3月4日 老人たちの生活と推理1〜ワッフル |
気に入ったコージーミステリはほとんど揃えているけれど、基本的に一度読めば満足して読み返すことはほとんどありません。 そんな中、何度も読み返し、年齢を重ねるごとに大切になっていくだろうなあと思える本の最たるものが、この「海の上のカムデン」シリーズです。 一気に読み過ぎて、ロマンスたっぷりの女性陣のコージーに少々飽き気味だった頃、主人公が男性、子供、そしてお年寄りのシリーズを探して読み始めました。 楽しいのたくさん見つけたけど、カムデンはコージーの可愛い系の表紙イラストが苦手な私が表紙に釣られて買った数少ない作品でもあります。 だって可愛いんだもの、おばあちゃんたち(笑)。 ところがこの表紙のせいで大きな勘違い。 ちんまりしたおばあちゃん(アンジェラ)もよく見ればスーツを着てるんですが、キャレドニアのカフタンにだけ目が行っちゃって、なんと!ホームズ同じ時代の小説だと 信じ込んでしまったのです。 女性がドレスを着ていた時代ね。 そういえば子供の頃クリスティーもビートルズだのエレベーターだのと出てくるにも関わらず、ポアロやミス・マープルをホームズ時代の人と信じてました。 初めてドラマでミス・マープルを見て、スカートはいてるのにびっくりしたもん(笑)。 思い込みが激しいというかなんというか我ながらあきれます。 でもこの1作目のタイトル「老人たちの生活と推理」、そのままシリーズタイトルとして使われていきますが、つまんないタイトルですね。 2作目からはじけて行きますが(笑)、私は「海の上のカムデン」シリーズと勝手に読んでます。 確かにお年寄りが主人公という意味ではわかりやすいけど、手に取って読んでみたいというタイトルじゃない。 今だったらどんなタイトルつけるでしょうね、中村有希さん(翻訳者)に聞いてみたいです。 カムデンシリーズは実在する場所や人物が出て来るのでわかりやすいですね。 サンディエゴから北へ22マイル、デルマー競馬場は1937年に設立され、カムデンは第二次世界大戦終戦から10年後なので1955年頃の設立ですね。 年代が一番わかりやすいのは「老人たちのー」356ページに出てくるキャレドニアの言葉です。 マーティネスが俳優のギルバード・ローランドに似てると騒ぐアンジェラ、でもマーティネスにはローランドが誰かわかりません。 そこでキャレドニアが説明するのですが、とても素敵な俳優で、「もう八十すぎてるかねえ・・・・・・。」だって。 1994年に88歳で亡くなっているので、1986年以降の話となりますね。 日本だと昭和61年、日本は中曽根康弘首相、アメリカはレーガン大統領の時代です。 画像検索すると、マーティネス警部補の風貌がイメージできますね。 アンジェラやキャレドニアにぴったりな女優さんもアメリカにはいそうなので、是非映画化して欲しいです。 この本の主役はアンジェラとキャレドニアの2人の70代のおばあちゃん。 2人とも提督夫人でしたが、どちらも現在は未亡人、でも大変なお金持ちで生活に不自由はありません。 ここが大事、というのはこの「海の上のカムデン」は超高級老人ホームで、お金がないと入れない場所なのです。 その代り入ってしまえば至れり尽くせり、健康面はもちろん、同世代の?友達に囲まれて何不自由ない生活ができます。 でもカムデンの魅力は、こういった物質的な面ばかりじゃないんですよね。 パワフルな2人組が殺人事件に巻き込まれ、縦横無尽の?活躍を見せる、そのカタルシス! おばあちゃん?何それ?みたいな元気っぷりはうらやましくも、憧れる。 ミステリーとしてだけじゃなく、いかに年齢を重ねるか、ある世代を過ぎると否応なしに直面してしまう問題に前向きに答えてくれる本でもあります。 今回の写真は新宿高野のワッフルです。 カムデンにはワッフルデーがあるのですが、キャレドニアのイメージだとこんなおしゃれなワッフルよりも、わんこ蕎麦みたいに食べるそばから 次々と皿に置かれる風景しか思い浮かびません(笑)。 ★この項続きます。 ★ |
2月16日 おとし文〜和菓子のアン |
私はコージーミステリーが大好きだが、興味があるのはミステリーの部分3:ロマンスの部分1:食やその他の薀蓄6くらい。 だからなんだかんだ言っても本はよく読むし、図書館で扱ってな本も多いのでほとんど買い揃えている。 で、日本にコージーミステリーってないよなあとずっと思っていた。 検索すると、若竹七海さんや吉永南央さんの名前が出て来るが、若竹さんはともかく、私の中で吉永さんはちょっと違う存在。 なぜ日本でコージーミステリーが出てこないか、コージーファンなら簡単に答えられるだろう、「日本では無理です!」 コージーに限らず、日本で素人探偵と言えば名探偵コナンや金田一少年や浅見光彦などの名前がぱっと浮かぶ。 彼らの共通点は、元々警察組織と何らかの関わりがあるということ。 殺人事件などの重大事件において、刑事が素人探偵が関わるのを苦笑して黙認したり、時には協力したりがあるわけがないのだ。 ヒロインが、「自分が容疑者とみなした」関係者の家に侵入して嗅ぎ回ったり、部屋にこっそり入って荷物をかき回したりして証拠をあさる話は多い。 日本なら即逮捕だ。 海外でも実際は刑事はそんなに甘くなく、無能でもないだろうが、海外であるところに「もしかしたらそんなこともありかもしれない」というファンタジー性を持たせることができる。 日本だと実情を知ってるだけに、そんな展開になったらむしろしらけるのではないかと個人的に思っている。 でも最近急増しているライトノベルってもしかしたら、殺人事件(ミステリー要素)抜きのコージーミステリーと言えるのではないかと思う。 ミステリーがあっても重大ではなく、刑事が関わらずとも解けるような日常ミステリー。 気軽に読めて食や本、時にはロマンス、小さな謎。 そう思って最近読み始めたが、コージーがなんとなく30〜40代向け、ライトノベルが10〜20代向けなように思えるのは気のせいか? 可愛い表紙もお約束だが、さすがに買い揃えるところまではいかない。 最近読んだ中では三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズがおもしろかった。 