アニメ「うしおととら」感想 1
7月7日第壱話「うしおとらとであうの縁」
原作序章「うしおとらとであうの縁」

・畠中祐さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら)・小松未可子さん(中村麻子)
・安野希世乃さん(井上真由子)・藤原啓治さん(蒼月紫暮)・布施川一寛さん(横尾)
・海老名翔太さん(厚池)・坂本くんぺいさん(じいさん)・鷄冠井美智子さん(ばあさん)
・山本彬さん(クラスメイトA)・小川祥平さん(クラスメイトB)・原愛紗実さん(クラスメイトC)
・奈波果林さん(クラスメイトD)・土師孝也さん(ナレーション)

          ☆           ☆           ☆          

クレジットが「クラスメイト」になっただけで一気に昭和の時代にタイムスリップ(笑)。
まずOPが強烈だった。
「筋肉少女帯」って名前は知ってたけど、こんな曲なんだ。
汚い(褒め言葉)殴り描きのような字やカットと相まって、一気に「うしおととら」の世界に引き込まれた。

ストマッククロー並みに視聴者の心を鷲づかみ、だね。
でもこれはEテレではできないね。
さりげなく「熱中症予防注意」コメなんてはさめない(笑)。
同時期にまったりりんねと壮絶うしとら両アニメを楽しめる幸せに感謝。

みんなが大好き衾も綺麗な緑で、黄色いとらとのコントラストがめちゃくちゃ綺麗、昆布みたい。
勇登場の大事なエピソードなのでカットされることはないにしても、この優遇は嬉しかった。
愛されてるね、衾♪
あととら、今更だけど耳ないね(笑)。
さらに鎌鼬兄弟も美しく、知らない人は雷信とかがりを恋人同士と思ったのでは?

声が潮はOVAより大人っぽくて、とらと紫暮は若いけど、見てるうちに慣れるだろう。
あとナレーションが土師さんは嬉しかった!
「十二国記」の塙王で深い演技を見せてくれた声優さん。
麻子の髪型って、原作もOVAもちょっと可哀そうな感じだけど、アニメでは可愛くなって麻子っぽく見えないのがちょっと複雑(笑)。
坂本さんのじいさんと鷄冠井さんのじいさんばあさんがすごくいい味出してたので、日常編ではオリジナルで常連さんにして欲しい。

お正月編とかやらないかなあ。
カットだろうなあ、運動会編も見たいなあ・・・。
ちなみに「鷄冠井」は「かいでん」と読むのだそう。
変わった名字なのでちょっと調べてみたら、京都にあった村の名前らしいが、「かいでん」と読ませるのは珍しいみたい。

テレビが液晶だったり、紫暮が目玉焼きとかソーセージとか、潮にちゃんと朝ご飯作ってあげてるっぽいのは意外。
あとスーツケースの荷物の詰め方とか、几帳面な感じ。
潮は原作より絵がうまい(笑)。
学校で描いてたとらの絵も、ちゃんととらに見えたし、部屋に置いてある花の絵も上手だった。

学校生活がオリジナルで入っていたけど、「石喰い」でどうせまた描かれるんだし、ここはあえて今回分を15分くらいにまとめてくれてたら 壮絶な序章になったかと思うとちょっともったいなかった。
うしおやとらだけじゃなく、麻子のアクションのキレも凄くて楽しかったけど。

とらの血は青、潮は赤はこれからも続くのかな?
とらも普通に赤にして欲しいなあ。
槍に気づいておたおたするとらが可愛い。
潮ととらの掛け合いはまさに原作通り。
潮の声が中学生には聞こえないんだけど、アクション場面のシリアスさはかっこいい。

3クールという事でカットも多いだろうが、一応最後までやるのだろう、シルエットながら主要キャラがほとんど出て来てネタバレ全開。
外伝で描かれた草太郎のエピソード「永夜黎明」も入れてくれたら嬉しいなあ。
ラーマや姉とのエピソード次第だろうけど。
カットしてもいいような話は1話もないので、できることなら3クールなどと言わずに全話放映して欲しかった。

EDではとらに寄り添う真由子もいて、とら街や、愚か者がほんと楽しみ。
予告なしで、潮ととらによるOPとEDの宣伝もちょっとおもしろい。

OVAは原作の古臭さや泥臭さや暑苦しさ(全て褒め言葉)を忠実に映像化した感じだが、アニメは古臭さと現代っぽさ、静と動、 コメディとシリアスのバランスを取りながら作ってる感じ。
これはこれでありだと思う。
(2015年7月7日の日記)
7月14日第弐話「石喰い」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★原作第一章「石喰い」
其ノ壱 旧校舎に消ゆ
其ノ弐 獣の槍発揮
其ノ参 百足変化

