「境界のRINNE」感想(第1話〜第10話)
気楽に読むべし新連載!〜「境界のRINNE」
原作少年サンデー2009年4月22日(21・22合併号)第1話「謎のクラスメート」

          ☆          ☆          ☆

待ちに待ってた高橋留美子の新連載「境界のRINNE」が始まりました。
昨夜はどこのコンビニでも書店でもサンデー売り切れて買えず読めずの悪夢?にうなされ今朝は朝一番で買いに行きました。

高橋先生のインタビューで最近気になっていたのが、気楽に読んで欲しいのコメント。
なんだかぐさぐさ刺さってきて(笑)、しかも新連載の挨拶文にまで「気楽に楽しんで」の文字が。
これは気楽に読まねば、感想も考察日記なんかじゃなくてブログに気楽に書かねば、友達とも気楽に語らねば、と一人張り切っていたのでありました。

ところが「もののけ伝承」に続いて今度は「仏教」と来たではありませんか!
で、ここからは考察日記に突入します。
(注;管理人の解釈なので正しいものではないかもしれません。)

1、用語の解釈

まずは主役の少年「六道りんね」。
この「六道輪廻」自体がすでに仏教用語となっている。
Wikipediaなどと照らし合わせてみると、六道とは「仏教において迷いある者が輪廻するという6つの迷いの世界のこと」。

・天道(天人が住む世界)
・人間道(人間が住む世界。苦と楽があり、仏となる道もある)
・修羅道(終始戦い争う修羅の住む世界)
・畜生道(本能ばかりで生きる畜生の住む世界)
・餓鬼道(常に飢えと乾きに苦しむ餓鬼の住む世界)
・地獄道(罪を償わせるための世界)

とされているが、もう少し噛み砕いて言えば修羅道は怒り、争いであり、畜生道は愚痴や人のため尽くすことのないこと、餓鬼道は貪欲を指す。
天道においてさえ人は迷いの中にあり、地獄道に落ちる可能性もある。
人はこの六道の中で時には善行を積み、幸せを感じながら、時には恨み、憎み、醜く争いながら生きる。
天道のみに生きる者はいないだろうし、逆に地獄道で足掻くだけの者もいないだろう。

この6つの世界を時には天道、時には畜生道と迷いながら回り続けることを輪廻とする。
一言で輪廻と言うと、死んだ者が生まれ変わることと思ってしまうが、この場合は意味が違うようだ。

ただし「境界のRINNE」では少しニュアンスを変えて、成仏できない亡者を「六道輪廻図」に似せた「輪廻の輪」に導き、成仏させて転生を促すとしている(あの世への入り口?)。
さらに「火車」まで登場するが、これも悪事を働いた亡者を地獄に運ぶと言うよりもりんねの武器?仏具?として使われるようだ。
早い話が「六道輪廻」の上澄みをすくって使ってみましたみたいな展開だが、これが「犬夜叉」のように物語に深みを与える上で意味を持つようになるかが楽しみだ。

2、感想

一言で言えばおもしろい。
1話だけで見事に起承転結してて、これで終わっても満足するくらい(終わってしまっては困るが)。
本当に代わり映えのしないキャラで代わり映えのしない雰囲気で代わり映えのしない展開で、でもそこがたまらなく魅力的。
可愛いけれど飄々とした少女真宮桜、そしてかっこいいのにドジっぽい謎の少年六道りんね。

よくある話もるーみっくのスパイスを効かせればこんなに新鮮。
チワ太郎とか恋未練男子とか、ゲストキャラ?もおもしろい。
ただ長期連載に耐えられるかな?と考えるとちょっと不安も残る。
気楽に楽しくおもしろく読んでる分には最高なのだが。

キャラはさすがに奈落みたいなのは(まだ?)出て来ないので思い入れはそれほどないけど主役の2人はすごくいい。
鋼牙や良牙みたいなポジションの少年も出てくるんだろうな。
強烈な敵役みたいなのは今回は出番ないんだろうか。

冒頭に登場する女性(りんねの母?)とか、なぜ使われるのが5円50円500円なのかとか、りんねはなぜジャージ着用なのか、とか謎も多いし今後の展開が楽しみだけど、感想はブログでいいかな?とも思ってみたり。
それから嬉しかったのが巻末ページの「今週のクエスチョン」。
今週の高橋先生は新連載の挨拶文だったけど、またプライベートな趣味や好みがちょっぴり覗けるようになる(笑)。

大御所の最終回とか新連載号だと、それだけで購買数が一気に上がり、それだけでサンデーの他の先生方にとっても大チャンスなんだろうなあと思う。
他作品も気合が凄い、そんな中堂々休載の青山先生もある意味凄い。
ちなみに次号は2週間後、プレゼントにRINNEパーカーも登場だそうです、欲しいかも。