表紙のイラストもベストマッチだと思う。 さて坂木司著「和菓子のアン」。 おいしそうな表紙に惹かれ(笑)、なんとなく高田郁著「みをつくし料理帖」と「赤毛のアン」をごっちゃにしたイメージで読み始めた。 カタカナで「アン」とあるのに時代小説だと思ってたりする。 なんか普通の女の子の普通の和菓子店での成長物語でおもしろかったが、この本にミステリー部分はいらなかったかな?という気になる。 脇役に超個性的なキャラを散りばめるのもいわゆるラノベの特徴だろうか。 気になったのが「おとし文」。 「昆虫のオトシブミが葉に卵を産み、くるりと巻いて落とす様が恋文を落とす様に似ている事から付いた名前のお菓子」とされているのが、 私の知ってる「おとし文」と違う〜。 というのは、私が知ってるのは清月堂の「おとし文」だったから。 母が新宿京王百貨店の清月堂系列のカフェ「雅風」が好きで、よくお付き合いで行ったのだが、ここでくれるポイントカードがいっぱいになると 「おとし文」10個セットをくれた(残念ながら閉店したようです)。 黄身餡をこし餡で包み、丁寧に蒸し上げた「黄身しぐれ」で、ゆで卵をひき肉で包んで丸く仕上げたミートボール?みたいな感じ(笑)。 ちょっと「和菓子のアン」のイメージじゃない。 と友達にメールしたら、「じゃあ神保町のささまさんに行ってみたら? おとし文で有名だよ。」との返事。 早速行ってみた。 ちょうど「和菓子のアン」を読んだのが4月で、「おとし文」は5月限定のお菓子、何て言うタイミングの良さ! 「和菓子のアン」に出て来る、まさにその「おとし文」だった。 お店は目立たないけど、飾ってあるお菓子が全部綺麗でおいしそう。 後で清月堂の社長さんのインタビューを見つけたが、そこには 「身分の違う御家人に恋心を抱いた女性が恋文を書いたけれど、直接渡すことができず、そっと道端に落としたという切ない気持ちに由来しています。 おとし文独特のほろほろとした食感が、淡く切ない恋心を表現しているのです。」とあった。 つまり、清月堂は文そのものを表しており、「和菓子のアン」は文を虫のオトシブミになぞらえた形で表しているということでいいのかな? ただずっと前に清月堂のおとし文は、葉の上にたまった露と書いてあったのを見た記憶があるけれど、あれは何だったんだろうか。 和菓子は食べるよりも見て買うまでが特に楽しい。 そんな意味で「和菓子のアン」も是非続編をお願いしたい。 坂木さんは他の作家に和菓子をテーマに短編を頼んだ「和菓子アンソロジー」にも関わっているが、その中で牧野修著「チチとクズの国」には絶句した。 当分は「このお菓子」を見るたびに思い出しそう、しばらく食べれなくなりそう。 まあ今は季節違いだが。 夏までにはおさまるかな・・・? ★「ひとりごと2」でも写真を紹介しています。 ★御菓子処「ささま」 東京都千代田区神田神保町1丁目23 ・「雅風」は残念ながら閉店してしまいましたが、「おとし文」は清月堂系列のお店で買うことができます。 |
2月4日 キドニー・パイ〜カフェ・ポアロ |
JR神田駅北口より3分ほど歩いた所にある早川書房、その1階は「カフェ・クリスティ」。 現在は期間限定で「カフェ・ポアロ」として営業中です(2月28日まで)。 ネットなどで見ると、営業時間がずいぶん短いですが、実際は ★月曜日から土曜日営業(日曜祝日休み)。 ・午前11時半〜午後2時 ・イングリッシュ・マフィンサンド・ポアロ風(ドリンク付き) ・午後2時〜午後5時 ・ポアロのアフタヌーン・ティー・セット(ドリンク付き) ・午後5時〜 ・クリスティにちなんだ5種類の軽食(「アガサ・クリスティーの食卓」をヒントにしたそうです。) 、チーズの盛り合わせ、フランスパン計7種類。 ・キールやワイン、ベルギービールなど7種類のアルコールと2種類のノンアルコールドリンク。 ・どの時間帯にもブラックコーヒーとホットチョコレートがあります。 ・夜はたしか10時までだったと思いますが、自信がないです。 ・他に平日はポアロ以外のメニューなら8時半から営業で、ランチタイムもハンバーグなど、ポアロ以外のメニューも オーダーできます。 ・詳しくは↓ブログの写真を参考にして下さい。 カフェの中はポアロはもちろんクリスティゆかりの品々が飾られ、文庫の表紙絵もぎっしり。 真鍋博さんや写真の表紙の中で限りなく浮いてる可愛いイラストはごめんなさい、見なかったことに。 付け髭シールや山高帽をかぶって写真を撮ることもできます。 でもなんとなく、クリスティよりも三谷幸喜さんが目立ってる(>_<)。 「ご自宅⇔カフェ・ポアロ」と印刷されたオリエント急行乗車券をイメージしたポイントカード。 簡単なクイズに答えて2問正解すると、スタンプを2個追加してくれます。 コースターにはそれぞれポアロの名前のスペルが印刷、元の名前が長い上に「事件はこのcafeから始まる。」なんてコースターも あるので、コンプするのは大変そうですよ(笑)。 セットドリンク以外のブラックコーヒーとホットチョコレートは可愛いひげのマグカップ(ひげの色は赤と黒で選べます)で出されますが、これが たっぷり入って持ちやすくてとっても気に入りました。 壁にヒントを止めてあるピンもなにげにひげの形(笑)。 実はこれ、オリジナルグッズではなくプランタン銀座の「フライングタイガーコペンハーゲン」で 買い揃えたものだそうです。 今度買いに行ってみようと思います。 もし行かれたらひげピンチェックお忘れなく!(笑)。 さて私のお目当ては何といっても(ステーキ・アンド・)キドニーパイ! クリスティでも「ヘラクレスの冒険」や「クリスマス・プディングの冒険」、ケイト・キングズバリー著「ペニー・フットホテル」シリーズなどに登場しますが、 実物見たことなかったんですよね。 イギリス料理を出してくれるカフェにもない。 聞いてみたら、「味にクセがあるので、あまり日本人の方には好まれないのかもしれませんね。 イングリッシュパブならあるかもしれませんが。」と言われたことがあります。 そのキドニーパイにやっと会える! 味は、あはは、微妙でした(^_^.)。 日本向けに食べやすくしてるとのことでしたが、リピートは確かにないです(笑)。 でも念願のキドニーパイ食べることができただけでも大満足! ★「ひとりごと1」と 「ひとりごと2」でも写真を紹介しています。 ★早川書房 東京都千代田区神田多町2-2 |
