「MAO」感想(第71話〜80話)
11月27日 第71話「通り魔」
原作少年サンデー2020年11月25日(52号)「MAO」第71話「通り魔」

   ☆   ☆   ☆

前回のほのぼのストーリーからのあまりに見事な切り替えっぷりに、一瞬 「あれ?何の漫画読んでるんだっけ?」状態。
前回の印象がそれほど強かったのか「境界のRINNE」モードに入っていたのか 自分でも謎。

それはともかく今回はなかなかにえぐかった。
「犬夜叉」でもなかなかなかったようなえぐさ。
「犬夜叉」は妖類も意外と単純な悪党が多かったけど、「MAO」は人間が 妖と絡んでの悪が多いからね、生理的に気持ち悪さが勝る気がする。

今回初登場の加神(かがみ)家も、「神を加える」と書いてその実加えているのは 「獣=妖」。
加神家の当主は代々体に獣を納めており、それを使って加神家は栄えて来たって なんだろ、このデジャヴ感。

話は違えど横溝正史か京極かって世界になって来ている。
おもしろさにぞくぞくするけど、このアニメ化はやるとしたら深夜かな?
それを見越して日テレは「MAO」ではなくて「犬夜叉」続編を選択したのかな?
なんて邪推もしたくなってくる。

もう描きたい物を描く、振り切った高橋さん、素敵です。
余談だが「ダ・ヴィンチ」12月号のインタビューもおもしろかった。

さて、祖母はともかく双馬はまだ生き続けそうだが、獣を納めた兄、というよりもはや 獣を制御できなくなっている兄が、弟双馬を襲って放った邪気は「幽羅子が放つ邪気」に似ていた。

ただこの場面、菜花の心の台詞がなければ気づかなかったろう。
妖(獣)が摩緒に斬られた時の血?が幽羅子の邪気に似て黒かったとか。
モノクロページだとそこがよくわからない。
そして摩緒は気づいているのかいないのか。

斬られた妖が瀕死の?双馬に移れば今度は双馬が妖と化すだろうけど、「加神家の呪い= 幽羅子の呪い」なのかもまだわからない。
でも「紗那様(摩緒の想い人)と同じ顔である彼女(幽羅子)の正体に一歩近付く・・・!?」と最後のページの 柱にあるので、次回が楽しみ。
次回はセンターカラー、もっと華やかな所でカラーがいいな(笑)。
(2020年11月27日の日記)
12月3日 第72話「獣」
原作少年サンデー2020年12月2日(1号)「MAO」第72話「獣」

   ☆   ☆   ☆

摩緒もまだ「ゆら子」が「幽羅子」と書くことを知らないんだっけ。

それはともかく、加神家の呪いと幽羅子の邪気が似ていることに気づいた摩緒と菜花。
でもここで白眉が出て来るとは思わなかった。
代々続く加神家の呪いは白眉の仕業かもしれないが、元々対摩緒の罠だったとは 思えない。
何らかの理由があってやっていたことを、摩緒に仕向けたように感じる。

もう1つ気になるのが、双馬の態度。
兄を悼むよりも、獣を自分が操ることを望んでいる。
元々そう思っていたというよりも、その気持自体が操られてのものなのか。

まったく、何のためにこんな呪いを加神家に、と思うが、それも「御降家存続」のためだろうか。
摩緒不在の時に大正版どこでもドアを使って自宅に戻った双馬。
死んだ兄の代りに獣に取りつかせるためだろうか。

邪気は幽羅子や獣が生きて行くための養分のようなものかもしれない。
御降家が邪な形で存続していくために、幽羅子や加神家は「生贄」のような存在。
その任にあたっているのが白眉なのかも。

ただ新章に入ってあまりテンション上がらないのは、やはり華紋や百火がいないせい?
摩緒だけだとなんだか暗くて地味だ。
そこがいいと思っていたけど、最近はみんなで派手にやってた方が楽しい気がする。
(2020年12月3日の日記)
12月10日 第73話「加神家の家宝」
原作少年サンデー2020年12月9日(2・3号)「MAO」第73話「加神家の家宝」

   ☆   ☆   ☆

ここに来て冴えまくりの菜花。
でも笑いどころがかけらもない悲しい今週。
菜花が白眉をとの関連に気付き、摩緒は白眉とゆら子(幽羅子、紗那)の繋がりを危惧する。
今週の摩緒は幽羅子に関して意外と冷静。

摩緒は獣に取り憑かれた双馬を助けるが、実は双馬は獣を取り憑かせることを望んでいる。
加神家の消えた祖母の死体、いなくなった弟たち、と謎は多い。
そして摩緒が助けた双馬の存在も、白眉が仕掛けた罠。
全てを知っても双馬を助けたい摩緒。

