おいしい本をさがす道(七)


6月9日 注文の多い宿泊客〜バナナマフィン
美しく静かなクランベリー島で、小さな朝食付きホテルをはじめたナタリー。
経営は崖っぷちながら、お手製の朝食とお菓子は絶品と大評判。
ところが、島にリゾート開発の魔の手が迫り、このままではナタリーの宿も潰されることに。
なんとかして食い止めなければ!
そう思った矢先、岸壁で開発会社社長が遺体となって発見された。
開発に猛反対していたナタリーは真っ先に疑われてしまい・・・・!?
B&Bのオーナーが、泡立て器を片手に名推理するシリーズ第1弾 (Amazonデータベースより)

カレン・マキナニーのシリーズだけど、「あの」ランダムハウス出版だったために途中で打ち切りとなり、他社に 拾ってももらえなかった悲運の作品。
少なくともあと2冊は残っているはずなのでできれば読みたいのだけれど。

訳は上條ひろみさん。
ハンナのクッキーシリーズやジュリア・バックレイのスープ探偵?(まだ読んでない)でお馴染みの方で、こなれた 読みやすさが特徴だけど、ヒロインは好きになれなかったなあ。
B&Bのオーナーでありながら、宿泊客の部屋に勝手に入って「捜査」することに何の抵抗もないところ。

素人探偵である以上、言い訳しながら勝手に人の物をかき回すのはよく見られるけれど、ナタリーの場合は立場上 特に抵抗感が強かったです。
その他の部分はリアルな生活感がおもしろかっただけに本当に残念。

B&Bのオーナーなので、出て来るおいしい物も、スイーツばかりでなく新鮮なフルーツや軽食や、特に上條さんもあとがきに 書いてますがロブスターは本当においしそうでした。
なのに選んだ写真はバナナマフィン、何年前の写真?って感じですが。

糖分取り過ぎがダイエットより病気の心配に移り変わるお年頃なので、以前のように何でもかんでも食べ歩くことはなくなりました。 寂しいなあ。

(2017年6月9日の日記)
8月2日 アイスクリームの受難〜サーティワンアイスクリーム
町にアイスクリーム店がオープン。
長蛇の列ができ、カラフルなアイスやサンデーを手にした笑顔の客であふれていた。
ところが目と鼻の先にダイエット教室がオープンしたことから、商売敵同士、熱い火花をちらすことに。
ジェイムズも明日から始まる過酷なダイエットを前に最後のアイスを堪能していた。
そんな矢先、アイスクリーム店が火事で全焼!
火災原因に疑問を抱いたジェイムズは仲間と真相を探ることに。
ダイエットと美食を応援するシリーズ第2弾。

Amazon(「BOOK」データベースより)

J. B. スタンリーのダイエット・クラブシリーズ、というよりデブ・ファイブシリーズ。
甘い物おいしい物は食べ放題だけど、ちょっとぽっちゃりしてるだけで実はモテモテ、なんてコージーが 多い中、このシリーズはとっても現実的です。
食べれば太る、ダイエットは苦しい、ちょっとやせると自分へのご褒美で食べてしまう、そしてリバウンド。

当方ダイエットどころか過度の糖分は健康に障るお年頃になってしまったので、余計わかるわかる〜と 頷きながら読む勢いです。
そして出て来るメンバーがみんな魅力的でリアルな感じがいいですね。

私、実は太めの男性が大好きです、熊さんみたいな人。
なんか包容力があって安心できる、優しい感じ。
ストイックな雰囲気だと萎縮してしまうので、この世界はいいなあと思いながら読んでます。
言い訳しながらね、食べちゃいますよね(笑)。

そんなシリーズなのであまりミステリとして意識してなくて、あれ?どんな話(結末)だっけ?と思って読み返しました。
犯人の動機は悲惨だけど、それが身に迫って来ないのは、やはりシリーズの持つ緩い雰囲気のせいなのでしょう。

この本読んで思い出したのがサーティワンアイスクリーム。
実際はこんな可愛いもんじゃなくて、もっと巨大でもっと甘いアイスなんでしょうが、あまり冷たいデザート食べないので、 この大きさで充分です。
好きだけど少しで充分。
キャラメルリボンかジャモカコーヒー、ラムレーズンがお気に入りです。

(2017年8月2日の日記)
12月3日 感謝祭〜パンプキンパイ
今回取り上げるコージーは3作品。

・クリスタ・デイヴィス著「感謝祭は邪魔だらけ」
・シャンナ・スウェンドソン著「赤い靴の誘惑」
・ローラ・チャイルズ著「チェリーパイの困った届け先」

共通するキーワードは「パンプキンパイ」です。
特に「感謝祭は〜」と「赤い靴〜」は感謝祭がメインの話。

感謝祭はさすがの日本も組み入れ難しと見たようで、ハロウィンのように日本で盛り上げようとする気運がないため、 私も言葉は知っていても、意味するところはわかっていませんでした。
Wikipediaによると、感謝祭はアメリカとかなだの祝日で「イギリスからマサチューセッツ州のプリマス植民地に移住した ピルグリム・ファーザーズの最初の収穫を記念する行事」なのだそうですが、現在は家族や友人が集まってわいわい楽しむ一種イベント的な行事となっているようです。
アメリカでは毎年11月の第4木曜日で日にちは決まっていないのですが、今年はたまたま日本の「勤労感謝の日」と重なりましたね。
その感謝祭と言えばターキー、七面鳥のイメージがありますが、デザートにはパンプキンパイがお約束のようです。

「感謝祭は〜」は家事アドバイザーのソフィが主役の第1弾、「赤い靴〜」はお馴染み「魔法製作所」シリーズ第2弾。
コージーというよりファンタジーと言った方がいいかな?
「チェリーパイ」は紅茶探偵でお馴染みのチャイルズの別シリーズ卵料理専門店の第2弾。

食べ物系が多いコージーの中で、家事アドバイザーのソフィはなかなか新鮮なキャラでした。
家事アドバイザーって?と思いながら読み始めましたが、作品中でソフィとナターシャ、2人のアドバイザーが具体的な例を挙げて説明してくれるのがおもしろい。
庶民的なソフィとセレブ対応のナターシャと言ったところでしょうか。
当然ナターシャはソフィのライバル、しかもソフィの別れた旦那様と熱烈恋愛中です。