1月26日 ノギ屋の弁当風鳥飯〜精霊の守り人 |
上橋菜穂子さん自身もびっくりしたという上橋作品に登場するおいしいものの再現。 「あれは異世界の話ですよ? ゴシャなんて魚、築地じゃ売ってないし、マイカの実なんてのも、この世にはないわけで・・・・・・」 企画が来た時一笑に付した上橋さんが説得されて刊行されたのが名著「バルサの食卓」。 確かに実在しない食材はたくさんあるけれど、それを実在する食材に置き換え、さらに「上橋さんが頭の中で思い浮かべていた味に近い香辛料を使う」ことで出来上がったレシピの数々。 以前やはり「精霊の守り人」に登場する「タンダの山菜鍋」を作ってみましたが、今回は「ノギ屋の弁当風鳥飯」に挑戦です。 おバカなことに前回はタンダらしさを出すために加えられた「ピーナツバターとコチュジャン」を入れずにただの味噌味のお鍋にしてしまいましたが、今回は山椒の実を忘れてただの 照り焼きにしてしまいました(>_<)。 私、山椒嫌いじゃないですけど、あまり強いと苦手なんですよね。 それで実を潰して混ぜずに、最後に写真撮る時飾る程度にしようと思ってそのまま忘れるという・・・。 でもね、味は全然違っても、その気になって作る物語ご飯、楽しかったですよ。 本に載ってる写真では、何かの葉っぱに載せてますが何の葉でしょうね、これ。 私も何かに包んでひもで縛って駅弁風?にしたかったのですが、残念ながら手頃な青物が見つかりませんでした。 今思えばサラダ菜でも良かったかな、味が合うかどうかはともかく。 昨年国際アンデルセン賞を受賞して一躍時の人となりましたが、上橋さんのファンタジー作品は一貫して「大人も読むべき児童書」。 守り人シリーズも「獣の奏者」もアニメ化されたので、それで知った人も多いのではないかと思います。 恥ずかしいことに私はずっと児童書は読んで楽しい、辛いことなどない夢溢れる物語だとばかり思っていました。 でも上橋作品初め優れた児童書は、時には子供の心を抉るような悲しみや、心傷つくような展開も回避しません。 その上で登場人物がもがき苦しみながらそれを乗り越えていく、その姿への共感や感動で、子供もまた成長していく。 おもしろく読みながらも共に成長していく本、それが優れた児童書だと思います。 押しつけがましいですが(笑)、親子で読んで欲しいじゃなく、親子で読むべき本、その筆頭かと思っています。 ところで「精霊の守り人」が今度は実写映画化されます。 主人公のバルサは綾瀬はるかさん。 バルサはたくましいおばさん(褒め言葉です)なのですが、アニメでも綺麗なお姉さんになってましたね。 華奢過ぎるような気もしますが、そこは演技でカバーしてくれるのでしょうか。 綾瀬さんはもうひとつ、私の大好きな吉田秋生著「海街diary」の実写ドラマで長女の幸を演じます。 こちらもなんか雰囲気が柔らかすぎるような気がしますが、綾瀬さんは私が大好きな女優さん。 実写自体に抵抗はありますが、実写になるなら綾瀬さんで良かったと思ってます。 次は何を作ろうかなあ。 手軽にできそうな「湯気のたつスチャル(鶏鍋)の汁かけ飯でがっつり行くか、ビールのお供にチャアム(魚のたたき)にするか。 守り人スイーツのトッコ(芋団子)もいいかもしれません。 |
1月9日 ジャスミン・ティーは幽霊と〜クリスマスブレンド |
★ネタバレあります。★ ローラ・チャイルズ著「お茶と探偵シリーズ」の5作目は「ジャスミン・ティーは幽霊と」。 まだセオドシアとジョリーが落ち着いた恋をしていた頃なので、気持ち良く読めます。 マイケル・ジャクソンの「スリラー」思い出すような、ちょっと変わったオープニングも良かったです。 でも登場してすぐに殺されてしまったジョリーのおじ、ジャスパー・ディヴィスは残念だったなあ。 好感度高かったのに。 ちなみに今回は犯人にもちょっとがっかりしました。 いい人だった(と見えた)のにもったいない。 つまりそれだけおもしろかったということです。 いえこの人なら被害者OKなんて人、いるわけありませんが、このおじさんは今後準レギュラーになっても おかしくない立場だし、と思ってね。 まあジョリーとあんなことになってしまったから、たとえ生きていたとしても再登場はなかったでしょうが。 このシリーズの私のお気に入りはティドウェル刑事とドレイトン、そしてミス・ディンプル。 ヒロインと若い助手だけだとどうしても賑やかになり過ぎるところ、この3人が適度に引き締めてくれるのがいいです、大好き。 今回セオドシアとドレイトンがクリスマスシーズンのブレンドについて話し合う場面があります。 どちらかというとコーヒー党の私も、こういうブレンド談義は大好きで、これもまた楽しみにしている場面のひとつ。 また、クリスマスブレンドも実際クリスマスシーズンになるとあちこちで売り出されますね。 今年は池袋ショッピングパークで「三國屋善五郎」と「カルディコーヒーファーム」のクリスマスブレンドを買いました。 実はフレーバーティーも苦手で、飲むなら香りをつけない普通の紅茶が好きなんですが、このシリーズを読むと、いろいろ試してみたくなります。 三國屋さんのクリスマスティーはワインをイメージした葡萄の香りの紅茶に「色とりどりの花びら、星空のようにキラキラ輝くアラザン、雪の結晶の形をした 小さなお砂糖」が入ってますが、私が買ったのはティーパッグなので全然見えない(笑)。 でも葡萄の香りは好きなので、確か去年もこれ買いました。 凄かったのがカルディで買った「フランス紅茶 ジャンナッツ クリスマス ブレンド 2014 」なるもの。 これ、アマゾンでも買えますが、なぜか年齢制限ありでアルコール扱いになってます。 ドレイトンが言うアップル・ダンディに似てて、紅茶に乾燥りんごとシナモンが入ってます。 そしてハイビスカスは入ってないけど、「レッドペッパーを加えてスパイシーに仕上げてあります」だって。 スパイシー以前に香りがものすごいです(笑)。 むしろスパイスティー? 私、チャイは大好きだけど、それでもこんなに香りきつくないよ。 一度あけてしまえば、たとえきっちり蓋してても戸棚の中、スパイスの香りがぷんぷんします。 お湯を注ぐと香りがさらにきつくなります。 缶が可愛くて買ったけど失敗だったかな?と思ったけど、意外とこれがやみつきになる感じ。 ドレイトンのクリスマスブレンドはもっと上品だろうし、これはすごく人工的な香りだけどね(笑)。 ★「ひとりごと」でも写真を紹介しています。 |
