「MAO」感想(第81話〜90話)
2月19日 第81話「契約」
原作少年サンデー2021年2月17日(12号)「MAO」第81話「契約」

   ☆   ☆   ☆

サンデー10号第79話「百年目」で、摩緒と夏野は祈祷師の殺人事件を追って、 何者かに土をかけられている。
摩緒に異常はなかったものの、夏野はまた逢えてよかった、次はまた百年後だという 誰かわからない声を聞く。

殺された祈祷師は昔、何者かにいろいろな術を教わり、かわりに定められた 年月日に土の術者を呼び寄せる約定を交わしたという。
その土の術者が夏野であることはかわかっていたが、約定の相手を知ることはできなかった。

その続きが夏野によって語られる。
瀕死の夏野を救ったのは土人形。
夏野を生かすかわり、夏野は土人形の欲しいものを捜す。
それが契約。

殺された祈祷師は役目を果たすために夏野を呼び寄せた、それが祈祷師殺人事件に まつわる怪異の真相。
それでもまだ約定の相手はわからない。

新しく登場した村芝居の一座(殺人集団)を追う夏野が華紋に助けを求めるのだが、 華紋と夏野の

「ごめん。呼んじゃった。」や
「ついでにあやまっとくけど、悲田院の一件も摩緒に話しといた。」
の悪びれない華紋と、
悪いと思っていませんね。」の華紋と夏野の掛け合いがなにげにおもしろい。

夏野が契約で生かされてるなら、夏野は五色堂に呼ばれたはずがないし、でも夏野には 五色堂の記憶がある。
大五が土を通して夏野に憑いているとか?どうしても大五に戻ってきてしまう。

でも夏野が一座を追うなら、華紋や摩緒達も同行して欲しい。
クールな夏野1人だと話がちょっと単調になってしまうかも。
(2021年2月19日の日記)
2月26日 第82話「村芝居の一座」
原作少年サンデー2021年2月24日(13号)「MAO」第82話「村芝居の一座」

   ☆   ☆   ☆

今回の妖、蛇?またカエル?と思ったら蛭だった・・・。
「MAO」の敵にはちょっと苦手なタイプが多い。
今回の話で「如月雪ノ丞」一座の女性座長が出て来るけれど、 これまたつなぎに過ぎないっぽい。
同じ長物系でも華紋のなんと華麗な事か(笑)。

今回は摩緒、華紋、菜花の立ち廻りを楽しむ程度で、印象に残らなそうなエピソード。
見ている村人たちの「これも芝居か!?」はちょっと間抜けでおもしろい。

次回は夏野vs如月雪ノ丞こと蛭の妖の親玉対決。
夏野が気にするのは、蛭たちが戻って行った親玉の右手。
女性対決だけに次号発売日は3月3日のひな祭り。
今月は28日までしかないから早く過ぎるなあ。
(2021年2月26日の日記)
3月4日 第83話「右手」
原作少年サンデー2021年3月3日(14号)「MAO」第83話「右手」

   ☆   ☆   ☆

綺麗な着物のお兄さんから大ビル(蛭)と鬼ダニ(壁蝨)だって、うわっ・・・。
「壁にシラミ」と書いて「ダニ」と読むとは、「MAO」は勉強になるなあ・・・。
巨大な着物を着たヒルを見た村人たちの反応があまりに普通で笑ってしまった。

今回は夏野→摩緒→華紋→夏野→摩緒の連携が楽しくて、「MAO」も早くアニメに ならないかなあと思う。
夏野に使われる摩緒が不憫ではあるけれど。
術を使うので、残念ながら菜花は出番なし。
やっぱり術の修行も必要かな。

ただ今回大事なことがわかった。
夏野は契約に従い、人間の「部分」を集めており、右手が揃えば1人分の体が 完成する。
そこで体のなかった何者かが人間として蘇るのだろう。
その時何が起こるのか、俄然興味が出て来た。

ただし今回の右手は目的の物ではなかったので、答えが出るのはまだ先か。
今後に期待。

今週号の古見さんが気になっていたけど残念ながら休載。
それから今週のクエスチョン、そろそろ卒業したいことに波切さんが「エナジードリンク」、 もしかして「はたらく細胞black」見ています?
(2021年3月4日の日記)
3月12日 第84話「呪い遊び」
原作少年サンデー2021年3月10日(15号)「MAO」第84話「呪い遊び」

   ☆   ☆   ☆

「犬夜叉」で高橋留美子作品を知って、「境界のRINNE」「MAO」と読んで来たけど、 いつになっても私の中でるーみっくの世界は昭和だった。
でも今週号、「令和2年5月」よりも、「コロナ」で初めて令和になった。
そっか、「MAO」は令和の話だったんだ・・・。

