アニメ「うしおととら」感想 4
5月17日第参拾壱話 「混沌の海へ」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第四十七章「混沌の海へ」
其ノ壱 沖縄へ
其ノ弐 流、妨害
其ノ参 ハマーからの手紙
其ノ四 麻子、沖縄へ
其ノ五 海へ
其ノ六 流対とら(1)
其ノ七 流対とら(2)
其ノ八 流対とら(3) 其ノ九 海に吹く風
(其ノ壱〜其ノ八まで29巻、其ノ九は30巻)

・畠中佑さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら)・細谷佳正さん(秋葉流)
・小松未可子さん(中村麻子)・林原めぐみさん(白面の者の使い)
・てらそままさきさん(厚沢恭治)・牧野由依さん(羽生礼子)・ふくまつ進紗さん(悟朗)
・森訓久さん(赤羽)・高口公介さん(仙嶽司令官)・拝真之介さん(HAMMERガードマン)
・河村友美さん(HAMMR女性スタッフ

結局歩達3人組は完全削除で、麻子がHAMMRの車を見つけて声をかける設定に変更された。
なので、病院抜け出し直後のひどい状態や、片山の部屋で静養する場面もなく、麻子が とんでもないスーパーガールになってるし、何よりもあの超ミニスカセクシー衣装、HAMMRのどっから 持って来たって話になる(笑)、が、そんなことはどうでもいい。

今回は潮と麻子、とらと流の声優さん対決が凄かった。
逆に礼子が絵を見つけるところ、せっかくのいい人悟朗さんもちょっと影が薄くなって残念、仕方がないか。
前半はテンポが悪い。
原作通りの動きをさせて、原作通りの台詞を喋らせて、原作通りの展開にしてたらどうしてもテンポが悪くなる。

たとえば悟朗が潮に凶悪な顔しろって部分、笑わせどころだから忠実に2回もやったけど、HAMMERの麻子を 削ってそれか?と思ったし。
そして麻子と潮の再会での麻子が花の中に佇む回想のカットも残念、あれは1枚絵でもできそうなのにって 考えちゃうのは素人の浅はかさ?

流の苛立ち、とらの苛立ちは原作未読の視聴者にどこまで伝わったろうか。
明確に割り切れない人間という存在に共感しつつあるとらの苛立ちはわかりやすい。
でも流の気持ちは原作読んでもよくわからなかった。

本気出してどうのこうの言っても、時分は杜綱を救ってやれなかった、日輪と共に自爆しようとした、あれらの事件で 流は本気だったと思うし、それでもできなかったのに潮がやってのけた。
敵を倒しただけでなく、関わった者たちの心をも救う。
たとえば流の敵対を潮に対する嫉妬にしたら話はもっとわかりやすかったかも。
それだと小物になってしまうので、例えばの話だけれど。

流は万が一とらに勝ってたらどうしてただろう。
そのまま白面の者に再び向かって自滅する未来しか見えない、あるいは虚無。
やはりかっこいいけど、愚かな選択だったと思う。
流もわかっていただろうし、だからこそとらも真っ向から受けて立ったのかも。

でもとらは力の加減をせず(できず)、結果的に流を殺してしまう。
気に入っている人間を殺し、同時に救ったとら。
流は満足だったろうが、とらの胸中を思うとつらい。
たてがみに隠れて見えないその横顔、絵的にとても好きな場面。

そして真っすぐな性格だけに、そしてまだ子供なだけに、潮はその微妙な部分に気づけない。
感動プラス怒り、当時も流に対しては微妙な感情しか持てなかった。
アニメの戦闘も迫力あったけど、どうも狂ったながれの表情がおもしろくて辛い。
ポーズもなんだかおもしろくて辛い(原作もだけど)。