12月17日 デビルズフード・ケーキが真似している〜デビルズフード・ケーキ |
ジョアン・フルークのお菓子探偵ハンナシリーズ、何が楽しみって今度はどんなお菓子がタイトルになるだろうってこと(笑)。 事件のモチーフ、物語のモチーフとして出て来るお菓子、それでなければならない必然性はないのだけれど、 ピーチコブラー、アップルターンオーバーなど初めて知る名前もあったりして探して食べるのが楽しい。 14作目となる「デビルズフード・ケーキが真似している」のデビルズフード・ケーキも初めて知った。 が、その前に内容。 今回の最後は、15作目となる「シナモンロールは追跡する」のとんでもない前振りとなっている。 もう「シナモン〜」も読了済みで、とんでもないと言っても想定の範囲内だが。 私はマイクは嫌いではないが、彼の存在がなく、地味で冴えないけれど優しくて頼りになるノーマンとハンナ2人の恋が メインの方がずっとすっきりするし読みやすいのではないかと思う。 何が何でもかっこいい男性が出てこないとコージーとは言えないのか、でも14作目ともなるとちょっと・・・ね。 実はべヴも嫌いじゃない、というよりハンナとどっちもどっち。 でも猫が可愛く、食べ物もおいしそうで、普段のハンナも好きだし、ハンナの周りの人たちも個性的でおもしろいから、出てく限りは 読むんだろうなあと思ってる。 さて初めて聞いたデビルズフード・ケーキ、もちろん作れないし、お店でも見かけないなあと思っていたら、何のことはない スタバにあった(笑)。 最近行ってないので、今もあるかどうかはわからないけど、「デビルズ〜」を読み始めた時に、たまたまスタバの前を通りかかって あれ?と。 写真で見ると真っ黒な三角形だけど、生地も黒くてさらにチョコレートをかけ、見た目が悪魔のように黒く、味も悪魔に魅入られたように おいしいのだとか。 確かにカロリー高そうで、おいしかったけど私は1個食べるのしんどかった。 実は逆のネーミング、エンジェルフード・ケーキというのもあるらしい。 こちらは真っ白で天使の食べ物のケーキ。 池袋西武に私が大好きな「フレイバー」とうお菓子屋さんがある。 バケツを伏せたみたいな大きなシフォンケーキやアメリカンなケーキの専門店。 大好きだけどあまりに大きく、お呼ばれに行く時手土産として買うことが多いのだが、他にもブラウニーやスコーン、ティーケーキなど コージーミステリにお馴染みのお菓子を気軽に買える。 その他に通販限定でデビルズフード・ケーキ、エンジェルフード・ケーキ、レモンカードのチーズケーキなど売っている。 食べてみたいけどさすがにホール買いは辛いなあ・・・。 |
12月7日 高橋さんと池波さん〜加島屋と大市 |
先日忙しくて、お昼ごはんが3時頃になって、結果夜おなかがすかず、晩ごはん抜き、9時に夜食が食べたくなった。 で、軽く用意したのがこの写真。 軽めの夜食となっているけど、実は清水の舞台から飛び降りる気で買った!加島屋のお茶漬けとすっぽんの大市のスープ。 そう、「犬夜叉」や「境界のRINNE」などで有名な高橋留美子さんが大好きな加島屋の鮭茶漬けと、「鬼平犯科帳」や「真田太平記」などで 有名な池波正太郎さんが愛したすっぽんの「大市」のコラボ。 加島屋は以前新潟に行った時に並んで食べたが、肝心の鮭茶漬けのことすっかり忘れて鮭茶漬けじゃない物食べてしまった。 京都にある大市は宝くじにでも当たらない限り、訪れることはないだろう。 池袋東武で京都展があった時に、お話聞いて一番安い(汗)物を買ったのだが、それがすっぽんのレトルトスープだったというわけ。 池波さんは、「散歩のとき何か食べたくなって」で大市の味だけじゃなく、その店構えも絶賛しているが、確かにデパートの一角とはいえ 「大市」と染め抜いた暖簾は見ていて清々しく、思わず写真を撮らせてもらった。 年配の女性の店員さんのおしゃべりが楽しく、思わず売り物全部買い占めたくなったが(笑)、若い男性の店員さんに池波さんのこと 聞いたら、えっ?て感じでどうやら知らないらしいのが残念。 そういえば大市のホームページの大市を取りあげている小説や随筆の紹介にも池波さんの名前がなく、寂しかった。 池波さんが愛したお店は庶民的で入りやすい所も多いけど、敷居が高くて入れない所もまた多い。 それでもちょっとだけ味や雰囲気を味わえただけで満足かな? ちなみに高橋さんが愛した加島屋の鮭茶漬けは東武池袋初め東京でも買うことはできるけど、新潟展に来てくれないと、おいしいサーモンコロッケが 買えないのが辛い。 「犬夜叉」バスなど循環観光バスのパンフレットも変わったみたいだった(写真参照)。 |
11月28日 ハロウィーンに完璧なカボチャ〜かぼちゃのお菓子 |
★ネタバレ含みます。★ クリスマスやバレンタインには食いつくが(笑)、ハロウィンにはあまり興味がない。 仮装に興味がないのと、かぼちゃのお菓子があまり好きではないせいだと思う。 かぼちゃ、栗、さつまいもはお料理で食べる分には大好きだが、お菓子にするとほとんど食べない。 もさもさ感というか、もったり感というか、味以前に食感で苦手。 他にもチョコレートは好きだけどチョコレートのケーキやパイなどは苦手、抹茶は飲むのは好きだけど お菓子は食べない。 特に好きなのはメープル、コーヒー、キャラメル味と、甘い物大好きなくせに意外と我儘。 でも大きなイベントはしなくても、職場や友達とハロウィンのお菓子を買って交換したり、お茶したり、 お店のディスプレイなどを眺めるのは好き。 そんな私のハロウィンコージーのお勧めはレスリー・メイヤーの「ハロウィーンに完璧なカボチャ」。 ルーシー・ストーンシリーズの主婦探偵シリーズ三作目。 初めてこのシリーズを読んだ時、ジル・チャーチルのやはり主婦探偵ジェーンシリーズを思い出したが、 私はこっちの方が好き。 