最初にお詫び。
アニメのキャスト網羅するつもりでしたが、EDが背景グレーに文字が白、しかもあの書体だととても見にくいです(涙)。
壱話では一時停止して確認しましたが、とても時間がかかりました。
(いっぱいいっぱいなので低画質で録ってます、DVDとか出たら買う予定だし)
よって今回より声優さんはメインキャラのみ、DVDが出たら改めてチェックしようかとも思います(余裕があったら)。

          ☆           ☆           ☆          

第弐話「石喰い」は原作3話分だけど、今回も綺麗にまとめたと思う。
というか削る部分も足す部分もなく、ちょうどいい量だった。
「溶けかけたドラえもん改め雪だるま」のとこ、ちゃんとやるんだったら、壱話の絵の部分とかいらなかったよね。
要は壱話目は尺が余ったという事なのだろう。

ただ、とらや真由子の、原作で手書きで表されてた突っ込みがいくつか省略されてたのはちょっと残念。
まだおなかすいてないのか、真由子を見ても、とらが全然反応してないのもおもしろい(もちろん原作通り)。
上に書いた通り、低画質で録画したの見てるので、画質が荒く、色も冴えない(褒め言葉)ので、まるで昭和のアニメを スカパーで見てるみたい。
でも「うしおととら」らしくて凄くいい。

とらが歴史に興味を持つなど、好奇心旺盛なところが好きなのだが、とらは500年をどう認識していたのだろうか。
草太郎に封印されてからずっと眠ってて、潮が生まれてある程度の年齢になって目覚めたのかと思ってるけど。
昼も夜もわからない闇の中で500年とわかってるって体内時計が凄すぎる。

あと、仕方がないのかもしれないが獣の槍の警告音が思ってたよりのどかだった。
視聴者に余計な不安感を与えないための配慮だろう。
原作未読の視聴者はびっくりするだろうしな・・・。
でもとらの口の中が青いのはどうにも慣れない。
獣の槍を手に戦闘態勢に入ると、潮もまた髪が伸びて変化するって設定はいいね。
動く潮が原作以上にかっこいい。

潮が石喰いに囚われ、自らの命乞いじゃなく、麻子たちを助けてくれるように頼むところ、良かった。
とらも馬鹿じゃない。
潮のそんな男気、人間性を見抜いて少しずつ潮への認識を改めて行く。
そしてとら自身も「命の重み、身を捨てても他を救う」ことへの想いを学んでいく。

量的にも内容も忠実に原作をなぞることができるエピソードが2話目に来たことで、作る側も見る側も良かったのではないかと思う。
しかもこの石喰い編、話自体はさほど重要ではないものの、後にあっと驚く展開が用意されており、絶対にカットできないエピソード(笑)。
これがなく、2巻辺りの話なら、あっさりカットの最有力候補じゃないかと思う、妖の格的に。

その石喰いを演じていたのは安元洋貴さん!
ゲーム「無双OROCHI」シリーズで豪快な伏犠を演じてくれてる大好きな声優さんの1人。
「ぬらりひょんの孫」の青田坊も良かった。
「犬夜叉」の第149話「波乱を呼ぶ一本の矢(聖様登場編)」にも村人役でさりげなく出ていたりする。

かなり加工して?いたので、安元さんらしさはあまりなかったが、このおじさんぽい(失礼、あくまで声質です)声の深さは好きだなあ。
とらの小山力也さんも孫悟空役でOROCHIに出てるけど、雑談とかしたのかな?
次回は礼子登場編。
話自体長いけど、多分1話にまとめるだろうから、次回が制作側の正念場というところではないだろうか。

キャストは羽生礼子の牧野由依さん、間崎賢一の中村悠一さんが発表されている。
中村さんはゲーム「戦国BASARA」の島左近では、かなりノリが軽かったけど、間崎はどうなのかな?
羽生画伯が楽しみだ。
(2015年7月14日の日記)
7月22日第参話「絵に棲む鬼」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★原作第二章「絵に棲む鬼」
其ノ壱 礼子
其ノ弐 間崎
其ノ参 鬼
其ノ四 咆哮
其ノ五 礼子像