そういえばかごめが使っていたレトロなTの字型の電気スタンド(蛍光灯)、ずっと探して 使い続けていたけれど、今はもう売ってない。
「MAO」で菜花の部屋にあるのはおしゃれなチューリップ型。
ただ、これはベッドのそばにある物で、机にあるのかどうかはわからない。
アニメ化されたら菜花の部屋がどう作られるか楽しみかも。

さて、高校生になった菜花は制服姿で摩緒に報告。
夏野編は一旦終わっての新章スタート。
リアクションの薄さにがっかりする菜花に、摩緒からデートの?お誘い。
進学祝いになにか食べて好きな物を買ってくれるって。

素直に喜ぶ菜花が本当に可愛い。
摩緒も「菜花は本当にかわいいな・・・」と微笑むけれど、やっぱり可愛い妹感が抜けないなあ。

結局女学校の呪い事件に巻き込まれ(小野不由美「ゴーストハント」が読みたくなる展開)、 菜花が制服を借りて学校に潜入することに。
進学祝いもうやむやになって、でも制服着ただけで部外者が簡単に学校行けるんだ(笑)。

学校で菜花が会ったのは猫娘、じゃなくて白眉と一緒にいた少女。
正直菜花だけじゃ太刀打ちできそうにないのが心配。
彼女(宝生と名のっている)は自分の怖さを隠す素振りすらせず。
あえて目立っているように見えるその目的は。

今週はまだ菜花に気づいていないようだが、このまま出会ったらどうするつもりか。
もしくは摩緒を呼び寄せる罠なのか。
相手が白眉なのはちょっと新鮮感に欠けるけど、新しい事件、新しい展開は楽しみだ。
(2021年3月12日の日記)
3月18日 第85話「かがり」
原作少年サンデー2021年3月17日(16号)「MAO」第85話「かがり」

   ☆   ☆   ☆

白眉と一緒にいたこの少女、てっきり式神だと思っていたけどそうじゃなかった。
宝生かがり、呪具傀儡(くぐつ)の針を使って色々な呪いを独自に編み出して来た家系の娘。
ところがある日、かがりの父が「軍」に呼び出されて、「御降家」から預かっていた 傀儡の針を返すように言われる。

でも白眉は傀儡の針を使えないから、かがりが白眉を助けているらしい。
女学校に潜入して呪いをかけているのは、そのための修練。
白眉に対しては健気だが、かなり気まぐれで残酷な性格に思える。

ただこの「かがり」という名前、懐かしい。
「うしおととら」にもいたな、かがり。
大好きだった。
針を使うからか「かがり」なんだろうけれど、「うしおととら」も意識していたら嬉しい。

当然そんなかがりの呪い遊びを菜花が許せるわけなく、かがりに向かうが、ここで 摩緒からもらった呪い返しの灰を、足止めの針を抜くのに使ってしまう。
「そこじゃないでしょ!」だよね。
動けるようにはなったけど、次の攻撃、かがりの針の直接攻撃を止めることができなくなった。
摩緒もこの針で獣化してしまったし、普通の人間ではない菜花にとっては人間以上に 危険な呪具。
菜花に足りないのはそこ。
考えなしに行動するから危険なことも多い。 そこが可愛いけれど、摩緒じゃないけど修行は必要に思えてくる。
まあ摩緒が来ているので、間一髪助けてくれるだろうけれど。

水曜日のDiaryは菜花の可愛いビキニ姿。
「本編ではこんなん描くエピソードなさそうなのでこの場をお借りして」のコメント付き。
菜花はあまり現代での生活描かれないけど、友達と海に行ってもいいと思う(笑)。
さすがに大正時代には持ってかないだろうけれど。

今週のクエスチョンはお夜食。
高橋さんのラーメンはじめ「罪深すぎる」夜食が多くてかなり心配。
皆様、お身体に気をつけて下さいね。
(2021年3月18日の日記)
3月25日 第86話「針の跡」
原作少年サンデー2021年3月24日(17号)「MAO」第86話「針の跡」

   ☆   ☆   ☆

菜花vsかがりは菜花が敏捷性では勝るものの、隙を突かれて喉に待ち針が刺さってしまう。
息が出来なくなった菜花だが、危ういところで摩緒が駆け付け、かがりは逃げ去る。
菜花を危険な目に遭わせてしまったことにショックを受ける摩緒。
このあたりは確実に以前の摩緒とは変わって来ている。

摩緒はその後呪い返しの護符の灰を菜花に浴びせるが、効き目がなかったようだ。
かがりは呪い返しの影響を受けていないし、針を使って菜花をすぐに見つけている。
かがりの術が摩緒以上とは思えないが、ここは何か特殊な術、あるいは使い方なのだろうか。

