に着いた陽子、巧に比べてあまりの活気に圧倒される。
本当ならばここで楽俊と再会するのだけど、好感度を下げまくったので楽俊雲隠れ。 (涙)
選択肢によっては、尚隆に雇われ、2人旅と言う垂涎のイベントもあるんだけれど、 そのためには楽俊に「止め」を刺さなければならず、ゲームと言えどもそれは辛い、 でも見たい。

鍛えた陽子は自信満々で闘技場へ。
(なんたって特殊技全部制覇)。
雑魚妖怪相手になすすべもなく惨敗、なんで?
しかもアイテム使いまくり、それでも惨敗。

試合後あわてて回復アイテム買いに走ったら、宿に泊まるお金もなくなってしまった ・・・。
こちらが強いと、雑魚も合わせて強くなって登場するらしい。
こちらの選択肢は、杉本がいないので、「本来のアニメ」版を見ることができる。
変わりに偽王にだまされる半獣が登場、けっこう苦戦。

それでも何とかしのいで壁落人に会う。
この辺は原作と同じで、ただし楽俊がいないので、わりと淡々と進む。
また、原作ならば容昌で妖魔と戦っている時に、尚隆が助けに来てくれるはずだが、 ここは延麒ルートなので陽子は孤軍奮闘、寂しい・・・。
代わりに戦闘後、六太がのほほんと現れた。

壁落人の手紙を読んだと言い、初めて正体を明かす。
陽子が13,4歳に見えるとか相変わらずお口が上手。(笑)
その後、慶の現状を説明し、陽子を玄英宮に連れて行く。
豊かなだけあって回復アイテムも雁風お好み焼きとか豪華、食べたい・・・。

ここでお休み六太リポート。
相変わらず風邪気味?っぽい山口さんがいかにも楽しそう。
尚隆の蓬莱での名前は?「小松太郎親分」それはないだろうって。(笑)
でも麒麟の「麒」「麟」の字は何画か、思いっきりはずれ。

笑えるクイズは「失道とは何?」
「工事中に道路が壊れること」
「麒麟が夜道で迷うこと」爆笑。

このクイズを完全クリアすれば六太から「犬狼真君」カードがもらえるのだけれど、 根気がなくてパス。
そしてやっと尚隆登場、すごく可愛い顔してます♪
特に真正面顔。
3,4月のカレンダーはいかにも悪そうな?顔だったけど、こちらの尚隆ほんとに可 愛い。

鬼蜘蛛無双の家中さんもすまして登場。
尚隆と陽子、六太の会話で陽子の王たるゆえんが明らかにされていくが、原作を知っ てる人にはちょっと退屈かも。
ここは尚隆の美声に聞きほれるだけ、でも長い。

王になるか否か、迷った陽子は即答を避け、再び街に下りる。
そしてなんと!ここで楽俊と再会。
王であることを打ち明け、「おいらには3歩だ。」の名台詞が続くが、あまりには しょってさくさく進むので、何となく終わってしまった感じ。
それより「一緒に来て欲しい。」と頼む陽子に、「大学を出て母ちゃんを呼び寄せた い。」と断る楽俊。

やっぱりつんけんしすぎたのが悪かった?ごめんね楽俊。
でも陽子=王を知って飛び上がるところ、抱きつかれて慌てふためくところは可愛 かった。
楽俊が玄英宮に来なかったので、夜のテラスで陽子が悩む時に登場するのが六太に変 更。
尚隆と自分の過去を語る。

やがて陽子は王になることを決意、景麒を取り返しに行く尚隆たちに同行する、今日 はここまで。
 (2004年5月8日の日記) 
アニメの翻訳
パソコンで写真(犬バス)の整理をしていたら、NHKで「英語でしゃべらナイト」 だっけ?そんな番組が始まりました。
それがなんと、世界に名だたる?日本のアニメの特集だったので、つい見入ってし まったのですが、残念ながら「犬夜叉」はじめ、るーみっく作品はなし。

「名探偵コナン」はクイズに登場していたんですけどね。
コナンのタイトルは英語で「CASE CLOSED」と言うんだそうですよ、「一件落着」、 笑えます。
ちなみに「筋肉マン」は「ULTIMATE MUSCLE」、「究極の筋肉」だそうです。
筋肉マンって、私にはギャグ漫画のイメージしかないのですが、こう言うとかっこい いですね、劇画みたい。

国際アニメフェアの映像も流れてましたが、メインは「千と千尋の神隠し」。
ところがその後、ニューヨークで行われているアニメ「十二国記」の翻訳&収録風景 が流れたんです、もうびっくり!
「そうか、NHKだしな。」と納得したり、「アメリカでも放映されてるんだ。」と嬉 しかったり。

ところがこの翻訳、難しいんだそうです。
ここに出てきたのは、楽俊が陽子が王であることに気がつく場面。
「陽子、いやあなたは慶国の新たな王です。」

これまで気安く呼び捨てにしていた楽俊が突然改まる、「敬語」の「あなた」です。
ところが英語では「You」ひとつだけ。
日本語の「あなた、君、貴様、あんた、あなた様?」などいろいろな言葉で表現でき ないので、言い方(優しく、厳しくなど)で感情を表すにしても、敬語はちょっとわ からないですね。