5話にもわたる長丁場を、よくぞ1話にまとめたものだと感心したが、それだけに本筋に関係ない くすっとした笑いどころがカットされたのは残念、まあ仕方がないけど。

返す返すも惜しいのは、テレビやスマホなど現代風も取り入れたこと。
今の時代の視聴者を取り込もうとしたのかもしれないが、いかにも昭和の不良といった感じで 礼子や間崎が出て来る時点でミスマッチ。
麻子や真由子の服装が可愛くなるのはいいが、ここはいっそ割り切って、昭和の風情で通して欲しかった。

全体的に戦闘の迫力もあり、手堅くまとめた感じだけど、それだけに「ぶっ壊れそうな」勢いや汚さは欠けたかな?
あと原作でも思ったけど、紫暮にしても後に出て来る光覇明宗にしても、一日も早く獣の槍の伝承者が現れ、 獣の槍を解き放って欲しいのではないだろうか。

紫暮のショックは、それが息子であって欲しくないと、息子であるはずがないという思いからなのか。
外伝読む限りでは、獣の槍の伝承者として潮を見てはいないようだが。
でもとらを封印した蒼月の子孫である以上、同時に紫暮自身がなりたかった獣の槍の伝承者、むしろ潮に 望みを託すのが普通と思うが。
潮は5人目の継承者候補として、光覇明宗で育ててもおかしくない立ち位置だと思う。

内容には文句ないので、おもしろかったところと残念だったカットをあげると

・礼子像を「ムード」と言ってるのが「ヌード」に聞こえた、裸像なだけに(汗)。
・果物の写生画見つけてかぶりつくとらのカットが残念、さすがにそこまで馬鹿じゃないか(笑)。
・間崎との最初の喧嘩でカメラ目線で喜ぶとらが可愛い。
・礼子について知りたがる潮が気になる麻子が可愛いのにわりとあっさり、ラーメンやこけしに興味を示すとらのカット。
・礼子の刺繍が原作ではバラの花なのにカマキリになってる、麻子が普通に感心してる。
(センスが普通じゃないのは真由子で慣れてるか?)

・1巻、そして最終巻の裏表紙にも登場する大事な場面、スピーカーを取って来るとらのカット、これは泣いた。
・フォークダンスで礼子の「ちがうの、ここであたしがまわるの・・・」の台詞のカット。
ヤキモチなしに笑顔で見守る麻子と間崎がいい。

あとどうでもいいことだが、女子の体操着、ブルマーから短パンになってた。
NHKの「境界のRINNE」で思いっきりブルマー披露だったのに、こっちでは気を使ったか、パターンが逆みたいでおかしい。
でも「女の子には骨だけしか」の熱い台詞も堪能したし、最後の礼子の笑顔も原作より3割増しで可愛かった。
出番が少なくとらがちょっと印象薄かったのは残念。

羽生画伯は三宅健太さん。
「蒼天航路」の楽進は残念ながら覚えてないが、「BLOOD−C」の古きものはそういえばこんな感じだった。
鬼の時と、最後の台詞の対照がお見事だった。

今後レギュラーとなる礼子は牧野由依さん、その恋人間崎は中村悠一さん。
限られたクールの中で少しでも物語を描くためか、予告をカットするその姿勢は素晴らしいと思う。
あとクレジットにはなかったけど、草太郎は潮の声だったのかな?
録画で見たので、最後の笑顔の礼子像が顔はっきり見えなくて泣けた・・・。

とりあえず見るなりダビングするなりして容量増やさねば・・・。
(2015年7月22日の日記)
7月28日第四話「とら街へゆく」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第三章「とら街へゆく」
其ノ壱 餓眠様
其ノ弐 街の中は危険がいっぱい!
其ノ参 とらと文明あれるぎい
其ノ四 とら推参!
其ノ五 とらの濡れ衣

何もかもが感動だった「うしおととら」だが、今一番好ましく思い返すのは、とらと真由子の関係。
そんな私にとっては、アニメ四話が一番好きかな、今のところ。
ひいき目だけじゃなく、制作側もまた新鮮な気合が入ってるような気がした。
1話目、アニメ初披露の緊張感で一気に見せ、2話目と3話目は落ち着いたというかすでに手慣れた感じ。

