「MAO」感想(第91話〜100話)
5月6日 第91話「苛火虫(かかちゅう)」
原作少年サンデー2021年4月28日(22・23合併号)「MAO」第91話「苛火虫(かかちゅう)」

   ☆   ☆   ☆

今も世界の不思議な事件を取り上げる番組ってあるのかな?
人体自然発火現象。
人間が焼死するのだけれど、家具や周りの物が燃えずに残り、人体だけが燃える事件。
今回の「MAO」でも謎の連続発火事件が起こる。
事件は同じだけど、「MAO」では「苛火虫」を使った呪術とされる。

虫の蟲毒で苛火虫を作って、狙った相手の耳や口から体内にもぐりこませ、発火させる。
途中までは普通の蟲毒と同じだが、術者の念入れが難しいと百火は言う。
恨みや怒りなど、負の感情が強くなければできないらしい。

百火もかつて作ってみたがうまくできなかった。
摩緒が「でしょうね。」と言って百火は怒る、馬鹿にされたと思ったらしい。
でも百火はそこまで強い負の感情を持てる人間ではない、つまり人がいいと摩緒はほめていた。
これはすごくよくわかる。
それに若干背が伸びたようにも見え、顔も描き慣れたのか大人っぽくなったようにも見え、 百火はいい感じに成長している。

となると初登場の苛火虫を使う「謎の美青年」は負の感情が強いことになる。
というより人を呪い殺すことに恐怖や哀れみ、逆に快感や興奮も覚えない冷酷さを感じた。
それでいて虐待されていた少女を救い、その手を取る。
御降家の秘伝中の秘伝とされた術を使い、でも誰もその存在を知らない。
御降家の弟子とはないという事だろう。
これはかなりおもしろい存在になりそう。

今週の古見さん、切ないなあ。
万場木さん、いい子だからこの展開は本当に辛い。
以前「うしおととら」でも書いたような気がするけど、その時だけじゃないんだよね。
それからずっとつき合う2人を見続けなきゃならないって本当に辛いと思う。

幸か不幸かそこまで切ない恋をしたことないけど、私だったらもちろん祝福は するけど離れちゃうんじゃないかな。
友達グループから離れるとか、でも学校だったらそれもできないし、2人にも悲しい 思いさせちゃうし、笑顔で見守るのかな、やっぱり辛いな。

でもここで只野くんと古見さんのハッピーエンドで最終回は寂しいので、まだまだ続いて欲しいし、 万場木さんにも素敵な相手ができて欲しい。
(2021年5月6日の日記)
5月日 第92話「蓮次」
原作少年サンデー2021年5月12日(24号)「MAO」第92話「蓮次」

   ☆   ☆   ☆

新キャラの名前は蓮次。
摩緒達と違い、大正時代の人間で、不知火に雇われ、御降家の秘術「苛火虫」の呪術 を教わり、軍閥が敵対視する政治家や資産家を暗殺している青年だった。
「不知火さん」と呼んでいるあたり、不知火に悪意はないらしいが、そもそも不知火が そんな秘術を使えるとは思えないので、やはり不知火の背後にいる何者かの仕業だろう。

冷酷な暗殺をしてのける蓮次だが、一方で女衒を殺して遊女屋に売られた少女を助け、 少女がその後きちんと生きて行けるような優しさも見せる。
このあたりが蓮次の過去と関わりがあるのだろうか。

ただ、蓮次という青年が、この時代に拾われただけの(不死身ではない)普通の人間ならば、蓮次の 過去は物語にはあまり関係ないわけで、蓮次のキャラを膨らませただけ、にも思える。

この蓮次の優しさ?の結果、摩緒達が蓮次を見つけることになった。
蓮次、名前も普通だなあ
着物に「蓮(はす)」の模様があるわけでもなし。

術の痕跡を追う百火、うん、かっこいい(笑)。
百火の使う火雀は苛火虫を喰い、しかも百火が不知火の眼中にない事をまた言われたのに 怒らない、成長したなあ。

摩緒、百火vs蓮次の戦闘開始で以下次号だけど、苛火虫は火雀にかなわなかったのに、 まだ他の攻撃があるのかな?
ここでふと、昔山で見た蚊柱を思い出してぞわっと鳥肌が・・・。

今調べたら、蚊柱を作るのは「ユスリカ」で人を刺すことはないらしい。
当時はそんなこと知らなかったから・・・。
苛火虫柱は綺麗だろうな。

今週の古見さん。
いよいよ大クライマックスの大団円か、と思ったらアニメ化決定。
これは当分終わらないね。
それは嬉しいけれど、みんなのアイドル古見さんが、只野くんとつき合っている古見さんになって、 みんなの癒しの只野くんが、古見さんとつき合ってる只野くんになって、おもしろさ的には どうだろう。
ちょっと心配かも。

