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宿題〜「めぞん一刻」と「こころ」2 |
本題に入って宮川健郎氏の「再話された『こころ』」。 まず「再話」の意味だが、「昔話・伝説、世界の名作文学などを、子供向けにわかりやすく書き直したもの。」とある。 これは難しい話、長い話をそのまま読むよりは子供が受け入れやすく、理解しやすいという意味で当然のことと言える。 ところが、「こころ」の場合は「こころ」から「下ー先生と遺書」のみを切り離し、それだけを中心化し、作者漱石の思想と倫理を解釈する対象として作品化されてきたとしている。 ここで疑問に思ったのは、一般的な意味での「再話」は「簡略化」といった意味合いを持つのに対し、宮川氏の「再話」は「抜き出し、抜き書き」という意味を持つのでないかということ。 だとすればタイトルに「再話」とつけるのは不思議な気がする。 宮川氏は「再び作られた『こころ』という物語」という意味で「再話」とつけたのだろうか。 後で宮川氏が長編小説を切り取って、と明記しているので、一般的な意味とは違った意味で「再話」という言葉を使っているのかもしれない。 それはともかく「こころ」のこの形での再話、これは問題だ。 たとえば上が問題提起で下が解決編なら、下だけ抜き出して作品を理解しろと言っているようなもの。 これがミステリーなら作品として成り立たない。 にもかかわらず、「こころ」が高校の国語教科書や大学の一般向け教養書にもっとも象徴的に現れているそうだが、こうした形で「再話」されるのは、確かに下の部分だけでも独立した物語として成立するからだと言える。 ただ「こころ」を教材にしようと思えば、全編を教科書に掲載するわけにはいかないのは当然のこと。 ならば「こころ」をどう「再話」して行くかが大事なのだが、ここで最初の「下ー先生と遺書」でまとめてしまう弊害が出てくるということなのだろう。 ここで出てくるのが「めぞん一刻」。 頭を抱えて読んでいたのに、吹き出してしまったのだが、めぞんの漫画がそのまま掲載されているのである。 「ー只今教育実習中。で始まる五代君の授業風景と次のページにかけての五代君の簡単なあらすじ紹介。 それと「んで翌日ー」から次ページ八神に「未亡人は好きですか、とうかがっているんです。」と突っ込まれてるとこ。 宮川氏は大真面目に載せたのだろうが、なんかおかしい、とっても笑える。 しばらく涙流して笑ったが、そんな反応した読者はたぶん私だけだろう(笑)。 宮川氏は響子さんと五代君、三鷹さんの関係を「こころ」になぞらえて、「こころ」の先生にあたるのが五代君(恋の勝者という意味で)で、Kにあたるのが三鷹さんとしている。 同時に三鷹さんは叔父さんの勧めで九条家の明日菜さんと「結婚させられ」、三角関係を離脱するが、そこからKであると同時に「私」の影を引きずっていると解釈している。 私は実は宮川氏は熱烈な高橋留美子ファンなのではないかと思っていたが、そうではないらしい。 三鷹さんが明日菜さんと「結婚させられた」というのはちょっと違う、三鷹さんが自ら選んだ道であって、微妙に違う。 「めぞん一刻」の中で様々な三角関係が繰り返し描かれ、反復されることによって、三角関係そのものが相対化されてしまう。 「めぞん一刻」は結果として三角関係を反復しながら、作品の中に呼び込んだ教科書版「こころを」を脱色しているとある。 残念ながらここの意味がわからず、同時に納得はできなかった。 高橋先生が「こころ」について言及したことがあるかどうかは知らないが、私が「こころ」と「めぞん一刻」を読み比べる限りは、そこまで考えたものではないという気がする。 高橋作品に三角関係は必須なスパイスで、響子さんが未亡人になったのも「こころ」の影響ではない、もっとさっぱりしたもの。 私にはそうとしか思えないのだが・・・。 ところで宮川氏が響子さんが未亡人設定になっていることについて糸井重里×高橋留美子対談を参考として挙げているが、 それはあくまでもやり取りがあるだけであって、特に「こころ」に触れているわけではない。 「こころ」が「めぞん一刻」に登場しているということがあったとしても、私は作者はそこまで意識していなかったのではないかと思う。 ちょっと乱暴な結論かな? もし「私は『こころ』を参考にして『めぞん一刻』を書きました」なんてコメントがあったら是非読んでみたい。 ところでこの糸井高橋対談、なんと高橋先生が24歳の時のもので、とてもおもしろい。 次回はこちらの感想を書いてみたい。 (2013年6月2日の日記)
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「高橋留美子×糸井重里」対談感想 |
1981年(昭和56年!=高橋先生24歳!)神保町で行われた高橋×糸井対談が掲載されている「話せばわかるか 糸井重里対談集」を知ったのは、「総力討論 漱石の『こゝろ』」
を読んだ時。 「めぞん一刻」の響子さんが未亡人設定にしたことに関して、この対談に触れられていると紹介していた。 同時に著者の1人、宮川健郎氏は、「めぞん一刻」の授業のシーンに「こころ」が登場したことから、響子さんのキャラ設定とめぞんのストーリーは「こころ」をモチーフにしていたのではないかと考察する。 てっきり対談の中で高橋先生が「実は『こころ』に影響を受けて・・・」なんて言ってるのかと思ったらそんなことはなく、、ヒロインとして響子さんに秘密が欲しかった、恋の成就に制約が欲しかったと言っているだけだった。 無意識の部分で影響を受けたかどうかはともかくとして、高橋先生自身が「こころ」について言及している部分はないのか・・・。 まあ一言でもそんなこと言ってたら、Wikipediaあたりにとっくに掲載されているだろうけど、とりあえず確認してみたかった(笑)。 さてこの対談集、なんと30年以上も前の本だから、対談相手として出てくる人たちがみんな若くてギラギラしている。 「映画を作りたい」と語っているビートたけし(北野武)氏のコメントなど、いま読み返せば感慨深いものがあるだろう。 高橋先生も最近のインタビューを読むと、インタビュー慣れしてるというか余裕があるというか、興味深い内容を語りつつも、あまり突拍子もないことは言わない気がする。 「境界のRINNE」はともかく、他作品や漫画家としての語りなどはもう何度も語って来ただろうし。 