犬夜叉ワイド版1〜10感想
「犬夜叉」ワイド版と「境界のRINNE」15巻
「犬夜叉」ワイド版1巻が届いた。
ひとりごと」に写真を載せたが、和紙っぽく見える紙のケースに本もケースも同じイラストで犬夜叉、かごめ、逆髪の由羅。
ちなみに犬夜叉はコミック32巻の表紙、かごめはサンデー1997年8号の表紙カラー(原画全集より)となっているので描かれた時期はだいぶ違う。
かごめは逆髪の結羅と戦っている頃、かごめは桔梗の壊れた身体の瘴気を浄化するあたり、犬夜叉は聖さまや阿毘姫のあたりの顔。
犬夜叉はコミック表紙よりも淡い色合いで私はこちらの方が好き。

逆髪の結羅は巣と月をバックに髪を操っているカットだが、これはわからない。
当時のサンデーにカラーで掲載されたのかもしれないが、少なくとも本編では同じカットはカラーも単色でもない。
そして背表紙はコミック同様犬夜叉とかごめが代わりばんこに顔のイラストかと思うが、コミック1巻の犬夜叉とワイド版1巻の犬夜叉の顔が違うのが嬉しい。
もしかしたら弥勒や珊瑚たちも登場したりして・・・。

そしてワイド版1巻のページをめくると32巻の表紙がそのまま登場する。
初期は絵が顔や雰囲気が違うから、高橋先生が32巻を選んだのかな?
だから表紙と次のページを比べるとかなりおもしろいことになる。
中期犬夜叉は同じだが、かごめが1巻かごめと32巻かごめなのだ。

1巻の内容は第1話「封印された少年」から第17話「変化」まで。
犬夜叉とかごめの他に楓、桔梗、百足上臈、屍舞烏、逆髪の結羅、無女、冥加、殺生丸と邪見までの登場。
かごめの家族も出てくる。
「変化」はもちろんお茶目顔の初期殺生丸が、父君のお墓で巨大なお犬さまに変わるとこ。

犬夜叉最初の名台詞、「おれがおまえを守るっつってんだ。」も読める。
さすがにこのあたりは山口勝平さんの犬夜叉声で聞こえてくる。
そして後表紙は第2話「蘇る犬夜叉」の表紙。
百足上臈に追われて逃げてきたかごめに目覚めた犬夜叉が話しかける場面。

目覚めた犬夜叉とかごめの出会いなだけに、高橋留美子展でもかなり大きく引き延ばされて飾られてたっけ。
最近はほとんど「犬夜叉」読んでないので、今こうして読み返すとかなり懐かしい。

巻末には「犬夜叉概論」と称するキャラ紹介(第一回は犬夜叉)。
これは「犬夜叉」ファンなら今更な内容だが、凄いのが高橋先生インタビュー「犬夜叉語り」。
第一回はこちらも犬夜叉の人物像。

サンデーでちょっと紹介されていた「犬夜叉は、初めて描いた少年漫画のヒーローです。」が真っ先に出てくる。
完全な存在だと感情移入しにくいから半妖にした、自分はコンプレックスのある人が好き、とのこと。

犬夜叉が木に突き刺さって(原文まま、笑)眠っているのは時の流れを表現するため。
確かに桔梗に縫いとめられた時は、犬夜叉の足はまだ地面についているが、かごめが出会う時は浮いている。
木は成長し、犬夜叉は成長していないことが明かされている。
(後に先生自身が犬夜叉が眠っていた50年は犬夜叉は年を取っていないと語っている)。
もしかしたら犬夜叉が洞窟の中で氷漬けになってたかもしれなかったが(笑)、これは形を変えて翠子に受け継がれているような気がする。

「犬」にしたのは人間のパートナーとして一番ポピュラーだからで、犬夜叉のイメージは柴犬だそう(笑)。
耳があるだけで見ただけで人間ではないことがわかる、ということを意識したそう。
だから人間の耳に当たる場所は、おそらくないというのはちょっと怖い・・・。

今回は映画「時代を越える想い」とセットになっているが、やはり絵が違い過ぎるのがかなり痛い。
アニメだとまだ良かったのだけど、しかも映画のDVD皆持ってるし・・・。
本だけにして安くしてほしいって最近こういう売り方多いよなあ・・・。

全体的に私はコミック表紙の濃いカラーはあまり好きではないので、ワイド版の表紙がこの色合いで続いてくれるなら嬉しい。
表紙とインタビューだけで買った買いがあるというもの。
次回が楽しみ。

ところで「境界のRINNE」15巻の帯にワイド版限定コンテンツとして「高橋留美子インタビュー&描き下ろしイラスト」ってあるけど、もしかして逆髪の結羅だけ今回の描き下ろし?ってことはあるのかな?
「新規」とないから、やっぱり以前に描かれたものなのかな?
詳しい方、いらしたら教えて下さると嬉しいです。
私はずっとサンデー買ってなかったので、サンデー掲載時初期の「犬夜叉」に関しては、原画集でしか調べようがないので・・・。

余談だが、今日犬夜叉とりんねを抱えていそいそと帰って来てテレビつけたらいきなり「犬夜叉」のテーマが流れてびっくりした。
スーパーニュースで日本のお祭りのBGMに使ってくれた。
鋼牙のテーマも使ってくれてかなり盛り上がったので、今も「犬夜叉」のCD聞きながら書いている。

さてりんね。
こちらは表紙よりもページをめくって折り返しの部分、なぜか13巻「スイーツ霊」の表紙のカラー。
いろんな種類をケーキに囲まれ、幸せそうなりんねと桜と六文。
これ13巻の表紙に使ってくれればよかったのに。
ケーキもいいけど桜が可愛い。

今回はなんといっても破局セットの3話が秀逸★6つ。
鳳とれんげが絡むと、どうしてこんなにおもしろいのか(笑)。
あとは貧乏オーラが強力な「お守りストラップ」と、やはりれんげが、今度は架印と絡む「追跡と再会」の話が★5つ。
「肩が重い」が★4つ、「囁姫」が★3つ。
(2013年1月18日の日記)
「犬夜叉」ワイド版2巻感想
イラストに関しては「ひとりごと」に書いたので、こちらでは本編の感想を。
今回は九十九の蝦蟇、肉づきの面、七宝登場、雷獣兄弟飛天満天、そしてタタリモッケが1話分。
名前を並べただけでも懐かしい。
当時は25巻くらいまでコミックいらずで読めるのが自慢だったが、さすがに最近は無理みたい。

それとこの時期は内容が単純でアクション主体なせいか、原作とアニメが一体化してたとっても幸せな時期。
アニメの声も懐かしく蘇る。
時々スカパーなどでアニメやってて思わず見ちゃうし。

とはいえやっぱりメインは巻末の概論と高橋先生インタビュー。
第二回は日暮かごめ。
まあ概論は「犬夜叉」読者なら今更な内容だけど、今回笑ったのがかごめの「何ら変哲のない体」。
いや、言いたいことはわかるけどさ。
思わず「かごめはスタイルいいよ?胸もけっこうあるよ?」なんて関係ないところに突っ込み入れてしまう(笑)。

はい、普通の人間としての体力しかありません。
妖怪に攻撃されれば傷つきます。
そう言いたいのですね?わかります。

その割に傷残らないし治りは早いし、殺生丸に犬夜叉と一緒に吹っ飛ばされてもすぐ立ち直るなどとても普通の人間とは思えない部分も多々ありますが。
はい、それは漫画のお約束ですね?わかります。