そこでどうしたか、「Majesty」と楽俊に言わせます。
「陛下」ですね、この場合は「女王陛下」という意味合いを込めるようです。
「陽子、いや女王陛下は慶国の新たな王です。」となりますが、そこをうまく「陽 子、いやあなたさまは」という含みを持たせるように台詞も帰るんでしょうね。

おもしろいです、すごくおもしろい。
英語を和訳するのは何度かやったことがありますが(P・コーンウェルの原書を読ん でみようとした、無謀にも、笑)、たぶんそっちの方がらくだと思います。
ここで楽俊役の声優さんがしゃべってくれるんですが、あれ?意外とおじさん。

ところが声に癖がなくて、ものすごく素敵。
実は私、アニメの楽俊の声にちょっと違和感があって・・・、ごめんなさい。
小野先生自ら選考には関わられたたと聞いているので、こちらがイメージがおかしい んだと思います。
でも英語版楽俊、それこそ櫻井孝弘さんか小野坂昌也さんよりさらに癖のない感じが 素敵でした。

楽俊って庶民なんですが、すごく身分の高い人に見えてきたけど。(笑)
この製作に山本アンナさんという方が取り組んでおられるんですが、残念わかりませ んでした。

おまけでティム・バートン監督が登場。
日本のアニメやゴジラを熱く語ってました。(笑)
けっこう好きな監督で、特に「スリーピーホロウ」は何度も観ましたね。
他には「シザーハンズ」「バットマン」シリーズ、「ビートルジュース」に「ナイト メア・ビフォー・クリスマス」など。

でも日本語の「英訳」、おもしろそうですね。
特に十二国記などは難しいでしょうが、やってみたいなあ、自分流「犬夜叉」とか。
偉そうでごめんなさい、アメリカのアニメコミック読んでると、時々えっ?と思うこ ともあったので。
自分でやったらずっとひどくなること請け合いです。           ☆          ☆          ☆ 後日上記で紹介した山本アンナさんから掲示板に書き込みを頂きました。

262 はじめまして アンナ - 2005/01/07 08:44 -
明けましておめでとうございます。
始めてカキコさせてもらいます。
今回偶然「十二国記を語る部屋」を見つけてしまいました。
アメリカ版の十二国記の翻訳やってたアンナです。
なんだか「ああ、大変だってわかってくれる人もいるんだ・・・」とかなり元気づけられました。
私は小説の方は知らなかったんですが、翻訳をやる事になり読む事に。それで見事にはまってしまいました。

もう十二国記の翻訳の方は終わっちゃいましたが寂しい反面やっぱりホッとしたのが本音です。
それでも続編が作られる事を心から願ってます。
今度からちょくちょくお邪魔させていただきます。

山本さん、ありがとうございました。
 (2004年5月11日の日記) 
乗月(第41話)
これ「乗月」じゃないよ、「風の万里―」から「東の海神 西の蒼海」へのつなぎだ よ!よあきれてしまうほどの3倍速、いえ5倍速。
蓬莱時代も尚隆を特定の女性に絡めていたが、そんな時間があったらもっと月渓の心 理を掘り下げて欲しい。
おじさま(失礼!)のみの会話で地味〜な展開ゆえ花を添えたかったのか、陽子に楽 俊まで登場し、時間を削ぐ。

前後編にするには会話のみで辛すぎるせいだろうが、陽子の苦悩の部分はいっそ「西 の―」の冒頭に持ってきてもいいと思えた。
桓魋(ここではほとんど青辛だが、私はどうしても桓魋と呼びたい)がいやに若返って 美青年になっていたのにまずびっくり。
原作でも会話だけ聞いていると、桓魋とは気づかぬほどの変貌を遂げるが、そうか顔 もここまで変わったか。(笑)
もしかして祥瓊と出会った頃の桓魋、ちょっとすさんでいたのかも。

ところが私、「風 の万里― 第3巻(十二国記公式サイト内)」の頃のワイルド系の方が好きだっ たりする。
今回随分落ち着いちゃって、ある意味がっかり。
驚いたのが小庸ここまでおじいさんなの?しかも声が景麒の子安さん?

最初誰だかわからなくて、「聞き覚えのある声だなあ。」と思ってたのがクレジット で確認。
素晴らしいのは置いといて、ここまで使い回しが多いのはなぜ?予算の関係?まさか でしょうが。
主役級キャラの声を演じられる声優さんは特に使いまわしはやめて欲しいと思う。
特に山口勝平さんは、十二国記内どこで聞いても山口さんだし、蓉何のゆかなさんも ちょっと辛かった。

さてこれだけ地味な顔ぶれで会話中心、しかも「本読んでなきゃ絶対理解できない ぞ、この話は。」というほど複雑な心理描写のこの話。
作る側もさぞ苦労されただろうと思う。
祥瓊月渓珠晶の関係に、ある意味決着をつけているとは言え、この物語がアニメ化さ れたと聞いた時は驚いたものだ。