それに比べてこの対談、高橋先生も熱い、糸井氏も熱い。 糸井氏の引っぱり出しが上手なこともあり、若くして人気爆発した高橋先生の自信と気負いが感じられる対談集、おもしろかった。 高橋先生が子供の頃、内気で学校が嫌で行事が嫌で勉強が駄目で友だちとも関わらず、一人で漫画ばかり描いてたという話は、他でも読んだことあるけれど、この対談ではまだ若いせいかもっと生々しい。 でも特に傷ついたり登校拒否したりするわけでもなく、性格が歪んでたなんて言われると本当に驚く。 一人ぼっちの高橋先生を救ったのは漫画だったなんて美談でもなく、この辺のおっとり具合というか、マイナスの自 分を淡々と語るところは、ある意味らしいのかも。 そしてプロの漫画家になって、生活の心配をすることなしに漫画を描けるのが幸せと語る高橋先生(笑)。 売れてお金が入る、どう使う、じゃなく、これで心置きなく漫画が描けると喜ぶ先生。 なんていうか、体の中を流れる血液に、鉄分や血球と一緒に漫画やインクが流れてるんじゃないかと思えるほど。 だからお金自体にあまり執着していないように見えるのか。 でも引きこもりの運動嫌いなんて読んでると、鉄砕牙ツアーではしゃぎ回ったなんて記事を思い出して、笑っちゃったりする。 高橋先生、お身体は大切に。 プロとして印象に残ったのが、自分はプロの原稿を作りながら、プロになろうとした。 力をためてからデビューするとかおかしいと思う、現場で力を磨いていかないと、うまくならないのではないか・・・。 何だろう、「昭和の職人」という言葉が頭に浮かんだ。 でもこの気構えが若いうちからあったからこそ、未だに第一線で活躍できる実力が身についたんだろうなあと思う。 対談でこの言葉が印象深かった。 あと、高橋先生の女性キャラにはヤキモチ焼きが多いというイメージがあるが、それはマドンナ像=理想の女性像からいろ んなものをはがしていくと、オンナのかわいい部分とか、見にくい部分とかがあらわになってくる。 自分にはそれをのぞいてみたいというスケベ心(原文ままです!)があるのだとか。 なるほど、高橋先生は完璧な女性を描きたいわけじゃないんだ、生身の「オンナ」を描きたいんだっていうのは目から鱗だった。 実は高橋作品を読んで、どうしてこの女性キャラはこんなにヤキモチ焼くんだろって思ったことは数知れず。 それは私が自分の理想のキャラ像を求めていたからなのだろう。 逆にみんながそんな女性だったら、ここまで人気が出なかったのだろうか。 まあ「オンナ」と片仮名で書くこと自体がどこか生々しいが、そこにやっぱり少し引いちゃうのは、私の性格上、というか相性の意味で仕方がないか。 最後に「オトコが嫌いなわけじゃないけど、オンナの方がずっとおもしろい、理不尽だからおもしろい」と言い切る。 24歳にしてすでにこの極地。 これまで高橋先生の人生についていろいろ興味を持っていたけど、この対談を読んで、高橋先生の心の内をのぞいてみたくなった。 一体どんな人なんだろう。 まあこうして作品やらインタビューやら読みながら、考察していくのがおもしろいのだけど。 (2013年6月20日の日記)
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「るーみっくわーるど35」本日到着! |
待ちに待ってた 「るーみっくわーるど35」本日到着! いろんな作品のキャラ勢揃いの表紙からして楽しくて、いくら見てても見飽きない。 それにしても、玄馬パンダの優遇ぶり(笑)。 1冊目「ALL STAR」より第1章は「WORK 全作品紹介」。 イラスト入り年表だけど、あちこちにキャラが散りばめていて、見てるだけでも楽しい。 1978年(昭和53年)6月のデビュー作「勝手なやつら」に始まり2013年(平成25年=今年)の最新作「私のスカイ」まで、全作品のストーリー、掲載号、収録コミックスの紹介。 こうして見ると知らない作品もかなり多い。 第2章は「CAST キャラクター事典」。 作品ごとに作ってくれてるので、知らない作品があってもわかりやすい。 ちなみに一番最初に登場するのは「うる星やつら」の「愛子」。 もちろんイラスト付きなので、これからじっくり読むつもり、因幡可愛いなあ。 錯乱坊(チェリー)が二段ぶち抜きで優遇されてるのには笑った。 今頃気づいたけど、サクラってりんねの桜と同じ名前なんだなあ、字は違うけど。 涙ものはやっぱり「犬夜叉」。 物の怪漫画だけに、キャラ多くて「奥方さま」も神楽に操られバージョンと神無に操られバージョンと2人登場、「お師匠さま」と「お師 匠さまの弟子」も神無と関わるバージョン、凶骨と関わるバージョン、桔梗と関わるバージョンの3パターン。 あまりにも丁寧で、笑いがこみ上げてくる、なんで? 第3章は「ITEM 道具・武器・メカ事典」 「音無響子のアルバム」「音無響子の傘」「音無響子の制服」「音無響子の葉書」とかこちらも丁寧過ぎて笑えるレベル。 発売延期になるわけだ・・・。 アイテムはさすがに「境界のRINNE」が多い、死神道具。 第4章は「PLACE 地名・場所事典」 これはおもしろかったけど、さすがに実名は出て来ない。 モデルとかちょっと期待したんだけどな、残念。 第5章は「TECHNIQUE 技事典」 さすがに短編などのリアル系になると、ガタンと減る。 第6章「VOICE 名ゼリフ事典」 驚いたことに一作品2ページ限定で選りすぐりの名台詞集。 感動的な台詞が多いけど、「境界のRINNE」が「心の狭さなら誰にも負けない(魔狭人)」とか「りんね・・・パパは、働きたくないんだーっ!!」の鯖人の絶叫とか、完全に「迷台詞」。 桜とりんねに素敵なシーンもあったのになあ。 逆に鋭く迫って来るのが「人魚」シリーズ。 「めぞん一刻」の恋愛模様もいいけれど、人魚は生き死にがリアルに出てくるから、切なさが突き抜けている。 第7章は「ETC. アニメ・グッズ特集」 高橋先生のお宅訪問したいです・・・。 ラムちゃん羽子板はないけど、「犬夜叉羽子板はあるよ」っとちょっと自慢してみたり→「こちら」 今日は「十二国記」と「るーみっく35」のダブル更新でここで力尽きました・・・。 ロングインタビューとコラムその他の感想はまた後日。 (2013年6月25日の日記)
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「るーみっくわーるど35」感想〜インタビュー |