別の意味で、もっと真剣に突っ込みたいのがインタビュー。
それは後回しにして1つめは「かごめの目=読者の目」。
かごめが現代人設定なのは、桔梗の生まれ変わりありき、「炎トリッパー」を掘り下げたかったからだろうくらいに思っていたのだが、高橋先生曰く「現代の子で、多少、何かいわくがあるにせよ、普通に犬夜叉を見れる女の子が必要だった」とのこと。
現代人でも普通は妖怪、犬夜叉、それ以前に戦国時代で普通どころの騒ぎじゃないと思う。
逆にかごめのような性格設定だったら戦国時代の人間だろうが、全然大丈夫だろうと思う。

でもそこで出てくるのが「読者に、かごめと一緒に戦国時代に行って欲しい」の言葉。
かごめを通して犬夜叉に会うなり、妖怪を見るなりの体験をしてほしい、つまりかごめはナビゲーター。
これはおもしろいと思った。

戦国時代で何かを見た時に、「これは驚いていい」「これは驚いちゃいけない」という物差し。
なるほどなあ。
ここのところ、もう少し詳しく聞きたいなあ。
高橋作品以外のタイムスリップ物も根底にはこの認識があるんだろうか?

今ぱっと作品名が思い出せないけど、これまで読んだ中ではやはり「過去に戻ること」「歴史に加わること」に重点が置かれてて、あまりかごめみたいな立ち位置にいる作品はなかったような気がする。
だからこそ「犬夜叉」がタイムパラドックスへのこだわりなど「タイムトラベル物」としての基本的なルール?が曖昧なのかもしれない。
要するにタイムスリップ物を書きたかったのではなく、タイムスリップは物語を円滑に進める上での要素のひとつ?

2つめは「かごめの制服はユニフォーム」。
これは以前も出てた話題なのでまあいいとして、気になるのが3つめ、「史上最高、心の広いヒロイン」。

まあラム、響子さん、茜、かごめの4大ヒロインの中では、という限定ならそうかもしれないけれど。
高橋作品のヒロインはけっこうヤキモチ焼きが多くて、それがまた魅力でもあるのだけれど、たとえば桔梗とかごめのヤキモチ比重を比べてみると、初期はかごめが犬夜叉に恋心を抱いてないこともあって桔梗100:かごめ0で始まっている(裏陶後)。
それからかごめが犬夜叉を意識し始めて80:20、60:40くらいにせり始める時期に入る。

ところが後期は逆転して、桔梗がそういった心の葛藤を一切見せなくなるので、かごめのヤキモチがかなり目立ち始め、20:80,10:90くらいにまでなっていたように思う。
桔梗がごねると恋愛部分がどろどろするので桔梗が聖人化した→逆に人間味がなくなったように見え、2人を足して2で割ればいいのにと何度も思った。
さらに七宝など他キャラに「かごめは心が広い」などと言わせる場面、けっこう気になってたのだけどこういう意図があったのか。

確かに桔梗を救う時、赤子の罠にかかった時など、いざという時はかごめの心の広さ、という言い方は好きじゃないな、かごめらしくありたいという強い心の持ちようは常人にはあり得ない形で表現されていると思う。
よって結論。
通常の「心の広さ」基準が私と高橋先生とでは違うんだ、と思った次第。
(2013年2月19日の日記)
「犬夜叉」ワイド版3巻感想
★イラストは「ひとりごと」で写真をアップしてます。

「犬夜叉」ワイド版3巻は、コミック4巻第8話タタリモッケ編「目が開くまで・・・」から6巻第5話弥勒登場「風穴」までの18話が掲載されている(DVDは映画「天下覇道の剣」)。
タタリモッケ完結、蜘蛛頭と朔の日の犬夜叉、裏陶による桔梗復活、そして(アニメ名)八衛門狸と弥勒による風穴披露まで。
どうです?読み返したくなったでしょう(笑)。
新品のワイド版と少し黄ばんだコミックを並べて感慨にふけったところで表紙の紹介。

表紙はコミック8巻の犬夜叉、かごめ、桔梗にコミック5巻の折り返しの裏陶をくっつけたもの。
笑顔でカメラ目線の裏陶がなかなかラブリー。
裏表紙はコミック5巻の裏表紙、変化してない鉄砕牙を手にした黒髪の犬夜叉と、やはり5巻の第1話「蜘蛛頭」の表紙イラストカラーを組み合わせたもの。
ちょうど朔犬から朝日を受けていつもの姿に戻った瞬間のような色合いなのでセットにしたんでしょう。

こうして見ると、1巻の表紙の凝り具合は一体なんだったんだって思いますね。
とんでもない所からかごめを引っぱって来てくっつけてみたものの、やっぱり合わない、でも間に合わないってことだったんでしょうか。
それで2巻から同じ時期のイラストを使うことに決めたとか。
だって聖さま時代のかごめが1巻の表紙を飾るなんて、やっぱり不自然です、絵的にも。

あと不思議なのが、というかおもしろいのが本もケースも背表紙の犬夜叉の顔が皆同じで53巻のカット。
(ブログの写真参照してください)。
高橋先生が一番気に入ったカットなのかな?
もっと可愛いのもいっぱいあるのに、っていうか笑ってる犬夜叉もいいのにと思ってしまいました。

お楽しみの描き下ろしは井戸の縁に座ってかごめを待つ犬夜叉。
喧嘩でもしたのか、迎えに行こうかなあ、けっ、誰がそんなこと!みたいな顔してちらちら井戸の中を見下ろしてます。
ただ・・・犬夜叉の首が変です、首がないように見えます!
いえよく見るとちゃんとあるんだけど、顔の傾げ具合が微妙なので、ぱっと見ると首が浮かんでいるように見えるのですよ。

さて今回の「犬夜叉概論」と高橋先生インタビューはなんと!「骨喰いの井戸」。
七宝か弥勒だろうと思っていたのでこれは嬉しい驚きでした。
キャラだけじゃなく、用語も取り上げてくれるとは!感謝です!
ただ概論には度肝抜かれました。
骨喰いの井戸が「自らの意思を持つかのように、力を発動する」とタイトルにあります。
でも内容は、「あるかのように」ではなく、完全に「ある」としています。

15歳の誕生日にかごめを井戸に引きずり込んだ、つまり百足上臈が井戸を通って現代に来るのを許した。
逆髪の結羅に襲われて井戸に落ち、現代に戻ってしまったかごめを連れ戻すために逆髪の結羅の髪の毛を通した。
犬夜叉がかごめを思って、かごめを井戸に突き落とし、木で井戸をふさいだ時は、かごめが実際に戻って来れないようにした。
けれどもかごめの犬夜叉への想いを察してまた通れるようにした。

確かに骨喰いの井戸に関しては、「犬夜叉」が終わってもなお謎の部分が多い。
上記のように考えると、井戸に関するほとんどの謎が解決するのも確かだ。
にもかかわらず、私にはとてもそうは思えない。

高橋先生がワイド版の監修にどれだけ関わっているのか、もちろんわからないが、とりあえず自分の明示したこと以外に関しては口を出さない方のように思える。
(これまでいろいろ読んできての印象)
私の認識不足で、井戸に関して先生が同様に書いていたら申し訳ない、でもあくまでも私が「犬夜叉」を何度も何度も何度も何度も読んできて受けた印象。
私は井戸が意思を持っているようにはとても見えない。