そこでどうしたか、はしょった、はしょった、はしょりまくった。
小庸達の嬉しい誤解をあえて指摘しない月渓、小庸と月渓の心痛む会話ほとんど、硯 のところは月渓と桓魋に変更。
桓魋が「峯王・・・」といきなり言い始めた時は「ほお?」と聞こえ、思わず朴仙翁 と邪見を思い出してしまったし、笑ってしまったし・・・。
「誰に対する言い訳」の部分でちょっぴりワル桓魋が顔出して。(笑)

月渓ひとりの心の葛藤を映像で表現することの困難さはわかるが、原作の持つ意味深 さを伝えられないのでは、アニメ化する意味ないだろう。

私が原作を読んだ時、月渓の心理に首をかしげた。
民のために(一応)王を殺した。
理不尽に殺される民はいなくなったが、確実に国は傾き、妖魔が現れ、国は荒れるだ ろう。
それを知りながら四年後月渓は去ろうとする。

玉座を簒奪できぬと言う。
多分に私情(王への敬愛)があるとはいえ、これが月渓の真意であることは間違い ないだろう。
ならば傾く国への責任は?民への責任は?と思った。
後の桓魋との会話のために、月渓にこう言わせたのか?でもらしくないなと思った。

ここがアニメではあまりにあっさりしてるために、ころころ気持ちが変わる(と見え る)月渓にかえって違和感がない。
この後供王珠晶の友情出演(笑)は予想していたが、度肝を抜かれたのがどこで嗅ぎ つけたのか、祥瓊を迎えに来る熊さん桓魋。

何なのこれ?これから仲良く新婚旅行?
はっきり言います、ときめきました♪
今までむしろ恋愛の匂いを感じさせない十二国記こそ好き!と思ってきたが、祥瓊が 突然美しくなったのも桓魋が突然上品になったのも全てこのため?と思えるほどツボ のシーン。(笑)

どんなにこのカップルに感動しても、忘れちゃいけないのが尚隆(風漢と呼ばれるこ ともあるが尚隆と呼びたい)の斡由墓参り。
陽子が「昇紘は天意を知ろうとした。
蓬莱には天意などない。
私も信じきれずに悩む。」と言う。

尚隆が自分を処刑するように感じたわけだと言う。
そして墓に酒をかける。
「そこにもう1人の俺が眠っている。」と言う。
たとえ天意があってもなくても悪を裁くのは人、だが裁かれる側にとってそれが悪で はない場合、そこに何が生まれるのか。

斡由は愚かだが悪人ではなかった。
しかしその所業が悪となる。
人は誰しも心に悪を抱えるもの。
自分の中の悪を知り、対処できることが尚隆の、陽子の王たる所以なのだと思う。

楽俊はファンへのサービスか?人間鼠の両バージョン披露。(笑)
珊瑚のパパの田中正彦さんは 今回は月渓となって珊瑚、もとい祥瓊の桑島さんと共 演。
複雑な関係?
前述の通り小庸は景麒&蛾天丸の子安武人さん、台詞は少ないながらも強烈な印象を 残す峯王仲韃は徳丸完さん。
 (2004年6月11日の日記) 
「赫々たる王道 紅緑の羽化」プレイ日記 1
「かくかくたる」王道「こうりょくの」羽化と読む。
「紅緑」は景王陽子の赤い髪と緑の瞳とわかるとして、「赫々たる」が読めないわか らない、早速調べてみた。
「輝かしい成果、ひときわ目立つ業績、常に光り輝く様子」とある。
なるほど陽子は立派な王としての道を歩み、蛹が眩い蝶に変わるように花開くと言う わけだ。

「三国志」もそうだけど、「十二国記」もとにかく漢字が難しい。
特殊漢字も多いので、日記も一気に書き上げることができないのが辛いところ。
さてこのゲームは「紅蓮の標 黄塵の路」に続く第2弾。
第1弾は何度もクリアしたもののプレイ日記も途中で挫折。

発売日当日、仕事の帰りにお店に飛んで行くと、お店のお姉さんが顔を見るなりゲー ムを手にして出てきた。
たしかに小さなお店だけれど、オタクの常連とみなされてるような視線が痛い。
ら、楽俊の携帯ストラップ!
これが欲しくてPS2持ってないのに予約した人絶対いる!かな?

そしてジャケットと同じ山田章博氏による原画ポスター!
これが欲しくて予約した人は間違いなくいる!と断言できるほど素敵。
アニメでももちろん表情はあるのだけれど、原画の景麒は微妙な陰影がなんて言うの かな、生きているっていうか生々しさがある。
私は行けないけれど、この世界と違うどこかに十二国記の世界があって、ちゃんと景 麒も陽子も生きているって思わせる、そんな絵。

とりあえず帰ってその日の更新、ご飯作ったりお風呂入ったりその日の雑事を次々こ なして、翌日の更新の準備。
何となくトップページのメインのコンテンツとアンケートコンテンツを分けてみたく なったり、ご無沙汰していたサイトさんにお邪魔したりしているうちに11時半。
「紅蓮の標 黄塵の路」のデータを読み込んで、いよいよプレイ開始。