抜群の安定感と原作の忠実な映像化で、安心して見れたものの、安定し過ぎてハラハラドキドキ感は 少なかったような。
そこにとらファン、とら&真由子のファンのスタッフの想いがいきなり爆発したような。
普通に見てもスピード感があっておもしろかったのではないだろうか。

餓眠様原作とOVAはグロテスクで怖かったが、アニメはなんか可愛い(笑)。
OVAで山崎和佳奈さん(日崎御角と餓眠様兼ね役)、岸野幸正さん、置鮎龍太郎さんと無双声優さんが 揃い踏みだったが、今回はBASARA大谷吉継の立木文彦さんが登場!
立木さんは1回限りのゲストはもったいないなあ。

他には中博史さん(犬夜叉で妖狼族など)、嶋村侑さん、藤原貴弘さん。
残り1人(女性)が字が潰れてて読み取れなくて、「津田民子」に見えたけど、わからない。
日崎御角は「犬夜叉」で蛇骨だった折笠富美子さん、最後のいい台詞を端折られた(残念!)老人が小杉さん。
こちらも名前は見えなかった、すみません。

真由子の部屋でいきなりペナント大写し、しかも使ってるのはスマホ、このギャップが限りなくシュール。
あと街で真由子が見ている服のマネキンが怖かった。

クライマックスに入る前にCMに入ってどうなることかと思ったが、とにかくとらが可愛い、1人で百面相。
とらの声もこれくらい若いと、真由子との関係が、恋愛が少し入ったような入らないような、微妙で深い心のつながりが 表現できそう。
真由子もこの時期の目の大きさとか、髪がぺったんこのとことか、妙にバランスが悪くて、でもそれゆえの不安定な可愛さが ちゃんと出てた。
この服見ると、今でも泣けそうになるね。
変えないでくれて本当に良かった、変えようもないけど。

とらが真由子に初対面のごときひとめぼれをしたのは原作通り。
実は自由になった時や溶けたドラえもんの話、石喰いで助けるなどと、とらは真由子に会っている。
しかも潮、麻子を含めた微妙な恋模様まで見抜いていたのに、ここで初めて「個」として認識したみたい。
とらが最後まで名前を呼んだ「人間」は意外と少ない(妖は気軽に呼ぶ)。

人間の名前を言いにくそうという演出もあったが、やはりとらにとって名前を呼ぶのは「特別な人間」なのだ。
私の記憶に間違いがなければ、麻子すら名前を知ってても呼ばなかったのではないだろうか。
ここがOVAでは真由子を知ってた演出に調整されていた。
この辺、アニメに関して藤田さんは言及したのだろうか?

最後の「とてもそうは見えないねえ」の台詞が醸し出すふんわりとした余韻がなかったのは残念だけど、見事にまとめて くれたと思う。
あととらがガラスを通り抜けれないところなど、言葉ではなくテロップで説明したところ、「境界のRINNE」と見比べておもしろかった。
でもやっぱりガムとかね、見たかったなあ・・・。
あとやっぱり落ちた真由子を救う時、頭に手をかけて欲しかった。
人間の弱点を知り尽くしたとらならではの所作だと思うんだけどなあ。
(2015年7月28日の日記)
8月4日第伍話「符咒師 ヒョウ」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★
★(ヒョウは「金栗」と書きますが、環境依存文字のため、カタカナにしてあります。)

★第四章「符咒師ヒョウ」
其ノ壱 化物を狩る男
其ノ弐 刺客参上!
其ノ参 ヒョウの過去
其ノ四 うしお、なやむ
其ノ五 ヒョウ対うしお

符咒師ヒョウ登場、演じるのは浪川大輔さん。
私はゲーム「戦国BASARA」の宮本武蔵や「魍魎の匣」の鳥口守彦しか知らないが、「ルパン三世」シリーズで 井上真樹夫さんを継いで、三代目石川五右衛門も演じているらしい。

今回はとにかく台詞が多いが、ヒョウは複雑で難しい役だと思う。
喋り方に独特の間や癖があり、冷静な時と狂乱状態になった時の振り幅が大きく、特に狂ってしまうとまさにブチ切れる。
でも5話をアニメ1話にまとめるために、台詞のテンポがやたら速く、潮も含め、間も何もあったものではなかった。
とらは長台詞がないし、麻子はポンポン喋るのであまり影響なかったが、ヒョウは完全に割を食ってた。