ちゃんとした家庭があって(つまり恋愛面で浮ついてなくて)、地に足ついてる感じが、実はコージーでは珍しい(笑)。 ルーシーも、夫のビルも子供たちも殺人事件はもちろんだけど?家庭内、地域内で起こる様々なアクシデントを 乗り越えながら成長していくその過程をきっちり描いている。 これがダイアン・デヴィッドソンのクッキングママシリーズになると、度が過ぎて時に痛々しくなるのでルーシーくらいがいい。 ただ、ルーシーが本を書いたり、新聞記者を始めたりする描写は余計な気も。 子供が小さいのだから主婦に専念しなさいなんて言う気はさらさらないけど、物語の中で浮いてる気がする。 アメリカだとテンプレがあって、専業主婦だと駄目なのかな? さてこの「ハロウィーン〜」はシリーズの中でも特に好きな作品。 冒頭登場する人物が好感度高すぎて、なのにあっさり被害者になってしまう理不尽。 本人はわずかな間しか出て来ないが、ルーシーの回想を通してその人物像が生き生きと描かれていく。 彼女に頼まれ、ビルが手掛けた家。 その過程を記したスクラップブックを見るルーシーと同調して一緒に微笑んだり悲しくなったり。 彼女は家だけでなく、友人としてルーシーの写真も貼っていた。 このインパクトが強くて、事件の謎が読後印象に残らないほどだけど、数いるこの世代のコージーヒロインの中でも私は ルーシーが特に好きかも。 さてハロウィン。 この写真は去年交換したり買ったりもらったりしたハロウィンのお菓子。 あまり好きじゃないと言いつつも、あれば食べるし食べれば太るしで、毎年大騒ぎになるのはクリスマスやバレンタインと全く同じ(笑)。 ★「ひとりごと」でも写真を紹介しています。 |
11月12日 ダリアハウスの困った聖夜〜柿のパフェ |
キャロライン・へインズの「ダリアハウスの陽気な幽霊」に続く2作目。 この本には、たまたま新宿高野で柿のパフェを食べた日に読み始め、本にも柿のパフェが出て来たというおもしろい思い出があります。 聖夜(クリスマス)と柿はイメージ的に想像つかないから、登場人物の1人ローレンスが手ずからもいで自分で作ったという描写に驚きました。 コージーミステリーの分野ではちょっと毛色が変わったこのシリーズ、私は好きです。 本編で大活躍するのは犬なのになぜ表紙で猫メイン?とコーヒー探偵みたいに突っ込みたくなる。 ロマンスどっぷりで2人の男性、それ以上?に愛されるふらつきヒロイン?とクッキー探偵みたいに突っ込みたくなる。 幽霊が出て来てお喋りするところ、幽霊探偵?と突っ込みたくなる(でもこっちの幽霊は役に立たない)。 普段はだらしない恰好で食べ過ぎて太っていても、ドレスを着ると不思議に美人、なところも突っ込みたくなる、切実に(笑)。 正義のためには犯罪も可、なところクッキングママシリーズみたいに突っ込みたくなる。 いえこちらは1作目で自ら友人のペットを誘拐し、自分が取り返してお金をせしめるという胸を張った犯罪者。 と突っ込みどころ満載過ぎて、むしろ一回りして好きになりました。 ヒロインが小気味よく、文章が小気味よく、それでいてアメリカ南部の気だるさみたいな雰囲気が良いのです。 最近流行りのコージーミステリーはなんとなく声が(文章が、キャラが)甲高い作品が多いので、ちょっと飽き気味でした。 そんな時に読んだダリアハウス、ストーリーやミステリーよりも雰囲気で読み上げる作品だと思います。 この本は日本で2009年(平成21年)に出ていますが、解説によると、アメリカでは2008年(平成20年)の時点で8作目まで出ているようです。 日本では音沙汰ないですが、続き出して欲しいです。 表紙絵も雰囲気は好きだけど、もうちょっと新しい感じでお願いしたい。 |
10月28日 レッドシーズプロファイル〜シュガードーナツ |
今回取り上げる「レッドシーズプロファイル」は本ではなくゲーム。 ゲームと言えばずっと気になっていたのが「サイレントヒル」。 でも1作目が出たのがまだプレステだった時代で、その後もかなり出ているから遊ぶのは無理だなあとあきらめていた。 でも映画を見てその音楽や世界観が気になって気になって・・・。 遊んでみたいやっぱり無理だと騒いでいたら、メル友Hさんが「動画を見たら?」と教えてくれた。 何それ?と思って調べてみたら動画サイトでプレイ動画なるものがアップされているのだった。 もうハマりましたね(笑)。 しばらくの間ゲームはやらず、動画ばかり見ていた。 「サイレントヒル」シリーズや、レオンとエイダが出てるけど難しくてやる気になれなかった「バイオハザード6」、徐庶で気になる「アサシン」 など見て、それらも良かったが、某きりんさんのプレイ動画「ルール・オブ・ローズ」がおもしろかった。 他におもしろいホラーゲームないかなあと思って探していて見つけたのが「レッドシーズプロファイル」。 カフェラテ飲みながら実況見ているうちに、どうしても自分でやりたくなった(笑)。 「最も評価の割れたサバイバルホラーゲーム」としてギネスに登録されたほど評価の別れるカルトなゲーム。 本当にPS3?と首を傾げるほど汚い画像にハチャメチャな操作性、バイオやサイレントヒルからおいしいところをもらおうとして 失敗したような時にはけだるい、時にはムチャクチャな戦闘、口笛が頭から離れない音楽に神がかったシナリオ、濃いキャラの魅力的な言動、 どこか懐かしいアメリカの田舎の風景と古き良き時代を感じさせる世界観。 凝るべきところを凝らずに、どうでもいいようなところに懲りすぎた結果、一種独特の魅力を持ったとんでもないゲームに仕上がった。 ゲームとしては失敗作、でもアクシデントで超カルトなゲームに仕上がった、そんな感じ。 操作は確かに難しくて(バイオの難しさじゃなく、操作性の悪さによる難しさ)、特にドライブに関しては私一人じゃ詰んでたろうけど、幸い 甥っ子が助っ人として来てくれて、難しいところを助けてくれる。 私はエピローグでお金とアイテムを稼ぎ、簡単な所でのんびり家庭訪問したり(笑)、町の人たちとおしゃべりしたり。 これまでゲームを終わらせたくない!と思ったのは「ラクガキ王国」とこれだけだな。 いつまでもこの街、グリーンベレーに「住んで」いたい、そんな魅力に満ち溢れている。 