・初対面好印象度   ★★★★★
・キャラへの思い入れ ★★★★
・ベースとなる仏教要素★★★
・今回のゲストキャラ  ★★★★★
・第1話の感想     ★★★★★
・今後の展開への期待★★★★
(2009年4月22日の日記)
昭和を感じる懐かしさ
原作少年サンデー2009年5月2日(23号)第2話「百葉箱の伝説」

          ☆          ☆          ☆

「チワ太郎」と「恋未練男子」に続いて登場するは「間違い電話霊」。
1話目のインパクトと比べてなんて普通なネーミング(笑)。
実はもう3話目読んじゃってるんだけど、ここは読まないことにして、これはきっと決闘、果し合い、喧嘩に向かうに違いない!と思ってしまった。
見た目通りの?優男りんねと、か弱き乙女の桜のピンチ?

でもそんな緊迫感があるみたいなないみたいな・・・りんねと桜。
今回はストーリーを追うよりも、新たに出てきたりんねの秘密?に桜と一緒に反応してた。

今回のエピソードは携帯電話が重要なキーアイテムとして登場する。
当然桜のクラスメートも普通に使いこなしているし、高橋先生も描きこなしているが、どこか不思議な違和感がある。
糸電話の方がしっくりくるとまでは言わないが(笑)、時代が平成だろうが携帯世代だろうが、高橋先生の漫画には公衆電話が良く似合う。
別に「めぞん一刻」の影響じゃないと思うけど。

もう見ることはないだろうと思っていたブルマー姿は高橋先生の昭和へのこだわりか少年漫画へのこだわりか。
百葉箱なんてまだあるんだなんて唐突に記憶が中学校時代に飛んだり。

ちなみに謎に見えたジャージの「中」は中学時代のをそのまま着てただけという、謎でもなんでもない(笑)。
一人暮らしの?極貧生活ゆえかお祓い?の依頼を受けるにもお供え物を要求する節操のなさ。
ってこの子、桜がいなかったらどうやってチワ太郎と恋未練男子を成仏させたんだろう、お金ないならできないやん。
桜に出会う前も母がスカウト?したその辺の不思議な目を持つ女の子巻き込んでたんだろうか。

サンデー流に名づければ、ちょっと気抜けな鎮魂コメディー、なんだかとってもおもしろい。
おかしな少年(不思議と言うよりおかしなという表現の方が絶対に合う)と、普通の少女なのにどっか感覚がずれてる(反応がおもしろいとも言う)少女桜。
2人のやり取りを見ているだけでも十分楽しい。
次回はどうなるのかなあというより、次回はどんな風なおとぼけぶりをりんねが発揮して、桜がどんな風に突っ込むのかなあとそっちの方が待ち遠しい。
(2009年5月14日の日記)
ちょっと気抜けな鎮魂コメディー
原作少年サンデー2009年5月13日(24号)「境界のRINNE」第3話「体育館裏4時」

          ☆          ☆          ☆

かごめの母校から転任してきたみたいな先生が全ての原因だった。
でもその(笑える)優しさが間違い電話霊=スズキくんを見事成仏させる。
もちろんりんねの活躍?もあったけど、今回桜の財布は出番なし。
最大の謎はジャージのお古をもらって顔を赤らめるりんねにときめきを感じない桜か。
感じたぞ、私は(笑)。

黒のジャージも死神のユニフォームでは全然なくて、どんどんはがれるりんねの謎。
さて「死神・・・みたいな・・・」と自称するりんねだが、死神は生きてる者を黄泉の世界に連れ行く者。
死んで成仏できずにいる者を成仏させるりんねはたしかにちょっと違うというより全然違う。
むしろ初回使ってた火車に近い存在なのでは?と思う。

火「車」というからには死者を乗せる車のイメージではあるが、物の怪としても存在する。
どちらかというと罪を犯した者を地獄に連れ去るニュアンスが強いが、その辺をうまくぼかして「魂鎮め」の役割を与えたのだろう。
「犬夜叉」ではかごめ(桔梗)が魂鎮めの言霊を放っていたが、こちらでは少年の側のりんねが魂鎮めの役割を担っているわけだ。

先日古くからの高橋ファンの方とのメールのやり取りで、「りんねは『らんま1/2』が出た時に似てますね。」と書かれていた。
「犬夜叉」ほどシリアスではなさそうだし気軽に読める雰囲気。
「では『うる星やつら』は?」と聞いたら
「うる星やつら」はもっと刹那的だったとのこと。

高橋留美子という超巨大新星があまりにも眩しくて、必死で追いかけていたと。
あの時代のぎらぎらした空気は、やはりあの頃「うる星やつら」を読んだ人にしかわからないだろうと書かれていた。
そうかもしれないな、と思う。
逆に今「うる星やつら」が新作として登場してたらどうだろう、そんなことを考えるのもちょっとおもしろい。