出番は少なくともいいキャラしてたふくまつ進紗(しんや)さん、「戦国BASARA2」に出演されてたそうだ。
はっきりわからないけど、伊達か真田配下の武将か兵士かな?
その悟朗に振り回される相棒赤羽が森訓久さん。
「蒼天航路」の程普?場面は思い出せるけど声は覚えてない・・・。

おもしろいのが前回石化した字伏だった拝真之介さん、転職?して今回はHAMMERのガードマンだった。
こういう楽しい発見があるから声優さんチェックはやめられない(笑)。

(2016年5月17日の日記)
5月18日第参拾弐話 「母」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第四十八章「雷鳴の海」
其ノ壱 深淵にて
其ノ弐 母
其ノ参 崩れる岩柱
其ノ四 復活の時
(全て30巻、其ノ五 「轟音の幕開け」の冒頭をかすってます。)

・畠中佑さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら)・坂本真綾さん(蒼月須磨子)
・ふくまつ進紗さん(悟朗)・森訓久さん(赤羽)・林原めぐみさん(白面の者)
・古川登志夫さん(山ン本)・諏訪部順一さん(神野)・てらそままさきさん(厚沢恭治)
・佐藤正治さん(艦長)・高口公介さん(仙嶽司令官)・布施川一寛さん(隊員A)
・村上達哉さん(隊員B)・木内太郎さん(隊員C)

エピソードをカットするのは仕方ないとして、描く話のひとつひとつを今回ほど丁寧に 描いてくれてたら、「うしおととら」はアニメでも不朽の名作になっていたのではないかと 思うと返す返すも残念だ。

恐怖を煽るBGMに林原さんの怪演、そして迫力ある白面の者の描写。
潮が母と会うまでの流れは丁寧過ぎて、感動よりも、そんなに時間かけてて大丈夫?って 心配なった自分が情けない(笑)。
アニメの悪い意味でのスピード感に慣らされてしまったか・・・。

潮が母に傷を見せる場面で、一角が飛頭蛮に、雪女が石喰いに変更されたのには失笑。
一角はともかく好きだったのになあ、雪女編。
あと驚いたのが、暴走するのが東の妖怪山ン本で、抑える側が西の妖怪神野になってたこと。
原作では逆で、考えなしで若さで突っ走る神野を老獪な山ン本を抑えにかかる展開。

「西の国・妖大戦」が丸々カットされたことの弊害か。
でも火の兄のくんずほぐれつのレスリングはあそこまで丁寧描かなくてもいいんじゃない?と思った。
見た目が可愛いせいか、妙にほのぼのしていてちょっとだれた。

アニメでは潮の母須磨子の強さよりも優しさを重視したか、声は坂本真綾さん。
前にもちょっと出てるけど、顔も原作より優しい感じ、これは良い。
出番は少ないけど嬉しかったのが佐藤正治さん。
真三國無双シリーズの左慈も印象強いけど、「犬夜叉」で悟心鬼やいろんな役をこなしてたのが懐かしい。

今回は白面の者がその全貌を現し、とらでさえ圧倒される、次が楽しみなような、その後の展開を 思うと見るのが怖いような・・・。
罪作りだな、流・・・。

(2016年5月18日の日記)
5月20日第参拾参話 「獣の槍破壊」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第四十八章「雷鳴の海」
其ノ五 轟音の幕開け
其ノ六 恐怖、報道さる
其ノ七 虐
其ノ八 決裂の時
其ノ九 憎しみの海(ここまで30巻)
其ノ拾 四分二十七秒
★第四十九章「獣の槍破壊」(ここまで31巻)

・畠中佑さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら)・坂本真綾さん(蒼月須磨子)
・安野希世乃さん(井上真由子)・小松未可子さん(中村麻子)・花澤香菜さん(ジエメイ)
・宮野真守さん(ギリョウ)・林原めぐみさん(白面の者)・柴田秀勝さん(和羅)
・藤原啓治さん(紫暮)・古川登志夫さん(山ン本)・諏訪部順一さん(神野)
・てらそままさきさん(厚沢恭治)・細谷佳正さん(秋葉流)・荻野晴朗さん(守矢)
・ふくまつ進紗さん(悟朗)・森訓久さん(赤羽)・高口公介さん(仙嶽司令官)
・佐々木義人さん(隊員A)・木内太郎さん(隊員C)