こう書くと前夫マースがどうしようもない男性のように思えますが、これまたいい人。
ナターシャも、いかにも悪役な立ち位置で書かれますが、普通に読めば決して悪い人ではありません。
極端にデフォルメされた人物がいないところがこの本のおもしろさでしょうか。
いろんな人に振り回されるソフィに共感したり、新しい恋の相手とのやり取りに気合入れ過ぎてないところも好印象。

このリアルさがいいので、正直ディミティおばさまみたいなのはいらなかったかな、と思います。
でもこのシリーズ、アメリカではもう11冊目が出てるのに、日本では2013年、4年前に2作目が出たきり止まっているのがもったいないです。

「赤い靴〜」は「ニューヨークの魔法使い」で絶賛中(笑)のケイティとオーウェンが遂に!となるのは最後。
相変わらず

「彼(オーウェン)の悪戯っ子のような表情に、思わず笑ってしまった。
この感覚は何かに似ている。
いつもの舞い上がりではない。
これまで男性といるときには感じたことのない気持ちだ。
そうだ、兄たちと冗談交じりの言い合いをしているときの、あの感じだ。
ああ、なんてこと。
ありがたくって涙が出る。
またひとり兄貴が増えてしまった。」

こんな漫才みたいな会話が繰り広げられます。
この堅実さがオーウェンが惹かれる要素だったんでしょうね。
例によってオーウェンに会うたびに腰が抜けたり心臓が止まったり、と私の苦手な恋愛描写満載ですが、くすっと笑って読めるのは、原作者のうまさ、そして翻訳者のうまさでしょう。

「チェリーパイ〜」はカックルベリー・カフェの面々がまたもや殺人事件に巻き込まれる!
ミステリーとしてはありきたりですが、卵料理をはじめとしたお料理のおいしそうな事!
ちょっときどった紅茶探偵に比べてトニやペトラの個性豊かな事!
ちょっと飽き気味だった紅茶探偵と交互に読めば絶妙なバランス(笑)。

ヒロインとその恋人よりも、刑事さんや保安官など、脇役の方がキャラが立っているのもお約束。
この本読むと、つい池袋の「卵と私」に行っちゃいますが、ここはオムライス専門店、優しいお味なんですよね。
カックルベリークラブみたいながつんと来るのが食べてみたい。
自分で作れって?はい、すみません・・・。

で、今回パンプキンパイはバビーズで食べました。
東京駅にもあったんですね、混んでたけどがんばりました(笑)。
バビーズのアメリカンな甘さは胃に来ます、食べきるのはかなりしんどい(笑)。
だからランチしてデザートに、なんて頼むと後悔します。

ただ私、意外とスパイスが苦手なのでパンプキンパイも日本のスパイスが効いてない方が好きかもです。
チェリーパイもあったけど、生のチェリーは大好きだけど、煮たのはあまり好きじゃないので食べたことないです。

余談ですが、コーヒーはブラックで飲むつもりでミルクを断ったのですが、隣の女性がミルクを頼んだら、カップと同じくらい大きな銀色のミルクポットをどんと置いてくれてました。
いいなあ、あれ。
今度はミルクも頼んでみようっと。

(2017年12月3日の日記)
12月6日 野菜クッキーの意外な宿敵〜ジンジャークッキー
ヴァージニア・ローウェルの「クッキーと名推理」2作目。
このシリーズのデコレーションクッキーがおいしそうに思えないのと、野菜クッキーがさらにそそられないのと、 クッキーカッターに興味がないので、ストーリーはほとんど忘れています(笑)。

というか印象に残るキャラがヒロインオリヴィアの母エリーと親友マディくらい。
それでも1作目よりは読みやすくなったかな。
一番おもしろかったのは、裏表紙にあるあらすじの「砂糖に殺される!」と書かれたビラのくだり。
「殺される」は極端にしろ、このビラまいた人の言いたいことはわかりますよねえ。

健康にもダイエットにも敵!の砂糖。
だいたいコージーミステリのヒロインは、「疲れた時には甘い物が一番!」「頭を働かせるには脳に糖分補給しないと!」 などと言い訳?しつつとにかく食べます。
それでもぽっちゃりしてる程度で、普段はかまわないのにちょっとお洒落するとモテモテ。

「そんなことあるか〜!」と叫びたくなるくらいご都合主義。
読者の夢をかなえるというよりも、あり得ないファンタジーの世界です。
まあそんなこんなでこの本の一番のインパクトはこれでした、「砂糖に殺される!」。

で、今回のお菓子はジンジャースナップ。
粉末の生姜を入れたクッキーだそうです。
作品内に出て来るのはジンジャーブレッドハウスだし、表紙にはジンジャーブレッドマンが描かれてるし、厳密には ジンジャースナップ、ちょっと違うんですが、生姜味が苦手なので一番クセのないジンジャースナップを買いました。

オリヴィアのお店の名前はジンジャーブレッドハウス。
見た目も綺麗だし、作るの楽しそうだし、クリスマスシーズンになると、いつも買いたくなるんですが、買ってどうする?(食べない・・・)と 現実的な問題が見えて来て結局買わず。

本国では6作目まで出てるのに、日本では3年前に出た3作目でストップ中。
出したからには最後まで読みたいので、あまり厳しい事は書かないようにしなくてはね。
出たら必ず買いますから、このシリーズには限らずですが、最後まで出して下さいね、日本の出版社さん。

(2017年12月6日の日記)
12月10日 年寄り工場の秘密〜ハンバーガー
コリン・ホルト・ソーヤー著「海の上のカムデン」シリーズ(正しくは「老人たちの生活と推理」シリーズ)の第7作目。
というより最後から2番目(泣)。
おそらく作者のコリンさんが、アンジェラやキャレドニアの世界に旅立ってしまわれたのでは、と思われるのは1999年(平成11年)に 出るとアナウンスされた9作目「Bed, Breakfast, and Bodies」が出ることなくそのまま「作者消息不明」となってしまったから。
元々公開されているプロフィールが少なく、1988年(昭和63年)に老人ホームに入居してカムデンシリーズの執筆を始めたとあるくらいなので、 それからすでに30年近くたっており、もしかしたらなあと悲しくなってしまいます。