初回の感想で「六道輪廻」に関して最近なんかで読んだよなあとずっと気になってたのだが、やっと思い出した。
京極夏彦著「魍魎の匣」だった。
ほんと読んだそばから忘れていく自分が情けないけど。

アニメ第1話はまんま「天人五衰の事」になってたし。
物語の重要なモチーフになっているので詳しくは書けないが、六道のうち「なぜ天人でも完璧じゃないの?」と思われた方はお勧めかも。
同時に同じ京極著「絡新婦の理」や宮部みゆき著「天狗風」などを読んでいると、桜の木もまたあやしの世界とこの世の境界、ヒロインのネーミングにも何か意味があるのかな?と思ってしまった。

余談だがこの「魍魎の匣」アニメ、登場人物がみんな麗しすぎるきらいは、あるが作品としては素晴らしくて、特に登場声優さんが豪華。
「戦国無双」シリーズ、「十二国記」そして「犬夜叉」声優さん(桑島法子さん、森川智之さん他)が続々登場、見ごたえがあった。

感想に戻って今週の昭和を感じる懐かしさは造花の内職りんね(私もはじめて見た)とさっきも書いたりんねの赤面、そしてさりげなく場を仕切る桜の行動。
はっきり言って桜がいなければ話も魂鎮めも進まないと思わせるところがさすがにうまい。

今週号のカラーページにカプコンのゲーム「モンスターハンター」に「鉄砕牙」がコラボで参戦のニュースが。
刀身が変化するのも漫画と同じで、でもそれなら犬夜叉も出してくれと・・・。
犬夜叉も出てたら買ってたかもしれないけれど。
(ちなみに私はモンハン未プレイ)
ただそこに描かれている犬夜叉に「懐かしい」と思ってしまった自分がちょっと寂しかった。

「境界のRINNE」もアニメ化希望だけど、声は勝平さんではないだろうね、イメージが。
もう少しおっとりした声でもいいかも。
勝平さんの工藤新一の声変わったねと先日甥っ子に言ったら勝平さんの大ファンの甥っ子に凄く怒られたえむでした(笑)。
(2009年5月18日の日記)
おかあさんじゃなくておばあちゃんで登場
原作少年サンデー2009年5月20日(25号)「境界のRINNE」第4話「どこかで会った女(ひと)」

          ☆          ☆          ☆

連載前から話題沸騰!連載開始と同時に人気爆発!(持ち上げすぎ?そんなことないよね、笑)の「境界のRINNE」も4話目にして遂にサンデー本誌の中に埋没してしまった。
りんねの赤毛がインパクト強いので、もう少しカラーでがんばって欲しかったな、なんて贅沢ですか。

今回桜や友達の夢にいきなり登場はちょっと気抜けな女死神鬼もどき、その実体はりんねの母じゃなくて祖母だった。
もちろん桜が幼い頃に出会った女性でもある。
目覚めたかごめ、じゃなくて桜は女性のいた場所に思い至る。
「犬夜叉」の四魂の玉に匹敵する重要アイテムか百葉箱。

おそなえは全てりんねBOX行き。
「夢?なんのことだ。」のりんねの座り方が犬夜叉っぽくて懐かしいとか、私の中で2つの物語が攪拌中。
そこへ本物の祖母登場。
必殺コメカミぐりぐり攻撃、桜に続いてりんねも犠牲に(これ、ほんと痛そうだ・・・)。

桜の「若い・・・」の言葉に狂喜の反応、それから桜に見えてることに気づいてびっくりとか、祖母孫食い物争奪戦とか、前半はとことんコミカル。
ところがりんねを追いかけて「生きた人間が来てはならない場所」に飛び込んでしまった桜はそのままりんねとはぐれてしまう。
ちなみにこの場所こそ桜が幼い頃に迷い込んでしまった場所だった、ってつい先日も恋未練チワ太郎と一緒に来てたけど(笑)。
縁日みたいな場所を歩く桜に「千と千尋の神隠し」を思い出したが、実は桜にとってとっても危険な場所だった。

タタリモッケの如く目を開けると途端にシリアスになるおばあちゃん(自称おねえちゃん)によると、桜は「やり切った入場口」に迷い込んだらしい。
人生やり切って未練を残さず大往生した(ある意味うらやましい・・・)人たちの通る所で、そこに入ると

「なんか満足ムードに乗っかって(どっかで見たことあるパンダのボートもあったりして)一気に輪廻の輪に向かっちゃうのよね―。」
つまり三途の川を渡ってるってこと。
これまで傍観者的な役回りだった桜、その路線を当分貫き通すかと思いきや、4話目にして一気に当事者にっていうか被害者に。
りんねが初めて(本気の)シリアスな表情を見せる、うん、かっこいい。