アニメの中で、制作側の愛を一番感じるのが白面の者。
その声、その表情、その動き、その迫力。
がなりたてるんじゃなく、かすれたような低い声の演技が素晴らしい。

出ないかもと思ってて出てびっくりがシュムナと守矢。
まあ出ても出なくても変らないような扱いだったけど、守矢はたまたま居合わせたジャーナリスト ということで違和感はなかった。
シュムナはとらに無視された。

藤田漫画は表情の描写が凄いんだけど、今回の潮ばかりは原作を超えた変化ぶりだった。
時には滑稽に見えるほどの、でも哀しい表情、その表情を原画なしでうまく描けたなあと思う。

それにしても流は罪作りだ。
とらは流を裏切れず、潮にも嘘をつくしかなかった。
流の本音を伝えることは、さらに潮を傷つけることになる。
潮のために、流のために、あえて泥をかぶったとら。

でもその嘘が結局潮はもちろん、自らをも傷つけることになる。
世慣れたとらならなんとでも言い繕えただろうに。
そしてその真意、さらに母の心をおもんばかるには、潮はあまりに幼く、あまりに真っすぐで、 母に突き放され、とらに裏切られたと信じ、破滅の道を突き進む。

物語の見事さと、映像の見事さと、脚本の見事さで大迫力の作品に仕上がっていた。
序盤に離れた視聴者がいたら、本当にもったいないと思う。
既読者なら今からでも遅くない、第2シリーズからでも見るべき。

私は録画したのを見ていたのだが、途中で地震のテロップが入って胸が痛かった。
それでもあえてこのエピソードを緩みなく描いて放送した英断には頭を下げたい。
(2016年5月20日の日記)
5月27日第参拾四話 「とら」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第五十章「とら」
其ノ壱 帰還する者
其ノ弐 遠景I
其ノ参 遠景II
其ノ四 遠景III
其ノ五 白面の者誕生
其ノ六 流転が始まる(全話31巻)

・畠中佑さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら/シャガクシャ)・林原めぐみさん(白面の者)
・佐々木望さん(ラーマ)・桑島法子さん(ラーマの姉)・林勇さん(少年シャガクシャ)
・中博史さん(貴族A)・増元拓也さん(貴族B)・柴田秀勝さん(和羅)
・安野希世乃さん(井上真由子)・小松未可子さん(中村麻子)
・てらそままさきさん(厚沢恭治)・諏訪部順一さん(神野)・潘めぐみさん(引狭霧雄)
・芝原チヤコさん(露店の女性)・村上裕哉さん(隊員)・布施川一寛さん(男A)
・大隈健太さん(男B)・田中誠人さん(店の男)・川島慶嗣さん(少年)

シャガクシャ(小山力也さん=とら二役)、ラーマ(佐々木望さん=OVAにて潮を演じた声優さん)、
ラーマの姉(桑島法子さん!)、白面の者(林原めぐみさん)の熱演と、それを見守る潮(畠中佑さん)。
まさかの佐々木さんと桑島さん登場は、まさに鳥肌物だった。
桑島さんには申し訳ないが、はかなく哀しい女性を演じるのが本当に似合う声優さん。

畠中さんは旧潮の佐々木さんの演技をどんな気持ちで見ていたろうか。
話の流れで潮とラーマが直接会話する場面はないけど、新旧ヒョウ対決に続く新旧潮対決は 本当に嬉しかった。

原作ではキリオが老いたシャガクシャと会話するのだが、アニメではただ見て来ただけ。
残念といえば残念だが、半端に入れるよりは、ここですっぱりカットは仕方なかったろう。
シャガクシャがキリオの名前を知ってるところなど、アニメの限られた時間だと逆にややこしくなりそうだし。