なぜこんな不思議な井戸ができたのか、なぜ桔梗が死んでからは井戸も発動しなかったのか、なぜかごめ15歳の誕生日に再び通れるようになったのか。
こういったさまざまの謎と共に、なぜ犬夜叉とかごめだけが通れたのかといった謎は語られないまま終結したのだとばかり思っていた。
ちなみに私個人の意見としては、以前考察日記にも書いたが全ての根源は「翠子」説。

だから井戸も翠子の意思に沿っているように思っている。
そこに四魂の玉がさらに絡むのだけれど、たぶん以前も書いてるし、ここでさらに書き連ねれば途方もなく長くなるのでやめておく。

ただし、これも欠点があって、翠子がいたのは珊瑚の里、井戸があるならそこにはるはず。
(これも四魂の玉を絡めると、実は説明がつく)
だからこちらの井戸は桔梗が作ったとした。
桔梗が作ったから桔梗の死と共に井戸もまた眠りにつき、桔梗の生まれ変わりであるかごめの「巫女としての」覚醒と共に復活したと。

これは個人の罪のない(笑)意見であるから個人サイトで書き散らすのはともかくとして、犬夜叉公式本として出ているワイド版でここまで言い切る根拠は何だろう。
今だから明かす高橋先生からの情報ならばそう書くべきだろうし。
「あるかのように」でまとめてしまっているが、公式として受け入れる読者は多いのではないか。
骨喰いの井戸意思持ち説、高橋先生あるいは公式によって認められている説なのかどうか気になってしばらく眠れそうにない・・・(笑)。

その答えをインタビューで語ってくれるかと思いきや、われ関せずな高橋先生、でも「炎トリッパー」との比較はかなりおもしろかった。
「炎トリッパー」でガス爆発に巻き込まれてタイムスリップしたヒロイン、では「犬夜叉」ではどうやって?と考えた時に、たとえば洞窟に入って・・・でもそれだと横移動だと(笑)。
横じゃないだろう、縦だろうと・・・。
いやあ、原作者っていろんな事考えるもんですね。

あとドアを開けたらっていう案もあって、それじゃあ「どこでもドア」でしょっと私が突っ込みたくなりました。
「タイムスリップした瞬間の溜めというか、驚きみたいなものが、難しいんですよ」と高橋先生。
井戸にしたのは「引きずり込まれる恐怖」があったから、そして縦移動。
確かに横よりもっと瞬間的な印象を受けます。

さらに井戸は古くからあるもの、普遍性があるものという解釈。
なるほどと思いましたよ。
で、前に書いたけど、もしかしたら犬夜叉が氷漬けになって、かごめが洞窟に入って戦国時代にやってくる案は、全て翠子に受け継がれたんですね(笑)。

高橋先生は宮古島の古井戸は見に行き、三井倶楽部にも平安時代からある古井戸を見に行きたいとあったので、私も!と思いましたが三井倶楽部は九州は福岡県でした、無理だ・・・。
九州お住まいの方、機会があったら是非!

最後にかごめが井戸を覗いたら空が見えたシーンは、恐怖の存在だった井戸が、希望の象徴に変わったところとのこと。
「なんか空って、なんとなく希望があるようで、明日があるようでいいじゃないですか。」と結んでいる。
だから最終回が「明日」だったのか・・・。

ただ高橋先生、もう少し井戸そのものについて語って下さいよ〜という気持ちもおさまらないです。
他のインタビューもそうですが、高橋先生って描写の心理的背景はとてもよく語るけど、意外とこういう具体的な説明はしない漫画家さんだなあと思う。
実はあえて設定してない、考えてない、そんなことは登場人物の「心」を描く上で必要不可欠な物じゃないって考えているんじゃないかと、こっそり思ってます。

余談ですが、私は骨喰いの井戸や「リング」の貞子が出てくる井戸みたいなの、見てみたいなあとずっと思ってました。
数年前にその望みがかなったのが四谷の於岩稲荷田宮神社。
そう、あのお岩さんが嫁いだ先の田宮家の神社です。

お岩さんが、「四谷怪談」の怖いお岩さんじゃなく、実在した貞女のお岩さんが実際に使ったという井戸を見せて頂きました。
いつもは覆いをして見ることはできないのですが、たまたまその日は雑誌の取材があって、私も便乗してお話聞いて井戸も見せてもらったというラッキーな日。
私が入ったらハマって抜け出せなくなるような小さな井戸でしたが、中の暗く湿ったぬらぬらした感じは怖かったです。
たぶん実際以上に深く見える。
骨喰いの井戸は枯れ井戸だったけど、確かに井戸というものは異世界への入り口につながっているという設定はあり得ないことではないと思いました。
(2013年3月18日の日記)
りんね16巻と犬夜叉ワイド版4巻感想
★「ひとりごと」に写真を掲載しています。

最初に「一番くじるーみっくわーるど〜35th Anniversary〜」の情報追加。
こちら」に詳細が載ってますが、くじの取り扱い店舗は限られています。
コンビニみたいにどこででも買えるかと思ってましたが違うようです、要確認。

まずはりんね。
桜が私服を着る回はおもしろい、が私のジンクス。
今回もそうだった。
逆に三日月堂が出る回はあまりおもしろくない、も私のジンクス。
残念ながら今回もそうだった。

あと真夏に読みたくないのが「逃げる人」。
読んでるだけで蚊を呼びそう・・・。
桜と鳳のビキニ!(鳳はともかく桜のビキニはかなり意外)やれんげの浴衣、そしてりんねと翼に続き架印の浴衣も楽しめる「ワンコイン調査」も楽しめて、記憶に残らなそうなのが「キャンプ場の悪魔」。
出来の悪いB級ホラーのタイトルみたいだけど、魔狭人が主役だしね・・・。

「夢の相合い傘」は笠原アイの幻が可愛くて〇。
で、残った組合と右腕は可もなく不可もなく、かな?

次は犬夜叉ワイド版。
今回の表紙には麗しの殺生丸とお供の邪見が登場。
ところが邪見のイラストはすぐ見つけたけど、犬夜叉と殺生丸がわからなかった。

犬夜叉はコミック表紙はもっと遊んでもいいんじゃないの?って思うほど顔がどどんのワンパターンが多い。
髪のなびき具合とか、持ってる刀の状態で探すんだけど、あれっ?て感じ。
というか表紙探しているうちについ読み始めてとまらなくなる自分も悪い(笑)。

遊んで欲しいというのはサンデー表紙やカレンダーイラストのように、現代にいるイラストって意味じゃなく、もっと笑ったりかごめたちと喋ったり、そんな自然な表情が欲しかったということ。
中表紙や裏表紙はけっこう楽しい絵が多いので、高橋先生や編集氏側は「犬夜叉」が戦う漫画であることをアピールしたかったのかな?と今にして思う。

殺生丸はもっと見つけやすいと思ったんだけどなあ・・・。
初期のお茶目顔から顔がすっきりし、目が切れ長になって凄味のある美しさになるのは中期から後期。
表紙に出る回数も増えてくるけど、圧倒的に左側を向いてるのが多く、後は右目がどの程度見えるかの違い。