中でもおもしろいのが、主人公にシャドウ(ゾンビみたいな存在)との戦闘で体力を削られる他に、空腹と睡眠のコマンドがあること。 着替えないと無精ひげが生えて周りをハエが飛び回るなんて、そんなところに凝るくらいなら他のところを凝ってくれ、と言いたくなる。 さらに体力回復(救急キットなど)、眠気覚まし(コーヒーなど)のアイテムがあるのだが、空腹改善のアイテムがまた豊富で、生のタマネギやら ピクルス缶やらケンタッキーフライドチキンで買えるようなビスケットやらどぎつい色のターキーサンドやらむやみに豊富。 そんなところに凝るくらいなら(以下同文)、と言いたくなるが、これがまたアメリカの典型的なカジュアルフード揃いでアメリカンな雰囲気を出すのに 最大限の効果を生み出しているから侮れない。 間違って出来てしまったこのとんでもゲーム、同じ会社でも2度とこんなのは作れないだろうな。 ところで先日無印良品のMUJIカフェに行ったら、このゲームに出て来るシュガードーナツそっくりのドーナツがあって目が吸い寄せられてしまった(笑)。 コーヒーだけのつもりだったのに、注文しちゃったよ、シュガードーナツ。 でもほんとに楽しいんだ、「レッドシーズプロファイル」。 誰にも勧めないけど(笑)。 |
10月15日 雪のドーナツと時計台の謎〜トライフル |
「トライフルを作ったのよ」 「おいしそう。 三つに分ける? それとも、スプーンを三本用意して、いっせいにアタックする?」 ☆ ☆ ☆ なんか楽しそうねえ。 大きなボウルにどっさり作っていっせいにスプーン突っ込むのって楽しそうじゃない? ところでトライフルって何? Wikipediaによると、「固めのカスタード、フルーツ、スポンジケーキ、フルーツジュース(近年はゼリーで代用することも多い)、泡立てたクリーム」を層状に重ねた デザートだという。 語源は古いイギリス語からのものと言われており、そこには「気ままなおしゃべり」だったり、残り物またはあり合わせで作ったデザートだから「つまらない物」と言う意味合いがあるそうだ。 Wikipediaにはまさに大きなボウルにどっさり作ったトライフルの写真があり、いんなでスプーンを突っ込みたくなってくる(笑)。 でもこれ、「トライフル」って名前では知らなかったけど、カフェなどでよく見るデザート。 (もちろん1人分が可愛いカップに入ってる) 私は特に新宿高野のトライフルがお気に入り。 さてジェシカ・ベックの「ドーナツ事件簿」シリーズ。 ワンパターンなヒロインだらけのコージーミステリーの中でも、一番印象が薄い気がする。 「ドーナツ作ってる人」で、名前もつい忘れてしまうくらい(ちなみにスザンヌ)。 ただ逆に、クセがないというか、アクの強さがないから、読んでてイライラしない、好感が持てるヒロインの1人ではある。 現在の恋人と別れた夫と2人の素敵な男性に愛されてることもありきたりだけど、ふらふらしてる感じがしなく、男性2人も好もしいキャラに仕上がってるのもポイント高い。 今作のジェイク(現恋人)には失笑させられたけど、これは正直作者が悪い。 有能な助手、完璧な友人、大好きだけど時には喧嘩もする母、これまたステレオタイプ。 でも彼らもまたクセがなく、好感が持てる(だからつい忘れちゃうのかも)。 人のイラストを使わないおいしそうな表紙はお気に入りです。 訳にクセがないなと思ったら、山本やよいさんは、クリスティーも訳しているのか。 表紙が漫画っぽいイラストで苦手なバージョンだけど、今度読んでみようかな。 |
10月3日 秘密の花園〜ポリッジ |
朝食の前に座ったとき、ポリッジをいやな顔をして押しのけるのではなく、スプーンを取ると、器が空っぽになるまですっかりと平らげたのです。 ☆ ☆ ☆ 子供の頃から本好きで、とにかく手当たり次第読んだ。 大人になった今の方が読む本のジャンルが狭まっているくらい。 でもやはり心に残っているのは子供のために書かれた文学全集で、アンやロビンソンやゴードンやネモ船長やセーラやハイジやホームズや ドリトル先生が心の友だった。 大人になってなまじっかストーリーがわかるために、大人向けの文庫版を読む機会はしばらくなかったが、図書館で「〇〇の世界を歩く」とか 「〇〇の料理のレシピ」みたいな本を見つけ、懐かしく思い出すようになった。 特に北野佐久子さんの本が好きだが、「秘密の花園クックブック」もそのひとつ、さらに映画「秘密の花園」を見て、原作のイメージを壊さない その美しさに感動した。 (ものすごい速さで進む映画ではあったが、笑)。 ただ大人版「秘密の花園」、私がたまたま手に取った物だけかもしれないが、なんか教訓めいているというか説教くさいというか、押しつけがましさが 気になった。 大人だって子供だって、メアリーやコリンの行動を追って行くだけで、彼らがいかに変わったか、成長したかを容易に感じ取ることができる。 いちいち言葉で説明されてもくどいだけだ。 かえって子供向けの方が余計な部分を削ぎ落して無駄がなかったと思う。 でもこれは訳し方のせいではなく、もしかしたら原作自体がそうなのかも。 どちらにしても大好きな作品であることに変わりはなく、今読んでも(映画を見ても)メアリーが初めて秘密の花園に足を踏み入れる場面は 子供の頃に帰ったようにドキドキしてしまう。 で、子供の頃からずっと謎だった「ポリッジ」。 去年ひょんなことから謎が解けた。 ホームステイ先で、Mさんが朝食で子供たちに、「ポリッジ食べなさい」と出してたのが、なんのことはない、オートミールだったのだ(笑)。 つまりオートミールを牛乳で煮て、たっぷりドライフルーツやナッツを入れて蜂蜜かけて、はともかく熱々のお粥状態になったのをポリッジと 言うのだそう。 調べればすぐわかったろうが、なんとなく今はない食べ物という先入観があったので全く気づかなかった。 うちは朝はパンがメインだが、土日はそれこそポリッジやグラノーラ、ホットケーキなどにすることも多い。 和食より手軽に準備ができるのと、和食だと朝からおなか一杯になっちゃうためで、これは1人暮らしを始めた頃からの習慣だ。 そういえば「おいしい本をさがす道」に取り上げたいコージーミステリ最大の難関は「ペニーフットホテル」と「クッキングママ」のシリーズ。 ペニーフットホテルはそれこそ昔の食べ物ばかりだし(ステーキアンドキドニーパイなど、今もあるらしいが、探してもなかなか見つからない)、 クッキングママは本職過ぎて、ただのケーキやただの料理じゃないから、似た物をお店で探すしかないことになる(笑)。 凝ったサラダにあれこれ名前をつけられた時点でお手上げだから、タフィとかチョコレートとかどうでもいいような物を探すことになる。 上手な方だと、ゴルディの料理を再現してたりして、凄いなあといつも感心しながら見ているが、私には100年かかっても無理だ・・・。 最後に大人になって、子供の頃は単なる悪役だったロッテンマイヤーさんやメドロックさんの立場、苦労も少しはわかるようになってきたのが おもしろい。 |