かなりややこしい。
加神家の呪いが御降家から来たものであることはわかったが、加神家編は、後でまとめ 読みした方がより楽しめそう。

今週号は最終ページの質問コーナーもおもしろかった。
高橋さんから小山さんへ質問。
「焼きそばと味噌汁って定番なのでしょうか」
逆に高橋さんにとっては何が定番なのかこっちから聞きたい(笑)。

青山さんの「どこのカレーが好き?」は漫画家じゃないけど答えたい。
「ディップパレスのインドカレー!」

佐藤さんの「夢の中へ行ってみたいと思いませんか?」
「行ってみたいと陽水さん!」

横山さんの「オレの作った野菜を食べてみたい人いますか・・・?」
「はい、ここに!」

来週はお休みで4.5合併号は12月23日発売。
「MAO」7巻は1月18日発売予定。
(2020年12月10日の日記)
12月28日 第74話「双馬の望み」
原作少年サンデー2020年12月23日(4・5号)「MAO」第74話「双馬の望み」

   ☆   ☆   ☆

魅力的な新キャラ新登場。
なかなか可愛いセーラー服の女の子。
猫娘?まさかね?と思ったけれど、猫娘でおかしくないか。
白眉の式神なのか、この子はしっかりしゃべるし、レギュラー化して欲しい。

あと、ちょっと大人っぽくなった百火と菜花の珍しいツーショット。
2人してラムネ飲んでるけど、百火のおごりかな?
だったらさらに好感度アップ。
摩緒におこづかいもらった方がらしいけど(笑)。

肝心の摩緒と双馬は事件のわりに影が薄い。
双馬が獣を欲していたことは摩緒も気づいていたが、まさか自分が猫鬼に変化 させられるとは思ってもいなかったろう。
暴走した摩緒と、獣に憑かれた双馬が戦っても、双馬が摩緒にかなうわけがなく。

逆に摩緒が双馬を傷つけることが白眉の狙いなのか。
やってることがかなり陰湿。
こんな時に菜花は現代に帰ってるし、百火も「呼べ」って去ったことだよね。

摩緒が菜花を危険な目に合わせないように帰らせたのか。
ただ、後半乙弥が出て来ないのは気になる。
何らかの役目を与えられて姿を消したのか。

気になるけれど来週はサンデーお休み。
来週こそ間違って買わないようにせねば。

1月18日発売予定の「MAO」7巻の表紙は紗那。
やはり女性キャラ(清純系)の方が華やかだし、るーみっくらしいし購買意欲をそそると思う。
摩緒と菜花以外で一番お気に入りの表紙。

   ☆   ☆   ☆

話は変わりますが、「半妖の夜叉姫」に、遂に弥勒と珊瑚が顔と声付きで登場しましたね。
弥勒は顔もちょっと老けた感じで、保村真さんの声も、修行一途で色気が抜けた感じで 良かったです。
保村さんの声に合わせてシナリオ練った感じですね。
「風穴!」の声は辻谷さんに聞こえましたがどうだったのでしょうか。

珊瑚は見た目は変えず、桑島法子さんの演技で大人の女性を感じさせていました。
もう少しビジュアルお母さんらしくしてくれても良かったかな。
せつなは退治屋衣装の珊瑚に似すぎてて、つい殺生丸の娘であることを 忘れてしまいます(笑)。
目つきの鋭さは殺生丸なんですけどね。

(2020年12月28日の日記)
1月7日 第75話「傀儡の針」
原作少年サンデー2021年1月6日(6号)「MAO」第75話「傀儡の針」

   ☆   ☆   ☆

猫鬼と化した摩緒が双馬と戦うのかと思いきや、摩緒は百火に、双馬は菜花に 襲いかかるように命令された。
菜花はちょっと可哀そうだけど、ここで一気にテンション上がった。

ここまでしても拭いきれない白眉の小物感と、大人しい見た目ながら不気味な双馬 が際立ち、残念ながら摩緒は翻弄されたまま終わる。
そしてやっぱり衣装のせいか、一気に大人っぽく見える百火は雀も使役。
「雀の偵察隊!?」はちょっと笑った。

摩緒が操られている傀儡の針は誰が抜くのか。
菜花、百火は戦闘で手が離せないだろうし、ここはいよいよ乙弥の出番?
それとも「まだ見ぬ大物」もしくは「死んだはずのあの人」が登場してくれるか。
次回に期待。
(2021年1月7日の日記)
1月15日 第76話「獣を斬る」
原作少年サンデー2021年1月13日(7号)「MAO」第76話「獣を斬る」