そんな難しい役だけど、がんばって演技してヒョウっぽくするんじゃなく、自然にヒョウに聞こえたらいいなと思う。
妻子を殺される前のヒョウが一番自然に聞こえた。

とらがテレビをいじるところや、可愛いヤクザ?のカットは残念だけど仕方がないか。
でもブリキのおもちゃのカットは何故だろう。
これは後々の大きなキーアイテムになるのだが・・・。

余談だが、「うしおととら」のヒョウ編を見て(読んで)から「境界のRINNE」架印編を見て(読んで)、「アヒル」つながりで苦い笑いがこみ上げた。
先日は「鉄のクラウス」と「境界のRINNE」が「ダニ」つながりで寒気がしたけど・・・。

大急ぎの台詞回しと、おもちゃのカット以外は迫力ある戦闘や、原作に忠実な展開で文句なし。
私の中では麻子がアニメになって好感度急上昇中。
原作でもいい子だけど、良くも悪くも「女うしお」らしさが目立ってた。

でもアニメの小松さんの可愛くも歯切れのいい演技が凄くいい。
次回はその麻子が大活躍のあやかし編。
できれば麻子も可愛い水着にして欲しい。

そういえば「符咒師」の「咒」も不思議な漢字だなあと思っていたが、こちらはちゃんとした「漢字検定準1級の配当漢字」だそうだ。
(だから文字化けしないのか。)
「呪い」の「呪」と異体字で、「呪い、まじない」の意味を持つ。
つまり「符咒師(ふじゅし)」とは、「符を使ってまじないを行う人」という訳でいいのかな?
(2015年8月4日の日記)
8月19日第六話「あやかしの海」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第五章「あやかしの海」
其ノ壱 うしおととら海へ
其ノ弐 あやかし
其ノ参 とら・麻子、食われる
其ノ四 あやかしの腹の中
其ノ五 対決!!
其ノ六 魂の果て

この長いエピソードを大事なところは一切切らず、原作に忠実に丁寧に作ってくれている。
けれど間のなさとシーンの切れ替えの激しさで、どうしてもダイジェスト版を見ている気持ちになる。
「境界のRINNE」もそうだけど、アニメの出来が良すぎて、さらに上を期待してしまう自分がいて、スタッフさんには 申し訳ないのだが仕方がない。

「うしおととら」で言えば、原作を忠実になぞった上で、さらに原作をぶち壊すほどのインパクトを持って欲しいというか。
テレビが壊れるほどブチ切れて欲しいです、はい。
どうしようもないオリジナルで文句言うのに比べたら贅沢にもほどがあるんだけどね・・・。
尺の都合を言うなら、OP前のナレーションもいらないと思う。
土師さんのナレーションは好きだけど、尺のためなら涙を呑んで諦めてもいい。

さっき大事なところは一切切らずと書いたけど、基本「うしおととら」には大事じゃないところはないと思う。
本筋と関係なくても、くすっとしたりあきれたり、キャラの性格を際立たせたり、後の伏線となったり。
今回も真由子のハンバーガーで、さりげなくとらの存在を麻子に内緒にしている部分のカットは寂しかった。
タツヤと麻子、潮の「母」を巡る関係もあまりに駆け足で。

あとトランシーバーはそのままでも良かったんじゃないかなあ。
おもちゃの電話にして、麻子は携帯で話してるけど、結界付きのあやかしのおなかの中で携帯使えること自体が 不思議なんだから、だったらトランシーバーでも同じでは?
って思うのはおそらく原作既読組だろう。

アニメで麻子がとにかく魅力的で驚くが、今回は胸よりも水着にこだわって欲しかった・・・。
かがりのボディコンや間崎の服などは、あれもまたキャラ設定の一部なので古臭くてもそのままでいいが、水着や 私服はもっとねえ・・・。

潮はいつも声が大人っぽいなあと思いながら聞いているが、あやかし内での戦闘は軽く20代を越えて聞こえた。
年齢よりも声の迫力による選定だったのかな?