でも古見さんは、只野くんの告白を聞いただけなので、実はカップル成立してない?
さすがにそれはないか(笑)。
(2021年5月12日の日記)
5月20日 第93話「生死の選択」
原作少年サンデー2021年5月19日(25号)「MAO」第93話「生死の選択」

   ☆   ☆   ☆

蓮次は、ただの蓮次ではなくて「送り火の蓮次」なんて、どこかの時代劇の盗人 みたいな名前が付いていた。
普通の人間としての苛火虫使いの能力には長けていても、摩緒と百火には かなうはずもなく、瀕死の重傷を負う。

ところがその後、生きる選択をしたことから蓮次は「延命の庭」に連れて行かれ、 1人の少女と出会うことになる。
なんか桃果人を思い出す延命の庭。

この少女もちょっと変わった雰囲気で、黒髪に黒い目だろうが、洋風の雰囲気。
「MAO」の中でちょっと浮いてる顔立ちの子。
良く言えば幼いころのナイチンゲールのような。

ただ蓮次も、顔も性格も冷酷だけど、ラスボス扱いになるような大物っぽさはないし、 不知火もどんな術を使おうとも借りものなのが辛いな。
早く中間のボスくらいの大悪党に出てほしいかも。
(2021年5月20日の日記)
5月27日 第94話「延命の庭」
原作少年サンデー2021年5月26日(26号)「MAO」第94話「延命の庭」

   ☆   ☆   ☆

いやあ今週はMAOもあかないさんもギガもひとりぼっちも良かったけど、古見さんに 全部持ってかれた気分。
青春・・・。

さてMAO。
延命の庭にいた女子は御手園芽生(みたぞの めい)。
薬草を使って蓮次の斬り落とされた腕を元通りにしてくれる。
意外なことに今週の出番はここまで。

メインは華紋と摩緒、というよりほとんど華紋。
暗殺の依頼人(軍閥の中でも過激派とされている人物)が最近白洲大尉(白眉)と接触していた。
その後、政敵である平和主義者たちが相次いで謎の焼死。
白状させようと術を使うと、相手も術により依頼の記憶を失う。

「いちいち依頼人まで死んでいたんじゃ、今後の商売にさしつかえるだろうしね。」
家紋の台詞が何気に怖い。

一方「うるさいから」と置いて行かれた百火、と菜花は白眉に出会う。
ここで百火が御降家が呪詛を使って人を殺すことを知らなかったことが判明。
百火がの優しさが呪詛の術に合わなかったのだろう。

そして去る白眉を追った百火と菜花が行方不明に。
百火より菜花を心配する摩緒、良し。
次回は百火と菜花が行った場所がすんなり判明しそう。

延命の庭ということはないだろうから、不知火のところか。
幽羅子のたくらみもばれてるだろうから、幽羅子も菜花とは会いたくないだろうし。
そんなこと気にしないかもしれないが、私だったら恥ずかしい。
(2021年5月27日の日記)
6月4日 第95話「野望」
原作少年サンデー2021年6月2日(27号)「MAO」第95話「野望」

   ☆   ☆   ☆

まずは高橋さんの公式Twitter開設が嬉しい!
Twitterやってる暇あったら漫画描いていたい方だと思っていたので最初は驚いたけど、 実際は担当編集者さんが運営するとの事。
これだと高橋さんの負担も少ないし、早速驚異のタイムスケジュールが紹介されていましたね。
更新が楽しみなTwitterがまたひとつ増えました!!

   ☆   ☆   ☆

さて「MAO」。
今回は摩緒が登場しない珍しい回。
菜花、百火、白眉の対決で予想以上におもしろかった。

ここで白眉がおもしろいことを言う。
「百火・・・
きさまの如き覚悟のない者が御降家に呼ばれて、
ましてや後継者の候補・・・
五色堂の一員に選ばれたことが。」納得できないと。

えっ?「力」とか「才能」じゃなくて「覚悟」?
思わず見直してしまった。
百火、ごめん。
白眉もちゃんと百火の実力を認めていた。
摩緒の回想で百火がやらかしたあれこれが浮かんで来るけど(笑)。

たとえば華紋に呪いや暗殺を受け継いでいく覚悟があったかというと、覚悟というより 好まないと思う。
不知火は嬉々として受け継ぎそうだが力はなかった。
百火はそもそも向いてない、人が良すぎる。
でもここで、菜花が傷つけられ、百火の怒りが爆発した時、御降家当主にも認められた 本当に力が発揮される、のだろう。
今回ばかりは摩緒が来れない方がいい。
摩緒が来たら菜花を助けるのは摩緒になりそう。
でもここは百火の本気を見たい。

古見さん。
カップル成立も微笑ましいけど、お互いの気持ちがわからず右往左往してる時の方が おもしろかった気がする。
この後は何事もなかったように通常モードに戻るのかな?