とらの正体(過去)、とらがよく言う「喰う」の意味(物理的な時もあるけど)、そしてラーマと姉がそのまま 潮と真由子に投影されたような・・・。
原作を読んでない私になって、このアニメが見れたらどんなに良かったかと思う。
何度も書いてしまうけど、前期シリーズもこの熱意で作っていたら、途中で打ち切りなんてことは絶対 なかったはず、と素人だからそう思う。

白面の者との因縁、悲劇、全てを背負って字伏となったとらが、全く過去の記憶を持たず、あれほど 愛らしい性格で作られたのが素晴らしい。
老成と愛嬌、相反する2つの性格を併せ持つ所にとらの魅力がある。
次回、潮は浮上するが・・・。
クライマックスはまだまだ続く。

ちょっと話がそれるけど、桑島さんは三国無双の王異など、影のある(酒豪の)女性も陰鬱に演じて いる、それがまたうまくて歌も上手で。
そんな桑島さんだからこそ、「境界のRINNE」で正反対のタイプのれんげを演じて欲しいのだが。
日高のり子さんと桑島さんにはれんげや乙女でレギュラー化して欲しい。
ついでにれんげの黒猫タマには京田尚子さんをお願いしたい。
ああ話がほんとにそれてしまった。

OVAで麻子を演じた天野由梨さん、真由子の冬馬由美さんにも登場して欲しいが、さすがにここまで 来ると新キャラゲストキャラがいないか。
とらの大塚周夫さんは亡くなってしまったが、息子の大塚明夫さんが何かの役で(もしかしたらとらで) 出るんじゃないかと思った時期もあったな、そういえば。

アニメが完結したら、もう一度OVAを見てみよう。
あと、ラーマの姉に名前をつけなかった理由って藤田さんが言及したことあったっけ?

(2016年5月27日の日記)
6月3日第参拾伍話 「希望」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第五十一章「降下停止、浮上」
其ノ壱 降下停止(31巻)
其ノ弐 破壊妖
其ノ参 希望
其ノ四 記憶奪回
其ノ五 降下停止、浮上

★第五十二章「鳴動天 開門す」
其ノ壱 冥界の門ふたたび(ここまで32巻)

・畠中佑さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら)・小松未可子さん(中村麻子)
・安野希世乃さん(井上真由子)・坂本真綾さん(蒼月須磨子)・花澤香菜さん(ジエメイ)
・潘めぐみさん(引狭霧雄)・林原めぐみさん(白面の者)・古川登志夫さん(山ン本)
・田中真弓さん(時逆/時順)・諏訪部順一さん(神野)・てらそままさきさん(厚沢恭治)
・木村雅史さん(中村米次)・津村まことさん(中村朝紗子)・永澤菜教さん(イズナ)
・沢木郁也さん(ニコラス・ケストラー)・有本欽隆さん(マルコ・パプロディ)・南里侑香さん(鷹取小夜)
・牧野由依さん(羽生礼子)・茅野愛衣さん(オマモリサマ)・真堂圭さん(中島タツヤ)
・ふくまつ進紗さん(悟朗)・森訓久さん(赤羽)・勝杏里さん(立迫)
・村上裕哉さん(市民)・布施川一寛さん(警官)

こんなハードな展開なのに、コミック32巻の表紙のとらが、柔らかな陽射しの中、のどかにうずくまっている 姿が可愛くて、これ見ただけで泣けてくる。
そんな読者の想いを裏切らないでくれるアニメにやっとなってくれた。

かつての獣の槍の持ち主たち。
私は恋人の仇を討つために獣の槍を手にした女性が気になる。
「うしおととら」とは別に、似たシチュエーションで短編を描いてくれないかな、藤田さん。