タツヤの声は真堂(しんどう)圭さん。
名前だと男性か女性かわからなかったが、声を聞いたら女性だった。
私は子供(男の子)の声は女性が演じるのが好きなので、これは嬉しかった。

あやかしは高口公介さん。
前回もヒョウに関わるチンピラ役で出演されてたそうだ。
もっと飄々としたおじいちゃん声だと思っていたら、予想外にダンディだった海座頭声は稲葉実さん。
最終決戦が楽しみだ。

後半戦闘に入ってからは話を知っていても、潮間に合って!とか、麻子助かって!とかドキドキしながら見れたし、 麻子の話を黙って聞くとらや、麻子に物を投げつけれれるとら(笑)が見れてうれしかった。
ただとらの目に毛が被さってて、目があるみたいな妙な顔になってたのはマイナス1ポイント。

「そろそろおいとましようかねえ。」の名台詞を聞けたのは嬉しかったが、真由子の存在感が限りなく透明に近かったのは 哀しい。
なんだかんだで嬉しいやら哀しいやら、おもしろいけどもやもやするんだよねえ・・・。
(2015年8月19日の日記)
8月21日第七話「伝承」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第六章「伝承」
・其ノ壱 父の秘密
・其ノ弐 父の決意
・其ノ参 父の決断
・其ノ四 旅立ち

今週は「紫暮に慣れる回」だった。
他のキャラはアニメに比較的すんなり順応したけど、紫暮だけはOVAの青野武さんをずっと引きずってたから。
でも青野さんだと、OVA(途中で終わる)では良くても、須磨子が出て来て恋愛モードに入った時にかなりきつくなりそうだし。
青野さんは残念ながら亡くなってしまったが、仮に青野さんの紫暮で続いた場合ね?

同様に大塚周夫さんのとらも、真由子との関係を描く上で年齢的な問題が出そうな気がしていたので、今回の小山力也さんは 大歓迎だった。
そのとらと紫暮の掛け合いがとにかく素晴らしい。
同時に今「戦国BASARA4皇」やってるので、黒田官兵衛をいじめる松永久秀の図が頭に浮かんでどうしようもない(笑)。

「海ヘビを酒でなんたらかんたら」のとこや「できょん」がなかったのは残念だけど(おいしい笑いどころ)、理想的な作り方だったと思う。
会話がずっと続くので、いつもと比べて急いてまとめた感がなくて良かった。
あと紫暮ととらの表情が豊かでいい。
そう思ってみると、潮って意外と表情だけ追うとおもしろいキャラではないんだよね。
キャラがぶれないのでそれほど変化なく、ただ物語のクライマックス、落としどころで名台詞と共に眩しい表情を見せる、そんなキャラ。

今回初登場のお役目様はさとうあいさん。
私は「十二国記」の中嶋陽子の母律子、「犬夜叉」で殺生丸を愛した女性娑羅姫に付き添う尼しか知らないが、アニメ「うしおととら」で 若き日のお役目様こと日崎御角を演じるのは折笠富美子さん。

そして娑羅姫を演じていたのも折笠さんだった、こういうつながりおもしろい。
ちなみにOVAでは山崎和佳奈さんが日崎御角と、退治される側の飛頭蛮と両方演じていてかなり笑った記憶がある。
わりと穏やかなイメージだったけど、アニメでは毅然とした感じだった。
このお役目様が潮に出会った時、見せるであろう優しさとの対比が楽しみ。

ただ「白面の者」のアクセントが私のと全然違ってかなり気になる。
いやこっちが合ってないんだろうけど、確か藤田さんも私と同じ言い方 してたような・・・。
これは原作でも感じていたけど、お役目様と紫暮以外の光覇明宗の者たちがやけに小者というか小悪党というか悪役になっている。
そもそも獣の槍伝承者は作られる者ではなく、定められた者であるはず、その認識が原作初期にはなかったんだろうな。

余談だが先日藤原藤原啓治さんのインタビューを読んだ。→「こちら
その中で「よく田舎のおばあちゃんとかが吹替で映画を観ていて、“この外人さん日本語うまいよね”って言ったみたいな話があるじゃないですか(笑)。
そういうのが一番いいと思ってます。」という言葉が心に残った。

田舎のおばあちゃんはともかくとして(笑)、時々声優さんのイベントなどに誘っていただくが、常にお断りしている。
今はテレビやネット、イベントなどで声優さん(に限らずだが)が本当に身近になった。
でも声にこだわりたいから、声優さんに限って言えば、なるべく「素」の部分は見ないようにしている。
と書いたら、「えむさん古すぎっ!」とあきれられた(笑)。
そうなのかなあ・・・。

