おいしい本をさがす道(八)


4月9日風の向くまま〜ダイオウのパイ
主婦探偵ジェーンシリーズで有名なジル・チャーチルの別シリーズである「グレイス&フェイヴァー・シリーズ」、最初主人公の2人が グレイスとフェイヴァ―かと思いましたが違いました(笑)。
妹のリリーと兄のロバート、クリスティで言うならミス・マープルの「動く指」でしょうか。
あんな感じのちょっとノリの軽い兄妹が探偵として活躍するシリーズです。

舞台は大恐慌後のニューヨーク。
大金持ちからいきなり貧乏のどん底に突き落とされた兄妹に突然降ってわいた夢のような話。
遺産相続の条件は厳しいけれど、2人はその話を受けることに。
ところが、と続きます。
まだ1作目しか読んでませんが、私はジェーンシリーズよりこっちが好きかも。

まず出て来る人たちがみんないい。
いい人も悪い人もみんなリアルでいかにも実在する感じなのにおもしろい。
さらにお料理名人がいて、レシピにこだわる本ではないのに、とにかく食事の場面が(短いのに)おいしそう。
でも軽いやり取りの裏にじんわりにじむ「現実」の苦さとか、ジル・チャーチルはほんとにうまいなあと思います。

ジェーンシリーズが長く続きすぎて失速している今、6冊出てるこちらのシリーズには期待です。
といっても日本でもアメリカでも2015年(平成27年)以降新作出てないようなんですけどね。

さて、この本に出て来るダイオウのパイ。
最初読んだ時は気づかなかったのですが、ダイオウってルバーブのことでした。
日本でもちょこちょこジャムなど見かけるようになりましたが、まだまだ一般の認知度は低い?
私の回りでもコージー好きな人しか知らないルバーブ。

メルボルンのスーパーで生のルバーブを見つけたのでお願いしてお菓子を作ってもらいました。
赤いセロリ?みたいなルバーブをざく切りにして砂糖と一緒にじっくり煮つめて、やっぱりジャムになります。
これをフィリングとして使うのが一般的なようです。
っていうか、酸っぱいので生食には向かないし、他の調理法がないのだとか。
ルバーブのパイと手軽なジャムトースト風にバニラアイスを添えて頂きました、おいしかったです♪
(2018年4月9日の日記)
4月25日貧乏お嬢さま、メイドになる〜いちごタルト
私のコージー友達の中でも評判が良かったリース・ボウエンの貧乏お嬢さまシリーズ。
正確には「英国王妃の事件ファイル」というシリーズ名がついているのですが、たしかに英国王妃は出て来るけれど添え物程度。
メイドの肩書?も添え物程度でやはりインパクトがあるのは「貧乏お嬢さま」の部分でしょう。

舞台は20世紀初頭のスコットランド。
王位継承権は34番目、英国王族の1人ではあるものの、貴族の肩書ばかりで実際は貧乏なジョージー。
凍え死にそうな古城で兄夫婦と暮らしていたものの、このままでは意に添わぬ結婚を押し付けられる。
そこで城を飛び出し、ロンドンにやって来ます。

もちろん現実は甘くなく、ジョージーは架空のメイド会社を立ち上げ?メイドとして働くことになるのですが・・・。
大変そうに書いてますが、この本の中では現実は結構甘い。
頼りになる祖父や幼なじみや恋人候補は近くにいるし、仕事もなんだかんだでうまくいってます。
現実だったらあり得ない展開です。

なのでミステリでありながらどこかジョージーにコメディエンヌっぽい余裕があるし、小説としても気楽に読めるおもしろさがあります。
予想してたよりオーソドックスな小説といった印象でした。
そういえば「評判は良かった」けれど「評価が高かった」わけではなかったなあと納得。
5年間で8冊出てるってけっこう早いペースですよね。
人気あるんでしょう。
ちなみに本国では去年11作目が出たようです。

訳が古川奈々子さんで、ロマンス小説の翻訳が多い方のようです。
手慣れた感じで読みやすい。
一人称の場合特に、訳が合わないと読むのが苦痛になりますが、この作品は好印象でした。
3作目から訳者が変わるようですが、どうなるか気になるなあ。

ただ直前に「バッキンガム宮殿の殺人」を読んでしまっていたので、あのインパクトにはかなわなかったのが残念です。
良くも悪くもオーソドックス、そんな感想になりました。

ただおいしい物は、お城で女王とティータイムなんてするくらいですから豪華です。
いちごタルト、チェルシーパン、ソーセージロール、フィンガーサンドイッチ、エクレア、ベークトビーンズ、ボローバン、プチフール、 焼きりんごのカスタード添え、スパゲティ・ボロネーゼ、メルトンモーブレーパイ、シャルロットルース、ヴィクトリアスポンジなどなど。

ベークトビーンズは置いといて(笑)。
チェルシーパン、ヴィクトリアスポンジは知ってますが、実物は見たことないし。
ボローバンは小さな軽いパイケースにお料理を詰めたものだそう、見た目はタルト?
メルトンモーブレーパイはメルトンモーブレー地方が有名なポークパイ。
シャルロットルースはスポンジケーキにホイップクリームと砂糖漬けのサクランボを載せた菓子だそうですよ。

私はこちらもオーソドックスに、「いちごタルト」です。
デリ・フランスでまんま「苺のタルト」で売ってました(笑)。
(2018年4月25日の日記)
5月19日猫は手がかりを読む〜エッグベネディクト
★作品の重大なネタバレ含みます。★

リリアン.J. ブラウン著「シャム猫ココ」 シリーズ1作目。
だいぶ前に揃えてはいたのだけれど、猫物といえばリタ・メイ・ブラウンの「トラ猫ミセス・マーフィ」シリーズが好き過ぎて、あとココの表紙が あまりに古い感じでなかなか手が出ませんでした。
それにしてもこの2人の猫シリーズの作者、名前が似ててややこしいですね(笑)。

読み始めても100ページくらいでいったん止まったんじゃないかな?
何年かたって、気を取り直してそこから読んだら加速がついて一気に読み切ったように記憶してます。

ただマウントクレメンズはおもしろいキャラだったので、残して欲しかったなあ。
実は意外と小物であっさり殺されましたって展開は正直もったいない。
ミステリアスな人物としてこのまま登場して欲しかった。
クィラランの下宿先としても理想的だったので残念です。

シャム猫は優美だなあ、綺麗だなあと思って見てますが、そんな叫び声上げるとこ見たことないのでちょっと怖かった(笑)。
私は和猫が好きかな?
でもやっとクィラランとココのコンビにも慣れたので、このシリーズ、読み進めたいと思ってます。

クィラランの下宿?の主人であるマウントクレメンズは料理上手で、気が向くとクィラランを料理でもてなしてくれます。
気になったのがエッグベネディクト。
この本最初に読んだのは6年前!なんですが、当時はエッグベネディクトってどんな料理なのか知りませんでした。
でもちょうどその頃流行り始めた?のか次の年にコンビニで見つけて買ったのがこの写真です。
2012年(平成24年)頃には私もおいしい物見つけると写真撮り始めてたみたいです。

Wikipediaによると、「イングリッシュ・マフィンの半分に、ハム、ベーコンまたはサーモン等や、ポーチドエッグ、オランデーズソース 乗せて作る料理」とあります。
今では珍しい料理ではなくなりましたが、当時は結構お洒落〜な感じでよく買ってました。
ベネディクトさんが考案したからエッグベネディクトと言うんだそうですよ。
勉強になりました(笑)。
(2018年5月19日の日記)

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