高橋先生クラスになると、インタビューを読む機会も多くて、今回の記念本も子供の頃はどうで、漫画家になったきっかけは
こうで、というある意味決まりきったインタビューになるのかなあと思っていたら、全然そんなことはなかった。 おもしろい。 他のインタビューと読み比べてみても、高橋先生も同じような質問でも答えを変えてくれたりしているので、ああ慣れてるんだなあと(笑)。 インタビューの中では、やはり「漫画家にしかなりたくないという思いはありました」の言葉が印象に残る。 「〇〇になりたい」と夢を語るコメントはいろいろな所で読んだけど、「〇〇にしかなりたくない」はあまり見ない。 漫画家になれなくても、家にこもって漫画描き続けてたかもしれない、そんな迫力すら感じられる。 「頼まれたら絶対に断らない」も言うのは簡単だが、「うる星やつら」と「めぞん一刻」を同時に描き続けながら、どちらも高い人気を誇り続ける、すごいことだ。 2本同時連載の苦労は口にしないとあるが、実際に苦労と思わなかったのかもしれない。 1本描いている間に他の作品のアイデアが浮かんだり、お笑い描いてるとシリアスやりたくなったりするというのは高橋先生がよくインタビューで口にする言葉だが、まさに本音と言う気がする。 同時にバランス感覚、気持ちの切り替えに優れた人なのだろう、漫画制作に限らず、羨ましい。 ちょっと苦いおもしろさ。 「うる星やつら」や「らんま1/2」は終わるべき時を自分で感じて自分で管理しているが、「犬夜叉」に関しては、「最後をちゃんと終わらせることができた」と答えている。 高橋先生、描くには尽きなかったろうが、自身にとっての「終わるべき時」と感じたのはいつ頃だったのだろう。 それと、「らんま1/2」で連載が1本になった時に、「楽になった」と思うのではなく、逆にプレッシャーになった(らんまがお もしろくないと、他で挽回する場がないと感じた)というのはすごい言葉だと思う。 以前から高橋先生は「休まない漫画家」だなあと思っていたが、らんまの時に、腹膜炎を起こして入院、初めて原稿を「落とした」のだそうだ。 その時ショックで、2度目の入院の時はアシスタントを病院に読んで指定してチェックして、という壮絶なエピソードを披露。 最近はりんねに似てまったりして(笑)、香港行って休んだり、(「犬夜叉」描いてたのかな?なんて勝手に想像したけど)普通に休んだりもあったけど、このプロ意識は凄いと思う。 私は毎週サンデー買ってるけど、りんねの連載休みの号は買わない。 漫画家は、ファンにとってはそれだけの影響力を持っているものだと思う。 そして同時に先生も、かつてファンだった頃の気持ちを失ってはいないのだと思う。 「犬夜叉」でかごめが最後、どちらの世界を選ぶかについて、かごめ役の雪野五月さんと話して、雪野さんは戦国時代を選んだという話も紹介。 「現代のものを全部捨てていくことになるけれどいいですか?」って聞いたら、かなり困惑していたとのこと。 話はかごめのことなのに、雪野さんが自分の事のように困惑、声優としてかごめと一体化していたゆえなのか、自分の発言が「犬夜叉」の大事な部分を決めることに慄いたのか(笑)。 さすがプロ、と思いつつもうらやましい。 実は私、かごめの最後の3年間、今でも本当に必要だったのかな?という気持ちがある。 「最後の挨拶、現代の人たちとちゃんと過ごさせたかった」という高橋先生の優しさだった。 ストーリーに直接関係しなくても、想いによって付け加えられた部分だった、なるほど。 一転「境界のRINNE」では死神設定とはいえ、死には踏み込めない部分もあるからしみったれの部分を謳歌しようという心構えに笑った。 残念ながら、りんねに関するコメントは少なく、すぐ「高橋留美子劇場」に移り、「女性の気持ちよりも、おっさんの気持ちの方が分かるんですよね。」のコメントにまた笑った。 先日読んだ糸井重里さんとのインタビューではその辺もっとストレートに、えげつなく(笑)語っていたけど。 最後に「少年漫画は人生の友」であり、「読者に読んだことを後悔させない、自分でも描いて良かったと思えるものを描きたい」と結んでインタビューは終わる。 2008年(平成20年「高橋留美子展」の頃)読売新聞に掲載されたインタビュー、「るーみっくわーるど35」発売直前に掲載された「コミックナタリー」の インタビュー、そして今回のインタビューを称して「高橋留美子インタビュー三部作」と名付けたい。 それほどただ漫画家としての歴史をたどるだけじゃない、中にまで踏み込んだ、いいインタビューだと思った。 ★読売新聞に掲載されたインタビューは読売onlineでも読むことができたのですが、残念ながら現在は削除されたようです。 (2013年6月28日の日記)
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「るーみっくわーるど35」感想〜その他 |
「けも・こびるの日記」ってこんな感じだったのだろうか。 「るーみっくわーるど35」の中で、「仕事場と本と私」が一番おもしろかった。 高橋先生も漫画家だけに、口で話すより絵で描く方が気楽なのかも。 40周年記念号には是非「我が半生」を漫画でお願いしたい(笑)。 練馬区に住んでるのかあ、ばったり会うなんてこと、まずない場所だ。 高橋先生が漫画家として売れて行くにつれ、増えて行く物、そして引っ越し、さらに増えて行く物、さらに引っ越し、またまた増える物、またまた引っ越しの過程がおもしろおかしく描かれている。 大学3年の頃はJR中野駅から徒歩10分の中古アパート(あたるの部屋のモデル)→あっという間に雑誌や資料で埋まる。 隣りの謎めいた学生アパート(一刻館のモデル) 大学卒業後、マンションに引っ越し(4Fエレベーターなし)→あっという間に本で埋まる。 また引っ越ししてマンションのワンフロア2部屋借りる(4Fエレベーターあり。→ゆとりはあったが3畳洋間には少年サンデーがみっちり詰まっていた)→りんね175話「思い出発掘(魂子さんの大掃除)」を思い出した。 広い1戸建て→最深部は人外魔境。→本の波が応接室に進出→書籍管理会社に送ると→また届く。 先生曰く「賽の河原で石を積むが如し」 新しい家の地下室に書庫とキャラグッズの部屋を作る。 先生曰く「お宝(骨)を地中に埋める惣一郎さんの如し」←今ここ→えむ曰く「地下室も近い将来埋まるでしょう」 地下室には「高橋留美子展」で飾られていた巨大雲母が天井から吊り下げられていて笑える。 