次回はみんなのアイドル衾っ!
衾登場イベントがあるなら私も行きたい(笑)。
一緒に写真撮りたい、茎ワカメのパフェがあるなら食べたい。
そういえば今秋葉原で少年サンデーカフェがあるので、何度か行ってみたけど、夏休みのせいかいつも長蛇の列であきらめた。
りんねバーガー食べたかったな、うしとらルーム見たかったな、まだやってるのかな?
(2015年8月21日の日記)
8月25日第八話「ヤツは空にいる」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第七章「ヤツは空にいる」
其ノ壱 タキシング
其ノ弐 テイク オフ
其ノ参 フライト
其ノ四 メイデイ
其ノ五 アプローチ
其ノ六 ランディング

アニメが良くできていればいるほど欲も出る、と何度思った事か。
今回の衾編は、6話の話をまとめるためにあまりにコンパクトに仕上げてしまった。
潮、勇と厚沢には申し訳ないが、ストーリーよりもとらと衾の可愛さしか印象に残らなかった。
アニメ「うしおととら」を盛り上げようと思ったら、それこそ制限をかけずに好き放題に作らせればいいのになあ。

この気合とこのクールでのこの出来なら、とんでもない作品に仕上がって、結局は大成功すると思う。
いろいろ事情はあるんだろうけど。
誰よりも藤田さんとスタッフさんが歯がゆい思いしてるだろうなあ、もったいない。

あと、勇をもっと可愛くしてあげて欲しかった。
正直言って5人のヒロインの中で一番割を食ってる子だと思う。
麻子の髪を少し変えてあげたんだから、勇も変えて欲しかった。
全く違う髪になったとしても文句ないのになあ。

その勇を演じたのは豊崎愛生さん、厚沢はてらそままさきさん。
「犬夜叉」では魍魎丸だったっけ。
可愛い衾は高木渉さん、「名探偵コナン」の高木刑事や元太でおなじみ。
もっと壊れても良かったのよ(笑)。

それでも飛行機見てはしゃぐとらや、飛行機かついでがんばるとらが見れただけで幸せ!
(2015年8月25日の日記)
9月1日第九話「風狂い」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第九章「風狂い」
其ノ壱 うしお、妖怪に頼みごとをされる
其ノ弐 とらは災難に遭い、うしおは妖怪と闘う
其ノ参 とらとうしおは十郎を追いかける
其ノ四 うしおは立ちつくし、風は空に舞う

OP前の鎌鼬三兄弟の掛け合いが予想より10歳くらい年上に聞こえて「えっ?」となった。
いえ400歳が410歳に聞こえたんじゃなくて(笑)。
見た目設定が何歳くらいなのかわからないけど。
あと「白面の者」に続いて「かがり」のアクセントも予想と違ってかなり厳しい。
公式が正しいに決まってるけど、自分のアクセントに慣れちゃってるからなあ・・・。

あとかがりがあまりにも肉感的でこれにもびっくり。
兄たちも含め、別のアニメのキャラみたいに顔にも違和感があって残念。
いろいろ突っ込んでしまうのも、それだけこの話とこのキャラに思い入れが強いからだろう。
特にかがりは真由子の次に好きな女性キャラなので。

アニメも10話も見れば、録画でOPは飛ばすのが普通だけど、「うしおととら」は欠かさず見ている。
それほど曲も映像も迫力があって好きだから。
特に衾とかがり(笑)。
それに本編で、OPの衾戦ほど綺麗に動いてるアクションがないからねえ。

とらとかがりの会話で、遠野じゃなく栗駒山中となってたのは何故だろう。
マップで見たら、遠野市とは120キロくらい離れているらしい。

さて内容だけど、説明台詞が多くて仕方がないのかもしれないが、2倍速で見てるのかと思うくらい テンポが速く、間も何もあったものではなかった。
このアニメを見る時、いつも「尺」という言葉が頭に浮かんで、制作側に同情しながら、でも不完全燃焼。
でも怖いもの知らずに痛いカットを入れて来るのは英断だと思う。
あと「むやみに人間と対立してはいけない」という「鎌鼬の掟」は、原作未読の視聴者には優しい 挿入だったと思う。
後半に入ってやっと落ち着いてきたけど、岩や機材持ち上げる緊迫した場面であのBGMはちょっと・・・。
それでも最後は声優さんたちの熱演と、見事な映像でやっぱり感動した。
ただ最後の十郎、お日様バックはないでしょう(泣)。
全ての感動が一気に消えたよ・・・。
でも見せたいところに力を入れて、それ以外の部分は涙を呑んで端折る、制作側の姿勢は充分に感じられた。