内容は弥勒の風穴披露と仲直り、地獄絵師、奈落に騙された殺生丸が人間の腕をつけて犬夜叉を襲う、傷ついたかごめを犬夜叉が現代に返す、鬼蜘蛛の話が初めて出る、狼野干登場、そして奈落が遂に犬夜叉たちと相対し、桔梗は晴海に正体を見抜かれるところまで。
この頃のかごめと桔梗はとても絵が柔らかく、好きなイラストが多い。
「ふたつの時」の表紙のかごめはもはや別人(笑)、花を抱えた桔梗は懐かしい「巫法札合戦」で、数少ない原画のレアカードだった。
いろんな妖怪が登場して顔見せ的な巻から、話が一気に進み始める3巻4巻、今見ると弥勒も(飛天ほどじゃなくても)けっこうでこっぱちなのが可愛い。

今回の概論は「戦国時代」。
「犬夜叉」の舞台が織田信長が「尾張のうつけ」と呼ばれていた1940年代と思われるということくらいで、後は普通の戦国時代解説。
ところが!2ページ目では普通に魑魅魍魎が跋扈する戦国時代になってます(笑)。
まあ「犬夜叉」の戦国時代解説であることは大前提としてても、この書き方だとまるで「私たちの」戦国時代にも普通に妖怪がいたような気がしてくる不思議。

どうもこの概論書いてる方の考えてることはよくわからんです、はい。
当たり前のことに、「犬夜叉」に関することを中途半端に加えるからこうなるのかな?
わざわざ概論として貴重なページを割くんだから、それなりのこと書かなくちゃという意識が強く感じられますが、なんかちぐはぐに思えるのは私だけでしょうか。

そしてお待ちかねは高橋先生インタビュー。
ギャグやコメディ描いてた高橋先生が新しく描きたかったのは、「チャンバラ冒険活劇」で「和」なもの、となるとやはり思いつくのは戦国時代。
「戦国時代」というのは漫画的にとても自由な舞台だなって思ったという言葉になるほどと。
高橋先生は「漫画的に」って言ってますが、小説も戦国物は多い気がします。

人物にしても出来事にしても自由に解釈できる、ということでしょうか。
江戸のように安定してしまうと、その中で動かすしかないですからね。
ただ信長以前ってお城に天守閣がなくて、パッと絵に描いた時にお城だってわかりにくいってことに気づいたとか。
漠然とした知識はありましたが、「犬夜叉」で意識したことはなかったので目から鱗でした。

今度お城をチェックしながら「犬夜叉」を読み返そうと思います。
と思いつつちょっと気になって蛮骨登場編の26巻見てみました。
なるほど、お城のてっぺんが描かれてません。
こういう発見、おもしろいです。

でもらんまと比べると確かにあれだけど、犬夜叉も十分笑える漫画だと思うけどな。
今回は特に弥勒と邪見や犬夜叉の掛け合いがおもしろかったです。
描き下ろしイラストは荒れた戦場に犬夜叉の横顔。
時と場合によってはこんなとこでもカップ麺食べちゃうような、そんな犬くん大好きです(笑)。
(2013年4月18日の日記)
犬夜叉ワイド版特典
★「ひとりごと」に写真を掲載しています。

「犬夜叉ワイド版」全巻購入者特典のドラマCDと最終回ネーム冊子が届きました。
もしかしたらドラマCDの感想期待されてる方いらしたらごめんなさい、ドラマCDは今のところ聞く予定はありません。
アニメがどうこう言うつもりはありませんが、「犬夜叉」の最終回を読んだ時に、「犬夜叉は原作が全て」モードに入ってしまって、アニメ完結編も途中で見るのをやめてしまいました。

何が何でも見るもんか!などと意地はってるつもりは毛頭なく、いつかアニメはアニメとして気軽に見れる日が来るだろうとDVDも買いました。
ただ先日特別編「あれから」を読んで感動を新たにしたこともあり(笑)、さらに先延ばしになってしまったような気がしますが・・・。
ちなみに登場キャラは犬夜叉、かごめ、弥勒、珊瑚、七宝、りん、邪見、殺生丸です。
弥勒の辻谷耕史さんと七宝の渡部久美子さん、結婚後の収録だったのかな?

タイトルは「あさって」。
奈落戦が終わって三年後、戦国時代に戻ったかごめは遂に犬夜叉と夫婦(めおと)になりますが、新たな試練が・・・。
なぜか戦うことになる犬夜叉と弥勒、殺生丸たちも巻き込んだ〇〇大会の勝者は?
「明日」のその先の物語だそうです。
ちなみに「〇〇大会」は私がネタバレを避けたわけではなく、あらすじがこうなってます。

そしてネーム冊子、大学ノートに高橋先生の字で「犬夜叉 最終回ネーム 高橋留美子」とあります。
るーみっく展で一部は見たけどもちろん写真は撮れなかったので欲しくて欲しくてたまらなかった原稿です。
これだけで最終回の感動がよみがえってきます。

「楓さま 急いで」
「そうせかすな りん」

楓とりんの会話で始まる最終回。
原画では句読点が省略されてます。
ざっくりした鉛筆描きですが、表情は丁寧に描き込まれています、当然か。
全体的に完成画より可愛い感じです。

笑えるのがかごめが殺生丸を「お義兄さーん!」と読んだ時、かごめを横目でにらむ殺生丸のとこに「特効ビーム」と書いてること。
漫画では稲妻のような背景になってましたね。
そして犬夜叉も嫌そうに「すげーヤな響きだった。」って言いますが、そこが最初は「二度と言うなよ」になってます。
大きく変わったのはそこだけですね。
直した台詞の方が愛嬌があっていいですね。

楓や邪見はかなり笑える顔のことが多いです。
あとビルや屋敷など建物は言われないとわからないくらいのざっと書き(笑)。
あと夜空は「夜空」と書いてるし、なんど見返しても飽きません。

改めて「犬夜叉」は終わったんだなあと思い、同時に私の中で「犬夜叉」は終わってないんだなあとつくづく思ったひと時でした。
(2013年4月25日の日記)
犬夜叉ワイド版5巻感想
★「ひとりごと」に写真を掲載しています。

セットのDVDが終了して、やっとお安くなりました、犬夜叉ワイド版。
その分?帯がついてインタニュー中の高橋先生のコメントが抜粋されています。
今回はコミック8巻第5話「死魂」から10巻第1話「木乃伊」までが収録されています。

にもかかわらず、表紙は6巻の表紙です、不思議。
まあ弥勒を出したかったんでしょうね、表紙に。
次となると10巻でかごめがいなくて珊瑚が登場する表紙なので、確かにまだ早い感じはします。
それに6巻裏表紙の桔梗に死魂虫追加、でしょうか。
ひそかに描き下ろし?

