|
10月2日 「MAO」1巻 |
サンデーで毎回読んでいても、改めてコミックで読むと感想が変わって来るのが不思議です。 「MAO」に限らずですが、1話ごと読むと、どうしても「今週はおもしろかった。」「今週はつまらなかった。」と その都度の感想が先に立ってしまうせいでしょうか。 好きなキャラが出なかった、話が動かったなどの理由も出て来るのかもしれません。 1巻を読んで、菜花は印象強いのですが、摩緒とストーリーはあまり覚えてなかったなあというのにまず驚き。 それから「犬夜叉」「境界のRINNE」よりもやはり「千年の無心」だなあという感想。 アガサ・クリスティや横溝正史は、昔書いた短編を基に、新たに長編を書くことがあり(横溝の「迷路荘の怪人」改め 「迷路荘の惨劇」や、クリスティの「黄色いアイリス」改め「忘れられぬ死」など)、「MAO」にも同じ匂いを感じます。 それだけに設定が過去作品に似ているという第一印象を持つことなく読み進めることができました。 私の周りではやはり「犬夜叉に似てる。」「りんねに似てる。」という感想が多いようです。 そんな批判を受けるのを承知で、なぜこの設定にしたか、考えながら読むのもまた一興かと。 1話のメインは菜花。 菜花の持つ不思議な力と、大正時代へのタイムスリップ、摩緒との出会いが描かれます。 ゲスト妖怪?は大蟷螂、懐かしいです(笑)。 アニ犬では神楽の大神いずみさんが小手調べで演じていましたね。 ちょっと不思議なのが、解毒剤は飲んだものの、現代に戻って再びスムージーを飲んだ菜花が妖力を発揮したこと。 解毒剤の力を1杯で打ち消すほど強いものではないのかな? 第2話で摩緒と乙弥の紹介、猫鬼に蟲毒が出て来ます。 3話では、現代に繋がるゲートと反対側のゲートを通ると、大正時代の普通の?世界になります。 ミルクホールと貂子さんとシベリア登場! その後蜘蛛女編と鐘呼編の1話目が入り、8話で1巻終了です。 敵キャラの女性をもうちょっと魅力的に描いて欲しいかな。 話の流れで犬夜叉の蜘蛛頭、九十九の蝦蟇、逆髪の結羅などが思い出されますね。 そして文句なしに可愛い乙弥!が良いです。 あと24ページの摩緒の殺陣がかっこいい。 細い刀を振り抜く描写はほんと凄いです、かっこいい。 そんなこんなで1巻終了。 8話掲載なので、2巻の発売も早そうですね。 (2019年10月2日の日記)
|
11月29日 「MAO」2巻 |
「MAO」もサンデーで途切れ途切れに読むよりも、コミックで通して読んだ方がおもしろい。 一度読んでるし、話の流れが理解できるからかも。 ただ帯の「ラスト20Pからの展開にふるえます。」には「は?」となった。 確かに話は進むけど、ここはちょっと煽り過ぎだと思う。 むしろ帯の後の方にある白羽くんの「あ、第3巻の発売日は、1月17日頃です。」の方がインパクト強かった。 2巻は鐘呼編の結末と吸血尼編、そして菜花の謎と震災を絡めて話が大きく動く、その序章。 「ふるえます。」はこの序章の部分。 鐘呼編で出て来た可愛い鬼神は、その後も摩緒のマスコットとして出て来て欲しかったが、残念ながら退場し、 震災を予言した鐘呼の言葉だけが残る。 吸血尼たちは猫鬼の結界の守人で、摩緒を襲う。 深刻な疲れで動けない摩緒の代わりに囮となって頑張る菜花。 主役でも性格的に静の摩緒と動の菜花、この組み合わせも高橋作品の中では珍しいのではないかと思う。 アニメで殺生丸とかごめがコンビを組んだ感じと書けば自分でもわかりやすい。 そして現代で、震災に関して調べる菜花は、スムージーを「解毒」することにより記憶を取り戻す。 あの日、事故のあった日、祖父は危篤だった。 なのに事故の後、なくなった両親に変わって、「祖父が菜花を育てた」。 