アンジェラとキャレドニア、さすがに初期の頃のパワーは落ちて来てますが、やっぱり楽しいおもしろい。
たとえると誰でしょうねえ。
女性で80才くらいになったマツコ・デラックスさんと泉ピン子さんのコンビ?
嫌でしょ?(笑)。

でも関わるのはちょっと、だけど端から見てたら楽しいコンビ。
さらにもっともっと常識をとっぱらって、優しさやユーモアを3割り増しくらいにして、更に口を悪くしたら!この2人になるんじゃないかしら?
もうこうなってくるとストーリーなんかどうでもいいんです。
カムデンの日常と、老人達の日常と交流。

「早く年を取ってこんな老人ホームに入りたい」って思わせてくれる恐るべき本。
そういえば最近「やすらぎの郷」って老人ホームを舞台にしたドラマがあって、あれも評判良かったですね。
おもしろそうなので録画してまだ少ししか見てないんですが、野際陽子さんの遺作となった作品でした。
空気は違えど、あれもまた日本らしい「海の上のカムデン」だったと思います。

さて、この本読んで意外だったのが、老人たちが宅配でピザやら中華やらハンバーガーやら取るところ。
シュミット夫人が作る、健康的でおいしい料理がありながら(ほんとうらやましくなるくらい)、時にはこってりした高カロリーな、体に悪いファーストフードも 食べたくなる、わかるわあその気持ち(笑)。

写真はヤシの木のピックが刺さってるので、たぶん四谷の「アイランド・バーガーズ」。
普段はマックやモス、ケンタでテイクアウトするくらいであまり食べないハンバーガーですが、この時はおなかすいてたのかなあ。
でもあまりの大きさに全部食べきれなかった気がする。

可愛いお姉さんが、「袋に入れて押しつぶして食べると食べやすくなりますよ♪」と笑顔で教えてくれましたが、いやそういう問題じゃないですから。
押しつぶしても量減りませんからと心の中で突っ込みいれてた気がします(笑)。
ああキャレドニアとお茶したいなあ・・・。
残るカムデンあと1冊です。

(2017年12月10日の日記)
12月21日 動かぬ証拠はレモンクリーム〜チェリーパイ
以前「チェリーパイの困った届け先」を取り上げた時に「パンプキンパイ」を紹介しましたが、今回はタイトルに「レモンクリーム」とあるのに 紹介するのが「チェリーパイ」です。
なんか微妙にずれてきてますねえ(笑)。
まあコージーミステリに出て来るお菓子やお料理は、日本ではあまり見かけない物が多いので、探すのもけっこう大変だったりしますから。
プリンとかナポリタンとかだったら(今日のランチ)どこででも食べられますが、わざわざ写真撮って紹介する意味ないし。
最近は美容と健康対策も「強く」意識しなければならないお年頃、そうスイーツ探しに精を出すわけにもまいりません。

ところでレモンクリームドーナツって見たことあります?
私はないです。
検索したら、2年ほど前に神戸屋さんから出てたようです。
普通のパンみたいに袋に入っているので、スーパーやコンビニで売っていたのでしょうか。
とても評判良かったようなので食べてみたかったなあ。
私はドーナツはもっぱらミスドとクリスピードーナツなので、そこで売ってなければ知らないなあ・・・。

などと思いながら読んでいたら、なんとヒロインスザンヌと母ドロシーの会話にチェリーパイが出て来たではありませんか!
ドロシーは料理上手で完璧な母親のイメージ。
離婚して実家に舞い戻った時点でスザンヌが母に依存していることが感じられるのですが、それでいて鬱陶しがるところ、 いかにも子供、娘だなあと思います。

それから最初、スザンヌがキッチンツアーで披露するのはベニエ。
これ、池袋東武のスパイス2にあった「カフェデュモンド」の名物だったんですよねえ・・・。
「だった」と書いたのは、いつの間にやら閉店してしまったからです(涙)。
私はランチはがっつり食べるけど、「お茶しましょう♪」系はほとんどないので、「いつか行こう」と思っているうちに忘れてました。
もう都内にはないようなので、他のお店を探してみましょう。

さてチェリーパイはバビーズですよ、ヤエチカですよ。
今回は銀色のミルクポットもしっかりオーダー。
オーダーって言っても無料ですけどね。
「ミルク使いますか?」って聞かれて「はいと答えると可愛いポットを置いてってくれます。
5分の1くらいしか入ってないんだけど、欲しいなあこのポット。

って本の感想全然書いてなかった。
1作目よりはおもしろかったかな?
完璧な母、完璧なアシスタント、完璧な親友、(忙しいけど)完璧な恋人、完璧が揃い過ぎてヒロインの印象がなさすぎなのが弱点か。
でもドーナツ食べたくなって困る本。
オールドファッションなども出て来るけれど、私はこのシリーズ読むとクリスピードーナツの方に行きたくなるなあ。

(2017年12月21日の日記)
1月8日 オリエント急行の殺人〜オムレツ
名優ケネス・ブラナー主演のエルキュール・ポアロ「オリエント急行殺人事件」が公開されました。
私は公式サイトでポワロのおひげにびっくりしましたが、なかなか評判よろしいようで。
あっ、最近スカパーでデビット・スーシェ版に再夢中になっていると、つい「ポワロ」と書いてしまいますが、原作も映画も「ポアロ」。
「ポワロ」の方が耳馴染みがいいなあ。

さて、私は絢爛豪華な1974年(昭和50年)版が大好きです。
あのまんまスーシェで撮り直して欲しいくらい好き。
TVドラマのスーシェ版でも2010年(平成22年)に作られていますが、これと「カーテン」はまだ見ていません。
ドラマ版「オリエント〜」の厳しさと、ポワロの死を描く「カーテン」はね、当分見れそうにないです。

ブラナー版は見に行きたいと思いつつまだ行けてないのですが、久々に「オリエント急行の殺人」を読み直してみました。
クリスティーはほぼ全作品が好きな私ですが、中でも「オリエント急行の殺人」は好き。
幸いこれも「アクロイド殺し」も「そして誰もいなくなった」も子供の頃読んだので、トリックを「有名過ぎる故に読む前に知ってしまう」ミスを することもなく、見事に騙されました。