コミック見てて気がついたんですが、桔梗の爪青く塗られてます。
こんなところに死人(しびと)の存在感を出していたのかもしれませんが、ワイド版では手はカットされてます。
ちょっと可哀そうだから良かったのかも。

中表紙と本の裏側はコミック9巻の表紙そのまんま。
裏には9巻折り返しの桃果人、懐かしい!
今回は桔梗と晴海、桔梗の口づけ、桔梗とかごめの対決、桃果人、そして珊瑚登場です。
この頃の話のスピード感やおもしろさもさることながら、私にとって忘れられないことはいわゆるカップリングファンのの存在を知ったこと。

これまでも人気投票などで個のキャラ好きはもちろん知ってたし、私も「犬夜叉」に限らず意識してました。
でもネットでいろいろ感想を読むうちに、「犬かご」「犬桔」「ミロサン」などの言葉を知って度肝を抜かれました。
たとえば「犬夜叉はかごめと、あるいは桔梗と、結ばれるだろう」「犬夜叉はかごめと、あるいは桔梗と、結ばれたらいいな」といった漠然とした気持ちはあっても、決めるのは作者で読者はそれを受け入れるものだと思ってました。
それがむしろ積極的に好きなカップリングを応援し、原作を変えてでも好きなカップルの成就を願う、驚きでした。
「犬夜叉×かごめ」とか見て、何の対決?と思ってたあの頃が懐かしい(笑)。

もうひとつはやはり桔梗の存在感です。
妄執の愛に囚われて犬夜叉を殺そうとし、かごめを憎み、晴海を殺す。
おもしろい戦国妖怪アクション漫画だった「犬夜叉」でしたが、桔梗復活により、一気にのめり込みました。
桔梗の妄執があるからこそかごめの純情もまた引き立つ、陰と陽、明と暗、その対比の深みは魅力あるものでした。

それだけに後期の負の感情を見せなくなった桔梗に物足りなさを感じ、かごめが一人で空回りしているような展開は残念でした。
21ページの元結をほどいて女に還り、死魂を取り込みながら、その実想いを解き放っているように見える桔梗の美しさは後期はないものです。
桔梗は犬夜叉を殺しに赴こうとしているのです。

さらに110ページからのかごめと犬夜叉のやさしいやり取り。
ここではかごめ自身はまだ犬夜叉への想いを自覚していないんだけど、読者にはわかる、その甘いせつなさが「やさしい匂い」となって2人を包み込んでいるような。
本当にこのあたりで、ぐぐっと、急角度で「犬夜叉」にのめり込んでいきました。

さて今回のテーマは七宝。
私はこれまでの中で一番おもしろく読みました、概論。
たぶん私にとって七宝は初回をのぞくと可愛いマスコットキャラで、他キャラほど突っ込んで考察する対象じゃなかったせいだと思います。
ごめんね、七宝ちゃん。

狐妖術で巨大化した道具を「重さがあるように錯覚させる」のは目から鱗でした。
そういえばそうだ。
あと爆雷筒はゲーム「呪詛の仮面」で早くから覚える全体攻撃だったなあ。
重宝しました、懐かしい。
確かに威力はなかったな。

高橋先生のコメントで、「七宝はその場で一番弱っている人の肩に止まっているケースが多々あるなって。」
どうしても戦闘中安全圏(傍観しているかごめの肩など)のイメージばかりが先行しますが、今度この部分に留意しながら読み返してみたいです。
でも「肩に止まる」って、小鳥みたい(笑)。
それほど軽いと言いたいんでしょうが、ちょっと笑えます。

描き下ろしは犬夜叉の肩に乗ってる、じゃなくて止まってる(笑)七宝です。 顔がかなり変わってますね。
(2013年5月18日の日記)
犬夜叉ワイド版6巻感想
★「ひとりごと」に写真を掲載しています。

今日買ったのは「犬夜叉」ワイド版6巻と「境界のRINNE」17巻。
本当ならば「るーみっくわーるど35」も今日発売だったんだけどなあ・・・。
気を取り直して今日はワイド版感想行きます。

コミック10巻第4話「謀略」から12巻第2話「瘴気」までが掲載されています。
傀儡の奈落を撃退して珊瑚が仲間入り、翠子と四魂の玉の秘密を知って、とここまではシリアスです。
この後はアクションとギャグ、スピード感が融合した怒涛のおもしろさの水神様編が入ります。
そしてスケベ心を出して風穴を切られた弥勒を助ける夢心編ではその存在すっかり忘れてた蟲壺虫と壺使いに大苦戦。

琥珀を救うために鉄砕牙を盗んで奈落の城へ向かう珊瑚と、後を追う犬夜叉たち。
奈落の城では卑劣な奈落に怒ったかごめの土壇場となるも、残念ながら途中まで。
コミック出して続き読みたくなるおもしろい話が続きます。
しつこいようですが、初期ならではのスピード感が最高です。

特集キャラは、当然弥勒。
「犬夜叉」が初めての高橋作品だったので、法師だからまじめだろうと思っていた弥勒がとんでもない不良?だったことにまず驚き、犬夜叉と法力 なしで互角に渡り合い、初めての自転車も乗りこなす基礎体力と戦闘能力の高さに、風穴以上に驚きました。
弥勒が犬夜叉を退治する気満々で、かごめが飛び込まなければ、犬夜叉は吸い込まれてしまいました、おしまい、になりそうな怖さもあります。
さらに仲良くしつつも心を開かず、スケベながらもそこには深い意味が、という弥勒の設定の見せ方が秀逸でした。

珊瑚も登場してますが、6巻ではまだ弥勒に異性としての関心がないのも今読むと新鮮。
弥勒も犬夜叉とかごめをカップルとみなしてからは、かごめには手を出さす?珊瑚一筋に(笑)。
節操あるスケベ法師です。
弥勒を大ピンチに陥れる大蟷螂がアニメで大神いずみさんだったことを思い出し、神楽の死を思い出してちょっとせつない。

水神編は、アニメでは原作のギャグの部分をきっぱり削ってアクションのおもしろさを出していました。
残念だったけど、あの頃のアニメの勢いと演出は本当に好もしかったです、懐かしい。
収録話数の関係で仕方がないとはいえ、弥勒と珊瑚のエピソードを1冊にまとめて、奈落の城は途中で切らずに収録して欲しかったな・・・。
次巻はかごめが可愛い地念児編に、奈落と桔梗のドキドキの再会ですね、楽しみです。

概論は弥勒。
プロフィールと運動能力、法力眼力(四魂の玉を見分ける目)、戦闘能力、風穴の説明、そして弥勒の成長と珊瑚との恋の解説です。
そういえば先日読んだ「三國志がおもしろいほどわかる本」に「武」とは「戈(ほこ)を止めること」であると書いてありました。
本当に強い者はむやみに武器を振るわない、弥勒はそんな性格なのかもしれません。

インタビューでは犬夜叉の「男の仲間」で「法衣を着た人」で「説明役に便利」で「お笑いもやれるし、シリアスも出来る」キャラとして弥勒が形作られたそうです。
犬夜叉が真面目なので、ある意味不良というか悪知恵が働くって・・・(笑)。
まあ犬夜叉は頭が固くて融通が効かず、弥勒は臨機応変に小回りが利くという意味ではいいコンビだと思います。
さらに弥勒の性格は「風穴」ありきで決まって行ったというのが納得でした。

「生きる事をあきらめていた」キャラから「生きる事へのこだわりが出て来た」キャラへ。
「犬夜叉」はどうしても犬夜叉やかごめを中心に読んでしまいますが、弥勒や珊瑚を中心に据えて読んでみるのもおもしろいかもしれません。
「あの日の犬夜叉」は最終巻と同じ俵を担いでる(報酬でしょう)犬夜叉と、お札持ってる弥勒です。
ぼったくってほくそえんでるはずなのですが、弥勒の顔が可愛いので、とってもいい人に見えます(笑)。
(2013年6月18日の日記)
犬夜叉ワイド版7巻感想
今日は「犬夜叉」ワイド版発売日。
明日発売予定の「ゴーストハント読本」もあったので一緒に買って来ました。