ただ、ここからは3巻の感想で詳しく書きたい。 全体的にシリアスに進む「MAO」だが、意外と笑いどころも多くて、特に菜花と乙弥の掛け合いが好き。 (子機とかとっくりとか)。 一番良かったのは176ページ、心細さにうずくまる菜花を見下ろす摩緒の表情と、蟲毒の壷を死守した乙弥のカット。 なんとなく地味な印象を受けていた「MAO」だが、今サンデーで連載されているあたりはホラー風味が強くなって来て かなりおもしろい。 いっそ人魚シリーズのようにホラーに特化してファミリーアニメじゃなくて深夜アニメ、もしくはOVAを目指して欲しい。 (2019年11月9日の日記)
|
1月20日 「MAO」3巻 |
「MAO」3巻は第19話「猫鬼」から第28話「朽縄」まで。 感覚的な話だが、「犬夜叉」の頃よりコミックが出るペースが速いような気がする。 朽縄=華紋登場編なんて、つい先日読んだような。 摩緒と菜花に関する謎がいくつか解けて、同時に新たな謎がいくつか出て来る。 摩緒の兄弟子百火と華紋。 2人とも摩緒と同じように顔に傷を持ち(百火は眼帯をしている)、髪が部分的に白い。 あの呪いの日、摩緒ばかりか兄弟子全ても「摩緒以外の者」に傷つけられたのか。 やっぱり毎週読むより通して読んだ方がわかりやすい。 キャラも、サンデーで読んでる時よりも個性が際立った来たというか。 昔甥っ子に、「どうしてサンデー買ってコミックも買うの?」と聞かれたけど、同じ話でも感想が変わって来るのが おもしろいからかもしれない。 (これが月刊だとあまりこだわらない。) ところで「MAO」も3巻まで出て、「犬夜叉」「境界のRINNE」「MAO」と並べてみた。 「犬夜叉」はかにも戦国御伽草紙って感じで赤系の色が濃い。 「境界のRINNE」はいかにも平成?って感じで背景色が少なくシンプルで白っぽい。 「MAO」はいかにも大正ロマンって感じで和風に青っぽい。 MAOが犬夜叉とりんねの中間かな? 私としてはMAOの表紙が一番好きかも。 (2020年1月20日の日記)
|
6月1日 「MAO」4巻 |
帯の「新キャラ、躍動。 キケンな男・朽縄、彼の正体は?」 「躍動」も「キケン」も「MAO」っぽくないなあ。 朽縄っぽくもない。 もっと飄々とした感じだと思う。 コミック4巻は「男の名は」(29話)から「血の交わり」(38話)まで。 特別ゲストはドラえもん。 敵だと思っていた男、朽縄は実は摩緒の兄弟子、華紋だった。 破軍星の太刀から摩緒を思い出すが、「摩緒は拾われた犬みたいな目を した子」だったのが、今は「まるで猫」らしい。 (よって後で摩緒に「猫又」なんてふざけた偽名をつけることになる。) ただ華紋も五色堂に呼ばれ、妖怪に囲まれながら「摩緒を呪い殺せ」と 命じられ、髪は白く、顔も傷つけられながら、当日は「逢引で屋敷の外にいた。」と言う。 摩緒も百火も華紋も目を狙われたのだろうか。 右と左の差こそあれ、目の周りが傷ついている。 百火は後で日露戦争で眼帯をするような傷を負ったらしいので違うかな? 華紋と別れて再び百火登場、そして藻久不(もくず)も。 いわゆる魚の集合体。 コミックで画面が小さいのでサンデーよりは気持ち悪くないけど、よくこんなの描けるなあ。 可愛い蛙や亀との戦闘に、44ページの摩緒と菜花の会話は、「アングレーム国際漫画祭」 インタビューで紹介されたページ。 巨大な蛙を前に、菜花を呼ぶ摩緒、そして警戒心むき出しの菜花(笑)。 菜花が普通にタイムスリップした少女ではなく、超人的な能力(体力)を持った子である設定は かなりおもしろい。 摩緒が保護者の立場っぽくもあり、同時に遠慮なく菜花をこき使う。 摩緒の菜花が1人でも闘えるようにという親心?