7月26日 レモンメレンゲパイが隠している〜レモンメレンゲパイ |
ほとんどのコージーミステリは続けて読まないこと、同じ本は時間を置いて読むことが基本(笑)。 せっかくのおいしい本が嫌いになりかねないからで、その理由がヒロインの性格であったり(素人探偵なだけに押しが強く、 違法行為も気にしない面がある)、恋愛面であったりする。 ハンナが活躍するお菓子探偵シリーズは、恋愛面の最たるもの。 これまでも何度か取りあげているが、結婚する気はないけれど2人の恋人がいて楽しくデートのハンナ。 この「レモンメレンゲ〜」では恋人の1人ノーマンが2人の夢の家を作るのにプロポーズしないなんて、と気をもみつつ、 プロポーズされたら断るけどね、みたいな態度が好きになれなかった。 ただこれはハンナが悪いのではなく、作者の「理想の恋愛」なのだろうし、ハンナや周りの人々、作品の雰囲気は 好きだから、嫌いにはなりたくない。 おまけに最近2人の恋人にいいようにあしらわれているような、立場が逆転しつつあってなんだか可哀そうな気もするし。 ミステリーとしては、おそらく読者全員が「直感で犯人がわかってしまう」のではないだろうか。 ミステリーとして読まなくても、推理しようとしても、それ以前に自動的に犯人がわかってしまうと思う。 意外な人、ではなくこの人しかいないんだもの。 私は(ネタバレになってしまうが) L ・T ・フォークスのピザマンの事件簿シリーズが好きで、こちらの主人公に似た雰囲気が あるだけに最初は気に入ってたんだけどな。 さてレモンメレンゲパイ。 私はこの本を読むまで食べたことがなかった。 っていうか売っているのを見たことがなかったのだ、レモンパイは好きだけど。 メレンゲがあまり好きではない事もあって、それほど食べたいとは思わなかったが、とりあえず食べてみようと探し始めた。 ところが売ってない。 私がパイと言えばここ!と決めてる「マミーズ・アン・スリール」の池袋東武店で聞いてみたら、メレンゲの形を保つのが難しいので 作っていないとのことだった。 たぶん他のお店もそうなのだろうと思っていたのだが、たまたま友達に「レモンメレンゲパイ食べたいなあ。」ともらしたら 教えてくれたのが田原町にあるという「Lemon no hana」というお店。 その名の通りレモンメレンゲパイが有名だとか。 早速行ってみた。 田原町駅を出てすぐ、レモン色の屋根の可愛い小さなお店。 ケーキだけではなく、ブーケも置いてあってそちらも素敵。 ケーキの種類は少ないが、手作り感があってちょっと懐かしい感じ。 レモンメレンゲパイ(お店ではレモンパイ)に限らず、店頭での販売のみとなっているそうだ。 ふわふわしてておいしかったが、やっぱり私はメレンゲのない普通のレモンパイが好きだな、と思ってしまった、ごめんなさい(汗)。 ちなみにオーストラリアでビバホームのようなだだっ広いホームセンターに行った時、中にあるカフェで一口サイズのレモンメレンゲパイを 「カップケーキ」と名札をつけて売っていた。 これは意外とおいしかった。 たぶん素材にこだわらず(笑)、適当に作ってるからかな?と思う。 向こうでは「カップケーキ」の定義も適当で、マフィンも一口サイズのタルトも「カップケーキ」として売ってるお店がいっぱいあった。 ★「ひとりごと」でも写真を紹介しています。 ★東京都台東区寿2-4-6 |
7月15日 シャルロッテチョコレートファクトリー〜チョコレートがおいしいわけ |
うちの甥っ子の一番小さい子は、誰に似たのか?食べ物の出て来る絵本が大好きでした。 (もう絵本は卒業したけど) そんなちびのお気に入りの1冊がはんだのどかさんの「チョコレートがおいしいわけ」。 チョコレートと言えば「チャーリーとチョコレート工場」が有名ですが、あの映画は濃厚過ぎて、カラフル過ぎて。 見ただけでおなかいっぱい胸いっぱいでしたね。 絵本とはいえはんださんが遠くアフリカまで取材に出かけ、まさにカカオの実から「チョコレートができるまで」を描いた専門的な本。 大人が読んでもおもしろいし、勉強にもなるし、可愛い絵で描かれるキャラに感情移入までできちゃいます。 ところでこの本が、ロッテホテル錦糸町のシャルロッテチョコレートファクトリーとコラボすると聞き、だいぶ前の話になりますが 行って来ました。 ホテルに入ってすぐ右側にカフェがありますが、チョコレート色で装飾された可愛いながらも落ち着いた雰囲気、天井にはチョコレート色の パイプが伸びていて実際に使われているようです。 そしてありました! 「チョコレートができるまで」のページがあちこちに立体的にディスプレイ。 ライトがカカオの形してたり、細かい所までこだわりが。 休日だけあって親子連れ(特に女の子を連れた若いお母さん)でにぎわってましたが、何とか席が取れてランチセットを注文します。 チョコごはんのカレーだったかな?とサラダとホットチョコレートだったかな? メモがどっかに行っちゃったので忘れました。 オープンしたてで盛んに宣伝してた頃なので、カレーにチョコが入ってるのは知ってましたが、それほど気にならなかったな。 お子さんでもおいしく食べられる辛さです。 個人的には普通に辛いカレーが好きだけど(笑)。 可愛かったのが、サラダにコアラのマーチがのってるとこ。 ん?と思いましたが、中がからっぽなのでサラダのトッピングでも大丈夫。 これもおいしかったけど、空っぽのコアラのマーチは売ってませんでした、残念。 おいしかったのがドリンクのチョコレート。 さすがチョコファクトリー、シンプルだけど甘くておいしい、でもくどくない。 チョコレートはそれほど食べない私でもお代わりしたくなるおいしさでした。 ★「ひとりごと」でも写真を紹介しています。 ★東京都墨田区錦糸4-6-1 ロッテシティホテル錦糸町1F |
