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「鬼蜘蛛」の名に囚われた男 |
アニメ「犬夜叉」完結編第21話2010年2月28日放送 「奈落の体内へ」 54巻 原作少年サンデー2007年11月14日(50号)第530話「卒業」 原作少年サンデー2007年11月21日(51号)第531話「邪気の雲海」 原作少年サンデー2007年11月28日(52号)第532話「奈落の体内」 原作少年サンデー2007年12月5日(1号)第533話「玉の気配」 原作少年サンデー2007年12月12日(2,3合併号)第534話「瘴気の矢」 ☆ ☆ ☆ 「鬼蜘蛛」は男の呼び名でしかなかった。 なのに「鬼蜘蛛」の名でひとりの女を狂おしく愛したばかりに、その名は呪いとなって、あるいは執着の証となって男を蝕んできた。 時には「鬼蜘蛛」は謀略の手段ともなった、背に「鬼蜘蛛」の火傷の跡を持つ男の。 最後に男は四魂の玉の力を使って「鬼蜘蛛」と化す、そのおぞましさ、その執着の恐ろしさ。 けれど男は最終的に「鬼蜘蛛」にしかなり得ないのだと、「鬼蜘蛛」こそ男の本質であり「鬼蜘蛛」でない男はたとえどんな名を使おうと「鬼蜘蛛」ではないのだと思い知らされる。 けれど実際カラーで巨大な鬼蜘蛛と化した奈落に鳥肌が立ち、口の中に平気で入っていく犬夜叉たちに鳥肌が立ち、外から見て四魂の玉化した鬼蜘蛛の場面で鳥肌が立った。 嫌いだ、蜘蛛なんて・・・(泣)。 今回冒頭に流れたのが第1話の犬夜叉が桔梗を襲って四魂の玉を奪う場面。 懐かしくて懐かしくて胸がドキドキした。 アニメも1話も何度も何度も見てるけど、今こういう使い方をされると、それだけでもう「犬夜叉」に夢中になった瞬間を思い出す。 他にはかごめの「卒業」の部分でいくつか昔の映像が入っただけで、後はおおむね原作通り。 キャラのアップが綺麗だったのと、弥勒の「祝言をあげよう。」に答える珊瑚の「うん」の言い方が素敵だった。 あと懐かしい音楽が使われていたのも印象的だった。 奈落の体内(本当は暗いんだろうなあ、汚いんだろうなあ、いろいろなんだろうなあ・・・)での戦いが始まり、今回は玉の毒気に当てられた犬夜叉がかごめを襲う場面まで。 クライマックスに入っているだけに、印象深い場面、台詞がどんどん出てくる。 「奈落、四魂の玉を使ってなにをするつもりだい。」 夢幻の白夜の問いに 「なにもない。」 と答える奈落(別の意味で鳥肌もの)。 虚無に生きる男、奈落。 桔梗を失った男、鬼蜘蛛。 2つの人格(人じゃないのもいるけど)の行きつく先は、奈落自身にすらわからない。 瘴気の矢をかごめに見せる奈落に言い放つかごめの台詞、 「私が犬夜叉を撃てるわけないでしょ! 犬夜叉だって私を・・・」 奈落相変わらず「人の心」を、「絆」の意味をわかっていません。 わかれという方が無理かとも思うが、ここはちょっと蛇足に思える。 とにかく四魂の玉の毒気は半妖には影響するが、人間には大丈夫なのか、かごめの危機で次回へ続く。 今回は「卒業」が入るということで懐かしの北条君も登場、担任の先生は西前忠久さん、回想シーンの幼い楓はの伊藤実華さん。 犬夜叉が村を襲った時の村人もたぶん西前さん。 (2010年3月2日の日記)
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