とそれに気づけない菜花の幼さが、これまでの カップルとはまた違ったすれ違いっぷりで好もしい。 ゴーグルを乙弥に見せるカットがお気に入り。 でも相手が式神とはいえ、闘いはシビアで、傷ついて死に逝こうとする摩緒を救ったのは、菜花の血と想い。 摩緒が蘇った嬉しさのあまり抱きつくも、それに気づいて恥ずかしがる菜花がまた可愛い。 なんかこういうまっすぐな、純真な想い、恋に限らず、に今とても飢えている気がする。 こんな時期だからだろうか。 犬夜叉の熱さも良かったが、摩緒の静けさ、殺生丸とはまた違った、がとてもいい。 「ええ5巻は、8月18日頃発売予定です。」by貂子さん(帯より)。 サンデーも緊急事態で、コミック発売もちょっと伸びるかもしれないな。 (2020年6月1日の日記)
|
8月25日 「MAO」5巻 |
「MAO」5巻。 おもしろかったのが「猫舌」と「猫又」。 逆に言うと、そこ以外はあまり印象にない。 おもしろくなかったといのではないのだけれど。 サンデーで毎週読んでた時の方がおもしろかったかな。 私は摩緒と菜花と乙弥(と魚住さん)は大好きだけど、それ以外のキャラが今一つ。 6巻になれば、摩緒や菜花との絡みも増えて華紋と百火が好きになったので、またおもしろさも 増してくると思う。 殺生丸クラスのイケメンを出して欲しいわけではなく、ただ藻久不は特別としても不知火、白眉、 幽羅子、真砂とちょっと苦手。 紗那が蘇るなら、顔は紗那のまま蘇って欲しかった。 ベールで顔を隠してるので、それで問題ないと思うけどなあ。 大ボスは猫だし。 今回印象深いのはむしろ帯。 「因縁」と「恋」が再び燃える。 菜花は摩緒が好き、摩緒は紗那が好き、紗那は別の誰かが好きだった。 でも幽羅子は摩緒が好き。 三角関係にすらならない一方通行の片思い。 現在のサンデーなんか読んでると、兄弟みたいな関係の菜花と百火のコンビもむしろカップルとして 成立しそうな精神年齢。 菜花の幼さが今後どう変わっていくか、摩緒の目に「異性」として映るようになっていくかがある意味楽しみ。 あと魚住さんの「10月16日頃発売の6巻もぜひ・・・・・・!!」が笑えた。 魚住さん、すごく好き(笑)。 5巻は真砂登場から華紋と不知火の対決、摩緒と幽羅子(紗那)の再会から、白眉に傷つけられた摩緒が 連れ去られるところまで。 (2020年8月25日の日記)
|
10月21日 「MAO」6巻 |
コミックで今一番楽しみにしてるのが帯の次巻の宣伝。 漫画のシーンを使って台詞を変えて来る。 今回は、摩緒が眠っている間、協力して訪れる患者の世話をする菜花、乙弥、 百火から。 煮立った煎じ薬の鍋を落としそうになる乙弥だが、百火が頭でナイスキャッチ? 菜花「ナイス百火。」 乙弥「危ないところでした。」 百火(頭に鍋のせて)「ふっ・・・」 が、 菜花「第7巻の発売は・・・」 乙弥「2021年1月18日頃です。」 百火(頭に鍋のせて)「・・・今言う事?」 になっている。 このおもしろさは絵も見ないと伝わらないと思うので、是非買って見て欲しいと何気に宣伝(笑)。 最初の頃、「MAO」にはギャグが足りない、だから地味と言う感想をよく見かけた。 確かに思いっきり笑わせには来てないが、ところどころにくすっとしてしまう部分が挟み込んであり、 その入れ方が絶妙なので私は好き。 でも9話の「覚めない」は、ならば笑えとばかりにギャグモード全開。 摩緒が寝ていて百火を絡めたのが大成功と思う。 菜花はちょっと可哀そうだけど百火と絡みの相性がいい。 私には紗那が今も摩緒にとって「最愛の人」かどうかはわからないけど、少なくとも菜花が 摩緒にとって恋の対象ではないところは辛いね。 可愛い妹、健気な妹、そんな風に見ているようだ。 