☆ ☆ ☆

コミック「MAO」最新第7巻発売記念巻頭カラーの今週号。
菜花の顔がきりりとしてて、これまで見たシリアス系の顔の中で一番好きかも。

摩緒は相変わらず操られているため存在感が薄い。
逆に菜花と百火の頑張りが目を引く、今週も。
菜花にとって今回の双馬戦は大きな転機になりそうだ。

守ってくれないとか、宿題もらったとか、女の子らしくはあるけれど、いまいち 自分の立場に対する認識が甘かったこれまでの菜花。
摩緒が守ってくれてたし、菜花自身も十分強く、摩緒を助ける場面も何度も あった。

でも摩緒が「敵」と化した今、菜花は摩緒の攻撃を凌ぎつつ、双馬と獣、 そして白眉と戦わなければならない。
特に獣に対して術を使えない菜花は無力。
乙弥の指示で破軍星の太刀を使うが、うまく使いこなせない。

白眉は「菜花は双馬の良い練習台だ。」と言っているけど、菜花にとっても いい練習の機会となったようだ。
特に菜花は摩緒や双馬は傷つけず、獣を倒すことだけど考えているから ハンデも大きい。

この戦闘の後、菜花の意識がどう変わるかとても楽しみ。
摩緒は意識が戻ってもしばらく立ち直れないだろうが・・・。
百火のアシストも効果的で、白眉は摩緒を連れて撤退しようとする。
でもここで摩緒の中で「ドクン」と脈打つものが。
意識が戻りつつあるのか、次回に期待。

今週はスペシャルプレゼントとして、「MAO的フィフスエレメンツプレゼント+1」企画あり。
陰陽五行の5つの要素より「木」は木目調のデジタル時計、「火」はイルミネライトランタンセット、 「土」は土鍋コーティングの圧力IHジャー炊飯器<炊きたて>、「金」はラッセルホプス カフェケトル(電気ケトル)、「水」はNintedo Awitch Lite ターコイズ(色が水っぽいらしいよ?)。

「+1」はルーショッパーマルシェ(猫のイラスト付きバック)で「猫の気=猫っ気」だって。
何とも言えないチョイスですが、ちょっと気になったのが 「フィフスエレメンツ」って、映画の影響か 私は「5番目の要素」という意味だと思っていたけれど、「5つの要素」でもあるのかな?
五芒星に複数形で出して来たけど、ここがちょっとわからない。

今週のクエスチョン。
思わず写真に収めた被写体は?
高橋さんは「紫綬褒章」だって。
(2021年1月15日の日記)
1月21日 第77話「捨て身」
原作少年サンデー2021年1月20日(8号)「MAO」第77話「捨て身」

   ☆   ☆   ☆

今週号は表紙の通り、「摩緒の暴走、菜花の奮闘」そのものだった。
さらに付け加えると「百火の貫禄、乙弥の心配」。

乙弥がここまでシリアスに菜花の心配を表に出すのは珍しい。
百火も双馬に対して「ひっこんでろ 小僧!!」は伊達に長生きしてないと 思わせる貫禄。
相手が摩緒や白眉だとなかなか出せない貫禄なので小気味いい。

菜花の捨て身には驚いた。
操られている摩緒が手加減したとは思えないので、まさに捨て身。
本当に健気な子だ。

摩緒は操られていたためか、元に戻っても意識を失うことなく白眉を襲う。
変化中の記憶があるかどうかはあいまいだが、菜花の様子を見れば容易にわかるだろう。
倒れている摩緒を見る眼差しが気になる。

犬夜叉の時のように現代に帰すのか。
まあ犬夜叉と違って摩緒には手段がないだろうし、現代には猫鬼がいる。
そう簡単にいかないのがつらいところ。

摩緒を操る針は白眉が持ち去ったので、摩緒もまた操られる危険はある。
かなりシリアスな展開だが、この後の摩緒のスパルタ指導、にはならないか。
でも摩緒もかなり落ち込みそうだし、この後どんな風に日常に戻していくのか、期待したい。
(2021年1月21日の日記)
1月29日 第78話「夜歩く患者」
原作少年サンデー2021年1月27日(9号)「MAO」第78話「夜歩く患者」

   ☆   ☆   ☆

「新章開幕」の「MAO」だったけど、「触診」が全て持ってった(笑)。
今回も丸ごとギャグな一日ほのぼの一日でも良かったのに。

捨て身で摩緒を守った菜花は胸を痛める。
この時の会話がおかしい。

「アバラ2、3本いかれてんじゃねえか?」(百火)
「いえ、それはありません。」(摩緒)
「なんで?」(菜花)
「おまえが気絶している間に触ってみたから。」(摩緒大まじめ)
「胸を?」(菜花)