かがりが菜花を連れて行ったのは幽羅子の所。
正直幽羅子のことはすっかり忘れていたのでこの展開には驚いた。
幽羅子と白眉は関わりがあるので、ここで登場してもおかしくないのだけれど。

さらに驚いたのはここでの幽羅子に敵意を感じない事。
以前の幽羅子は、摩緒と一緒にいる菜花に嫉妬しているように見えたのに。
今にも「うちの摩緒がいつもお世話になって」なんてお礼を言いだしそうな雰囲気。
紗那である幽羅子と、幽羅子である幽羅子、二重人格の設定なのか。

摩緒も菜花の異変に気付いたようなので、間もなくここに来るだろう。
ここで綺麗な幽羅子と摩緒が出会ったらどうなるのか、見たくないこともないが、断然菜花派の 私には(笑)、あまり菜花に辛い思いをさせて欲しくはないかな。
(2021年3月25日の日記)
4月5日 第87話「幽鬼と羅刹」
原作少年サンデー2021年4月5日(18号)「MAO」第87話「幽鬼と羅刹」

   ☆   ☆   ☆

「私の名前・・・
幽羅子・・・
幽鬼と羅刹といったところかしら。」
この台詞のインパクト!

「幽鬼」とは死者の霊、亡霊。
「羅刹」は人を惑わし、また食うという魔物。

おもしろいのが、幽羅子が幽鬼という実体を持たない霊と、実体を持つ魔物、この場合は 妖(あやかし)、妖怪に近いか、の混合体であること。

ここで幽羅子の二重人格説は消滅するだろう。
次に、紗那の心臓を何かに埋め込んで、幽羅子が生まれたという説も消滅すると思う。

紗那が生きていた頃から、紗那の中に幽羅子は存在した。
紗那が大五に恋したように、幽羅子は摩緒に恋した。
幽羅子は紗那の中で摩緒をずっと見ていたのだろうか。

紗那の心臓と共に幽羅子は取り出され、妖怪の集合体で造られた体に埋め込まれた。
そう思ったけれど、そこで誰に?の疑問が生じる。
「幽羅子」と名付けた御降家の主は、紗那と同日に死んだことになっている。
だとすれば、すでに登場している人物で、残っているのは大五だけ。
ただそれだとあまりに当たり前すぎて、まだ何かありそうだ。
幽羅子の存在を紗那の生前から知っている者が、少なくとも1人はいるのだから。

最後のページ。
幽羅子が妖怪に菜花を襲わせようとする、そこに摩緒が飛び込んで来るはず。
ここでの再会がどうなるか。

華紋も百火も乙弥もいない。
摩緒と「紗那」の再会の生々しさに、1人立ち合わざるを得ない菜花がやっぱり可哀そう。

今週のひとりぼっち農園。
かなり以前の出来事を描いている漫画だが、遂に「コロナ」が登場する。
作者の日常を描いた作品だけに、避けては通れない話題だが、かなりの緊張感が あるのではないかと思う。
とぼけた作風が持ち味だけに、どのように「コロナ」を描いていくのか、どう向き合って 行くのか、応援したい。
(2021年4月5日の日記)
4月9日 第88話「幽羅子の世界」
原作少年サンデー2021年4月9日(19号)「MAO」第88話「幽羅子の世界」

   ☆   ☆   ☆

普通に幽羅子の正体が明かされて逆にびっくりした。
幽羅子は遠い昔から、紗那とは別人として存在した。
幽羅子の顔が妖に蝕まれているのはともかくとして、かつては顔が紗那とは全く違う設定だったのだろう。
摩緒が幽羅子に会っていた。

ただ、摩緒は菜花と一緒にいる現在、「幽羅子」の名前に反応していないので、会ったといってもそれほど 深くは関らなかったのか。

それから幽羅子が摩緒に会ったのは「あの時」ではないこともわかる。
摩緒はあの日、騒ぎに巻き込まれ、猫鬼と化していた。 何らかの理由で、幽羅子の世界の扉が開き、幽羅子が逃げ、摩緒に会い、その後紗那が死んで幽羅子が 顔を奪ったのだろうか。

幽羅子本人がそんなことをするとは思えないので、紗那の心臓を奪った誰かが、それを幽羅子に埋め込んだとか。
漫画で読んでるとそうでもないけど、文章にするとかなりホラーな展開だ。
何も知らなかった幽羅子も、今はかなり世慣れた感じだし、誰かと共に生きて来たのだろう。
不知火、白眉共に幽羅子の「主」ではなさそうだ。
不知火や白眉と一緒に仕えているのか。

幽羅子が体内に妖を飼っているのは間違いないが、今のところ幽羅子は菜花に敵意は見せていない。
この後嫉妬の焔を燃やすのか、そこに摩緒がかけつけるのか。
ただ、摩緒にしてみれば、紗那の顔をしていたとしても、幽羅子が全くの別人とわかれば、今の中途半端な 感情は消えるだろう。