今回は「風の万里 黎明の空」を基本に作られているとのことだったが、なるほど登 場人物に鈴、祥瓊、虎嘯、桓魋の姿も。
例によってお調子者の?雁国主従も堂々名を連ね、お約束の楽俊も桶と柄杓を持って 登場。
景麒こと子安さんのナレーションで始まるが、「どのような些細なことにも慎重に取 り組む王として民から期待される身」だそうだ、もうすでに。 そして画面は王となった陽子王装束と同じく尚隆の会話で幕を開ける。

寝不足でへろへろの身には、この延々と続く会話が辛く、ともすれば記憶が途切れ、 はっとすることもしばしば。
王の心得を説かれ、陽子はやがて朝議に参加する。
懐かしの秋官長を始め、みんなして陽子いじめ?麦州候浩瀚の処遇について。
今回も1つ1つの課題があり、陽子はそれを朝議に出ることによって判断する。

放浪の身であった前作とまず異なることは、陽子は王宮を基本として動き回ることに なる。
王宮には、なぜか延麒六太がいっぱなしの(笑)図書室(十二国記講座など)、練兵 所(景麒の指令が戦闘のコマンドなどを教えてくれる)、執務室(いつも景麒がい る)、陽子の部屋(課題クリア後にセーブする)、朝議の間(ここで課題を選択す る)、禁門(王宮の出入り口)があり、廊下には楽俊や山口勝平さん二役の冬官長が いて、アイテムを鑑定してくれる。

アニメでも気になったが、1つのエピソードに両方登場するような役で声優さんが1 人二役をするのはやめて欲しいと思う。
たとえば岡野浩介さんも少年泰麒と蒼猿を演じておられるが、あまりにキャラが違う のと、登場箇所が全く違うので気にならない。
もちろん山口さんもやんちゃな?子供と、感情を抑えた大人と使い分けておられるの だが、同じ王宮の中、朝議では必ず出てくるし、王宮内でも六太のすぐそばにいるの で非常に気になる。

山口さんは犬夜叉乱馬にゴローちゃんと、私の中でも出没率の高い声優さんなので、 余計気になるのかもしれないが。
それはともかく朝議において、浩瀚を処罰すべき、するべきではないと議論が真っ二 つに分かれる中、困惑する陽子。
「景麒、どうしたら・・・」陽子が聞くと、「主上がお決めになることです。」とき た。(笑)怖いぞ景麒。
秋官長と共に素敵なお声だった靖共が私にお任せをと言って締めるところなど、原作 どおりに話は進む。

やっと民の様子を見るために陽子が里に下りることになる、それまでがとにかく長い ・・・。
出かける前に王宮内を探索。
まずは居候六太の待つ図書室で本棚チェック。
「やっぱりマンガとかはないのかな・・・?
蓬莱から流れてこないんだ。」そんなことをつぶやく陽子。

自称?六太大先生のクイズから。
「麒麟の鬣の色は?」「桃色」を選んでみたかったな、モモイロキリン。(笑)
「大学での楽俊の呼び名は何か?」「文張、文鎮、蚊帳」から選択。
「六太の蓬莱での呼び名は」「丸太」、作る方もかなり楽しんでいる感じ。

練兵所では驃騎が出迎えてくれたが、基本は第1弾で抑えてあるので(というか犬夜 叉ゲームと操作がほとんど変わらない)パス。
再び執務室に戻り、景麒からこれから行く場所の話を聞く。
時々選択肢が出るが、第1弾ほどストーリー展開に大きな影響はないようだ。

台詞の後でクロ−バーのマークが出るが、希望としてはハートのマークにして欲しい な。
「主上、いかがなさいますか?♡」by景麒、よくないですか?
暁天に降りて、とりあえず見て回り、町の人から話を聞く、RPGの基本。
やたらとトイレがあるが、木箱の中にはアイテムが入っている場合があるので細かく チェック、眠い・・・。

根元が濡れてる木を見つけたり、景王は酔っ払うと町に来て暴れまわるという噂を聞 いたりと他愛ない会話ばかりだが、時に次に進む情報があったりするのでやらないわ けにはいかない、眠い・・・。
職安にいって樽並べでお金を稼いだり、買い物したりして今度は闘技場と輪投げで商 品稼ぎ。

いよいよ蘭玉の元に向かう。
以前は目的地まで1本道だったが、今度はフィールドを自分で歩き回らなければなら ず、迷いやすい。
最初の戦闘は山蛭。
戦闘画面がものすごく見やすくなった。
以前は属性が分かりづらかったが、今回は大きく、色もはっきりしている。

ところが陽子は炎属性専門らしい。
最高3人で戦闘できるので、祥瓊や尚隆と一緒に戦えたりしたら嬉しいけれど。
特殊技を使ってゲージをためると指令を召喚できるのも嬉しい。
景麒の4指令のうち、炎属性は驃騎、まだアイテムが少ないので体力はなるべく碧双 珠で回復するのでなかなか出番はないが。