ギガ。
本編の方がとても切ないのだけれど、やはり間にギャグっぽいサブの話を挟みこんで来ると、 本編の共感が続かない。
クロが復活、誠治が戻ってしまったら終わるから?
大切に読みたい作品だけに、ちょっと辛い。

ひとりぼっち農園。
「そいつアスパラしい」(笑)。
全然ひとりぼっちじゃないじゃない?
みんなに温かく?見守られているじゃない?
(2021年6月4日の日記)
6月12日 第96話「白眉の胸中」
原作少年サンデー2021年6月9日(28号)「MAO」第96話「白眉の胸中」

   ☆   ☆   ☆

最近の「MAO」の主役は完全に百火。
これまで軽く見ててごめん、ととりあえず百火に謝る。
百火の背景、御降家に入った理由、5人の1人に選ばれた理由、考えたこともなかった。
はっきり言って能力も摩緒や華紋より下だと思ってたし(そう描かれてたし)。
百火、ほんとごめん。

でもこの子、いい子だ。
なんか菜花と双子みたい。

コネもあったみたいだけど、百火が選ばれたのはやはりそれなりの力があったから。
摩緒や華紋のように淡々と出すタイプではなく、感情が爆発した時に一気にはじけるタイプか。
正義感の強い子だ。

摩緒が菜花の保護者と化して印象が薄いのがちょっと笑えた。
弟子たちをこれまで1人ずつメインにすえて物語を展開してきた「MAO」。
次は誰の番か、それとも話が進むのか。
前にも書いた気がするけど、キャラよりもストーリーで読ませる漫画「MAO」。
最初は地味かと思っていたけど、物語にキャラが追いついて来た、嬉しい。

今週のギガ。
クロが帰って来た!なんてあっさり。
でも泣けた。良かったね。
あとは誠治が帰って来るだけ・・・。

でもその後ひとりぼっち農園で大爆笑、せっかくの感動が・・・。
アウトドアワークスペースIN農園!たちまち頓挫。
この人私に似てる!と上から目線で思ってしまった(笑)。
私も形から入るタイプです。
編集長、意地悪キャラだと思ってたけど、もしかしたら編集長の方が常識人なのかもしれないね。
(2021年6月12日の日記)
6月20日 第97話「鳳家の事情」
原作少年サンデー2021年6月16日(29号)「MAO」第97話「鳳家の事情」

   ☆   ☆   ☆

鳳家は百火の実家で「火の術」の家系。
本来御降家に入るはずだった兄が急死、急遽百火が御降家に入ることになる。
双馬の話を思い出した。
百火の怒りはここにもあったのか。

百火には死んだ兄以外に7人の兄がおり、すでに陰陽師としていろいろな貴族の家に 仕えていた。
「子供たちをまんべんなく表にも裏にも配置する」と華紋が言う。
家を保つには賢いやり方だと言う。

百火は「裏の」陰陽師として、呪いの家御降家に送りこまれた。
確かに計8人の子供を表裏両方の陰陽師として貴族の家に送り込む鳳家。
家も立派だし、格式も高いのだろう。
しかも百火は裏の陰陽師として育てられていなかったから、紗那にも気に入られる。

百火の単純さ、明るさは摩緒の救いにもなる。
灰丸には嫌われていたが(笑)。
きっと扱いが雑っぽかったのを見抜かれていたんだろうな。
もしくは百火の明るさが性に合わなかった?

でも五色堂に呼ばれたということは、百火も火の術師と認められていたという事。
百火以上の術師がいなかったというより、白眉が見抜けなかった百火の力を御降家は 知っていたという事。
実際白眉は延々と百火を呪ったり殺そうとしているが、百火はことごとく撃退している。

初期にあえて力がない単純者として描かれていたのは、わざとなのか、描いているうちに 変わって来たのかわからないけど、百火のキャラが今最高におもしろい。
菜花とも似た者同士で、下手すれば摩緒よりもお似合いかもなんて思ってしまう(笑)。

でも真砂や華紋が他人を呪うような正確でないことは御降家でも知っていただろうに、どうして この選択になったのか。
奥はまだまだ深そうだ。

次々と仲間を増やす白眉が、かつての奈落のようになって来たが、双馬やかがり、蓮次では ちょっと物足りない。
最後に出て来た新キャラ?も白眉の配下に収まるのか。
そんな器には収まらなそうな大物の予感。
(2021年6月20日の日記)
6月28日 第98話「最初の被害者」
原作少年サンデー2021年6月23日(30号)「MAO」第98話「最初の被害者」