次回は1話目でちょっとだけ描かれた幼い桜の記憶が蘇ることになるようだ。
幼いりんねが出てきたら楽しいなあとか、今度こそりんねのお母さんが出てきて欲しいとか、いろいろ気楽に考えてしまった。
このおばあちゃんは今後レギュラーとして登場するのかな?
なんとなく犬夜叉に対する殺生丸のような立ち位置っぽいけれど。

でも「境界のRINNE」を読んでると「地獄少女」が見たくなる不思議。 ある意味対極にある作品だけど。
(2009年5月20日の日記)
謎は全て解けた!って・・・
原作少年サンデー2009年5月27日(26号)「境界のRINNE」第5話「お・ね・え・さ・ん」

          ☆          ☆          ☆

豆まきみたいにばらまいてた小さな謎を5話にしてほとんどクリア。
いいのか?それで。

幼き日の桜は「夜露死苦(よろしくと読む?)」Tシャツを着た、どっかで見たことあるようなウサギの着ぐるみに連れられて輪廻の輪に乗ってしまった。
着いた先は、まさに桜が今いる所。
ウサギの着ぐるみの正体は「堕魔死神」と書いて「だまし神」と読む。
ノルマ水増しのために死んでない人間まで死の世界に連れ込むタチの悪い死神のこと。

けれどりんねの祖母の拳骨一発でノックアウトの情けないヤツ。
その祖母が桜にこちらの世界のアメを食べさせてあげた(一応優しさ)ばかりに桜は幽霊の見える体質となったのだった。
すっかり忘れてる桜となんとなく思い出した祖母のコメカミぐりぐり攻撃で2人の記憶が一致する。
何のことはない、全ての根源はこの祖母にあった。

それをどうこう言うのではなく、原因がわかってすっきりしたと桜はあっさり。
「堕魔死神」の感想も「画数多い」だし、この子がちょっと変わってるのは子供の頃の不思議な体験のせいばかりじゃないらしい。
今回は間違って「やり切った入場口」に迷い込んだけど、いつか寿命が来ても、正々堂々この道通るの間違いなし。
そんな桜を救ったのはりんねの声と破いた羽織の袖、「貧乏な」りんねが大切にしていたからこそ未練も生じる、これには笑った。

この後もけっこう乙女ちっくな展開が続くのだけど、未だに恋の予感も気配もなし。
りんねがフルネームで呼ぶのをやめた時が恋の生まれ時か。

さてこの祖母の正体は「死神」だった。
そしてりんねは「死神みたいな人間みたいな」ってその正体は死神と人間の間に生まれた半妖?じゃなくて「半神(阪神に変換してしまった)」か。
いえ孫なら半々神、クォーターか。
それなら成仏請負人も伊達ではなく、こちらの世界で暮らせないことも納得できるって謎でもなんでもない(笑)。

喉ごしさわやか なめらかプリンみたいな・・・、さらりと楽しめて、でも残るものもあまりない。
おもしろいけどそろそろコツンと当たる何かが欲しいかも。

今アニメ「蒼天航路」見ながら書いていたら、少年サンデーのCMで「境界のRINNE」がカラーで紹介された。
アニメはもちろんまだだけど、テレビデビューは果たしたか。
実は私の周り(オンでもオフでも)ではまだ「境界のRINNE」に関する感想が全然なくて、「可もなく不可もなく」が正直なところ。
全日本的に、全世界的に(笑)はどうなのかな?
(2009年5月27日の日記)
あなた来世はサバですよ。
原作少年サンデー2009年6月3日(27号)「境界のRINNE」第6話「クラブ棟の怪」

          ☆          ☆          ☆

「犬夜叉」最初に出てきた「おすわり!」と最後に出てきた「お義兄さーん!」に匹敵する最強の言霊登場。

「あなた来世はサバですよ。」

これだけで肝心のストーリー(クラブ棟の怪)とか新登場の猫もどきとかどっかに吹っ飛んでしまった。
それほどおもしろかったりんねの思い出話、というより祖母の過去。
(「どストライク」なんて言葉にも昭和の匂いを感じるのは私だけ?)