山蛭と饑饑はさほど強くはないけれど、毒(体力削られる)と暗闇(攻撃当たらなく なる)持ってるのですごく厄介。
ボロボロになりながらやっとのことで蘭玉の里へ、日記まとめてすでに4時半起床は 6時だ・・・。
 (2004年6月18日の日記) 
西の海神 東の蒼海第1章(第41話) 
白状すると「西の―」は「魔性の子」の次に読んだ数の少ない作品。
たしか5回くらいで止めたような気がする。
なぜ?と聞かれると困ってしまうのだが(素晴らしい作品だし)、想いを重ねて共感 できるキャラがいないせいかもしれないと思う。

たとえば陽子、たとえば祥瓊、たとえば泰麒。
尚隆も原作ではぐいぐい惹かれるが、アニメだと他人行儀に見てしまうし。
「西の―」で私が一番入れ込んだキャラは驪媚だったりする。
それはともかく第1章を見終えて驚いたのが、1話で原作(講談社文庫版)114 ページまで一気に行っちゃったこと、106ページ分。

もちろん今まで蓬莱での六太の様子など、かなり早めに放映されたが、それにしても すごい量。
何話シリーズなんだ?この作品は・・・、と思った。
あえて調べていないが。

例によって軟派の尚隆入れつつ、六太と更夜の出会いはさくさく。
空中で出会って、次の瞬間浜辺に座ってお話ですか、それはないでしょ。
更夜の怯え、妖魔の殺意などもっときちんと描いて欲しい。

人と交われない更夜と妖魔。
その壁を乗り越えたのは斡由、尚隆、そして六太だけ。
更夜が六太に心を開く場面は大切だと思うのだが。
六太に出会った頃の更夜が、幼い頃の杉本に見えて仕方がなかったが(笑)、とりあ えず六太と更夜の間に絆が生まれる。

そして登極から20年後の玄英宮には朱衡、字は無謀と猪突の帷湍、酔狂の成笙。
未だ尚隆を理解し得ずにはいるものの、なにげない、あるいはおちゃらけた会話に互 いの信頼が見え隠れする。
この時期尚隆を本当の意味で理解していたのは、おそらく驪媚ひとり。

尚隆が斡由の元に放ったスパイ。
今回は斡由に捉えられ、六太と再会するだけだが、アニメでは死ぬべき赤子を解放す る。
アニメとしては納得できる。

今日見た部分で一番印象に残る台詞は尚隆の「殺すまいと無理をして、後に万殺すよ りも、ここで百殺して終わらせてしまった方がましだろう。」
王として避けることのできない、ある意味冷酷なこの言葉は、後に陽子が、珠晶が試 練の中で学んでいく。

帷湍の宝亀克寿さんは、たしか「高橋留美子劇場」でお名前を見かけたような気がす る。
成笙真殿光昭さんと共に、「こんな感じなんだ。」と素直に思える顔と姿。(笑)
斡由は大倉正章さん、アニメの斡由は意外に顔も声も若かった。
驪媚と共にその死を惜しんだ(私が)亦信は小形満さん。

曲者揃いの?十二国記の中で、ごくごく普通の人なのに名前が与えられた稀有のキャ ラ。
それは登場と共に妖魔に食い殺されるため、そう思うと辛いものがある。
最後の最後、尚隆が亦信、驪媚と赤子を「殺した」六太を厳しく責める。
同時に大きな心で包み込む。

これで救われたのか、亦信。
アニメでも好印象だっただけにその死が惜しい。
指令悧角は肥後誠さん、ちび更夜は本井えみさん。
特筆ものは驪媚の勝生(かつき)真沙子さん。

十二国記では白汕子だが、私にとっては何といっても「犬夜叉」の水神様。(笑)
意外に犬夜叉と絡むことはなかったが、艶っぽい声が素敵な方。
アニメの驪媚の美しさと共に絶品だった。
 (2004年6月22日の日記) 
西の海神 東の蒼海第2章(第42話)
小野先生にも、アニメスタッフの方々にも、尚隆六太ファンの方々にも申し訳ないこ とに、アニメも「西の―」に入ってすっと気持ちが冷めてきている。
特にアニメ、会話によるあらすじ説明ダイジェスト版といった感じで、斡由にもいま いち共感できず(原作には最後のどんでん返しに息を呑むほどの共感はあった)、六 太の苦悩にも共感できない。

もちろん六太が嫌いなわけではなく、尚隆への想い、王という存在に対する相反する 気持ちなど理解したいと思うのだが、たぶん私は六太のようなタイプ?が苦手なのだ と思う。
泰麒が好きで景麒が好きで全麟が好きで、六太が苦手。
山口さんの熱演にも犬夜叉ほどの感動はできず、私の友達には勝平六太ファンがとっ ても多いので、ここでとりあえず頭を下げておこう、ごめんなさい。

今回の好きキャラは驪媚と院白沢。
死を覚悟して尚隆を堂々と見据えるいかにもベテランらしい声の演技が絶品。
実は有本さんは、テレビシリーズ「スターゲイト」のジャック・オニール役。
私はオニール役のリチャード・ディーン・アンダーソンに関してはなんとも思わな かったが(笑)、この声だけで大好きになり、欠かさず見るようになったほど。
年齢的にもかなり差があるが、さすがに演じ分けておられる。