あの時の興奮と爽快感は未だに忘れません。
「騙された、(犯人やトリックが)わからなかった」と思う作品は他にもありましたが、こんなに気持ち良く騙されたのはクリスティだけだなあ。

さて、絢爛豪華なオリエント急行、さぞかし食事も豪華でしょうがあまり出て来ず、むしろブークが食べるオムレツに、「オムレツ?オリエント急行で オムレツ?」とびっくりした気が。
別の卵料理をオムレツと訳したのか、でも軽く済ますためと言ってるので、特別に命じて作らせた軽食だったのかもしれませんね。
ちなみに私もオムレツは大好きです。

写真はどこだったかなあ・・・。
だいぶ前なので覚えていませんが、66DINING 六本木六丁目食堂か不二家だったと思うんですが。
私がオムレツやオムライス作ると、卵がふわふわにならなくて、クレープみたいになるので、外食でのオムライスやオムレツは楽しみです。
揚げ物やデミグラスソースあんまり好きじゃないので、洋食屋さんではオムレツかグラタン系(笑)。

(2018年1月8日の日記)
1月11日 TAKANOのフルーツ朝ごはん
新宿高野(以下タカノと略します)が大好きです。
ただタカノに限らずですが、カフェランチ、おしゃれでおいしいけれど私には物足りず、うちに帰ってから おにぎり1個食べちゃったり(笑)。

でも綺麗ですよね。
ランチでもパフェでも、これだけのフルーツを一度に買うなんて夢のまた夢。
うちでフルーツレシピ作るなんて無理なので、時々タカノでお茶します。

そんなタカノのレシピ本を書店で見つけました。
「TAKANOのフルーツ朝ごはん」と「TAKANOのごちそうサラダ」。
迷った末「TAKANOのフルーツ朝ごはん」を購入。
私、料理は下手ですけれどレシピ本見るのは大好き。

私でも作れそうな簡単なのはメロンと豆乳のスムージー?
いえメロンだけで1日の食費超えますから(笑)、みたいな突っ込み入れながら楽しく見ました。
スムージーは夜ですが、ほとんど毎日作ってます。
だいたいバナナと豆乳か、レタスとトマト。
バナナスムージーにはゴマやきなこやココア、黒糖、抹茶などを加えて味変えて。

平日は朝早いのでトーストメイン。
休日でも和食にすることは滅多にないなあ、そういえば。
パンとコーヒー、卵かソーセージに野菜炒めかサラダ、ヨーグルトとものすごくワンパターン(笑)。

でもフレークにドライフルーツじゃなく生の果物トッピングしたり、マンゴーの生春巻きなど、よく見れば予算内で お手軽にできるレシピもありそうです。
残念ながらタカノにはモーニングがないので、いくつかトライしてみようかと思います。
(写真はタカノのフルーツあんみつ)。

(2018年1月11日の日記)
1月26日サイズ14でもでぶじゃない〜クリームチーズのベーグル
書店で買うにしても、図書館で借りるにしても恥ずかしいタイトルの双璧がコリン・ホルト・ソーヤー著「海の上のカムデン」シリーズと 今回紹介するメグ・キャボット著「ヘザー・ウェルズ」シリーズ。
まあ私はアマゾンで注文したから関係ないけど(笑)。

Wikipediaからちょっと借りると、「作ってもらった曲ではなく、自分で書いた歌を歌いたいと言ったがためにレコード会社をクビになった 元人気歌手のヘザー・ウェルズが主人公の、大人向けのミステリ作品。
物語は、ヘザーがニューヨーク・カレッジの学生寮のコーディネータになったところから始まる。」物語。

正直タイトルと表紙とこのあらすじで長い間手が出なかった。
でも読んでみたらこれがとんでもなくおもしろかった。

ヘザーは言い訳しながら食べまくるし、恋愛に関しても移り気なところがあるし、人はいいけどだらしないイメージ。
こう書くと魅力のないヒロインに思えるけれど、これまたとんでもなく魅力的なヒロイン。
嫌なことから逃げない、怖い相手にも逃げずに立ち向かう。
何て言うのかな、豊満な体の中に1本鉄筋コンクリートの信念(筋)が通っているというのかな。

売れればいいみたいなアイドル歌手の座を投げ捨てて、地味だけど確実な仕事を得てとんでもない事件に巻き込まれるヘザー。
全体的にコメディっぽいのに、この2作目の事件はとんでもなくえぐい。
なのに陽気、なのにおもしろい、そしてヘザーは戦う。

作者がうまいのです。
「プリンセスダイアリー」シリーズのメグ・キャボっト。
どう書けば話がおもしろく、どう書けばヒロインが魅力的になるか知り尽くしている作家。
そして訳は中村有希さん。
そう、カムデンシリーズと同じ中村さんが翻訳担当なのです。
これでおもしろくないわけがない、お勧めです。

アメリカでは5冊出てるのに、日本では7年前に出た3作目で中断。
あそこで終わるのもある意味潔いけど、続き、読みたいなあ・・・。

そんなとんでもない(連呼してます)作品なのに、取り上げるのはベーグル。
このシリーズはいかにもアメリカンな食べ物が多く、日本じゃなかなか見ることがないので、ベーグルくらいしかない(笑)。
ヘザーが食べるのはクリームチーズとベーコンのベーグルですが、私が買ったのはクリームチーズとサーモンのベーグルだったと思います。
「ベーグル&ベーグル」好きだけど、私が買うお店はイートインできないのが残念です。
(2018年1月26日の日記)
1月30日隠し味は罪とスパイス〜プレッツェル
ベイリー・ケイツ著ハニービー・ベーカリーの事件簿シリーズ1作目の「隠し味は罪とスパイス」。
2014年(平成26年)に出てるけど、私が読んだのはつい最近。
なのでちょっと損をしてるかな?と思う。

魔法が出て来るところが魔法製作所を思い出させるし(名前もケイティだし)、祖父母の存在感はチーズ探偵。
2人の恋人候補?はクッキー探偵、ベーカリーはまあ売り物がパンになっただけでドーナツとそんなに変わらないし。
祖父母の友だちはお料理名人を彷彿とさせるし、ヒロインは卵料理のカフェっぽい雰囲気もある。