獣の槍の破片がとても奇麗で、この辺はアニメならでは。
さらにその愛らしさ?と徹底的な悪と、林原さんの演技でますます魅力を増す白面の者。
そして小夜登場。
気のせいか、小夜だけ他の少女とは作画の気合の入り方が違うような・・・。

今回はまだ小夜が何をしようとしているかは明かされないが、原作で小夜のしてのけたことを読んだ時は、度肝を 抜かれたっけ。
そして実は、それがアニメでスルーされたシュムナと関わりがあり、そのシュムナは、やはりアニメでスルーされた 潮の修行と関係があるのだけれど。

一応いるんだけどね、シュムナ。
「彼」はどうなるんだろう。
「間がスース―する」ことになるんだろうな、残念だけど。

いい味出してたのが衾編でちらっと出ていた(らしい)立迫一平。
思わず4巻で立迫を探し、衾編がおもしろくて夢中になって読み始め、やっぱり1巻から再読しようとし、結果最終巻まで 一気読みして号泣した人は数知れずと見た(笑)。

立迫は原作では「アイアンマン」のロゴだったけど、アニメでは「立迫」だった、こんな細かいところがおもしろい。
そして空の上ではとらと白面の者のバトル。
先日「ポンペイ」を見て、小山さんの悪党声に鳥肌立ったけど、こっちのとらは可愛いなあ。
胸に穴が開き、背中がスース―して1匹では戦えない。

その頃潮は獣の槍の破片に碑妖を滅されて、潮の記憶を取り戻した妖達と合流。
神野が山ン本と同じくらい潮を理解し、心酔しているのがアニメでは実は不可解。
でももうそんな小さなことはどうでもいいや。
ただ群衆の中に、詩織や麻子を助けるはずだった3人組ぐらいは入れて欲しかったと思う。
あと「トランプ」が妙な時期ネタになってて複雑な気分・・・。

ところで原作が、碑妖を出される前に、詩織やタツヤが潮ととらを覚えているのが、アニメでは 碑妖を出された後に変更されていた。原作の珍しい突っ込みポイントだっただけに、いい展開。

そして次回は「約束の夜へ」。
このタイトルだけで泣けてくる。

今回はキャストが大変な多さになっていて、声優さん大好きな私としてはとても嬉しい。
ここで守矢が出てくればキャストが一気に増えるし、個人的には雷信やかがり、勇や礼子にも 台詞サービスして欲しかったが、この多さではさすがに無理か(笑)。

(2016年6月3日の日記)
6月8日第参拾六話 「約束の夜へ」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第五十二章「鳴動天 開門す」
其ノ弐 開門
其ノ参 獣の槍 復活

★第五十三章「約束の夜へ」
前編
後編(全て32巻)

・畠中佑さん(蒼月潮)・浪川大輔さん(ヒョウ)・若本規夫さん(紅煉)
・朴ろ美さん(カオリの母)・石川由依さん(カオリ)・清水理沙さん(ハイフォン)
・沼倉愛美さん(レイシャ)・林原めぐみさん(白面の者)・柴田秀勝さん(和羅)
・古川登志夫さん(山ン本)・沢木郁也さん(ニコラス・ケストラー)・有本欽隆さん(マルコ・パプロディ)
・三木眞一郎さん(雷信)・諏訪部順一さん(神野)・坂本真綾さん(蒼月須磨子)
・安野希世乃さん(井上真由子)・南里侑香さん(鷹取小夜)・早見沙織さん(鷹取明代)
・永澤菜教さん(イズナ)・大隈健太さん(威吹)

原作読者は「約束の夜へ」、このタイトルだけでこみ上げてくるものがあると思う。
私も見たら泣くだろうなあと思ってはいたけど、その前にいきなり登場したお役目様こと日崎御角に涙腺崩壊。
しかも縫い針持って出て来て光る糸で白面の者を縛り上げた。
ここは是非台詞が欲しかった。