今回、他に印象強かったのが、原作にもある「どこの世界に逆賊の軍に加わる王がい るんだ!」の台詞。
立場は違えど、陽子もそうだったんだよな。
陽子の乱?を知って尚隆がどんな反応を示すのか、ずっと興味を持っていたが、アニ メでは斡由の墓の前、陽子と尚隆、楽俊の思い出話を持ってきた。

前述したように、アニメの斡由にもう1人の尚隆と言えるほどの迫力がないのが辛 い。
「西の―」原作ファンの方々は、このアニメをどう評価されたのだろうか。
六太ファン、山口ファンの方々は満足されたと思うが。
我ながら煮え切らない感想になってしまい、情けない・・・。

アニメ的にも「乗月」のラストシーンがインパクト強すぎたかも。
でもこのシリーズからDVDで見てるので、終わった瞬間の次番組の狼くんのどアップ がなく なったのは良かったな。
いえ「犬夜叉」の狼くんは好きだけど、こっちの狼くんはちょっとちょっとね。 (笑)
 (2004年7月1日の日記) 
西の海神 東の蒼海第3章(第43話)
ここでもまた、名もなき死者が一人。
たくさんの人が死ぬ話ではあるが、名前のない人物で、李斎を救った少女と同じくら い心に残る女性が今回登場する。
驪媚に比べてあまりに平々凡々なその容姿に最初は驚いたが、華やかな主役に比べ、 平凡な、現実の私たちに近い存在だからこそ胸に迫ってくるものがある。

キャラの顔がめまぐるしく変わるアニメ、あまり劇画っぽいのは好きではなく、あま りのっぺりしたのも好きではないが、時折見られる尚隆の、ものすごく細顔で、すっ と あごを引いた焦点の定まらぬ顔が好き。

背後で「どうしてこんなことに」の会話がされてる部分。

ちょっと飛ぶが、前述の女性を「ろくた」に食わせる時の更夜の炎を映す眼差しも好 き。
逆に言うとキャラの顔的には好きなカットが最近少ない。
ただこの時、更夜が笑みを浮かべているのが不思議。
人間を妖魔に食わせることを辛く思わない、悪としての更夜を印象付けるためだろう か。
それとも食後?の表情を引き立てるため?納得できない。
むしろ心の葛藤、表情を消して、「淡々と」した雰囲気だと思っているので。

ただどうしても、私の中で石田彰さんは「信長くん」なので、「こんなとこで、まじ めに何やってんのよ。」と肩でも叩きたくなる自分が悲しい。(苦笑)
中途半端に声優さんにのめり込むと、特定のキャラのイメージ縛られてしまうので、 どの役を見てもそのキャラの顔が浮かんできてしまう。
アニメで信長や逆髪の結羅が出てきた頃にちょうど声優さんに興味を持ち始めたこと もあり、特にこの時期の「犬夜叉」声優さんの印象は強い。

先日矢島晶子さんの琥珀の渾身の演技にも、感動しながら頭の中をクレヨンしんちゃ んが漂っていると言うか・・・。
その点尚隆や桓魋はあまり知らない声優さんだったので、すんなり溶け込めた。
桓魋の松本保典さんは、今では叢雲牙(天下覇道の剣)だが、当時は印象なかった し、尚隆相沢正輝さんはたぶん初めて。
尚隆の声を堪能するには、アニメよりむしろゲームだと思う。

なぜかはわからないが、アニメに比べて一本調子になるせいか、絵が動かないせい か、「犬夜叉」にしても「十二国記」もゲームの声は心地よい。

蓬莱での尚隆の回想シーン、何度も何度も出てくるのでちょっと食傷気味。
何よりも個人的に尚隆にはあまり内面を見せて欲しくないという想いがある。
自分でもすごくわがままだと思うが、お墓の前で陽子と楽俊相手に延々と語り続ける 尚隆、少なくとも私のイメージではない。
アニメで朱衡がしたように、本人が語らないから回りが語る、そんな印象が強いのだ が。

あと、私のイメージでは、アニメの男っぽい尚隆よりも、原作の挿絵にあったもう少 し柔らかい雰囲気の尚隆がイメージに近いかも。
(陽子、人型楽俊、六太と語る場面)

さて逃げ出した六太が元魁に会うあたりまで、あまりの速さに正直びっくり。
アニメ、というより映像では苦しみ悲しみ言葉で語る。
なのにあまりに急ぐから、想いが胸に迫ってこない。

元魁の柴田秀勝さんの語りが入ってやっと落ち着いたというか。
なんでここまで急いで短くしなければならなかったのだろう。
何より斡由の人となりが伝わってこないのが一番苦しいところかも。
今までいい人、突然愚かな人。

幼い更夜を救う部分など、誰が読んでも「いい人だ」と思うように仕向けておいて、 少しずつ少しずつえっ?あれっ?と誰が思わなくとも読者が思い始めていく、そんな 微妙な描写、アニメではもともと無理なのに、急ぐからさらにうすっぺらなキャラに なる。

尚隆がもう1人の自分、と言うほどの大物感のないのが本当に残念。
アニメで銘心と名づけられた玉川紗己子さん、素晴らしかったけれど、せめて李斎を 救う名もなき少女には名前をつけないで欲しいと思う。