   ☆   ☆   ☆

今回の女性、叶枝もまた白眉の配下になるのか。
先週読んだ時は、ノミの尼さん思い出したけど、叶枝もまた憑かれた女性なのだろうか。
白眉によって。
17歳で嫁いで事件に遭ってそんなにたっていないのに、なかなか深い闇を感じさせる女性。
敵だろうけど、ミネさんとのコンビも良くって、彼女も準レギュラーになって欲しいかも。

「彼女に憑く呪い」とあるので、嫁いだ頃は普通の人間で、事件で殺されそうになった時に 呪いに憑かれ、血を吸う吸血鬼のような存在になったのか。
摩緒は祓う=救う気持ちでいるようだけど、双馬や蓮次のように逃してしまう展開か。

神楽、神無、夢幻の白夜を従えていた奈落に比べると、白眉とその仲間たちは 印象が薄いと言うか魅力に乏しさは感じてしまうけど、 ストーリーは、地味ながら先が気になるおもしろさ。

アニメ化しないかなあ。
もうすぐ100話で嬉しいお知らせ(キャンペーン)あり。
さらにコミック9巻はちょっと早めの7月16日頃発売予定!
キャンペーンだからアニメじゃないだろうけど、何だろう、とても楽しみ♪
(2021年6月28日の日記)
7月1日 第99話「護り刀」
原作少年サンデー2021年6月30日(31号)「MAO」 第99話「護り刀」

   ☆   ☆   ☆

なんだか双馬を思い出す話だったけど、今回白眉は関係ないらしい。
次号決着ということだけど、叶枝がただの単発ゲストキャラとも思えない。
やはり白眉か、新たな兄弟子か、出現の前触れだと思ったのだけど。

おもしろいのが、叶枝が護り刀を自らの意思で抜いたのではないこと。
勝手に出て来て叶枝を「護った」し、その後も人を殺して血を与え、「護り」続けている。
叶枝と一体化し、叶枝の手から出て来た時はぞわっとした。

呪いの刀ではあるけれど、抜かなければ家は栄える。
三代以上に渡って持ち続けるとその家は滅びるという呪いの刀でもある。
でも叶枝の実家がそれまで続いて来たという事は、何らかの形で刀が渡り歩いて来たことになる。
だから叶枝の実家がそれまで続いたというより、叶枝の実家に嫁いで来た女性か、あるいは婿養子に入った 男性か、どちらかが持って来たのだろう。
叶枝の実家で二代持ち、三代目になる前に叶枝に持たせた。

呪いとは言え、そうしなければ叶枝の実家や、それまでの家が滅びるわけだし、叶枝に持たせたこと自体は それほど悪意のある行為ではない。
問題は叶枝の父が言う通り、抜いてしまったこと、というより刀がその力を自ら振るう自体になってしまったこと。

叶枝は死んで救われることを望んでいるのか、それとも悪鬼と化しても生きていたいのか。
正気の時の叶枝はとても辛そうなので、摩緒が殺すことで救う結果になってもおかしくない。
それでも摩緒なら、と思っていたい。
(2021年7月1日の日記)
7月9日 第100話「呪い移し」
原作少年サンデー2021年7月7日(32号)「MAO」 第100話「呪い移し」

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「MAO」記念すべき100話は表紙&関東カラー。
「犬夜叉」にもアニメフェアでこんなタペストリー買ったことあるなあ、レギュラー+七人隊の。
やはり高橋留美子さんのイメージカラーは赤が合う。
そしてダイジェストPVはアニメの布石?
Twitterも好調で嬉しい限り。

叶枝も白眉の仲間に入るかと思っていたら、摩緒と菜花の活躍で救われた。
っていうか菜花が凄い。
なまじっか知識もないし技量もない。
怖いもの知らずで突っ込むから摩緒もハラハラするし、自身もダメージを受けるけど結果的に 妖を祓い、人を救う。

この刀、菜花の血で制御できるなら、菜花の武器にもなりそうだ。
腰に差してる姿はあまりイメージできないけど、かごめの弓のように背負うのかな?
まずは鞘を、なんて思ってたら「十二国記」を思い出した。
主がその強さにて御すべき刀、水禺刀。

あちらは猿の魔物が陽子を苦しめたけど、こちらの呪いの元は何?
摩緒と菜花が訪れたのは「冥命堂」。
「冥冥(みょうみょう)」と書いてほの暗いさまを表す言葉があるけど、そこから取ったのかな?
読みは「めいめいどう」、店番は妖怪、店主はどうなのか。
この刀が摩緒と菜花を思わぬ形で追い詰めることになるらしい。
(2021年7月9日の日記)

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