紗那がいなければ、それはそれで楽しい展開だったかもしれないけれど。 他には、白骨洞に連れ込まれた摩緒と不知火の過去が語られる。 灰丸が最初からただの猫ではなかったように、摩緒もまたただの子供ではなかった。 もちろん今読めば、大五の影響もあったと思えるが、それでも普通の子どもにはない能力が 備わっていたのだと思う。 そしてここに来てもなお不知火につきまとう小物感。 式神の海龍から足を借りたとしてもそれは不知火の力ではないだろう。 誰かが不知火に足を与え、幽羅子と共にあることを命じた。 不知火と紗那=幽羅子がどこまで知っているのか、それすら謎だ。 この後、なんだか菜花と仲良くなった?猫鬼が再登場。 害がないなら菜花の家でペットとして暮らせばいいんじゃない?と思っちゃうほど馴染んでいる。 フナさんが怒りそうだけど、菜花が帰って来た時だけ猫鬼も来るとか。 可愛い名前つけるとか。 この後さらなる白眉がその素顔を摩緒に見せる。 優秀でありながら御降家の闇の部分を司る弟子。 ただ白眉の話を聞いていると、意外に蚊帳の外にいるような印象を受ける。 不知火も白眉も全てを知っていそうで知らなそうな雰囲気、そして退場。 傷ついた摩緒は眠りについてのギャグパートが「覚めない」。 最後は白羽くんの「マオグイ=猫鬼」の解説。 「猫」は中国語で「MAO」。 だから主役の少年の名前をを「摩緒」にしたってサンデーで高橋さんも答えていたような。 「犬夜叉」の鬼蜘蛛も、「MAO」の摩緒も、別に蜘蛛や猫には関係なく、普通の人間だったのに、 ただの人を越えた時に、その名に縛られる変化をするのがおもしろい。 摩緒が猫に捉われるのもその名に縛られた運命だったかのように。 まあそのためにつけた名前なんだろうけど。 最後に表紙、不知火のアップは書店でかなり浮いていた。 表紙裏の帽子をかぶった摩緒と菜花のツーショットがカラーだし可愛いのに。 やっぱり作者は万人受けする作品より、読みたい人が読んでくれればいい、そんな 作品を描く覚悟を決めたように見えた。 (2020年10月21日の日記)
|
1月27日 「MAO」7巻 |
コミック7巻は第59話「捨童子の家」から。 摩緒の回想の中で大五登場。 途中で土薬の話が挿入されるが、大五の死には謎が多い。 サンデーでも未だ語られていない大五、もちろん登場もしていない。 ただ、かつて死んだとしても紗那のように何らかの形で生きているかもしれないし。 彼以外にラスボスの立ち位置に立てるキャラはいない。 妖が絡んで来るので、大五も奈落のように妖と融合するとか取り込むとか 取り込まれるとか、そんなことがないと蘇るのは難しそう。 大五を越える大物(幽羅子に邪気を与えるような)がさらに上にいるとも思えるけれども。 大五の肌と目の色が違うのは、人間同士というより人間と妖の血が混じっていると 思えないこともない。 大五を愛した紗那と、摩緒を夫として受け入れようとした紗那。 今のところ大五に関する謎は解けないまま、私はしばらくその存在を忘れていたり。 そして土薬のエピソードで夏野登場。 悪い人ではなさそうだが、いつか滅びることを知りながら中途半端な薬を与えるところ、 優しさの感じられない少女ではある。 後で摩緒達に協力してくれる話もあるが、陰陽師の中では大五に次いで謎の存在。 そしてコミック後半は華紋の純愛。 菜花も見直していたが、「(真砂が)逃れた先で平凡に生きて、人並みに寿命をいてくれたなら なによりだと・・・」の言葉には私も驚いた。 「MAO」は不老不死の物語ではないが、平凡に生き、平凡に死ぬことが何よりの幸せだと、 「人魚」の物語のように伝えている。 不知火の社に捉われている真砂の魂と亡骸。 