7月1日 ミス・マープルのティールーム |
私があまりにもオーストラリアのお料理だお菓子だと騒ぐので?Sさんが「今日はダンデノンに連れてってあげるよ。」と一言。 えっ?なに?どこ? ドキドキしてたら、連れて行かれたのはなんと!「ミス・マープルのティールーム」。 イギリスヨーロッパならそんなに珍しくもないかもしれませんが、何故にオーストラリア? 抜けるような青空と、ギラギラ輝く太陽の元、いささか場違いにティールームはありました。 ところが一歩中に踏み込むと、そこはまさにミス・マープルの世界。 可愛いティーポットやジャムの小瓶がディスプレイされ、開店早々だというのに店内はほぼ満員です。 「次のミス・マープルは誰?」と書かれた新聞記事が貼ってあり、歴代のミス・マープルを演じた女優の写真もずらり。 日本ではテレビドラマシリーズのジョーン・ヒクソンが有名でしょうが(私も一番好きです)、もっと古い写真ばかりでした。 注文したのはもちろんスコーン。 でも先にSさんの前に置かれたパフェにびっくり!でかい! お店の雰囲気はイギリス風だけど、メニューは巨大なオーストラリアサイズ! でもSさんは驚くこともなくパクパク。 ちなみに私のスコーンもかなり大きかったのですが、Mさんとシェアして食べました。 ジャムも見た目のわりにあっさりしていて食べきれましたよ。 店内は、他のお客様の迷惑にならなければ写真もいいですよといってもらったので何枚か撮りました。 中には私たちも撮って!と声をかけてくれる気さくなグループもいたけど。 ティールームの隣りは、こちらも可愛いティーポットの専門店。 これはもう鑑賞用でしょうと言いたくなるほど凝った作りのポットがぎっしり。 私もあまり高くない可愛いポットを1個お土産に買いました。 大満足です! ★「ひとりごと」でも写真を紹介しています。 |
6月28日 サンタの親指クッキー?〜史上最悪のクリスマスクッキー交換会 |
タイトルに「?」がついているけど、誤字でも誤変換でもありません。 今日紹介するのは、「サンタの親指クッキー」ではないからです。 ただ私が、「サンタの親指クッキーはこんなんじゃないかな?」と思っただけのものなのです。 さてオーストラリアでステイ先のMさんに、「サンタの親指クッキーって知ってますか?」と聞いた私。 「聞いたことないわ。」と首を傾げるMさんに、たぶん真ん中に指で穴を開けてそこにジャムを詰めた クリスマスクッキーだと思いますと説明した私。 何しろ「レスリー・メイヤー著「史上最悪のクリスマスクッキー交換会」はおいしそうな食べ物はたくさん出て来るけど、 それがメインではないので(主人公は普通の主婦)、レシピやイラストなどは出て来ず、サンタクッキーも単語だけなので 想像するしかないのです。 これもアメリカオンリーかあとがっかりしつつ出かけたある日、Mさんの旦那様のSさんが、「えむせんえむさん、 君が言ってたのはこれじゃない?とお店で見せてくれたのがこのお菓子でした。 確かに真ん中に穴があってジャムが詰めてあります。 「これは親指じゃなくてサンタの人差し指だね、きっと。」 ジョーク好きなSさんがウィンクしながら言います。 彼はとにかくジョークが大好きで、いつも理解できない私は曖昧な笑いでごまかすのですが、今回はSさんが人差し指で ポーズをとってくれたのでわかりました。 確かにおじいちゃんサンタが親指で開けた穴にしては小さい。 しかもこれは別にクリスマスの定番と言うわけではなく、Sさんも子供の頃から大好きで普通に食べてたお菓子だそうです。 で、これなんていうクッキーだろ?とひっくり返してみたら、なんと「Jam Drop Biscuits」と書いてあります。 クッキーではありません、ビスケットでした(涙)。 念のためお店の人にも聞いてみましたが、やはり「サンタの親指クッキー」なんて言葉は聞いたことがないとのこと。 まあ指で穴を開けてジャムを詰めたことには間違いないので、きっとこんなんだろうなあ、ビスケットだけど。 そう思っていたのですが、先日調べて知りました。 ビスケットとクッキーは全く違うものと思っていましたが、国によって言い方が違うだけで、クッキーは北米で使われる言葉、 それ以外の英語圏では一般的にビスケットと言うのだそうです。 ただ日本では完全に別物扱い(材料などによって)しているので勘違いしてしまいました。 漠然と薄くて平らだからビスケット、ぼこぼこしてて厚みがあればクッキーなんて思ってましたが全然違いました。 あっ、日本の場合は見た目も重要だそうです。 「見た目手作り風」が大事、なんだそりゃ(笑)。 そんなわけでややこしかったサンタクッキーが出て来るルーシー・ストーンシリーズ。 嫌いじゃないけど、どうもジル・チャーチルのジェーン・ジェフリイシリーズを先に読んでしまってるので、ごっちゃになって印象薄い。 違うのはジェーンは未亡人で若い恋人がいて、ルーシーは夫が健在ってことくらいかな? 細かく読めば違いはいろいろあるんですが。 でもどっちもミステリ部分よりも「子育て主婦の奮闘記」っぷりが一番おもしろく、同時にリアリティに溢れていると思う。 さらに「史上ー」はクリスマスシーズンの話なので、クッキー交換会はじめとしたいろんなイベントも楽しかったです。 リヴィア・J・ウォッシュバーン著「クッキー交換会の隣人たち」もこんな感じもミステリだったかな。 初めて読んだ時、クッキー交換会なんて日本じゃあまり似合わないな、日本だったらおにぎりとかおせんべい? でもおせんべいは手作りしないしな、なんて思っていたらクッキー交換会にチョコレートチップおにぎりを持って来たクリシーの話が 出て来て爆笑したことを思い出しました。 これはあんまり食べたくないな、いえ絶対食べたくないな。 チョコレートおはぎみたいなものかもしれませんが。 食わず嫌いはいけません、今度作ってみようかな? |