そういえば、以前何かで実物大の飛来骨作って珊瑚役の桑島法子さんにプレゼントし、桑島さんが困ってたことを思い出した(笑)。 あとファンレターで「励ましのお便りを!」って「何かあったのですか?大丈夫ですか?」って小学生からの手紙が和む。 このファンレター出した子、「るーみっくわーるど35」買ってるのかなあ・・・。 最後に中野のアパート、2年前にはまだ残ってて、人が住んでたそうです。 住人さんは、そこに以前高橋先生が住んでたこと、知らないんだろうなあ。 ちょっと教えてあげたいなあ、私もどこかは知らないけれど(笑)。 「MOON大ペット王」はなんかすごい贅沢漫画。 子供向けなのにるーみっくの全てが詰まってる。 他の漫画家からのメッセージ、当然ながら似ても似つかぬるーみっくキャラ(肉感的なラムとか、笑)が勢ぞろいですが、ちばてつや先生がれんげファンなこと、しっかり受け止めました! もう1冊の「SHOW TIME」は美しい原画をひたすら見てため息をつくだけのお仕事。 8ページのちっちゃいあたるを手に乗せているラム、38、39ページの「めぞん一刻」の4カット、45ページ、青い水着の響子さん、70ページの雪だるまパンダを撫でてるらんま、120ページの寄り添う犬夜叉とかごめ。 135ページ、ケーキに囲まれている桜、少女漫画っぽい231ページの青いドレスの女の子(「スリム観音」)が特に好き。 妖艶系よりほんわか系、くっきり色より淡い色、どちらかというと可愛く描いたキャラが好きかも。 熱があっても、カラーが決まればぴたりと下がる、高橋先生の体の中には絵具が流れているのでしょう。 「うる星やつら」から「犬夜叉」連載開始までは何も知らない私、今に至っても新参者の意識が抜け切れないのは、やはいそれだけ高橋先生の長く、深く熱いキャリアと、 それを支えるディープなファンの想いががっちり絡み合ってスクラムを組んでいるからなのでしょう。 たぶん永遠に追いつけない。 それでも小指1ミリだけでもしがみついて、これからも付いて行きたいと思っています。 改めて35周年、おめでとうございます。 いついつまでも素敵な作品を描き続けて下さいますように。 (2013年6月29日の日記)
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7月14日 日暮の森 |
先日巣鴨の地蔵通り商店街を歩いていたら、小さな遺跡発掘現場を見つけた。 中山道沿いの町家跡だとかと表示があったが、恥ずかしいことに「タカセの協力により」とあったのだけしっかり覚えている。 タカセとは本店が池袋にある老舗の洋菓子店。 亡き尾崎豊さんが子供の頃から誕生日にバースディーケーキを買ってもらったお店ということでも有名。 そのタカセが巣鴨にお店を出そうとしたら、遺跡が出て来たのかな? 発掘調査が終わったらここにタカセができるのかな?なんて思いながらその日は帰ったが、後になって懐かしい記憶が蘇ってきた。 以前「日暮神社」が実在するという理由だけで静岡県伊東市に行ったことがある(「犬夜叉考察8」 「犬夜叉考察9」 参照)。 まあさほど遠い場所ではないし、有名な温泉地だし、と気軽に出かけてみたら、日暮神社のそば に「音無神社」まであってびっくりしたのだが、今にして思えば、「日暮」は「一日中」といった意味を持ち、「一日中見 ていても飽きることがないほど美しい景色」と言う意味で「日暮里」という地名ができたりと、さほど珍しい言葉では ないのだった。 日光には日暮門と呼ばれる陽明門があるし、白神山地にも日暮神社がちゃんとある。 ただ伊東市の場合はちょっと特殊で、昔伊東の地に流された源頼朝が八重姫と恋に落ち、 夜になるのを待ちかねて八重姫と恋を語ったのが日暮の森で、そこから日暮神社が生まれ、川のせせ ぎがうるさいと一喝されたため音無川ができ、音無神社が生まれたといういきさつがある。 高 橋先生がこの2つの神社を意識していたかどうかはもちろん知らないが、本当におもしろい旅行になっ た。 で、直接神社には関係ないが、その時見つけたのが「日暮遺跡」で、巣鴨の遺跡発掘風 景にこの時のことを思い出したのだ。 伊東市文化財管理センターで学芸員の方にいろ いろ話を聞くことができ、その様子も「犬夜叉考察」で紹介してあるが、この時に「これはまだ展示し ていないので、写真をしばらく公開しないで下さい。」と言われた写真がある。 さすがに10年もたっ たらいいだろうということで、今回はその時の写真や資料を紹介したい。 私の「犬夜叉」関係のコンテンツ をまとめた「日暮の森」の由来、とでも言ったらいいのかな? それと実在した日暮神社の資料です。 一番上の写真は戦国時代からははるか昔の弥生時代の石器だが、「犬夜叉」関係は抜きにしても 、こうして専門の方にわかりやすく説明してもらうのは得難い経験だった。 二番目の写真は明治43年の伊東市の地図。 三番目の写真は「絵はがきー伊東百景」に掲載されているかつての「日暮ノ杜」。 真ん中辺に見える石灯籠が現在の日暮神社に残されている(考察参照)。 余談だが、この時お世話になった学芸員の浦志さんが今もお元気で活躍されている ニュースを6月6日の「伊豆新聞」で見た。 もう覚えてもいらっしゃいませんでしょうが、浦志さん、あの 節はいろいろとありがとうございました。 「犬夜叉」のためにはるばる東京から来たとはとても言えず、「源頼朝」 のことでとごまかしつつも、あまりの知識のなさに苦笑されることばかり、今思い出しても顔から火が出ますが、実は 「犬夜叉」でした(笑)。 機会があったらまた伊東市を訪れて日暮神社に行きたいです。 (2013年7月14日の日記) |
小池一夫×高橋留美子対談感想 |
対談感想入る前に、岡山県瀬戸内市の「備前長船刀剣博物館 備前おさふね 刀剣の里」にて9月16日まで