「うん。」(摩緒大まじめ) この後枕でばふばふ叩かれ、「触診だ触診だ」と摩緒。
百火も見たかと聞くと、百火は見てないという。
「・・・だったらまあいいか。」の菜花の言葉に怒る百火ととぼけた顔の摩緒。

もちろん医者としての意識だろうけど、菜花を異性として見ていない感ばればれで おかしいけれどちょっと切ない。

新章に入って、墓土を食べ、邪気を吐き出す呪いにかかった男が現れる。
摩緒は「これほど強烈な呪いと土の術」を今使えるのは夏野しかいないと判断するが、 そこに当の夏野が登場して呪いをかけたのは自分ではないと否定する。
たしかに、夏野が使うにしては陰湿すぎる。

でもそうなったら、他にここまで強い土の術を使えるのは?
今週はここまでだけど、普通に考えて大五しかいないだろう。
大五は生きているのか、あの明るい青年が陰湿な土の術師と変わったのか。
次回が待ち遠しい。
(2021年1月29日の日記)
2月9日 第79話「百年目」
原作少年サンデー2021年2月5日(10号)「MAO」第79話「百年目」

   ☆   ☆   ☆

「MAO」も次号で80話。
でも何となく、回収されない謎だけが散りばめられて、幹がなくて枝だけの木のような感じになってきた。
土、土の術者、大五、であってもなくてもここで一度まとめて欲しい気がする。

「犬夜叉」の奈落を見ても、ラスボスが登場すると話を進めざるを得ず、長期連載は苦労する。
それはわかるのだけれど、大五が出てさらにその上の存在がいてもいいから(かなり強引だけど)、 「土」だけで引っぱらず、めどをつけて欲しい。

100話までには(100年目だし)、細くていいからきっちり幹が出て来て欲しい。
そこからならどんなに枝が出ようが棘が出ようが文句ない。
ストーリー性という意味では、「MAO」はこれまで読んだ高橋作品の中では一番おもしろいのだから。

とりあえず次号はセンターカラーで夏野の秘密が明らかに!?
夏野は摩緒の前から去って行くが、摩緒は夏野の後を追うのかな?
あと、わがままだけど、菜花にもっと活躍して欲しいかも。

今週のまかないさんは甘酒のお話。
先日2月3日は初午だった。
毎年近所のお稲荷さんにお参りに行って、あっつあつの甘酒とおいしい稲荷ずしを買うのが 楽しみだったけど、今年は行かない。
二の午も行かない、寂しいけれど。

代わりにスーパーで甘酒の素とお稲荷さん買って来た。
御利益あるよね?気は持ちよう(笑)。
(2021年2月9日の日記)
2月16日 第80話「悲田院」
原作少年サンデー2021年2月10日(11号)「MAO」第80話「悲田院」

   ☆   ☆   ☆

サンデー10号のカラー表紙は華紋、摩緒、そして夏野。
「彼女(夏野)の正体は白か黒か」とそばに書いてあるが、正体以前に夏野の髪が 真っ白であることが気になる。
夏野以外は皆髪に白と黒が混じった状態、夏野だけが全て白い。
そのことを意識させるためのカラー表紙登場だったかと思うくらい。

そしてもうひとつ気になるのが、華紋の回想を聞いていて、夏野が消えた時、 華紋についた傷が消えていないこと。
「五色堂に呼ばれた者同士なら傷つけあい、殺しあえる。」
でも当時の夏野に華紋の結界を破る術が使えたとは思えない。

ならば結論。
五色堂に呼ばれたのは夏野ではなく、土の術を使う別の人物。
でもその人物は表に出て来ず、夏野を生かしている。
あえて名前を出すこともないだろう、彼しかいない。

ただ、夏野が操られているとも思えない。
夏野は白でも黒でもない、無の人物という印象を受ける。
土の術を教えて医者の妻を生かしておいたのは、優しさには思えず、むしろ残酷だった。
それでも不知火の社に乗り込む華紋や摩緒に協力もする。

一定の距離を越えないが悪意もない、一定の距離を狭めようとしなければ。
意味も分からず操られているようにも見えないし、夏野自身は自分がなぜ生き永らえているのか 知っているのだろう。
その境遇を受け入れている。

ところで夏野が平安時代に滞在していた悲田院は実際にあった施設で、Wikipediaによると、 仏教の慈悲の思想に基づき、貧しい人や孤児を救うために作られた施設なのだそうだ。
聖徳太子が隋にならって造ったのが始まりで、夏野がいたのは平安京にあった施設だろうか。
(2021年2月16日の日記)

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