若き日(今と全然変わらないけど)の祖母が死神として迎えに行った青年は、戦国時代からさらに輪廻転生を繰り返した野盗鬼蜘蛛もしくは奈落?
この時代では平和な人生を送ったのか、幸薄そうな美貌も変わらず祖母の心を虜にする。

「ぼくはこのまま死んで、来世は虫とかトカゲに生まれ変わるかもしれないが・・・」
そのままやり切った入場口に直行しそうな雰囲気だったが、Boy Meets Girl ロマンスの神様が降りてきた。
そこで祖母が放った一言が「あなた来世はサバですよ。」

相手の美青年も只者ではなくて、
「サバ・・・ですか。
 あれは味噌で煮ると旨い。」
ってそれもしかしたら未来のあなたの姿。

でもそのさびしそうな笑顔にハートを射抜かれた祖母は恋に「堕ちた(誤字ではあるまい)」。
その名も「来世サバ男」、りんねのネーミングセンスもいいんだか悪いんだか。
祖母は各所に根回しし、(多少の不正も働いて)、青年の寿命を50年引き伸ばし、二人は幸せに暮らしたと言う。

良かったね、奈落。
この時代では愛されたんだ。
でもサバにしては濃い奈落よりは睡骨の方が適任か。
良かったね、睡骨。
この時代では幸せに生きたんだ、きっとこの人医者だったに違いない。

でもその祖父(おじいちゃん)も今頃は黒潮に乗って回遊していると言う。
「来世サバ男」から「現在サバ男」になったんだ・・・。
サバの世界で天寿を全うできますように。
間違ってもサバの味噌煮になりませんように・・・。

だけど偶然今日の晩御飯のおかずはサバの塩焼き。
お皿に乗ったサバの切り身に箸をつけるのを一瞬ためらってしまった。

その後桜はりんねの父母の話を聞こうとするが、りんねの反応が新たな謎となる。
息子か娘かどっちかはわからないが、間違いないのは赤毛赤眼の外国人と結婚したこと。
相手が天使だったりしたらおもしろい。
死神の血を引く者と天使の末裔との結婚、そりゃ勘当ものだ。
まあいくら奇想天外コメディーでもそこまではいかないだろう。

そしていよいよ今週メインのエピソードが始まる。
クラブ棟の火の玉の正体を確かめに行った桜が遭遇したのは俗名「黒猫太郎」か。
一緒に行ったクラスメートにも見えた(実体があるらしい)化け猫はりんねに追いかけられて逃げていく。
その帰り道、桜が拾った黒猫、ケガの具合といいどう見ても怪しいのだけど、そこはあかね同様天然ちゃんの桜、何の疑いもなく連れて帰る。

第2のPちゃん登場か、と思ったけどPちゃんの可愛さにはかなうべくもないなあ。
しかも猫まんまを失敬して逃げて行った。
追った桜が一瞬不思議な世界に迷い込み、行き着いた先はクラブ棟。
黒猫の正体は着ぐるみ少年?おかかごはんを主に差し出す。

主とは「りんね」様だった。
おかかごはんが高級飯とは貧乏くんもここに極まれり、もう泣けてくる(笑)。
次号は子猫の正体があきらかになると言うけど、そこはあんまり興味がないや。
それよりおばあちゃんをもっと出して欲しいかも。
(2009年6月3日の日記)
まだまだ引っぱるおばあちゃん
原作少年サンデー2009年6月10日(28号)「境界のRINNE」第7話「契約黒猫」

          ☆          ☆          ☆

先日初めての方からメールが届いて、先週号の「クラブ棟の怪」を「クラブもののけ」と読んでしまったとあり、笑ってしまった。
確かに私も「クラブ棟」なんて言葉初めて見たし。
「もののけクラブ」なら全国の妖怪の聖地巡礼とか、夜の墓場で鬼太郎探しとか楽しめそうだけど、「クラブもののけ」だと別の意味で怪しい気がする(笑)。
今週はそのクラブ棟の中、部室でいいのかな?が公開される。

廃屋となっているとは言え、りんねが住まうその部室はあまりに昭和の匂いぷんぷんで、最初に携帯電話が出てきたのは絶対何かの間違いだったのだと、昭和が舞台で全然おかしくないのだと改めて思った。
なんか一昔前の熱血青春漫画であったよな、こんな部室。
でなきゃ一昔前のドラマの宿直室とか。

やかんだし畳だしろうそくだし。
しかもろうそくの受け皿はサバ缶だし。
サバ缶食べる時、りんねはもしかしたらこのサバおじいちゃんかもしれないとか思わなかったのだろうか。
いえサバ缶なるにはまだ早すぎるか・・・。

もしかしたら祖父存命の頃一緒に食べたサバ缶の空き缶かもしれない。
「やはりサバは味噌で煮ると旨い」とか言いながら。
祖父を偲んで未だに大事に使っている思い出のサバ缶・・・、うん、じ〜んときた(笑)。

さて、前回出てきた黒猫は死神の祖母と契約を交わし、使い魔(しもべ)として活躍する「契約黒猫」だったことが判明、名前は六文。
ちなみにおばあちゃんの名前が「魂子(たまこ)」だったことも判明。
苗字が「四魂」だったらもっと楽しいが、「四魂魂子」と書いて「しこんのたまこ」。