名台詞「みんな仲ようせんといかんよ」はもうみんな仲良くなってるので、白面の者に向かって、「日崎御角をお忘れかい?」 といい放って欲しかった。
この時の音楽も良かったなあ。

本来ならば、ここで先陣を切って登場するのは津軽海峡でミコンジキに捕えられていたいた魂の船。
でも原作でこの場面を歩が見ていないこともあり、実は勇や礼子の父に比べて印象も薄い。
だからこの部分の変更は嬉しかった、アニメで最高のオリジナルだと思った。

逆に哀れなのがシュムナ。
結構な強敵なのに、アニメではカットされ、最終戦で出て来ても潮にあっさりやられ・・・。
代わりに雷信が解説していたが(笑)、潮がシュムナの本質を見抜く台詞を言うが、あれにも大事な伏線があったんだけどなあ。
あれなら出ない方が良かったような・・・。

とらがいない寂しさ(いるけど台詞がない)もあるけど、見応えたっぷりの前半、気づいてみればCM。
えっ?ヒョウの持ち時間これだけ?と思ったけど、その分濃密な時間だった。
一切の引き延ばしもオリジナルもなく、ヒョウの顔と紅煉の声、その迫力が全てだった。

あれほど強敵だった紅煉の死に際の浅ましさ、全てを終えて家族の元に帰って行くヒョウの優しい笑顔。
何て言うか、浪川さん、がんばったね、お疲れ様でした。
カオリ母の朴さん登場で、4人のBASARA声優さん揃い踏みもプレゼント。

残りは原作1冊アニメで3話。
惜しいなあ、話数関係なくこのテンションで最初から作って欲しかった。
凄まじいアニメになっていたと思うのに。
(2016年6月8日の日記)
6月17日第参拾七話 「最強の悪態」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第五十四章「太陽に 命 とどくまで」
其ノ壱 娘 静かに舞い降りぬ
其ノ弐 最強の悪態
其ノ参 400メートル(全話33巻)

・畠中佑さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら)・林原めぐみさん(白面の者)
・安野希世乃さん(井上真由子)・坂本真綾さん(蒼月須磨子)
・てらそままさきさん(厚沢恭治)・沢木郁也さん(ニコラス・ケストラー)・有本欽隆さん(マルコ・パプロディ)
・柴田秀勝さん(和羅)・古川登志夫さん(山ン本)・諏訪部順一さん(神野)
・三木眞一郎さん(雷信)・清水理沙さん(かがり)・早見沙織さん(鷹取明代)
・高口公介さん(黒炎)・拝真之介さん(字伏A)・布施川一寛さん(字伏B)
・横山大輔さん(字伏C)

原作で大好きな場面は当然のことながら何度も何度も読み返す。
特に今回のとらと真由子のように静かなシーンは、何度も何度も読み返すうちに、自分の中に会話のリズム や声のニュアンスが自然にできてしまう(激しい場面はそうでもないんだけど。)
それだけに、映像になって、その会話のリズムが自分のイメージと違うと、それだけで脱力してしまう。

今回はまさにそれ。
原作は読むたびに泣いてしまうところなのだが、普通に見れてしまった、残念。
待ちに待ってた回なのになあ・・・。
それにどうしても、私の中で、ここでとらが人間に戻ったら、あのシャガクシャではなく、肩に穴の開いたあの老人? が浮かんでしまうので、むしろ人間に戻らないでって変な意味でドキドキしてしまうところでもある、ああ情けない。
でもとらの回想、お約束の衾!とまさかの飛頭蛮だったね、あれは嬉しい。

とらの胸の傷は、白面の者にやられた胸の傷ではなく、潮に蹴られ、罵られた心の傷だった。
けれど真由子の癒しがとらを蘇らせる。
とらの復活と潮の合流はやっぱり感動。

そしてかまいたち兄弟やっと喋った。
雷信はシュムナの解説役でちょっと台詞があったけど、しっかり会話は久しぶり。

白面の者は止め絵が多くて、遠くから見ると可愛すぎ。
前回の戦闘の止め絵は迫力あったけど、今回はちょっと気が抜けた感じが否めない。
でも白面の者に向かって行く妖の中に「ししゃも焼く家(とら命名)」の可愛いメイド、メイホーがいたよ!
白面の者の配下ではなく、ただ人間に敵対していただけの妖はもしかして他にもいた?
これは嬉しいファンサービス、台詞変えてもいいから雪女もよろしく!