「二次元vs日本刀展」が開催中。 小池一夫、池上遼一、高橋留美子といったそうそうたる顔ぶれがイラストを公開しています。 残念ながら高橋さんのイラストは公式サイトに載ってませんが(というか作家紹介に名前すらない)「こちら」の 動画で見ることができます。 背景は赤、大きな三日月をバックに珊瑚か真魚のような女性が黒と赤の着物に身を包み、日本刀を抜き放って身を躍らせてる場面です。 これは凄いです、素敵です、欲しいです。 日本刀の反りと三日月の曲線のなまめかしさと、女性の鋭いまでの美しさ、じっくり見たい〜。 岡山の人はいいなあ。 金田一耕助絡みでも一度は行ってみたい場所なんですが・・・。 さて「小池一夫対談集」買いました。 対談相手に手塚治虫、石ノ森章太郎といった名前があるように、以前行われた対談をまとめたものです。 高橋留美子さん(今後は先生ではなく、さん付けでいきたいと思います)との対談は2001年(平成13年)7月7日発行の「メディアに活きるキャラクターを生み出す秘訣」に掲載されたものとのこと。 よって話題は当然「犬夜叉」、嬉しい。 時期的には220話前後で、奈落が殺生丸を城におびき寄せて、体内に取り込もうとするも失敗、白霊山に身を隠すあたり。 もちろんこの時点では奈落がどこに行ったかは明らかにされず、「消えた気配」の言葉で表現される。 さらに鬼の首城で弥勒が危機に陥るも、邪気の効かない(笑)お祓い屋のおばあちゃんのおかげで助かったり、猿神さまが出て来たり、そして10月頃に七人隊へとなだれ込む。 Wikipediaには、高橋さんが「小池一夫劇画村塾」出身で小池さんに師事、小池さんに「お前はプロになれる」と声をかけられすぐに特別研修生となるとあります。 有名なお話ですね。 それだけに高橋さんも、作品作り、というよりキャラクター作りに関してかなり具体的に話してくれており、読み応えがあります。 急に「高橋さん」なんて書くと自分の中でも落ち着かないなあ。 元々ホームページを作った時に「高橋留美子、小野不由美、青池保子」がメインだったので、なんとなく「先生付け」で読んでました。 でも今回のように他の人と関わる場合は、「高橋先生と〇〇さん」とすると失礼だし、これまでは誰でもその時だけ「先生付け」で読んでましたが、やはりどこか居心地が悪くて・・・。 で、今後は全て「さん付け」で統一するつもりです。 さて対談。 最初に印象的なのは 「犬夜叉に誰を絡めようかという場合に、どういう性格の人間を絡めると話が転がって行くのだろうかをよく考えます。」 そしてかごめが最初はもっと強い性格だったけど、犬夜叉があまりにも余裕がないので、そういう子をぶつけると凄いヒステリックになってしまうと思い、だんだん柔らかい女の子になっていったとのこと。 これ、おもしろいです。 確かにこの時期は柔らかい感じでしたが、この後桔梗が絡み始めてまた変わり、最終回に向けてさらに変わりましたね。 1人のキャラクターの変遷、この辺をワイド版でどんどん語って頂きたいのですが・・・。 あと最初は仲間に加えたいと思って描いていても、何回か動かすと「この子はだめだ」となるんです。 だめだと思われた常連候補、誰だったんでしょうねえ。 人間、ではないでしょうねえ。 妖怪でも少年少女でしょうねえ、でもぱっと思い浮かばないです。 灰や芯太はまだ出てないし、小春や真由がレギュラーってのもおかしな話だし。 いずれにしても居場所のあるキャラ達だったし、地念児や紫織もやられるなり別れを告げるなりきっちりまとまってますからねえ。 小池さんが両方のキャラ(犬夜叉とかごめ)がいまいこと起ってきて、犬夜叉のほうが跳ねてきたって表現がおもしろい。 あとキャラクターの動きを追いかけていけば、自然と話も出来ていく、という言葉も。 ストーリー先行ではなく、常にキャラクターありき、逆に短編だとキャラクターよりストーリー。 でもお師匠さんなだけに、高橋さんが喋るより、小池さんが先に立って解説したり、自分の作品の話したりするので、高橋さんがちょっと遠慮がち(笑)。 ただもっと悪を描けたらいいと思ってるのは何度も語ってますね。 自分の中にある悪の捉え方が甘いと言いつつ、血が出る、首が飛ぶといった描写が残酷なのではなく、人間の尊厳を傷つけることを「やってはいけない」と捉える心がある。 そんなキャラクターを「悪」と捉えるかどうかはともかくとして、「少年漫画」に出てはいけないキャラクターとも言えそうです。 そこで「人魚シリーズ」についてこのシリーズでの悪の捉え方を語って欲しかったな。 人魚シリーズでも「悪人」出てくるけど、私は高橋作品の悪には「哀れ」を感じる部分があって好きです。 当時の「犬夜叉」の勢いを感じる対談、堪能しました。 これが七人隊後、桔梗の死後の対談だったらまた違った内容違った雰囲気だったろうなと思います。 高橋さんには作品をワイド版でもっともっと語って欲しいです。 (2013年9月1日の日記)
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「リベンジドール 復讐人形」感想 |
まずは今日は高橋さんのお誕生日です、おめでとうございます。 これからもお体に気をつけて素晴らしい作品を描き続けて下さいね。 と、その誕生日に頂いた高橋さんからのプレゼントはダークな風味の日常ファンタジーでした。 予告を見た時は、人魚シリーズのようなシリアスホラーを連想していたのですが、実際はシニカルというか、皮肉な笑いが散りばめられている 漫画家の日常を描いたものでした。 高橋さんの「漫画家」という職業を照らし合わせながら読んでいると身につまされるような・・・。 よくもここまで描いてのけたという感じです。 こういう毒のある作品、私は初めて読むような気がする。 でも最後にのほほんとした笑いに収まるのはさすがと言うべき。 おもしろい〜って感じでもなく、そんなに笑いもせずに読んだが、毒にやられた、恐るべし高橋留美子、そんな感想を持った。 サンジュサマ、三呪様と書くのだろうか、なんかこんな感じの人形見たことあるなあ。 でも思いつかない。 映画「チャイルドプレイ」とか、クリスティーの「洋裁店の人形」、Xファイルの「ドール」、「陰陽師」の鬼やらい、漫画「20世紀少年」、そしてもちろん「三つの願い」「三枚のお札」など立て続けに 頭に浮かびましたが、何かモデルがあるのでしょうか、気になるぅ〜。 「子供の頃、創刊当時のビックコミックを読んでいました。 記念すべき創刊45周年に描かせていただき、感慨深いです。」と高橋さんのメッセージ。 漫画のタイトルや登場人物の名前にそれぞれいわくがありそうで、それも気になる。 高橋さん世代で、高橋さんと一緒の漫画を読んでる私だったら良かったのに・・・。 油田仙太郎、少年ヒート、J−1女学園(これはなんとなくわかる、笑)、編集者の冷水さん、復讐ドール、新人漫画家風見俊介、アシスタントの美月、 編集長の火村、アンケートに載ってる作品の数々。 ビックコミックに不定期連載中の川田弥一郎さん(ただし漫画家ではなく原作担当)が名前似てるけど、こんな悲惨な主人公のモデルにするかな? とっても仲が良い人だったらモデルにするかな? ちょっと写真が見当たらなかったけど、川田さんってこんな人? あと、風見俊介は一字違いの人は知ってるけど漫画家じゃないし。 最後に死を願って呪いをかけたつもりが、黒ではなく白で塗りつぶしたばっかりに、呪いではなく幸運を与えてしまった油田さん。 最後呆けているけど、これで良かったんだよね。 あとなんだかんだ言っても美月が干された油田のそばにちゃんといるのがほっこりした。 見捨てなかったんだ。 「充電中」、厳しい言葉だけど、そんな漫画家の裏の部分?をあえてさらけ出して自虐的なギャグ漫画にしたとも言える。 私、そんな高橋さんが大好きだ。 今日の朝日新聞にも紙面の3分の1を使ってカラーで大きく宣伝してた、あの人形とあの油田さん(笑)。 グロテスクだけど愛嬌者のリベンジドール、欲しいかな?欲しくない(笑)。 (2013年10月10日の日記)