今回は奈落の城での決戦、癒しの地念児編、奈落の蠱毒の術と奈落と桔梗の再会、かごめと桔梗の対決、そして刀々斎登場に犬夜叉が殺生丸との対決を経て鉄砕牙に認められ、傷ついた殺生丸はりんと出会う、まで。
そろそろ「成長」と「恋愛」が物語の中に要素として入り込んできます。
物語に深みを与えると共に、初期の「犬夜叉」が持っていたスピード感が少しずつそぎ落とされる時期に移ります。

今頃気づいたのですが、「浄化」が第111話になってますね、通し番号です。
コミックだとコミック内で1話から始まるけど、通しになるとわかりやすくて良いです。

かごめが奈落の体を打ち砕き、珊瑚は犬夜叉と仲直り?したものの、体調がおもわしくなく、毒にやられた雲母の事もあって旅はお休み、地念児の村に薬草をもらいに行った犬夜叉とかごめ。
タタリモッケに続いてかごめの優しさが際立つエピソードでもあります。
地念児の母(老婆)の方が人間だったことを知り、ショックを受ける犬夜叉とかごめ。
ここではギャグになっていますが、実は将来の犬夜叉とかごめを暗示させる場面でもあります。
まあ犬夜叉は半妖なので、妖怪よりは成長の速度が速いかと思えるけれど。

かごめに恋した地念児が別れの場面でつく溜息と、それを見上げる犬夜叉の顔がせつないほど好き。
まあ恋には鈍感な犬夜叉の事だから、どこまでわかっていたか、でも力で村人たちを抑え込もうとした、そうして生きて来た犬夜叉にも村人たちと和解した地念児に思うことはあったのでしょう。
もう一人じゃない犬夜叉、かごめの言葉に気づく犬夜叉、いいお話です。

弥勒と珊瑚が加わったことで、ギャグな会話も増えて楽しくなるのもこの頃から。
珊瑚の護衛に残る弥勒、その弥勒を警戒する珊瑚、弥勒から珊瑚を守る役目の七宝のとこは何度読んでも笑えるし、戦う前からちゃっかりお金をせしめている弥勒も笑えます。
まあ弥勒の場合、怪異を大げさに言ってぼったくることはあっても、もらい逃げはしない人なので、その辺は安心ですが。

桔梗と奈落の再会は、思ったほどドラマチックじゃなかったですね。
死んだはずの若いままの桔梗との再会で、驚きが先に立つのは奈落も同じですが、まあ68歳の桔梗との再会だったらそれはそれでどうにもならないし(笑)。
ここで砕かれた体を作り直すために奈落が使った蠱毒の術、先ほど書いた小野不由美著「ゴーストハント」にも登場しています。
奈落の場合は妖怪を使ったスケールの大きなものですが、「ゴーストハント」は人が行う怖いもの。
読み比べるとおもしろいです。

愛しい桔梗を手に入れながらどこまでも紳士的な奈落ですが(笑)、犬夜叉は犬夜叉で奈落への嫉妬を抑えきれず、そんな犬夜叉にかごめも心穏やかでいられません。
でも死魂虫を追った犬夜叉たちは幻影殺にかかり、残ったかごめも桔梗に殺されそうになります。
桔梗にとってもかごめは邪魔者、いくつもの壮絶な三角関係の始まりです。
この頃の桔梗が好きだな、感情がむき出しで人間味があります。

そしてその後で登場するのがおとぼけじいちゃん刀々斎。
飄々としているのに、底にあるのは冷酷なほどの職人気質。
殺生丸と戦わせるところなど格が違いますね。
まあ殺生丸が体を張って?相手をしてくれたおかげで犬夜叉は鉄砕牙の使い手として認められることに。

なぜか犬夜叉の成長のために出て来たような殺生丸、だんだん鬼教官に見えてきますが、そんな殺生丸にもほのぼのエピソードが。
次巻は鋼牙や神楽も出るので表紙が楽しみ。
犬夜叉、桔梗、殺生丸、鋼牙、神楽、神無、鬼蜘蛛勢揃いが来そう、あの鋼牙好きだから使われたらいいな。

今回の概論とインタビューは殺生丸。
なんかこれまでと気合が違うぞ!な概論にちょっと笑いました。
「犬夜叉考察日記」」と銘打ちつつも、私はあまり鋼牙や殺生丸に関しては考察しなかったような気がします。
シンプルすぎる鋼牙はともかく(笑)、殺生丸、興味がないわけじゃなかったけど時々読み返してもあまり殺生丸について書いてません。

なので概論もインタビューも新鮮でおもしろいと書くと変ですか、でも目から鱗な部分もありました。
特に殺生丸が、もしかしたら鋼牙より露出してるキャラだったかもしれないって考えると、もう見たくて見たくて仕方ないです。
初期案公開してくれないかな、「半裸の殺生丸」。
あとおでこの三日月は旗本退屈男!

しかも何かに使う予定だったらしい。
おでこの三日月からビームとか出てきたら笑い過ぎて転げまわるかも。
アニメのコマ状態にもかなり笑ったけど。

りんの登場は殺生丸の心が動くきっかけが欲しくてだったそうです。
母君登場編での激変には驚きましたが、それ以外の殺生丸は大きく予想を裏切らないキャラなので考察あまりしなかったのかも。
感情の流れ、成長がらしくて自然だった。

それは「描く上でルールを決めていた」からだそうです。
冷や汗かかない、どもらない、あせらないなど。
やはり考察しがいのあるのは、奈落みたいに良くも悪くもぐちゃぐちゃになる人。
だから殺生丸は「自分史上、最もカッコいいキャラクターになりました。」のコメントには深くうなずけました。
(2013年7月18日の日記)
犬夜叉ワイド版8巻感想
★「ひとりごと」に写真を掲載しています。

今月は18日が日曜日なので、今日発売のワイド版8巻、表紙には愛しの鋼牙が登場です(笑)。
内容はコミック14巻と15巻ほぼ全て(14巻の1話「真の使い手」だけがワイド版7巻に収録済みです)。

傷ついた殺生丸を看病しにりんが登場、りんを襲う妖狼族と鋼牙が登場、妖狼族を襲う極楽鳥登場、かごめが鋼牙に攫われ、新たな三角関係開始(笑)、そして神楽、小春、神無の北条くんと個性的なキャラが次々登場します。
神楽、神無、あとたぶんりんと邪見は表紙登場候補だと思いますが、そのせいか今回の表紙や裏表紙のカラーページもあちこち飛ばずにこじんまりと14,15巻にまとまっています(ブログ参照)。
9巻は15巻の表紙を使って神楽特集かもしれませんね。

この頃は普通に鋼牙と神楽がいつかカップルになるんだろうなと思ってた私、誰に話してもびっくりされました(笑)。
神楽も神無も最初は完全な悪役で登場しますが、どこか憎めない魅力があり、やがて奈落に虐げられてる部分もあって、そこで鋼牙と和解のパターンかと思っていたのですが。
神楽の気持ちは殺生丸に行ってました。
今思えば、神楽には鋼牙はちょっと幼かったかも。
私のイメージだと、公式設定もありますが、犬夜叉、かごめ、鋼牙と殺生丸、桔梗、神楽の間には年齢以上の精神年齢差?があったように思います。

目立たないけどかごめを挟んで犬夜叉、北条くんの三角関係も発動(笑)、珊瑚も小春の登場で弥勒への恋に目覚めるという「恋」の部分でも大きな変化が起こった時期。
何事もなく平和なのは七宝と楓、雲母くらいか。
そういえばかなり前に「世界まる見え」だったかな?で見たんですが、テレビでアメリカで放映されてるアニメ「犬夜叉」で、百足上臈の胸がぺったんこになってて驚きました。
子供が見るアニメ番組で、裸で胸は(一応女性ということで)まずいということで描きかえられたと言ってました。