真砂は華紋を救ったが、そのまま不知火に連れ去られてしまう。 通して読むと、この不知火編で様々なヒントが出され、しかもそれが1月26日現在も1つも 明らかになっていないということに気付く。 それでも華紋が一番怒ったのは不知火が真砂を呼び捨てにしたこと(「そこなのか。」と 摩緒の突っ込みあり)や、菜花が摩緒に「(幽羅子と)付き合いたいと思っているか聞いて、 摩緒が不思議がるところなど、相変わらずの笑いどころは健在。 摩緒は菜花のためにも必死になるけれど、紗那のためには我を忘れるような激しさを見せる。 菜花にはそれが寂しいのだろうけど、幽羅子は幽羅子で自分の方に来ようとせず、菜花を 助ける摩緒に、そして菜花に嫉妬する。 邪気を出しながら摩緒を求める幽羅子。 その中に「紗那」は残っているのか、その謎も未だ明かされていない。 8巻は3月18日頃発売予定。 (2020年1月27日の日記)
|
3月19日 「MAO」8巻 |
コミック8巻の表紙は白眉、9巻は夏野かな。 書店で見ると、やはり登場人物紹介の表紙はちょっと地味。 8巻は夏野の回想から始まる。 紗那が殺された日、夏野は紗那を見ていた。 摩緒の無実、紗那を殺したのが摩緒ではないことを知っていた。 紗那は、「今幽羅子(ゆら子)がまとう邪気」に心臓を奪われて死んだ。 夏野はその瞬間を見ており、そのことを話したけれど、誰も信じてくれなかった。 「館で信頼されていた」白眉が、摩緒が紗那を殺したと言ったから。 白眉はこの日の殺し合いの後歪んで行ったのではなく、最初からこの騒ぎに関わっていた。 ただ、現在の状況を見ると、白眉が思ったように事は進まなかったらしい。 夏野の証言は重要だが、はっきりしないまま夏野は去る。 ここで気になるのが、未だに幽羅子がゆら子であること。 誰も字を教えてないからとも思えるけど、菜花、摩緒、華紋、百火などいちいち 漢字を教え合っているわけではないだろうに、普通に漢字で呼ばれている。 社交界でも摩緒達の間でも「ゆら子」、字を知っているのは白眉など御降家側。 そういえば第40話「不知火」(コミック5巻第2話)で、幽羅子が不知火を「兄様(あにさま)」と 呼んでいた。 幽羅子の名前と本体は不知火の妹だったのかもしれない。 でも不知火にそんな高度な術が使えるとは思えないから、やはり大ボスとなる誰かが いるのだろう。 大五にしても、紗那は恋人だったから、そんなひどい目に合わせ、性格まで変えてしまうような ことをするとは思えない。 ただ大五と紗那の恋は、紗那からの一方通行っぽいところもあった。 恋すら操られているような。 紗那が絡むと思考がいつも同じ方向でエンドレス(笑)。 この後2話の「憑きもの落とし」は摩緒と菜花のデート編。 「MAO」の中でも大好きなエピソードの一つ。 2人で洋食屋さんでカレーやオムライスを食べて、可愛い小物を買ってもらって、(必要性に迫られて?) 手をつないで。 「好きかもしれない。」と菜花が意識する。 摩緒も無表情ながら楽しかったらしいけど(笑)、乙弥の方が世慣れているな。 実はこの後続く双馬編はあまり印象にない。 白眉の陰湿さが際立つくらいか。 同じファンタジーでも「犬夜叉」に登場する妖怪は見た目も派手なのが多かったが、「MAO」は どこか地味というか、基本が人間なせいか、リアルで見た目に楽しい存在が少ない。 今サンデーでは、この時白眉と一緒にいた猫娘みたいな少女(現在は宝生かがりと名前が判明)が菜花と 対決しているが、今頃双馬はどうなっているのか。 洗脳されていることは間違いないだろうが、獣の妖とより馴染んでいそう、かがり編には出て来なそうだが。 この双馬編では、かがりの針に操られ、獣化して菜花を襲う摩緒に、菜花が捨て身で抱きついて針を抜くところが 凄かった。 それと最後の摩緒の触診(笑)。 乙弥の静かな突っ込みや、百火のかき回しがとにかく楽しくて、いつも一緒にいて欲しい。 (2021年3月19日の日記)
