これまでとことん和風で通してきた「うしおととら」だが、今回はうしおととらが飛行機に乗っての初めての空の旅ということで、1話ごとのタイトルも「タキシング」「テイク オフ」といったカタカナの航空用語になっている。
そんなことより印象強いのは、気持ち悪いのに、つぶらな瞳が愛らしい衾と、初めての飛行機に舞い上がるうしおととら、そして今回のヒロイン勇の髪型!
確かに今から20年くらい前の作品で、全体的にキャラの服装や髪型が古臭いのは仕方がないが、それにしてもすごい。
それでも今回限りのゲストヒロインだからまあいいかと思っていたら、この後重要な役で再登場。
潮に関わる5人の少女の一人だが、そこでもなんとなく浮いているのが気になった。
さてこの勇が、父を殺す直接の原因になったと信じる厚沢と空港に来ることからうしおととらに出会う。
ところが彼らの乗った飛行機が衾に襲われ、勇は厚沢の言葉(勇の父親の飛行機が妖怪に襲われた)が本当であることを知る。
パイロットも殺され、負傷した厚沢が操縦するもうまくいかず、飛行機は墜落の危機に陥る。
そこで活躍するのがとら。
不思議なことにとらは依然衾と戦ったことがあるらしい。
とらが生きていたのは飛行機もない時代だから、衾ももう少し地上の近くにいただろうが、それにしても空に住む妖怪ととらがどんな出会いをしたのかとっても気になる。
ただしとらが衾についてそれ以上語ることはなく、ただ弱点が大量の炎とお歯黒と言うことから、潮は衾退治のヒントを得る。
さっきも書いたが、この衾が気持ち悪いのに可愛らしい(笑)。
その後何巻だったかキャラ人気投票の結果が載っていて、衾が結構上位に食い込んでいたのには笑ってしまった。
誰が見ても可愛い奴は可愛いのだ。
いかにも粘着質なこの体も何で出来ているのか、とっても気になる。
自衛隊まで巻き込んで、うしおととらは衾の撃退成功。
厚沢を憎んでいた勇の誤解も解け、潮と共に戦ってひとつ成長した勇はうしおととらに別れを告げる。
この後、勇ばかりか厚沢まで重要な役で再登場。
ただ去っていくだけの人物が一人もいない「うしおととら」の世界は、これまで見たことのない形で、作者のストーリーテラーとしての力量をうかがわせるに十分だが、今回は飛行機を支えて着陸させるとらの愉快な頑張りに笑っておしまいとなる。
今回のお気に入り。
・初めての空港に舞い上がるうしおととら、中でも立ち席はないと言われてカウンターに座る潮と窓ガラスに激突のとら。ついでに鼻を押さえて引きずられるとら。
・飛行機離陸時きゅううんと飛んでくとら、飛行機が空を飛んでることにパニックになるとら。
・厚沢が窓から覗いて見てしまった衾のアップ(可愛い)。
・「乗りものがおちたら飛べばいーだろが!」「人間は飛べんのだ、バカタレ!」飛行機の中をドタドタ走り回るうしおととら。
・「わたし・・・だって泣いてる・・・ばかりじゃ・・・いやだ!」勇が強くなる瞬間。
・「でも人間は空飛べんのだろ?おちたら死ぬぜ!」とら当然の疑問。
・飛行機を支えてがんばったのに、姿を見られたことでうしおと喧嘩になるとら。
(2010年6月28日の日記)
|