同情して救ってあげたい、そんな気持ちは残るだろうが。
でもそんな単純にいかなそうなのが今回の作品「MAO」。
全体的に登場人物の感情設定が大人で奈落や桔梗に近く、「犬夜叉」よりも大人の物語という気がする。
幽羅子の摩緒への感情は一途だろうし、これまでより同情できるキャラになったが、ある意味怖い。
だからこそ地味かもしれないが、今の私にはたまらなくおもしろい。
(2021年4月9日の日記)
4月17日 第89話「いたわり」
原作少年サンデー2021年4月14日(20号)「MAO」第89話「いたわり」

   ☆   ☆   ☆

幽羅子、いい人だった。
普段不知火や白眉としている所業はともかくとして、摩緒はもちろん菜花に対する 態度に驚いた。

正直言って、最初は穏やかだったのに、話してるうちに激高して嫉妬の鬼と化して 菜花に襲いかかってもおかしくないと思っていた自分が恥ずかしい。

以前華紋が、昔の摩緒は捨てられた子犬のような目をしていたと言っていたけど、 今回回想の中の摩緒はまさにそんな感じ。
その摩緒の「いたわり」に想いを寄せて行く幽羅子がせつない。
そして今、紗那と同じ顔になって(それが自分の意思かどうかはともかくとして)なお 摩緒を想い、摩緒を傷つけるつもりはないと菜花に告げる。

同時に菜花にも穏やかな態度を崩さないことで、菜花は逆に罪悪感を覚える。
「幽羅子の想いに比べたら私なんか・・・
私・・・摩緒のそばにいていいのかな。」

「壮絶な過去がありながら純粋な心で摩緒を想い慕う幽羅子。
その想いの強さに引け目を感じる菜花だが・・・」
最後のページ、柱に書かれた文章がまさにその通り。

ただ、摩緒の場合、幽羅子が紗那の顔をしているから心が揺れているだけで、事実を 知ったら、いたわりの気持ちはともかく、この恋の名残にも似た不安定な感情は消えると思う。
「救いたい」気持ちは残るだろうけど。
一方で、菜花はやっぱり可愛いけれど、恋の対象ではないと印象が強い。
摩緒は見た目以上に老成した感じ。

紗那と幽羅子が別人だったとしても、紗那がかつて邪気を吐いていた事実は残るし、紗那と 幽羅子にはやはり何かつながりがあるのだろう。
双子だったのかもしれない。
それにしては、幽羅子の綺麗な方の顔も見ている摩緒が、紗那との相似に反応しないのも変だし。

何よりこの幽羅子の純粋な想いを見せ、菜花が身を引くように仕向けたことすら何者かの 陰謀だとしたら・・・。
そんなことを考えてる私、すれてるなあ。
(2021年4月17日の日記)
4月23日 第90話「言葉は呪い」
原作少年サンデー2021年4月21日(21号)「MAO」第90話「言葉は呪い」

   ☆   ☆   ☆

私も幽羅子の呪いにかかっていたか。
今回の華紋、京極堂シリーズの京極堂こと中禅寺秋彦思い出した。
京極堂は呪いをかけ、一方で祓う。
華紋は菜花にかけられた幽羅子の呪いを祓う。
力だけなら摩緒もあったろうが、ここはやはり世慣れた(特に男女関係)華紋のお手柄。
これまで見た中で一番かっこ良かった。
(でもばんばんばんばん 「痛いよ。」には爆笑した。)

前回幽羅子が菜花に触れたり、目に力を込めるなど特別な行動をしてたら気付いたと思う。
そこをさらっと流し、しかも素直な菜花だから、呪いにかからなくてもそうなるだろうと思わせる。
私は由羅子の呪いじゃなくて作者の術にかかったのか。

でも今回のタイトル「言葉は呪い」よりも「言霊」で良かったんじゃ。
なんかイメージ的に「言葉はのろい」と読んでしまう、ピンと来ない。

おもしろいのがみんな900年以上生きていて、華紋と幽羅子は良くも悪くも大人な感じ。
摩緒も成長はしているものの、ストイックな生活をしているせいか、茫洋としたイメージのまま。
百火、白眉は子供のままあまり変わっていないのではないか。
夏野は昔からマイペースでそのままで、不知火が一番不安定な感じ。

900年の経験も、身体的にも成長しないことには身につかない設定は、「犬夜叉」と似てておもしろい。
あちらは妖で、こっちは人間だけれども、「MAO」登場キャラクターたちは、もはや人間とは 思えないし。
つくづく私好みの作品だ。

そんな「MAO」も次回で90話。
令和元年5月8日に連載開始でもうすぐ2年。
未だに私の中では「新連載」だ(笑)。
(2021年4月23日の日記)

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