ただ言えることは、そのどれもが上記の作品ほど個性が強くないということかな?
よく言えば読みやすい、悪く言えば薄い。
そんなところが去年7作目が出てるのに、日本では未だに1作しか訳されてない原因かと思います。
でも私は嫌いじゃないな、この雰囲気の薄さ。

特にシリーズも長期化するとクセが出て来て飽きやすいので、むしろこのシリーズをもうちょっと出して欲しい。
ただ魔法をね、クライマックスに使うのはどうよと思った。
以前「世界ふしぎ発見!」でハリー・ポッターを取り上げた時だったか、イギリスに実際に存在するハーブを使う魔法使いを 紹介していて、この本でそれを思い出しました。
この作品はこっちの魔法使いが似合います。
魔法製作所のような「本物の」魔法使いにせず、このリアルさをこのシリーズの個性にすればよいのにと思いました。

レシピも少ないのに、とにかくパンを中心に食べ物の名前がずらりと並ぶので読むのが辛い(笑)。
その中で私が一番好きなのはプレッツェルかな?
池袋東口にあった「アンティ・アンズ」がなくなった時はショックだったなあ。
いつも混んでたのでめったに買えなかったけど好きでした。
秋葉原店もなくなって、東京には現在5か所だけ、寂しいです。

食べたくなると、池袋東武のリンデで買ったりもしますが、アンティ・アンズのシナモンシュガーが食べたいです。
写真は数年前のクリスマスマーケットでビールのおつまみに買ったプレッツェル。
(2018年1月30日の日記)
2月3日 でぶじゃないの、骨太なだけ〜メキシカンウェディングケーキ 2
コージー史上、最強の恥ずかしいタイトルですね(笑)。
まるで自分の言い訳みたい。
メグ・キャボット著(創元社さん曰く)「でぶじゃないシリーズ」ってこのシリーズ名も凄い!
でも海外とのサイズ比較見てみたら、アメリカンサイズで14(前作の時点で)でも日本だったら13号でLLサイズ。

今作はサイズ書いてませんが、仮に16だったとしても15号で3Lサイズ。
本の表紙やイメージしてたヘザーと違う。
「でぶ」という失礼な言い方より「ぽっちゃり」系ではないのかな?
でも本編でのヘザーの食べっぷりを見てると、そんな甘いもんじゃないって気もするし。

さて楽しかったヘザーシリーズも今回でおしまい?
前にも書いたように、本国アメリカではもう2冊出てますが、日本でこの3作目が出たのは7年前です。
ヘザーも、私が大好きなマグダも、最後は幸せになれたし、完結しちゃってもいいかなあ、でも寂しい。
続編がどんな内容かはわかりませんが、なんかクーパーが浮気しそうな気もするし。

そして今回は、坂木司さんの解説がまた絶品なのです。
「和菓子のアン」の坂木さんですね。
解説読めば、私の感想なんて無用です。

「もし日本を舞台にヘザーのような人物設定をしたら、まず恋は片思いでしょうし、体形のコンプレックスから、セクシーな 行動はとらないと思うのです。
そう、ヘザーは自分で太めだと言いながらも、のびのびと生きている。
それが彼女の、何よりの魅力です。」

まさにその通り。
恋の誘惑、甘い物(スイーツって言うよりカロリー高そうな甘い物って感じ)の誘惑にも弱いし、でもどんな問題にも真っ向から向き合うし、その性格にも1本筋が通っている。
見た目と性格の矛盾がここまで徹底していて、それでいておもしろくて魅力的、そんなヒロインはそんなにいないんじゃないかな。

そして出てくる無数の甘い物の中で目に付いたのがメキシカンウェディングケーキ。
どんな大げさなお菓子かと思っていたら、日本で言うところのスノーボール。
粉砂糖を振りかけた丸いクッキー、なんでメキシカンウェディングケーキって言うんでしょうね。
その辺にあった器に入れたら、ミニ大福に見えないこともない(笑)。
(2018年2月3日の日記)
2月9日家政婦は名探偵〜ダイジェスティブビスケット 2
最初読んだ時、ミス・マープル風なミステリかな?と思いましたが、時代的にはホームズと同じなんですね。
それほど古さを感じさせない、というより全てがほどほどと言っていいおもしろさかと思います。

本当なら主人公であるはずの警部補は、人はいいけどいまいち頼りない、というかはっきり言って捜査能力に欠ける人物。
代りに警部補に気付かれないように捜査して警部補にヒントを与え、解決に導くのが家政婦のジェフリーズ夫人を中心とした 使用人たちです。
ジェフリーズ夫人がアクティブなミス・マープルに思えないことがないのが、私が初めにミス・マープル風と感じた一因でしょうか。

使用人たちも個性的な面々、なのですがケイト・キングズバリー のペニーフットホテルシリーズや、ミス・マープル、ホームズ物と 比較すると、それほど印象的に残るわけでもないかな?
ただクセがないしアクもないので、気楽に読めるという意味ではお勧めです。
特に恋愛過多なコージーに飽き気味の私にはいい感じの読み心地でした。

私が好きなのは、ジェフリーズ夫人がウィザースプーン警部補の食事に付き合いながら、事件の話を聞いたりヒントを与えたりする場面。
ポアロと執事のジョージを思い出します。

この本には、ローストビーフ、ローストチキン、マッシュポテトなどオーソドックスな料理が出て来ますが、私が「お?」っと思ったのは 「ダイジェスティブビスケット」。
ネットで調べたら、「麦粉を使って作る、甘みを抑えた、やわらかくて消化のよいビスケット」だそうです。
普通にスーパーで売っていました(笑)。

早速食べてみましたが、たしかにマリーのビスケットとは違う独特の味と食感があります。
普通においしい、むしろ好き。
でもどんな味ってうまく表現できないので(麦粉の味?)興味のある方は是非食べて見て下さい。
(2018年2月9日の日記)
2月15日 本の町の殺人〜ビスク 2
これほどタイトルに期待して、読んでがっかりだった作品は最近ないなあ(笑)。
おもしろくないわけではないのですよ。

でもタイトルが「本の町」だし、
「古書と専門書の書店が軒を連ね、それを目当てに大量の観光客が押し寄せる。
読書家の聖地、本の町ストーナム。
トリシアはそんなストーナムにあるミステリ専門書店の店主だ。」
ですからね、期待するでしょ?本の蘊蓄。
ペットの猫はミス・マープルって名前だし。