神楽も結構サービスカットが多いですが(「背中の蜘蛛」でもいきなり上半身がすっぽんぽんになります)、神楽も後で出てくる牛頭馬頭みたいに胸がぺったんこになったのかな?
それとも姿勢を変えて元々見えないようにしたのかな?
それを言うなららんまも気になりますね。

話がそれましたが、今回の特集は鋼牙です。
帯にもあった「鋼牙は逃げる勇気を持つ人なんですよ。」のコメントにびっくりしました。
鋼牙は「人」だった、なんてとこに突っ込むつもりはないですよ?
「逃げる勇気」のとこです。

概論でも「退く時を見定める勇気」と書いてましたが、正直これは高橋先生のコメントの受け売りだと思ったのでまとめます。
鋼牙を語るのは久しぶりなのですが、鋼牙というキャラは見た目は人間に近くても、内面(性格、設定など)は限りなく妖怪、というより獣=狼に近いキャラだと思っています。
だから、そもそも危険を察知して逃げるのは当然のことで、そこに「勇気」なんて言葉の入る余地がなかったような。
あえて言うなら「本能」?

確かに17巻で獣郎丸や影郎丸に追われたところを犬夜叉に見つかった時は、一瞬恥ずかしそうなそぶりを見せましたが。
以前も書きましたが、概論に書かれていた「俺様気質」でかごめに惚れ込む部分も、仮に妖狼族に、鋼牙より立場が上の頭、長がいて、長がかごめを好きになったらあっさり身を引くような気がします。
犬夜叉は種族が違うし、ライバル=負けたくない相手なのだから引くはずがない、退く必要がない。
そういう好きも逃げるも、余計な感情の入らない、割り切った部分が鋼牙の持ち味だと思っているのです。
高橋先生のインタビューを読んでもなお、その考えが変わらないのですから、私、高橋先生に喧嘩売ってる?そんなことないですよね(笑)。

高橋先生曰く鋼牙は最初はもっと卑怯で、もっと悪い奴でもいいかと思ってたそうですが、そこそこいい人になったとか。
卑怯で悪い奴でもおもしろかったと思うんですが、殺生丸や神楽、最後には奈落にしてもとことん悪役にはなり切れてなかったですもんね。
高橋先生が描くと、完璧な悪役ってできにくいんじゃないかと思います。
「人魚」シリーズだとまたちょっと違いますが、そこまで書くと長くなるし、たぶん人魚の感想で書いてるので。

だから鋼牙のキャラは典型的な妖怪キャラで、イコール人から見ると怖い、残酷に見える存在でした。
人食いでしたしね。
インタビューでこのことには触れてませんが、三角関係や犬鋼漫才や共闘を続けることによって、鋼牙のキャラ自体がマイルドに、より人間に近く変化したのでしょう。
おそらく人食いに関しては、高橋先生にとっては失敗であり、なかったことになってるんではないかと思います。
もしかしたらアニメで銀太や白角が人食いであることを示す台詞は削除されてるかな?と思ってましたがそのままでした。

ただおもしろいなあと思ったのが、「犬夜叉」に出てくる他のキャラは、逃げ時をうまくつかめず、深入りして墓穴掘ったりするので、鋼牙のこの逃げの判断の習性はうまく使えたというコメント。
確かにそうですね。
犬夜叉との対比で鋼牙のキャラが作られて行ったというのも納得でした。
力の犬夜叉、スピードの鋼牙、空気の読めない犬夜叉、押しの強い鋼牙、ナイーブな犬夜叉、ドライな鋼牙といったところでしょうか。

「大きな流れの中では、物語を動かす役割ではありませんでした。
でも、犬夜叉とのからみの中で、要所要所で犬夜叉の心を動かすという役割は担っていたと思っていますよ。」
この言葉が鋼牙好きには一番嬉しいコメントでした。

8巻はとにかくおもしろい台詞が多くて、人食い狼を「けっ、たかがどーぶつだろ!」の犬夜叉や、鋼牙と犬夜叉早速の口喧嘩に「・・・口はさむスキがないじゃない。」のかごめ、鋼牙に攫われて「騒ぐわよっ、きゃーきゃーきゃーきゃー。」のかごめとか、台詞が若い。
あとかごめと犬夜叉の喧嘩とか、神楽の悪女っぷりとか、殺伐とした戦いの間にほわんと入った小春編とか、ほんと楽しい。
小春編も後半はかなり厳しくなるけど、8巻はまだそこまで行かないので、安心して読める。

雷獣兄弟の時も、犬夜叉と付き合ってると言っちゃったかごめ、の時はへっ?て感じだった犬夜叉も、今回は鋼牙の言葉にいちいち反応するのもおもしろい。
そういえばアニメで鋼牙は松野太紀さんだったけど、今遊んでるゲーム「真三國無双」シリーズの凌統というキャラも松野さんが演じている。
凌統もまた、強さはないが、スピードで手数で稼ぐタイプのキャラ。
なんとなく鋼牙に似てるなあと思ってたんだけど、そっか、声の軽さがこういうスピードキャラに合うんだと思いました。

ずっしり響く声じゃなく、軽い高めの声。
鋼牙に合ってたもんなあ、凌統にも合ってるし。
久々にアニメ「犬夜叉」鋼牙登場編でも見てみるか。
今見たら声が若くて驚くだろうなあ・・・。
(2013年8月16日の日記)
犬夜叉ワイド版9巻感想
★「ひとりごと」に写真を掲載しています。

「犬夜叉」ワイド版9巻の表紙は、神楽や神無と思ってたら、なんと「彼」でした(笑)。
まあ「彼」も犬夜叉をてこずらせたし、一応奈落の身内だし(笑)。
そうです、悟心鬼です、カメラ目線もばっちりです。
しかし、この後登場する影郎丸や獣郎丸と比べても半端じゃないこの手抜き感。
神楽を「姉上」と呼んだ時爆笑したのも懐かしい想い出・・・。
まあ神楽や神無はこの後も出番あるし、悟心鬼は今回限りだからなあ。

今回はコミック16巻第1話「人間の盾」から17巻第9話「影郎丸」まで19話。
かごめが奈落の城に続いて恐るべき力を見せて奈落を撃退、神楽の弟(悟心鬼)が登場して犬夜叉大苦戦、遂に妖犬化します。
犬夜叉たちが去った後に殺生丸が現れ、悟心鬼の首ゲット、その牙で灰刃坊に闘鬼神を打たせます。
奈落の余り物が殺生丸に恩恵を、でも天生牙も協力してたな・・・。

そして影郎丸と獣郎丸が登場し、犬夜叉・鋼牙のスペシャル連係プレー披露。
この辺はアニメもスピーディーで本当におもしろかった。
それにしても当時とはパソコンが変わっているので、「悟心鬼」とか「闘鬼神」とかいちいち変換しなければならないのが辛い。
当時は全て登録してたんだけどなあ、時間の流れを感じます。

全体的にシリアスな話が続く中、悟心鬼に無視される七宝とか、刀々斎に牙を抜かれる犬夜叉とか、挟み込まれる笑いの部分も絶好調。
影郎丸、獣郎丸の気持ち悪いかっこ良さも良かったなあ。

