22巻の主役は雷信とかがり。
でもその前に、ずっと気になっていたのが神野。
東の長は天狗だが、神野は妖怪に見えにくい。
特徴あるのは「しんの」と呼ばせるその名前と神と耳朶か。
ふと思いついて「神野、妖怪」で検索したらWikipediaで「神野悪五郎」がヒットした、やっと見つけた。
冠装束姿であまりうしとら版と似てないが、そこにおもしろい記述があった。
2005年(平成17年)に公開された映画「妖怪大戦争」には広島の妖怪で魔物たちを束ねる魔王のひとりであり、その支配はインド・中国・日本という広域に及ぶとされる。
山ン本五郎左衛門と魔界の覇権を争ったが、妖怪世界の長老である妖怪大翁の仲裁により、現在は山ン本とともに大翁に仕える。
頭の回転が速く討論では妖怪の中に並ぶ者はいないとある。
あれ、山ン本って東の長じゃないですか、そういうことか。
頭の回転が速いとか神速の斬撃は名前のイメージ?インテリっぽいし。
今回はいきなり笑える潮とイズナ、威吹の掛け合い。
一人暴走する潮に「何いっとるのだ?」「何やっとるんだ あいつは?」とまじめに驚く威吹がおかしい。
この威吹がとっても気になるキャラで、「裏切り者」だったのだが、動じない潮はともかく驚いたのがとらの反応。
威吹の性格などとっくに読み切って、冷静に反応するかと思っていたらかなりかっかしてた、ちょっと意外。
さて話を飛ばして雷信、かがり&とらvs西の鎌鼬対決だけど、見てて痛い、ほんとに痛い。
私なんて紙で切ったとか、タマネギ刻んでて手が滑って皮切ったとかその程度の経験しかないが、それでもあの一瞬のピリッとした感覚、痛さよりも鳥肌立つような気持ち悪さは大嫌い。
いくら治ると言っても痛くないわけないだろうから、かがりや雷信の健気が目に染みる。
熱くなった2人を抑え込むとらもいい。
途中雷信が死んだように見えたり、かがりが1人で2連戦したり、息をのむ場面が多かったが、圧巻なのが「あなたの山に、お還りなさい。」のかがり。
正直2度目の「どんな服も・・・」と雷信の煙草をくわえさせて「吸ってろよ。」のところは狙い過ぎてて恥ずかしい。
逆に雷信は「かがりとの交際は、認めぬよ・・・」の古めかしい喋り方がツボ。
ほんとこの兄弟は変わったなあ。
潮ととらの影響を受けたというより、設定を変えたのだろう。
とらが2人の精神面のフォローに回り、大妖怪の貫録を見せてくれた。
最後の威吹の清々しい表情も良く、イズナのがんばりも可愛く?潮たちは空屋敷を脱出する。
それにしても神野、「頭の回転の速さ」を見事に生かしたキャラで、結局彼の傲慢が大きな危険を招くことになる。
元ネタを生かした見事な展開。
でも私は物語がまだまだ続くことを知ってるけど、当時はここで決着がつくと思った、もうすぐ最終回と思った読者は多いのではないだろうか。
「うしおととら」は何度も何度も最終章といってもおかしくないほどの大きなうねりが現れる。
それがいったん終結して、さらに大きなうねりに向かう瞬間がたまらない。
(2013年4月5日の日記)
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