鎌鼬三兄弟はOVA、アニメ共に声優陣が豪華で、雷信は 速水奨さん(OVA)と 三木眞一郎さん(アニメ)。
どちらも「戦国BASARA」シリーズでイッちゃってるキャラを熱演中。
ちなみに三木さんの後藤又兵衛は武器も鎌鼬っぽい。
そういえばOVAは鎌鼬は2話物だったなあ。

十郎は 梶裕貴さん、かがりは清水理沙さん。
かがりのお使いはアニメ無理だろうなあ・・・。

余談だが、先日東山彰良著「流」を読み始めた。
ハードでシリアスな物語らしいが、主人公の名前が「葉秋生」な時点でなぜか挫折。
タイトルが「流」で名前が「葉秋生」。
私の中ではこれが「秋葉流」になってしまって、しかも流といえば「あの姿」でバイクに平行乗りしているカットが ボンと浮かんでしまうのだ(泣)。

あれほど哀しく憎らしく、おもしろくて頼もしいキャラをあんな姿にしてしまった藤田さん、恨みます。
流といえばあのカット。
この本を読もうとするたびあのカットが頭に浮かぶ。
いつか必ず読みたいとは思っているけど今は駄目だ。

もう1つ余談。
別チャンネルが「平成狸合戦ぽんぽこ」だった。
イタチとタヌキの違いはあれど、似たテーマなのが興味深かった。
しかも日テレだし。
サンデーといえば日テレと何となく思って来たけど、りんねといいとらといい、なぜ日テレから離れたのかな?
まるでわざとぶつけてきたような、妙なおもしろさがあった。
そんなはずないけれど(笑)。

次回は私の大好きNO.3女性キャラ、小夜登場。
これも楽しみ。
(2015年9月1日の日記)
9月9日第拾話「童のいる家」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第十章「童のいる家」
其ノ壱 鷹取の小夜
其ノ弐 封じこめの間
其ノ参 童舞

これまでで一番エピソードとキャラへの愛を感じてしまった、いいのか?それで。
和羅が予想以上に老成してて、お役目様が予想以上に声が若かったけど。
最初に鎌鼬の回想が入って、大丈夫?とドキドキしたけど今回はしっかり間もあって理想的な仕上がり。
水鉄砲に猿がいないのは寂しかったけど(笑)。

小夜は今時のファンタジーに出て来てもおかしくないくらいあか抜けたデザインで、南里侑香さんの演技が 素晴らしいので本当に魅力的。
他の4人の少女にももっと力入れて欲しかったなあ。
小夜の歌が「ちょうちょ」に聞こえたのは気のせい?
わらべ歌で良かったのでは?と思うけど。

オマモリサマは声が子供で驚いた。
見た目と台詞で、こちらも老成した声だと思っていた。
まあこちらはおかしくないのか、舞も綺麗だったし。

余裕があり過ぎて、とらが体を張って結界からオマモリサマを守っているのにみんなが喋りまくり(笑)。
原作基準なのだけど、読むのは一瞬でも見てると台詞終わるまで待たなきゃいけないんで、とら辛かったろうなあ。

今回はともかく、全体に大急ぎなアニメなので、作品として感情移入しにくく、ただ名台詞名場面でじわっと来る感じ。
アニメはもうひたすらとらを見る感じかな?
動くとら、喋るとらが可愛過ぎる。

登場声優さんでは何といっても鷹取武衛役の石塚運昇さんが嬉しいサプライズ!
ストレートな悪党で聞くのは初めてな気がする。
悪いホレイショ、悪い北条氏康、最高だった。
オマモリサマは茅野愛衣さん。
原作よりも可愛く(子供っぽく?)デザインされてたかな?
あと小夜の母早見沙織さんが良かった。

次回はびっくり、「一撃の鏡」が入るらしい。
とら好き真由子好きとしては嬉しいところだが、本筋にも関係ないし、限られた回数の中で入れる意味があるのか?
真由子大好きな男性ファンへの原作者ごり押しサービスにしか思えないのだけれど(笑)。
哀れ凶羅・・・。
だったら「時限鉄道」も入れてそこで凶羅を登場させて欲しい。
最終場面の凶羅、見たい過ぎる・・・。

私?私は真由子の危機に目の色変えるとらが見れるから本音は嬉しい。
「俺の女に手を出すな!」状態だよね、あれ。
でも今後の展開を考えると・・・。
(2015年9月9日の日記)

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