ハマーの最後もきっちり描いてくれてありがとう。
でも口笛にBGMを重ねるのはちょっと、と思った。

1人1人が最高の見せ場と共に去って行く最終決戦、凶羅がいないのが限りなく寂しいけど、ヒールの凶羅は半端な形では 出せないだろうなあ。
斗和子も退場してしまった、残念。
次回はまたひとつ名台詞が登場する(はず)だけれど、「最終局面」に、思わず最終回?って思ってしまった。
もう2話あるんだよね、原作最終章残り3話。
まぎらわしいです。

前半の犠牲の上にあるこの贅沢な原作の使い方。
改めてもう1クールあったらなあと思わずにはいられない。

ところでクレジット、高口公介さんが黒炎になってたけど、高口さんってずっと仙嶽司令官演じてたのに、今回の司令官のクレジットはなし。
高口さんじゃなかったのかな?
見直してないのでわからないけど。

(2016年6月17日の日記)
6月24日第参拾八話 「最終局面」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★第五十四章「太陽に 命 とどくまで」
其ノ四 旅の意味
其ノ五 太陽

最終章「うしおととら」
其ノ壱 最終局面(全33巻)

・畠中佑さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら)・林原めぐみさん(白面の者)
・古川登志夫さん(山ン本)・諏訪部順一さん(神野)・藤原啓治さん(蒼月紫暮)
・坂本真綾さん(蒼月須磨子)・安野希世乃さん(井上真由子)・小松未可子さん(中村麻子)
・水樹奈々さん(関守日輪)・三木眞一郎さん(雷信)・清水理沙さん(かがり)
・柴田秀勝さん(和羅)・稲葉実さん(海座頭)・潘めぐみさん(引狭霧雄)
・逢坂良太さん(杜綱悟)・高垣彩陽さん(杜綱純)・南里侑香さん(鷹取小夜)
・牧野由依さん(羽生礼子)・豊崎愛生さん(檜山勇)・茅野愛衣さん(オマモリサマ)
・木村雅史さん(中村米次)・津村まことさん(中村麻紗子)・荻野晴朗さん(守矢)
・村瀬歩さん(バルトアンデルス)・拝真之介さん(字伏A)・布施川一寛さん(字伏B)
・横山大輔さん(字伏C)

今回(特に前半)の違和感は何だろう。
背景の止め絵にキャラが浮いてることだろうか。
たしかに白面の顔の表情、止め絵にすることで原画の迫力は出ているが、今回は白面の者に限らず、 長台詞が多いので、画面があまり動かないと気になるのかも。

でも原作この局面でまず泣かせられたのが、雪女登場の場面だった。
でもアニメ、母ではなく、垂が来たってここで笑ってしまった。
「暁に雪消え果てず」 がカットされたので、人間になれなかったのね。
当然ながら台詞なし。

ファンサービスでカットされた妖が出てくれるのは嬉しいけれど、これはちょっと・・・。
かがりや礼子の顔が悲しいことになってるのに、小夜の揺るぎなさ、制作陣にファンがいるのかな?
お約束の「旅は無駄でなかった」発言は山ン本、これも仕方ないか。
雷信に続き、白面の者までシュムナを説明、なんだろう、変な笑いが出る。