原作で名前のなかったキャラに名前をつけるのは、かえってキャラの存在が軽くなる ように思えてしまう。
もちろん会話などに深く絡んでいて、名前がないと不都合なキャラなら別だが、名も ない存在だからこそ意味を持つキャラもいると思うから。
ただ脚本集などを読んでいると、アニメを作る時点で名前がないと、都合が悪いのか もしれないなあとは思った。

最後に私は全く知らないが、CDドラマなどで原作を補っているものがあると聞いた。
これにはものすごく不満である。
私は原作は原作本が全てであるべきであって、アニメ映画ももCDドラマも解説本も、 いわゆる「おまけ」でなければならないと思う。

CDドラマを聴かなければ原作を網羅したことにならないと言うのは、ちょっと違う気 がする。
けれどもこれは宣伝戦略として当然のことなのだろうか。
 (2004年7月2日の日記) 
西の海神 東の蒼海第3章(第43話)
どうもアニメ自体に対する感想が出てこなくて困っていたが、むしろ不思議な印象を 1つ受けた。
原作を読んだ時は、これは「尚隆と斡由、六太と更夜の物語であると同時に、尚隆と 六太、斡由と更夜の物語」だと思った。
ところがアニメを見ていると、「尚隆と更夜、斡由と六太の物語」に見えた、なぜだ ろう。

今回終章と次回転章にかけて尚隆が斡由と相対するクライマックスへとなだれ込む。
斡由というキャラのカリスマ性のなさが響き、最後まであっさりした印象が続いた が、尚隆は更夜に言う。

更夜が「ろくた」と暮らせる場所、妖魔が追われることのない国をつくると。
更夜は、雁がそんな国になるまで黄海で待っていると言い、去っていく。
NHKの公式サイトの説明を引用すると、

「それから数百年、更夜はいまだ尚隆と六太の前には現れていない。」

補足すると更夜は天仙として黄海の守護者となり、現在は犬狼真君と呼ばれている。
「図南の翼」において珠晶と頑丘を助ける役目を担うが、この時頑丘の傷をあっとい う間に?治してのけた不思議な水、アニメではなぜか麒麟が水浴びする所の水を汲ん でいた。
不思議な力は麒麟のおかげだったんだ、とある意味納得したが、アニメであまりに気 安くあちこち出てくるので、正直ありがたみが薄れた(笑)。

どうやら「図南の翼」のアニメ化が未定なためのファンサービスだったらしいが、私 的には好きだからこそ「図南の翼」を夢見ていたかったな・・・。
それはともかく500年の長きにわたって、今なお黄海で暮らす更夜。
尚隆は更夜に「妖魔が追われることのない国をつくる」と言うが、残念ながら雁国だ けがそんな国になったとしても更夜がある意味救われるわけではないと思う。

十二国界においてある程度の国同士の交流がある以上、更夜が普通に暮らせるように なるためには、「全ての国で妖魔が追われることがなく、人々が妖魔の恐ろしさを忘 れるほど長い時間がたたなければならない。」
1つの国が立ち直っていくと1つの国が滅びていく、妖魔が現れる、人は妖魔を恐れ る、尚隆はずっとそのくり返しを見つめ続けてきた。

尚隆は雁国王だが、その肩には実は十二の国が乗っている、アニメを見ていたらそん な気がしてきた。
その苦痛はいかほどのものだろうと思う。
なんだかんだ言っても陽子のために、泰麒のために骨身惜しまず働く尚隆を見ている と、尚隆自身がそのことを強く意識しているように見えた。

「華胥の夢」には尚隆と利広が国を語る場面があるが、常に歴史の先頭を走り続けな ければならない奏と、自ら宣言した更夜との約束を果たすべく終わりのない努力を続 ける雁、その重みはいかほどのものだろうかと思う。
相手が利広だからこそ、ふと本音を見せることもある尚隆だが、普段の能天気な?態 度の奥に隠された葛藤は、尚隆の魅力をさらに複雑な陰影で彩っていく。

アニメでは尚隆の「許さんからな。」の六太への台詞がカットされていたように思っ た。
そのために余計尚隆と六太の絆が希薄に見えたのかもしれないが。
実際に希薄なわけではもちろんなく、陽子たちの前で見せるお馬鹿っぷりが?この主 従の全てではないことを示唆する大切な場面だと思ったのだが。

そして斡由。
最後の最後のどんでん返しで、実は「剛胆な、万能の傑物」から「己の失敗を認める ことができず」、己を保ち続けるためにはなんでもするであることが露呈する。
前半正義の士として(原作では)尚隆と負けず劣らず(少しは劣っていたが)、斡由 の魅力がアニメで感じられなかったのは残念だった。
だが実は斡由、自分に代わって罪を犯してくれる(楯突く者を妖魔に食わせてくれ る)者を探して更夜を助けたとしても、この時、もしかしたら斡由は「ろくた」に襲 われていたかもしれない、更夜に拒否されて赤恥をかいていたかもしれない。