|
7月19日 「MAO」9巻 |
コミック9巻の表紙は夏野。 唇に色がついているせいか、クールな表情ながらいつもより可愛い感じ。 サンデーで読んでる時は気がつかなかったけど、この頃は夏野と幽羅子の話が 続いてたんだっけ。 だから当然9巻も夏野と幽羅子の話。 でも私にしてみれば、まさに「痛恨の」9巻でした。 幽羅子が菜花を誘拐して、でも危害を加えるわけでもなく自身の過去を語り始める。 読者も菜花と共に幽羅子の秘密を知るという趣向。 ここは凄かった。 私が「犬夜叉」に強烈に惹かれたのは、「犬夜叉」が少年少女の 純愛と共に、大人の葛藤もきっちり描いていたことにあります。 特に桔梗と奈落。 恋愛にこだわるだけではなく、大人の情念、妄執などもきっちり描いてくれました。 今回の幽羅子編もあれほど派手ではなくても、とても読み応えのある部分で、私もあっさり やられてしまい(何をとは言えないのが辛い・・・)、同時に摩緒や菜花では太刀打ちできない 対決が爽快でした。 だからこそ幽羅子編は1冊にまとめて欲しかった。 たとえば摩緒が戦闘において絶体絶命の大ピンチだったら、次巻が楽しみ!という意識は強烈に 残ります。 でも幽羅子の場合、語りだからある意味地味。 この引きが10巻までどう続くか、よほど「MAO」を好きな人でなければ、もたないんじゃないかなあ。 ほんともったいないです。 私はサンデーで、爽快にやられました。 だからこそもったいない。 コミック発売に合わせてダイジェストPVも公開されましたね。 これがアニメ化の布石だったらいいなあ・・・。 (2021年7月19日の日記)
|
10月21日 「MAO」10巻 |
10巻の表紙の摩緒がこれまでで一番好き。 Twitterにあげられた原画も素敵だった。 青を基調とした黒髪でまだ幼く、憂い顔の摩緒。 今後御降家に来るまでの摩緒の生い立ち(家族とか)が描かれることはないと思うが、 摩緒の両親も見てみたい。 さて、今回は菜花と幽羅子の対決、にはならなかったけど後半。 9巻感想でできれば一気に読んで欲しいとお願いしたけど、幽羅子の「呪い」がその理由。 幼い頃から閉じ込められて、自分の顔がどうなのか、自分が何なのかも知らずに生きて来た幽羅子。 その幽羅子が摩緒への想いのために紗那の顔を手に入れ、菜花を篭絡する。 大正時代に至るまで、どれだけ人の愛や恨み、闇、その深い部分で這いずり回って生きて来たのか。 その老獪さが圧巻、それでいて幽羅子を恨めない存在の物悲しさ。 摩緒は同じ年月を生きながら、人と深く関わることなく、水面を漂うように生きて来たのだろう。 摩緒、死ねないから生きるだけ、ただそれだけだったのではないだろうか。 初期摩緒のあまり感情を見せないキャラは、式神(表情のない)乙弥と共に、硬質な感じだった。 現代で普通に生きて来た菜花に、幽羅子の狙いが読めるわけもなく。 摩緒もまた、幽羅子を、菜花を心配するが見抜けない。 ここで見直したのが華紋。 やはり大人、というよりこの人は長い年月をそれなりに人と関わりながら、飄々と生きて来たのだろう。 華紋と幽羅子はここで顔を合わせないけど、この対決こそが10巻の見どころだと思う。 しかもそこに笑いまで入るし(笑)。 実は幽羅子編は10話中2話までで、それ以降は早くも蓮次登場、そして白眉と百火の対決と続くが、 その感想は11巻でまとめたい。 コミック感想と言いながら、コミック単位は書きづらいので、エピソード単位の感想になりそう、です。 (2021年10月21日の日記)
|