なのに、本の蘊蓄がほとんどないんです。
キーアイテムとなる本の説明が少しあるだけ。
でも引っかからず、すんなり読めるという意味ではおもしろかったです。
ヒロインよりも姉のアンジェリカが気に入りました。

コージーお約束のヒロインを引き立てるためのはた迷惑な家族、あるいは親友ポジの彼女ですが、個性豊かで読んでて楽しい。
トリシアも悪くはないけど堅実なので目立ちません。
しかもはた迷惑な姉の立場なのに料理が上手です。
食べ物系のコージーのようにレシピが載ってるわけじゃないのに、お料理や食事の描写が上手でおいしそう。

アンジェリカの料理も食べてみたいけど、「エドの店」にも行きたいなあ。
見た目はあれだけど、東海岸で一番のロブスターとビスクを出すお店。
エビやカニが大好きで、特にビスクには目がない私です(笑)。
気軽に食べれるのがSoup Stock Tokyo、よく行きます。
本はロブスターのビスクで、こちらはオマール海老のビスク。
味はやっぱり違うのかな?
スープだけだと物足りないので、カレーとビスクとドリンクのセットで。

ところでこのシリーズ、表紙がオーソドックスに見えてなんか変。
特に3作目の「本を隠すなら本の中に」。
表紙の女性の顔が、面をつけてるように不自然なのです。
初めて見た時、「夏目友人帳」の「連鎖の陰」思い出しました。

でもこの3作目が出たのが2014年。
本国では今年もう12冊目が出てるらしいので、どんどん訳して欲しいです。
最近は出版事情もあるのでしょうが、とりあえず出してみて、あまり売れなければ打ち切りのパターンが多いようです。
回を重ねるごとにおもしろくなっていく物も中にはあると思うので、出版社さんもあきらめないで欲しいなあ。
(2018年2月15日の日記)
2月21日衝動買いは災いのもと〜ロールケーキ
アン・ジョージ著「おばあちゃん姉妹探偵」の1作目(現在4作目まで出ています)。
派手な姉とまじめな妹、タイトルと表紙のインパクトに比べてそれほどおもしろく感じなかったのは、読んだ時期が 遅すぎたせいでしょうか。
退職したまじめな元教師と言えば、リヴィア・J・ウォッシュバーン著「お料理名人の事件簿」のフィリスがいるし、お年よりコンビで 楽しいのはコリン・ホルト・ソーヤーの「海の上のカムデン」シリーズのアンジェラとキャレドニアだし、スケールの大きな浪費家と言えば ポンと思い浮かんだのはダイアン・デヴィッドソン著「クッキングママ」シリーズのマーラその他たくさんいるし。

確かにいきなり踊り出したり、健康のこと心配しながらもなんやかんやと食べる描写にくすっとさせるおもしろさはあります。
ミステリというよりファミリー小説?
ウェスタン・バーを「衝動買い」してはいるけれど、シャロン・フィファーの「アンティーク雑貨探偵」シリーズのジェーンの両親の個性に較べたら なんだか薄いし。

あっ、話がそれますがこのジェーンシリーズ、「アンティーク探偵」と銘打っていますが、これっておかしいですよね。
ジェーンはピッカーズ(拾い屋)では?といつも思いながら読んでいます。
日本語で「拾い屋」だと語感が悪いので「アンティーク探偵」にしたのかと思いますが、たまにスカパーのヒストリーチャンネルで「アメリカン・ ピッカーズ」を見て声出して笑ってる私としては、違うよなあと思いますよ。

ジェーンの集めるのは「(楽しい意味での)がらくた」。
ボタンやカードや、普通の人ならいらない、あげるよと言いそうな物ばかり。
そしてその中に「お宝」を見つける楽しさがあるんですから。
だいたい「アンティーク探偵」はエミール・ジェンキンス作品ののスターリングがいるでしょ?

って関係ないことばかり書いてしまいました。
でもとりあえず4作目までは読んでみますよ。
何より買わないと打ち切られてしまいそうなのがコージーミステリの一番怖いところ、ですからね(笑)。

お料理もいろいろ出てくるけれど、今回はお手軽にロールケーキ。
シャンシャンにちなんで上野ではいろんなお菓子が出てますが、これはずっと前の頂き物。
とても可愛かったので写真を撮った時の物です。
(2018年2月21日の日記)
3月1日アンティーク鑑定士は見やぶる
エミール・ジェンキンスによるアンティーク鑑定士スターリング・グラスが主役のシリーズ1作目。
食べ物が主役じゃないので(笑)、アンティークの蘊蓄が楽しめる作品です。
内容もさすが鑑定士の女性がヒロインなだけあって浮ついた雰囲気はなく、オーソドックスという言葉が似合うかも。
一応?2人の気にかかる男性もいるんだけど、あまり二股とか三角関係みたいなうんざり系ではありません。

ただ私としては、アンティークよりシャロン・フィファー のアンティーク雑貨探偵シリーズの方が好みかな?
あちらも「 アンティーク雑貨探偵」と銘打っていますが、あっちはむしろ「ピッカーズ」、ガラクタ集めと表現した方がいい感じです。
ガラクタを漁ってその中からお宝を見つけるのですが、ヒロインジェーンはガラクタ集めにむしろ取りつかれている感じ。
その雑駁な感じが好きかも。

ところでこのアンティーク鑑定士スターリング・グラスシリーズですが、「あの」ランダムハウスから出版されました。
2作目まで出ていますが、「あ〜、もう続き読めないや(泣)」と思っていましたが、ランダムハウス物には珍しく?本国アメリカでも 2作しか出ていないようです(2作目がアメリカで出たのは2009年=平成21年)。
訳者田辺千幸さんによると、作者のジェンキンスさんも実際にアンティーク鑑定士の仕事をしているので忙しいのか寡作との事。

仮に出たとしてもランダムハウスはもうないので、他の出版社が拾って出してくれるかというと微妙な感じ。
お茶やコーヒー探偵に較べると、一般受けする華やかさがないのはちょっときついかな。
でもスターリング・グラス(銀のグラスという意味)のキャラも好きだし、続いて欲しいなあとは思っています。
出たら買います!