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11月7日「ダ・ヴィンチ」高橋留美子特集感想−1 |
「ひとりごと」に写真載せましたが、表紙が京極夏彦著「豆腐小僧」を持っているラムちゃんなのは知ってました。 でも裏表紙が「めぞん一刻」の響子さんだったとは! アニメのBlu−ray BOX(オリジナルTシャツ付き)の宣伝なのですが、響子さんのまわりにミニキャラ化した住人たちがわやわやいる有名なイラストがどどんと、これは感動物です。 表紙のラムちゃんも可愛いなあ、この顔好きです、とても。 最終ページはらんまの宣伝、これも可愛いです。 高橋さんによる「特別描き下ろしマンガ」の「本が捨てられない」、前にも描いてましたが、最後の「30数年前友人が勤めてたエロ出版社から貰ったエロ劇画」を「うしおととら」の藤田さんに見つかったエピソードにくすっと笑いました。 漫画家になってよかったことは、「いい年してマンガばっかり買っていても、誰からも怒られない事です。」 デビュー前の大学生の頃の部屋、響子さんの部屋みたい。 加藤一朗著「象形文字入門」、石田栄一郎著「マヤ文明」、ジョン・テイラー著「ブラック・ホール 宇宙の終焉」、長谷川博一著「暗黒星雲を探る」が紹介されています。 民俗学みたいな本が多いと思っていたのでちょっと意外でした。 あと1冊ちゃんと見えなくて気になるのが、白地に不死鳥?らしきシンプルなイラストに「神々」と書いてある本がわからない。 アマゾンで検索してみたけど、古い本だと表紙画像が残ってないし、気になるなあ。 なんかどこかで見た記憶があるような気もするのだが・・・、悔しいです。 当時はマンガよりも現代新書やブルーバックスをたくさん読んでいたそうです。 ちなみにブルーバックスとは、Wikipeiaによると、「講談社が刊行している新書で、自然科学全般の話題を専門家ではない一般読者向けに解説・啓蒙しているシリーズ」とのこと。 現代新書も講談社です、ブルーバックスという言葉は初めて知りました。 デビューしたら資料やサンデーがたまり始め、どんどん大きなスペースに引っ越し、の模様は35周年であちこちに描かれましたね。 小説は、その時気に入った作家の本を出てるだけ買って一気に読むパターンが多いとか。ミステリーが多めで、疲れてる時はエッセイなど。 実はここで読んでる本に山の絵が描いてあるので、前記の本が夢枕獏著「神々の山嶺」かな?と一瞬思いましたが、時期が合わないんですよね・・・。 ソファのそばのテーブルにも、仕事場にもさりげなく灰皿があったりします。 あと宝塚のプログラムを手に「物欲が強いのだと思います」だって(笑)。 次にキャラと作品のアンケート結果。 ダ・ヴィンチだけにコメントが大人っぽい気がします。 その中で作品1位がらんまなのはちょっと意外でした。 でも投票したのが279名ってちょっと少なくないですか? って私も知らなかったので投票してませんが(笑)。 作品は 1位「らんま1/2」 2位「うる星やつら」 3位「めぞん一刻」 4位「犬夜叉」 5位「高橋留美子 人魚シリーズ」 でした。 なるほど、投票数が少なければこんな順位もありですね。 キャラは 1位 ラム 2位 早乙女乱馬 3位 音無響子 4位 天道あかね 5位 犬夜叉 でした。 思い出話がおもしろくて、他の雑誌を読んでいたけど高橋作品を読みたくて、「弟と会議を開き、サンデーに変えた」人には笑いました。 作品別キャラ解剖は諸星あたる、音無響子、シャンプー、殺生丸、六道りんね、耕作&アンジェラです。 殺生丸の紹介イラストが、初期のかっこいいというよりお茶目な顔したものなのがなんとも言えず・・・。 りんねは平熱キャラと認定。 あまり感情を表に出さず、でも小さな幸せを知っているりんね・・・? 最近のりんねはちょっと違いますよ。 いつ頃書かれた記事ですか〜? この後は俳優の中村蒼さんの犬夜叉再現という謎の企画、そして「高橋留美子劇場」と「人魚」シリーズのエピソード紹介。 ここで力尽きましたので、高橋さんインタビュー&対談感想は明日にでも。 (2013年11月7日の日記)
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11月8日「ダ・ヴィンチ」高橋留美子特集感想−2 |
今日、電車の中でカバーをかけた(笑)「ダ・ヴィンチ」を一通り読んでて、おっと思ったのが72ページ。 「ダ・ヴィンチなんでもランキング」のコーナーで、今回は「富士山の魅力を知るランキング」。 その4位の武田百合子著「富士日記」の表紙が、15ページの高橋さんの漫画でソファに転がって読んでる本にそっくりです。 漫画の本は、タイトルが5文字ですが、「上」「中」「下」のいずれか入れると5文字になるし。 「ひとりごと」に載せましたので、よかったら見比べて下さい。 もしかしたら、この漫画を踏まえてランキングのテーマを「富士山」にしたのかも、なんて考え過ぎかな? (きのうは「神々の山嶺」?と書きましたが、あれは取消で。 もう1冊の不明本は、グラハム・ハンコック著「神々の指紋」かな?と思いました。 時期がずれてるので表紙をちゃんと見せないのかな、とか。 勝手な推理です(笑)、気にしないで下さいね。 さてインタビューです。 旺文社の古語辞典や、三省堂の全訳基本古語辞典が机の上にありますが、これって「犬夜叉」の名残り? お父さまが俳人であることは前にも読みましたが、お父さまが太平洋戦争の時、潜水艦で出撃することになって、辞世の句を詠んだら、 上官も俳句好きで気に入られ、「お前は乗らんでよろしい」と言われた話はびっくりしました。 