今回の概論とインタビューは珊瑚。
今回の描き下ろしイラストがちょっと笑えます。
珊瑚の顔がかなりきつくて、れんげに似てるのですが、犬夜叉をじろっとにらんでる感じなのです(笑)。
まるで珊瑚の着替えをのぞいている「人」がいて、その「人」はとっくに逃げたので、ちょうどそこにいた犬夜叉に珊瑚が「見たでしょっ?」とにらんでるみたい。
「じろっ」「へっ?」みたいな言葉を入れたらぴったりかも。
「のぞいてたのは犬夜叉様じゃありませんよ」とでも言いたげな雲母も可愛い。
六文と違って喋らないからなあ。

珊瑚に関しては、その頃もう出ていた奈落の非道さを描くためにあんなキャラ設定になったのだとか。
確かに琥珀と弥勒、誰よりも大切に思っている2人をいつ失うかもしれないという刹那的な想いの中で生きているわけですから。
また、かごめや桔梗のような芯の強さがない、身体能力は高いけれど、内面的には折れやすい、もろい、追い詰められると壊れてしまう、そんな危うさがあります。
そんな珊瑚を高橋さんは「犬夜叉一行の中で一番人間的な弱さを持った人」「かごめと比較しても、珊瑚の方がにんげんてきかもしれないですね。」と語っています。

「人間的」を「現実的」と言い換えてもいい
かもしれませんね。
現実にいそうな人という意味で。
「弥勒とくっつくというのは、一緒に行動させていると相性がいいというか」ってあるけど、最初からカップル前提でしょうと思いました。
だって他にいないし。
鋼牙や犬夜叉タイプだと、珊瑚とはぶつかりそうだし、似た者同士で、同志ならいいけど、どう考えても恋人じゃない。
だからといって、かごめも珊瑚も弥勒が好きとか、あれ以上三角関係を増やすごちゃごちゃな展開はあり得ないし。
当時は高橋作品は基本的にカップルができてハッピーエンドがお約束、というのは知らなかったけど、最初から2人はカップルとして生まれたキャラでしょう。
その意味で寂しく一人去った鋼牙に、アニメでは恋人を作ってあげたというオリジナルは、アニメのみの粋なはからいと言えるのではないかと思いました。

さて、ワイド版の感想を書く楽しみの一つに、表紙にキャラのどの絵を組み合わせて使うんだろうと想像したり、探したりすることがあります。
写真でブログに紹介してますが、その時参考にする一番のお気に入りの資料が「高橋留美子原画全集 アニメ犬夜叉の世界」です。
ところがこの本、残念ながら次回18巻までしか網羅してないんですよね・・・。
もう1冊「劇場版テレビ版犬夜叉アニメ全書」も出てて、それも七人隊まで少しだけ取り上げてますが、映画がメインで圧倒的に少ない、寂しいですよ。
次巻10巻はいよいよかごめで好きな、桔梗で好きな場面に再会できます、楽しみです。
(2013年8月19日の日記)
犬夜叉ワイド版10巻感想
★「ひとりごと」に写真を掲載しています。

犬夜叉、かごめ、骨喰いの井戸、戦国時代、七宝、弥勒、殺生丸、鋼牙、珊瑚。
ワイド版1巻から9巻まで概論とインタビューで取り上げられたキャラや用語です。
そして10巻ではなんと琥珀でした、かなり驚きました。
奈落や桔梗、神楽より先に琥珀を取り上げるとは。

いえ奈落や桔梗の方がレギュラー格だからという意味ではありません。
琥珀ももちろん重要なキャラです。
何故驚いたかというと、琥珀は物語の中で最後まで迷走し続けたキャラだからです。
高橋さんもインタビュー中で琥珀の扱いには悩んだことを書いているので、取り上げるならもっと後、レギュラー陣では最後の方だろうと何となく思っていました。
琥珀取り上げるの早すぎやしませんか?ってことです。

先にあげた3人もキャラとして変貌はしていきますが、作者としての扱い方にはあまり迷いがない、だからキャラにブレがない。
奈落はともかく神楽や桔梗、神無などを先に取り上げるのが普通だと思うんですよ。
なぜここで琥珀なのか、この順番や用語は誰が選んでいるのか、高橋さんなのか編集側なのか、興味ありますねえ。

さて、10巻の内容は168話「二対二」から186話「失われた心」までです。
17巻から1話、18巻全部と19巻途中まで。
「二対二」はもちろん鋼牙、犬夜叉vs影郎丸、獣郎丸の戦闘です。

この後一気にメロドラマパートに入り、桔梗を恋しく憎む奈落が巨大死魂虫を差し向け、桔梗の死魂を奪います。
桔梗を助けたのは犬夜叉、想いを確かめ合う2人、そこへ来たかごめ、さらに嫉妬に苛まれる奈落とかなり濃厚な展開です。
ここで犬夜叉が来なければ桔梗を助けたのは「桔梗を殺せない」奈落だったのか、個人的に非常に興味があります。

抱き合う2人を見て、犬夜叉の言葉を聞いても犬夜叉への想いを断ち切れなかったかごめは犬夜叉の元へ帰って来ます。
私の一番好きなかごめの場面です。
そして何事もなかったように旅は再開、今度は琥珀が登場です。
記憶を奪われ、奈落に操られている琥珀は犬夜叉たちと行動を共にしますが、やがてかごめを殺そうとします。
けれども殺すことなく去って行きます、操られてはいてもわずかな善性が残っているようです、珊瑚の面影です。

おっと、お助け妖怪殺生丸を忘れてはいけませんね。
途中で終わってしまいますが。

妖犬化することは人を傷つけ、犬夜叉自身を傷つけます。
これまでの元気な妖怪退治物から、かなりドロドロした要素が入って来る頃です。
ワイド版を一気に読むとかなり息苦しくなってきます、コミックより長いですからね、切れ目がない。
当時の読者はこの展開をどのように受け止めたのでしょうか。

そしてインタビュー。
作者の苦悩がひしひしと伝わるインタビューです。
「退治屋の仲間を、しかも実の親をも殺めるという、ああいう場の中で、あの役をできるのは、もう彼しかいなかったというキャラクターです。」
本で読むより琥珀の悲哀が身に染みる言葉です。

「周り・・・犬夜叉達が『死なせない、死なせない』と言ってましたからね。
それで死んだらあまりにも皆、言行不一致と言いますか、だからやっぱり助けないといけないとは思っていたのですよね。」
「今、まだ物語が続いていたとしても、恐らくその傷というのは癒えていない・・・癒えてはいけないんだろうなあと思うんですよね。」

そんな理由で生かされたんですか、ある意味死ぬよりひどい・・・。
琥珀に殺された人々やその他死んでいった人々の立つ瀬がない。
最終回、みんな幸せでみんな楽しくて、琥珀もって感じで終わったのに、琥珀は実はまだ抱えていたって・・・。
何て言うか、生み出されたことが悲劇としか言えないキャラですね、琥珀。

あと私は琥珀とりんが一緒にいる場面、好きだったんですが、あれは「単に一緒にいたっていうだけの事」だそうです、ショック(笑)。
かごめや珊瑚は気を使い過ぎて、むしろりんのようにあっけらかんとした少女の方が琥珀も楽だと思うんですけどね。
りんは琥珀の内面をどうにかしようなんてしない子に見えたし。
将来りんが琥珀を選ぶ選択肢は消えました?
(2013年10月19日の日記)

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