ところでこの本で印象的なのがリューベンサンドイッチ。
Wikipediaによると、「ライ麦パンにコンビーフ、ザワークラウト、スイスチーズ、ロシアンドレッシングまたはサウザンドアイランドドレッシングを 挟んでグリルしたホットサンド」なのだそうです。
おいしそう、と思って検索したら、小石川に「キノーズ マンハッタン ニューヨーク」というお店発見。
でもその巨大なサンドイッチを見て即あきらめました(笑)。

元々パンよりご飯派だし、この量だと1人では無理。
何人かで行ってシェアしたら楽しそうってことで、「いつかは行きたいお店」登録。

他にも「テトラツィーニ」。
サンクスギビングデーの七面鳥の余り物の定番メニューで、七面鳥に野菜やパスタ、何でも混ぜて焼く、いわゆるキャセロールの一種とか。
キャセロールって言葉にもそそられます(笑)。
(2018年3月1日の日記)
3月9日COPY〜おやきと善光寺の七味唐辛子
内藤了著「猟奇犯罪捜査班藤堂比奈子」シリーズ最新作(9作目)の「COPY」読みました。
もう9作目?って感じです。
まあ上下版っぽい(ZEROとONE)のやスピンオフ(パンドラ)も入っての9作目なので、読者の感覚としては7作目かな?
タイトルにふさわしい?かなりえぐい描写が多いので、「おいしい本をさがす道」で取り上げるのもどうかと思いますが、特別な料理などは出て来ないものの、 日常的なおやつやお茶といった何気ない小物(食べ物)の使い方がとても上手な作家さんなので(このシリーズしか読んでないけど)お許しを。

このシリーズは「角川ホラー文庫」にジャンル分けされていますが、私の中では「SFサスペンスミステリー」って感じです。
あまりホラーって気はしない。
最近ミステリーの部分が弱いかな、なんてことは置いといて、どのシリーズにしてもそうですが、規模が大きくなって、謎の組織が出て来て物語の 世界が広がった時が、そのシリーズの最大の正念場になるんじゃないかと思ってます。
最初は個人、次は社会、そして世界へ、あるいは謎の組織登場。

今のところその組織の存在がはっきりしないので、その影響はまだ語れませんが、センターの特定の人物のモノローグが出てくることで期待させてくれます。
さらに比奈子達が、センターの中の2人の人物を仲間に引き入れようと?画策するところが非常に興味深いです。
というよりこの計画、成功して欲しいです。
このシリーズ、ある意味「まともじゃない人」の方が魅力的に感じる事もあるので。

最近出来過ぎ感の強い比奈子ですが、やっぱり可愛いですね。
ドラマの比奈子さんは、かっこいいけど「内藤さんの作った比奈子じゃない」感が強過ぎる。
波留さんなら、別のドラマでかっこいい女性刑事を演じてくれると思うんだけどなあ。
うるさくなく、がちゃがちゃしない、でも可愛く比奈子を演じてくれる女優さん、いないかなあ・・・。

さて、大きな謎はそのままですか、引っぱる部分もありますが、ZEROのような中途半端さはなく、次作を期待して待てるような終わり方なので大満足、いえ普通に満足。
ホラー系、スプラッター系には強いので、事件のえぐさには耐性があります。
そうなると比奈子達が事件の捜査をする、という面ではあまり過去作(過去の事件、特に後期の)が記憶に残らない部分もあるので、キャラの掘り下げをさらに深くしてほしいかも。

ところでこのシリーズの重要なアイテムは七味唐辛子と太鼓焼き。
でも私には善光寺の七味唐辛子と言えばおやきがセットで目に浮かびます。
おやきはこっちでは売ってなくて、お祭りの屋台が出てないと買うことができないので辛いところです。
一度茄子味噌のおやきに唐辛子かけてみたけど、やっぱり普通に食べた方がおいしいよ(笑)。
(2018年3月9日の日記)
3月12日バッキンガム宮殿の殺人
C.C.ベニスン著「女王陛下のメイド探偵ジェイン」シリーズ1作目。
イギリスという国は王室に対してほんとフレンドリーだなあといつも思いますが、他にもスーザン・イーリア・マクニール著「バッキンガム宮殿のVIP」 やリース・ボウエン著貧乏お嬢様シリーズなど、宮殿やエリザベス女王が出てくる作品があります。
(「バッキンガム宮殿のVIP」は未読ですが、タイトルから想像)

貧乏お嬢様も好きですが、メイド探偵の方が女王がリアルに親しみやすく、話もおもしろいです。
貧乏お嬢様の女王はあまり表に出て来ず、裏でいろいろ画策する感じ。
メイド探偵は女王自ら殺人事件の目撃者に。
それにしてもこんなに簡単にバッキンガム宮殿で働くことができるようになるの?
それが一番の驚きでした。

実際はセキュリティの面などでもっと厳しい審査があるのではないかと思いますが、とにかく読んでて楽しいです。
メイドのジェインの私生活などはあまり描かず、淡々と事件を追ってるのに、登場人物の魅力とストーリーのおもしろさで読み切ってしまいました。
表紙が淡々としているのも(笑)好印象です。

クセがないのでコージーのお勧めとしても選べる本。
イギリスだけにバッテンバーグケーキやダンディ・ケーキなど普段見ることのないお菓子が出て来ます。
バッテンバーグケーキは、Wikipediaによれば「ジャムで部分部分がくるまれている軽いスポンジケーキで、ケーキ全体はマジパンで覆われており、 切ると断面には交互にピンクとイエローが表われ、2×2の独特なチェック模様を示す。」とあります。
四角い太巻きみたいなケーキ、写真を見れば「ああ。」と思うはず。

ダンディケーキは「オレンジの皮や特産のマーマレードが入り、上にアーモンドが飾られているフルーツケーキ」で、こちらは「グレーテルのかまど」で 取り上げたことありますね。
どっちも食べたいなあ・・・。
(2018年3月12日の日記)
3月15日ガラス瓶のなかの依頼人
シャロン・フィファー著アンティーク雑貨探偵シリーズ2作目「ガラス瓶のなかの依頼人」。
ヒストリーチャンネル「眠ったお宝探し隊 アメリカン・ピッカーズ」の影響か、アンティーク探偵なんてシリーズ名より 「眠ったお宝探し探偵」とか(笑)、「ピッカー探偵」の方が良かったかな。
ヒロインジェーンは登場人物の紹介欄で「ジャンクのコレクター。フリーランスの拾い屋(ピッカー)」と書かれています。