子供の頃好きな漫画は赤坂不二夫、手塚治虫など、そしてお約束の(笑)池上遼一さんとの出会いがあります。 そして漫画研究会に明け暮れた高校時代、日本女子大史学科に合格して上京してからは小池一夫主催の「劇画村塾」に入塾、そしてデビューまでの流れが 語られます。 そして「うる星やつら」で大ブレイク、このあたりは他の場所でも何度も語られている内容ですが、ラムの魅力についてのくだりはおもしろかったです。 でも高橋さんが一番好きなのは竜之介。 ちょうど行き詰っている時に、彼女が新しいエネルギーを持って来たとのこと。 ジェンダー(男女の性別の性)が曖昧で、描いていて楽しかったとか。 私は可哀そうなキャラだと思ってたので、その辺がギャグの感覚がずれてるんでしょうね。 でも「庶民的なものとSFをくっつける、それはずっと私の根っこにあって」って言葉、「犬夜叉」にも通じると思う、大好きです。 「めぞん一刻」は「うる星やつら」と並行して連載スタート。 現実的な人情物かつ、ラブコメ、かな? 響子さんは珍しく連載前に設定ヒョウを作り、「うる星やつら」のサクラみたいな気の強い女性にしようかと思っていたのに、実際はあんな女性になったとか。 おもしろいのが響子さんの女性的な部分(ヤキモチ焼きなど)が男性に人気が高く、女性にはちょっと引かれてるとあった人気投票。 たしかにラム、あかねにしろかごめにしろ、高橋作品のヒロインはヤキモチ焼きが多いですね。 私は「めぞん一刻」は作品としてはベスト3に入る好き加減ですが、「犬夜叉」ほどの思い入れはないので、特に気にならなかったです。 「境界のRINNE」の桜はあまりないですね、そういう要素。 そのために、良くも悪くも存在感が薄いのかも。 次は人魚シリーズ。 NHKの「少年ドラマシリーズ」に憧れ、シリアス系が描きたかったということで「炎トリッパー」、そして人魚シリーズへと流れて行きます。 「死ぬまでには、もう1本描けたらいいですね」の言葉が嬉しいです。 1本と言わず2本でも3本でも。 「らんま1/2」は、追いかけっこだった「うる星やつら」から、向かい合って闘っている作品。 子供の頃好きだった少年漫画やジャッキー・チェンの影響で拳法もの。 「1ポンドの福音」は、「熱くない男のドラマ」 ここで「友情とかを描ききろうと思っても絶対無理、キャラにはそれぞれの生活があると高橋さん自身が思ってるから。 確かに犬夜叉あたりは高橋作品の中では熱血キャラですが、それでも他の少年漫画に比べると熱血度は低い、のかな? 「高橋留美子劇場」に関しては、自分自身がおばさんよりおじさん、の言葉にうなずいてしまいました、ごめんなさい。 でもただ駄目なだけじゃなく、彼らなりの価値観や信念がある、だからただのダメ人間じゃない、その愛おしさ。 「犬夜叉」に関してはいっぱい語りたいので、また次回に。 (2013年11月8日の日記)
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11月9日「ダ・ヴィンチ」高橋留美子特集感想−3 |
高橋さんのインタビュー、「犬夜叉」。 らんまが終わった時に、かなり描ききった感じがあり、次が思いつかなかったという高橋さん。 戦国時代が好きならそれを舞台にとのアイデアをもらい、始めたものの、行き当たりばったりで、奈落が途中で思いついたキャラだとか、 最初に犬夜叉と桔梗がなぜ闘っているのか考えてなかったなんて驚かせてくれます。 私は「犬夜叉」から入ったので、けっこう笑える漫画だな、と思いましたが、笑いが少ないと戸惑いの声が多かったとか。 これはあちこちで話してますね、よほど印象が強かったんでしょうか。 ここで物凄い一言が! 「W.W.ジェイコブズの短編小説『猿の手』のイメージが根底にあります。」 そうです! 「十二国記」の小野不由美さんが、陽子を惑わせる青猿のイメージをもらったと語る、あの「猿の手」です。 使い方は全然違うけど、私の大好きな二大巨匠が口にしたーっ!てだけで、「猿の手」は黄金色の光を放つ小説となりました(笑)。 さらに、以前「ひとりごと」で紹介しましたが、宮部みゆきさんも 絶賛しています。 そして特別編「あれから」では、最初結構な枚数のネームを描いてから、これは構え過ぎだなと全没にしたとか、もったいない・・・。 でも確かに、「いつもの犬夜叉」が読めましたね。 そして現在連載中の「境界のRINNE」。 「犬夜叉」のあとなのでゆるいものが描きたいために、登場人物の熱量が低いって。 久しぶりの学園コメディは楽しいけれど、今の高校がどうなってるかよくわからないため、古き良き昭和の時代の学校生活になってしまったとか。 でもそれでいいんだと思います。 平成の高校生活はいろんなところで描かれているし、高橋さんには駄菓子屋さんをふと見つけた時のような、そんな懐かしさを感じる漫画を描いて欲しいです。 あと季節のイベントも描けて嬉しい、なるほど(笑)。 「犬夜叉」はほとんど季節感を出しませんでしたからね。 脱力系の笑いを描くために、りんねが成仏させる幽霊たちも「しょっぱい」。 「人の死」というハードなテーマをあえてゆるく、しょっぱく、笑える世界に創り上げる。 簡単そうで難しいことなんじゃないかと思いました。 高橋さんが好きなのは六文。 これまでテンちゃんや七宝など必ず小さな子を出してたけど、六文は彼らとは異質で素直なちびキャラ(笑)。 ちなみに「犬夜叉」では、犬夜叉、弥勒、殺生丸が好きだそうです。 作者様に言うのも何ですが、意外とミーハー(笑)。 今後は、というより今はりんねに集中したい、週刊連載も続けて行きたいと嬉しい言葉を残してインタビューは終了。 別枠で「好きな本」の紹介もありました。 ★宮部みゆき著「火車」 > ・うる星やつら」と「めぞん一刻」連載中、ずっと物語を読めなくなってたけど、この本に小説の面白さを再認識できたと感謝しているそうです。 ★曽我綾子「不在の部屋」 ・「1ポンドの福音」のために読んだ本。 でもかなり残酷な話で、人間は宗教で救われるかという問題を扱っていますが、主人公は駄目だった。 凄い人間ドラマだとのこと、読んでみたいです。 ★浅田次郎著「蒼穹の昴」 ・これは外せない、単純に面白い、冒頭のつかみが凄いと大絶賛。 私も読みましたが、こういう捉え方はしなかったな、淡々と読んでいたような記憶があります。 ★中島らも著「ガダラの豚」 ・文句なしに冒険活劇として面白いですと、感想がシンプルなだけに思い入れが凄そうです。 ★京極夏彦著「文庫版 豆腐小僧双六道中おやすみ」 ダ・ヴィンチの表紙でラムが持ってる本です。 豆腐小僧が可愛くって癒されるそうです。 ちなみにこれは続編なので、1作目の「ふりだし」から読むのも楽しいかも。 豆腐小僧がどんな存在か、ということはそれぞれの話の中で嫌と言うほど説明されるので、「おやすみ」からでも十分理解できますが。 こちらは文庫版なので「煉瓦本」ですが、最初に出たバージョンだと、いわゆる「豆腐本」になります(笑)。 京極物はほとんどが厚くて重いので、持ち歩くには不便です、でもそこがいい。 ★海堂尊さんも最近好き ・バチスタシリーズはもちろん、スピンオフも含めて全部好きとのこと。 キャラづくりがうまく、丁寧に作られたエンターテインメントだそうです。 私はやっぱり「チームバチスタの栄光」が一番好きです。 「はちみつ、きんかん、のどーあめ」なんて田口さんに歌われた日には(笑)。 でも「図書館戦争」や「舟を編む」などもそうですが、読みやすくおもしろい文章でも打ち出すテーマは重い。 読みやすいだけに手に取りやすく、でもそのテーマがしっかり胸に届く本はやっぱり素晴らしいと思います。 余談ですが、ここで高橋さんが「エンターテインメント」って言ってるのにえっ?と思いました。 ややこしいけど「エンターテイメント」と思っていたので誤字?って。 そしたらどっちでもいいんだそうです。 どっちが一般的なんでしょうね。 考えだしたら、普段自分がどっちにしてるかわからなくなりました(笑)。 (2013年11月9日の日記)
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「ダ・ヴィンチ」高橋留美子特集感想−4 |
ダ・ヴィンチの感想に入る前に、「ゴルゴ13」のさいとう・たかをさんが、11月9日発売のビッグコミック22号にて連載開始から45周年を迎え、
これを記念して「私が描くデューク東郷」と題し、多くの作家が「ゴルゴ13」のイラストを寄せています。 その中に高橋留美子さんのイラストもあるということで買いに行きました。 ゴルゴ13の顔したコタツねこと、ゴルゴ13がコタツに入ってる微笑ましいイラスト、すごく可愛かったです。 ただ、イラストの大きさがトランプぐらいで、カラーでもなく白黒ページだったので立ち読みだけにしました。 でもとても可愛いので一見の価値はあり、ですよ。→「こちら」 さてダ・ヴィンチは作品紹介から。 紹介だけでなく本人のコメントが載っているのも見どころです。 しかも結構長い、しっかりしたコメント。 ダ・ヴィンチさん、さすがです! 気になるコメントをピックアップすると・・・。 ★「高橋留美子劇場」 ・いろいろ好きな話は多いんですが、『Pの悲劇』や『専務の犬』は気に入っています。 ★「犬夜叉」 ・四魂の玉の設定は、古神道の本がヒント。 それに、四魂とかのワードが出ていて。 でもスピリチュアルな問題には興味なかった。 魂って、人柄とか性格とと同義だと思うんです。 だからやっぱりキャラを描ききろうと思っていました。(全文) (このスタンスが大好きです。) ★「境界のRINNE」 ・りんねの貧乏な設定は、竜之介を引き継いでいますね。 貧乏を描くの好きなんです。(全文) この後、著名人の皆さんからのお祝いのメッセージ。 古田新太さんのメッセージには爆笑しました。 48歳の殺生丸、見てみたい。 古田さんなら意外にありかも(笑)。 次は京極対談なのですが後回しにしてあだち対談から。 実は私、あだち充さんには本当に申し訳ないながら、あだちさんの漫画は読んだことも見たこともありません。 アニメの名場面をもう一度、などでおいしいとこだけ見てるので、ストーリーやキャラはなんとなくわかりますが。 なので、あだちさんには本当に、本当に失礼なことながら、サンデーの二枚看板と言えば、高橋さんとコナンの青山さんだと思ってました。 まあ「犬夜叉」に出会うまで、私にとっては「高橋留美子」も「アインシュタイン」や「聖徳太子」なみに名前しか知らない遠い人でしたが。 「高橋留美子の定義=うる星やつらのラムを描いた人」 「ラムの定義=虎縞ビキニで、ちゃをつけて喋る子」 くらいしか知りませんでしたし。 でもサンデー50周年記念号の合作漫画で、2人が熱い漫画の一時代を築いた同期の同志であることを知りました。 この合作漫画も2人の漫画家になるまでの人生?をおもしろく綴ってますが、こちらのインタビューもおもしろいです。 一緒にスタートし、一緒に盛り上がって行った2人。 読んでると、似た者同士の気楽な関係? 高橋さん曰く、あだちさんはネームを削り切って雰囲気で読ませていく、空気感を伝える表現がものすごく巧みだから、読んでいて気持ち良くなると評価。 あだちさんは、「高橋留美子劇場」の短編が好き。 しょぼくれたおじさんおばさんを描かせたら、マンガ界で並ぶ人はいないって凄いほめ言葉。 で、あだちさんは真宮桜と六道りんねが好きで、高橋さんは達也と朝倉南が好き、王道です。 漫画家になってなかったらの質問には、あだちさんが「売れないマンガ家」、高橋さんは「マンガ家になりたくて仕方がない人」。 2人にとって80年代は、マンガ家としては一番幸せな時期であり、個人としては私生活がメチャクチャで最悪だったとあだちさん。 その年齢でなければ働けない仕事量で、幸せだったけど、私生活はボロボロのクタクタだったと高橋さん。 でもだからこそ今がある、重みのある言葉です。 高橋さんは有名な阪神ファン、野球漫画も「グランド・ファーザー」を描いてますが、観るのは好きでも描くのは無理だったとのこと。 一方あだちさんは、日常が好きだっから、SFに正面から向かうのは無理、いい感じに描き分けているようです。 最後に2人とも描き続けることができる限りは描き続けたいという力強いコメントで締め。 対談の後はみんなでお寿司を食べて、宮本慎也選手の引退試合であるヤクルトvs阪神戦をテレビで見たとのこと。 対談が行われたのが10月4日であることがわかりました。 高橋さんが描いた南、あだちさんが描いたラムの色紙プレゼントがあります。 (2013年11月10日の日記)
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