ただ不思議なのが、祖母が今はもう人間界で暮らせないという設定。
人間界で暮らせなくても、死神の仕事をする時は人間界に来れるわけだし、ノルマを果たしてないというよりもはや果たせない、ってわけではないと思うが。
それとも「50年の間に死神業務十倍」のノルマだったのかな?
今もりんねが働いているわけだから、そんなことないよね。

早い話が祖母は祖父の死と共に否応なしに死神稼業を引退させられ、息子と嫁か娘と婿はなんらかの理由で死神稼業は継いでいないってことなのだろう。
六文がリストラされたのもそれならわかる。
りんねは最近まで祖父と一緒に借家で暮らしていたっぽいし。

他に半神りんねは普通の死神より多くの道具に頼るし、その経費もバカにならないため、というりんねの貧乏の理由も明らかになる。
なんていうか・・・いい子だっていうか健気な子だ、りんね。
実はそれだけに祖母も(見えない部分で)心配して六文を送り込んできた(と思えないこともない)。
あんまり頼りにならない子猫だけど。

そんなこんなで仲間が増えたりんねと桜。
次に出るのはりんねのライバルか桜のライバルか。
それとも弥勒と珊瑚系の仲間か、とことん悪党な死神か。

「サイフもないしハダシなんだけど」な桜に「おじいちゃんが生きてた頃、そんな愉快なうっかり主婦のTVアニメを見たことがある」って遠い目をするりんねに笑った。
あの大家族なら愉快なアニメだったかも。
それともちょっぴりうらやましかったのかな?りんね。
そのうちりんねがサザエさん似の大家族に遊びに行く話も読んでみたい。

それとタキシードで決めた来世サバ男と暢気な死神の結婚風景にも笑った。
そのつけが今りんねにどっとのしかかっているわけで・・・。
それでもがんばるりんね、本当にいい子だ。

次回はりんね本業に戻って霊的事件勃発らしい。
桜の財布も危機かもしれない。
(2009年6月10日の日記)
輪廻転生・・・みたいな・・・
原作少年サンデー2009年6月17日(29号)「境界のRINNE」第8話「眠るのがこわい」

          ☆          ☆          ☆

おさげのかごめと赤毛の犬夜叉に続いて登場するは、またまた生まれ変わった桔梗と平和な顔した落ち武者奈落か。
「例の」スズキ先生とすっかり仲良しちゃっかりエサをもらっている六文は震え、出会ってしまったりんねは思わず無視する恐ろしき霊。
何より響き渡る鎧の音がおどろおどろしい。
「依頼でもされなければ、恐ろしくて手が出せん。」と言い切る顔のシリアスさに、先週号の戦う魂子おばあちゃんを思い出した。

りんねに比べて、ずいぶん派手と言うか霊を導くより悪霊退治、ゴーストバスターズの雰囲気あるなあと思ってたけど、いよいよりんねも本気の本気で戦わざるを得ない日が来たのか。
な〜んて思いながら真面目に読んでたら、先に桜が出会ってしまったその正体はとっても平和な顔した落ち武者だった。
ここから思いっきり笑いの世界に突入と思いきや、りんねにとってとても厄介な相手(怖くはないけど)。

今回の依頼人の名前は姫川桔梗と書いてしまいたい(本当はカオリ)。
京都に修学旅行に行ってとり憑かれたか、行きずりに見染められたか、落ち武者にお酒をすすめられる夢を見るのだとか。
けれど落ち武者は恋人と固めの盃したいような雰囲気だった。
りんねは「こういうケースが一番やっかいなんだ。いろんな意味でな。」と言うけれど、とってもわかるぞその心理。

時代はきっと戦国時代。
戦が終わったら、愛しい人(姫)と固めの盃を交わして結婚するはずだったのに、矢に当たって死んでしまった落ち武者。
その想いが落ち武者を成仏させず、落ち武者は現代まで幽霊となって愛しい人に再び巡り逢う日を待ちわびながらさ迷い続ける。
それで出会ってしまったなら、成仏させるは至難の業だ。

「姫」川カオリ(名前も芸が細かい)を共に黄泉の国に連れて行くほどのことがなければ成仏は不可能だろう。
「魂がここから動けない!」とか叫びそうだ。
姫に寄り添うりんねとの間に生まれる新たな三角関係?と思ったら、この落ち武者なかなか小心者で、泣きながら逃げて行った。
いよいよ成仏難しそうだ。

ストーリーはりんねが落ち武者を捕まえて話を聞いたところまで。
けっこう真面目な話なんだけど、そこここに散りばめられた笑いは健在。

カオリが百葉箱にお願いしようとすると、どこからともなくりんねが現れ、「桜に」札を入れさせるように要求。
相手があまりに手ごわいので成仏させるのに大金が必要なのかな?と思いきや、食中毒予防にカンヅメ要求(サバ缶とか?)。
けれど首尾良く手に入れた千円札を持つ手はぶるぶる震えている。
「この大金でも足りるかどうか・・・」と言ってるけれど「こんな大金見たことない・・・」と思ってるようにも見える。