更夜を恐れなかったのは六太、尚隆と形はどうあれ斡由だけ。
そのことを思い合わせると、斡由=悪と最後に結論付けることのできない、やはり斡 由の傑物の部分も感じられる。
斡由の存在とは何か。

アニメで尚隆は「もう1人の自分」と称していたが、果たしてそうだろうか。
尚隆以上になりたくても尚隆になり得ず、自らを飾ってその罪は人になすりつける、 まさに「自分」、そう思った。
「十二国記」は美しい物語だけど、陽子、鈴、祥瓊、予王、塙王そして斡由、その人 としての愚かさは恐ろしく哀しい。
ゆえにその愚かさを突き抜けた陽子たちの凛々しさは胸を打つが、塙王や斡由、「変 わるきっかけ」を拒否した彼らの末路は哀れで同時に恐ろしい。

勧善懲悪ではなく、シンデレラストーリーでもない、終わりのない王の王たる物語。
陽子、尚隆、珠晶、全ての王が賢く国を治め、十二の国が終わりのない繁栄を築くこ とができるように、ささやかながら祈りたい。

余談だが、更夜が捨てられた時に助けてくれた妖魔は天犬とされている。
後に「図南の翼」では猲狙と呼ばれ、 「山海経」にて 「 獣がいる、その状は狼の 如く、赤い首、鼠の目、その声は豚のよう、名は[猲狙]猲タン(けもの編に旦)。これ は人を食らう。」と表現される。

アニメ脚本集によると、当時の天犬「ろくた」は死亡したらしい。 更夜が「自分を助け、育ててくれた妖魔とだけ親しくなれる」わけではないことが窺 えるが、これは妖魔と暮らすうちに培った能力だろうか。

名は褐狙、種族名が天犬となるのならば、この種族とだけは仲良くなれるのか?
「図南の翼」を読む限りでは、全ての妖魔と友だちづき合いしているわけではないら しいが、この辺はもう少し書き込んでいただきたいと思う。

          ☆          ☆          ☆

この後やはり気になって山海経を読んでみた。
まだ「山海経」に見る「十二国記」にはまだ登場さ せていないが、天犬もちゃんと別種族で存在していた。

「赤い犬がいる、名は天犬、それが(天から)下るところ(国)に兵乱おこる。」

ではやはり更夜は天犬ろくたが死んでから違う種族の褐狙を仲間にしたことになる。
これはやはり更夜独特の特殊能力と言っていいだろう。
 (2004年7月20日の日記) 
東の海神 西の蒼海転章(第45話)
尚隆が斡由をもう1人の自分と呼び、陽子が昇紘をもう1人の自分と捉えるアニメの 展開はアニメならではで、共感することもなく終わってしまったが、実は前回の感想 で最終話の分まで書いてしまったような気がする。
そこで今回は「月の影 影の海」から「東の海神 西の滄海」までアニメ化された作 品を総括してみたいと思う。

今第1話からの感想を読み返し、同時にアニメ脚本集を読んで、自分がこれまで見た アニメ「十二国記」をほとんど覚えていないことに気がついた。
脚本集を読んで、「こんなことあったっけ?」と思う体たらく。
情けないが、これが普通の私のアニメの見方。

「犬夜叉」の一番大きな違いは、「犬夜叉」は原作に「絵」があり、「十二国記」に はないこと。
ホワイトハート文庫の挿絵で何人かのキャラのイメージは得ることができるが、それ 以外は文章のみ。
それだけにわりと見たまま受け入れるし、特に印象のないシーンだと忘れてしまった らしい。
たとえば鈴の台詞、それも前半、などはほとんど覚えていたりする(笑)。

それでも丁寧に作られてきたアニメが、「東の―」になって急にピッチを上げ、さ らっと流されてしまったのは返すがえすも残念だった。
もちろん脚本集を読んで、作る側の苦悩も十分わかったし、大変だなあと思いもした が、いっと「風の万里 黎明の空」で終わった方が、「後のアニメ化」もしやすいの ではないかと思った。

それにしても私は原作新刊発売→戴の状況に何らかの結末→「黄昏の岸 暁の天」ア ニメ化を信じているが、これだけ間があいてしまうと、「風の海―」とのつながりが 描きにくいだろうなと思う。
原作を知らない人はもう忘れているだろうし、「魔性の子」がらみの伏線も、先のこ とを考えて絡めているだけにかえってわかりにくい。

むしろゲームの方が単純明快でわかりやすく、特に「赫々たる王道 紅緑の羽化」で はオリジナルで陽子の王としての仕事のやり方を描いてくれたのが嬉しかった。
それでもアニメでキャラが声を持って動き始め、十二の国の生活風景が目の前に現れ た時は嬉しかったし、陽子、尚隆、景麒、桓魋などの魅力がさらに深まったことは素 直に認めたい。

結局私、なんだかんだ言ってもアニメ「十二国記」、大好きなんだと思う。
今までレンタルして見てきたが、今度はDVDを買い揃えて、もう一度じっくり通して 見てみたい。

「十二国記」アニメの感想は今回で終わりましたが、これからも原作やゲームの感想 を書き続けていきたいと思っています。
 (2004年7月25日の日記) 

十二国記感想

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