まさにその通り、がらくたにしか見えない雑多な物の中からお宝を見極める楽しさ、というよりもがらくたそのものを愛する ジェーンの情熱が一番の読みどころです。
アレルギー体質の私にはとても無理だわ、読んでるだけで鼻がムズムズ。
でも楽しいだろうなあ。

でもこれ、万人受けするコージーミステリかと聞かれたらちょっとためらっちゃうかな?
濃密な恋愛も、美人じゃないのにモテモテヒロインも、リアルじゃない三角関係も存在しません。
読んだ後でどんな事件があったっけ?と思うほどミステリ要素は薄いです。
現実にはあり得ないようなとんでもない人物も登場しません。
ヒロインが嗅ぎ回れば、犯人の方から飛び込んできて解決できるわけでもありません。

ほどほどのキャラ立ち(いい感じ)の登場人物の、ほどほどの日常を淡々と描いたコージー(ミステリほどほど)小説として読むべき本。
たぶんクッキー探偵や紅茶探偵が狙う世代の読者層よりもうちょい高めの読者に受けるかも。
お料理探偵や、海の上のカムデンが好きな人は気に入るんじゃないかな?と個人的には思っています。
リタ・メイ ブラウン著「トラ猫ミセス・マーフィ」シリーズと似てます。

ただ読むのは楽しいけれど、私は整理下手だしセンスがないので、こういった雑貨を集めて部屋を飾るといった趣味はないです。
ミシンで使うような糸巻きの上と下に猫の顔とおしりを貼って猫のおもちゃに変身させる「糸巻きペット」とかいらないしなあ。
(さすがに検索しても画像が出て来ません。)
部屋も狭いし、性格的にも実用一辺倒な私は、こういった本やテレビを見るのが楽しい。

そんな私のお気に入りが、「おいしい本をさがす道」でも何度か登場した高田馬場の「アルズカフェ」。
楽しいおもちゃの国に来たような愛らしさ(こちらはイギリスですが)が好きです。
メニュー制覇してから行ってないけど、また行きたいなあ。
アメリカンピッカーズの世界を表現してるようなアメリカンなお店ってどこかにないかな?
(2018年3月15日の日記)
3月25日町でいちばん賢い猫〜ミルクセーキ
時々お勧めコージーミステリを聞かれますが、典型的なコージーをあげるなら

1、ローラ・チャイルズ著紅茶探偵
2、クレオ・コイル著コーヒー探偵
3、ジョアン・フルーク著クッキー探偵かな?

どれも10冊を軽く超えた長期シリーズですが、実は私、最近は読んでません。
でも初期のコージーへのとっかかりとしては最適じゃないかと思います。

じゃあ私が好きなコージーは?これはコロコロ変わりますが、最近はこちらも落ち着いてきた感じ。

別格、アガサ・クリスティ著ミス・マープル
1、コリン・ホルト・ソーヤー著海の上のカムデン
2、リタ・メイ・ブラウン著トラ猫ミセス・マーフィ―
3、アラン・ブラッドリー著少女探偵フレーヴィア
4、シャロン・フィファー著アンティーク雑貨探偵(ピッカーズ)
5、リヴィア・J・ウォッシュバーン著「お料理名人の事件簿

コージー好きな方にはおわかりかと思いますが、こちらは恋愛要素が少なめで、年齢層も高めか低め、 作品として落ち着いてるシリーズが多いです(カムデン除く)。
逆に言うと、コージーとしての魅力が薄く、登場人物も地味なので一般受けしないかも(カムデン除く)。
どのシリーズもこれまで紹介してきましたが、今回満を持して?紹介するのがミセス・マーフィ。

主人公は猫です、作者も猫です(笑)。
人間の言葉を理解し(でも人間に言葉は通じない)、探偵役も猫。
仲間として犬やフクロウ、ポッサムとの交流も描かれます。
動物が生き生きしていてとても可愛い。
アレルギーがあるので、本物の動物はなかなか近寄れない私、ハリー(人間側のヒロイン)がもううらやましいです。

反面、人間側は影が薄いというか目立たない存在。
でも私が好きなのはまず、ハリー。
離婚したりして傷ついた面もあるけど、浮ついてなくて(ここ大事!)淡々と生きている。
ハリーとポッサムのサイモンの出会いと交流が凄く好きです。

そして意外なことに?もう1人好きなのがブレア。
ニューヨークでモデルをしている典型的なコージー王子様の設定なのに、わざわざ田舎のハリーの隣りに引っ越して来ます。
そしてまじめに生活しています。
普通なら、ここでハリーの胸が破裂したり腰が砕けたりの恋愛模様が始まるはずですが、そんなこともなく、機械の使い方を教えたりするハリー。

そしてそんなハリーに好意を持つブレア。
私はむしろ、この2人ならいつか付き合って欲しいと思ったのですが、残念ながらブレアは・・・とこちらは今後のお楽しみ。
でもこの、生き生きと動き回る動物たちと、人間としての生活を送りながら彼らに振り回される影の薄い人間たち。好きだなあ。
表紙が限りなく実写的なのも好印象どころか満足度100%!

唯一の不満は、アメリカでは今年も27作目が刊行されてるのに、日本では2011年に9作目が出たっきりで途切れていること。
ハヤカワさん、がんばってえ!
新刊必ず買いますから!
私が翻訳できるなら自分で訳して出版したいほど好きなんだけどなあ。

とはいえ一般受けのコージーじゃないというのは辛いかな。
猫好きさんにはたまらない魅力があると思いますが・・・。

そんな小説なので、スペシャルにおいしい物は特に出て来ません。
普通の食事を普通に食べてる感じですが、ハリーの作るミルクセーキがとてもおいしそうだったので、コメダ珈琲店でミルクセーキ飲みながら30分ほど読みました。
コメダ珈琲店は食べる物もおいしいけど、量が多いので1人ランチは不向きなので、ミルクセーキだけ。
懐かしい味がしておいしかったです。

(2018年3月25日の日記)

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