黄泉の羽織を着てカオリの部屋に侵入、眠ろうとしないカオリを手刀で強制就寝。
この時の顔が奈落っぽくて怖くて素敵(笑)。
そういえばいつの間にやら夏服なってる桜の学校。
「犬夜叉」と違って季節感はきっちり描くか。

次回は表紙&巻頭カラーで登場楽しみ楽しみ♪
けれど「ロマンチック落ち武者霊の恋愛未練」が最後から2ページ目の次号予告では「恋未満男子」になっていた。
奈落に追いつくにはまだまだ「恋の濃さくどさしつこさ」が足りないか、未満とは。
しかも「放課後鎮魂コメディー」から「放課後レクイエム」に進化した。

ギャグは捨てたか「境界のRINNE」。
「恋未満落ち武者霊」編はとことんシリアスか「境界のRINNE」。
りんねと桜が行き着く先に、そのうち巨大な犬妖怪の骸か巨大な髪の毛の固まりが現れそうな予感に打ち震える今日この頃。
りんねが桜をおんぶし始めたらどうしよう・・・。

はぐれないようにだろうけど、しっかり手をつないでいる2人に我知らずときめいた。
2人とも全然意識してない雰囲気なのがいいな。
最終ページ、高橋先生のお気に入りは「タカアンドトシ」。
今松屋銀座で高橋留美子展開催だったら、オープニングセレモニーのスペシャルゲストはタカアンドトシになってたのかな?
(2009年6月17日の日記)
カラーになると顔色が悪い・・・みたいな・・・
原作少年サンデー2009年6月24日(30号)「境界のRINNE」第9話「固めの盃」

          ☆          ☆          ☆

気のせいか、りんねと桜を描くに気合の入り方が違うように感じる今日この頃。
「境界のRINNE」のタイトルはなんで「輪廻」でも「りんね」でもなく「RINNE」なのだろう。
9話まで読んで、「境界のりんね」が一番ぴったしなような気がするし、「境界の輪廻」でもりんねの仕事を的確に表しているように思えるのだが。
やはりりんねの父か母が赤髪赤眼の外国人だったことの証明か。
たしかに見た目は「RINNE」が一番かっこいいけど。

などとコンビニで表紙を見ながらふと思った。
意外とタイトル考えてた時点でりんねキャラって今と違ってたのかもしれないな、とか。
赤毛でハーフの外国人の謎の転校生、その実体は、みたいな。
でもそれだと名前呼ぶ時「リンネ君」とカタカナ書きになってかっこ悪いとか。

さて恋未満男子から恋未練男子に昇格したロマンチック落武者霊(名前が長い)はめでたく姫らしき女性にめぐり合えた。
温厚な顔してても顔色の悪さは一目瞭然(カラーだし)。
そこに行くまでの「一年生の真宮桜さん」「保健室のサトウ先生」「体育のスズキ先生」「取り壊し寸前のクラブ棟」と説明の多さにちょっと笑った。
始まったばかりでなじみがないだけに登場人物他すり込み作戦か(先生たちはなぜにカタカナ?)。

お金が必要じゃない時でも、りんねの有能な助手としての立場がすっかり定着した桜。
紙質のせいか、「恋未練ロマンチック落武者男子霊」に会った時のカオリの口は三角で、桜が口なしに見えるのがちょっと怖い。
「あなたの悩みを解決する協力者・・・」と自己紹介するりんねだけど、その正体はすでにバレバレ(いいのか?それで)。

ここで落武者霊の出自が明かされる。
なんと彼は三好軍の者だった。
そう、「戦国BASARA」松永久秀の「三好三人衆」のあの三好。
「一人減ったら一人足す、二人減ったら二人足す、三人減ったらそれで終わりだ」のあの三好、笑える。
これだけでドキドキワクワクしてしまう。
もしかして高橋先生もBASARAファン?まさかね(笑)。

最盛期には確かに京都も支配しており、1600年頃衰退するので、彼が死んだのもこの頃だろう。
けど「犬夜叉」の頃にはけっこう神経質にぼかしてる部分があったので、「境界のRINNE」で無造作に名前を出したのに驚いた。
まあ舞台が戦国時代じゃないし、1話限りのゲストキャラだし、いいか。

カオリは落武者霊の願いをかなえるべく、仮初めの祝言(固めの盃)に同意する。
ロマンチックな展開に桜とカオリは楽しそうだが、りんねだけが不安そう。
案の定落武者霊はカオリをあの世で結ばれようと連れ去ってしまう、当然だよなあ。
平和な顔してるだけにカオリと桜は油断があったが、そこはさすがりんね。