本気で感動できたのは海座頭の登場と礼子、勇の父が帰って来る場面。
水乃緒とお外堂さんは当然(残念ながら)出て来なかったが、麻子一家のがんばりや、光覇明宗の杜綱兄弟などを ちゃんと描いてくれたこと。
特に日輪が好きなので、日輪の台詞は嬉しかった。

守矢はね、背景っていうか、そこまでの経過がほとんどカットされているので、原作未読の人は、たまたまそこにいた人 くらいにしか思わないだろうなあ・・・。
特別な力もなく、でもマスコミの代表としてがんばる人なんだけど。

でも一番泣けたのは、字伏達の最後。
拝さん、布施川さん、横山さん。
メインキャストではなく、いわゆる番組レギュラーとしていろんな役をこなしてくれた声優さんたちだけど、この字伏の 演技は、アニメ「うしおととら」のメインキャストと共に名を残す名演だったと思う。

そして次回は最終回。
今から泣く準備はできてますよ・・・。
でも流とヒョウと共に出て来るのが誰かが気になって仕方がない。
スカスカするけどこの2人だけでいいか。

一番ふさわしいのは日崎御角だと思うけど、あのオリジナルの後ではむしろ出ない方がいいし、麻子や紫暮は生きてるしなあ。
あとはやっぱり衾かな?

余談だが、先日NHKの「花が咲く」のアニメバージョンを見た。
歌っているのが山寺宏一さんと、日輪役の水樹奈々さん。
今アニメを見ている子供たちと、かつてアニメを見ていた子供だった今の大人たちへ。
懐かしさで胸がいっぱいになった。
今私、何かできてるだろうか。

(2016年6月24日の日記)
6月29日最終話 「うしおととらの縁」
★原作に関して軽くネタバレ含みます。★

★最終章「うしおととら」
其ノ弐 白面の者 其ノ参 うしおととらの縁(全33巻)

・畠中佑さん(蒼月潮)・小山力也さん(とら)・林原めぐみさん(白面の者)
・藤原啓治さん(蒼月紫暮)・坂本真綾さん(蒼月須磨子)・安野希世乃さん(井上真由子)
・小松未可子さん(中村麻子)・花澤香菜さん(ジエメイ)・諏訪部順一さん(神野)
・古川登志夫さん(山ン本)・三木眞一郎さん(雷信)・浪川大輔さん(ヒョウ)
・細谷佳正さん(秋葉流)・永澤菜教さん(イズナ)・清水理沙さん(かがり)
・潘めぐみさん(引狭霧雄)・南里侑香さん(鷹取小夜)・牧野由依さん(羽生礼子)
・豊崎愛生さん(檜山勇)・茅野愛衣さん(オマモリサマ)・北西純さん(真由子の母)
・飯塚昭三さん(雲外鏡)

涙と鳥肌が止まらない、潮ととらと、今一度の別れ。

「キレイダナア・・・」
白面の想い。
「我がー呼ばれたき名は・・・」 白面の最後の言葉、そして声。

なんか凶羅がいないとか、九印が生きてるとか、潮の背後に2人とか、もうどうでも良くなった。
日本に残る妖怪に雪女(母)やお外堂さん(飼い主不在)がいたとか、そんなこともどうでも良くなった。

見事な敵だった、白面の者。
恐ろしくも哀しくて、その怒りや憎しみや羨む気持ちが白面の者を形づくる。
自ら目を潰し、あがき続けるその姿はただただ哀しくて。
とらは消えたけど、皆が穏やかな生活を取り戻し、幸せな未来を得る。

寂しさと充足感。
最終話を読んでしまった時の、同時に感じた喪失感も蘇る。
いろいろ思うことはあるけど、やっぱり作ってくれてありがとう、そう言いたい。
33巻を閉じれば、最終話を読み終えた時と同じように、裏表紙にスピーカーを珍しがって取って来て潮に叱られるとらがいる。
また泣ける。

どうでもいいことだが、クレジットに登場する麻子、喋った?
そんなことが気になってちょっと笑った。

(2016年6月29日の日記)

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