しかも落武者霊は桜たちを騙していたわけじゃなくて、いわば思い込み。
確かにこれは騙したことより始末が悪い。
りんねは虎の子千円札を(いかにも惜しそうに)使い、「冥戸遮断」で霊の行方を遮った。
そして意味深な一言

「このままあの世に行っても、あなたは成仏できない」

曲がりなりにも姫とめぐり会って、祝言あげて、あの世に共に行って、それでも成仏できないのなら、やはりカオリは似顔絵の相違通り姫ではないのか。
そして落武者霊もそのことに気づいているのか。
それにしては雲外鏡(鏡の付喪神、妖怪の一種。水木しげる氏によると旧暦8月の十五夜に月明かりの下で水晶の盆に水を張り、その水で鏡面に化け物の姿を描くと、鏡の中に化け物が棲みつく。それが雲外鏡であるという→Wikipediaより)に前世の姿を見たカオリは涙を流した。

もちろん全然落武者霊とは関係ない姿を見てしまったということも考えられる。
何百年もの間に何度か生まれ変わっただろうし、そこにサバが映ってたりしたら私でも泣く。

おもしろいのが部屋の中ではスニーカーを脱いでいた(ハダシだった、ソックスも節約か?)りんねがカオリを追う時はしっかりはいてること、カオリと桜の靴も細かくチェックすると突っ込める(笑)。
高橋先生も気楽に描いてる匂いがぷんぷん。

でも今週一番の発見はりんねが実は貧乏じゃないらしいこと。
値段が一番高い鏡もちゃんと買えるだけのお金は持ってたから、日々質素に暮らしてお金をため、仕事にお金をかけていたんだと考えると、その健気さに涙が出そうだ。
それも全部おばあちゃんのせい。
こういう厄介な仕事の時こそ出てきて手伝って欲しいなあ、おばあちゃんの活躍見たいし笑顔も見たいし。

来週はりんねの財布が見れるかな?
それから25ページの鏡屋さんの隣りに売ってる造花らしき薔薇の花、りんね作だろうか?それも気になる。
(2009年6月24日の日記)
ヒメではなくてカメだった
原作少年サンデー2009年7月1日(31号)「境界のRINNE」第10話「再会」

          ☆          ☆          ☆

ヒメではなくてカメだった。
サバでもなくてカメだった。

というわけで、「来世サバ男」ほどのインパクトはないものの、軽い笑いで盛り上げていく。
雲外鏡がカウントする1573年(元亀4年)は足利義昭が三好義継、松永久秀と共に織田信長に向け決起する。
ところがこの年武田信玄が死んだことにより反織田勢力は崩壊するが、このロマンチック落武者霊が亡くなったのは同年「槇島城の戦い」前後ということになりそう。
この時期の義昭と信長の駆け引きそして対立は本当に凄まじい。

でもこちらは平和、無双義元もどきの雲外鏡はタクシー並に(通信)料金増え続け、勝手に歩いてさらにメーター加算。
雲外鏡歩かせるより先生たちを連れて来ようよと思う間もなく、これからは「ぼったくりの人麻呂」と命名したい。
しかも鏡に映した人の前世を見せるたびに「ずーむいん」ってこれで日テレアニメ化決定だな。
放送開始日は「ズームイン SUPER」で大々的に宣伝間違いなし。
しかも登場するのはりんねじゃなくて、ぼったくりの人麻呂の声優さんが着ぐるみで。
「ズーミン ズー!」とかやって欲しい、ギャラメーター加算しながら(笑)。

ふくよかでより姫のイメージに近い保健のサトウ先生の前世は鯉、がっかりりんねと喜ぶ落武者霊のリアクションがおもしろい。
きらきら麗しい眼差しのスズキ先生(体育担当)こそが、「また」当事者だった。
この人実は憑かれやすい?
前世の記憶で視線を交わす2人、でもこれなら落武者霊もすんなり成仏一件落着。

矢が突き立った侍とかおなかが鏡の公家もどきを見ても動じない2人の先生凄すぎる。
姫川カオリは亀川カオリと名前を変えることもなく、りんねの元には借金だけが残る。
でも一応「鎮魂」にも成功したわけだし、タダ弁ゲットでみんな幸せ。
最後にきらりと光る桜の優しさ、「時々」ってとこだけが泣かせるけど(笑)。

それからカラーで大ニュース!
高橋留美子展で流された3大キャラ集合のスペシャルアニメがDVDとなって登場ってあるけど、最初に流したのだけなのかな?
「犬夜叉」の「黒い鉄砕牙」他それぞれ作ったアニメはDVDにならないのだろうか、すごく気になる。
しかも宣伝にはりんねまでいる(なんか浮いてる、笑)。

りんねも登場させたおまけアニメなんかあったら嬉しいかも。
(2009年7月3日の日記)

過去の日記目次へ

ホームへもどる